JP5168716B2 - 建築用ガラスレンガ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は暗所で発光する建築用ガラスレンガ及びその製造方法に関するものである。
ガラスレンガは、化学的耐久性、機械的強度等の特性に優れており、また石材、人工石材の人研、陶板、タイル、着色ガラス等とは異なる新しい独特の外観を呈するデザインを追及する各種の提案がなされている。
近年、建築の多様化に伴って種々の外観を呈する建築材料が開発され、下記の特許文献1〜7に示すような各種の発光物質を使用した建築用ガラス物品も開発されている。
例えば、特許文献1には蛍光作用を有するEu23、Sm23を添加した結晶化ガラス物品が開示されている。
さらに、特許文献2には、酸化チタン系光触媒層と結晶化ガラスからなる蓄光材層とを有する抗菌製品の開示があり、特許文献3には、針状結晶が析出した結晶化ガラスで廃ガラス粒と蓄光材とを覆って一体化した多孔質ガラス成形体とその製造方法に関する開示があり、特許文献4には結晶化ガラスからなる大型化粧板と透明性ガラス板を積層し、中間接着層や釉薬に蓄光顔料を使用した化粧パネル及びその製造方法が開示されている。
また、耐火性容器内に複数個のガラス小体を充填し、熱処理して融着一体化する、いわゆる集積法によって作製された建築用ガラスレンガは、耐火性容器と接触する面が粗面となり、また、建築用ガラスレンガの中に多くの気泡を含有し、透光不透視となるため、焼成クレーレンガやガラスブロックとは異なった意匠性を有する。そのため、この建築用ガラスレンガは、その透光性を利用して床や壁の躯体に固定し、建築用ガラスレンガと躯体との間に光源(照明)を設置して誘導灯、歩道灯、あるいは足元灯の面材として使用されてきた(例えば、特許文献5及び6参照)。また、特許文献7には、ガラス中に発光性物質が略均一に分散してなり、厚さ10mmにおいて、透光率が20〜90%であり、1000ルクスの光を20分間照射した直後の初期発光強度が200〜4000mcd/m2である発光性ガラス物品が開示されている。
特開平1−52633号公報 特開平11−12114号公報 特開2004−175603号公報 特開2004−292220号公報 特開2002−33002号公報 特開2005−30033号公報 特開2005−126312号公報
しかしながら、機械的強度、化学的耐久性、熱的耐久性を維持し、従来にない更に新規な外観デザインを呈する建築用ガラスレンガが要求されている。
特許文献1は、蛍光性物質が表面に露出しているので、発光部位の蛍光性物質の酸化や汚れにより、時間の経過に従って発光しなくなる点で問題がある。
特許文献2は、防汚性能を実現する酸化チタン系光触媒層の厚さが1μm未満と薄く、外観そのものは蓄光材層の外観と同じで奥行き感のないものとなり、建材としたときの目新しさに関しては全く有していない。
特許文献3は、発光材は含んでいるものの、金属等の不透明な粉粒物、廃材のガラスカレットを使用するものであって外観は透明感に乏しく、舗道のインターロッキングブロックなどの敷石代わりには使用できるが、壁材等の化粧材としては不向きである点で問題がある。また、特許文献4では、透視性ガラス板と結晶化ガラス等の大型化粧板との中間接着層に釉焼模様を形成した化粧パネルは、透明ガラスにより奥行き感はあるものの、接着構造であるため、膨張係数差による破損及び製造時の工数の点で問題がある。
また、特許文献5、6に記載のガラス物品は自ら発光するものではないため、光源のない暗所では意匠的に全く目立たない。
また、特許文献7のものは、ガラス中に発光性物質が略均一に分散してなる発光性ガラス物品であるので、特に暗所では単調な意匠面となってしまう。
本発明は、上記の事情に着目し、従来の建築用ガラスレンガにはない外観として、夜間の意匠性に優れた新規な建築用ガラスレンガとその製造方法を提供することにある。
本発明に係る建築用ガラスレンガは、透光性ガラス小体が焼結一体化され、肉厚が7mmで波長400〜700nmの範囲における平均透過率が15〜85%の焼結ガラス体からなり、該焼結ガラス体の内部に発光材を封じたガラス小体が発光体として焼結一体化されてなることを特徴とするものである。
