JP2009168230A - ピニオンおよびそれを用いたスタータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ピニオンの2枚の歯が従動ギヤに当接して噛み合う際に、乗り上げ現象による噛み合い不良を回避しつつ、噛み合わせを速やかに行い得るようにして、噛み合い性の向上を図ることができるピニオンおよびそれを用いたスタータを提供する。
【解決手段】ピニオン1は、回転軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて、軸方向に移動することにより従動ギヤとの噛み合いおよび離脱を行うように設けられる。このピニオン1は、従動ギヤの端面に対向する第1端面11aを有する第1の歯11と、第1の歯11の周方向の両隣りに設けられ、ピニオン1が従動ギヤと離脱している状態において第1端面11aより軸方向の反従動ギヤ側にずれた位置に設けられた第2端面12aを有する第2の歯12とを備えている。第1の歯11と第2の歯12は周方向において交互に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】ピニオン1は、回転軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて、軸方向に移動することにより従動ギヤとの噛み合いおよび離脱を行うように設けられる。このピニオン1は、従動ギヤの端面に対向する第1端面11aを有する第1の歯11と、第1の歯11の周方向の両隣りに設けられ、ピニオン1が従動ギヤと離脱している状態において第1端面11aより軸方向の反従動ギヤ側にずれた位置に設けられた第2端面12aを有する第2の歯12とを備えている。第1の歯11と第2の歯12は周方向において交互に設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回転軸上に軸方向に移動可能に配設されて、軸方向に移動することにより従動ギヤとの噛み合いおよび離脱を行うように設けられるピニオンおよびそれを用いたスタータに関する。
自動車等のエンジンを始動させるスタータとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このスタータは、回転力を発生するモータと、モータの出力軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されたピニオンと、モータの通電をON/OFFする電磁スイッチ等により構成されている。そして、電磁スイッチが作動する(電磁力を発生してプランジャを吸引する)と、ピニオンが軸方向に移動して、エンジンのリングギヤ(従動ギヤ)と噛み合うことによりリングギヤを回転させ、エンジンを始動させる。
なお、ピニオンが軸方向に移動した時に、ピニオンの歯がリングギヤに衝突して噛み合うことができない場合には、モータのメイン接点が閉じるまでに、電磁スイッチに内蔵されたドライブスプリングに反力が蓄えられる。その後、メイン接点が閉じてモータが起動すると、そのモータの回転力でピニオンが強制的に回され、リングギヤに噛み合い可能な位置まで回転した時点で、ドライブスプリングに蓄えられた反力によりピニオンが軸方向に押し込まれてリングギヤに噛み合わされる。
このようにスタータに用いられるピニオン5は、図5に示すように、リングギヤとの噛み合い深さを確保するために、歯51の端面51aとピニオン5の反回転方向側の歯面51bとが交わる角部に施された後方側面取り部51cと、歯51の先端面51dと歯51の端面51aと後方側面取り部51cとが交わる角部に施された先端側面取り部51eが設けられている。
ところで、近年、車両の燃費向上あるいは排気エミッションの改善等を目的として、エンジンの停止および再始動を自動制御するエンジン制御システム(エコランシステムとも呼ばれる。)が徐々に採用されつつあることから、スタータの使用回数が増大する傾向にある。そのような状況下で、モータの出力が大きくなると、起動トルクも大きくなり、ピニオン5の回り出し速度が大きくなる。そのため、ピニオン5の歯51の端面51aがリングギヤの端面に当接した状態で長い時間回り過ぎると、モータによるピニオン5の回り出し初速度が速くなり過ぎてしまい、噛み合い耐久性に必要な噛み合い深さが確保できなくなるため、十分な耐久性を確保することができない。
一方、噛み合い耐久性に必要な噛み合い深さを確実に確保するために、ピニオン5の歯51に施される後方側面取り部51cや先端側面取り部51eを大きくすることで、回転方向に放出されるピニオン5の歯51の初速度を抑えることができる。しかし、図6(a)(b)に示すように、リングギヤ6の歯61の端面6aに当接したピニオン5の1枚の歯51が回転して噛み合う際には、その1枚の歯51Aが挿入されようとする時に、その隣りにある2枚目の歯51Bが噛み合いに影響してくる。
