JP2009171576A - 双方向中継ネットワークにおける無線チャネル推定方法及び装置並びに無線通信システム - Google Patents

双方向中継ネットワークにおける無線チャネル推定方法及び装置並びに無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 双方向中継ネットワークにおいてスペクトル効率を高めるためにチャネル推定のためのトレーニングシンボルの必要性を回避又は少なくとも低減することができる無線チャネル推定装置を提供する。
【解決手段】 本願発明は、第1の端末(16)と中継局(14)との間の無線チャネル(H)を推定するために、第1の端末(16)から既に送信された第1の情報(S)と同じく中継局(14)と通信する第2の端末(12)から既に送信された第2の情報(S)とを重ね合わせたものを含む信号(Y)を受信するための受信機(222)と、送信された第1の情報(S)を格納するための記憶装置(210)と、受信した信号(Y)とこの信号(Y)のパイロット情報として記憶装置(210)に格納された第1の情報(S)とを使用して無線チャネル(H)を計算するためのチャネル計算機(224)とを備えるものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、通信システム、特に、中継局と基地局もしくは移動局との間のチャネルを推定するためのチャネル推定方法及び装置に関する。
中継技術は、近年、無線通信分野におけるホットな研究領域になっている。中継ネットワーク又はマルチホップネットワークは、“Beyond 3G”モバイル無線システムにとってそこに現れるレンジ(range)問題のために不可欠になるという見方が広く受け入れられている。将来のモバイル無線通信システムにはより高い搬送波周波数又は中心周波数が想定し得る。具体的には、将来のモバイル無線通信システムにおいては、中心周波数レンジは最大5乃至10GHz、必要帯域幅は最大100MHzとなることが予測されている。このため経路損失(パスロス)とノイズ電力レベルは著しく増大し、この結果、基地局がカバーできるエリアは著しく狭まることが予想される。
中継技術を使えば、信号をもっと更に遠くに飛ばすことが可能である(非特許文献1及び非特許文献2参照)。さらに、リレー信号は更なるダイバーシチを実現し、受信信号のクォリティを改善する(非特許文献3参照)。
基地局(BS:base stations)のより稠密なグリッドの導入を避けるための基本的なアイデアは、基地局の到達圏外にある移動局(MS)にデータパケットを転送(フォワード)する中継局(RS:relay stations)を導入することである。斯かる中継局は、固定電源を持つ追加の専用インフラ中継局を利用して実現することができるか、又はそれらは他の移動局内に組み込むことができる。中継の2つの主なコンセプトはAF(Amplify-and-Forward)とDF(Decode-and-Forward)である。中継局によって復号することなく受信信号のサンプル値が格納され再送されることから、AFは変調と符号化には透明であるという利点を持つ。これに対し、DFは中継局が信号を復号し再符号化することを意味することから、DFは両方のリンクへの個別に適応することが可能となり、ノイズ増強の影響も避けられる。
現行のリレー(半二重リレー)は同じ時間周波数チャネルを使って信号を送受信することはできない。半二重とは一般に、通信は双方向に可能であるが(同時ではなく)一度に一方向しか通信できないことを意味する。このため、従来の中継スキームは2チャネル使用に起因するスペクトル効率損失に悩まされる。
最近、非特許文献4及び非特許文献5において、双方向中継(two-way relaying)と呼ばれるスペクトル効率の高い中継スキームが提案された。斯かるスキームによれば送信元端末(source terminal)と送信先端末(destination terminal)は第1の期間内に同時に送信を行うようになっている。送信元端末と送信先端末からのデータ信号を第1の期間内に受信した後、中継局端末は、第2の期間内に送信元データ信号と送信先データ信号とを合成した又は重ね合わせた信号を再送するようになっている。送信元と送信先は自分自身のデータをそれぞれ知っているので、送信元と送信先の双方は、いわゆる自己干渉(self-interference)、つまり第1の期間内に中継局に向けて送信されたそれ自身の有用データをキャンセル(相殺)し、他方からの有用データを復号することができる。双方向中継は、半二重端末を使うことによって2つの期間又は時間スロット内において送信元と送信先との間の双方向伝送を遂行する。こうして双方向中継は、半二重リレーを用いることによって生じるスペクトル効率の損失を避ける。これまでのところ、全ての研究は自己干渉を利用する代わりにその自己干渉のキャンセルに焦点を絞っている。
非特許文献4の著者らは、いわゆる重畳符号化スキームを使用して第2の期間内に送信されるデータシンボルを再符号化している。一方、非特許文献5の著者らは、ビットレベルでXOR演算を適用して中継局で第2の期間内に送信されるデータシンボルを再符号化している。この2つの再符号化スキームの比較は、非特許文献6及び非特許文献7において行われている。
MIMO(Multiple-Input-Multiple-Output)技術は近年において無線通信分野における大きなブレークスルーとなっている。この技術によれば、多重アンテナを使用することで容量を著しく増大させることが可能である(非特許文献8参照)。ほとんどの通信システムにこれから数年の内に多重アンテナが装備されることはほとんど確実である。MIMOシステムが与えることができる利点を活かすためには、正確なチャネル知識が必要とされる。しかしながら、MIMOシステムおいてチャネルを推定することは難しい。従来のチャネル推定スキームでは、既知のデータシンボルから構成される専用の所定のパイロット・シーケンス(pilot sequence)又はトレーニング・シーケンス(training sequence)が異なる送信アンテナから送信される。その結果、スペクトル効率は従来のチャネル推定スキームでは低下することになる。
MIMOチャネル推定は、MIMO伝送技術と並んで1つの研究テーマとなっている。MIMOチャネルを推定するための最もよく知られ広く使用されるアプローチの1つは異なるアンテナから直交するトレーニング・シーケンスを送信することである。受信信号は受信機においてトレーニング・シーケンスと相関性がある。受信データと所定のトレーニング・シーケンスの知識に基づいて、チャネル行列が計算できる。非特許文献9において、著者らは線形LS(linear least squares)及びMMSE(minimum mean-squared-error)チャネル推定アプローチを議論し、トレーニング・シーケンスの最適な選択を調べている。彼らは、異なるアンテナから直交するトレーニング・シーケンスを送信することがLSアプローチにとって最適であることを示している。
トレーニング・シーケンスをデータシンボルと多重化する代わりに、非特許文献10ではトレーニング・シーケンスをデータに埋め込んでチャネル推定を行う方法のパフォーマンスが調べられている。所定のパイロットシンボルが有用な情報データシンボルと時間多重化(time-multiplex)される従来の方法とは異なり、非特許文献10ではパイロット埋込法(pilot-embedding method)が提案されている。この方法では電力レベルの低い所定のパイロットが有用データと同時に送信され、それらのパイロットはターボ復号プロセスが開始できるようにチャネルの初期推定値を取得するために使用される。続いて、ターボ復号器から得られる軟情報(soft information)がチャネル推定値を改善するために使用される。
非特許文献11では判定指向型繰り返しチャネル推定法(decision directed iterative channel estimation method)が提案されている。
提案されたチャネル推定スキームは、全て純粋な所定のトレーニング・シーケンスの送信に基づくMIMOチャネルの初期推定量に依存している。
R. Pabst, B. Walke, D. Schultz, P. Herhold, H. Yanikomeroglu, S. Mukherjee, H. Viswanathan, M. Lott, W. Zirwas, M. Dohler, H. Aghvami, D. Falconer, and G. Fettweis, "Relay-based deployment concepts for wireless and mobile broadband radio," IEEE Commun. Mag., vol. 42, no. 9, pp. 80-89, Sept. 2004 J. Zhao, I. Hammerstroem, M. Kuhn, A. Wittneben, M. Herdin, and G. Bauch, "Coverage analysis for cellular systems with multiple antennas using decode-and-forward relays," in Proc. 65th IEEE Veh. Tech. Conf., Dublin, Ireland, April 22-25, 2007 J. N. Laneman, D. N. Tse, and G. W. Wornell, "Cooperative diversity in wireless networks: Efficient protocols and outage behavior," IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 50, no. 12, pp. 3062-3080, Dec. 2004 B. Rankov and A. Wittneben, "Spectral efficient protocols for half-duplex fading relay channels," IEEE J. Select. Areas Commun., vol. 25, no. 2, pp. 379-389, Feb. 2007 P. Larsson, N. Johansson, and K.-E. Sunell, "Coded bidirectional relaying," in IEEE Veh. Tech. Conf., vol. 2, Melbourne, Australia, May 7-10, 2006, pp. 851-855 I. Hammerstroem, M. Kuhn, C. Esli, J. Zhao, A. Wittneben, and G. Bauch, "MIMO two-way relaying with transmit CSI at the relay," in Proc. SPAWC, Helsinki, Finland, Jun. 17-20, 2007 T. J. Oechtering, I. Bjelakovic, C. Schnurr, and H. Boche, "Broadcast capacity region of two-phase bidirectional relaying," Mar. 2007, submitted to IEEE Transactions on Information Theory I. E. Telatar, "Capacity of multi-antenna Gaussian channels," Europ. Trans. Telecommun., vol. 10, no. 6, pp. 585-595, Nov. 1999 M. Biguesh and A. B. Gershman, "Training-based MIMO channel estimation: A study of estimator tradeoffs and optimal training signals," IEEE Trans. Signal Processing, vol. 54, no. 3, pp. 884-893, Mar. 2006 H. Zhu, B. Farhang-Boroujeny, and C. Schlegel, "Pilot embedding for joint channel estimation and data detection in MIMO communication systems," IEEE Commun. Lett., vol. 7, no. 1, pp. 30-32, Jan. 2003 X. Deng, A. M. Haimovich, and J. Garcia-Frias, "Decision directed iterative channel estimation for MIMO systems," in Proc. IEEE Int. Conf. on Communications, vol. 4, Anchorage, AK, May 11-15, 2003, pp. 2326-2329