本発明で発光材としては、例えば、1000℃を超える焼成温度でも発光性を失わなければ使用可能であり、SrAl24にEu2+、Dy3+をドープした蓄光材や、ZnSにCu+、Al3+をドープした蛍光材等が適している。また、本発明で、発光材を封じたガラス小体とは、発光材とガラス片とが焼結された後、破砕されるなどして発光材が融着されたガラス小体内に密封されたもの、または発光材が融着されたガラス小体に付着して部分的に埋設されもの等のガラス小体を意味している。このような発光材を封じたガラス小体を使用した場合には、ガラス小体に発光性物質を直接分散させて作製したものとは、外観が異なり、建築用ガラスレンガの意匠面に奥行き感を有する模様が観察される状態となっている。
発光材として、特に蓄光材を使用する場合、蓄光材は、焼成時に外気により酸化すると発光能力が低下し、かつ、焼成後においても外気との酸化や水分との接触により、発光能力が低下する。そこで、本発明では、予め発光材を透光性ガラスで覆って酸化を抑制した、すなわち発光材を封じたガラス小体を使用することで、焼成後のガラスレンガで半永久的に安定した発光を可能としたものである。そのため、焼結ガラス体の外面に発光材を封じたガラス小体を配置しても、発光材を均一に分散させた従来のものに比べて、表面の発光能力が低下するようなことは殆ど起こらない。
さらに、本発明に係る建築用ガラスレンガは、透光性ガラス小体に対して0.001〜0.3質量%の着色剤が添加され、着色されてなるものである。着色剤の添加量が0.001質量%未満であると、明確に発色が認められず、透光性ガラス小体の色調と殆んど同じである。一方、着色剤の添加量が0.3質量%を超えると、発色が強くなりすぎて発光材の発光を確認することが困難になる。
また、本発明に係る建築用ガラスレンガは、透光性ガラス小体の着色剤が、ZrSiO4、Co34、MoO3、Er23、CeO2、NiO、TiO2、FeO、Fe23の群のうち、1以上である。本発明で使用する着色剤はガラスに溶解する、ZrSiO4、Co34、MoO3、Er23、CeO2、NiO、TiO2の群のうち、1以上含むイオン系の着色剤により、着色されたとものであることが、ガラスの流動性を阻害しない点で好ましいが、ZrSiO4などのピグメントでも1質量%までならば着色剤として使用することができる。この着色剤がZrSiO4の場合、乳白色を呈し、Co34の場合、青色を呈し、MoO3の場合、乳白色を呈し、Er23の場合、桃色を呈し、CeO2の場合、桃色を呈し、NiOの場合、黄土色を呈し、TiO2の場合、黄色を呈し、FeOの場合、黒色を呈し、Fe23の場合、赤褐色を呈するものになる。また、これらのイオン系着色剤を複数組み合わせることで、様々な色を呈する建築用ガラスレンガを得ることもできる。さらに、上記の着色剤と他の酸化物着色剤と組み合わせて用いると、多くの彩色が可能となる。
また、本発明の建築用ガラスレンガで、発光材を封じた発光体が直径50mmを超えるガラス小体であると、ガラスレンガ全体に対して発光体が大きくなり、外観として奥行き感を得ることが困難である。そこで、発光体が、発光材を封じた直径50mm以下のガラス小体からなることが、模様の大きさの自由度及びガラス小体の配置の自由度が確保されるので、奥行き感を得る上で好ましい。取り扱い上、発光材を封じたガラス小体の直径は1mmよりも大きいことがさらに好ましい。
本発明の建築用ガラスレンガとしては、焼成後に、波長400〜700nmの範囲において、肉厚7mmで平均透過率が15〜85%となる透光性のガラス小体を使用して焼結ガラス体を作製すると、内部で光が散乱し、意匠面からは目にやさしい散乱光が放射されることになるため好ましい。即ち、波長400〜700nmの範囲において、肉厚7mmで平均透過率が15%より低いと、光源からの光がほとんど透過しないため、暗所における意匠面としては殆ど目立たないものとなり、例えば、誘導灯、歩道灯、足元灯等の機能を果たしにくく、平均透過率が85%を超えると、施工した際、構造材が透けて見え、あるいは光源からの光が直接目に入るからである。
