JP2013107090A - 脆性基板加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ照射によって生じる脆性基板内の熱拡散による基板の変形を防止する。
【解決手段】脆性基板加工装置は、レーザ光を脆性基板表面上の加工予定ラインに従って所定速度で移動させながら照射し、レーザ光移動後の加熱位置に冷却媒体を吹き付ける。このレーザ加工中に脆性基板の加工予定ラインの両側を押圧手段で押圧することによって、加工時のレーザ照射による発熱を割断ライン付近で吸収すると共に拡散する熱による脆性基板の変形を防止する。ヘッド位置調整手段によって移動時における加工ヘッドの基板に対する間隔をほぼ同一高さに制御する。脆性基板をエアの吹き出しと吸引によりバランスさせて浮上させるエア浮上ステージ手段にて保持する。冷却手段は、液体である冷却媒体とキャリアガスを混合したものを脆性基板表面に適量吹き付ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、FPD(Flat Panel Display)用パネルのガラス基板や半導体基板などの脆性基板をレーザ光で加工する脆性基板加工装置に係り、特に厚みの薄い脆性基板を高精度に加工することのできる脆性基板加工装置に関する。
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置およびタッチパネル用カバーガラスなどのガラス基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electoro Luminescence)表示パネル等の製造は、ベースとなる脆性基板であるガラス基板を規定サイズに切断することによって行われる。このような脆性基板であるガラス基板や半導体基板の切断又は割断加工、スクライブ加工をレーザ光の照射によって行うものとして、特許文献1,2に記載のものが知られている。
特開2009−255346号公報 特表2011−502948号公報
ガラス基板の切断面の微細クラックやカレットにより基板に傷や異物等の欠陥が存在すると、次工程でクロム膜等の形成やパターンの転写が良好に行われず、不良の原因となる。このため、欠陥のない脆性基板であるガラス基板の切断(割断)加工方法が要求されている。特許文献1,2に記載の脆性加工装置を用いて、厚み100[μm]以下の薄いガラス基板を割断(フルカット)する場合、単にレーザ照射による加熱と冷却のみでは、周辺への熱拡散により、ガラス基板の熱変形と脆性化が周辺部へも進むため、良好な加工状態を得ることが困難であった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、レーザ照射によって生じる脆性基板内の熱拡散による基板の変形を防止することのできる脆性基板加工装置を提供することを目的とする。
本発明に係る脆性基板加工装置の第1の特徴は、脆性基板表面にレーザ光を照射することによって前記脆性基板に所定の加工を施す脆性基板加工装置において、前記レーザ光を前記脆性基板表面上の加工予定ラインに従って所定速度で移動させながら照射するレーザ照射手段と、前記レーザ光の移動後の加熱位置に冷却媒体を吹き付ける冷却手段と、前記脆性基板の前記加工予定ラインの両側を押圧すると共に前記レーザ照射によって発生する熱を吸収する押圧手段とを備えたことにある。これは、加工予定(割断)ラインの両側を押圧手段で加圧し押さえることによって、加工時のレーザ照射による発熱を割断ライン付近で吸収すると共に拡散する熱による脆性基板の変形を防止するようにしたものである。
本発明に係る脆性基板加工装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の脆性基板加工装置において、前記レーザ照射手段は、前記レーザ光を照射する加工ヘッドの高さを前記脆性基板表面に倣いながら移動制御するヘッド位置調整手段を備えたことにある。これは、ヘッド位置調整手段によって移動時における加工ヘッドの基板に対する間隔をほぼ同一高さに制御することによって、安定したレーザ加工を行うことができるようにしたものである。
