JP2009170569A - 結晶性半導体膜形成方法、結晶性半導体膜形成装置および結晶性半導体膜形成基板 - Google Patents

結晶性半導体膜形成方法、結晶性半導体膜形成装置および結晶性半導体膜形成基板 Download PDF

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Yutaka Yamaoka
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Abstract

【課題】ガラス基板上に形成されたアモルファスシリコン膜をレーザ等の光で加熱溶融した後に結晶化させて多結晶シリコン膜を得る際に、ガラス基板背面からレーザを照射するものとするとともに背面からの照射を容易とする。
【解決手段】結晶性半導体膜形成装置3は、気体を噴出することによりガラス基板5を浮かせた状態に保持する気体浮上機構4を有する。ガラス基板5は、気体浮上機構4上に、アモルファスシリコン膜51を下にして配置される。加熱用レーザ2が対物用光学装置6を介してガラス基板5に上面側から照射される。なお、加熱用レーザは、ガラス基板5での吸収が少なく、アモルファスシリコン膜51での吸収が多い、可視光の緑色レーザとなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス基板等の基板上に例えば薄膜トランジスタ等の半導体素子を形成する際などに、基板上にアモルファス半導体膜を形成した後に、当該アモルファス半導体膜をレーザ光等の光により加熱処理して溶融した後に結晶化する結晶性半導体膜形成方法、結晶性半導体膜形成装置および結晶性半導体膜形成基板に関する。
一般に、ガラス基板上にアモルファスシリコン膜を形成し、次いで、当該アモルファスシリコン膜にエキシマ(パルス)レーザを照射して加熱することで、アモルファスシリコン膜を溶融させた後に結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する方法が知られている。
なお、この方法は、例えば、液晶、EL、プラズマ等のパネルディスプレイ等の製造において用いられており、ガラス基板等の透明基板上に半導体素子を構成するための工程の一部となり、一般的にガラス基板の結晶化されるアモルファスシリコン膜の下層にシリコン酸化膜等が形成されている。また、半導体素子としての薄膜トランジスタ(TFT)は、例えば、ディスプレイの各画素毎のスイッチング素子として用いられるが、例えば、ガラス基板上に駆動回路等を形成する場合には、駆動回路用の半導体素子が形成される場合もある。
エキシマレーザの照射においては、従来、例えば、アモルファスシリコン膜が形成されたガラス基板を保持機構に保持し、レーザ光もしくはガラス基板を移動させながら、ガラス基板上のアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射していた。これにより、上述のようにアモルファスシリコン膜を加熱溶融した後に結晶化させる。
また、ガラス基板は、近年大面積化されて撓み易い状態であり、かつ、保持機構がガラス基板を掴むような構成ではガラス基板に傷がつく可能性が高くなるので、例えば、保持機構はガラス基板を載せる平板状の台を有するとともに、台に載せられたガラス基板を例えば吸着により台に固定している。
また、結晶化中に空気中の汚染物質(工場で使用される化合物等)による影響や酸素による影響を避けるために、例えば、ガラス基板は、内部を窒素等の不活性ガス雰囲気もしくは真空とされた容器内で保持機構に保持された状態とされ、レーザ光は、例えば、容器に形成された窓から容器内のガラス基板上のアモルファスシリコン膜に照射される。
レーザ光は、例えば、ガラス基板上のアモルファスシリコン膜に照射されることになるが、レーザ光をガラス基板を介してアモルファスシリコン膜に照射することも検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−173922号公報
ところで、上述の台上に吸着によりガラス基板を保持する保持機構にアモルファスシリコン膜が形成された面を上にしてガラス基板を設置する場合には、レーザ光は、アモルファスシリコン膜側に照射されることになる。ここで、ガラス基板の背面からガラス基板を介してアモルファスシリコン層にレーザを照射するためには、ガラス基板のアモルファスシリコン膜が形成された側を下にして台に吸着する必要があるが、この場合にアモルファスシリコン膜を傷付ける可能性が高くなってしまう。
また、ガラス基板の溶解、結晶化されるアモルファスシリコン膜が形成された側の面が保持機構の台表面に接触し、かつ、レーザ光を光学系により集光もしくは結像してアモルファス層に照射する場合に、台の近傍で集光や結像されることから、アモルファス層の溶融、結晶化が台表面の影響を大きく受けるとともに、台表面がレーザ光による加熱等の影響を受けることになり、台の表面の材料や温度制御等を考慮する必要があり、コストが高くなる可能性がある。
