JP2009172526A - 板状建材塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板状建材10の下面12にインクジェット塗装を行う板状建材塗装方法であって、前記板状建材の下方にインク吐出口22を有したインクジェットヘッド21を配設し、前記インクジェットヘッドのインク吐出口と前記板状建材の下面との間の空間spに、該インク吐出口からインク滴MIを吐出させた時に生じるインクミストimを該インク吐出口から遠ざける気流caを発生させ、その状態で、前記インク吐出口から前記板状建材の下面に向けてインク滴を吐出させて塗装を行う。
【選択図】図1
Description
近時においては、塗装の一方式として、局所的な模様形成や所望の模様パターンを容易に塗装できるインクジェット塗装が用いられている。
このようなインクジェット塗装では、板状建材の表面に非接触の状態で、インク吐出口(インクジェットノズル、噴射ノズル)からインク滴を吐出させて被塗装面にインク滴を着弾させ、この着弾したインク滴による微小なドットの集合によって、リアルで精密な模様が形成できる。
このものでは、基板上に、画素毎に隔壁によって区画された電極上にインクジェット方式により液状材料を塗布して上記発光層を形成するようにしており、液状材料を塗布した後に、液状材料を乾燥するために基板上に、基板と平行な気流あるいは下方の基板に対して上方から垂直気流を発生させるようにしている。
このようにインクミストが発生すると、画質不良が生じたり、周辺環境が汚染されたりするといった問題が生じる。
このような場合には、上面は、上方に配置したインクジェットヘッドによって塗装し、下面は、下方に配置したインクジェットヘッドによって塗装することが考えられる。
しかしながら、下方に配置したインクジェットヘッドによって塗装する場合は、上記したようなインクミストが特に発生し易くなり、また、上方に向けて吐出されたインク滴のインクミストが自重によって浮遊落下してインク吐出口に付着しやすくなる。インク吐出口にインクミストが付着すると、インク吐出口に目詰まりが生じ、連続吐出がなされない恐れがあり、画質不良が発生する恐れがあった。
上記特許文献1で提案されている表示装置の製造方法では、液状材料が塗布された基板上に気流を発生させて、液状材料を乾燥させるものではあるが、このものでは、上記したインクミストに対しての考慮がなされておらず、上記したような問題の解決は困難である。
木質系建築材料としては、無垢の木材、集成材、合板、パーティクルボード、木質繊維板等や、これらを基材として、ポリエステル樹脂や塩化ビニル樹脂などの樹脂シートを貼着したものが挙げられる。
樹脂系建築材料としては、熱硬化性樹脂材、熱可塑性樹脂材等が挙げられる。
窯業系建築材料としては、外壁や屋根、塀等に用いられる、レンガ、瓦、セラミックスや、セメントを主成分として補強繊維や無機質充填材を含有したセメント系の窯業系材料等が挙げられる。
また、前記板状建材は、扉、床、階段、框、柱、手摺り、棚、キッチンパネル、天井、各種家具のキャビネットや天板、内壁、外壁、屋根、塀等に用いられる。
また、インクジェット塗装により前記板状建材の下面に塗装する模様は、木目調、石目調、タイル調、ブロック調、単色、その他各種の絵柄等が挙げられる。
この場合においては、前記エアー吸引口と前記インクジェットヘッドの前記側方部との間に、該側方部に沿って遮蔽板を立設するようにしてもよい。
この場合においては、エアー吸引口を前記エアー吹出口の風下に更に設け、該エアー吹出口から空気を吹出させながら、前記エアー吸引口で空気を吸引させて前記気流を発生させるようにしてもよい。
よって、インク吐出口の目詰まりによって連続吐出が妨げられることによる画質不良の発生を低減でき、意匠性の高い板状建材を安定して提供できる。
上記場合において、前記エアー吸引口と前記インクジェットヘッドの前記側方部との間に、該側方部に沿って遮蔽板を立設するようにすれば、インク吐出口から板状建材の下面に向けて吐出されたインク滴(被塗装面に着弾すべきメインインク)に対する前記気流の緩衝を低減でき、よって、吐出された直後のインク滴がエアー吸引口に吸引されることを防止できる。