本発明に係る脆性基板加工装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の脆性基板加工装置において、前記レーザ光による加工の前後で、前記脆性基板をエアの吹き出しと吸引によりバランスさせて浮上させるエア浮上ステージ手段を備えたことにある。これは、切断加工前後において脆性基板をエアの吹き出しと吸引により、バランスさせて、浮上時の高さと見かけ上のバネ剛性を高くし、加工に影響ない状態で所定の加工(割断又はスクライブ)を行えるようにしたものである。
本発明に係る脆性基板加工装置の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の脆性基板加工装置において、前記レーザ照射手段は、前記レーザ光の経路上に設けられた2個のシリンドリカルレンズ手段及びビームエクスパンダ手段によって規定のサイズ及び細長ビーム形状に変形すると共に前記加工予定ラインに前記レーザ光の長軸が合致するように前記脆性基板表面に照射することにある。これは、レーザ光の長軸を加工予定ラインに合致させながら加工することによって、クラックを成長させるための加熱温度及び加工位置を安定化させると共に高温部分から冷却位置までの距離も安定化させるようにしたものである。
本発明に係る脆性基板加工装置の第5の特徴は、前記第2の特徴に記載の脆性基板加工装置において、ヘッド位置調整手段は、前記脆性基板表面の反射光に基づいて前記脆性基板表面とレーザ照射手段の加工ヘッドとの相対距離を一定にするように制御することにある。これは、脆性基板表面の反射光に基づいて加工ヘッドと脆性基板表面との距離を測定し、その距離を一定に制御するようにしたものである。
本発明に係る脆性基板加工装置の第6の特徴は、前記第1の特徴から第5の特徴までのいずれか1の特徴に記載の脆性基板加工装置において、前記冷却手段は、液体である冷却媒体とキャリアガスを混合したものを前記脆性基板表面に適量吹き付けることによって、前記脆性基板の加工表面部を冷却し、割断に有効な応力を発生させることにある。これは、冷却手段が圧縮空気などのキャリアガスと冷却媒体との混合したものをノズルなどから吹き付けることによってレーザ照射と冷却による割断加工をスムースに行わせるようにしたものである。
本発明によれば、レーザ照射によって生じる脆性基板内の熱拡散による基板の変形を防止することができるという効果がある。
本発明の一実施の形態に係る脆性基板加工装置の概略構成を示す図である。 レーザ加工処理を行う図1の加工エリア部を斜め上方から見た外観斜視図である。 図1及び図2の光学系の内部構成の概略を示す図であり、この光学系を図2のX方向から見た図である。 図3の光学系をY方向から見た側面図である。 光学系の変形例を示す図である。 本発明に一実施の形態に係る脆性基板加工装置の変形例の概略構成を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る脆性基板加工装置の概略構成を示す図である。この脆性基板加工装置は、液晶ディスプレイ製造装置のレーザ光加工処理(ガラス基板割断加工)を行なうものである。
レーザ加工ステーション101は、搬入されたガラス基板1を切断又は割断加工、スクライブ加工を行うものである。レーザ加工ステーション101は、グリッパ部106、グリッパ支持駆動部110、加工エリア部112を備えて構成されている。グリッパ部106は、アライメント処理されたガラス基板1の搬送方向に沿った辺の一方側(図1におけるガラス基板1の下辺側)をエア吸着保持する。グリッパ支持駆動部110は、グリッパ部106に保持されたガラス基板1を加工エリア部112のレーザ光に同期させてし、レーザ加工時にガラス基板1を移動させる。なお、グリッパ支持駆動部110は、ボールネジやリニアモータ等が用いられるが、これらの図示は省略してある。図1では、グリッパ部106及びグリッパ支持駆動部110をガラス基板1の一辺側だけに存在する場合を示しているが、ガラス基板1の両辺側に設けて、ガラス基板1の両辺を吸着するようにしてもよい。
