JP2009173517A - 建築用ガラス部材集合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多彩な壁面や床面を容易に構成可能な建築用ガラス部材集合体とその製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス部材集合体10は、第一の透光性ガラス部材10aと外観が異なる第二の透光性ガラス部材10bが、肉厚を7mmとしたときの波長400〜700nmにおける平均透過率が15〜85%のガラスよりなり、第一及び第二の透光性ガラス部材10a、10bが配列されて意匠面10cに模様を形成しており、かつ意匠面10cに略垂直な互いの端面が融着され一体化されてなる。また製造方法は、複数個のガラス小体に、ガラス小体の0.01〜3質量%のバインダーを添加し、耐火容器内に集積してガラス集積層とし、焼成してガラス小体を融着させて透光性ガラス部材を得、意匠面10cに第一及び第二の透光性ガラス部材10a、10bを配列させて模様を形成し、互いの端面を当接又は近接させて配列体とし、加熱して融着一体化する。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス部材集合体10は、第一の透光性ガラス部材10aと外観が異なる第二の透光性ガラス部材10bが、肉厚を7mmとしたときの波長400〜700nmにおける平均透過率が15〜85%のガラスよりなり、第一及び第二の透光性ガラス部材10a、10bが配列されて意匠面10cに模様を形成しており、かつ意匠面10cに略垂直な互いの端面が融着され一体化されてなる。また製造方法は、複数個のガラス小体に、ガラス小体の0.01〜3質量%のバインダーを添加し、耐火容器内に集積してガラス集積層とし、焼成してガラス小体を融着させて透光性ガラス部材を得、意匠面10cに第一及び第二の透光性ガラス部材10a、10bを配列させて模様を形成し、互いの端面を当接又は近接させて配列体とし、加熱して融着一体化する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラスレンガ等の複数個の透光性ガラス部材が融着され一体化された建築用ガラス部材集合体及びその製造方法に関するものである。
ガラス物品は、化学的耐久性、機械的強度等の特性に優れている。このため、ガラスレンガ等については、石材、人工石材の人研、陶板、タイル、着色ガラス等とは異なる新しい独特の外観を呈するデザインを追及する各種の提案がなされている。
耐火性容器内に複数個のガラス粒を充填し、熱処理して焼結一体化する、いわゆる集積法によって作製された建築用ガラスレンガは、図5に写真で示すように、建築用ガラスレンガ1の耐火性容器と接触しない上面1aは火造り面であり、耐火性容器と接触する底面1b、側面1cは粗面である。また、建築用ガラス部材1の中に多くの気泡を含有し、透光不透視となるため、焼成クレーレンガや透明ガラスのブロックとは異なった意匠性を有する。そのため、この建築用ガラスレンガは、その透光性を利用して床や壁の躯体に固定し、建築用ガラスレンガと躯体との間に光源(照明)を設置して誘導灯、歩道灯、足元灯の面材として使用されてきた(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2002−33002号公報
特開2005−30033号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の従来の建築用ガラスレンガは、大きさは概ね通常のレンガサイズであること、また一つのガラスレンガで複数の色調を有することが困難であることなどの問題点を有していた。
また、古来より知られる多彩な色調で多彩な模様表現が可能なガラスを使用した壁面装飾としてはステンドグラスがあるが、その構造上、枠体により強度を維持するもので、一般建築用の建材としては不向きであり、経済性にも問題がある。また、ステンドグラスをはじめ、模様や着色等で外観が異なるガラスレンガや中空ガラスブロックを積層して構成した壁面も知られているが、何れも目地部を有するので、それらの模様を形成した透光面の外観には連続性が得られない。
本発明は、上記事情に着目し、レンガ等の既存サイズに捉われず、一体に複数の色調や模様を有する透光性の建築用ガラス部材集合体と、その製造方法を提供することを課題とする。
本発明の建築用ガラス部材集合体は、複数の透光性ガラス部材により構成された建築用ガラス部材集合体であって、前記透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであり、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有し、第一及び第二の透光性ガラス部材が配列されて意匠面に模様を形成しており、かつ第一及び第二の透光性ガラス部材の意匠面に略垂直な互いの端面が融着により一体化されてなることを特徴とする。
本発明の建築用ガラス部材集合体で、透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであるとは、波長400nm〜700nmの可視光が、ガラス表面の反射、ガラス表面の凹凸や、ガラス内部の気泡、脈理等の異質ガラス、分相、微小な析出結晶等の異質物等による散乱、ガラス自体、着色剤、発光剤、その他の添加物の光吸収等による減衰により、肉厚を7mmとしたときに平均透過率が15%〜85%になっていることを意味している。波長400nm〜700nmの範囲において、肉厚7mmで平均透過率が15%より低いと、自然光や光源からの光がほとんど透過しないため、暗所における意匠面の視認性が低下し、例えば、誘導灯、歩道灯、足元灯等の機能を果たし難く、平均透過率が85%を超えると、透光性ガラス部材を介して建物内部の構造材が透けて人の姿も見え、あるいは光源からの光が直接目に入るため好ましくない。なお、上記性能を発揮する上で、平均透過率の好ましい範囲は30%〜80%であり、さらに好ましくは40%〜65%である。また、本発明で、平均透過率とは直線光による透過率を意味しており、積分球を使用して計測する散乱光を含む透過率とは異なるものである。
また、本発明の複数の透光性ガラス部材により構成された建築用ガラス部材集合体が、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有するとは、建築用ガラス部材集合体が、任意の透光性ガラス部材を第一の透光性ガラス部材としたときに、少なくとも意匠面側から観察される外観として、平面形状、表面形状、表面高さ位置、透過率、色調、発光性のうち何れか1以上が、第一の透光性ガラス部材とは異なる第二の透光性ガラス部材とにより構成されていることを意味しており、この第二の透光性ガラス部材は意匠面側を含む他の部位の外観や全体の外観が異なっているものでもよい。また、意匠面側から観察される透光性ガラス部材の外観のうち平面形状としては、正方形と長方形、正方形と三角形等の組み合わせ可能な異なる幾何学的平面形状等が使用可能であり、表面形状としては、岩石等の一見では不定形に見える凹凸模様、幾何学模様、公知図案の模様、微細な凹凸である表面の粗さの模様等が使用可能であり、表面高さ位置としては、建築用ガラス部材集合体の強度に悪影響を及ぼさず、工業製品としての生産性を実現する範囲内での意匠面の高低差であれば使用可能であり、透過率としては、肉厚を7mmとしたときに平均透過率が15%〜85%以内の範囲で、外観に模様と認識できる程度の差を生じるものであれば使用可能であり、色調としては、外観に模様と認識できる程度の色差を生じるものであれば使用可能であり、発光性としては、暗所で、発光に模様と認識できる程度の差を生じるものであれば使用可能である。また当然ながら第一及び第二の透光性ガラス部材と少なくとも意匠面側の外観が異なる第三、第四以上の透光性ガラス部材を有するものも本発明に属するものである。