上記場合において、エアー吸引口を前記エアー吹出口の風下に更に設け、該エアー吹出口から空気を吹出させながら、前記エアー吸引口で空気を吸引させて前記気流を発生させるようにすれば、該気流に乗って浮遊するインクミストをエアー吸引口で吸引することができ、インクミストの飛散による周辺機器へのインクミストの付着も防止できる。
図1(a),(b)は、いずれも第1実施形態に係る板状建材塗装方法を説明するための説明図であり、(a)は、概略側面図、(b)は、(a)におけるX部の概略拡大図、図2は、同実施形態を説明するための説明図であり、図1(a)におけるY−Y線矢視図、図3は、同実施形態に係る板状建材塗装方法を実行する板状建材塗装装置の一例を示すブロック図である。
尚、図1(b)、後記する図4及び図5においては、インク吐出口、インク吐出口から吐出されたインク滴及び気流発生手段によって生じる気流を模式的に示している。
このような板状建材10を被塗材として、その表裏両面のそれぞれに上方から塗装する場合は、板状建材10を裏返す工程が必要となり、通常の被塗材である定型紙等と比べて、サイズが大きいため、板状建材10を裏返す工程が困難となるが、本実施形態のように、下方から板状建材10の下面12を塗装することで、板状建材10を裏返す必要がなく、塗装工程の簡略化が図れる。
また、下面12には、塗装がなされる前に、後記するインクジェット塗装装置20から吐出させたインクを定着させるための白地のインク受理層が前処理として形成されている。
また、上記基材を、熱硬化性樹脂材、熱可塑性樹脂材等の樹脂材料としてもよい。また、外壁や屋根、塀等に用いられる、レンガ、瓦、セラミックスや、セメントを主成分として補強繊維や無機質充填材を含有したセメント系の窯業系材料を上記基材としてもよい。
上記のような板状建材10は、建築物の内装材や外装材、家具材として用いられ、扉、床、階段、框、柱、手摺り、棚、キッチンパネル、天井、各種家具のキャビネットや天板、内壁、外壁、屋根、塀等に用いられる。
また、本実施形態では、板状建材10の下面12にインクジェット塗装装置20による塗装によって模様を形成する例を示しているが、上面11及び端面(木口面)にも他の塗装装置を用いて模様を形成するようにしてもよい。
図例の板状建材塗装装置Aは、図1及び図3に示すように、大略的に、板状建材10の下面12を塗装するためのインクジェット塗装装置20と、インク吐出口22と板状建材10の下面との間の空間spに気流caを発生させるための気流発生手段30と、インクジェット塗装装置20によって塗装されたインク滴を乾燥、硬化させるための紫外線照射装置40と、装置各部を制御する制御装置50と、板状建材10を搬送するための板状建材搬送手段60とを備えている。これら各装置は、制御手段を構成するCPU51と信号線54を介して接続され、その制御がなされる。
また、板状建材搬送手段60は、インクジェット塗装装置20によるインク滴の吐出動作と連動制御され、板状建材10を白抜矢印方向(図1(a)における紙面右方向、図2における紙面上方向)へ向けて搬送する。
このような構成においては、例えば、前記板状建材搬送手段60に代えて、板状建材10の上面11を吸引して板状建材10を固定保持する板状建材固定保持手段を設けるようにしてもよい。
このインクジェット塗装装置20は、図1及び図2に示すように、装置本体24、装置本体24に連結されインクジェットヘッド21を支持するヘッドアーム23を有している。
インクジェットヘッド21は、板状建材10の搬送方向と直交する方向(板状建材10の幅方向)に長尺に形成されたいわゆるライン型のインクジェットヘッドで、その上面には、各種カラーのインク滴を板状建材10の下面12に向けて吐出する多数のインク吐出口22が形成されている。このような板状建材10の下面12の幅方向全体に亙って塗装できるライン型のインクジェットヘッド21とすることで、例えば、後記する幅方向に沿って移動走査されるシリアル型のインクジェットヘッドに比べて塗装時間を短縮できるとともに装置構成を簡略化できる。
上記インク吐出口22と、上記板状建材搬送手段60によって搬送される板状建材10の下面12との間の空間spは、1mm〜10mm前後とすることが好ましく、3mm〜5mm前後とすることがより好ましい。これにより、高画質の模様を形成できる。