上記の従来技術に基づいて、本発明の課題は、スペクトル効率を高めるために、双方向中継ネットワークにおけるデータ伝送の第2の期間におけるチャネル推定のための所定のトレーニングシンボルの必要性を回避又は少なくとも低減することにある。
上記課題は請求項1に記載された無線チャネルを推定するための装置と請求項14に記載された無線チャネルを推定するための方法とによって解決される。
上記課題は、別の解決手段として、無線チャネルを推定するための本発明の方法(無線チャネル推定方法)を実行するためのコンピュータプログラムによっても解決される。
上記課題は、更に別の解決手段として、無線チャネルを推定するための本発明の装置(無線チャネル推定装置)を備えた無線通信システムによっても解決される。
具体的に本発明は、上記課題を解決する1つの手段として、第1の端末又は送信機装置(transmitter device)と中継局(relay station)との間の無線チャネルを推定するための方法を提供する。
本方法は、
第1の端末から既に送信された第1の情報を格納するステップと、
第1の端末から既に送信された第1の情報と同じく中継局と通信する第2の端末又は送信機装置から既に送信された第2の情報とを重ね合わせたものを含む信号を受信するステップと、
受信した信号とこの信号のパイロット情報として格納された第1の情報とを使用して、無線チャネルを計算するステップと
を含む。
本発明は、上記課題を解決する別の手段として、第1の端末又は送信機装置と中継局との間の無線チャネルを推定するための装置を提供する。
本装置は、
第1の端末から既に送信された第1の情報と同じく中継局と通信する第2の端末又は送信機装置から既に送信された第2の情報とを重ね合わせたものを含む信号を受信するための受信機と、
送信済みの第1の情報を格納するための記憶装置と、
受信した信号とこの信号のパイロット情報として記憶装置に格納された第1の情報とを使用して、無線チャネルを計算するためのチャネル計算機と
を備えるものである。
第1の端末と第2の端末は、第1の期間内にそれぞれ第1の情報と第2の情報を中継局に送信するものである。第1の期間に続く第2の期間において、中継局は、第1の情報と第2の情報とを重ね合わせたもの(superposition)を第1の端末と第2の端末とに送信するものである。本装置の実施態様によれば、記憶装置は、第1の期間内に第1の情報に対応する有用データ(useful data)を格納するように構成されるものである。更に、本装置は、次の第2の期間において、格納済みの有用データをチャネル計算機の入力として使用して、中継局から第1の端末までの無線チャネル(無線通信路)の推定値を取得するように構成されるものである。このため、チャネル計算機は、第1の期間からの格納済みの有用データを疑似パイロットシンボル(quasi-pilot symbols)として双方向中継スキームの第2の期間におけるチャネル推定に使用する。第1の期間の第1の情報に対応する有用データは、所定のパイロット情報でないこと、つまり有用データは第1の期間前後の期間内に第1の端末によって送信された第1の情報に対応する有用データとは独立していること、は強調しておかなくてはならない。
本装置の実施態様によれば、第1の端末又は送信機装置は、移動局に含まれることがあり、第2の端末又は送信機装置は、基地局に含まれることがある。
本装置の更なる態様によれば、第1の端末は、基地局に含まれることがあり、第2の端末は、移動局に含まれることがある。このため、本装置の実施態様によれば、無線チャネルを推定するための装置又はチャネル推定器は、基地局内又は移動局内に配置されうる。本明細書では、本装置のチャネル推定器は、移動局内に設置されていると仮定する。もちろん、基地局内に設置される場合もあり得る。
本発明は、第1の端末において双方向DF(decode-and-forward)中継の第2の期間内に中継局によって再送された第1の情報を利用して(中継局から第1の端末までの)無線チャネルと第2の端末からの第2の情報を両方一緒に推定するためのコンセプトを提供する。第1の情報は自己干渉(self-interference)と見なすこともできる。
無線チャネル推定を更に改善するため、チャネル計算機は、第2の期間において、受信信号と格納された第1の情報とこれらに加えて第2の期間内に中継局から受信した所定のパイロット情報又はトレーニング情報とを使用して、無線チャネルの推定値を計算するように構成されるものである。
本発明のコンセプトは、無線MIMOチャネルを推定するために異なるアンテナから送信された第1の情報又は自己干渉の本来の疑似直交性(quasi-orthogonality)を活用する。斯かる本発明のコンセプトは、周波数フラットな無線チャネルと周波数選択的なチャネルの両方に使用することができる。
第2の期間におけるチャネル推定とチャネル追跡(channel tracking)は、第1の期間内に例えば移動局から中継局に送信され、第2の期間内に例えば基地局からの第2の情報と一緒に中継局から移動局へ返送された第1の情報を利用することによって完全に遂行することができる。
トレーニング・シーケンスは、もはや中継局から送信される必要はない。代わりに、自己干渉のみに基づいて無線チャネルを推定する場合と比べてより良いチャネル推定パフォーマンスを実現するため、より短いトレーニング・シーケンスが第1の情報又は自己干渉と一緒に使用することができる。このため、チャネル推定の利益は、余分なコストなしで得られ、スペクトル効率はこれらの態様によれば改善することが可能である。
更に、本発明は、反復チャネル推定あるいは繰り返しチャネル推定(iterative channel estimation)のコンセプトを提供する。第1の繰り返し処理において、無線チャネルは、受信信号と第1の情報(自己干渉)に基づいて推定される。この第1のチャネル推定値に基づいて、例えば基地局からの第2の情報に対応する有用データが、移動局において復号可能である。無線チャネルの改善された推定値を取得するため、復号された第2の情報は、第1の情報及び受信信号と一緒に使用することができる。
チャネル推定を行うためにパイロット・シーケンス又はトレーニング・シーケンスの重ね合わせを使用する従来のチャネル推定スキームは、それらのトレーニング・シーケンスに電力を消費する。従来の双方向中継スキームは、自己干渉を利用する代わりにそれを削除(キャンセル)するだけである。代わりに本発明は、自己干渉を疑似パイロットシンボルとして利用してチャネル推定を実行する。斯かるチャネル推定の利益は、余分なコストを払わずに得られ、中継局において余分なトレーニングシンボルが一切必要とされないのでスペクトル効率は更に改善可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
双方向中継ネットワークにおける第1の期間内のデータ伝送を概略的に示す図である。 双方向中継ネットワークにおける第2の期間内のデータ伝送を概略的に示す図である。 本発明の実施の一形態による無線チャネルを推定するための装置を備えた端末のブロック図である。 中継局の符号化プロセスのブロック図である。 本発明の実施の一形態による移動局又は基地局における受信データの受信復号手続きのブロック図である。 無線チャネルを推定するための2×2パイロット行列と非直交的な第1及び第2の情報を概略的に示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態に基づいて直交パイロットと非直交パイロットを使用して無線チャネルを推定するシミュレーション結果を示す図である。 パイロットによるチャネル推定の改善を意図した本発明の実施の一形態による直交パイロット並びに直交パイロット及び非直交的な第1及び第2の情報の組み合わせを比較する図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態に基づいて自己干渉を使用してパイロットベースのチャネル推定を改善するシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態によるLSチャネル推定とMMSEチャネル推定を比較するためのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態による2×2時変チャネルにおけるチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態による2×2のゆっくり時間的に変化するチャネルにおけるチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による時変チャネルにおける初期チャネル推定のMSE(平均二乗誤差)のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による異なるフレーム長における初期チャネル推定のMSEのシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)はブロックフェージングチャネルにおけるパイロット支援型繰り返しLS(最小二乗)チャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態によるブロックフェージングチャネルにおける自己干渉を使用する繰り返しLS(平均二乗誤差)チャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)はブロックフェージングチャネルにおけるパイロット支援型繰り返しLSチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の更なる実施形態によるブロックフェージングチャネルにおける自己干渉を使用する繰り返しLSチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)はブロックフェージングチャネルにおけるパイロット支援型繰り返しMMSE(最小平均二乗誤差)チャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の更なる実施形態によるブロックフェージングチャネルにおける自己干渉を使用する繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)はブロックフェージングチャネルにおけるパイロット支援型繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態によるブロックフェージングチャネルにおける自己干渉を使用する繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は時変チャネルにおけるパイロット支援型繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による時変チャネルにおける自己干渉を使用する繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)はFEC(前方誤り訂正)のないパイロット支援型繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による時変チャネルにおける自己干渉を使用する繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)はFECを使用したパイロット支援型繰り返しLSチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による自己干渉を使用するFECを使用した繰り返しLSチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による自己干渉を使用するFECを使用した繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は(時変チャネルにおける)FECを使用したパイロット支援型繰り返しチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による(時変チャネルにおける)FECを使用した自己干渉支援型繰り返しチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は(時変チャネルにおける)FECを使用したパイロット支援型繰り返しチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の更なる実施形態による(時変チャネルにおける)FECを使用した自己干渉支援型繰り返しチャネル推定のシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による自己干渉を使用するFECを使用した繰り返しチャネル推定のBERパフォーマンスのシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による自己干渉を使用するFECを使用した繰り返しチャネル推定のMSEパフォーマンスのシミュレーション結果を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による時変チャネルにおけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のMSデータのBERパフォーマンスの比較を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による時変チャネルにおけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のBSデータのBERパフォーマンスの比較を示す図である。 (a)と(b)は本発明の実施形態による時変チャネルにおけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のMSデータのBERパフォーマンスの比較を示す図である。 (a)と(b)は本発明の更なる実施形態による時変チャネルにおけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のBSデータのBERパフォーマンスの比較を示す図である。