一般的に、ガラス基板上のアモルファスシリコン膜の結晶化には、上述のようにエキシマレーザが使用され、前記特許文献1でもエキシマレーザが使用されている。ここで、エキシマレーザには、使用される希ガスとハロゲンによって複数の波長が知られているが、基本的に紫外レーザであり、一般的なパネルディスプレイで用いられるガラス基板(無ソーダガラス)では、吸光係数が大きな波長となり、ガラス基板をレーザ光が通過した際にガラスにレーザ光の多くが吸収されてしまい、アモルファスシリコン膜を効率的に加熱できない。
したがって、ガラス基板を介してエキシマレーザをアモルファスシリコン膜に照射するには、例えば、ガラス基板を石英ガラスにするなどの必要があり、エキシマレーザをガラス基板背面からアモルファスシリコン膜に照射するような方法を、パネルディスプレイ用のガラス基板(無ソーダガラス)に適用することが困難であり、ガラス基板が紫外光を吸収しない特殊なものに限定されてしまう。
また、透明基板として、ガラス基板に代えて、透明樹脂基板を用いることも考えられるが透明樹脂によっては、やはり、紫外光を吸収し、紫外光の照射により樹脂が劣化してしまう可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、基板を傷つける可能性が極めて低く、かつ、容器内に基板を収容せずとも不活性気体雰囲気での結晶化を可能とすることにより作業工程の簡便化を図ることができ、かつ、基板として幅広い材料を使うことを可能とすることでパネルディスプレイ用のガラス基板にも十分に適用可能な結晶性半導体膜形成方法、結晶性半導体膜形成装置および結晶性半導体膜形成基板を提供することを目的とする。
請求項1に記載の結晶性半導体膜形成方法は、基板上に形成されたアモルファス半導体膜に光を照射することにより加熱溶融して前記アモルファス半導体膜を結晶化する結晶性半導体膜形成方法であって、
気体を噴出することにより前記基板を浮かせた状態に支持する気体浮上機構上に、前記アモルファス半導体膜が形成された一方の面を下にして前記基板を浮かせた状態に配置し、
前記基板の前記アモルファス半導体膜が形成されていない他方の面の上側から前記基板を介して前記アモルファス半導体膜に光を照射し、
前記アモルファス半導体膜を前記光により加熱溶融して結晶化し、結晶性半導体膜を形成すること特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、気体浮上機構により、基板をアモルファス半導体層を下にした状態で浮かせた状態に支持しているので、気体浮上機構と、基板のアモルファスシリコン膜側との間は、気体浮上機構から噴出する気体雰囲気となる。したがって、気体を例えば窒素等の不活性ガスや、アモルファスシリコン膜の結晶化に悪影響を及ぼすような化学物質を含まない純度の高い空気やその他の気体等にすることで、特に基板を不活性ガス雰囲気の容器や真空の容器内に収容して光の照射を行なう必要がなく、作業の簡便化を図ることができる。
また、気体浮上機構を用いる場合に、気体浮上機構における基板の搬入および搬出にも気体浮上搬送を用いることができ、基板が例えば大面積のガラス基板であっても、取り扱い中に傷付ける可能性を低減することができる。
また、アモルファスシリコン膜を下側にして基板を気体浮上機構に配置するものとしても、気体浮上機構と基板との間には、隙間があるとともにそこに気体が充填された状態であり、アモルファスシリコン膜の結晶化において、気体浮上機構の表面の影響を受けにくく、かつ、気体浮上機構の上面がレーザ光の影響を受けにくい構造とすることができる。
なお、使用する光は、レーザ光に限られるものではなく、ミリ秒以下の時間でオンオフが可能な光、すなわち、パルスとして照射可能で、かつ、レーザとして完全にコヒーレントのものではなく、例えば、パーシャルコヒーレントのものが好ましい。
ここで、照射される光は、ミリ秒以下、たとえば、数10ナノ秒程度のパルス幅であること(オンオフできること)が好ましく、この程度のパルス幅の光を用いることにより、例えば、基板に対する相対的な光の照射領域の移動速度や、光が照射される範囲における照射パルス数などにより、アモルファス半導体の加熱温度をきめ細かくコントールして良質な結晶(例えば、大きな粒径の結晶や、所定の方向に長い結晶など)を得ることができる。
また、基板を介してアモルファス半導体膜に光を照射するため、ガラス基板内での反射を抑制する上で干渉性が高くない方が好ましく、コヒーレントなレーザ光よりも、干渉性が低いパーシャルコヒーレントな光(例えば、LEDの光)が好ましい。また、ランプの光のようなインコヒーレントな光でもよいが、上述のようにミリ秒以下でオンオフできる必要があり、適当な光源がない可能性がある。
請求項2に記載の結晶性半導体膜形成装置は、基板上に形成されたアモルファス半導体膜に光を照射することにより加熱溶融して前記アモルファス半導体膜を結晶化する結晶性半導体膜形成装置であって、
気体を噴出することにより前記基板を浮かせた状態に支持する気体浮上機構と、
前記基板の一方の面に形成されたアモルファス半導体膜に光を照射し、前記アモルファス半導体膜を加熱溶融した後に結晶化される光照射手段と、
を備え、