尚、インクジェット塗装装置20のインクジェットヘッド21としては、ライン型ではなく、板状建材10の幅方向に移動走査可能とされた幅方向の短い、いわゆるシリアル型のインクジェットヘッドとしてもよい。この場合には、後記する気流発生手段のエアー吹出口及びエアー吸引口もインクジェットヘッドの幅に合わせて、幅方向を短いものとし、インクジェットヘッドの移動走査に連動させて、移動させるようにしてもよい。
空気吹出装置31は、ファンやブロアなどの空気吹出手段を内設しており、該空気吹出手段を作動させて吹出用配管32を介してエアー吹出口34へ空気を給送し、エアー吹出口34からインク吐出口22と板状建材10の下面12との間の空間spに向けて空気を吹出させる構成とされている。
上記エアー吹出口34は、図1(b)に示すように、インクジェットヘッド21の上流側近傍位置に配置されており、インク吐出口22と板状建材10の下面12との間の空間spに向けて開口している。また、該エアー吹出口34は、上記のように幅方向に長尺に形成されたインクジェットヘッド21の幅方向に沿って横長スリット状に形成されている
このエアー吹出口34と吹出用配管32との間には、吹出用配管32からエアー吹出口34に向けて徐々に拡開する拡開部33が形成されている。
上記エアー吸引口38は、上記エアー吹出口34の風下、すなわち、インクジェットヘッド21の下流側近傍位置に配置され、インクジェットヘッド21を挟んで対向するように配置されている。また、エアー吸引口38は、上記エアー吹出口34と同様、インク吐出口22と板状建材10の下面12との間の空間spに向けて開口しており、上記のように幅方向に長尺に形成されたインクジェットヘッド21の幅方向に沿って横長スリット状に形成されている。
このエアー吸引口38と吸引用配管36との間には、吸引用配管36からエアー吸引口38に向けて徐々に拡開する拡開部37が形成されている。
該紫外線照射装置40は、インクジェット塗装装置20の下流側に位置し、装置本体43、紫外線を照射する紫外線照射ヘッド41及び装置本体43に連結され紫外線照射ヘッド41を支持するヘッドアーム42を有している。
紫外線照射ヘッド41は、板状建材10の搬送方向と直交する方向(板状建材10の幅方向)に長尺に形成されており、上方(板状建材10の下面12)に向けて紫外線を照射する紫外線光源41aを内設している。該紫外線光源41aは、板状建材10の下面12の幅方向全体に亙って紫外線の照射が可能なように設けられている。
尚、紫外線光源41aとしては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハイドランプ、熱陰極管、冷陰極管、半導体レーザ、エキシマランプ、LED等の適用が可能であるが、その他、適宜、公知の紫外線光源の適用が可能である。
尚、上記したインクジェット塗装装置20のインク吐出口22からインク滴を吐出するためのインクジェットのノズル駆動方式は、特に限定されず、適宜公知のものが選択可能であり、ドロップオンデマンドピエゾ方式、ドロップオンデマンドバルブ方式、コンティニュアス帯電偏向方式など任意のものが適用可能である。
さらに、本実施形態では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のカラーインクを適用した例を示しているが、単一色のみにより模様を形成する場合には、その単一色を吐出するインク吐出口22を備えたインクジェットヘッド21のみを採用するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、気流発生手段30として、空気吹出装置31と、空気吸引装置35とから構成されたものを例示しているが、インク吐出口22からのインク滴の吐出時に生じるインクミストをインク吐出口22から遠ざけるような気流を発生させるものであればよく、例えば、空気吹出装置31のみを設けるようにしても良い。
また、このような気流発生手段30の選択、空気の吹出、吸引力の設定(ファンやブロア、ポンプ等の出力)は、インクジェット塗装装置20のインクジェットヘッド21の形状、インク吐出口22から吐出されるインク滴の大きさや吐出圧、エアー吹出口34、エアー吸引口38の大きさや形状等に応じて適宜、選択、設定可能であるが、板状建材10の下面12の着弾すべき箇所に、メインのインク滴MIが着弾するよう風量を設定することが好ましい。すなわち、メインのインク滴MIの飛翔軌道を妨げない程度で、かつ、ミスト状となって浮遊するインクミストimをインク吐出口22から遠ざけるような程度の風量、気流とすることが好ましい。