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、システムモデルについて以下に更に詳しく述べる。双方向伝送スキームは、非特許文献[J. Zhao, B. Rankov, I. Hammerstroem, M. Kuhn, and A. Wittneben, “Second deliverable on MIMO multihop cellular networks," ETH Zurich, Tech. Rep., Apr. 2006]と非特許文献[J. Zhao, I. Hammerstroem, M. Kuhn, and A. Wittneben, “Third deliverable on MIMO multihop cellular networks - two-way relaying in cellular systems: Coverage analysis and BER performance results," ETH Zurich, Tech. Rep., Dec. 2006]に議論されている。本発明の実施形態の理解を容易にするため、以下、基盤となるシステムモデルについて要約する。
図1aと図1bは、双方向中継ネットワーク(two-way relaying network)を示している。図中、半二重中継局(RS)14は、基地局(BS)12と移動局(MS)16との間の通信をアシストしている。BS12とMS16との間の直接通信又は見通し内通信(line-of-sight)ついては、ここでは(例えばシャドーイング又は大きな空間的な隔たりのせいで)存在しない。基地局アンテナ12−1乃至12−Mの数をMで表すものとする。中継局アンテナ14−1乃至14−Rの数をRで記すものとする。移動局アンテナ16−1乃至16−Nの数をNで記すものとする。
RS14はDF(decode-and-forward)中継局である。つまり、RS14は最初に第1の期間又は時間フェーズTにおけるBS12とMS16からの受信信号を次の第2の期間Tにおいてそれらを重ね合わせた上で再送する前に復号する。DF中継局はノイズ増大には悩まされないので、それらはセルラシステムではAF(amplify-and-forward)中継局と比べて好ましいと考えられる。第1の期間TにおけるRS14での受信信号の復号を容易にするため、RS14にはR=(M+N)個のアンテナ14−r(r=1,2,・・、R)が装備される。実際には、RS14はRがM+Nよりも小さくともBS信号とMS信号を復号することができる。しかしながら、この場合には、より複雑なSIC(successive interference information)スキームが適用される必要があろう。このスキームについては、本明細書の中において後で詳しく説明する。現実的なシナリオではBS12は複数のRS14を同時に相手にする場合がある。つまり、BSアンテナの数はMよりも大きくなり得るが、M本の空間ストリームがRS14と通信するために使用される。
図1aと図1bに示すように、双方向中継伝送スキームは2つの連続する期間T及びTから構成される。図1aに示された第1の期間Tにおいては、MS16とBS12は第1及び第2の情報をRS14へ同時に送信する。ここでは本明細書を通して、第1の期間T内にMS16からRS14へ送信された情報を第1の情報と呼ぶことにし、第1の期間T内にBS12からRS14へ送信された情報を第2の情報と呼ぶことにする。つまり、MS16は第1の端末に相当し、BS12は第2の端末に相当する。当然、これらの用語は逆になってもよい。
図1aを参照する。第1の期間Tの間に離散時刻kにおいてMS16からRS14へ送信された第1の情報を表すデータシンボルベクトルをsm,kと記すものとする。第1の期間Tの間に離散時刻kにおいてBS12からRS14へ送信された第2の情報を表すデータシンボルベクトルをsb,kと記すことにする。sb,kとsm,kは、例えばPSK(Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)その他の変調スキームによる変調データシンボルを含む、(M×1)と(N×1)の複素数値シンボルベクトルを表している。データシンボルベクトルsb,kとsm,kはともにBS12とMS16における電力制限(power constraint)、E(sb,k b,k)=PBSとE(sm,k m,k)=PMSに従う。式中、E(・)は期待値を表し、・はエルミート共役(Hermitian transpose)を表す。ここで、PBSとPMSはそれぞれM本のBSアンテナ12−m(m=1,...,M)とN本のMSアンテナ12−n(n=1,...,N)の総有効送信電力を表している。
第1の期間Tの間にRS14によって時刻kで受信された(R×1)信号ベクトルyは次式で表すことができる。
Figure 2009171576
式中、HはBS12からRS14への(R×M)無線チャネル行列を表しており、HはMS16からRS14への(R×N)無線チャネル行列を表している。nr,kはRS14における(R×1)ガウスノイズベクトルを表しており、nr,k〜CN(0,σ I)と仮定される。σ はRS14における受信ノイズ分散を表している。CN(x,y)は平均xと分散y≧0の正規分布型複素数値確率変数を表す。
RS14は受信信号ベクトルyr,kを使ってMS16からの第1の情報に対応するデータシンボルとBS12からの第2の情報に対応するデータシンボルの両方を復号する。これは多重アクセスシナリオに相当する。例えばMMSE−SIC(Minimum Mean Square Error Successive Interference Cancellation)受信機などの多くの既存のMIMO受信機構造が適用可能であり、文献、例えば非特許文献[D. Tse and P. Viswanath, “Fundamentals of Wireless Communication", Cambridge University Press, 2005]に見い出すことができる。一般的に、RS14はシンボルベクトルsb,kとsm,kを検出するために無線MIMOチャネルHとHを推定する必要がある。このため、第1の期間T内にそれぞれBS12とMS16からRS14へ所定のトレーニング・シーケンス(training sequence)が送信されることがある。
次に図1bを参照する。RS14は、MS16及びBS12からの第1及び第2の復号情報をそれぞれ再符号化し、第2の期間T内に離散時刻kにおいてシンボルベクトルsr,kを再送する。シンボルベクトルsr,kは、検出されたシンボルベクトルsb,kとsm,kの関数sr,k=f(sb,k,sm,k)で表される。例えば、XORベースの再符号化と重畳符号化(superposition coding)ベースの再符号化が文献で議論されている。本明細書では重畳符号化ベースの再符号化スキームのみが中継スキームの第2の期間Tにおける再送のために考慮される。
MS16からの第1の情報に対応する復号されたシンボルベクトルとBS12からの第2の情報に対応する復号されたシンボルベクトルをそれぞれs^m,kとs^b,kと記すものとする。s^m,kとs^b,kは、それぞれ、変調データシンボルから構成される(N×1)と(M×1)の複素数値シンボルベクトルを表している。第2の期間T内において、RS14は、復号されたシンボルベクトルs^m,kとs^b,kを一緒に加え、次式に従って復号されたシンボルベクトルs^m,kとs^b,kを同時にBS12とMS16に再送する。
Figure 2009171576
式中、RとRはそれぞれ(R×M)と(R×N)のプリコーディング(precoding)行列を表している。電力制限を満足するため、E(sr,k r,k)=PRSが必要とされる。ここで、PRSは、R本のRSアンテナ14−r(r=1,...,R)の総有効送信電力を表す。本発明の実施形態によれば、プリコーディング行列RとRはともに、BS12とMS16の両方でわかっている。例えば、RとRは両方ともRS14からBS12とMS16へそれぞれ伝達することが可能である。
送信情報sr,kは、復号された第1の情報に対応するMSデータシンボルs^m,kと復号された第2の情報に対応するBSデータシンボルs^b,kとを含む。すなわち、RS14において誤りのない復号(完全復号)が行われることを前提とすれば、RS14から送信されたデータsr,kの一部は、既にBS12及び/又はMS16でわかっている。このため、第2の期間Tにおいて、BS12とMS16はともに、第1の期間T内において送信されたそれら自身の既知データ(自己干渉(self-interference))を削除(相殺)し、それぞれ他方側からのデータを復号することができる。MS16に関して言えば、自己干渉は第1の期間T内においてMS16からRS14へ送信された第1の情報sm,kに相当する。BS12に関して言えば、自己干渉は先に第1の期間T内においてBS12からRS14へ送信された第2の情報sb,kに相当する。
BS12で第2の期間T内において時刻kで受信される信号は次のように書き表すことができる。
Figure 2009171576
同様に、MS16で第2の期間T内において時刻kで受信される信号は次のように書き表すことができる。
Figure 2009171576
式中、HはRS14からBS12への(M×R)無線チャネル行列を表し、HはRS14からMS16への(N×R)無線チャネル行列を表す。nb,kはBS12における(M×1)の付加ガウスノイズベクトルであり、ここで、n〜CN(0,σ I)である。σ は、BS12における受信ノイズ分散である。nm,kは、MS16における(N×1)の付加ガウスノイズベクトルであり、ここで、n〜CN(0,σ I)である。σ は、MS16における受信ノイズ分散を表す。BS12とMS16はそれぞれそれら自身の自己干渉部分がわかっている。RS14における復号が第1の期間Tにおいて完全な場合には、s^b,k=sb,k及びs^m,k=sm,kが成り立つ。
MS16(又はBS12)がプリコーディング行列RとRと一緒にチャネル行列H(又はH)もわかっている場合には、MS16(又はBS12)はその自己干渉部分を完全に相殺することができる。自己干渉を相殺した後、ym,k(又はyb,k)の残りの部分は(ノイズを除いて)BS12(又はMS16)によって第1の期間内に送信された第2の情報の有用データシンボルしか含まない。残る問題は従来のMIMO受信機復号問題である。
上述の議論からわかるように、受信機での第2フェーズにおける復号性能はH又はHについてのチャネル知識の精度に大きく依存している。他方、第1の期間Tの第1の情報又は自己干渉は、第2の期間TにおけるチャネルHについての情報をもたらすことができる。以下、MS16で自己干渉を用いてどのように第2の期間におけるチャネルHを推定するかについて説明する。同様の論考がBS12にも適用される。
図2に本発明の実施の一形態によるMS16のブロック図を示す。
MS16は、送信部200と受信部220とを備えている。送信部200は、データビットdを符号化するためのエンコーダ202を含んでいる。エンコーダ202は、例えば畳み込みチャネルエンコーダであることが可能である。エンコーダ202の出力は、インタリーバ204の入力と結合している。インタリーバ204は、深無線チャネルフェード(deep wireless radio channel fades)の負の効果を低減するために複数の連続する送信期間にわたって符号化データビットdを拡散又はインタリーブ(交互配置)することができる。インタリーバ204は、モジュレータ(MOD:modulator)206と結合しており、所定数の符号化又はインタリーブされたビットを例えばM−PSK又はQAM変調などの複合コード文字(complex code alphabet)の変調シンボルsに割り当てる働きをする。変調シンボルsは、送信部200のフロントエンド208の入力として使用され、そこで変調シンボルsは搬送波で変調され、MS16からRS14へ第1の期間Tの間に時刻kで送信された第1の情報を表すデータシンボルベクトルsm,kを得るためにできる限り複数のアンテナ16−1乃至16−Mに拡散される。例えば、第1の期間Tはk=1,...,KとなるようにK個の離散時刻又は時間スロットを含み得る。