ガラス基板1の移動に同期させて加工エリア部112は、グリッパ部106に保持されエア浮上搬送されるガラス基板1にレーザ光を照射して所定の切断又は割断の加工処理を行う。図では、グリッパ部106に保持されたガラス基板1を、点線で示されたガラス基板1の位置までエア浮上した状態で移動させながら、所定の加工を行う状態が示してある。
ここでの処理は次のように行われる。前段の処理ステージとなる装置から搬送されて来たガラス基板1は、レーザ加工ステーション101でアライメント処理される。アライメント処理されたガラス基板1は、グリッパ部106に保持され、ガラス基板1として加工エリア部112においてエア浮上ステージ10,12によってエア浮上移動されて、所定のスクライブ線の加工処理が施される。グリッパ部106に保持されているガラス基板1に対するレーザ加工処理が終了すると、グリッパ部106に保持されているガラス基板1は、次段の処理装置へ搬送される。
従来は、ガラス基板1を吸着ステージでガラス基板1の裏面全面を支持した状態で、加工を行っているため、加工ビームによってレーザ加工時に吸着ステージまでも加工してしまい、ステージの表面が盛り上がり、ライン状のダメージをステージ自体に与えてしまい、それが経時的な吸着不良などの原因となる恐れがあった。この実施の形態では、これを防止するため、エア浮上ステージ10,12を用い、レーザ加工エリアの下側に空間を設け、加工時の余分なレーザ光をトラップすると共に加工残渣を吸引除去している。
エア浮上ステージ10,12は、エアの吹き出しと吸い込みによりガラス基板1の浮上状態を安定させることができる。また、エア浮上ステージ10,12間におけるレーザ加工エリアは間隙部を形成しているため、エアの流れを制御し、ガラス基板1の姿勢を安定させることができる。特に薄く透明なガラス基板1が、ステージ支持面に搭載されている場合、吸着ステージからの反射信号により、ガラス基板1の上面の信号判定に影響を与え、安定なフォーカスがかからない場合があるが、エア浮上ステージ10,12による支持方法の場合、左右あるいはどちらか片側のみを吸着し、移動させるため、フォーカス信号に影響する外乱がなくなるという効果がある。
加工エリア部112の上部には、レーザヘッド20、レーザシャッター21、アッテネータ22、トラッキングミラー23,24及び局所冷却ノズル付光学系30が設けられている。これらの各構成要素は、図示していないベース部材上に設けられており、局所冷却ノズル付光学系30は図示していない移動部材によって、Z方向へ移動制御されるようになっている。レーザヘッド20で発生したレーザ光は、レーザシャッター21、アッテネータ22及びトラッキングミラー23,24によって局所冷却ノズル付光学系30に導入される。アッテネータ22は、レーザ光パワーを可変減衰するパワー調整光学系である。レーザシャッター21は、レーザ光がガラス基板1から外れた場合にレーザ光の出射を遮蔽する。トラッキングミラー23,24は、レーザヘッド20から出射したレーザ光を所定の位置に誘導する。
図2は、レーザ加工処理を行う図1の加工エリア部を斜め上方から見た外観斜視図である。局所冷却ノズル付光学系30は、導入されたレーザ光をガラス基板1上の加工予定ライン上に導くものである。プリクラック生成部50は、加工予定ライン上のガラス基板1の端部に初期クラックを形成するものである。プリクラック生成部50は、ダイヤモンドなどのカッターを備えており、そのカッターをガラス基板1に打刻することによって、初期クラックを形成する。レーザヘッド20からのレーザ光は、この初期クラックを始点として加工予定ラインに沿ってスキャンされ、フルカット又はハーフカットの割断を形成する。局所冷却ノズル付光学系30は、図2に示すように、エア浮上ステージ10,12の対向部の上側を覆うように設けられている。局所冷却ノズル付光学系30は、レーザ光のX方向の移動に従って移動する移動光学系を備えている。