また、本発明の建材用ガラスレンガは、建築物の床面に使用した場合、意匠面が凹凸状であると、雨で濡れても滑りにくく、正反射率が2%以下であると、柔らかな光が放射され目にやさしいため好ましい。
また、本発明の建材用ガラスレンガは、ガラスが、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスおよびアルミノホウケイ酸ガラスからなる群より選択される一種または二種以上のガラスからなるものであり、熱衝撃に強く、耐薬品性に優れているため、熱処理工程における冷却時の熱衝撃や、激しい気候変化による寒暖差に起因する熱衝撃でも破損することがなく、耐候性に優れている点で、B23−SiO2系、Al23−SiO2系あるいはB23−Al23−SiO2系のガラスからなることが好ましい。
また、本発明の建材用ガラスレンガは、焼結ガラス体が、102〜1012個/kgの気孔を有していると、波長400〜700nmの範囲において、肉厚7mmで平均透過率が15〜85%になるため好ましい。すなわち、焼結ガラス体内部の気孔が、光入射面から入射した光を反射あるいは散乱するため、気孔の量によって平均透過率を調整できるからである。
また、本発明の建材用ガラスレンガは、波長400〜700nmの範囲において、肉厚7mmで平均透過率が15〜85%になれば、分相していても構わない。なお、平均透過率の好ましい範囲は30〜80%、さらに好ましくは40〜65%である。
さらに、本発明の建材用ガラスレンガは、厚さ10mmにおいて、透光率が20〜90%であり、1000ルクスの光を20分間照射した直後の初期発光強度が200〜4000mcd/m2であり、照射停止10分後の発光強度が、初期発光強度の10%以上であることが好ましい。なお、透光率は、50×50×10mmの大きさに切断し両面を光学研磨した板状の試料を作製し、光源である蛍光灯から照度計に直接照射された光が1000ルクスの照度となるように調整し、蛍光灯と照度計の間に試料を挿置したときの照度(ルクス)を10回測定し、その平均値を1000ルクスで除し、100を乗じた値を指す。
また、本発明の建築用ガラスレンガでは、発光材が、蓄光材を含むものであると、光源がなくても光る点、光を演出する自由度が拡がる点及び発光効率の点で好ましい。
次に、本発明の建築用ガラスレンガを製造する方法を説明する。
本発明に係る建築用ガラスレンガの製造方法は、耐火容器内に、複数個の透光性ガラス小体を集積して透光ガラス集積層を形成する集積工程と、透光ガラス集積層に発光材を封じたガラス小体を発光体として配置する模様形成工程と、発光体を配置した透光ガラス集積層を焼成することにより発光体の模様が形成された焼結ガラス体を得る焼成工程とを有することを特徴とする。
本発明で、耐火容器内に集積する透光性ガラス小体としては、焼成後に波長400〜700nmの範囲において、肉厚7mmで平均透過率が15〜85%になるものであれば使用可能であり、B23−SiO2系、Al23−SiO2系あるいはB23−Al23−SiO2系ガラスからなることが好ましい。
本発明で、透光ガラス集積層を形成するための耐火容器としては、1200℃以下の温度で軟化変形しない材質が好ましく、ムライト、コージエライト、アルミナセラミックス製等の耐火性容器が好適である。また、耐火性セラミックスシートを使用する場合、ガラスレンガと耐火性容器との離型材として作用するものであれば何ら制限なく使用できるが、特にシリカ、ムライト、アルミナ等のファイバーシートが好ましく、単独あるいは組み合わせて用いてもよい。また、耐火性セラミックスシートを耐火性容器内に施す方法は、シートを箱型にする方法、シートを分割して容器の内壁に設置する方法があるが、前もって容器の内壁にアルミナ等の微粉末をエアースプレー塗装、刷毛塗装、浸漬塗装等の方法により塗布することが、融着を防止する上で好適である。
本発明の建材用ガラスレンガの製造方法では、700〜1100℃、好ましくは800〜1000℃で熱処理する。熱処理温度が700℃より低いと、ガラスの軟化流動が充分に行われず、機械的強度が低くなり、1100℃を超えると、焼結ガラス体の気孔が少なくなり、可視光の透過率が高くなって、施工時に構造材が透けて見え、また、ガラス小体と離型材との反応性が高くなり、ガラス小体と耐火性容器とが融着しやすくなるため好ましくない。