さらに、本発明の建築用ガラス部材集合体が、第一及び第二の透光性ガラス部材が配列されて意匠面に模様を形成しているとは、建築用ガラス部材集合体の意匠面に、第一の透光性ガラス部材とは平面形状、表面形状、表面高さ位置、透過率、色調、発光性のうち何れか1以上等、種々の少なくとも意匠面側から観察される外観が異なる第二の透光性ガラス部材とが組み合わされて模様を形成した状態に配列されていることを意味している。また、床面や、人が近づく壁面及びパーティション等の用途には、建築用ガラス部材集合体の意匠面の模様は凹凸による段差の少ないものが好ましく、人が近づくことのない壁面に独特のデザインを施したい場合や、光源から透光性ガラス部材を透過させて独特のデザイン照明の効果を際だたせるためには、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材との高さを大きく変えることにより意匠面に凹凸の大きい模様を形成してもよい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体で、第一及び第二の透光性ガラス部材の意匠面に略垂直な互いの端面が融着により一体化されてなるとは、第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材の少なくとも端面が加熱されて軟化点を超える温度まで昇温され、融かされて、融着により接合され一体化されていることを意味している。例えば、ブロック状の透光性ガラス部材を使用する場合、建築用ガラス部材集合体の意匠面側に対して模様を形成した状態で、かつ意匠面に略垂直な互いの端面が当接又は十分に近接された状態に配列された第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材とが、加熱されることで軟化点を超える温度まで昇温され、互いの当接又は十分に近接している端面が融かされて、融着により一体化した後、室温になっているもの等がある。この第一と第二の透光性ガラス部材の境界は、色調の異なるガラス小体を整列させて融着した場合に粒状の凹凸模様または色のグラデーション領域が形成させる境界とは異なり、境目がハッキリとして色調や模様のコントラストが明確になっている。このように融着により一体化されるためには、第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材の線膨張係数が極めて近似していることが必要条件である。第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材の線膨張係数の差が大きいと、融着により一体化された後に、室温まで冷ます間に、第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材との収縮量の差に起因して、融着面の近くで割れてしまうので、建築用ガラス部材集合体自体を形成することができない。建築用ガラス部材集合体の寸法にも起因するが、第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材の線膨張係数の差が15×10−7/K以内であることが好ましい。また融着により大きい寸法の意匠面を有する建築用ガラス部材集合体を形成する上で、第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材が、同一組成のガラスにより構成されており、着色剤、発光剤、その他の添加物の量も線膨張係数に差が生じないように管理されていることがさらに好ましい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体で、透光性ガラス部材を構成するガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスおよびアルミノホウケイ酸ガラスからなる群より選択される一種または二種以上のガラスからなるものが使用可能である。熱衝撃に強く、耐薬品性に優れているため、熱処理工程における冷却時の熱衝撃や、激しい気候変化による寒暖差に起因する熱衝撃でも破損することがなく、耐候性に優れている点で、透光性ガラス部材が、ホウケイ酸(B2O3−SiO2)系、アルミノケイ酸(Al2O3−SiO2)系、あるいはアルミノホウケイ酸(B2O3−Al2O3−SiO2)系のガラスからなるものであることが好ましい。
また、本発明で使用するガラス部材集合体の寸法、形状としては、建築物の既存の開口部等に適合させる上で、既存のレンガや中空ブロックの寸法形状やタイルの寸法形状及び既存の施工方法での目地部や支持枠分の寸法を考慮した上で、その約整数倍の寸法形状としたものが施工効率を向上させる上で有利であり、ガラス部材集合体そのものが建築物の既存の開口部の形状寸法に適合するものでもよい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体で、透光性ガラス部材のガラスに102個/kg〜1012個/kgの気泡を有しているとは、透光性ガラス部材を構成するガラス中に、強度を大きく低下させることのない程度に、そのガラス1kg当たりに102〜1012個の0.01mm以上の直径を有する独立した微細な気泡を含有していることを意味している。透光性ガラス部材のガラスが、気泡の数が1kgあたり100個よりも少ないものであると、上記の光散乱作用が十分に得られ難くなる。一方、透光性ガラス部材のガラスが1kgあたり1012個よりも多いものであると、肉厚7mmで可視光線の平均透過率が15%よりも低くなりやすくなるとともに、機械的強度が損なわれやすくなる。このように、本発明の建築用ガラス部材集合体は、このガラス中に封じ込められた多数の微細な気泡の光散乱作用により、上記本発明の肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなる透光性ガラス部材を実現するものである。さらに、本発明で、ガラスに102個/kg〜1012個/kgの気泡を含有する透光性ガラス部材を実現する上で、透光性を有する複数個のガラス小体を焼結することで得られるガラス焼結体よりなる透光性ガラス部材を使用することが好ましい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、透光性ガラス部材が、着色剤を含むものであることを特徴とする。
本発明で透光性ガラス部材に使用する着色剤としては、ガラスに溶解する酸化物であるCo3O4、MoO3、Er2O3、CeO2、NiO、TiO2、FeO、Fe2O3の群のうち、1以上を含む着色剤により着色されたとものであることが、ガラスの流動性を阻害しない点で好ましい。また、第一の透光性ガラス部材と、第二の透光性ガラス部材他との線膨張係数の差を大きくしないという条件の下で、ZrSiO4等の無機ピグメントでも1質量%までならば着色剤として使用することができる。例えば、この着色剤がCo3O4の場合、青色系の色調を呈し、MoO3の場合、乳白色系の色調を呈し、Er2O3の場合、桃色系の色調を呈し、CeO2の場合、桃色系の色調を呈し、NiOの場合、黄土色系の色調を呈し、TiO2の場合、黄色系の色調を呈し、FeOの場合、黒色系の色調を呈し、Fe2O3の場合、赤褐色系の色調を呈し、ZrSiO4の場合、乳白色系の色調を呈するものになる。さらに、これらの着色剤を組み合わせることで、様々な色を呈する透光性ガラス部材を得ることができる。また、他の酸化物着色剤と組み合わせて用いると、さらに多くの彩色が可能となる。また、本発明の建築用ガラス部材集合体の透光性ガラス部材を作製する際の材料としては、上記の着色剤による着色ガラスからなるガラス小体、透明なガラス小体を上記の着色剤で着色を施したもの等が使用可能である。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、透光性ガラス部材が、発光剤を含むものであることを特徴とする。