第1の期間Tのデータシンボルs又はデータシンボルベクトルsm,k(k=1,...,K)を含む第1の情報は、記憶装置210に格納することができる。記憶装置210の中に、第1の期間Tのデータシンボルsは適切なフォーマットで格納することができる。例えば、データシンボルベクトルsm,kはS=[Rm,1,Rm,2,...,Rm,K]の形で格納され得る。すなわち、データシンボルsを含む第1の情報は、中継局14によって使用される伝送行列に対応するシンボル行列Sに格納することができる。例えば、記憶装置210はダイナミックRAM(Random Access Memory)の形の集積型半導体メモリといったメモリであることが可能である。本発明の実施形態によれば、記憶装置210は、少なくとも1つの送信期間の間だけシンボル行列Sを格納するように構成される。言い換えると、記憶装置210を用いて、第1の情報Sは第1の期間Tから第2の期間Tまでの1つの送信期間の間だけ遅らせることができる。
送信部200から先に送信された第1の情報と、第2の端末又は送信機装置(例えばBS12に内蔵)から送信された第2の情報とを重ね合わせたものを含む信号を受信するため、第2の端末も中継局14と通信し、MS16は、第1の情報と第2の情報とを重ね合わせたものを含む信号を受信するためのフロントエンド受信機を有する受信機装置220を備えている。
本発明の実施形態によれば、受信機装置220は、チャネル計算機(又はチャネル推定器)224も備えており、チャネル計算機は、フロントエンド受信機222と記憶装置210とに結合している。チャネル計算機224は、フロントエンド受信機222から受信信号ym,kを受信することができ、チャネル計算機224は、記憶装置210から、先の期間T内に送信部200から送信された例えばシンボル行列Sの形で格納された第1の情報を受信することができる。第1の情報sm,kと第2の情報sb,k(k=1,...,K)とを重ね合わせものを含む受信信号ym,kと格納された第1の情報Sとに基づいて、チャネル計算機224は、RS14からMS16への無線チャネルHの推定値を計算することができる。それにより、先に送信され格納された第1の情報Sを、MS16から先に送信された第1の情報sm,k(k=1,...,K)とBS12から先に送信された第2の情報sb,k(k=1,...,K)とを重ね合わせたものを含む受信信号ym,kのパイロット(pilot)又はトレーニング情報として使用することができる。
MS16を用いて本発明の実施形態を説明したが、同様な論考はBS12にも適用される。本発明の実施形態がBS12及び/又はMS16の両方に組み込むことができることは強調しておきたい。
次に、無線チャネルが周波数フラットなブロックフェージングである低モビリティ環境について考える。これは、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送における単一サブキャリアに相当する。第2の期間T内のMS16における(N×1)の形の受信信号ベクトルym,kは、式(5)で表される。RS14とMS16との間のMIMO無線チャネルに対応する無線チャネル行列Hは、送信アンテナごとにK(≧R)個のシンボルの送信期間の間は一定のままである。言い換えると、Kは第2の期間Tの間の離散時刻kの数に相当する。第2の送信期間Tの間のRS14からの送信シンボルベクトルはsr,1、sr,2、...、sr,Kであると仮定する。このため、MS16における対応する(N×K)の受信信号行列Y=[ym,1,ym,2,...,ym,K]は次のように表現することができる。
Figure 2009171576
式中、S=[sr,1,sr,2,...,sr,K]、S^=[Rs^b,1,...,Rs^b,K]及びS^=[Rs^m,1,...,Rs^m,K]は(R×K)の送信シンボル行列であり、N=[nm,1,...,nm,K]は付加ノイズの(N×K)行列である。
<LS(最小二乗)チャネル推定>
従来型のトレーニング・シーケンスベースのチャネル推定では、YとSは両方ともMS受信機装置220でわかっている。ただし、Sは、所定のトレーニング・シーケンス(training-sequence)を含む。RS14からMS16への無線MIMOチャネルのチャネル行列Hは、最小二乗法を用いて推定することができる。それは次のように表される。
Figure 2009171576
上式においてS =S (S −1は、行列Sのムーア・ペンローズ型擬似逆行列(Moore-Penrose pseudo-inverse)を表す。非特許文献[M. Biguesh and A. B. Gershman, “Training-based MIMO channel estimation: A study of estimator tradeoffs and optimal training signals," IEEE Trans. Signal Processing, vol. 54, no. 3, pp. 884{893, Mar. 2006]において、送信トレーニング・シーケンス電力が一定という条件のもとでのチャネル推定誤差は、トレーニング・シーケンスSが同じノルムで直交行(行列の横列が直交している)を持つ場合に最小化されることが示されている。すなわち、各送信アンテナから直交シーケンスが送出される。
しかしながら、我々が議論している双方向中継ケースでは、行列Sは、MS受信機装置220において復号前は完全にはわからない。式(8)から、MS受信機装置220は、第1の期間T内にBS12から送信されたシンボルに関連するデータシンボルを復号する前は第2の情報S^についての知識は全く持っていないことが分かる。しかしながら、本発明の実施形態によれば、受信信号Yと格納された第1の情報S=[Rm,1,Rm,2,...,Rm,K]とを受信信号Yのパイロット情報として使用することにより、MIMO無線チャネル行列Hの推定値をなお取得することが可能である。つまり、チャネル推定器224は、次式に基づいて無線チャネルを推定するように構成される。
Figure 2009171576
ここでS^=Sを仮定する。つまり、第1の期間T内においてRS14でSが誤りなく完全に復号されることを仮定する。Sの送信電力は次の制約条件によって制限される。
Figure 2009171576
上式において||・|| はフロベニウスノルム(Frobenius norm)を表し、α<1は定数で、MSデータを送信するために割り当てられた、RS電力の部分を表す。
LSチャネル推定の平均二乗誤差MSE(mean squared error)εは次のように表すことができる。
Figure 2009171576
式(15)の第1項は、S^とSが直交しているとき、つまりS^ =0が満足されるときに最小化される。式(15)の第2項は、非特許文献[M. Biguesh and A. B. Gershman, “Training-based MIMO channel estimation: A study of estimator tradeoffs and optimal training signals," IEEE Trans. Signal Processing, vol. 54, no. 3, pp. 884-893, Mar. 2006]において、第1の情報を含む行列Sが電力制限の式(12)に従って同じノルムで直交行を有する場合に最小化されることが示されている。
S^とSは変調された有用情報を含むデータ行列であり、それらの長さKは有限である。また直交条件はまれにしか満足されない。しかしながら、この条件は、従来のQAM又はPSK変調システムにおいて送信されたシーケンスが十分に長い場合、つまりK→∞で近似的に満たされる。これは、MSとBSのデータストリーム、つまり第1の情報と第2の情報、が独立であり、各RSアンテナ14−r(r=1,...,R)によって送信されたデータストリームも独立であるからである。これはチャネルコヒーレンス時間が増大するにしたがって式(15)における第1項が漸近的にゼロ(0)に近づくことを意味している。
以下のシミュレーション結果において、チャネル推定のMSEは次のように定義される。
Figure 2009171576
このMSEは、パフォーマンスの尺度として用いられる。
図6aと図6bに、SNR=10dBかつα=0.5を仮定して、異なるアンテナから送信された直交パイロット又は非直交パイロットを使用して無線チャネルを推定するシミュレーション結果を示す。
図6aと図6bは上述のLS(最小二乗)推定スキームを使用した直交パイロットシンボル・シーケンス又は重畳非直交既知データ・シーケンス(自己干渉)を使用するMIMOチャネル推定のパフォーマンスを比較している。図6aでは、各送信機と各受信機にそれぞれ2つずつアンテナを装備したMIMOシステムが検討されている。直交パイロットケースでは、図5の左側に示すように、異なる送信アンテナからユニタリ行列の縦列が送信される。第1の期間における各パイロットシンボルの電力は次の第2の期間における重畳データシンボルの電力と同じである。非直交パイロットケースでは、4QAMシンボルの等電力ランダム・シーケンスが各送信アンテナで重ね合わされた上で送信される。一方のシーケンスは、第1の情報に相当し、MS16には既知である(データA)。他方のシーケンスは、第2の情報に相当し、BS12には既知である(データB)(図5の右側参照)。MS16とBS12は、それぞれそれら自身の既知データを使用して式(10)に基づいてMIMOチャネルを推定する。
図6aにおいて、直交パイロット・シーケンスが使用されるとき(曲線61、62)、チャネル推定誤差は、非直交パイロット・シーケンスが使用されるとき(曲線63,64)よりもずっと小さいことが示されている。これは有限のブロック長又はシーケンス長Kに対して式(15)において残っている推定誤差に起因する。例えば、図6aにおいて、非直交パイロットケースでブロック長がK=25であるとき、LSチャネル推定のMSEは×10−1未満となり、これは直交パイロットをブロック長K=2で送信することによって達成することができる。しかしブロック長Kが増大するにつれ(チャネルがより長く一定に留まるにつれ)、MSEは減少する。
(4×4)MIMOチャネルに対して、図6bは、ここに提示されたチャネル推定が同じく有効であることを示している。従って、本発明のスキームは(2×2)MIMOチャネルにのみうまく機能するわけではない。
図6aと図6bにおいて、直交パイロット・シーケンスを使用する又は重畳非直交情報をパイロット・シーケンスとして使用するチャネル推定スキームが比較される。本発明の実施形態によれば、両方の利益は、第2の期間T内に、例えば最初に短い直交パイロット・シーケンスSpilotを送信し、次に第1のデータ・シーケンスSと第2のデータ・シーケンスSの重ね合わせを送信することによって、組み合わせることが可能である。重ね合わせの一方のデータ・シーケンスは受信機には既知である(例えばS)。これを図7に示す。チャネルのLS推定は次のように表すことができる。
Figure 2009171576
上式においてSpilotは送信されたパイロット・シーケンスを表し、Sは既知の先に送信された第1の情報を表す。このため、本発明の実施形態によれば、チャネル計算機224は、受信信号Yと、格納された第1の情報Sと、中継局14から受信される追加の所定パイロット情報Spilotとを使用して、無線チャネルHの推定値H^4,LSを計算するように構成される。
図8a及び図8bに、本発明の実施形態に基づいてパイロット支援型チャネル推定(pilot-aided channel estimation)を改善するために自己干渉が使用される場合のチャネル推定パフォーマンスのシミュレーション結果を示す。
チャネル推定のMSEは自己干渉だけを使用してチャネルを推定する場合よりも良好であることが見て取れる(図6a参照)。曲線81は図6aと同じである。図8aの曲線83、84では、1つの(2×2)直交パイロット・シーケンスが、第1及び第2の情報を含む重畳データストリームの前に配置される(図7の右側参照)。先の比較と同様に、パイロットシンボルの電力は中継電力制限のためにデータシンボルの電力の2倍である(半分はBSデータの送信電力、もう半分はMSデータの送信電力)。CSTI(Channel State Information at Tx)はRS14では利用できない。(2×2)パイロット+データのケース(曲線83、84)でのLS法のMSEは、(2×2)パイロットのみのケース(曲線81、82)と比べると増大する。これは自己干渉がパイロットのチャネル推定に干渉するためである。しかし、或るブロック長KではMSEは減少する。例えば、ブロック長K=100の場合、MSEは最初の2つの時刻k=1,2においてパイロットのみを使用するケースよりも小さい。
図8bは、必要なブロック長が与えられない場合(曲線87、88)にパイロットのみに基づいて無線チャネルを推定する受信機の実施形態のパフォーマンスを示している。しかしながら、ブロックが十分長い場合には、チャネル推定はパイロットと自己干渉とに基づくことになる。
<MMSE(最小平均二乗誤差)チャネル推定>
次に、式(8)に基づいて、チャネル推定MSEを最小化する線形チャネル推定器(linear channel estimator)を導出する。それは次の一般形で表すことができる。
Figure 2009171576
Gはチャネル推定誤差のMSE(平均二乗誤差)が最小化されるように次のように定義される。