図3は、図1及び図2の局所冷却ノズル付光学系の概略構成を示す図であり、この局所冷却ノズル付光学系を図2のX方向から見た図である。図4は、図3の局所冷却ノズル付光学系をY方向から見た側面図である。図3及び図4において、局所冷却ノズル付光学系30の筐体部は点線で示してある。局所冷却ノズル付光学系30は、ビームエクスパンダ31、加工ヘッド32、シリンドリカルレンズ33、ガラス基板押圧部材34,35、及び局所冷却ノズル36から構成される。ビームエクスパンダ31、加工ヘッド32及びシリンドリカルレンズ33は、トラッキングミラー24の移動方向に従って局所冷却ノズル付光学系30の上部をX方向に移動する。ビームエクスパンダ31は、レーザヘッド20から出射され、トラッキングミラー24から落射して来るレーザ光をその移動方向に沿った長円状のビームスポット形状に拡大し、加工ヘッド32内のシリンドリカルレンズ33に導入する。加工ヘッド32内のシリンドリカルレンズ33は、拡大加工されたレーザ光をガラス基板1に結像する。
加工ヘッド32には、図示していないレーザ式距離センサが取り付けられており、シリンドリカルレンズ33の初期フォーカスをガラス基板1の表面にフォーカスが合うように加工ヘッド32を上下移動制御している。レーザ式距離センサは、検出光照射用レーザとオートフォーカス用フォトダイオードとから構成され、検出光照射用レーザから照射された光の中でガラス基板1の表面から反射した反射光を受光し、その反射光量に応じて加工ヘッド32の下端部とガラス基板1の表面との間の距離すなわち加工ヘッド32の高さを測定する。
レーザ加工部112では、加工ヘッド32の横に設置されたレーザ式距離センサでガラス基板1の高さ変化を測定し、測定された高さデータに基づいて、ガラス基板1と加工ヘッド32との距離を最適な高さに調整しつつ、ガラス基板1の切断加工を行っている。すなわち、この実施の形態では、加工開始部のガラス基板1の高さ変動を加工ヘッド32の横に設置したレーザ式距離センサで測定し、この測定結果をもとに加工ビーム範囲とフォーカス位置を最適化している。
ガラス基板1の上面におけるうねりなどの変動に従い、局所冷却ノズル付光学系30の焦点深度に応じて加工ヘッド32の高さ範囲を決定し、ガラス基板1の表面と検出光学系との距離を最適に設定する。レーザ加工時は加工ビームのモニタ結果に従って、フォーカス位置調整とともに冷却ノズルまでの位置調整を行うこともできるが、加工開始時と同様に、ガラス基板1の上面変形に倣いながら、その変形データを利用し、加工可能高さに移動させる。これによって移動に伴う高さ距離測定が不要となる。また、レーザスポット径を測定することにより、加工時の冷却位置までの時間変動の低減と加工ヘッドの接触防止を図ることもできる。
なお、フォーカスの調整は加工ヘッド32全体で上下制御してもよいし、シリンドリカルレンズ33のみを上下制御してもよい。局所冷却ノズル36は、加工ヘッド32の側面に取り付けられ、レーザ光による加工箇所に冷媒を拡散して吹き付ける。局所冷却ノズル36は、液体である冷却媒体とキャリアガスを混合し、適量を吹き付けることによって、ガラス基板1の加工表面部を冷却し、割断に有効な応力を発生させることができるようになっている。
ガラス基板押圧部材34,35は、レーザ光による割断ラインの両側を加圧し押さえ、加工時の発熱を割断ライン付近で吸収するものであり、これにより、レーザ光による加工時の発熱による拡散熱を吸収し、拡散する熱によるガラス基板1の変形を防止している。100[μm]以下の薄いガラス基板1をレーザ光加工によってフルカットする場合、単にレーザ光の照射による加熱と冷却のみでは、周辺への熱拡散により、ガラス基板1の熱変形と脆性化がその周辺部へも進むため、良好な加工が得られなかった。そこで、この実施の形態では、ガラス基板押圧部材34,35を加工予定ラインの両側に設け、これによってレーザ光の加工時の発熱を吸収し、拡散する熱を割断ライン付近で吸収することによって、加工時の熱拡散によるガラス基板1の変形を防止している。
図3に示すように、エア浮上ステージ10,12は左右に分割されており、この分かれ目をレーザビームが通過する構造となっているため、エア浮上ステージ10,12の上面のエアの噴出と吸引穴の分布によってガラス基板1の浮上と拘束をおこなっているが、この分かれ目となる中央の間隙部分においても空気の流れが発生するので、ガラス基板1の姿勢を安定に保つことができる。また、ガラス基板押圧部材34,35は、切断予測ラインの近傍を上下できる機構を有するので、規定の高さでガラス基板1と接触させることにより、加工時の熱変形を防止すると共に熱伝達する余分な熱を吸収することができる。加工用ビームのシリンドリカルレンズ33を独立に動作可能にすることによって、ガラス基板1の部分的な変形に対しても良好に追従させることが可能となる。
