JP2009173873A - 有機エレクトロルミネッセンス材料およびそれを用いた素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の電極間に発光層を含む1層または複数層の有機層を備えた有機EL素子において、前記有機層の少なくとも1層が、下記一般式(1)で表される化合物を単独または混合物として含有するように構成する。
(ここで、R1〜R4は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基およびアリールオキシ基の中から選ばれ、同一でも、それぞれ異なる基であってもよい。A1〜A4は、置換または無置換のフェニル基、5または6員環の置換または無置換の複素環基の中から選ばれ、同一でも、それぞれ異なる基であってもよい。)
【選択図】なし
Description
また、LEDと異なり、面発光が可能であり、薄型で軽量であるという特性を活かして、照明パネル光源としての技術開発も進められている。
特に、演色性の高い白色発光素子を得るためには、青色発光色素から青色発光を効率的に取り出すことができるホスト材料は必要不可欠である。
このような化合物を有機EL材料として用いることにより、発光域として有用であり、色純度に優れた青色発光を得ることができる。
上記の本発明に係る有機EL材料を用いることにより、色純度に優れた青色発光を呈する素子を構成することができる。
したがって、本発明に係る有機EL素子は、近年、より優れた色再現性が求められるOAコンピュータ用や壁掛けテレビ用のフラットパネル・ディスプレイ、さらに、照明機器、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源等の面発光体としての特徴を活かした光源、表示板、標識灯への応用が期待される。
本発明に係る有機EL材料は、前記一般式(1)で表される化合物である。
このようなナフタレン誘導体は、色純度に優れた青色発光が得られる新規化合物であり、これを用いれば、高演色性の白色発光素子を提供することができる。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の飽和脂環式炭化水素基を示しており、無置換であっても置換されていてもよい。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基等のエーテル結合を介した飽和脂肪族炭化水素基を示しており、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
シクロアルコキシ基とは、例えば、シクロヘキシル基等のエーテル結合を介した環状飽和脂肪族炭化水素基を示しており、無置換であっても置換されていてもよい。
アリールオキシ基とは、例えば、フェノキシ基等のエーテル結合を介した芳香族炭化水素基を示しており、芳香族炭化水素基は、無置換であっても置換されていてもよい。
置換のフェニル基は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基で置換されたフェニル基を示す。
複素環基は、炭素以外に、窒素、酸素または酸素のいずれかを環構成元素として含む基を示す。例えば、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、フラン、フラザン、チオフェン、ピラン、チオピラン、ピロール、ピラゾール、イミダゾリン、イミダゾール、ピラジン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアゾール、トリアジン等が挙げられ、無置換であっても置換されていてもよい。
例えば、ジアミノ置換されたナフタレンを原料とし、アミノ基をサンドマイヤー反応により、所定のハロゲン基に置換する。得られたハロゲン二置換体を、遷移金属粉末(好ましくは、鉄粉)の存在下、ハロゲン置換基に対してメタ位を臭素化して臭素体を得る。
そして、この臭素体と対応するクロスカップリング剤とのNi、Pd等の遷移金属触媒を用いたカップリング反応により、前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体が合成される。
このとき、サンドマイヤー反応時のハロゲン基を適宜選択することにより、Ni、Pd等の遷移金属触媒を用いたカップリング反応において、非対称の前記一般式(1)で表される化合物を合成することもできる。
なお、原料は、特に限定されるものではなく、上記に挙げたナフタレンのジアミノ体以外にも、ジハロゲン体、ジヒドロキシ体、ジアルコキシ体等も用いることができる。
また、ディールス−アルダー反応を用いて、前記一般式(1)で表される化合物を合成することもできる。
さらに、正孔注入層、正孔輸送発光層、電子注入層、電子輸送発光層等をも含む公知の積層構造とすることもできる。
前記基板は、有機EL素子の支持体となるものであり、基板側が発光面となる場合、可視光において透光性を有する透明基板を用いることが好ましい。光透過率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることが好ましい。より好ましくは、90%以上である。
前記透明基板としては、一般に、BK7、BaK1、F2等の光学ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等のガラス基板、PMMA等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等のポリマー基板が用いられる。
前記基板の厚さは、通常、0.1〜10mm程度のものが用いられるが、機械的強度、重量等を考慮して、0.3〜5mmであることが好ましく、0.5〜2mmであることがより好ましい。
この透明電極には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛等の金属酸化物が一般的に用いられ、特に、透明性や導電性等の観点から、ITOが好適に用いられる。
この透明電極の膜厚は、透明性および導電性の確保のため、80〜400nmであることが好ましく、100〜200nmであることがより好ましい。
陽極の形成は、通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われ、透明導電性薄膜として形成されることが好ましい。