Figure 2009171576
推定誤差は次のように表すことができる。
Figure 2009171576
ここでR=E[H ]である。
最適なGは、以下の停留点条件によって見出される。
Figure 2009171576
その結果は次のようになる。
Figure 2009171576
このため、受信機でSとRがわれば、チャネル計算機224は次式に基づいて無線チャネルHの線形MMSE推定値を計算することができる。
Figure 2009171576
受信機装置220におけるチャネル自己相関行列Rの推定の仕方のスキームは、例えば非特許文献[A. Paulraj, R. Nabar, D. Gore, “Introduction to Space-Time Wireless Communications," Cambridge University Press, 2003]に見いだすことができる。
我々が議論している双方向中継ケースでは、行列Sは、MS受信機装置220では第2の情報Sを復号する前は完全にはわからない。式(8)から、MS受信機装置220は、復号前はSについての情報を全く持っていないことが見て取れる。それでも、本発明の実施形態によれば、次のように、第1の情報S=[Rm,1,Rm,2,...,Rm,K]を使うだけで、MIMO無線チャネルHの推定値を取得することが可能である。
Figure 2009171576
上式においてSSbH=E[S ]である。
図9aと図9bにLS法とMMSE法のMSEパフォーマンスの比較を示す。RS14に2つのアンテナ、MS16及び/又はBS12に2つのアンテナを装備した(2×2)MIMOシステムが議論される。RS14においてCSITは利用可能でなく、RS14において第2の送信期間T内にMSデータとBSデータ、つまり第1の情報と第2の情報、に等電力が割り当てられると仮定する。ブロックフェージングチャネルモデルが使用され、チャネルがブロック長K=32の間は一定のままであることが仮定される。チャネルはブロックごとに変動する。各チャネル実現において、MIMOチャネルHの各エントリは、互いに独立で同一の分布に従うi.i.d.(independently and identically distributed)レイリーフェージングチャネル確率変数CN(0,1)である。
実線91、92は、リレー14における送信シンボル行列Sは既知で、チャネルは式(9)又は式(24)に基づいて計算されることを前提としたものである。推定されるMSEはSNR(dB)(SNR=Signal-to-Noise Ratio)とともに線形に減少することがわかる。送信データシンボル行列Sは受信機装置220において既知であるので、推定チャネル誤差の唯一の原因はノイズからきている。別の観測として、LS推定法とMMSE推定法は同じようなパフォーマンスを有する。中又は高SNR(>10dB)領域ではそれらのパフォーマンスは区別さえできない。
破線93、94は、それぞれ式(10)と式(25)に基づいて自己干渉を使用するチャネル推定のMSEパフォーマンスを示している。今回、チャネル推定のMSEは送信データシンボルが完全に既知の場合よりもずっと高い。これは式(15)における(ノイズ以外に)残っている誤差に起因する。MMSEチャネル推定はLS法よりパフォーマンスが優れている。
図9bはブロック長Kを変えたときのLS法とMMSE法のMSEを示している。この図から、LS法(曲線96)とMMSE法(曲線95)は、特にブロック長が長いときに、同じようなパフォーマンスを持つことがわかる。
<判定指向型繰り返しチャネル推定>
図3と図4を参照して、チャネル推定とデータ検出が双方向中継のSCスキームにおける畳み込み符号化/復号にどのように統合されるかを説明する。
RS14において、第1の期間Tに復号されたMSデータとBSデータ(第1及び第2の情報)は、最初に畳み込みエンコーダ202−1と202−2によって再符号化され、その後、インタリーバ204−1と204−2によってインタリーブ(多重化)され、例えばQAM又はPSKモジュレータなどのモジュレータ206−1と206−2によって変調された上で、ブロック302において一緒に加算又は重ね合わせされる必要がある。次に、重ね合わされた第1及び第2の情報は、第2の期間Tにおいてアンテナ14−1と14−2から送出される前にブロック304においてシリアルパラレル(S/P:serial to parallel)変換される。第2の期間T内のRS送信においてパイロットシンボルは一切存在しないことが想定される。
図4に本発明の実施形態による判定指向型繰り返しチャネル推定器(decision directed iterative channel estimator)を備えたMS受信機装置の一例を示す。
本発明の実施形態によれば、判定指向型繰り返しチャネル推定器は次のように動作する。
ステップ1)チャネル計算機224において、無線チャネルの初期推定値H (1)(i=1,2,3,...)が、受信信号Yと、自己干渉に対応する第1の情報Sに対応する既知データとを用いて、式(10)と式(25)に基づいて計算される。
ステップ2)干渉キャンセラ402において、自己干渉に対応する第1の情報Sが、次のように受信信号Yから無線チャネルHの推定値H (i)(i=1,2,3,...)を使って差し引かれる。
Figure 2009171576
第2の情報に対応するBSデータシンボル行列S^ (i)(i=1,2,3,...)は、無線チャネルHの推定値H^ (i)(i=1,2,3,...)を用いて、行列Y−H^ (i)から復調される。ここで(H−H^ (i))S^+Nはノイズとして取り扱われる。
BSデータシンボルS^ (i)(i=1,2,3,...)の検出は、もちろんチャネル推定誤差とノイズのために完全ではない。第2の情報に対応するBSデータ行列は、デインタリーバ404でデインタリーブされ、畳み込みデコーダ406を使って復号される。
ステップ3)次の繰り返し処理(i+1)(i=1,2,3,...)において、第2の情報に対応する復号されたBSデータS^ (i)(i=1,2,3,...)は、畳み込みエンコーダ202−2を使って再符号化され、インタリーバ204−2を使ってインタリーブされ、モジュレータ206−2を使って変調される。(i+1)番目のチャネル推定の繰り返し処理に使用される復号されたBSデータは、その前の繰り返し処理から得られることから、S^ (i)と記し、それは次のようにSと足し合わされる。
Figure 2009171576
上式においてS^ (i)はSのi番目の推定を表す。無線チャネルHの(i+1)番目の推定値H (i+1)は式(9)と式(24)に基づいて計算することができる。すなわち、本発明の実施形態によれば、H^ (i+1)は、LS推定に対しては次式に基づいて計算することができる。
Figure 2009171576
又はMMSE推定に対しては、H (i+1)は、次式に基づいて計算することができる。
Figure 2009171576
ステップ4)ステップ2まで戻り、繰り返しチャネル推定を実行する。
本アルゴリズムは、一定数の繰り返し処理の後又は復号されたBER(ビット誤り率)がこれ以上改善しない場合に停止することができる。
畳み込みコードは、検出されたBSデータS^ (i)における誤りを訂正し、各繰り返し処理ごとにSのより良い推定S^ (i)を与えるので、無線チャネルの推定値Hも、各繰り返し処理ごとに改善する。チャネルのより良い推定値Hのおかげでデータ検出における誤りがより小さくなる。
<時間的に連続的に変化するチャネルにおけるチャネル推定>
前セクションでは、離散時刻又は時間スロットからなる或る特定のブロックの間において無線チャネルHが一定の状態にある場合にMIMOチャネルをどのように推定するかについて議論している。本セクションでは、時変(時間的に変化する)MIMOチャネルをどのように推定するかについて議論する。本議論は、OFDMシステムにおける1サブキャリアに相当するフラットフェージングMIMOチャネルになお制約される。一般性を損なうことなく、MS16におけるN個の受信アンテナ16−n(n=1,2,...,N)が相関しないことが仮定される。MS受信機装置220においてRS14からMS16への第2の期間TのMIMOチャネルをどのように推定するかについて議論する。n番目の受信アンテナにおける離散時刻kでの受信信号は次のように書き表すことができる。
Figure 2009171576
上式においてsr,kはRS14における時間スロットkでの送信データシンボルであり、hn,kはRS14とn番目のMS受信アンテナ16−nとの間の(R×1)係数ベクトルである。nn,kはこのn番目の受信アンテナ16−nにおけるAWGN(Additive White Gaussian Noise)を表す。
K個のシンボルベクトルsr,1,...,sr,Kのフレームの送信を議論する。(K×1)ベクトルy=[yn,1,...,yn,Kで表されるn番目の受信アンテナにおける受信シンボル・シーケンスは次のように表すことができる。
Figure 2009171576
上式において、nは、平均値ゼロである、共分散行列R=E{n }の(K×1)複素ガウスノイズベクトルである。hはチャネルを表す(RK×1)ベクトルであり、h=[h n,1,...,h n,Kで表される。(K×RK)データ行列Sは次のように定義される。
Figure 2009171576
レイリーフェージングに対して、r番目のRSアンテナ14−rからn番目のMSアンテナ16−nへのチャネル係数hn,r,kは、ゼロ平均複素ガウス確率変数としてモデル化することができる。送信アンテナが空間的に十分遠くに離れていれば、フェージングはアンテナ同士で相関関係を持たないと考えることができる。
2次元等方散乱(Jakesモデル)に対して、相関関数は次のように表すことができる。
Figure 2009171576
上式においてn=nの場合のみ
Figure 2009171576
である。Jは第一種ゼロ次ベッセル関数である。fはドップラ周波数、Tはサンプリング周期である。非特許文献[X. Deng, A. M. Haimovich, and J. Garcia-Frias, “Decision directed iterative channel estimation for MIMO systems," in Proc. IEEE Int. Conf. on Communications, vol. 4, Anchorage, AK, May 11-15, 2003, pp. 2326-2329]によれば、Sが既知の場合にyに基づくhのMMSE推定は次のように表すことができる。
Figure 2009171576
上式においてR=E[h ]。受信機装置220におけるチャネル自己相関行列Rの推定スキームは例えば、特許文献[K. J. Molnar, L. Krasny, and H. Arslan, “Doppler spread estimation using channel autocorrelation function hypotheses," WO 2001 013537(国際公開第2001 013537号パンフレット)]、非特許文献[D. A. V. L. Wautelet Xavier, Herzet Cedric, “MMSE-based and EM iterative channel estimation methods," in SCVT 2003 - IEEE 10th Symposium on Communications and Vehicular Technology in the Benelux, Eindhoven, The Netherlands, Nov. 2003]及び非特許文献[V. Srivastava, C. K. Ho, P. H. W. Fung, and S. Sun, “Robust MMSE channel estimation in OFDM systems with practical timing synchronization," in IEEE Wirel. Comm. and Netw. Conf. (WCNC), vol. 2, Atlanta, GA, Mar. 2004, pp. 711-716]に見いだすことができる。S部分しか知らない場合にはチャネルを推定する最もシンプルな方法は次のようなものである。
Figure 2009171576
構築することが可能なベストな線形MMSE推定量は次のようなものである。
Figure 2009171576
上式においてRSbh=E[S(h]。SとSは式(32)と同様に定義される。
図10と図11に時変チャネルにおけるチャネル推定のMSEパフォーマンスを示す。ここでも(2×2)MIMOチャネルを議論する。図10において、f=0.005を仮定する。ここでfはドップラ周波数であり、Tはサンプリング周期である。これは搬送波周波数f=5GHz、帯域幅B=20MHz、及びNFFT=64ポイントFFTのシステムにおける速度約300km/hの移動に相当する。移動体の速度vは次式に基づいて計算される。
Figure 2009171576
上式においてcは光速を表す。