図7(a)〜(d)は、ピニオン5の2枚の歯51A、51Bがリングギヤ6の歯61に当接して噛み合いを完了するまでの行程を示す説明図である。図7(a)は、ピニオン5が軸方向に移動して1枚目の歯51Aの端面51aがリングギヤ6の歯61に当接した状態を示している。その後、図7(b)に示すように、モータによりピニオン5が回転して1枚目の歯51Aが挿入可能な位置まで移動しても、2枚目の歯51Bの端面51aがリングギヤ6の歯61に当接した状態にあることから、1枚目および2枚目の歯51A、51Bは共に挿入できない。
そのため、図7(c)に示すように、2枚目の歯51Bが挿入可能な位置まで移動した時に、1枚目の歯51Aおよび2枚目の歯51Bが同時に挿入を開始することとなる。その後、ピニオン5が回転しつつ軸方向に押し込まれることにより、図7(d)に示すように噛み合いを完了する。この場合、図7(b)の段階で1枚目の歯51Aの挿入が遅れる分だけ、噛み合いを完了するまでの時間が長くなるので、スタータによるエンジンの始動が遅くなる。
なお、ピニオン5を回転させるモータの回転力は、ピニオン5がリングギヤ6に当接した後、時間の経過に伴って徐々に大きくなることから、図7(b)の段階で1枚目の歯51Aの挿入が遅れる分だけ、挿入開始時(図7(c))におけるピニオン5の噛み合い回転速度が速くなる。そのため、ピニオン5とリングギヤ6の噛み合い深さ(図7(d)参照。)を十分に確保することが困難になる。
また、図7(b)の段階において、ピニオン5の2枚目の歯51Bがリングギヤ6の歯61の端面61aに当接する前に1枚目の歯51Aの挿入が開始された場合には、2枚目の歯51Bがリングギヤ6の歯61に乗り上げてロック状態になるという乗り上げ現象が発生する。この場合には、ピニオン5全体の歯51の挿入が阻害されるため噛み合い不良となる。
特開2001−248710号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ピニオンの2枚の歯が従動ギヤに当接して噛み合う際に、乗り上げ現象による噛み合い不良を回避しつつ、噛み合わせを速やかに行い得るようにして、噛み合い性の向上を図ることができるピニオンおよびそれを用いたスタータを提供することを解決すべき課題とするものである。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段について、必要に応じて作用および効果等を付記しつつ説明する。
〔手段1〕 回転軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて、軸方向に移動することにより従動ギヤとの噛み合いおよび離脱を行うように設けられるピニオンであって、前記従動ギヤの端面に対向する第1端面を有する第1の歯と、該第1の歯の周方向の両隣りに設けられ、前記ピニオンが前記従動ギヤと離脱している状態において前記第1端面より軸方向の反従動ギヤ側にずれた位置に設けられた第2端面を有する第2の歯と、を備えていることを特徴とするピニオン。
手段1のピニオンは、第1の歯の従動ギヤ側の第1端面と第2の歯の従動ギヤ側の第2端面が軸方向にずれた位置に設定されている。そのため、このピニオンが軸方向に移動して従動ギヤと当接する際には、通常、第1端面および第2端面の内で従動ギヤ側(軸方向外方側)に位置している第1端面が先に当接する。その状態で、ピニオンが回転して第1の歯が挿入可能な位置まで移動した時には、その隣りにある第2の歯の第2端面は、第1端面よりも反従動ギヤ側(軸方向内方側)に位置しているので、従動ギヤの歯の端面に当接しない。そのため、第2の歯が従動ギヤの歯に乗り上げるという乗り上げ現象も発生しなくなる。これにより、挿入可能な位置まで移動した第1の歯は、第2の歯に影響されること無く直ちに挿入を開始し、従動ギヤとの噛み合いを速やかに完了する。
したがって、手段1によれば、ピニオンの2枚の歯が従動ギヤに当接して噛み合う際に、乗り上げ現象による噛み合い不良を回避しつつ、噛み合わせを速やかに行うことができるので、噛み合い性の向上を図ることができる。
なお、手段1のピニオンにおいて、第1の歯の第1端面は、通常、軸と直角の平面と平行になるように設けられるが、任意の位置に設定することができ、ピニオン端面から軸方向内方へ離れた位置に設けても、軸方向外方へ離れた位置に設けてもよい。また、第2の歯の第2端面も、第1の歯の第1端面の場合と同様に、任意の位置に設定することができる。また、軸方向における第1端面と第2端面とのずれ量は、上記の乗り上げ現象を回避できる量を目安に設定される。