該開口部に至り、板状建材10が所定位置に到着したことを検出すると、記憶手段53に記憶されたパターンデータに基づいて、各インク吐出口22c,22m,22y,22kから各色のインク滴を吐出させ、搬送される板状建材10に対してインクジェットヘッド21が走査することで、下面12の塗装を行う。上記所定位置は、光学センサなどで検出するようにしてもよい。
本実施形態では、上記したように、インクジェットヘッド21の上流側近傍位置に配置されたエアー吹出口34から吹出される空気と、インクジェットヘッド21の下流側近傍位置に配置されたエアー吸引口38による空気の吸引とによって、インク滴MIの吐出方向と略直交する略水平方向の気流caを発生させるようにしている。すなわち、エアー吹出口34から空気を吹出させながら、エアー吸引口38で空気を吸引させて気流caを発生させるようにしている。
また、上記のように誘導されるインクミストimは、エアー吸引口38で吸引されるので、インクミストimの飛散による周辺機器へのインクミストimの付着も防止できる。
さらに、板状建材10の端面(木口面)に上記のようなインクミストimが回り込んで付着することも防止でき、これにより、前後の工程において端面が塗装される場合にも端面の模様に影響を与えることがない。
このように、紫外線によって硬化させる構成としているので、下面12に着弾したインク滴MIを瞬時に硬化させることができ、本実施形態のように板状建材10の下面12に対して下方から上方に向けてインク滴を吐出させる場合でも着弾したインク滴MIが垂れ落ちるようなことがなく、また、下流側の搬送ベルト62に付着するようなことがない。
尚、本実施形態では、紫外線照射装置40を備えた板状建材塗装装置Aを例示しているが、紫外線照射装置40を備えないものとしてもよい。この場合は、紫外線照射装置に代えて、乾燥手段として温風乾燥装置を配設し、着弾したインク滴の乾燥を温風によって行うようにしてもよい。あるいは、このような乾燥手段を設けずに、速乾性のインクを使用し、着弾したインク滴を自然乾燥させる態様としてもよい。
図4(a)は、第2実施形態に係る板状建材塗装方法を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主にインクジェット塗装装置のインクジェットヘッドの構成及び気流発生手段の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
また、板状建材塗装装置Bが備える気流発生手段30Aは、上方に向けて開口する3つのエアー吸引口38A,38B,38Cを有している。
上記3つのエアー吸引口38A,38B,38Cは、後記するように、それぞれインクジェットヘッド21Aの側方部に設けられ、該側方部に沿って長尺に形成された横長スリット状に形成されている。これらエアー吸引口38A,38B,38Cは、インクジェットヘッド21Aの各インク吐出口22よりもやや下方に配置されている。
これらエアー吸引口38A,38B,38Cは、それぞれ拡開部37A,37B,37Cが形成され、上記同様の吸引用配管を介して空気吸引装置に接続されている。
本実施形態では、上記3つのエアー吸引口38A,38B,38Cのそれぞれが隣接する各インクジェットヘッド21Ac,21Am,21Ay,21Akとの間に遮蔽板39を立設するようにしている。すなわち、遮蔽板39は、エアー吸引口38Cとインクジェットヘッド21Acとの間、エアー吸引口38Aとインクジェットヘッド21Amとの間、エアー吸引口38Aとインクジェットヘッド21Ayとの間、及びエアー吸引口38Bとインクジェットヘッド21Akとの間にそれぞれ設けられている。
これら遮蔽板39は、インクジェットヘッド21A及びエアー吸引口38A,38B,38Cの幅方向(板状建材10の幅方向と同方向)の長さに合わせて、長尺に形成されるとともに、インク吐出口22と板状建材10の下面12との間の空間spの略中間位置まで突出するよう立設されている。