本発明で透光性ガラス部材に使用する発光剤としては、例えば、1000℃を超える焼成温度でも発光性を失わないものであれば使用可能であり、SrAl2O4にEu2+、Dy3+をドープした蓄光剤や、ZnSにCu+、Al3+をドープした蛍光材等が適している。また、本発明で、透光性ガラス部材が、発光剤とガラス片とが焼結された後、破砕されるなどして発光剤が融着されたガラス小体内に密封されたもの、または発光剤が融着されたガラス小体に付着して部分的に埋設されもの等のガラス小体等の発光剤を封じたガラス小体により構成されているもの等が使用可能である。このような発光剤を封じたガラス小体を使用して形成した透光性ガラス部材は、発光性物質を直接分散させて作製したものとは外観が異なり、建築用ガラス部材集合体の意匠面に奥行き感を有する模様が観察される状態となる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、発光剤が、蓄光剤を含むものであることを特徴とするものである。
本発明で透光性ガラス部材に使用する発光剤として、蓄光剤を使用する場合、その発光性能を維持するために注意が必要である。一般に、SrAl2O4にEu2+、Dy3+をドープした蓄光剤等は、焼成時に外気により酸化すると発光能力が経時的に低下し、かつ、焼成後においても外気との酸化や水分との接触により、発光能力が低下するものが殆どである。そこで、本発明では、予め蓄光剤を透光性ガラスで覆って酸化を抑制した、すなわち蓄光剤をガラス封止したガラス小体を焼結させて透光性ガラス部材に使用することで、焼成後の透光性ガラス部材で半永久的に安定した蓄光及び発光が可能となる。この優れた耐候性により、透光性ガラス部材の外面に蓄光剤をガラス封止したガラス小体を配置して焼結しても、蓄光剤を透光性ガラス部材内部に均一に分散した従来のものに比べて遜色のない表面の発光能力を得ることができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、建築物の床面に使用する場合、意匠面が粗面等を含む小さい凹凸形状を有するものであると、雨で濡れても滑りにくく、また意匠面の正反射率が2%以下であると、柔らかな光が放射され目にやさしいため好ましい。また、建築用ガラス部材集合体は、透光性ガラス部材を融着一体化する際に、意匠面になる表面に加工を加えて凹凸形状を形成したものでもよい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面に、平滑な火造り面と、凹凸模様形成面とを有するものであることを特徴とする。
本発明のガラス部材集合体では、意匠面に有する平滑な火造り面としては、例えば、透光性ガラス部材を形成する焼成工程時、又は透光性ガラス部材の融着工程時に、熱処理炉内の雰囲気に開放されて自由に流動していた流動面が固化した平滑な火造り面であることを意味している。また、本発明でガラス部材集合体の意匠面に有する凹凸模様形成面としては、例えば、冷間加工である研削加工、サンドブラスト加工等による粗面の凹凸模様等が使用可能である。しかし、この模様形成面が、熱間加工である複数の異なる外観を有する第一及び第二等の透光性ガラス部材の配列体の融着工程時に、軟化状態のガラスの表面を離型材等の耐火物に接触させて粗くする等の凹凸模様を形成した凹凸模様形成面であると、冷間加工によらないので強度に悪影響を及ぼす加工キズ等の表面欠陥も生じず、かつ製造に要する工程数が少なくなり好ましい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面に、透光性ガラス部材毎に凹凸模様形成面が形成されていることを特徴とする。
本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面に、透光性ガラス部材毎に凹凸模様形成面が形成されているとは、例えば、第一の透光性ガラス部材が光沢のある平滑な火造り面を有するものであれば、第二の透光性ガラス部材や、その他の透光性ガラス部材が、上記した微細な粗面等の凹凸模様形成面を有するものであることを意味している。また、建築用ガラス部材集合体の意匠面に使用する凹凸模様形成面が形成されている透光性ガラス部材としては、透光性ガラス部材の配列体を形成する際に、透光性ガラス部材の焼成工程時に耐火容器の表面に接触していた粗面(凹凸模様形成面)を意匠面に向けて使用し、さらに配列体の融着工程時にも透光性ガラス部材の粗面に離型材等の耐火物を接触させて粗面の凹凸模様形成面を得ることで、光沢のある平滑な火造り面を有する透光性ガラス部材とのコントラストを明確化することができる。一方、平滑な火造り面を有する透光性ガラス部材と凹凸模様形成面を有する透光性ガラス部材とのコントラスト差を小さくしたい場合には、透光性ガラス部材の配列体を形成する際に、透光性ガラス部材の焼成工程時に形成された表面ばかり、若しくは耐火容器の表面に接触していた粗面ばかりを意匠面に向けて配列体とし、融着工程時のみ特定の透光性ガラス部材に離型材等の耐火物に接触させて粗面模様を形成したものとするとよい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面の表面積が6.4×10−3(0.0064)m2〜4m2であることを特徴とする。
例えば、正方形の建築用ガラス部材集合体を作製した場合、一辺の長さが80mm未満であると、デザイン性に乏しくまた施工時にコスト高になる。一方、一辺の長さが2mを超えると、融着により得られた建築用ガラス部材集合体の徐冷に長時間を要するため生産性が低くなり、この場合も製造時にコスト高に繋がる。また、ガラス部材集合体の形状としては、正方形、長方形は勿論のこと、六角形その他の多角形でもよい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面の長尺方向の寸法に対する短尺方向の寸法の比が0.05〜1.0であることを特徴とする。
本発明の建築用ガラス部材集合体では、長尺方向の寸法である長さ寸法Lに対する短尺方向の寸法である幅寸法W、すなわちW/Lが0.05未満であると、細長くなりすぎるため、ガラス部材集合体の切断、取り扱い、運搬時に破損が生じやすくなりコストアップの要因となる。また建築用ガラス部材集合体としてのデザイン性も存在感も無く好ましくない。一方、W/Lが1.0の場合には、建築用ガラス部材集合体の平面形状が正方形や角取り加工されているものでは略正八角形等の回転対称形状に近いものとなる。他方、建築用ガラス部材集合体のW/Lが1.0を超える場合には、建築用ガラス部材集合体の長さ寸法に対する幅寸法とが逆転するだけで、実際には長さ寸法Lに対する幅寸法Wが0.05〜1.0である建築用ガラス部材集合体と同じものとなる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面に垂直な厚さが5mm〜200mmであることを特徴とする。