〔手段2〕 前記第1の歯と前記第2の歯が周方向において交互に設けられていることを特徴とする手段1に記載のピニオン。
手段2によれば、ピニオンの歯数が偶数となり、第2の歯よりも従動ギヤとの噛み合い深さが大きくなる第1の歯を最大限多く設けることができるので、従動ギヤとの安定的な噛み合い性を確保することができる。
〔手段3〕 軸方向への移動により前記第1端面および前記第2端面の少なくとも一方が前記従動ギヤに当接した時に、前記ピニオンの回転力が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように設定されていることを特徴とする手段1または2に記載のピニオン。
手段3によれば、従動ギヤに最初に当接した第1の歯または第2の歯が挿入可能位置に到達して挿入を開始する時の、ピニオンの噛み合い回転速度が、それほど速くなっていないので、ピニオンと従動ギヤとの十分に大きな噛み合い深さを確保することが可能となる。これにより、噛み合い耐久性に必要な噛み合い深さの確保が可能となり、耐久性の向上を図ることができる。
〔手段4〕 前記第1端面は、ピニオン端面と同一面上に設けられていることを特徴とする手段1〜3の何れかに記載のピニオン。
手段4によれば、第1端面および第2端面がピニオン端面から軸方向外方へ突出していない構造であるため、ピニオンの作製が容易になる。
〔手段5〕 前記第2端面は、前記第1端面から軸方向内方側へずれた位置に設けられていることを特徴とする手段1〜4の何れかに記載のピニオン。
手段5によれば、第2端面が軸方向内方へずれた分だけ、第2の歯の軸方向長さが小さくなるため、ピニオンを軽量化することができる。これにより、従動ギヤと噛み合う時の噛み合い重量が低減し、衝撃力が緩和されるので、更に噛み合い性に有利となる。
〔手段6〕 前記第1の歯は、ピニオンの反回転方向側の歯面と前記第1端面とが交わる角部に施された第1後方側面取り部を有することを特徴とする手段1〜5に記載のピニオン。
手段6によれば、第1の歯の挿入可能位置までの移動距離が、第1後方側面取り部の周方向長さ分だけ短くなるので、第1の歯が挿入可能位置へ速く到達することができる。これにより、第1の歯の十分に大きな噛み合い深さを確保することができる。なお、第1端面が従動ギヤに当接した時に、ピニオンの回転力が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように設定されている場合には、第1の歯の挿入開始時におけるピニオンの噛み合い回転速度がそれほど速くなっていないので、十分な噛み合い深さを更に有利に確保することができる。
〔手段7〕 前記第1の歯は、歯の先端面と前記第1端面と前記第1後方側面取り部とが交わる角部に施された第1先端側面取り部を有することを特徴とする手段7に記載のピニオン。
手段7によれば、ピニオンが従動ギヤと噛み合う時に、第1の歯が従動ギヤの歯に乗り上げてしまう乗り上げ現象を回避することができる。また、ピニオンと従動ギヤが衝撃的に噛み合った時に、第1の歯の先端部に欠けが発生するのを防止することができるので、耐久性の向上を図ることができる。
〔手段8〕 前記第2の歯は、ピニオンの反回転方向側の歯面と前記第2端面とが交わる角部に施された第2後方側面取り部を有することを特徴とする手段1〜7の何れかに記載のピニオン。
手段8によれば、第2の歯の挿入可能位置までの移動距離が、第2後方側面取り部の周方向長さ分だけ短くなるので、第2の歯が挿入可能位置へ速く到達することができる。これにより、第2の歯の十分に大きな噛み合い深さを確保することができる。なお、第2端面が従動ギヤに当接した時に、ピニオンの回転力が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように設定されている場合には、第2の歯の挿入開始時におけるピニオンの噛み合い回転速度がそれほど速くなっていないので、十分な噛み合い深さを更に有利に確保することができる。
〔手段9〕 前記第2の歯は、歯の先端面と前記第2端面と前記第2後方側面取り部とが交わる角部に施された第2先端側面取り部を有することを特徴とする手段8に記載のピニオン。
手段9によれば、ピニオンが従動ギヤと噛み合う時に、第2の歯が従動ギヤの歯に乗り上げてしまう乗り上げ現象を回避することができる。また、ピニオンと従動ギヤが衝撃的に噛み合った時に、第2の歯の先端部に欠けが発生するのを防止することができるので、耐久性の向上を図ることができる。
〔手段10〕 冷間鍛造法により作製されていることを特徴とする手段1〜9の何れかに記載のピニオン。
手段10によれば、加工工数が少なく、簡易にピニオンを作製することができ、コストの低減化も可能となる。
