JP2009167849A - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランクシャフトへの異物の進入を抑制し、クランクシャフトの焼付き等を抑制する。
【解決手段】オイルホール6が、ホール60と、潤滑油の旋回流を発生させる渦室61とを有していることから、渦室61に供給された潤滑油は、渦室61内で旋回するため、潤滑油内に含まれる異物を遠心分離することができる。したがって、異物を含まない潤滑油を油給油孔4aに供給することができるので、クランクシャフト3への異物の進入を抑制し、クランクシャフト3の焼付き等を抑制することが可能である。
【選択図】図1
【解決手段】オイルホール6が、ホール60と、潤滑油の旋回流を発生させる渦室61とを有していることから、渦室61に供給された潤滑油は、渦室61内で旋回するため、潤滑油内に含まれる異物を遠心分離することができる。したがって、異物を含まない潤滑油を油給油孔4aに供給することができるので、クランクシャフト3への異物の進入を抑制し、クランクシャフト3の焼付き等を抑制することが可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の潤滑構造に関し、特に、内燃機関本体に形成された潤滑油路を通じて摺動部の油給油口に潤滑油を供給する内燃機関の潤滑構造に関する。
車両等に搭載される内燃機関(以下、「エンジン」ともいう)においては、クランクシャフトやコネクティングロッド等のベアリング、給排気バルブ等の動弁系におけるカム部等の摺動部に潤滑油を供給する潤滑構造が用いられている。このエンジンの潤滑構造においては、一般に、エンジンの下部に配置のオイルパンに貯留された潤滑オイルを、エンジンの運転時に、オイルストレーナを介してオイルポンプによって汲み上げ、その潤滑オイルをオイルフィルタにて浄化した後に、クランクシャフトやコネクティングロッドのベアリング等の各摺動部に供給する。
例えば、クランクシャフトの潤滑構造は、シリンダブロックの上部中央に形成されたメインオイルホールと、このメインオイルホールとクランクシャフトに設けられるクランクベアリングとの間を連通するオイルホール(潤滑油路)とを有しており、オイルパンからオイルポンプにて汲み上げられた潤滑油が、メインオイルホール→オイルホール→クランクベアリングの順に流れるようになっている。
ところで、上述した潤滑構造では、オイルポンプ→メインオイルホール→オイルホール→クランクベアリングの順で潤滑油が流れるため、エンジン工場などで組付けた後の初運転時や、エンジンの運転初期時などにおいて、オイルホール内の金属屑等の異物がクランクベアリングに進入し、最悪の場合、クランクベアリングが焼付くという問題が発生するおそれがある。この焼付きの問題は、特に過給ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の筒内圧力が高いエンジンで顕著となる。また、エンジンの他の摺動部についても、運転初期時等においてオイルホール中の異物が進入するという問題が発生するおそれがある。
なお、前述したオイルストレーナやオイルフィルタは、オイルパンからオイルポンプにて汲み上げられた潤滑油中に含まれる異物をシリンダブロックの手前で捕捉するものであるから、これらによってオイルホール内の異物のクランクベアリングへの進入を阻止することはできない。
これを解決するための技術として、特許文献1には、潤滑油路(オイルホール)を、油給油口に連通する分岐油路と、油給油口とは異なる部位に導かれる分岐油路と、に分岐させた技術が開示され、特許文献2には、オイルの経路に整流作用のある突起部を形成し、異物を異物排出路に集める技術が開示されている。また、特許文献3には、クランク部にオイルを受け渡すための受け渡し皿をクランク部に取り付け、クランク軸の回転中に、受け渡し皿内でオイルから遠心分離された異物を保持する異物溜まりを受け渡し皿に設ける技術が開示されている。
特許文献3の技術のように、遠心分離を用いてオイルから異物を分離する方法は、非常に効果的であるものと考えられる。しかしながら、特許文献3の技術は、クランク軸の回転力を利用してオイルから異物を遠心分離するため、特許文献1、2に記載のクランクベアリングの潤滑構造のように回転力を利用できない構造において特許文献3の技術を適用することは難しい。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、摺動部への異物の進入を抑制し、摺動部の焼付き等を抑制することが可能な内燃機関の潤滑構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関の潤滑構造は、内燃機関本体に形成された潤滑油路を通じて摺動部の油給油口に潤滑油を供給するものであり、前記潤滑油路の前記油給油口の手前側には、前記潤滑油の旋回流を発生させる渦室が設けられていることを特徴とする。
これによれば、渦室に供給された潤滑油は、渦室内で旋回するため、潤滑油内に含まれる異物を遠心分離することができる。したがって、異物を含まない潤滑油を油給油口に供給することができるので、摺動部への異物の進入を抑制し、摺動部の焼付き等を抑制することが可能となる。