建築用ガラス部材集合体の意匠面に垂直な厚さが5mm未満であると、着色等を施さない場合には透光性が高くなりすぎる傾向となってデザイン性に乏しいものとなり、かつ融着される透光性ガラス部材の端面の面積が小さいので、建材として要求される機械的強度を実現することが困難になる。一方、意匠面に垂直な厚さが200mmを超えると、融着により形成した建築用ガラス部材集合体の徐冷に長時間を要するため生産性が低くなり、この場合も製造時にコスト高に繋がる。
本発明に係る建築用ガラス部材集合体の製造方法は、透光性を有する複数個のガラス小体と、該ガラス小体に対して0.01質量%〜3質量%のバインダーを添加して混合物を混合攪拌して複数個のバインダー付ガラス小体を作製する混合工程と、バインダー付ガラス小体を耐火容器内に集積してガラス集積層を形成する集積工程と、該ガラス集積層を焼成することにより前記ガラス小体を融着させて透光性ガラス部材を得る焼成工程と、複数の透光性ガラス部材を配列させ、かつ意匠面に略垂直な互いの端面を当接又は十分近接させて配列体とする配列工程と、該配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化する融着工程とを有し、前記透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであり、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有し、前記配列工程及び融着工程により第一及び第二の透光性ガラス部材を配列し、意匠面に模様を形成して一体化されてなる建築用ガラス部材集合体を製造することを特徴とする。
本発明の製造方法で、透光性を有する複数個のガラス小体と、該ガラス小体に対して0.01質量%〜3質量%のバインダーを添加して混合物を混合攪拌して複数個のバインダー付ガラス小体を作製する混合工程は、後工程で透光性ガラス部材を形成した際に、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスからなる複数個のガラス小体と、このガラス小体に対して0.01質量%〜3質量%のバインダーを添加して混合物を混合攪拌して複数個のバインダー付のガラス小体を作製するものである。この際に使用するバインダーとしては、ポリビニルアルコール(Poly−Vinyl Alcohol:PVA)等が使用可能であり、その添加量としては、ガラス小体に対して0.01質量%〜3質量%が適量である。また、ガラス小体に対するバインダーの添加量が0.01質量%未満であると、ガラス小体への着色剤や発光剤の付着が不十分になって色合いムラとなり、一方3質量%を超えるとガラス小体の表面がべたついて製造作業性が悪化する。本発明でバインダーの添加量としてはガラス小体に対して0.01質量%〜3質量%であることが重要である。
本発明の製造方法で、バインダー付ガラス小体を耐火容器内に集積してガラス集積層を形成する集積工程は、上記のバインダー付のガラス小体を、耐火容器内に集積して、略透光性ガラス部材の形状を有し、収縮を見こして高さが透光性ガラス部材よりも高いガラス集積層を耐火容器内に形成するものである。集積工程に使用するガラス集積層のガラス小体を焼結させるための耐火容器としては、1200℃以下の温度で軟化変形しない材質が好ましく、ムライト、コージエライト、アルミナセラミックス製等の耐火性容器が好適である。また、耐火性セラミックスシートを使用する場合、ガラス部材と耐火性容器との離型材として作用するものであれば何ら制限なく使用できるが、特にシリカ、ムライト、アルミナ等のファイバーシートが好ましく、単独あるいは組み合わせて用いてもよい。また、耐火性セラミックスシートを耐火性容器内に施す方法は、シートを箱型にする方法、シートを分割して容器の内壁に設置する方法があるが、前もって容器の内壁にアルミナ等の微粉末をエアースプレー塗装、刷毛塗装、浸漬塗装等の方法による塗布することが、融着を防止する上で好適である。また、耐火容器の内部の平面形状としては、透光性ガラス部材としてレンガやタイル等既存の建材の寸法形状を使用する場合には、平面形状が既存の施工方法での目地部や支持枠分の寸法を考慮したレンガやタイルに相似する寸法形状が好適である。また、透光性ガラス部材として組み合わせ使用が可能な六角形、三角形、矩形等の幾何学形状を使用する場合には、耐火容器の内部の平面形状も対応する幾何学形状にする。このように、耐火容器内部の平面形状は建築用ガラス部材集合体の意匠面に配列模様を形成する透光性ガラス部材の形状に対応したものであることが重要である。
本発明の製造方法で、ガラス集積層を焼成することにより前記ガラス小体を融着させて透光性ガラス部材を得る焼成工程は、ガラスが軟化する700℃〜1100℃、好ましくは800℃〜1000℃で熱処理することでガラス小体を融着させて透光性ガラス部材を得るものである。熱処理温度が700℃より低いと、ガラス小体の軟化流動が充分に行われず、機械的強度が低くなり、1100℃を超えると、透光性ガラス部材の気泡が少なくなり、可視光の透過率が高くなって、施工時に構造材が透けて見え、また、ガラス小体と離型材との反応性が高くなり、ガラス小体と耐火性容器とが融着しやすくなるため好ましくない。また、本発明の製造方法の焼成工程で、ガラスがリボイルする温度範囲内で熱処理すると、ガラス小体の間隙が残存することによって生じる気泡に加えて、リボイルにより透光性ガラス部材の内部に新たに気泡が生成されるため好ましい。ガラス内部に溶存していたガスが気泡となってリボイルの現れ始める温度は、ガラスの軟化点よりも約50℃高い温度である。熱処理温度をさらに上昇させると、それに伴い、ガラス内部での気泡の生成がさらに活発になるが、ガラスの粘度も低下するため、生成した気泡は、次第に大きくなり、浮上してガラスの外部に放出されてしまう。ここでは、ガラスがリボイルする温度範囲とは、ガラス内部に溶存していたガスが気泡となって現れ始めてからガラスの外部に放出されてしまうまでの温度範囲を指し、例えば、B2O3−SiO2系ガラスでは、約800℃〜1000℃となる。
また、本発明の製造方法で、複数の透光性ガラス部材を配列させ、かつ意匠面に略垂直な互いの端面を当接又は十分近接させて配列体とする配列工程は、複数の透光性ガラス部材とを、建築用ガラス部材集合体が全体として所望する形状寸法に形成されるように配列させ、次の融着工程で融着させる意匠面に略垂直な透光性ガラス部材の端面を互いに当接させるか又は融着可能に十分近接させて配列体を形成することを意味している。
また、本発明の製造方法で、配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化する融着工程としては、複数の透光性ガラス部材を配列させ、かつ意匠面に略垂直な互いの端面を当接又は十分近接させて配列体を、上記ガラスの軟化点以上の温度に加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融かして融着により接合させて一体化することを意味している。この融着工程では、配列体の周囲にはムライト、コージエライト、アルミナセラミックス製等の耐火物を流れ止めとして配置する。配列体の透光性ガラス部材と耐火物の接する部分に、耐火性セラミックスシートを使用する場合、透光性ガラス部材と耐火性容器との離型材として作用するものであれば何ら制限なく使用することができる。特に、シリカ、ムライト、アルミナ等のファイバーシートが好適であり、単独あるいは組み合わせて用いてもよい。また、耐火性セラミックスシートを耐火性容器内に施す方法としては、シートを箱型にする方法、シートを分割して容器の内壁に設置する方法があるが、前もって容器の内壁にアルミナ等の微粉末をエアースプレー塗装、刷毛塗装、浸漬塗装等の方法による塗布することが、融着を防止する上で好適である。例えば、B2O3−SiO2系のガラス焼結体よりなる透光性ガラス部材を、融着により一体化するときの最適温度は約800℃〜1000℃となる。