〔手段11〕 回転力を発生するモータと、該モータの出力軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて軸方向に移動することによりエンジンのリングギヤとの噛み合いおよび離脱を行うピニオンとを備えたスタータにおいて、前記ピニオンとして、手段1〜10の何れかに記載のピニオンが用いられていることを特徴とするスタータ。
手段11のスタータによれば、手段1〜10の何れかに記載のピニオンが用いられているため、ピニオンの2枚の歯がリングギヤに当接して噛み合う際に、乗り上げ現象による噛み合い不良を回避しつつ、噛み合わせを速やかに行うことができるので、噛み合い性の向上を図ることができる。また、手段2〜10に記載のピニオンが用いられている場合には、手段2〜10に記載のそれぞれのピニオンの特徴に応じた上記の作用および効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図1は実施形態1に係るピニオンの従動ギヤと当接する端面側から見た部分斜視図である。本実施形態のピニオン1は、回転軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて、軸方向に移動することにより従動ギヤ(図示せず)との噛み合いおよび離脱を行うように設けられるものである。このピニオン1は、図1に示すように、円筒状の基部10と、基部10の外周面上に周方向において所定のピッチで交互に設けられた第1の歯11と第2の歯12とを備えている。
図1は実施形態1に係るピニオンの従動ギヤと当接する端面側から見た部分斜視図である。本実施形態のピニオン1は、回転軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて、軸方向に移動することにより従動ギヤ(図示せず)との噛み合いおよび離脱を行うように設けられるものである。このピニオン1は、図1に示すように、円筒状の基部10と、基部10の外周面上に周方向において所定のピッチで交互に設けられた第1の歯11と第2の歯12とを備えている。
第1の歯11は、軸方向の一端側に、ピニオン1が軸方向に移動した時に従動ギヤの端面と当接する第1端面11aを有する。この第1端面11aは、基部10の端面(ピニオン端面)と同一面上に設けられている。そして、ピニオン1の反回転方向側の歯面11bと第1端面11aとが交わる角部には、第1後方側面取り部11cが設けられている。この第1後方側面取り部11cは、第1の歯11の断面積に対して約80%を占めるように大きく形成されている。また、第1の歯11の先端面11dと第1端面11aと第1後方側面取り部11cとが交わる角部には、第1先端側面取り部11eが設けられている。
一方、第2の歯12の従動ギヤ側に形成された第2端面12aは、第1端面11aから軸方向内方側へ所定距離ずれた位置に設けられている。第1端面11aと第2端面12aとのずれの距離は、上記の乗り上げ現象を回避できる量を目安に設定される。
本実施形態のピニオン1は、加工工数が少なく簡易に作製することができ、コストの低減化が可能な冷間鍛造法により作製されている。
以上のように構成された本実施形態のピニオン1は、図2に示すスタータに適用されている。このスタータは、回転力を発生するモータ2と、モータ2の通電をON/OFFする図示しない電磁スイッチ等を備えており、モータ2の出力軸上に、上記ピニオン1が回転可能に、且つ図示しないシフトレバーやドライブスプリング等により軸方向に移動可能に配設されている。そして、電磁スイッチが作動する(電磁力を発生してプランジャを吸引する)と、ピニオン1が軸方向に移動して、図示しないエンジンのクランクシャフトに連結された回転軸3に取り付けられたリングギヤ4(従動ギヤ)と噛み合うことにより、リングギヤ4やクランクシャフトを回転させ、エンジンを始動させる。
なお、ピニオン1が軸方向に移動した時に、ピニオン1の歯11、12がリングギヤ4に衝突して噛み合うことができない場合には、モータ2のメイン接点が閉じるまでに、電磁スイッチに内蔵されたドライブスプリングに反力が蓄えられる。その後、メイン接点が閉じてモータが起動すると、そのモータ2の回転力でピニオン1が強制的に回され、リングギヤ4に噛み合い可能な位置まで回転した時点で、ドライブスプリングに蓄えられた反力によりピニオン1が軸方向に押し込まれてリングギヤ4に噛み合わされる。
なお、本実施形態においては、ピニオン1が軸方向に移動して第1端面11aおよび第2端面12aの少なくとも一方がリングギヤ4に当接した時に、ピニオン1の回転力が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように設定されている。