前記気体浮上機構上に前記基板の前記アモルファス半導体膜が形成された一方の面を下にして配置し、基板の他方の面の上側から前記光照射手段により基板を介して光を前記アモルファス半導体膜に照射することにより、前記アモルファス半導体膜を加熱溶融した後に結晶化することを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項3に記載の結晶性半導体膜形成基板は、請求項1に記載の結晶性半導体膜形成方法によりアモルファス半導体膜を結晶化した結晶性半導体膜を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の結晶性半導体膜形成方法、結晶性半導体膜形成装置および結晶性半導体膜形成基板によれば、基板のアモルファス半導体膜を基板の背面側から効率的に、光により加熱して結晶化することができる。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る結晶性半導体膜形成装置3の概略構成を示すものである。
結晶性半導体膜形成装置3は、高さセンサ1と、気体浮上機構4と、図示しないレーザの光源装置と、光源装置から照射されたレーザを気体浮上機構4にセットされた例えば、透明基板としてのガラス基板(基板)5上で結像もしくは集光させる対物用光学素子としての結像(集光)用レンズを備えた対物用光学装置6と、該対物用光学装置6を上下動自在に支持するとともに上下方向(Z軸上)に位置決めするZステージ装置7とを備える。
光源装置は、例えば、レーザとして、YAGレーザ、CO2レーザや、その他の気体レーザ、固体レーザ、半導体レーザ、液体レーザ、ファイバーレーザ、薄膜ディスクレーザ等の少なくとも何れか1つを用いることできる。
ここでは、例えば、可視光のレーザとして波長532nmのYAGレーザを用いる。
また、YAGレーザは、基本的に波長が1064nmであるが、これを半分の532nmとする技術が知られており、532nmの可視光とすることで、基板を効率的に透過し、かつ、アモルファスシリコン膜に効率的に吸収されてアモルファスシリコン膜を加熱することができる。
また、ここでは、連続ではなくパルス発振されたYAGレーザが用いられ、パルス幅が例えば10ナノ秒(パルスの周波数が100KHz)から1ミリ秒(10KHz)程度のものを用いることができる。ここでは、パルス幅が数10ナノ秒以下のものが好適に用いられる。
これにより、アモルファス半導体膜としてのアモルファスシリコン膜を加熱する際に精密に温度調整することができ、アモルファスシリコンを結晶化する際に、良質な結晶(例えば、大粒の結晶)を得ることが可能となる。
また、ガラス基板5を介してYAGレーザ(加熱用レーザ2)を照射することから、ガラス基板5内での干渉に基く繰返し反射を防止するために、干渉性が高くないことが好ましく、完全なコヒーレントなレーザではなく、パーシャルコヒーレントになっていることが好ましい。この場合に完全なレーザ光とはいえないが、アモルファスシリコン膜を加熱するために照射される光は、完全なレーザ光である必要はなく、十分なエネルギーを有し、かつ、精密な温度調整のために、好ましくは1ミリ秒以下、より好ましくは数10ナノ秒でオンオフのコントロールが可能となっていればよい。
気体浮上機構4は、周知のもので、基本的に板状(面積に対して厚みが薄い板状)のガラス基板5がセットされるステージ41を有し、このステージ41には、図2に示すように、例えば、多孔質のセラミックで形成された気体噴出板42が配置されている。気体噴出板42は、例えば、ステージ41の上面上に複数配置されている。そして、気体噴出板42を構成する多孔質セラミックは、孔を構成する各気泡が連通した状態となっており、気体を透過可能な構成となっている。そして、気体噴出板42の裏面(下面)側には、例えば、気体として圧縮された窒素ガスが供給されるようになっている。これにより、気体噴出板42の表面(上面)からは、ほぼ面状に気体が噴出する状態となり、比較的低速な気体の噴出速度でも、ガラス基板5を浮上可能となっている。
そして、この場合に、ガラス基板5の下面と、ステージ41の上面との間には、ガラス基板5が浮上することにより、気体層8が形成されることになる。なお、この例において、ガラス基板5の浮上高さ、すなわち、ガラス基板5の下面とステージ41の上面との間隔(気体層8の厚み)が、3μmから200μmとなっている。
ここで、気体の噴出速度をできるだけ低速とすることにより、例えば、噴出する気体の気流による塵芥の巻上げの防止や、ガラス基板5と気流との接触による静電気の発生や、気流による加熱されたアモルファスシリコン膜51の冷却等を防止することができる。
なお、必ずしも気体噴出板42として、多孔質のセラミックではなく、例えば、金属板等の板体に、複数の気体噴出用の孔を空けたものであってもよい。
また、図2では、各気体噴出板42の幅を例えば、ガラス基板5の幅の1/3程度に図示したが、各気体噴出板42をさらに小さいものとしてもよい。また、気体噴出板42は円板状であっても良いし、各気体噴出板42同士の間隔を例えば各気体噴出板42の幅(径)の半分より広いものとしてもよい。