また、本発明の建材用ガラスレンガの製造方法は、ガラスがリボイルする温度範囲内で熱処理すると、ガラス小体の間隙が残存することによって生じる気孔に加えて、リボイルにより焼結ガラス体の内部に新たに気孔が生成されるため好ましい。ガラス内部に溶存していたガスが気孔となってリボイルの現れ始める温度は、ガラスの軟化点よりも約50℃高い温度である。熱処理温度をさらに上昇させると、それに伴い、ガラス内部での気孔の生成がさらに活発になるが、ガラスの粘度も低下するため、生成した気孔は、次第に大きくなり、浮上してガラスの外部に放出されてしまう。ここでは、ガラスがリボイルする温度範囲とは、ガラス内部に溶存していたガスが気孔となって現れ始めてからガラスの外部に放出されてしまうまでの温度範囲を指し、例えば、B23−SiO2系ガラスでは、約800〜1000℃となる。
また、本発明の建築用ガラスレンガの製造方法では、透光ガラス集積層に配置した発光体の外側に、透光性ガラス小体を集積して焼成することで、発光体の模様が焼結ガラス体の内部に形成されることになり、内部の発光体が透光性ガラス小体を焼結した透光層を通して発光するので、暗所で奥行きのある発光模様による独特の意匠性を有する建築用ガラスレンガを製造することができる。
また、本発明の建築用ガラスレンガの製造方法では、複数個の透光性ガラス小体と発光材を封じたガラス小体とを攪拌混合した混合ガラス小体を耐火容器内に集積して焼成することで、色々な発光強度を持たせた発光部を形成することが可能となり、発光強度バリエーションを利用した模様など、独特の意匠性を有する建築用ガラスレンガを製造することができる。攪拌混合手段としては、ミキサーその他の攪拌混合手段ならば使用可能である。
また、本発明の製造方法では、発光材が、蓄光材を含むものであると、光源がなくても光る点、光の演出の自由度が広がる点及び発光効率の点で優れたガラスレンガを製造することが可能となる。また、発光材が、蛍光材を含むものであると、僅かな光で蛍光を発する点、パステル調で明るい印象を与える蛍光色による演出が可能となる点及び発光効率の点で優れた上記本発明の建築用ガラスレンガを製造することが可能となる。
本発明に係る建築用ガラスレンガは、透光性ガラス小体が焼結一体化され、肉厚が7mmで波長400〜700nmの範囲における平均透過率が15〜85%の焼結ガラス体からなり、該焼結ガラス体の内部に発光材を封じたガラス小体が発光体として焼結一体化されてなるので、夜間、暗所で従来にない奥行き感を備えた発光模様の外観を有する意匠性に優れた新規な建築用ガラスレンガを提供することが可能となる。
さらに、本発明に係る建築用ガラスレンガは、透光性ガラス小体に対して0.001〜0.3質量%の着色剤が添加され、着色されてなるので、建築用ガラスレンガのカラーバリエーションを広げることができる。
また、本発明に係る建築用ガラスレンガは、透光性ガラス小体の着色剤が、ZrSiO4、Co34、MoO3、Er23、CeO2、NiO、TiO2、FeO、Fe23の群のうち、1以上であるので、幅広い範囲で任意の色調を得ることができる。
また、本発明の建築用ガラスレンガは、発光体が、発光材を封じた直径50mm以下のガラス小体からなるので、奥行き感のある外観を提供することができる。
さらに、本発明の建築用ガラスレンガは、発光材が、蓄光材を含むものであるので、光源がなくても光る点、光の演出の自由度が広がる点及び発光効率の点で優れた建築用ガラスレンガとなる。また、発光材が、蛍光材を含むものであると、僅かな光で蛍光を発する点、パステル調で明るい印象を与える蛍光色による演出が可能となる点及び発光効率の点で優れた建築用ガラスレンガとなる。
本発明に係る建築用ガラスレンガの製造方法は、耐火容器内に、複数個の透光性ガラス小体を集積して透光ガラス集積層を形成する集積工程と、透光ガラス集積層に発光材を封じたガラス小体を発光体として配置する模様形成工程と、発光体を配置した透光ガラス集積層を焼成することにより発光体の模様が形成された焼結ガラス体を得る焼成工程とを有するものであるので、上記の夜間、暗所で従来にない多様な発光模様の外観を有する意匠性に優れた新規な建築用ガラスレンガを効率よく製造することができる。