チャネル推定は、チャネルの10回の観測(つまりフレーム長K=10)に基づいている。実線101、104は、送信機(RS14)において既知データ・シーケンスを送信し、式(34)に基づいてチャネルを計算するケースを表している。破線102、103、105、106は、式(35)(線103、106)と式(36)(線102、105)に従って自己干渉に基づいてチャネルを推定するケースを表している。
図10と図11を比較すると、f=0.001の場合の方がチャネル推定MSEはより小さい。これは搬送波周波数5GHz、帯域幅20MHz、及びNFFT=64ポイントのシステムにおける速度約60km/hの移動に相当する。すなわち、チャネルが非常に高速で変動しなければ、チャネルのより正確な推定を取得することができる。自己干渉を使用するMMSEチャネル推定はLSチャネル推定よりもずっと良いことから、時変チャネルでは以下においてMMSEチャネル推定のみを使用する。
図12aと図12bに2つの異なる時変チャネルにおける初期チャネル推定のMSEを示す。MMSE法を使用して自己干渉に基づくチャネル推定の最初又は初期の繰り返し処理を実行する。パイロット支援型チャネル推定は、送信フレームの最初又は中間に送信された1つの(2×2)パイロット行列に基づいている。
図12aと図12bは、高速フェージングチャネルにおいて、自己干渉を使用するチャネル推定(実線)が、パイロット支援型チャネル推定(破線)に比べて良いパフォーマンスをすることが可能であることを示している。
図13aと図13bは、自己干渉を使用することによる初期チャネル推定とパイロットを使用することによる初期チャネル推定を示している。フレーム長が長くなるにつれ、パイロットを使用するチャネル推定(破線)はより不正確になる。しかし自己干渉を使用するチャネル推定のMSE(実線)はそれほど変わらない。これは、本発明の実施形態による自己干渉を使用してチャネルを推定することが有利であることを示している。
<シミュレーション結果>
本セクションではシミュレーション結果を示す。特に、パイロット支援型チャネル推定(pilot assisted channel estimation)と本発明の実施形態による自己干渉ベースのチャネル推定(self-interference based channel estimation)のパフォーマンスをチャネル推定値のMSE(mean squared error)と非符号化(uncoded)並びに符号化(coded)BERに基づいて比較する。パイロットは常に送信の始まりに配置される。シミュレーションの設定(セットアップ)は、SPCを使用する双方向DF中継システムである。パイロット支援型伝送に与えられた結果は、第1のチャネル推定値を得るためにパイロットと自己干渉が一緒に利用されるというやり方ではなく、チャネル推定にパイロットのみを使用することによって得られている。
<LS法のBERパフォーマンス>
本サブセクションでは、ブロックフェージングチャネル(block-fading channel)を推定するLS法(最小二乗法)を議論する。すなわち、RS14において2つの独立した重ね合わされた非符号化データストリームを送信する。一方のストリームは、MS16において既知である。チャネルは、K個の離散時刻の間は一定のままである。次の2つの繰り返しチャネル推定スキームを比較する。
1)パイロットを使用してチャネルの第1の推定値を取得する。
2)自己干渉を使用してパイロットを挿入することなくチャネルを推定する。
図14aと図14bは、データ伝送のBER(ビット誤り率)とチャネル推定誤差のMSE(平均二乗誤差)を示している。
4QAMシンボル変調と等電力割当が使用される。チャネルはK=32個の離散時刻の間は一定の状態のままである。ブロック長Kの各ブロックの始まりに短い直交トレーニング・シーケンスを使用してチャネルを推定する。チャネルの第1の推定値を取得した後、復号されたシンボルを使用して式(9)に基づいてチャネルを再推定する。BERパフォーマンスは、3回の繰り返し処理の後はそれ以上改善しないことが見て取れる。高いSNRでは、BERパフォーマンスは完全なCSI(Channel State Information:チャネル状態情報)が利用可能なケースと非常に似ている。ただそのコストは、チャネル推定に追加のオーバヘッドが必要とされること、つまり異なるアンテナにおける直交シーケンスが異なるアンテナから送信されることが必要とされることである。(2×2)MIMOチャネルに対して、トレーニング・シーケンスは少なくとも2つの離散時刻を占有する。そのことは、チャネルがK=32個の離散時刻又は時間スロットの間は一定であるという、ここで議論しているケースでは、帯域幅の1/16=6.25%がチャネル推定に使用されることを意味する。アンテナ数が増えるにしたがって、チャネル推定オーバヘッドも増大する。
比較のため、図15aと図15bに、自己干渉のみに基づいてチャネルを推定するケースのBERとMSEを示す。
128ビットの短いブロック長と4QAM変調に対して、32時間スロット(K=32)の間、チャネルは一定の状態のままである。見て取れるように、最初の繰り返し処理ではチャネル推定は、パイロットベースのチャネル推定よりもずっと悪い。これは式(15)における未知データ項の残りの推定誤差に起因する。チャネルの第1の推定値を取得した後、復号されたシンボルを使用して式(9)に基づいてチャネルを推定し直す。BERパフォーマンスは、6回の繰り返し処理の後に収束する。それは、完全なCSIが受信機装置で利用できる場合と比べて、BERが10−2であるときでは約2dBを損失する。
別のパフォーマンス限界“PerData”が存在する。これは、送信されたデータブロックSが“Genie”に完全に知られているが、この知識が(式(9)に基づいて)チャネル推定にだけ利用されるときのパフォーマンス限界である。データは、このチャネル推定に基づいて復号される。推定されたチャネルを使用して、MSEと復号データのBERを計算する。この“PerData”ケースのBERは、完全なCSIが既知の場合と似ていることが見て取れる。
ご存知のように、チャネルが一定の状態のままでチャネルコヒーレンス時間がより長いブロック長を送信することを許容する場合には、パイロットのないパフォーマンスが改善する。
図16aと図16bは、各ブロックの始めに短いパイロット・シーケンスを使用するデータ伝送のBERとチャネル推定誤差のMSEを示している。
4QAMシンボル変調と等電力割当を使用する。ここでは、チャネルが256時間スロット(K=256)の間は一定のままである。図14と比較すると、そのBERはそれほど変わらないことが見て取れる。これは初期推定がブロック全体に使用されるからである。チャネルは、256時間スロットの間は一定のままであると仮定する。各アンテナは各時間スロットごとに2つの4QAMシンボルを送信するので、1024ビットが各ブロックで送信される。
図17aと図17bは、パイロットなしに自己干渉のみを使用するデータ伝送のBERとチャネル推定誤差のMSEを示している。
この場合も同様にチャネルは256時間スロットの間は一定のままである。BERパフォーマンスは、完全なCSIケースとほぼ同じであることが見て取れる。これは、式(9)に基づくチャネル推定が、ブロック長が長くなるにしたがってますます良くなるからである。
<MMSE法のBERパフォーマンス>
本サブセクションでは、MMSE法を使用してブロックフェージングチャネルを推定する。すなわち、RS14において、2つの独立した重ね合わされた非符号化(uncoded)データストリームを送信する。一方のストリームは、MS16において既知である。チャネルは、K個の離散時刻の間は一定のままである。次の2つの繰り返しチャネル推定スキームを比較する。
1)パイロットを使用してチャネルの第1の推定値を取得する。
2)自己干渉を使用してパイロットを挿入することなくチャネルを推定する。
図18aと図18bは、ブロックフェージングチャネル(K=32)におけるパイロット支援型繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示している。
図19aと図19bは、ブロックフェージングチャネルにおける自己干渉を使用する、本発明の実施形態による繰り返しMMSEチャネル推定(K=32)のシミュレーション結果を示している。
図18a及び図18b、図19a及び図19bは、MMSE法がブロックフェージングチャネルに適用されたときの、データ伝送のBERと、チャネル推定誤差のMSEを示している。図14a及び図14b、図15a及び図15bにおけるLSケースと同じようなパフォーマンスが観測される。一般に、MMSE法はチャネルを推定するためにより複雑な計算を必要とする。従って、ブロックデージングチャネルの我々のチャネル推定ではLS法の方がより経済的である。
図20a及び図20bは、ブロックフェージングチャネル(K=256)におけるパイロット支援型繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示している。
図21a及び図21bは、ブロックフェージングチャネル(K=256)における自己干渉を使用する、本発明の実施形態による繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示している。
チャネルが256時間スロットの間は一定のままであると仮定して、図20a及び図20bと、図21a及び図21bに、MMSEチャネル推定のBERパフォーマンスとMSEパフォーマンスが示されている。それらは図16a及び図16b、図17a及び図17bにおけるLSケースと全く同じような結果である。
<時変チャネルにおけるチャネル推定−Jakesモデル>
本サブセクションでは、既に述べたように時変チャネル(time-varying channel)の推定について説明する。RS14において、2つの独立した重ね合わされた非符号化データストリームを送信する。一方のストリームは、MS16において既知である。データストリームのフレーム長は、K時間スロットである。次の2つの繰り返しチャネル推定スキームを比較する。
1)パイロットを使用してチャネルの第1の推定値を取得する。
2)自己干渉を使用してパイロットを挿入することなくチャネルを推定する。
図22aと図22bは、時変チャネル(f=0.001)におけるパイロット支援型繰り返しチャネル推定のシミュレーション結果を示している。
図23aと図23bは、時変チャネル(f=0.001)における自己干渉を使用する、本発明の実施形態による繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示している。
ここでは、時変チャネルについて議論する。ここでは、式(33)に基づくJakesモデルを使用している。図22a及び図22b、図23a及び図23bは、f=0.001のケースを示している。これは、搬送波周波数5GHz、帯域幅20MHz、及び64ポイントFFTのシステムにおける速度約60km/hの移動に相当する。これは、例えばIEEE802.11n(非特許文献[IEEE 802.11n, “IEEE 802.11n pre-draft," IEEE 802.11n Task Group, pre-release]参照)にあるようなものと考えることができる。自己干渉を使用するだけのチャネル推定は、f=0.001の場合にはパイロットを使用する場合よりも悪い。これは、このケースではチャネルがほぼ一定の状態にあり、パイロットを使用することにより最初の推定でチャネルの良好な推定値が得られるのに対し、自己干渉を使用する最初の推定はそれほど良くないからである。
図24aと図24bは、時変チャネル(f=0.005)におけるパイロット支援型繰り返しチャネル推定のシミュレーション結果を示している。
図25aと図25bは、時変チャネル(f=0.005)における自己干渉を使用する、本発明の実施形態による繰り返しMMSEチャネル推定のシミュレーション結果を示している。
図24a及び図24b、図25a及び図25bは、f=0.005のケースを議論している。移動ユーザの速度は、約300km/hである。この場合、チャネルはより高速に変動する。自己干渉を使用するチャネル推定は、パイロット推定より少し良い。これは、重ね合わされた自己干渉がチャネル変動をトレースするからで、パイロットではできない。これは、自己干渉を使用するチャネル推定の1つの利点である。
図26aと図26bは、FECを使用したパイロット支援型LSチャネル推定(RS完全復号、レイリーチャネル)のシミュレーション結果を示している。チャネルは、K=32時間スロットの間は一定のままである。
図27aと図27bは、本発明の実施形態による自己干渉を使用するFECを使用した繰り返しLSチャネル推定(RS完全復号、レイリーチャネル)のシミュレーション結果を示している。チャネルは、K=32時間スロットの間は一定のままである。
見てわかるように、復号データのBERパフォーマンスは、各繰り返し処理後に改善はするものの一定の限界に収束する。チャネル推定を改善する1つの方法はFECを使用することである。我々のシミュレーションでは、受信機側において制約長9ビットの符号化率1/2UMTS畳み込みエンコーダとViterbiデコーダを使用している。また、ランダムインタリーバを使用し、BS/MS及びRSエンコーダにおけるランダムインタリーバのステートを異なるように設定している。各インタリーバは、6400ビットのインタリーバ長を有する。シミュレーションパラメータを次の表1にまとめる。