次に、上記スタータに用いられたピニオン1の2枚の歯がリングギヤ4に当接して噛み合う場合を、図3(a)〜(c)を参照しつつ説明する。図3(a)は、ピニオン1が軸方向に移動して、第2の歯12の第2端面12aよりも軸方向外方側に位置する第1の歯11の第1端面11aが、リングギヤ4の歯41の端面に当接した状態を示している。
そして、その状態で、図3(b)に示すように、モータ2によりピニオン1が回転して第1の歯11が挿入可能な位置まで移動すると、第2の歯12の第2端面12aがリングギヤ4の歯41の端面に当接しておらず、第2の歯12の乗り上げ現象が発生することもないので、第1の歯11は、第2の歯12に影響されること無く直ちに挿入を開始し、図3(c)に示すように、リングギヤ4との噛み合いを速やかに完了する。
本実施形態の場合、第1の歯11の第1端面11aがリングギヤ4に当接した時に、ピニオン1の回転力が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように設定されているため、第1の歯11が挿入可能位置に到達して挿入を開始する時の、ピニオン1の噛み合い回転速度が、それほど速くなっていない。そのため、噛み合い耐久性に必要な、ピニオン1とリングギヤ4との十分に大きな噛み合い深さが確保されている(図3(c)参照。)。
以上のように、本実施形態のピニオン1は、リングギヤ4の端面に対向する第1端面11aを有する第1の歯11と、第1端面11aより反リングギヤ4側にずれた位置に設けられた第2端面12aを有する第2の歯12とを備えているため、ピニオン1の2枚の歯がリングギヤ4に当接して噛み合う際に、乗り上げ現象による噛み合い不良を回避しつつ、噛み合わせを速やかに行うことができるので、噛み合い性の向上を図ることができる。
本実施形態においては、第1の歯11と第2の歯12が周方向において交互に設けられていることから、第2の歯12よりもリングギヤ4との噛み合い深さが大きくなる第1の歯11を最大限多く設けることができるので、リングギヤ4との安定的な噛み合い性を確保することができる。
また、第1の歯11の第1端面11aは、基部10の端面と同一面上に設けられていることから、第1端面11aおよび第2端面12aが基部10の端面から軸方向外方へ突出していない構造であるため、ピニオン1の作製が容易になる。また、第2の歯12の第2端面12aは、第1端面11aから軸方向内方側へずれた位置に設けられているため、第2の歯12の軸方向長さが小さくなった分だけ、ピニオン1を軽量化することができるので、更に噛み合い性に有利となる。
そして、本実施形態のピニオン1は、第1端面11aおよび第2端面12aの少なくとも一方がリングギヤ4に当接した時に、モータ2によるピニオン1の回転力が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように設定されているため、噛み合い耐久性に必要な、ピニオン1とリングギヤ4との十分に大きな噛み合い深さを確保することができ、耐久性の向上を図ることができる。
特に、本実施形態においては、第1の歯11に第1後方側面取り部11cが設けられていることから、第1の歯11の挿入可能位置までの移動距離が、第1後方側面取り部11cの周方向長さ分だけ短くなるので、第1の歯11が挿入可能位置へ速く到達することができ、十分に大きな噛み合い深さを更に有利に確保することができる。
また、第1の歯11には第1先端側面取り部11eが設けられているため、ピニオン1がリングギヤ4と噛み合う時に発生し易い上記の乗り上げ現象を有利に回避することができる。さらに、ピニオン1とリングギヤ4が衝撃的に噛み合った時に、歯の先端部に発生し易い欠けや損傷を防止することができるため、耐久性の向上を図ることができる。
そして、本実施形態のスタータによれば、上記のように噛み合わせを速やかに行うことができ、噛み合い性に優れたピニオン1が用いられているため、エンジンの始動を速やかに行うことができる。
〔実施形態2〕
図4は実施形態2に係るピニオンの従動ギヤと当接する端面側から見た部分斜視図である。本実施形態のピニオン1は、図4に示すように、図1に示す実施形態1のピニオン1と基本的構成が同じであるが、第2の歯12に対して、第2後方側面取り部12cと第2先端側面取り部12eが付加されている点でのみ異なる。よって、実施形態1と共通する部位や構成等については、図1と同じ符号を図4に付して詳しい説明は省略し、以下、異なる点を説明する。
図4は実施形態2に係るピニオンの従動ギヤと当接する端面側から見た部分斜視図である。本実施形態のピニオン1は、図4に示すように、図1に示す実施形態1のピニオン1と基本的構成が同じであるが、第2の歯12に対して、第2後方側面取り部12cと第2先端側面取り部12eが付加されている点でのみ異なる。よって、実施形態1と共通する部位や構成等については、図1と同じ符号を図4に付して詳しい説明は省略し、以下、異なる点を説明する。