上記第1実施形態と同様、板状建材搬送手段60を作動して、板状建材10を上記開口部へ搬送し、板状建材10が所定位置に到着したことを検出すると、記憶手段53に記憶されたパターンデータに基づいて、各インク吐出口22c,22m,22y,22kから各色のインク滴を吐出させ、搬送される板状建材10に対してインクジェットヘッド21Aが走査することで、下面12の塗装を行う。
本実施形態では、上記したように、インクジェットヘッド21Aの側方部に沿って設けられ、上方に向けて開口する3つのエアー吸引口38A,38B,38Cによる空気の吸引によって、気流caを発生させるようにしている。
該気流caは、各インク吐出口22c,22m,22y,22kからの吐出時のインクミストimを、各インク吐出口22c,22m,22y,22kの上方位置から側方に誘導するとともに、下方に誘導する気流caとされ、該気流caに誘導されたインクミストimは、各エアー吸引口38A,38B,38Cによって吸引される。
また、遮蔽板39を設けない態様としてもよい。
図4(b)は、第3実施形態に係る板状建材塗装方法を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主にインクジェット塗装装置のインクジェットヘッドの構成及び気流発生手段の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
また、板状建材塗装装置Cが備える気流発生手段30Bは、上記インクジェットヘッド21Bの下流側近傍位置及び上流側近傍位置のそれぞれに配置されたエアー吸引口38,38Dと、インクジェットヘッド21Bの中間位置となるインクジェットヘッド21Bmとインクジェットヘッド21Byとの間に設けられたエアー吸引口38Aとを有している。
また、上記インクジェットヘッド21Bの下流側近傍位置に配置されたエアー吸引口38は、前記第1実施形態で説明したエアー吸引口38と同様のものである。
また、上記インクジェットヘッド21Bの中間位置となるインクジェットヘッド21Bmとインクジェットヘッド21Byとの間に設けられたエアー吸引口38Aは、前記第2実施形態で説明したエアー吸引口38Aと同様のものである。このエアー吸引口38Aの両側方部には、前記第2実施形態と同様の遮蔽板39が設けられている。
上記第1実施形態と同様、板状建材搬送手段60を作動して、板状建材10を上記開口部へ搬送し、板状建材10が所定位置に到着したことを検出すると、記憶手段53に記憶されたパターンデータに基づいて、各インク吐出口22c,22m,22y,22kから各色のインク滴を吐出させ、搬送される板状建材10に対してインクジェットヘッド21Bが走査することで、下面12の塗装を行う。
本実施形態では、上記したように、インクジェットヘッド21Bの上流側近傍位置に配置されたエアー吸引口38Dによる空気の吸引によってインクジェットヘッド21Bの上流側上方部に、上流側に向かう気流caを発生させるとともに、インクジェットヘッド21Bの下流側近傍位置に配置されたエアー吸引口38による空気の吸引によってインクジェットヘッド21Bの下流側上方部に、下流側に向かう気流caを発生させるようにしている。また、インクジェットヘッド21Bmとインクジェットヘッド21Byとの間に設けられたエアー吸引口38Aによる空気の吸引によって、インク吐出口22m,22yのそれぞれの上方位置からその側方のエアー吸引口38Aに向かう気流caを発生させるようにしている。これらの気流caに誘導されたインクミストimは、各エアー吸引口38,38A,38Dによって吸引される。
また、エアー吸引口38Aの側部に遮蔽板39を設けない態様としてもよい。
図5(a)は、第4実施形態に係る板状建材塗装方法を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主にインクジェット塗装装置のインクジェットヘッドの構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
また、本実施形態では、前記第1実施形態で説明したインクジェットヘッド21とは異なり、インクジェットヘッド21Cc,21Cm,21Cy,21Ckを、それぞれ下流側に向けて、やや傾斜させて配置している。
このように吐出されたインク滴MIから生じたインクミストimは、気流発生手段30によって発生させた上流側から下流側に向かう気流caによって、下流側のエアー吸引口38へ誘導されて、吸引される。