図5は、光学系の変形例を示す図である。この変形例に係る光学系は、図3及び図4の光学系に新たにレーザダイオード40、コリメータレンズ41、投影マスクパターン42、投影用4分の1波長板(λ/4波長板)43、加工レーザ用4分の1波長板44、偏光ビームスプリッタ45,46、迷光板47,48、CCDカメラ49から構成される位置調整手段を備えたものである。図5において、図3と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。
レーザダイオード40からの出射光であるレーザビームは、コリメータレンズ41、投影マスクパターン42、投影用4分の1波長板43、加工レーザ用4分の1波長板44、偏光ビームスプリッタ45,46、加工ヘッド32のシリンドリカルレンズ33を介してガラス基板1の表面に照射される。ガラス基板1の表面で反射したレーザビームは、再び加工ヘッド32内のシリンドリカルレンズ33を通り、また平行光にもどされて、偏光ビームスプリッタ46、偏光ビームスプリッタ45を通過してCCDカメラ49に入射する。
CCDカメラ49の前面には、ガラス基板1の投影像を結像するために結像レンズが配置されている。なお、投影用4分の1波長板(λ/4波長板)43と、加工レーザ用4分の1波長板44と、偏光ビームスプリッタ45,46との組み合わせは、レーザビームの強度に応じてハーフミラーなどで構成することも可能である。ガラス基板1の表面で反射した反射光は、投影用4分の1波長板43と加工レーザ用4分の1波長板44を2回通過するため、位相がλ/2ずれ、加工光源側(トラッキングミラー24の方向)に戻らないようになる。迷光板47,48は、偏光ビームスプリッタ45,46を透過した光が他に影響を与えないようにするものである。
図5の位置調整手段は、加工ヘッド32をモータ等の駆動系によって上下方向(Z方向)に駆動できる構造をしている。加工ヘッド32が駆動系で上下移動することによって、ガラス基板1の表面でレーザビームの短手幅が変化するので、この幅が最小となった位置を結像位置として設定する。従来のレーザ光によるガラス基板1の切断は、テーブル上にガラス基板1を吸着などにより固定し、ステージをX,Y方向に移動させ所定の位置を切断していた。ガラス基板1は固定しても、搬送による微小な変形を残してため、レーザ式距離センサ(三角測量式)でガラス基板1の表面までの距離を測定している。ガラス基板1の微小に変形した形状に従って焦点位置をガラス面から所定の深さに移動させ、表面形状に追従させている。
一方、レーザ加工を行うビーム形状は細長形状や細いスリット状(長楕円形状を含む)のため、投影されたビーム形状のどこにフォーカスを合わせるか、またガラス表面のうねりもあるので加熱部のガラス加工面温度が異なり、安定しなかった。このため、図5の位置調整手段を用いて、ビームスリットの形状をCCDカメラ49で計測し、全体の高さを調整する焦点粗調整機構と、加工部分(冷却中心までの距離)を調整する光学系を微動させる焦点微調整機構により、クラックを成長させるための加熱温度と位置を安定させ、高温部分から冷却位置までの距離を安定させるようにしてもよい。すなわち、レーザ光源のパワーとレーザ光のスポット面積(縦×横)の関係とガラス基板の板厚、ガラス材料により加工最適条件を先に求めておき、レーザ光軸上に反射像をモニタするCCDカメラ49を設け、ガラス基板1の上に投影したビーム形状、サイズから最適距離を計算し、粗動させることにより加工可能な高さに合わせ(フォーカス位置を合わせ)、最高表面温度位置と冷却位置とまでの距離を安定させたガラス基板1の切断を実現することができる。