また、気体噴出板42は、図2に示すように、気体を噴出するだけではなく、気体の吸引と気体の噴出との両方を行うようになっていてもよい。
このような構成とすることで、ステージ41とガラス基板5との間隔を高精度で調節することができる。
単に気体を噴出することで、ガラス基板5を浮上させた場合には、気体の噴出速度等によりガラス基板5の浮上高さ、すなわち、ステージ41との間隔を調整しようとしても、高い精度で調節することが困難であるが、例えば、気体噴出板42に気体を噴出する噴出孔と、気体を吸引する吸引孔とをそれぞれ分散して配置し、気体の噴出量と気体の吸入量を調整することで、ガラス基板5の浮上高さを精密に調整することができる。
なお、噴出孔と吸引孔とをそれぞれ分散配置する場合に、各噴出孔毎の気体噴出用の配管と各吸引孔毎の気体吸引用の配管が困難になるので、上述の小型の気体噴出板42とほぼ同様の構成で気体を吸引する小型の気体吸引板とを設け、この気体噴出板42と気体吸引板とを分散配置するものとしてもよい。
また、噴出する気体は、必ずしも窒素ガスに限られるものではなく、例えば、ガラス基板5上に形成されたアモルファスシリコン膜51を含む薄膜に悪影響を与えるような不純物を含まず、かつ、気体自体が上記薄膜に悪影響を与えないものならばよく。窒素ガス等のいわゆる不活性ガスを好適に用いることができる。また、窒素ガスであっても、薄膜に影響を与えるような不純物が含まれるような場合には使用できず、不純物を含まない純度の高い気体であることが好ましい。
そして、気体浮上機構4は、ステージ41上のガラス基板5をX−Y方向に移動可能なXY移動装置を備えている。XY移動装置は、例えば、ステージ41の周縁部や上方に備えられ、ガラス基板5の端面に接触することにより、浮上した状態のガラス基板5をX方向およびY方向に駆動するととも制動するものであってもよい。
また、気体浮上機構4は、ガラス基板5の端面等に移動子を取り付け、ステージ41の気体噴出板42,42同士の間や周縁部等に固定子を形成することにより、ガラス基板5をX―Y方向に移動可能な平面リニアモータとしてもよい。
また、平面リニアモータとしてソーヤー式のものを用いてもよい、この場合にステージ41上がプラテンとなるが、例えば、プラテンに多数の気体噴出孔を設けたり、プラテンを多孔質材料としたりして、プラテンを気体噴出板42とするような構成であってもよいし、気体噴出板42とプラテンがストライプ状に配置されたり、プラテンを縦横の格子状に配置し、格子内に気体噴出板42を配置する構成としてもよい。また、ガラス基板5には、移動子として永久磁石およびコイル等を必要とするとともに、コイルに電流を供給する必要がある。
また、プラテンには、多数の凹凸が形成されるが、凹部に樹脂を充填することで平面とすることが好ましい。この場合に例えば凸部に気体噴出孔が形成されるような構成であってもよい。
また、ガラス基板5の端面に接触してステージ41上にガラス基板5を水平方向に移動不可に保持する保持手段を設け、ステージ41をXY方向に移動可能としてもよい。
また、気体浮上機構4には、ステージ41を跨ぐように門形状に形成された固定部44が設けられ、この固定部44に、対物用光学装置6を備えたZステージ装置7と、高さセンサ1とが固定されている。
そして、対物用光学装置6および高さセンサ1は、ステージ41上のガラス基板5をX−Y方向に移動すること、もしくはステージ41をX−Y方向に移動させることで、ステージ41上のガラス基板5の上面全体のいずれの真上でも配置可能となっている。
対物用光学装置6は、上述のようにレーザをガラス基板5上で結像もしくは集光させる光学素子としてのレンズ(対物レンズ)もしくはレンズ群を備えた周知のものである。
なお、この例では、集光でなく、加熱用レーザの照射位置で結像させることが好ましく、照射位置における照射形状をアモルファスシリコン膜51の結晶化に最適なものとすることが好ましい。なお、照射形状と照射形状に対する照射位置の相対的移動方向によって、ガラス基板5上における照射位置の移動間隔等が決定されることになる。
そして、対物用光学装置6と図示しない光源となるYAGレーザ生成装置が本発明の光照射手段となる。なお、YAGレーザ生成装置は、532nmの波長で、パルス幅数10ナノ秒で制御可能な周知の装置を用いることができる。
Zステージ装置7は、対物用光学装置6をX軸方向およびY軸方向に直交するZ軸方向(加熱用レーザ2の照射方向)に移動させるものであり、このZ軸方向の移動により対物用光学装置6(レンズ)とガラス基板5との距離を調整し、結像もしくは集光用レンズによりレーザをガラス基板5上(下面のアモルファスシリコン膜51側)に結像もしくは集光させる際に焦点を合わせるものである。すなわち、Zステージ装置7は、対物用光学素子を備える対物用光学装置6の焦点をガラス基板5に合わせるための焦点距離調整手段として機能するものである。
したがって、結晶性半導体膜形成装置3は、レーザをガラス基板5の下面側のアモルファスシリコン膜で結像もしくは集光させるための対物用光学素子(対物用光学装置6)を用い、前記ガラス基板5を介してアモルファスシリコン膜51に前記レーザを照射し、かつ、前記対物用光学素子の焦点をガラス基板5の下面のアモルファスシリコン膜51側に合わせるための焦点距離調整手段を有するものである。Zステージ装置7は、制御装置45に制御されて、対物用光学装置6を移動させる。