この場合において、前記渦室は、断面略円形の内周面を有し、前記潤滑油は、前記渦室に供給される際に、前記渦室の前記断面略円形の内周面の少なくとも一部に沿って供給されるようにすることができる。かかる場合には、渦室内で潤滑油の旋回流を発生させるための特別な装置等を別途用意することなく、旋回流を発生させることができる。
この場合において、前記渦室の底面の中央部近傍から、前記油給油口に向けて前記潤滑油が排出されるようにすることができる。かかる場合には、異物が遠心分離された潤滑油を効果的に油給油口に向けて排出することが可能となる。
この場合において、前記渦室の底面における前記内周面近傍の少なくとも一部が、他の部分よりも重力方向に関して低く設定されていることとすることができる。かかる場合には、渦室内で潤滑油から遠心分離された異物を、内周面近傍に堆積させることができるので、異物が除去された潤滑油を底面中央部近傍から油給油口に向けて効果的に排出することが可能となる。
また、前記渦室の底面の内周面近傍には、環状の堰が設けられていることとすることができる。かかる場合には、例えば、内燃機関の停止時に油圧が抜けてオイルが渦室から無くなると同時に、異物が摺動部側に流入しそうになっても、渦室内で潤滑油から遠心分離された異物を、渦室の内周面と堰との間に堆積させることができる。
本発明によれば、摺動部への異物の進入を抑制し、摺動部の焼付き等を抑制することが可能な内燃機関の潤滑構造を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の内燃機関の潤滑構造を適用したエンジンのシリンダブロックを模式的に示す図である。
この図1のエンジン1は、クランクシャフト3を中心として左右一対のバンク21,22がV字状に設けられたV型エンジンである。エンジン1のシリンダブロック2にはクランクケース23が一体形成されている。クランクケース23の中央部には、クランクシャフト(クランクジャーナル)3を支持するクランクベアリング4が設けられている。
クランクベアリング4は、アッパベアリング41及びロアベアリング42によって構成されている。クランクベアリング4(アッパベアリング41)には、ベアリング外周面と内周面とを連通する油給油孔(油供給口)4a(アッパベアリング41を下方から見た状態を示す図2参照)が形成されており、クランクベアリング4の内周面に沿って潤滑油溝4bが形成されている。
クランクシャフト(クランクジャーナル)3は、シリンダブロック2とクランクキャップ24によって上下から挟み込まれた状態で、アッパベアリング41及びロアベアリング42によって回転可能に支持されている。
シリンダブロック2の上部中央(一対のバンク21,22の交差部)には、メインオイルホール5が形成されている。このメインオイルホール5には、オイルパン(不図示)からオイルポンプ(不図示)にて汲み上げられた潤滑油が供給される。
また、シリンダブロック2にはクランクベアリング4に給油を行うためのオイルホール6が形成されている。オイルホール6の上端部はメインオイルホール5に連通している。また、オイルホール6は、図1及び図1のオイルホール6の下端部近傍を拡大して斜視図にて示す図3から分かるように、メインオイルホール5から下方(鉛直方向)に向けて直線状に延びるホール60と、そのホール60の下端部に設けられた渦室61と、によって構成されている。
渦室61は、断面略円形の内周面を有する凹部81と、アッパベアリング41の上面とにより囲まれた空間をいう。この場合、渦室61の底面がアッパベアリング41の上面により構成されているので、底面の内周面近傍(紙面左右方向の内周面近傍)が、その他の部分よりも重力方向に下がった状態となっている。また、アッパベアリング41に形成された油給油孔4aは、渦室61の軸心(底面中央部)とほぼ一致するように設定されている。
また、図3に示すように、ホール60の下端には、導通管43が設けられている。この導通管43は、渦室61の横断面図である図4に示すように、渦室61の凹部81の内周面に沿うように設けられている。この導通管43としては、シリンダブロック2の一部を加工することにより構成しても良いし、シリンダブロック2とは別部材により製造してホール60の下端に取り付けることとしても良い。なお、図1、図5では、図示の便宜上、導通管43の図示を省略している。
上述のように構成されるオイルホール6では、ホール60を通過する潤滑油が、導通管43を経由して凹部81の内周面に沿うように渦室61内に供給される。したがって、渦室61内では潤滑油の旋回流が生じることから、渦室61内の潤滑油中に含まれる異物(金属屑等)が遠心分離され、図5に示すように、渦室61の内周面近傍に堆積する(図5の符号C参照)。これにより、油給油孔4aには、異物の除去された潤滑油が供給されるようになる。
このように、本実施形態では、油給油孔4aに対して異物が除去された潤滑油を供給することができるので、クランクシャフト3への異物の進入を抑制し、クランクシャフト3の焼付き等を抑制することが可能である。