本発明の製造方法で、前記透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであり、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有し、第一及び第二の透光性ガラス部材が配列されて意匠面に模様を形成して一体化されてなる建築用ガラス部材集合体を製造するとは、上記の混合工程、集積工程及び焼成工程により、第一の透光性ガラス部材として、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなる第一の透光性ガラス部材を作製し、上記の混合工程、集積工程、焼成工程、配列工程及び融着工程のうち1以上の工程の条件を変更することにより、第一の透光性ガラス部材とは、少なくとも意匠面側から観察される外観として、平面形状、表面形状、表面高さ位置、透過率、色調、発光性のうち何れか1以上が異なり同様のガラスよりなる第二の透光性ガラス部材を作製し、これら第一及び第二の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化されてなる建築用ガラス部材集合体を製造することを意味している。例えば、上記ガラスよりなる無色でレンガの形状寸法を有する第一の透光性ガラス部材を作製し、上記の混合工程、集積工程、及び焼成工程のうち1以上の工程の条件を変更することにより、第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二、第三等の複数の透光性ガラス部材を作製し、配列工程でこれらの透光性ガラス部材を全体として建築用ガラス部材集合体の意匠面に所望する模様が形成される状態に配列させて配列体を形成し、融着工程で互いに融着させて建築用ガラス部材集合体を得る場合などがある。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体の製造方法は、混合工程が、着色剤、発光剤のうち1以上をガラス小体に対して0.01質量%〜0.2質量%添加するものであり、集積工程で、着色剤、発光剤のうち1以上が付着したバインダー付ガラス小体を用いてガラス集積層を形成することを特徴とする。
本発明の混合工程で作製する着色剤、発光剤のうち1以上が付着したバインダー付ガラス小体としては、そのガラス小体に対する着色剤、発光剤のうち1以上の添加量の合量が0.01質量%未満であると、透光性ガラス部材の意匠面の発色や発光の効果が不十分になる。一方、添加量の合量が0.2質量%を超えると透光性ガラス部材の透光性を低下させる要因や、線膨張係数を変化させる要因となるばかりでなく、費用の割には色調の変化度合い、または発光性の効果が小さく不経済である。
また、本発明の集積工程で、着色剤、発光剤のうち1以上が付着したバインダー付ガラス小体を用いて集積することによりガラス集積層を形成するとは、着色剤、他の色の着色剤、発光剤として蛍光剤、蓄光剤などのうち1以上が付着した複数種類の色調または発光性が異なるバインダー付ガラス小体を任意に組み合わせて使用することにより、第一の透光性ガラス部材とは、少なくとも意匠面側の外観として、色調、発光性のうち何れか1以上が異なる第二の透光性ガラス部材を形成するためのガラス集積層を形成することを意味している。本発明でガラス集積層を形成する場合、着色剤、発光剤のうち1以上が付着した複数種類の色調または発光性が異なるバインダー付ガラス小体は、第二の透光性ガラス部材の全体に使用してもよく、またガラス集積層の下層には無色のバインダー付ガラス小体を使用し、意匠面となる表層のみに使用してもよく、かつ着色剤、発光剤のうち1以上が付着したバインダー付ガラス小体で模様を形成してもよい。また、複数種類の着色剤、発光剤のうち1以上が付着したバインダー付ガラス小体を所望の色調や発光性となるように混合して使用してもよい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体の製造方法は、第二の透光性ガラス部材を形成するための第二の耐火容器が、第一の透光性ガラス部材を形成するための第一の耐火容器とはガラス集積層が内接する形状が異なるものであり、焼成工程で第一の透光性ガラス部材とは形状が異なる第二の透光性ガラス部材を形成することを特徴とする。
本発明の集積工程が、第二の透光性ガラス部材を形成するための第二の耐火容器が、第一の透光性ガラス部材を形成するための第一の耐火容器とはガラス集積層が内接する形状が異なるものであり、焼成工程で第一の透光性ガラス部材とは形状が異なる第二の透光性ガラス部材を形成するとは、集積工程で透光性ガラス部材を形成する場合に、上記の光学特性を有するガラスになるバインダー付の複数のガラス小体を集積したガラス集積層を収容する第二の透光性ガラス部材を形成するための第二の耐火容器の内側の平面形状、意匠面となる表面の形状、意匠面となる表面の高さ位置が、第一の透光性ガラス部材を形成するための第一の耐火容器とは異なるものであり、この第二の耐火容器に収容したガラス集積層を焼成工程で加熱してガラス小体を軟化させて融着させることにより、第一の透光性ガラス部材とは平面形状、意匠面となる表面の形状、表面高さ位置が異なる第二の透光性ガラス部材を形成することを意味している。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体の製造方法は、融着工程が、前記配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化すると共に、配列体の透光性ガラス部材の意匠面となる表面に凹凸模様を形成するものであることを特徴とする。
本発明の融着工程が、融着工程が、前記配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化すると共に、配列体の透光性ガラス部材の意匠面となる表面に凹凸模様を形成するものであるとは、第一及び第二の透光性ガラス部材等の複数の透光性ガラス部材を配列した配列体を、そのガラスの軟化点以上の温度に加熱し、互いの端面を融着させて一体化する際に、透光性ガラス部材の意匠面となる軟化状態の表面に、例えば、ガラス小体や着色剤、発光剤のうち1以上が付着したガラス小体、その他の装飾材を配置させて軟化状態のガラスに固着させることにより凹凸模様を形成するもの、又は離型材であるアルミナペーパーや耐火物レンガ等を乗せて接触させ微細な凹凸模様からなる粗面等を形成すること等を意味している。
また、本発明の融着工程が、透光性ガラス部材毎に凹凸模様を形成するものであると、建築用ガラス部材集合体の意匠面に配列模様を形成する透光性ガラス部材の間のコントラストを明確化することができ、模様自体の表現を明確にすることができるので好ましい。
また、本発明により、意匠面に、平滑な火造り面と、粗面等の凹凸模様形成面とを有する本発明の建築用ガラス部材集合体を製造する場合、複数の透光性ガラス部材を配列した配列体の融着工程時に、意匠面のうち粗面等の凹凸模様を形成する部位に、離型材等の耐火物を接触させてガラスの表面を粗くして模様を形成することが、製造工程数が少なくなり、安価に製造することが可能となり好ましい。