高さセンサ1(オフアクシス高さセンサ)は、ガラス基板5のレーザ照射面(上面もしくは下面、ここでは、下面にアモルファスシリコン膜51が形成されるので下面)のZ軸方向の位置を被接触で計測することができる周知のものである。ここでは、高さセンサ1として、共焦点測定方式の高さセンサが用いられている。この共焦点測定方式とは、高さセンサ1内の測定用レーザを被加工対象物上に集光させるための対物レンズを例えば音叉により高速に上下動させる構成となっているとともに、被加工対象物の表面で高さセンサが集光した際の発射光を受光する位置(共焦点位置)にピンホールを配置するとともに、ピンホールを通過した反射光を受光する受光素子を配置したものとなっている。
そして、前記対物レンズの焦点がガラス基板5の表面に合うと、前記受光素子の受光量が大きくなる、すなわち、対物用レンズを上下に振動させた状態では、対物用レンズの位置がガラス基板5の表面に焦点があったところで、受光素子の受光量にピークが発生する。なお、ここでは、ガラス基板5(基板)が用いられ、測定用レーザがガラス基板5を透過するもの(例えば、可視光)となっているので、屈折率の異なる物質どうしの境界面で反射が発生することになり、例えば、ガラス基板5の上面と下面で反射が発生し、受光素子の受光量のピークが発生する高さが二箇所あることになる。そして、この例では、上述のようにガラス基板5の下面側のアモルファスシリコン膜51に加熱処理用の上述の加熱用レーザ2を照射するので、2つの受光量のピークが発生する位置のうちの下側の受光量のピークとなる位置が高さ位置が測定されるガラス基板5の下面となる。
この受光量のピークとなる対物用光学素子の位置から対物用光学素子の焦点距離だけ離れた位置が、被加工対象物の測定用レーザの照射された位置となる。すなわち、高さセンサ1により、固定点からの被加工対象物の測定用レーザの照射位置のZ軸方向に沿った位置を測定可能となる。なお、高さセンサ1として、共焦点測定方式を用いると被加工対象物の表面状態、例えば、表面粗さ、材質、色、傾き等に影響を受けにくく、正確な測定が可能となる。また、浮上した状態のガラス基板5の撓み(うねり)による高低差を十分な精度で測定可能である。
そして、この実施例では、高さセンサ1は、対物用光学装置6に対して気体浮上機構4によるガラス基板5の移動方向の手前側に配置されている。言い換えると、前記対物用光学素子としての対物用光学装置6に対して、前記被加工対象物の前記加熱用レーザ2の照射位置の相対的移動方向の前方となる位置に、前記被加工対象物の加熱用レーザ2の照射方向に沿った位置としての高さ位置(Z軸方向に沿った位置)を計測する高さ位置測定手段としての高さセンサ1を設けている。
そして、対物用光学装置6を介してガラス基板5に加熱用レーザ2が照射される位置の高さ位置を加熱用レーザ2が照射される少し前に高さセンサ1が先読みするようになっている。これにより、加熱用レーザ2の照射位置が高さ位置を先読みされる位置に移動するまでに、高さセンサ1で高さ位置を測定するとともに、当該高さ位置に対応して対物用光学装置6の焦点がガラス基板5の表面(裏面)に合うようにZステージ装置7で対物用光学装置6を移動すればよく、加熱用レーザ2の照射位置を相対的にガラス基板5に対して高速で移動しても、対物用光学装置6の焦点を合わせるための移動処理を行う時間を確保でき、対物用光学装置6の焦点合わせを加熱用レーザ2の照射位置の移動に追随させることができる。
ここで、ガラス基板5上における加熱用レーザ2の照射位置の移動方向が1方向ならば、対物用光学素子の前記移動方向の先側(前方側)1つだけ高さセンサ1を設ければ良いことになるが、この例では、例えば、ガラス基板5の略全面に加熱用レーザ2を照射するので、往路と復路との両方で加熱用レーザ2を照射するために、加熱用レーザ2の対物用光学装置6の前後に2つの高さセンサ1が設けられていることが好ましい。
また、前後左右に移動させるような場合には、加熱用レーザ2の対物用光学装置6の周囲の前後左右の4箇所に高さセンサ1を設けたり、対物用光学装置6の周囲を360度移動可能に高さセンサ1を設けてもよい。
また、相対的にガラス基板5上の加熱用レーザ2の照射位置を移動させながら、上述のように高さセンサ1でガラス基板5の裏面の高さ位置を先読みして、加熱用レーザ2の焦点合わせを行うような場合に、ガラス基板5の高さ位置が安定している必要がある。特に、加熱用レーザ2に対して、ガラス基板5をX方向、Y方向の少なくともいずれかに移動するような場合には、上述のように気体浮上機構4が気体の噴出と吸引との両方を行うことで、ガラス基板5の浮上高さの微調整が可能で、かつ、所定浮上高さに安定した状態でガラス基板5を浮上可能となっていることが好ましい。
次に、この結晶性半導体膜形成装置3を用いた結晶性半導体膜形成方法を説明する。
まず、ガラス基板5には、そのアモルファスシリコン膜51が形成される面に、例えば、周知のように下地層として窒化シリコン膜(SiNx)やシリコン酸化膜(SiO)などが形成され、その上にアモルファスシリコン膜51が形成される。