第2後方側面取り部12cは、ピニオン1の反回転方向側の歯面12bと第2端面12aとが交わる角部に設けられており、第1の歯11に設けられた第1後方側面取り部11cと同様に形成されている。また、第2先端側面取り部12eは、第2の歯12の先端面12dと第2端面12aと第2後方側面取り部12cとが交わる角部に設けられており、第1の歯11に設けられた第1先端側面取り部11eと同様に形成されている。
本実施形態のピニオン1は、第2の歯12に第2後方側面取り部12cが設けられていることから、第2の歯12の挿入可能位置までの移動距離が、第2後方側面取り部12cの周方向長さ分だけ短くなるので、第2の歯12が挿入可能位置へ速く到達することができる。これにより、第2の歯12の十分に大きな噛み合い深さを更に有利に確保することができる。
また、本実施形態のピニオン1は、第2の歯12に第2先端側面取り部12eが設けられているため、ピニオン1がリングギヤ4と噛み合う時に発生し易い上記の乗り上げ現象を有利に回避することができる。さらに、ピニオン1とリングギヤ4が衝撃的に噛み合った時に、歯の先端部に発生し易い欠けや損傷を防止することができるため、耐久性の向上を図ることができる。
1…ピニオン 10…基部 11…第1の歯 11a…第1端面 11b…歯面 11c…第1後方側面取り部 11d…先端面 11e…第1先端側面取り部 12…第2の歯 12a…第2端面 12b…歯面 12c…第2後方側面取り部 12d…先端面 12e…第2先端側面取り部 2…モータ 3…回転軸 4…リングギヤ
Claims (11)
- 回転軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて、軸方向に移動することにより従動ギヤとの噛み合いおよび離脱を行うように設けられるピニオンであって、
前記従動ギヤの端面に対向する第1端面を有する第1の歯と、該第1の歯の周方向の両隣りに設けられ、前記ピニオンが前記従動ギヤと離脱している状態において前記第1端面より軸方向の反従動ギヤ側にずれた位置に設けられた第2端面を有する第2の歯と、を備えていることを特徴とするピニオン。 - 前記第1の歯と前記第2の歯が周方向において交互に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のピニオン。
- 軸方向への移動により前記第1端面および前記第2端面の少なくとも一方が前記従動ギヤに当接した時に、前記ピニオンの回転力が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のピニオン。
- 前記第1端面は、ピニオン端面と同一面上に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のピニオン。
- 前記第2端面は、前記第1端面から軸方向内方側へずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のピニオン。
- 前記第1の歯は、ピニオンの反回転方向側の歯面と前記第1端面とが交わる角部に施された第1後方側面取り部を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のピニオン。
- 前記第1の歯は、歯の先端面と前記第1端面と前記第1後方側面取り部とが交わる角部に施された第1先端側面取り部を有することを特徴とする請求項6に記載のピニオン。
- 前記第2の歯は、ピニオンの反回転方向側の歯面と前記第2端面とが交わる角部に施された第2後方側面取り部を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のピニオン。
- 前記第2の歯は、歯の先端面と前記第2端面と前記第2後方側面取り部とが交わる角部に施された第2先端側面取り部を有することを特徴とする請求項8に記載のピニオン。
- 冷間鍛造法により作製されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のピニオン。
- 回転力を発生するモータと、該モータの出力軸上に回転可能且つ軸方向に移動可能に配設されて軸方向に移動することによりエンジンのリングギヤとの噛み合いおよび離脱を行うピニオンと、を備えたスタータにおいて、
前記ピニオンとして、請求項1〜10の何れかに記載のピニオンが用いられていることを特徴とするスタータ。
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