また、本発明で融着工程としては、同様な外観を有する任意の透光性ガラス部材の意匠面となる表面に、模様を形成することで建築用ガラス部材集合体に凹凸模様を形成するものであってもよく、また、色調だけが異なる透光性ガラス部材の意匠面となる表面に、凹凸模様を形成するものでもよい。また、上記した平面形状、表面高さ位置、透過率、色調、発光性のうち何れか1以上を異にする透光性ガラス部材の意匠面となる表面に、さらに凹凸模様を形成してもよい。
上記本発明に係る建築用ガラス部材集合体は、複数の透光性ガラス部材により構成された建築用ガラス部材集合体であって、前記透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであり、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有し、第一及び第二の透光性ガラス部材が配列されて意匠面に模様を形成しており、かつ第一及び第二の透光性ガラス部材の意匠面に略垂直な互いの端面が融着により一体化されてなるので、建築用ガラス部材集合体を通して内部の構造材や人が透けて見えることがなく、優れたプライバシー保護性を発揮することがで、あるいは内側に照明を配置した場合に、光源からの光が直接目に入ることもない。また、第一の透光性ガラス部材と、第一の透光性ガラス部材とは、平面形状、表面形状、表面高さ位置、透過率、色調、発光性等の少なくとも意匠面側の外観が異なる第二の透光性ガラス部材を適宜選択し、組み合わせて配列することにより、建築用ガラス部材集合体の意匠面に所望する多様な模様を形成することができる。さらに、本発明の建築用ガラス部材集合体は、第一の透光性ガラス部材と第二の透光性ガラス部材の意匠面に略垂直な互いの端面が融着により一体化されてなるので、建材としての実用強度を有すると共に、建築用ガラス部材集合体の意匠面に配列されて模様を構成する透光性ガラス部材の間に支持枠や目地等がなく、意匠面である透光面に連続性を有する多彩な壁面や床面を容易に構成することが可能となる。また、このような建築用ガラス部材集合体は、形状寸法を既存の建材の略整数倍とすることで、所望する模様を呈する建築物の壁面等の施工を大幅に効率化することができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、透光性ガラス部材のガラスに102個/kg〜1012個/kgの気泡を有するものであれば、建築用ガラス部材集合体を構成する透光性ガラス部材が、波長400nm〜700nmの範囲において、肉厚7mmで平均透過率が15〜85%になるため好ましい。すなわち、透光性ガラス部材内部の気泡が、光入射面から透光性ガラス部材に入射した光を反射あるいは散乱するため、気泡の量によって平均透過率を容易に調整できるからである。また、透光性ガラス部材が、1kgあたり102〜1012個の気泡を含有するものであると透光不透視となるため、透光性を有しながら人物や物体を明瞭に視認することができないという、いわゆるプライバシー保護性が容易に得られるとともに、建築用ガラス部材集合体を用いた構築体の背面側に光源を設置した場合、光源からの光が透光性ガラス部材中の気泡によって散乱されて、意匠面側からあたかも建築用ガラス部材集合体自体が発光しているように見えるため意匠的に好ましい。さらに、本発明の建築用ガラス部材集合体は、透光性ガラス部材内部の微細な気泡で光が散乱されて、意匠面からは目にやさしい散乱光が放射されることになるため好ましい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、透光性ガラス部材が、着色剤を含むものであると、建築用ガラス部材集合体のカラーバリエーションを広げることができる。さらに、着色剤が、Co3O4、MoO3、Er2O3、CeO2、NiO、TiO2、FeO、Fe2O3及びZrSiO4の群のうち、1以上を含むものであると、建築用ガラス部材集合体の使用面に幅広い範囲で任意の色調の模様を実現することができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、透光性ガラス部材が、発光剤を含むものであると、夜間、暗所で従来にない奥行き感を備えた発光模様の外観を有する意匠性に優れた新規な建築用ガラス部材集合体を提供することが可能となる。また、透光性ガラス部材が、発光剤として蛍光材を含むものであると、僅かな光で蛍光を発する点、パステル調で明るい印象を与える蛍光色による演出が可能となる点及び発光効率の点で優れた建築用ガラス部材集合体となる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、発光剤が、蓄光剤を含むものであると、光源がなくても暗所において発光する点、光の演出の自由度が広がる点及び発光効率の点で優れた建築用ガラス材料となる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面に、平滑な火造り面と、凹凸模様形成面とを有するものであると、このような火造りによる平滑面と微少凹凸からなる粗面等の凹凸模様形成面とを任意に整列することができるため、凹凸模様形成面のみの意匠面や平滑面のみの意匠面、または凹凸模様形成面と平滑面の任意の組み合わせなど所望の意匠面を形成することが可能となり表面の反射率が部分的に異なる多彩な壁面や床面を施工することができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面の表面積が6.4×10−3m2〜4m2であることが、デザイン及び製造コストの点で好ましい。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面の長尺方向の寸法Lに対する短尺方向の寸法Wの比W/Lが0.05〜1.0であると、建材として取り扱い性の点で好ましく、かつ生産性と製造コスト面に優れる棒状や柱状の細長形状を有する建築用ガラス物品を提供することができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体は、意匠面に垂直な厚さが5mm〜200mmであることが、生産性及び製造コストの点でさらに好ましい。また、任意の厚さを得るには、ガラス焼結体よりなる透光性ガラス部材を形成する際に、ガラス小体を任意の厚さになるように充填すれば所望する厚さのガラス焼結体が得られるので、耐火容器の配置等を工夫することで、焼成工程で使用する焼成炉の容積に対して高い生産効率を実現することもできる。