Figure 2009171576
チャネルは、K=32時間スロットの間は一定であると仮定している。各OFDMシンボルは、50サブキャリアを使用してデータを送信する。各サブキャリアは、独立にフェードする。チャネルは、各サブキャリアごとにおけるブロックフェージングチャネルである。図26は、チャネルを推定するために各サブキャリアで短いパイロットを使用するときのBERとMSEパフォーマンスを示している。これは帯域の少なくとも1/16を浪費する。図27は、自己干渉を使用してチャネルを推定した結果を示している。それは、パイロットを使用する場合と同じようなパフォーマンスを有する。SNRが12dB以上のとき、BERパフォーマンスは完全なCSIが利用可能なケースと同一である。他方、SNRが12dB以上のときに4回の繰り返し処理の後に(チャネル推定に完全データを使用した)“PerData”限界を達成する。
図28aと図28bは、自己干渉を使用するFEC(Forward Error Correction、前方誤り訂正)を使用した本発明の実施形態による繰り返しMMSEチャネル推定(RS完全復号、レイリーチャネル)のシミュレーション結果を示している。チャネルは、K=32時間スロットの間は一定のままである。
図28は、自己干渉を使用してチャネルを推定するためにMMSE法が採用される場合のパフォーマンスを示している。図27と同じようなパフォーマンスが確認できる。この場合も同じく、LS法はより低い計算複雑性で比肩できるパフォーマンスをもたらすと結論される。
図29aと図29bは、FECを使用したパイロット支援型繰り返しチャネル推定(RS完全復号、f=0.001)のシミュレーション結果を示している。BSとRSの間のホップは、SNRBS=20dBを有する。つまり、BS12とRS14との間の距離は固定されていると仮定し、RSとMSの間の距離を変えてBER曲線をプロットしている。
図30aと図30bは、本発明の実施形態によるFECを使用した自己干渉支援型繰り返しチャネル推定(RS完全復号、f=0.001)のシミュレーション結果を示している。BS12とRS14の間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
前サブセクションと同じ畳み込みエンコーダとデコーダを使用して、時変チャネルにおけるチャネル推定を実行することもできる。図29a及び図29bと、図30a及び図30bは、RS14が第1の期間にBS12とMS16から受信した受信データを完全に復号する場合(RS完全復号)に、パイロット支援型チャネル推定と自己干渉支援型チャネル推定のBERパフォーマンスとMSEパフォーマンスを比較している。ここでf=0.001である。BSからRSへのホップはSNRBS=20dBの固定されたSNRを有する。図29a及び図29と、図30a及び図30bは、MS16における受信データのBERとMSEを示している。BERパフォーマンスは完全なチャネル知識によるBER復号パフォーマンス(“PerCSI”)と比較される。MSEパフォーマンスは完全なデータ推定チャネルによるMSEパフォーマンス(“PerData”)と比較される。
パイロット支援型チャネル推定のパフォーマンスと自己干渉支援型チャネル推定のパフォーマンスは非常に似ている(前サブセクションで示したブロックフェージングチャネルにおけるチャネル推定のパフォーマンスとも似ている)ことが見て取れる。これはf=0.001のときに、チャネルがほとんど一定のままであるからである。
図31aと図31bは、FECを使用したパイロット支援型繰り返しチャネル推定(RS完全復号、f=0.005)のシミュレーション結果を示している。BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
図32aと図32bは、本発明の実施形態によるFECを使用した自己干渉支援型繰り返しチャネル推定(RS完全復号、f=0.005)のシミュレーション結果を示している。BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
図31a及び図31bと、図32a及び図32bは、f=0.005の場合の、パイロット支援型チャネル推定と自己干渉支援型チャネル推定のBERパフォーマンスとMSEパフォーマンスを比較している。この場合、チャネルは高速に変動する。10回の繰り返し処理の後、パイロット支援型チャネル推定のBERは完全チャネル知識を使用するBERまで約5dBのギャップを有することが見て取れる。自己干渉を使用してチャネルを推定する場合、最大ギャップは約2dBまで減少する。このことは、高速時変チャネルにおいては、本発明の実施形態による自己干渉を使用するチャネル推定がパイロット支援型チャネル推定と比べて優れたパフォーマンスを持つことができることを意味する。
図33aと図33bは、本発明の実施形態による自己干渉を使用するFECを使用した繰り返しチャネル推定(第1ホップレイリーフェージング)のMERパフォーマンスを示している。チャネルは、K=32時間スロットの間は一定のままであり、BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
図34aと図34bは、本発明の実施形態による自己干渉を使用するFECを使用した繰り返しチャネル推定(第1ホップレイリーフェージング)のMSEパフォーマンスを示している。チャネルは、K=32時間スロットの間は一定のままであり、BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
前サブセクションでは、RS14は第1の期間において受信データを完全に復号すること(RS完全復号)、つまり自己干渉は受信機で完全にわかっていること、を仮定した。今度は、この仮定を取り除き、現実の双方向中継セルラ環境におけるチャネル推定を議論する。前サブセクションで議論したように、BS12とRS14との間の距離は固定され、BS12における受信RS信号のSNRは20dBに固定される。RS14とMS16との間の距離を変え、するとMS16における受信信号のSNRもそれに応じて変わる。チャネルは、K=32時間スロットの間は一定のままであることも仮定する。
図33a及び図33b、図34a及び図34bにおいて、BS−RSチャネルとRS−MSチャネルは、レイリーフェージングチャネル(Rayleigh fading channels)であることを仮定する。この場合、自己干渉に基づくチャネル推定は、中SNR領域から高SNR領域にかけてかなりうまく機能する。MSデータ(第2の期間においてBSで復号されたもの、図33a参照)のBERとBSデータ(第2の期間においてMSで復号されたもの、図33b参照)のBERを区別する必要がある。
図33b及び図34bを前サブセクションの対応する図27aと図27bと比較するならば、パフォーマンスは全く似ていること(ただしSNRレンジは異なることに注意)が見て取れる。5回の繰り返し処理の後、MS16におけるSNRが12dBを超えるときには、MS16は復号に完全CSIを使用する場合と同じBERを実現する。図34bにおける10dB未満でのより高い推定誤差は、低SNRにおける畳み込みデコーダのパフォーマンスによるものである。
図35aと図35bは、本発明の実施形態による時変チャネル(f=0.001)におけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のMSデータのBERパフォーマンスの比較を示している。BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
図36aと図36bは、本発明の実施形態による時変チャネル(f=0.001)におけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のBSデータのBERパフォーマンスの比較を示している。BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
本サブセクションでは、双方向中継システムにおける時変チャネルにおける自己干渉支援型チャネル推定のパフォーマンスについて検討する。ブロックフェージングの(前サブセクションで述べた)ケースと公平な比較を行うため、双方向中継の第1の期間に前サブセクションと同じブロックフェージングチャネルモデルを使用する。第2の期間はパラメータfに依存する時変チャネルを想定する。ここでは、BERパフォーマンスが双方向中継の全2期間後に受信されたデータに基づいて計算される。つまり、ここでは、中継局14における復号誤差を議論している。
図35a及び図35bと、図36a及び図36bは、時変チャネル(f=0.001)におけるBERパフォーマンスを示している。32時間スロットごとにチャネルを推定し、“パイロット(Pilot)”ケースでは2つの時間スロットを用いてパイロット・シーケンスを送信する。パイロットを使用すると、図36bが示すように最初の繰り返し処理で既に良好なチャネル推定値が得られる。これは、RS14はBS12への高いSNR(SNRBS=20dB)を有し、チャネルは、このときほとんど一定のままであるからである。10回の繰り返し処理の後、図35aと図35bにおけるMSデータのBERパフォーマンスは、完全なチャネル知識が利用可能なとき(“PerCSI”)のBERパフォーマンスに収束する。
図36aにおいて、自己干渉で推定されたチャネルを使用するBSデータのBERパフォーマンスは“PerCSI”ケースまで2dBの最大ギャップを有する。そのギャップはMSにおける高いSNRでは減少している。同じようなパフォーマンス結果が図36bで観測される。従って、チャネルがあまり速く変動しない場合は、パイロット支援型チャネル推定と自己干渉支援型チャネル推定は両方とも同じようなパフォーマンスを示すことになる。
図37aと図37bは、本発明の実施形態による時変チャネル(f=0.005)におけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のMSデータのBERパフォーマンスの比較を示している。BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
図38aと図38bは、本発明の実施形態による時変チャネル(f=0.005)におけるFECを使用した繰り返しチャネル推定のBSデータのBERパフォーマンスの比較を示している。BS12とRS14との間のホップは、SNRBS=20dBを有する。
図37a及び図37bと、図38a及び図38bは、高速時変チャネル(f=0.005)におけるBERパフォーマンスを示している。図37bにおける数回の繰り返し処理後の凸凹の挙動は、シミュレーションの実行回数によるものである。しかし他方、パイロット支援型チャネル推定はゆっくりと収束することが見て取れる。自己干渉支援型チャネル推定は、(2つの時間スロットを使用してチャネルを推定する)このケースではパイロット支援型チャネル推定と比較して優れたパフォーマンスを有する。
図37aにおいて、自己干渉で推定されたチャネルのケースでは、MSデータのBERパフォーマンスは、2回の繰り返し処理の後に完全なチャネル知識が利用できるとき(“PerCSI”)のBERに収束する。しかし、図37bにおけるパイロット支援型チャネル推定のケースでは、それは5回の繰り返し処理の後に“PerCSI”ケースに収束する。
図38aにおいて、自己干渉で推定されたチャネルを使用するBSデータのBERパフォーマンスは、“PerCSI”ケースまで3dBの最大ギャップを有する。このギャップは、MSへの高いSNRでは減少しており、それに対し、図38bにおけるパイロット支援型チャネル推定については、ギャップは約5dBである。これは、短いパイロット・シーケンスがf=0.005のときに高速に変動するチャネルにおける変化する特性を補足することができないからである。より長いパイロット・シーケンスを使用することが可能であるが、それにはより多くの帯域が必要となる。従って、自己干渉ベースの繰り返しチャネル推定は、我々のシミュレーション環境では、高速に変動するチャネルにおいてパイロットベースのチャネル推定と比べて有利である。
まとめると、本発明の実施形態は、重畳符号化ベースの双方向中継システムにおいて自己干渉を使用して第2の期間のチャネルを推定するコンセプトを提供する。主なアイデアは、重畳トレーニング・シーケンスとして自己干渉を使用することである。自己干渉を使用してチャネルの第1の推定を取得する。繰り返し判定指向型プロセスにおいて、我々のチャネル推定を改善することが可能である。我々は、ブロックフェージングチャネルと時変チャネルの両方を議論している。ブロックフェージングチャネルでは、自己干渉で推定されたチャネルに基づくBERパフォーマンスは、パイロットで推定されたチャネルに基づくパフォーマンスと比肩可能である。さらに、ブロック長が十分長ければ、少なくとも高いSNRにおいてチャネルの完全な推定を取得することが可能である。時変チャネルでは、時間多重化されたパイロットはチャネル変動について行けないか又は多量のパイロットがデータ伝送に挿入される必要があるので、自己干渉を使用してチャネルを推定することはいくつも利点がある。