レーザ加工に使用する光源は、ガラスに対する熱吸収率の高い炭酸ガスレーザ(Co2レーザ)やYAGレーザ(基本波、第2高調波)が利用される。すなわち、加工ヘッド32を上下させる移動機構の原点をガラス基板1から離れる方向(上側に)設置し、上から下方向に移動することにより、CCDカメラ49からの画像を常時監視し、ビームの特定比率の場所にウィンドウを設け、その幅を計測することにより特定の場所のフォーカス位置に制御するができる。また、フォーカスを見失った場合、必ず原点方向に移動させることにより、ガラス基板1との接触を防止することができる。この機能を利用して、自動的にガラス基板の特定の深さを一定にしたフォーカス位置に移動させることもできる。
図5の変形例では、切断光学ヘッドとなる加工ヘッド32全体をモータ等の駆動により上下方向に駆動できる構造であり、上下移動に従って、ガラス基板1の表面におけるビーム幅、長さが変化し、ビーム幅が最小となった位置が合焦位置である。ガラス基板1は、エア浮上ステージ10,12のエア浮上によってその裏面を支えられており、ガラス基板1の表面により投影したビーム幅の基準からのずれを、高さ計算にしたがって、加工ヘッド32を移動させることによりガラス基板1との間隔をほぼ同一高さにすることができる。また、CCDカメラ49の画面に画像処理のウィンドウを設けることにより冷却位置までの距離をビームの特定の割合位置から一定にし、安定した切断条件を提供する光学系と冷却システムを構築することができる。
ガラス基板1の端部付近を吸着するグリッパ部106の吸着パッドを細かくすることにより、予想される加工予定ラインにかからない場所で基板加工を行うことができ、グリッパ部106の吸着パッドへのダメージを低減させることができる。また、合焦点状態のビーム幅を全体に対する大きさとして予め登録しておけば、結像状態かどうかの判別を切断光学ヘッドの上下移動ステージの位置と関連付けることによって、切断光学ヘッドまたはステージの異常を判定する場合に使用することができる。ガラス切断方法として、加工ヘッド32(切断光学ヘッド)の向きを合わせる回転機構を設けることにより、加工予定ラインに対するずれを、検出し、補正することができる。また、シリンドリカルレンズ33をいずれかの方向に回転可能な機構を設け、レーザ光(ビーム)の向きをCCDカメラ49の画面に基づいて所定の向きとなるように補正を行えるようにしてもよい。
図5の構成は一例であり、同軸光路上に平行にレーザ光を入れ、ガラス基板1上にレーザ加工用ビーム形状を作成するようにしてもよい。ビーム成形にはX方向用とY方向用の2個のシリンドリカルレンズを使用し、各シリンドリカルレンズの焦点距離と回転方向により、間隔を変えて、その幅と長さを任意に変更可能としてもよい。加工中のビーム形状をモニタし、ビーム全体を規定サイズとなるよう光学系30全体の高さを調整する。ビーム全体の割合から特定の位置の平均位置を冷却部位に対し、距離を安定させるよう光学部品の高さを調整することで良好な加工及び割断を行うことができる。
図6は、本発明に一実施の形態に係る脆性基板加工装置の変形例の概略構成を示す図である。図6において、図1と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図6の脆性基板加工装置が図1のものと異なる点は、アッテネータ22から局所冷却ノズル付光学系30までに、レーザ光を導入するためにライドガイドファイバ27を用いた点である。ライドガイドファイバ27は、入射用コリメートレンズと出射用コリメートレンズを付属している。ライドガイドファイバ27を用いることによって、移動する局所冷却ノズル付光学系30へのレーザ光の導入を容易にすることができる。
この実施の形態に係る脆性基板加工装置の動作の一例を説明する。まず、ガラス基板1をグリッパ部106によって2辺を吸着した状態でエア浮上ステージ10,12上に搬送する。ガラス基板1が加工位置に搬送される直前で、プリクラック生成部50によって加工予定ライン上のガラス基板1の端部に初期クラックが形成される。初期クラック形成後に、ガラス基板1をY方向に移動させる。Y方向に移動するガラス基板に対してレーザ式距離センサを直角方向(X方向)に移動させ、加工予定ライン上のガラス基板1の変移を測定する。ガラス基板1の全体の変移を測定することによってオートフォーカス不能な部位を最小化することができる。変移の測定が終了した後にガラス基板1をエア浮上ステージ10,12間の所定の加工位置に移動させる。