本発明に係る建築用ガラス部材集合体の製造方法は、透光性を有する複数個のガラス小体と、該ガラス小体に対して0.01質量%〜3質量%のバインダーを添加して混合物を混合攪拌して複数個のバインダー付ガラス小体を作製する混合工程と、バインダー付ガラス小体を耐火容器内に集積してガラス集積層を形成する集積工程と、該ガラス集積層を焼成することにより前記ガラス小体を融着させて透光性ガラス部材を得る焼成工程と、複数の透光性ガラス部材を配列させ、かつ意匠面に略垂直な互いの端面を当接又は十分近接させて配列体とする配列工程と、該配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化する融着工程とを有し、前記透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであり、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有し、前記配列工程及び融着工程により第一及び第二の透光性ガラス部材を配列して意匠面に模様を形成し、一体化されてなる建築用ガラス部材集合体を製造するので、上記の特徴及び性能を有する本発明の建築用ガラス部材集合体を効率よく製造することができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体の製造方法は、混合工程が、着色剤、発光剤のうち1以上をガラス小体に対して0.01質量%〜0.2質量%添加するものであり、集積工程で、着色剤、発光剤のうち1以上が付着したバインダー付ガラス小体を用いてガラス集積層を形成するので、次の焼成工程で、第一の透光性ガラス部材とは色調、発光性のうち1以上が異なる第二の透光性ガラス部材を形成することで意匠面に多様な色彩模様を形成した建築用ガラス部材集合体を提供することができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体の製造方法は、集積工程で使用する第二の透光性ガラス部材を形成するための第二の耐火容器が、第一の透光性ガラス部材を形成するための第一の耐火容器とは内部形状が異なるものであり、焼成工程で第一の透光性ガラス部材とは形状が異なる第二の透光性ガラス部材を形成するので、意匠面に透光性ガラス部材の形状の変化による多様な模様を実現する建築用ガラス部材集合体を提供することができる。
また、本発明の建築用ガラス部材集合体の製造方法は、融着工程が、配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材を互いに融着させて一体化すると共に、配列体の透光性ガラス部材の意匠面となる表面に凹凸模様を形成するので、意匠面に反射光の強度が異なる多様な凹凸模様によるコントラスト差を利用した意匠表現を実現する建築用ガラス部材集合体を提供することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施例に係る建築用ガラス部材集合体10は、半透明の建築用ガラスレンガからなる第一の透光性ガラス部材10aと乳白色の建材用ガラスレンガからなる第二の透光性ガラス部材10bが、交互に配列されて、300mm×400mm×60mmの寸法を有し、意匠面10cは6個のガラス部材が一体化されているため、目地もなく、シンプルな外観を有するものである。半透明の第一の透光性ガラス部材10aは、質量%で、SiO2 70.2%、Al2O3 5.4%、B2O3 13.5%、CaO 0.5%、BaO 1.5%、Na2O 6.7%、K2O 2.2%の組成を有する最大30mmの薄片状のガラス小体を焼結一体化され、内部に0.01mm以上の直径を有する独立した微細な気泡を約5×104個/kgの割合で有しているため、肉厚が7mmで波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が30%であるガラス焼結体からなり、乳白色の第二の透光性ガラス部材10bは、同様のガラス小体に乳白色の着色剤として珪酸ジルコン(ZrSiO4)を0.05%添加して焼結一体化されたものであり、図1に示すような外観を呈するものである。また、第一及び第二の透光性ガラス部材10a、10bは、30℃〜380℃における平均線膨張係数が55×10−7/Kであり、熱衝撃に強く、かつ耐薬品性に優れているものでもある。厚さ100mm前後の実際のガラスレンガでの平均透過率は数%程度になるので、構造材が透けて見えることがなく、また配列及び色調によって任意の外観を有する建築用ガラス部材集合体を作製できるため、意匠的に好ましい。
次に、本発明の建築用ガラス部材集合体10を製造する方法を説明する。
上記本発明の半透明の第一の透光性ガラス部材10aを製造する場合、まず、質量%で、SiO2 70.2%、Al2O3 5.4%、B2O3 13.5%、CaO 0.5%、BaO 1.5%、Na2O 6.7%、K2O 2.2%の組成を有する最大30mmの薄片状の透光性ガラス小体を作製する。次に内寸が200mm×100mm×150mmのコージエライト製容器の内壁に、アルミナのスラリーを刷毛で塗布し、放置乾燥させた後、SiO2 52質量%、Al2O3 42質量%、有機バインダー 6質量%のセラミックファイバーシートを容器の寸法に加工し、容器の内壁面に載置した。次いで、その耐火性容器内に、透光性ガラス小体を積層してガラス集積層とし、950℃で5時間熱処理して、197mm×97mm×60mmのブロック状を焼結した半透明のガラス焼結体よりなる複数のガラスレンガ10aを得た。また、乳白色の第二の透光性ガラス部材10bを製造する場合、ガラス小体に対して0.05質量%の乳白色の着色剤として珪酸ジルコン(ZrSiO4)を添加し、またバインダーとしてPVAをガラス小体に対して約1質量%添加した混合物を混合攪拌して、複数個の着色剤付ガラス小体を作製する。同様にして耐火性容器内に、表面に着色剤を付着した透光性ガラス小体を積層してガラス集積層とし、熱処理してガラス小体を融着させて、乳白色のガラス焼結体よりなる複数のガラスレンガ10bを得た。この6個の第一及び第二の透光性ガラス部材10a、10bを互い違いに配列して配列体とし、配列体の周囲にはムライト、コージエライト、アルミナセラミックス製等の耐火物を流れ止めとして配置し、ガラス部材と耐火物の接する部分に、配列体と耐火性容器との離型材として、アルミナファイバーシートを使用して、950℃で5時間熱処理してガラスレンガ寸法の第一及び第二の透光性ガラス部材10a、10bの意匠面10cに略垂直な端面を互いに融着させて建築用ガラス部材集合体10を得た。
得られた建築用ガラス部材集合体10は、図1に示すように、300mm×400mm×60mmの寸法を有し、意匠面には光沢を有する6個の透光性ガラス部材が一体化されているため、目地が無く、シンプルな外観を有するものであった。
また、他の建築用ガラス部材集合体20は、図2に写真で示すようにガラス小体に青色の着色剤としてCo3O4を0.01質量%添加して焼結一体化されたものであり、意匠面20cは、ガラスレンガ寸法の透光性ガラス部材の表面が溶解して流動することにより得られた火造りの平滑面20aと、凹凸模様形成面として微少凹凸を有する粗面20bとをガラス部材毎に交互に有するものである。
本建築用ガラス部材集合体20を作製する場合、配列体としたガラスレンガ寸法の透光性ガラス部材を加熱して互いに融着させて一体化する融着工程の際に、透光性ガラス部材の焼成工程時に形成された表面には何も接触させず火造りによる平滑面20aとし、配列体の焼成工程時に形成された裏面に、耐火物として離型材であるアルミナペーパーを透光性ガラス部材の意匠面20cとなる表面に載せて反応させることにより、微少凹凸からなる粗面20bを形成する。このようにして、図2の写真に示すような建築用ガラス部材集合体20が得られる。
また、図3に写真で示すように、他の建築用ガラス部材集合体30は、平面形状が一辺90mmの正方形で厚さ18mmのタイル形状の暗所において青色発光する蓄光材を含んだ第一の透光性ガラス部材30aと、暗所において緑色発光する蓄光材を含んだ第二の透光性ガラス部材30bとが千鳥配置になるように整列され、意匠面30cに合計16枚が融着された市松模様を呈するガラス建材である。建築用ガラス部材集合体30は意匠面30cの表面積が0.1296m2であり、ガラスレンガを使用したものに比べて、透光性ガラス部材30a、30bの厚さが薄いので透光性が高く、かつ軽量となるので施工性に優れるガラス建材となる。