前記陰極の膜厚は、10〜500nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。
具体的には、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン(通称:TAPc)、Spiro−TPD(化10)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(通称:TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(通称:α−NPD)、TPTE(化11)、スターバーストアミン類(化12)、スチリルアミン類(化13)等のアリールアミン誘導体が挙げられる。
また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレンやその誘導体等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリ(N−ビニルカルバゾール)に代表されるホール輸送性非共役ポリマー、ポリシラン類に代表されるσ共役ポリマー等も用いることができる。さらに、フルオレンオリゴマーやその誘導体等のいわゆる共役系オリゴマー等も用いることができる。
さらに、上記有機化合物に、テトラシアノキノジメタン、トリニトロフルオレノン等の有機系酸化性ドーパント、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アルミニウム等の無機系酸化性ドーパントを作用させ、ラジカルカチオンを形成させて、正孔注入輸送層として用いることもできる。この正孔注入輸送層中の酸化性ドーパント濃度は、特に限定されないが、0.1〜99重量%程度であることが好ましい。
具体的には、パラテルフェニル、クアテルフェニル、m−フェニレン(化18)、(化19)等の多環化合物およびそれらの誘導体、(化15)、(化16)、(化17)等のスチリル化合物およびその誘導体が挙げられる。
また、アントラセン、トリフェニレン、ペリレン、ナフタレン、ピレン、コロネン、クリセン、ナフタセン、テトラセン、フェナントレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物およびそれらの誘導体、フェナントロリン、バソフェナントロリン、バソクプロイン、フェナントリジン、アクリジン、キノリン、キノキサリン、ピリジン(化20)、ピリミジン、ピロール、ピラゾール、ピリダジン、ピラジン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シンノリン、チアゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、トリアジン、フェナジン、イミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、ポルフィリン等の縮合複素環化合物およびそれらの誘導体を用いることもできる。
シロール、シロキサン等の有機珪素化合物およびそれらの誘導体、トリアリールホウ素等の有機ホウ素化合物およびそれらの誘導体、トリアリールフォスフォキサイド等の五価のリン化合物およびその誘導体等も用いることができる。
また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレンやその誘導体等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリビニルオキサジアゾールに代表される電子輸送性非共役ポリマー等も用いることができる。さらに、フルオレンオリゴマーやその誘導体等のいわゆる共役系オリゴマー等も用いることができる。
さらに、上記有機化合物に、8−ヒドロキシキノリン系Cs、Li有機金属錯体等の有機系還元性ドーパントを作用させ、ラジカルアニオンを形成させて、電子注入輸送層として用いることもできる。
また、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr、W等の金属の単体、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、塩化セシウム、塩化ストロンチウム等の金属塩、無機系還元性ドーパントを混合または分散し、ラジカルアニオンを形成させて、電子注入輸送層として用いることもできる。
上記のような電子注入輸送層中の還元性ドーパント濃度は、特に限定されないが、0.1〜99重量%程度であることが好ましい。
バイポーラ輸送層、バイポーラ性発光層に用いられる材料は、特に限定されるものではない。
例えば、(化15)、(化16)、(化17)等のスチリル化合物およびその誘導体、パラテルフェニル、クアテルフェニル、m−フェニレン(化18)、(化19)等の多環状芳香族化合物およびその誘導体、アントラセン、トリフェニレン、ペリレン、ナフタレン、ピレン、コロネン、クリセン、ナフタセン、テトラセン、フェナントレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物およびそれらの誘導体、ビス(N−アリールカルバゾール)、ビス(N−アルケニルカルバゾール)、ビス(N−アルキルカルバゾール)等のカルバゾール誘導体(化14)、チオフェン等の縮合複素環化合物が挙げられる。
また、これらの誘導体等以外の具体例としては、4,4−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)ジフェニル(DPVBi)(化21)、spiro6(化22)、2,2’,7,7’−テトラキス(カルバゾール−9−イル)−9,9’−スピロ−ビフルオレン(化23)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)−2’,3’,5’,6’−テトラフェニル−p−ターフェニル(化24)、1,3−ビス(カルバゾール)−9−イル)−ベンゼン(化25)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフタ−2−イル)アントラセン(通称:TBADN)(化26)が挙げられる。