ここで、ガラス基板5に下地層としてシリコン酸化膜52を設け、その上にアモルファスシリコン層51を設けた例を図3に示す。
図3に示すように、ガラス基板5上に下地層として、シリコン酸化膜52が形成され、その上に結晶化すべきアモルファスシリコン層51が形成されている。
また、この例では、アモルファスシリコン層51が設けられた面の反対側からレーザ(光)を照射するとともに、アモルファスシリコン層51側は、噴出する気体により浮上した状態とされ、例えば、噴出する気体を不活性ガスとすることで、アモルファスシリコン層51に他の化合物が反応するのを防止できるとともに、温度の伝達を阻害することができる。この例では、噴出する気体を特定のガス種とすることで、アモルファスシリコン層51が反応するのを防止、もしくは、積極的に特定の反応を起させることもできる。
ここで、加熱用レーザは、ガラス基板5のアモルファスシリコン膜51が形成されていない他方の面(背面、上面)から照射される。
また、加熱用レーザとして、上述の波長532nmのヤグレーザを用いる。
この際に、ガラス基板5の上面側からレーザを照射した場合に、ガラス基板5と空気との境界面、ガラス基板5とシリコン酸化膜52との境界面、シリコン酸化膜52とアモルファスシリコン層51と境界面で反射が発生することになる。
そして、各層の屈折率は、それぞれ空気が約1.0で、ガラス基板が約1.5で、シリコン酸化膜52が約1.46で、シリコン(アモルファスシリコン層51)が約4.3となる。
この屈折率から反射率を求めた場合に、例えば、ガラス基板のアモルファスシリコン層51が形成された側に加熱用レーザを照射すると、すなわち、アモルファスシリコン層に直接加熱用レーザ(光)を照射した場合に、空気に対してアモルファスシリコンが大きな屈折率を有することから反射率が高くなり、図3(a)に示すように、アモルファスシリコン層51と空気との界面で、約40%の光が反射され、アモルファスシリコン層51内に入射する光は約60%となる。
すなわち、約40%の光が有効に利用されず、効率が低下することになる。
なお、アモルファスシリコン層51内に入射した光のうちの吸収されずにアモルファスシリコン層51とシリコン酸化膜52との界面に達した光は、当該界面で約25パーセントが反射されることになり、この反射した光は、再びアモルファスシリコン層51内でアモルファスシリコン層51を加熱することになり、再利用される状態となる。
一方、図3(b)に示すように、ガラス基板側から加熱用レーザ(光)を照射した場合には、空気とガラス基板5との界面で約4%の光が反射し、次いで、ガラス基板5とシリコン酸化膜52との界面で0.1%パーセントより小さい無視できる程度の光が反射する。なお、例えば、無ソーダガラスからなるガラス基板5とシリコン酸化膜52の屈折率には大きな差がなく、光がほとんど反射しない状態となる。
そして、シリコン酸化膜52とアモルファスシリコン層51との間の反射率が約22%となり、ガラス基板に照射された光の約74%が反射されずに、アモルファスシリコン層51に入射される。
また、アモルファスシリコン層51内に入射した光のうちの吸収されることなく空気(あるいは窒素ガス)との界面に達した光の38%が反射し、62%が通過することになる。なお、アモルファスシリコン層51内に入射した光の一部はアモルファスシリコン層51に吸収されて熱に変換されるので、アモルファスシリコン層51と空気との界面に至る光は、入射した光の一部であるが、上述のようにアモルファスシリコン層51と空気との界面に至る光の38%が反射して再びアモルファスシリコン層51を加熱することになる。
以上のことから、アモルファスシリコン層51に直接レーザ(光)を照射した場合よりも、ガラス基板5のアモルファスシリコン層51の形成された面の反対側となる面からガラス基板5を介してアモルファスシリコン層51にレーザ(光)を照射した場合の方が、反射に限っていえば、レーザの利用効率が高くなる。
なお、ガラス基板5におけるレーザの吸収を考慮しても、可視光域の光を用いることで、ガラス基板5におけるレーザの吸収率を低くし、利用効率の低下を防止することができる。
そして、レーザの照射においては、アモルファスシリコン膜51を形成されたガラス基板5が、アモルファスシリコン膜51を下にした状態で、結晶性半導体膜形成装置3の気体浮上機構4のステージ41上に搬送される。この際には、搬送経路もステージ41と同様に気体を噴出する構造の図示しない気体浮上搬送路がステージ41に連結されている。なお、気体浮上搬送路は、搬入用と搬出用とが接続されており、アモルファスシリコン膜51の結晶化が終了した際には、搬入時と同様に気体浮上搬送路により次工程に搬送される。
以上のことから、アモルファスシリコン膜51を下側にしてガラス基板5が取り扱われるものとしても、結晶化に際し、搬入、搬出、加熱処理時にガラス基板5の下面側が他の部材に接触する可能性がなく、アモルファスシリコン膜51が傷つくのを防止できる。すなわち、吸着や把持により、強く部材が接触するようなことがなく、アモルファスシリコン膜51を有するガラス基板5が傷つくのを防止できる。