また、本発明の建築用ガラスレンガの製造方法は、透光ガラス集積層に配置した発光体の外側に、透光性ガラス小体を集積して焼成するので、暗所で従来にない奥行き感を備えた発光模様の外観を呈する意匠性に優れた新規な建築用ガラスレンガを効率よく製造することができる。
また、本発明の建築用ガラスレンガの製造方法は、複数個の透光性ガラス小体と発光材を封じたガラス小体とを攪拌混合した混合ガラス小体を耐火容器内に集積して焼成するので、色々な発光強度を持たせた発光部を形成することが可能となり、発光強度バリエーションを利用した模様など、独特の意匠性を有する建築用ガラスレンガを効率よく製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の建材用ガラスレンガの説明写真であって、図1(A)に明所での外観写真を、(B)に暗所での外観写真をそれぞれ示している。また、比較例として、図2は従来の蓄光材を使用した建材用ガラスレンガの説明写真であって、図2(A)に明所での外観写真、(B)に暗所での外観写真をそれぞれ示している。
本実施例に係る建材用ガラスレンガ1は、質量%で、SiO2 70.2%、Al23 5.4%、B23 13.5%、CaO 0.5%、BaO 1.5%、Na2O 6.7%、K2O 2.2%の組成を有する最大30mmの薄片状のガラス小体が焼結一体化され、内部に気孔を約5×104個/kgの割合で有しているため、肉厚が7mmで波長400〜700nmの範囲における平均透過率が60%の焼結ガラス体1aからなり、明所では図1(A)に示すような外観を呈し、暗所では図1(B)に示すような、焼結ガラス体1aの内部に位置する発光体1bによる奥行き感を有する発光模様が浮かび上がる独特の意匠面を有するものである。また、建材用ガラスレンガ1は、30〜380℃における平均熱膨張係数が55×10-7/Kであり、熱衝撃に強く、かつ耐薬品性に優れているものでもある。
気孔量は、作製したガラス塊を約30×30×10mmに切断し、その重量を測定し、次いで、その中に存在する気孔数をカウントし、単位重量当たりの個数に換算して求めた。
また、30〜380℃における平均熱膨張係数は、理学製熱機械分析装置で測定した。波長400〜700nmの範囲における、肉厚7mmでの平均透過率は、島津製分光光度計(UV2500PC)で測定した。
一方、比較例の建材用ガラスレンガ2は、図2(A)に明所での外観写真、(B)に暗所での外観写真を示すように、ガラス中に発光性物質の蓄光材が略均一に分散してなるものであるため、全体がほぼ均質に発光する単調な意匠面を有するものであった。
次に、本発明の建築用ガラスレンガを製造する方法を説明する。
上記本発明の建築用ガラスレンガを製造する場合、まず、内寸が200×100×150mmのコージエライト製容器の内壁に、アルミナのスラリーを刷毛で塗布し、放置乾燥させた後、SiO2 95質量%、Al23 5質量%のセラミックファイバーシートを容器の寸法に加工し、容器の内壁面に載置した。次いで、その耐火性容器内に、質量%で、SiO2 70.2%、Al23 5.4%、B23 13.5%、CaO 0.5%、BaO 1.5%、Na2O 6.7%、K2O 2.2%の組成を有する最大30mmの薄片状の透光性ガラス小体を作製する。次いで、この透光性ガラス小体を積層して透光ガラス集積層とし、その上に、発光材として無機質蓄光材(商品名:α‐FLASH PG500 LTI社製)を封じた直径が10mm〜30mmの範囲にある複数のガラス小体を模様が形成されるように分散配置し、さらにその上を透光性ガラス小体で覆うことで充填し、950℃で5時間熱処理して、197×97×60mmのブロック状の内部に模様が形成されるように分散配置された発光体1bによる模様が形成された焼結ガラス体1aからなる建築用ガラスレンガ1を得た。