また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレンやその誘導体等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリビニルカルバゾールに代表される非共役ポリマー等も用いることができる。さらに、フルオレンオリゴマーやその誘導体等のいわゆる共役系オリゴマー等も用いることができる。
また、ホール輸送性機能、電子輸送性機能を持つモノマーの同一分子内に存在させたポリ(ビニルトリアリールアミンビニルオキサジアゾール)等の共重合体、デンドリマーを用いることもできる。
さらに、上記のバイポーラ材料に、上述したような酸化性ドーパントまたは還元性ドーパントを作用させたものを用いて、正孔注入層または電子注入層を形成してもよい。酸化性ドーパントは、特に、酸化モリブデン、酸化バナジウムが好ましい。
本発明に係る有機EL素子においては、特に、前記青色発光材料をゲスト材料として用い、他のホスト材料とともに含まれる発光層を形成していることが好ましい。この場合の前記一般式(1)で表される有機EL材料の濃度は、0.1〜99重量%とすることが好ましい。また、他の2種類以上のホスト材料と組み合わせて用いてもよい。
例えば、パラテルフェニル、クアテルフェニル等の多環化合物およびそれらの誘導体、(化15)、(化16)、(化17)等のスチリル化合物およびその誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、クマリン誘導体、スチリルアミン誘導体(化13)、アントラセン(化27)、トリフェニレン、ペリレン、ナフタレン(化28)、ピレン、コロネン、クリセン、ナフタセン、テトラセン、フェナントレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物およびそれらの誘導体が挙げられる。
また、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、テルビウム錯体、イリジウム錯体、プラチナ錯体等、中心金属にAl、Zn、Be、Ir、Pt、Tb、Eu等を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、キノリン構造を有する金属キレート錯体材料も用いることができる。具体的には、FIrpic(化29)に代表される金属キレート錯体およびその誘導体が挙げられる。
この発光層に用いられるバイポーラ材料は、それ自体が蛍光または燐光発光する材料であってもよい。バイポーラ材料は、正孔注入輸送層、発光層および電子注入輸送層のいずれにも含有されていてもよい。
この場合のホスト材料としては、m−フェニレン誘導体(化18)、(化19)、ジアリールケトン等のケトン化合物およびその誘導体、ビス(N−アリールカルバゾール)(化14)、ビス(N−アルケニルカルバゾール)、ビス(N−アルキルカルバゾール)等のカルバゾール誘導体、Ir(ppz)3(化30)に代表されるイリジウム錯体が挙げられる。
また、ポリフルオレン等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリビニルカルバゾールに代表される非共役ポリマー等も用いることができる。さらに、フルオレンオリゴマーやその誘導体等のいわゆる共役系オリゴマー等も用いることができる。
また、前記各層の膜厚は、各層同士の適応性や求められる全体の層厚さ等を考慮して、適宜状況に応じて定められるが、通常、5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
具体的に高演色性の白色発光を得る方法としては、前記一般式(1)で表される有機EL材料による青色発光に、緑色発光および黄色から橙色発光を補色として加える方法や、前記一般式(1)で表される材料を含む各青色、緑色、赤色発光材料を独立に発光させる方法等がある。
例えば、キナクリドン誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノピラン誘導体、アントラセンジアミン等のアリールアミン化合物およびそれらの誘導体、ペリレン、ルブレン、テトラセン、デカシクレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物およびそれらの誘導体、フェノキサゾン、キノサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体が挙げられる。
また、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、テルビウム錯体、イリジウム錯体、プラチナ錯体等、中心金属にAl、Zn、Be、Ir、Pt、Tb、Eu等を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、キノリン構造を有する金属キレート錯体材料を用いることもできる。具体的には、Ir(ppy)3(化31)、Irpiq3(化32)に代表される金属キレート錯体およびその誘導体が挙げられる。
[実施例1]
(TMN1357の合成)
下記に示す合成スキームに従って、TMN1357を合成した。
さらに、室温で2〜3時間反応させ、析出した固体をろ過し、水、アルコールで洗浄後、真空加熱乾燥させた。
得られた黒色固体を、n−ヘキサン/クロロホルム混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムにて精製した。
得られた生成物は、MS、1H−NMRによる分析の結果、目的物である1,5−ジブロモナフタレンと同定された。収量は1.32g(収率36.6%)であった。
この反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を投入して未反応の臭素を除去し、クロロホルムにて抽出した。抽出後、分液を行い、クロロホルム層を水で2回洗浄し、クロロホルムを回収し、析出した結晶をアルコールで洗浄した。
得られた結晶は、1Hおよび13C−NMRによる分析の結果、目的物である臭素化体と同定された。収量は1.30g(収率63.4%)であった。
この反応溶液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。トルエン層を水で2回洗浄し、溶媒回収し、クロロホルム/n−ヘキサン混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムにて精製した。