また、加熱処理中のアモルファスシリコン膜51の周囲を噴出される気体雰囲気とすることができるので、例えば、気体を窒素とすれば、ガラス基板5を特定のガス雰囲気や真空とされた容器内に封入した状態とする必要がなく、作業性を向上することができる。
また、ガラス基板5が気体により浮上していることから、ガラス基板5の下面側にレーザを照射するものとしても、ガラス基板5とステージ41の上面との間に間隔をあけるとともに、ガラス基板5とステージ41との間の気体層が緩衝材として機能するので、ステージ41の上面がレーザや加熱されるアモルファスシリコン膜51の影響を受けて耐久性が低下するのを抑止できる。また、逆に、加熱溶融後に冷却されて結晶化されるアモルファスシリコン膜51に、ステージ41の上面が温度等の面で直接的に影響を与えるのを防止することができる。
ステージ41上では、ガラス基板5上のレーザ照射位置の移動方向は、対物用光学装置6と高さセンサ1とを結ぶ直線となる。
そして、高さセンサ1は、加熱用レーザの照射位置の移動方向、すなわち、対物用光学装置6の焦点位置の移動方向の先側(前方側)に配置される。
そして、レーザ加工に際しては、加熱用レーザの照射パターンに沿って移動することになるが、先に高さセンサ1が僅かな距離(対物用光学装置の焦点位置から高さセンサ1の焦点位置までの距離)だけ先となる位置の高さ位置を測定した後加熱用レーザの照射を開始する。
加熱用レーザの照射を開始した際に、既に、加熱用レーザの照射開始位置の高さ位置は高さセンサ1で測定されているので、加熱用レーザの照射開始直前に、照射開始位置の高さ位置に基づいて対物用光学装置6の高さ位置をZステージ装置7により移動する。この際には、例えば、予め基準高さ位置を決めておき、それに対するずれ量を高さセンサ1で高さ位置として測定するようにし、高さ位置の変動に対応して、対物用光学装置6の高さ位置を変動する。
この場合に制御装置45において、高さセンサ1から入力された信号に基づいて対物用光学装置6の高さ位置を制御する。
また、ここでは、加熱用レーザの照射位置の移動、すなわち、気体浮上機構4によるガラス基板5の移動に基づいて、ガラス基板5上の高さセンサ1の測定位置も移動することになる。そして、予め決められたサンプリングレートとしての移動距離毎にガラス基板5表面の高さ位置を測定する。すなわち、高さ位置は断続的に測定される。この際の測定位置となる座標と対応づけて測定値である高さ位置を制御装置45において記憶する。
そして、制御装置45では、高さセンサ1で高さが測定された座標位置に加熱用レーザの照射位置が移動する前、たとえば、1つ手前のサンプリング位置に加熱用レーザの照射位置が達した際に、測定された次のサンプリング位置となる座標に対応付けられた高さ位置に対応する対物用光学装置6の位置まで対物用光学装置をZステージ装置7を用いて移動する。そして、次のサンプリング位置に加熱用レーザの照射位置が到達した際には、対物用光学装置6の高さ位置が、先に測定されたそのサンプリング位置における被加工対象物の高さ位置に対応する位置となっている。
以上のことから前記ガラス基板5に対する加熱用レーザの照射位置を相対的に移動しての加熱用レーザによる加工に際し、前記対物用光学装置6より加熱用レーザ照射位置の移動方向の前方にある高さセンサ1により、加熱用レーザが照射される直前の前記ガラス基板5の加熱用レーザの照射予定位置の高さ位置を加熱用レーザの照射位置の移動に対応して測定し、加熱用レーザの照射位置が前記照射予定位置に達する際に、前記高さセンサ1で測定された高さ位置に対して加熱用レーザの結像もしくは集光にほぼ最適となる位置に前記対物用光学装置6を移動するように前記焦点距離調整手段により前記対物用光学装置6の位置を制御することになる。
なお、被加工対象物の高さ位置が、例えば、前の高さ測定位置に対して上に100μmずれれば、対物用光学装置6は上に100μm移動し、下に100μmずれれば対物用光学装置6が下に100μm移動することになる。
また、制御装置45が高さセンサ1からの高さ位置の信号に基づいて、Zステージ装置7に対物用光学装置6を移動するための信号を出力することになる。ここで、制御装置45は、Zステージ装置7による対物用光学装置6のZ軸方向の移動と、気体浮上機構4におけるガラス基板5のX軸方向とY軸方向との移動とを制御することになる。そこで、Zステージ装置7による対物用光学装置6の移動速度とのタイミングに合わせて気体浮上機構4によるガラス基板5の移動を制御してもよい。
また、上述のように高さセンサ1により先に高さ位置が測定され、その後に対物用光学装置6の高さが移動されることから、高さセンサ1による高さ測定と、対物用光学装置6の移動とは、完全に独立して行われることになる。したがって、リアルタイムで高さ位置の測定と加熱用レーザの照射を行う場合には、高さ位置の測定を行った後に測定された高さ位置に対応して対物用光学装置6を移動することになり、1回の対物用光学装置の移動に高さ測定の時間と対物用光学装置の移動の時間が必要となるのに対して、本発明では既3に測定された高さ位置に対応して対物用光学装置6を移動していくことになり、少なくとも高さ位置の測定にかかる時間を無視することができ、それだけ速い応答が可能となり、加熱用レーザの照射位置の移動速度を速くすることが可能となる。