ガラス基板1の上面にガラス基板押圧部材34,35を接触させ、レーザ加工時のガラス基板1の変形と、加工個所周辺の余分な熱吸収を行う。また、上述の位置調整手段によって加工時におけるガラス基板1の変移を測定し、加工ヘッド32の高さを最適条件に設定し、ガラス基板1の表面に対して所定の高さにフォーカスを合わせるようにする。また、位置調整手段は、レーザ光のビーム状態が所定のサイズとなるように加工ヘッド32の高さを調整することによって、初期クラック部分の加熱・冷却によって応力を与え、ガラス基板1を割断する。さらに、位置調整手段によって、照射レーザ光のパターンを監視することにより、ガラス基板1のクラック成長距離の安定化を図ることができる。ガラス基板1の切断加工が完了した場合、分割後のガラス基板1を破損しないようにグリッパ部106によって移動し、搬送ロボットなどで排出する。グリッパ部106は、ガラス基板1をエア浮上ステージ10,12によって浮上した状態で両端部を吸着しているので、分割後のガラス基板1に余計な応力を与えることなく排出することができる。
1…ガラス基板、
10,12…エア浮上ステージ、
101…レーザ加工ステーション、
106…グリッパ部、
110…グリッパ支持駆動部、
112…加工エリア部、
20…レーザヘッド、
21…レーザシャッター、
22…アッテネータ、
23,24…トラッキングミラー、
27…ライドガイドファイバ、
30…局所冷却ノズル付光学系、
31…ビームエクスパンダ、
32…加工ヘッド、
33…シリンドリカルレンズ、
34…ガラス基板押圧部材、
36…局所冷却ノズル、
40…レーザダイオード、
41…コリメータレンズ、
42…投影マスクパターン、
43…投影用4分の1波長板、
44…加工レーザ用4分の1波長板、
45,46…偏光ビームスプリッタ、
47,48…迷光板、
49…CCDカメラ、
50…プリクラック生成部

Claims (6)

  1. 脆性基板表面にレーザ光を照射することによって前記脆性基板に所定の加工を施す脆性基板加工装置において、
    前記レーザ光を前記脆性基板表面上の加工予定ラインに従って所定速度で移動させながら照射するレーザ照射手段と、
    前記レーザ光の移動後の加熱位置に冷却媒体を吹き付ける冷却手段と、
    前記脆性基板の前記加工予定ラインの両側を押圧すると共に前記レーザ照射によって発生する熱を吸収する押圧手段と
    を備えたことを特徴とする脆性基板加工装置。
  2. 請求項1に記載の脆性基板加工装置において、前記レーザ照射手段は、前記レーザ光を照射する加工ヘッドの高さを前記脆性基板表面に倣いながら移動制御するヘッド位置調整手段を備えたことを特徴とする脆性基板加工装置。
  3. 請求項1又は2に記載の脆性基板加工装置において、前記レーザ光による加工の前後で、前記脆性基板をエアの吹き出しと吸引によりバランスさせて浮上させるエア浮上ステージ手段を備えたことを特徴とする脆性基板加工装置。
  4. 請求項1、2又は3に記載の脆性基板加工装置において、前記レーザ照射手段は、前記レーザ光の経路上に設けられた2個のシリンドリカルレンズ手段及びビームエクスパンダ手段によって規定のサイズ及び細長ビーム形状に変形すると共に前記加工予定ラインに前記レーザ光の長軸が合致するように前記脆性基板表面に照射することを特徴とする脆性基板加工装置。
  5. 請求項2に記載の脆性基板加工装置において、ヘッド位置調整手段は、前記脆性基板表面の反射光に基づいて前記脆性基板表面とレーザ照射手段の加工ヘッドとの相対距離を一定にするように制御することを特徴とする脆性基板加工装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか1に記載の脆性基板加工装置において、前記冷却手段は、液体である冷却媒体とキャリアガスを混合したものを前記脆性基板表面に適量吹き付けることによって、前記脆性基板の加工表面部を冷却し、割断に有効な応力を発生させることを特徴とする脆性基板加工装置。
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