パフォーマンスを更に改善するため、我々は前方誤り訂正符号FEC(例えば畳み込み符号)を使用することも考慮している。畳み込み符号は、各繰り返し処理ごとに復号データがFECの強力な誤り訂正能力により訂正されることから、繰り返しチャネル推定を改善することができる。この結果、次の繰り返し処理でより良好なチャネル推定がもたらされ、改善されたチャネル推定はデータ復号におけるパフォーマンスを更に改善する。我々のシミュレーション結果は、自己干渉を使用するチャネル推定のパフォーマンスが大きく改善できることを示している。他方、自己干渉を使用するだけのBERパフォーマンスは、パイロットを使用することによるものと似ている。
本発明の実施形態によりチャネル推定に自己干渉を使用する利点は、パイロットと一緒に使用されるならばパイロットベースのチャネル推定を改善するためにそれが常に使用できることである。高速フェージング状況では、本発明の実施形態によるチャネル推定は、自己干渉を、チャネル変動をトレースする重畳パイロット・シーケンスとして活用できるので、パイロット支援型スキームと比べて有利である。非常に短い(しかし自己干渉ベースのチャネル推定を可能にするには十分長い)バーストが存在するケースでは、本発明の実施形態によるチャネル推定は、パイロットの使用が高いオーバヘッドをもたらす可能性があるので、魅力的なアプローチである。
重畳符号化に基づく双方向DF(decode-and-forward)中継システムの第2のフェーズ又は期間が議論されている。両方のノード又は端末は未知の(しかし所望の)信号と既知の自己干渉の線形重ね合わせを受信する。双方向中継におけるチャネル推定に自己干渉を使用する意図は次のような点に見ることができる。
・自己干渉の使用はパイロット信号に費やされるべき次元量を減らすことができ、この結果、スペクトル効率が増大する可能性がある。
・パイロットが常に各送信フレームの始めに配置されるシステムを想定すると、自己干渉はチャネルの時間的な変動をトレースするために使用することができる。
・OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)システムを想定すると、通常、数個のサブキャリアがパイロットに独占使用される。その他のサブキャリアのチャネル係数は周波数ドメイン上の補間によって推定される。この場合、自己干渉は周波数ドメインにおける補間のパフォーマンスを増大させる可能性がある。
特に、トランスポンダ(transponder)を操作するための本発明の方法は、環境に応じてソフトウェアでも実施が可能であることは理解されるべきである。本発明の実施は、本発明のそれぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと相互作用することができるデジタル記憶媒体、特に電子的に読取り可能な制御信号が格納された磁気ディスク又はDVDもしくはCDを使用して行うことができる。一般に、本発明は、PC及び/又はマイクロコントローラ上で実行したときに本発明の方法を実行する働きをするプログラムコードが機械読取り可能な媒体に格納されたコンピュータプログラム製品の形態をとることもある。言い換えると、本発明は、コンピュータ上で実行したときに本発明の少なくとも1つの方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムとして実現することができる。
本発明は複数の好ましい実施形態を用いて説明されてきたが、本発明の範囲内に入る代替、置換及び均等形態が存在する。本発明の方法及び構成を実現する多くの代替的な方法が存在することにも留意したい。それゆえ特許請求の範囲の請求項は本発明の範囲に包含される全ての斯かる代替、置換及び均等形態を含むものと解釈されることが意図されている。
12 基地局
12−1〜12−M 基地局アンテナ
14 中継局
14−1〜14−R 中継局アンテナ
16 移動局
16−1〜16−N 移動局アンテナ
200 送信部
202 エンコーダ
202−1〜202−2 畳み込みエンコーダ
204、204−1〜204−2 インタリーバ
206、206−1〜206−2 モジュレータ
208 送信機
210 記憶装置
220 受信部
222 受信機
224 チャネル計算機(又はチャネル推定器)
302 加算器
304 シリアルパラレル(S/P)変換器
402 干渉キャンセラ&復調器
404 デインタリーバ
406 畳み込みデコーダ

Claims (15)

  1. 中継局(14)から或る第1の端末(16)への無線チャネル(H)を推定するための装置であって、ここで、前記第1の端末(16)と或る第2の端末(12)が、第1の期間(T)内においてそれぞれ第1の情報と第2の情報とを中継局(14)に送信するものであり、前記中継局(14)が、前記第1の期間(T)の後の第2の期間(T)内において前記第1の情報(S)と前記第2の情報とを重ね合わせたものを前記第1の端末(16)と前記第2の端末(12)とに送信するものであり、
    前記第1の情報(S)と前記第2の情報(S)とを重ね合わせたものを含む信号(Y)を前記第2の期間(T)内に受信するための受信機(222)と、
    前記第1の期間(T)内に送信された前記第1の情報(S)を格納するための記憶装置(210)と、
    受信した信号(Y)とこの受信した信号(Y)のパイロット情報として格納された第1の情報(S)とを使用して無線チャネル(H)を計算するためのチャネル計算機(224)と
    を備えるものである装置。
  2. 前記記憶装置(210)は、前記第1の期間(T)内に前記第1の情報(S)に対応する有用データを格納するように構成されるものであり、当該装置は、次の第2の期間(T)において、その格納された有用データ(S)を前記チャネル計算機(224)の入力として使用するものである、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の期間(T)の前記第1の情報(S)に対応する有用データは、前記第1の期間(T)の後又はその前の期間内に前記第1の端末(16)によって送信された第1の情報に対応する有用データとは独立したものである、請求項2に記載の装置。
  4. 前記チャネル計算機(224)は、前記受信した信号(Y)と前記格納された第1の情報(S)と前記中継局(14)から受信される追加の所定のパイロット情報(Spilot)とを使用して、前記無線チャネル(H)の推定値(H^)を計算するように構成されるものである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
  5. Nは、第1の端末のアンテナの数を表し、
    Rは、中継局のアンテナの数を表し、
    は、(N×K)個の受信信号サンプルを含む(N×K)受信信号行列を表し、この(N×K)個の受信信号サンプルは、第1の端末のN本のアンテナで受信した第1の送信期間のK個の連続するシンボルから得られるものであり、
    は、中継局によって第1の端末に送信された、第1の情報に対応するデータシンボルを含む(R×K)シンボル行列を表し、
    H^LSは、中継局から第1の端末への無線チャネルに対応する(N×R)個のチャネル係数を含む(N×R)チャネル行列を表すものとしたとき、
    チャネル計算機(224)は、前記無線チャネルを、
    Figure 2009171576
    に基づいて決定するように構成されるものである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
  6. Nは、第1の端末のアンテナの数を表し、
    Rは、中継局のアンテナの数を表し、
    は、(N×K)個の受信信号サンプルを含む(N×K)受信信号行列を表し、この(N×K)個の受信信号サンプルは、第1の端末のN本のアンテナで受信した第1の送信期間のK個の連続するシンボルから得られるものであり、
    は、中継局によって第1の端末に送信された、第1の情報に対応するデータシンボルを含む(R×K)シンボル行列を表し、
    は、チャネル自己共分散行列に相当するものであり、
    SbHは、Sを用いたS の期待値に相当するものであり、
    は、第2の情報に対応するデータシンボルを含むシンボル行列に相当するものであり、
    H^MMSEは、中継局から第1の端末への無線チャネルに対応する(N×R)個のチャネル係数を含む(N×R)チャネル行列を表すものとしたときに、
    前記チャネル計算機(224)は、前記無線チャネルを、
    Figure 2009171576
    に基づいて決定するように構成されるものである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記第1の情報に対応するデータシンボルを含む前記シンボル行列(S)は、中継局の異なるアンテナから送出される複数のパイロットシンボル・シーケンスが互いに直交するように、中継局の少なくとも1本のアンテナから送信された所定のパイロットシンボル・シーケンスに対応するデータシンボルを更に含むものである、請求項5又は6に記載の装置。
  8. 前記チャネル計算機(224)は、前記受信信号(Y)と前記格納された第1の情報(S)と複数の繰り返し処理で得られた前記第2の端末からの前記第2の情報のi番目の推定値(S^ (i))とを使用して、前記無線チャネル(H)のi+1番目の推定値(H^ (i+1))を繰り返し計算するように構成されるものである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記無線チャネル(H)の初期推定値(H (1))は、前記受信信号(Y)と前記格納された第1の情報(S)とを使用して計算されるものである、請求項8に記載の装置。
  10. 前記チャネル計算機(224)は、干渉キャンセラ(402)を備えており、該干渉キャンセラは、前記無線チャネル(H)の前回計算された推定値(H^ (i))を使用して、
    Figure 2009171576
    に基づいて、前記受信信号(Y)から前記格納された第1の情報(S)を減算して、自己干渉部分が削除された受信信号を取得するように構成されるものである、請求項8又は9に記載の装置。
  11. 前記第1の端末(16)の受信機装置(220)は、自己干渉部分が削除された受信信号に基づいて前記第2の端末(12)からの前記第2の情報の推定値(S^ (i))を決定するように構成されるものである、請求項10に記載の装置。
  12. 前記チャネル計算機(224)は、前記受信信号(Y)と前記格納された第1の情報(S)と前記第2の端末からの前記第2の情報のi番目の推定値(S^ (i))とに基づいて、前記無線チャネル(H)の(i+1)番目の推定値(H^ (i+1))を計算するように構成されるものである、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 第1の期間(T)内に第1の情報(S)を送信し、送信された第1の情報(S)を格納するものである第1の端末(16)と、
    前記第1の期間(T)内に第2の情報(S)を送信するものである第2の端末(12)と、
    前記第1の期間(T)内に前記第1の情報(S)と前記第2の情報(S)とを受信し、次の第2の期間(T)内に受信された第1の情報(S)と第2の情報(S)とを重ね合わせたものを含む信号を送信するものである中継局(14)と
    を備え、
    前記第1の端末(16)は、前記中継局(14)から前記第1の端末(16)までの無線チャネル(H)を推定するための装置を備えるものであり、該装置は、
    前記中継局(14)が受信した第1の情報(S)と第2の情報(S)とを重ね合わせものを含む信号(Y)を受信するための受信機(222)と、
    受信した信号(Y)と該信号(Y)のパイロット情報として格納された第1の情報(S)とを使用して、前記無線チャネル(H)を計算するためのチャネル計算機(224)とを備えるものである、
    無線通信システム。
  14. 中継局(14)から或る第1の端末(16)への無線チャネル(H)を推定するための方法であって、ここで、前記第1の端末(16)と或る第2の端末(12)が、第1の期間(T)内にそれぞれ第1の情報と第2の情報とを中継局(14)に送信するものであり、前記中継局(14)は、前記第1の期間(T)の後の第2の期間(T)内に前記第1の情報(S)と前記第2の情報とを重ね合わせたものを前記第1の端末(16)と前記第2の端末(12)とに送信するものであり、
    前記第1の期間(T)内に前記第1の端末(16)から送信された前記第1の情報(S)を格納するステップと、
    前記第1の情報(S)と前記第2の情報(S)とを重ね合わせたものを含む信号(Y)を前記第2の期間(T)内に受信するステップと、
    受信した信号(Y)と、この受信した信号(Y)のパイロット情報として格納された第1の情報(S)とを使用して、前記無線チャネル(H)を計算するステップと
    を含む方法。
  15. コンピュータ及び/又はマイクロコントローラ上で実行する際に請求項14に記載された方法の全てのステップを実行するコンピュータプログラム。
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