また、加熱用レーザの照射開始に際しては、ガラス基板5上における対物用光学装置6の焦点位置と、高さセンサ1の焦点位置との距離分だけ、高さセンサ1の測定を行った後に加熱用レーザの照射が開始されることになり、前記距離に含まれるサンプリング位置の高さ位置の測定分の時間だけ加熱用レーザの開始時間に遅延が生じることになるが、前記距離が僅かであるために、高さセンサ1の測定開始から加熱用レーザの照射開始までの遅延時間は極めて僅かなものとなり、遅延時間による加工時間の増加をほとんど無視できるレベルとすることができる。
これらのことから、直線的な加熱用レーザによる加工においては、予め高さ位置を測定する時間を極めて短くするとともに、予め高さが測定された位置を順次通過しながら加熱用レーザを照射するので、予め測定された高さに基づいて対物用光学装置6を移動して対物用光学装置6の焦点を合わせて加熱用レーザを照射した状態にできる。
この際に、既に測定された高さ位置に基づいて対物用光学装置6を移動すればよいので、加熱用レーザのガラス基板5に対する照射位置の移動速度が速くても対応することができる。
以上のことから、加熱用レーザの照射位置の移動速度をより速くすることが可能な場合には、加工時間の短縮を図ることが可能となる。言い換えれば、加熱用レーザの照射位置の移動速度のボトルネックが、高さセンサ1による高さ位置の測定時間となっている場合に、高さ位置の測定時間を無視することが可能なり、より速い速度で加熱用レーザの照射位置を移動することができる。
上記例では、気体浮上機構4を用いてガラス基板5を加熱用レーザに対して移動する結晶性半導体膜形成装置3を示したが、その他の結晶性半導体膜形成装置にも本発明を適用可能であり、例えば、ガラス基板5に対してレーザを移動する結晶性半導体膜形成装置や、ガラス基板5とレーザの両方を移動可能とした結晶性半導体膜形成装置にも適用可能である。
また、上述のZステージ装置7の制御、すなわち、加熱用レーザの集光もしくは結像の焦点合わせのための移動の制御は、上述の高さセンサ1を用いたものに限られるものではなく、例えば、予め、ガラス基板5上の全面に配置された全ての座標点の高さ位置を測定しておき、この予め測定された座標位置に基いてZステージ装置7を制御してもよい。
また、高さの測定のレーザと、加熱用レーザとの照射位置をほぼ同じとして、先に高さ測定をして次に加熱用レーザを照射することをガラス基板5の各地点で行なうようにしてもよい。また、この際に測定用レーザと加熱用レーザ2とを同じ対物用光学素子を用いて焦点を合わせるようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る結晶性半導体膜形成装置を示す概略図である。 前記結晶性半導体膜形成装置のステージ上のガラス基板を示す概略図である。 前記ガラス基板を示すとともに光照射の際の反射を説明するための側面図である。
符号の説明
2 加熱用レーザ(光)
3 結晶性半導体膜形成装置
4 気体浮上機構
41 ステージ
5 ガラス基板(基板)
51 アモルファスシリコン膜(アモルファス半導体膜)
6 対物用光学装置(光照射手段)

Claims (3)

  1. 基板上に形成されたアモルファス半導体膜に光を照射することにより加熱溶融して前記アモルファス半導体膜を結晶化する結晶性半導体膜形成方法であって、
    気体を噴出することにより前記基板を浮かせた状態に支持する気体浮上機構上に、前記アモルファス半導体膜が形成された一方の面を下にして前記基板を浮かせた状態に配置し、
    前記基板の前記アモルファス半導体膜が形成されていない他方の面の上側から前記基板を介して前記アモルファス半導体膜に光を照射し、
    前記アモルファス半導体膜を前記光により加熱溶融して結晶化し、結晶性半導体膜を形成すること特徴とする結晶性半導体膜形成方法。
  2. 基板上に形成されたアモルファス半導体膜に光を照射することにより加熱溶融して前記アモルファス半導体膜を結晶化する結晶性半導体膜形成装置であって、
    気体を噴出することにより前記基板を浮かせた状態に支持する気体浮上機構と、
    前記基板の一方の面に形成されたアモルファス半導体膜に光を照射し、前記アモルファス半導体膜を加熱溶融した後に結晶化させる光照射手段と、
    を備え、
    前記気体浮上機構上に前記基板の前記アモルファス半導体膜が形成された一方の面を下にして配置し、基板の他方の面の上側から前記光照射手段により基板を介して光を前記アモルファス半導体膜に照射することにより、前記アモルファス半導体膜を加熱溶融した後に結晶化することを特徴とする結晶性半導体膜形成装置。
  3. 請求項1に記載の結晶性半導体膜形成方法によりアモルファス半導体膜を結晶化した結晶性半導体膜を備えることを特徴とする結晶性半導体膜形成基板。
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