また、図4に写真で示すように、他の建築用ガラス部材集合体40は、断面形状が一辺100mmの正方形で、長さ1000mmの角柱状の半透明の第一のガラス部材40aと、暗所において青色発光する蓄光材を含んだ第二の透光性ガラス部材40bとが断面で千鳥配置になるように整列され、融着されたものである。建築用ガラス部材集合体40は、意匠面40cの長さ寸法Lに対する幅寸法W、すなわちW/Lが0.1であり、長手方向に濃淡によるストライプ状の模様を有して全体にボリューム感のある角柱状を呈しており、重量感及び存在感を有するガラス建材となっている。
比較例として、図5に示す建築用ガラスレンガ1では大きさは200mm×100mm×60mmのレンガ形状が最大寸法である。また交互に配列した場合は、ガラスレンガ間に目地を設ける必要も生じる。
上記実施の形態で、気泡量は、作製したガラス塊を約30mm×30mm×10mmに切断し、その質量を測定し、次いで、その中に存在する気泡数をカウントし、単位質量当たりの個数に換算して求めた。
また、30℃〜380℃における平均線膨張係数はブルカー・エイエックスエス株式会社製ディラトメータにて測定した。波長400nm〜700nmの範囲における、肉厚7mmでの平均透過率は、光学研磨された20mm×20mm×7mmの試料を作製し、株式会社島津製作所製の分光光度計:UV2500PCで測定した。
本発明によれば、複数の透光性ガラス部材が融着され一体化されてなる建築用ガラス部材集合体を提供することができる。
1 従来の建材用ガラスレンガ
1a 上面
1b 底面
1c 側面
10 建築用ガラス部材集合体
10a、40a 半透明の第一の透光性ガラス部材
10b 乳白色の第二の透光性ガラス部材
10c、20c、30c、40c 意匠面
20、30、40 他の建築用ガラス部材集合体
20a 火造りによる平滑面
20b 粗面
30a 暗所において青色発光する第一の透光性ガラス部材
30b 暗所において緑色発光する第二の透光性ガラス部材
40b 暗所において青色発光する第二の透光性ガラス部材
1a 上面
1b 底面
1c 側面
10 建築用ガラス部材集合体
10a、40a 半透明の第一の透光性ガラス部材
10b 乳白色の第二の透光性ガラス部材
10c、20c、30c、40c 意匠面
20、30、40 他の建築用ガラス部材集合体
20a 火造りによる平滑面
20b 粗面
30a 暗所において青色発光する第一の透光性ガラス部材
30b 暗所において緑色発光する第二の透光性ガラス部材
40b 暗所において青色発光する第二の透光性ガラス部材
Claims (15)
- 複数の透光性ガラス部材により構成された建築用ガラス部材集合体であって、
前記透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであり、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有し、第一及び第二の透光性ガラス部材が配列されて意匠面に模様を形成しており、かつ第一及び第二の透光性ガラス部材の意匠面に略垂直な互いの端面が融着により一体化されてなることを特徴とする建築用ガラス部材集合体。 - 透光性ガラス部材のガラスに102個/kg〜1012個/kgの気泡を有していることを特徴とする請求項1に記載の建築用ガラス部材集合体。
- 透光性ガラス部材が、着色剤を含むものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建築用ガラス部材集合体。
- 着色剤が、Co3O4、MoO3、Er2O3、CeO2、NiO、TiO2、FeO、Fe2O3及びZrSiO4の群のうち、1以上を含むものであることを特徴とする請求項3に記載の建築用ガラス部材集合体。
- 透光性ガラス部材が、発光剤を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の建築用ガラス部材集合体。
- 発光剤が、蓄光剤を含むものであることを特徴とする請求項5に記載の建築用ガラス部材集合体。
- 意匠面に、平滑な火造り面と、凹凸模様形成面とを有するものであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の建築用ガラス部材集合体。
- 意匠面に、透光性ガラス部材毎に凹凸模様形成面が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の建築用ガラス部材集合体。
- 意匠面の表面積が6.4×10−3m2〜4m2であることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の建築用ガラス部材集合体。
- 意匠面の長尺方向の寸法に対する短尺方向の寸法の比が0.05〜1.0であることを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の建築用ガラス部材集合体。
- 意匠面に垂直な厚さが5mm〜200mmであることを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載の建築用ガラス部材集合体
- 透光性を有する複数個のガラス小体と、該ガラス小体に対して0.01質量%〜3質量%のバインダーを添加して混合物を混合攪拌して複数個のバインダー付ガラス小体を作製する混合工程と、バインダー付ガラス小体を耐火容器内に集積してガラス集積層を形成する集積工程と、該ガラス集積層を焼成することにより前記ガラス小体を融着させて透光性ガラス部材を得る焼成工程と、複数の透光性ガラス部材を配列させ、かつ意匠面に略垂直な互いの端面を当接又は十分近接させて配列体とする配列工程と、該配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化する融着工程とを有し、
前記透光性ガラス部材が、肉厚を7mmとしたときの波長400nm〜700nmの範囲における平均透過率が15%〜85%であるガラスよりなるものであり、第一の透光性ガラス部材と、該第一の透光性ガラス部材とは外観が異なる第二の透光性ガラス部材とを有し、前記配列工程及び融着工程により第一及び第二の透光性ガラス部材を配列し、意匠面に模様を形成して一体化されてなる建築用ガラス部材集合体を製造することを特徴とする建築用ガラス部材集合体の製造方法。 - 混合工程が、着色剤、発光剤のうち1以上をガラス小体に対して0.01質量%〜0.2質量%添加するものであり、集積工程で、着色剤、発光剤のうち1以上が付着したバインダー付ガラス小体を用いてガラス集積層を形成することを特徴とする請求項12に記載の建築用ガラス部材集合体の製造方法。
- 集積工程で使用する第二の透光性ガラス部材を形成するための第二の耐火容器が、第一の透光性ガラス部材を形成するための第一の耐火容器とは内部形状が異なるものであり、焼成工程で第一の透光性ガラス部材とは形状が異なる第二の透光性ガラス部材を形成することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の建築用ガラス部材集合体の製造方法。
- 融着工程が、配列体を加熱して複数の透光性ガラス部材の互いの端面を融着させて一体化すると共に、該配列体の透光性ガラス部材の意匠面となる表面に凹凸模様を形成するものであることを特徴とする請求項12から請求項14の何れかに記載の建築用ガラス部材集合体の製造方法。
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