得られた建築用ガラスレンガ1は、図1に示すように、焼結ガラス体1aの内部で発光体1bの模様が形成されて発光しているため、発光模様に奥行き感を有する個性的な独特の雰囲気をかもし出す意匠面であった。
また、本発明の他の実施例に係る建築用ガラスレンガは、着色剤にCo34を透光性ガラス小体に対して0.005質量%添加して藍染のような青色に着色されてなるものである。
実施例2の建築用ガラスレンガを作製する場合、内寸が200×100×150mmのコージエライト製容器の内壁に、アルミナのスラリーを刷毛で塗布し、放置乾燥させた後、SiO2 95質量%、Al23 5質量%のセラミックファイバーシートを容器の寸法に加工し、容器の内壁面に載置した。次いで、その耐火性容器内に、質量%で、SiO2 70.2%、Al23 5.4%、B23 13.5%、CaO 0.5%、BaO 1.5%、Na2O 6.7%、K2O 2.2%の組成を有する最大30mmの薄片状の透光性ガラス小体を作製する。該ガラス小体とガラス小体に対して0.005質量%のCo34と該ガラス小体に対して0.05質量%のバインダーとを混合撹拌する。次いで、この該ガラス小体混合体を積層して該ガラス小体混合体集積層とし、その上に、発光材として無機質蓄光材(商品名:α‐FLASH PG500 LTI社製)を封じた直径が10mm〜30mmの範囲にある複数のガラス小体を模様が形成されるように分散配置し、さらにその上を該ガラス小体混合体で覆うように充填する。その後、950℃で5時間熱処理して、197×97×60mmのブロック状の内部に発光体によって模様が形成された焼結ガラス体からなる建築用ガラスレンガを得た。
得られた藍染のような青色の建築用ガラスレンガは、焼結ガラス体の内部で発光体の模様が形成されて発光しているため、発光模様に奥行き感を有する個性的な独特の雰囲気をかもし出す意匠面であった。
本発明の建築用ガラスレンガの説明写真であって、(A)は明所での写真、(B)は暗所での発光状態の写真。 従来の建築用ガラスレンガの説明写真であって、(A)は明所での写真、(B)は暗所での発光状態の写真。
符号の説明
1 建築用ガラスレンガ
1a 焼結ガラス体
1b 発光体
2 比較例の建築用ガラスレンガ

Claims (8)

  1. 透光性ガラス小体が焼結一体化され、肉厚が7mmで波長400〜700nmの範囲における平均透過率が15〜85%の焼結ガラス体からなり、該焼結ガラス体の内部に発光材を封じたガラス小体が発光体として焼結一体化されてなることを特徴とする建築用ガラスレンガ。
  2. 透光性ガラス小体に対して0.001〜0.3質量%の着色剤が添加されて着色されてなることを特徴とする請求項1に記載の建築用ガラスレンガ。
  3. 透光性ガラス小体の着色剤が、ZrSiO、Co、MoO、Er、CeO、NiO、TiO、FeO、Feの群のうち、1以上であることを特徴とする請求項2に記載の建築用ガラスレンガ。
  4. 発光体が、発光材を封じた直径50mm以下のガラス小体からなることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の建築用ガラスレンガ。
  5. 発光材が、蓄光材を含むものであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の建築用ガラスレンガ。
  6. 耐火容器内に、複数個の透光性ガラス小体を集積して透光ガラス集積層を形成する集積工程と、透光ガラス集積層に発光材を封じたガラス小体を発光体として配置する模様形成工程と、発光体を配置した透光ガラス集積層を焼成することにより発光体の模様が形成された焼結ガラス体を得る焼成工程とを有することを特徴とする建築用ガラスレンガの製造方法。
  7. 透光ガラス集積層に配置した発光体の外側に、透光性ガラス小体を集積して焼成する請求項6に記載の建築用ガラスレンガの製造方法。
  8. 複数個の透光性ガラス小体と発光材を封じたガラス小体とを攪拌混合した混合ガラス小体を耐火容器内に集積して焼成する請求項6または請求項7に記載の建築用ガラスレンガの製造方法。
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