また、上記構成とともに、そのインクジェットヘッド21Cの下流側近傍位置にエアー吸引口38を設けているので、前記第1実施形態で説明した板状建材塗装装置Aに比べて、より効果的にインクミストimをエアー吸引口38へと誘導でき、吸引できる。
また、インクジェットヘッド21Cの下流側への傾斜角度は、鉛直上方を0度とすると、下流側に向けて45度程度までの傾斜角度とすることが好ましい。これにより、着弾したインク滴MIにより形成される模様の質を阻害することなく、インクミストimの付着防止と吸引とを効果的に行える。
図5(b)は、第5実施形態に係る板状建材塗装方法を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた図である。
尚、第2実施形態との相違点は、主にインクジェット塗装装置のインクジェットヘッドの構成及び気流発生手段の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
また、遮蔽板39も上記インクジェットヘッド21D等の傾斜角度に合わせて下流側に向けて、やや傾斜させて配置している。
このように吐出されたインク滴MIから生じたインクミストimは、気流発生手段30Cによって発生させたそれぞれの気流caによって、各エアー吸引口38E,38F,38Gへ誘導されて、吸引される。
また、上記構成とともに、インクジェットヘッド21Dの側方部に、前記第2実施形態と同様に、上方に向けて開口するエアー吸引口38E,38F,38Gを設けているので、前記第2施形態で説明した板状建材塗装装置Bに比べて、より効果的にインクミストimを各エアー吸引口38E,38F,38Gへと誘導でき、吸引できる。すなわち、斜め上方下流側に向けて吐出されて生じたインクミストimは、下流側へ向けて浮遊し、このように下流側に向けて浮遊するインクミストimは、吐出されたインク吐出口22の下流側に位置するエアー吸引口38E,38Fによって、効果的に吸引できる。
また、板状建材10の下面12の周縁に面取りによって形成された傾斜面や凸曲面を有したものへの塗装も可能である。
さらに、前記各実施形態で下面12にインクジェット塗装によって模様を形成した後に、更に、施された模様を阻害することがないように透明の保護シートや保護フィルムを更に貼着して保護層を形成したり、あるいは、透明樹脂塗料(例えば、ウレタン、エポキシなど)などを塗装して保護塗膜を形成したりしてもよい。
12 下面
21,21A,21B,21C,21D インクジェットヘッド
22 インク吐出口
34 エアー吹出口
38,38A,38B,38C,38D,38E,38F,38G エアー吸引口
39 遮蔽板
ca 気流
im インクミスト
MI インク滴(メインインク)
sp インク吐出口と板状建材の下面との間の空間
Claims (5)
- 板状建材の下面にインクジェット塗装を行う板状建材塗装方法であって、
前記板状建材の下方にインク吐出口を有したインクジェットヘッドを配設し、
前記インクジェットヘッドのインク吐出口と前記板状建材の下面との間の空間に、該インク吐出口からインク滴を吐出させた時に生じるインクミストを該インク吐出口から遠ざける気流を発生させ、
その状態で、前記インク吐出口から前記板状建材の下面に向けてインク滴を吐出させて塗装を行うことを特徴とする板状建材塗装方法。 - 請求項1において、
前記インクジェットヘッドの少なくとも一側方部に、該側方部に沿って上方に向けて開口するエアー吸引口を設け、該エアー吸引口で空気を吸引させて前記気流を発生させることを特徴とする板状建材塗装方法。 - 請求項2において、
前記エアー吸引口と前記インクジェットヘッドの前記側方部との間に、該側方部に沿って遮蔽板を立設するようにしたことを特徴とする板状建材塗装方法。 - 請求項1において、
エアー吹出口を前記インク吐出口と前記板状建材の下面との間の空間に向けて設け、該エアー吹出口から空気を吹出させて前記気流を発生させることを特徴とする板状建材塗装方法。 - 請求項4において、
エアー吸引口を前記エアー吹出口の風下に更に設け、該エアー吹出口から空気を吹出させながら、前記エアー吸引口で空気を吸引させて前記気流を発生させることを特徴とする板状建材塗装方法。
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