得られた結晶は、1H−NMRによる分析の結果、目的物であるTMN1357と同定された。収量は0.91g(収率69.0%)であった。
以下においては、これを、さらに、210℃、3.0×10-4Paで昇華精製したTMN1357を用いた。
この蛍光スペクトルを図1に示す。
前記(化13)に示す短波長青色発光材料(N20)を、蛍光分析用クロロホルムに溶解し、濃度10-5mo/lの溶液で蛍光分析を行った。
この蛍光スペクトルを図2に示す。
したがって、TMN1357は、N20に代表される高色純度青色発光材料用のホストとして有用であることが認められた。
TMN1357をホスト材料とし、N20をドープした発光層を有し、有機EL材料として前記(化17)に示す化合物(DTVPF)を用いた、図3に示すような層構成からなる有機EL素子を、以下の方法により作製した。
まず、パターニング済みの透明導電膜(ITO)が厚さ150nmで成膜されたガラス基板を、純水と界面活性剤による超音波洗浄、純水による流水洗浄、純水とイソプロピルアルコールの1:1混合溶液による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる煮沸洗浄の順で洗浄処理した。この基板を沸騰中のイソプロピルアルコールからゆっくり引き上げ、イソプロピルアルコール蒸気中で乾燥させ、最後に、紫外線オゾン洗浄を行った。
この基板を陽極1とし、真空チャンバ内に配置し、1×10-6Torrまで真空排気し、該真空チャンバ内には、蒸着材料をそれぞれ充填した各モリブデン製ボートと、所定のパターンで成膜するための蒸着用マスクを設置しておき、前記ボートの通電加熱し、蒸着材料を蒸発させることにより、順次、各有機層の成膜を行った。
正孔輸送性材料として前記(化19)に示す化合物(DTVPF)を用い、三酸化モリブデン(MoO3)とともに、各ボートを同時に通電加熱して、共蒸着した。DTVPF:MoO3=67:33の正孔注入層2を膜厚10nmで形成した。
次に、DTVPFのみからなる正孔輸送層3を膜厚56nmで形成した。
TMN1357:N20=94:6の発光層4を膜厚15nmで形成した。
DTVPFからなる電子輸送層5を膜厚38nmで形成した。
その上に、電子輸送性材料としてDTVPF:Liq=50:50の電子注入層6を膜厚10nmで形成した。
真空チャンバを真空に保ったまま、マスクを交換し、陰極蒸着用のマスクを設置し、アルミニウム(Al)層を膜厚100nmで形成し、陰極7とした。
この素子の層構成を簡略化して示すと、ITO(150nm)/DTVPF:MoO3(10nm,67:33)/DTVPF(56nm)/TMN1357:N20(15nm,94:6)/DTVPF(38nm)/DTVPF:Liq(10nm,50:50)/Al(100nm)である。
図4に示すように、N20由来の純青色発光が得られた。
また、この発光色の色度は、CIE座標(100A/m2)において、(x,y)=(0.157,0.043)であり、色純度の高い青色発光であることが認められた。
前記(化26)に示す化合物(TBADN)をホスト材料とし、N20をドープした発光層を有する有機EL素子を、実施例2と同様にして作製した。
この素子の層構成を簡略化して示すと、ITO(150nm)/NS21:MoO3(59nm,90:10)/NS21(10nm)/TBADN:N20(30nm,97:3)/BAlq(5nm)/DPB(16nm)/DPB:Liq(5nm,74:26)/Al(100nm)である。
図5に示すように、ホスト材料としてTBADNを用いた場合、N20由来の青色発光は得られなかった。
また、この発光色の色度は、CIE座標(100A/m2)において、(x,y)=(0.151,0.080)であり、色純度の低い青色発光であった。
TMN1357をホスト材料とし、前記(化27)に示す短波長青色発光材料(TPA)をドープした発光層を有する有機EL素子を、実施例2と同様にして作製した。
この素子の層構成を簡略化して示すと、ITO(150nm)/DTVPF:MoO3(10nm,67:33)/DTVPF(56nm)/TMN1357:TPA(20nm,98:2)/DTVPF(15nm)/DTVPF:Liq(10nm,50:50)/Al(100nm)である。
図6に示すように、TPA由来の純青色発光が得られた。
また、この発光色の色度は、CIE座標(1000A/m2)において、(x,y)=(0.165,0.083)であり、色純度の高い青色発光であることが認められた。
TBADNをホスト材料とし、TPAをドープした発光層を有する有機EL素子を、実施例2と同様にして作製した。
この素子の層構成を簡略化して示すと、ITO(150nm)/DTVPF:MoO3(10nm,67:33)/DTVPF(56nm)/TBADN:TPA(20nm,98:2)/DTVPF(15nm)/DTVPF:Liq(10nm,50:50)/Al(100nm)である。
図7に示すように、TPA由来の純青色発光は得られなかった。
Claims (4)
- 一対の電極間に発光層を含む1層または複数層の有機層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層の少なくとも1層が、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス材料を単独または混合物として含有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記有機層の少なくとも1層が、ホスト材料としての請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス材料と、ゲスト材料としての蛍光または燐光性材料とを含む発光層であることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記電極が、透明基板上に透明導電性薄膜が形成されたものであることを特徴とする請求項2または3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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