また、本実施形態によると、渦室61の底面の内周面近傍がその他の部分よりも重力方向下方に位置しているため、潤滑油内の異物が堆積しやすくなっている。また、油給油孔4aが、渦室61の軸心とほぼ一致する位置(底面のほぼ中心位置)に設けられているので、異物の除去された潤滑油を効果的にクランクシャフト3に供給することができる。
また、本実施形態の渦室61は、その底面がクランクベアリング4の一部により構成されていることから、クランクベアリング4(アッパベアリング41)を取り外すのみで、渦室61内に堆積した金属等の異物を回収することが可能である。
なお、上記実施形態では、渦室61内に、図6に示すような環状の堰65を設けることとしても良い。これにより、エンジン停止時に油圧が抜けてオイルが渦室61から無くなっていくと同時に、異物がクランクベアリング4側に流入しそうになっても、堰65によって、その異物の流入を抑制することができる。この場合、堰65は、図6に示すようにアッパベアリング41の上面に設けることとしても良いし、堰65と凹部81の一部とを連結することにより、堰65をシリンダブロック2側に設けることとしても良い。
なお、上記実施形態では、渦室61をホール60の下端部に設ける場合(渦室61の底面をクランクベアリング4により構成する場合)について説明したが、これに限らず、渦室61をホール60の途中に形成することとしても良い。
また、上記実施形態では、渦室61が断面円形の形状を有し、渦室61の内周面に沿うように潤滑油を供給することで渦室内に潤滑油の旋回流を形成する場合について説明したが、これに限らず、潤滑油の旋回流を形成することが可能な機構であれば、渦室として別の構成(渦室の底面に旋回流を形成する溝や仕切りを設けるなど)を採用することとしても良い。
なお、上記実施形態では、クランクベアリングに潤滑油を供給する潤滑構造に本発明の潤滑構造が適用された場合について説明したが、これに限らず、シリンダブロックやシリンダヘッド等のエンジン本体の内部に形成されたオイルホールを通じて潤滑油が供給される他の摺動部の潤滑構造に本発明の潤滑構造を適用することとしても良い。
また、上記実施形態では、V型エンジンに本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、直列多気筒エンジンにも本発明を適用することが可能である。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
1 エンジン(内燃機関本体)
6 オイルホール(潤滑油路)
61 渦室
4 クランクベアリング
4a 油給油孔(油給油口)
65 堰
6 オイルホール(潤滑油路)
61 渦室
4 クランクベアリング
4a 油給油孔(油給油口)
65 堰
Claims (5)
- 内燃機関本体に形成された潤滑油路を通じて摺動部の油給油口に潤滑油を供給する内燃機関の潤滑構造において、
前記潤滑油路の前記油給油口の手前側には、前記潤滑油の旋回流を発生させる渦室が設けられていることを特徴とする内燃機関の潤滑構造。 - 前記渦室は、断面略円形の内周面を有し、
前記潤滑油は、前記渦室に供給される際に、前記渦室の前記断面略円形の内周面の少なくとも一部に沿って供給されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記渦室の底面の中央部近傍から、前記油給油口に向けて前記潤滑油が排出されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の潤滑構造。
- 前記渦室の底面における前記内周面近傍の少なくとも一部が、他の部分よりも重力方向に関して低く設定されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の潤滑構造。
- 前記渦室の底面の内周面近傍には、環状の堰が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の潤滑構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008005024A JP2009167849A (ja) | 2008-01-11 | 2008-01-11 | 内燃機関の潤滑構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011064248A (ja) * | 2009-09-16 | 2011-03-31 | Otics Corp | 軸受構造 |
JP2012215111A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Honda Motor Co Ltd | V型エンジン |
-
2008
- 2008-01-11 JP JP2008005024A patent/JP2009167849A/ja active Pending
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