JP2009167348A - メロシアニン色素及び光電変換素子 - Google Patents

メロシアニン色素及び光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な構造のメロシアニン色素を提供し、更に、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子において、前記光電変換膜が、上記メロシアニン色素を含有することで構成される光電変換素子を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるメロシアニン色素、該色素を含む色素薄膜、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子の前記光電変換層に該色素を含有する光電変換素子。
一般式(1)
【化1】
Figure 2009167348

(式中、Aは2価の原子団を表し、nは1〜3の整数を表し、A〜Aはそれぞれ独立に芳香族炭化水素環、または炭素数3〜18のヘテロ環を表す。R11、R12は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、メロシアニン色素および一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた有機光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子に関する。
メロシアニン色素は多種多様な構造とその色調により広範な用途に用いられてきた。特に、選択性の高い吸収スペクトルと大きな吸収スペクトルを持つことから光吸収材料として有用で、その増感能を生かした銀塩写真の分野においては様々な構造のものが提案されてきた。シアニン系の色素の中でも、メロシアニン色素はイオン対構造を持たないことから、蒸着法による有機エレクトロデバイス作成が可能であり、その性質を応用して有機エレクトロニクス材料として光電変換素子に応用したものが特許文献1、特許文献2に提案されている。
従来の可視光センサは、Siなどの半導体中にPN接合を形成するなどして光電変換素子を形成して作成したものが一般的であり、固体撮像素子としては、半導体中に光電変換素子を2次元的に配列し、各光電変換素子で光電変換により発生した信号をCCDやCMOS形式により読み出す、平面型受光素子が広く用いられている。しかしながらこれらの素子系では微細化に伴い、開口率が減少する、レンズ等の付加装置が必要になる等の問題があった。改良法は種々提案されているが、光利用効率が悪いなどの欠点が残ってしまう。
これらの欠点を解決するためには、読み出し回路層の上方に、光電変換素子を全面に設け、全面で吸収した光を光電変換素子で電気信号に変換し、下方の読み出し回路で読み出す方法が、特許文献1に開示されている。
光電変換材料として有機色素を用いる場合には、その吸収選択性を生かした感度の波長選択性が有用であり、さらにはカラーフィルターを用いずに使用することも可能であり、コスト、デバイス性能の点で有利となる。有機色素は無機感光材料に対して吸光係数が大きい点も重要であり、これを生かした感光層薄膜化により、得られた光信号の高品質化も期待できる。
光電変換素子にメロシアニン色素を使用した例としては特許文献2及び3、非特許文献1が挙げられるが、その光電変換性能は充分ではなかった。
特開2003−332551号公報 特開2006−086160号公報 特開2007−234650号公報 The Journal of Physical Chemistry 1984年、88巻、923頁。
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであり、新規な構造のメロシアニン色素を得ること、およびこれを用いることにより、高い感度、特徴ある分光感度特性、低い暗電流、早い応答速度を持つ光電変換素子を得ることであ。
本発明は新規な構造のメロシアニン色素を得ること、更に、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子において、前記光電変換膜が、上記メロシアニン色素を含有することで構成される光電変換素子を得ることである。本発明の上記課題は下記の手段によって達成された。
(1) 下記一般式(1)で表されることを特徴とするメロシアニン色素。
一般式(1)
Figure 2009167348
(式中、Aは2価の原子団を表し、nは1〜3の整数を表し、A〜Aはそれぞれ独立に芳香族炭化水素環、または炭素数3〜18のヘテロ環を表し、nは1〜3の整数を表す。R11、R12は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表す。)
(2) 下記一般式(2)で表されることを特徴とする(1)に記載のメロシアニン色素。
一般式(2)
Figure 2009167348
(式中、Aは2価の原子団を表し、nは1〜3の整数を表し、R11〜18は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表す。)
(3) 下記一般式(3)で表されることを特徴とする(2)に記載のメロシアニン色素。
一般式(3)
Figure 2009167348
(式中、Bは環構造を表し、R21〜R28は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表し、nは1〜3の整数を表す。)
(4) 染料または顔料であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のメロシアニン色素。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載のメロシアニン色素を含む色素薄膜。
(6) 一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子であって、前記光電変換層に含まれる有機色素が蛍光の量子収率が10%以上であるメロシアニン色素であることを特徴とする光電変換素子。
(7) 一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子であって、前記光電変換層に含まれる有機色素が(1)〜(4)のいずれかに記載のメロシアニン色素であることを特徴とする光電変換素子。
(8) さらに電荷輸送層を含むことを特徴とする(6)または(7)に記載の光電変換素子。
(9) 前記光電変換素子の電極間に、電子ブロッキング層を含んでなることを特徴とする(6)〜(8)のいずれかに記載の光電変換素子。
(10) 前記一対の電極がTCOを含んでなることを特徴とする(6)〜(9)のいずれかに記載の光電変換素子。
(11) 前記TCOがITOであることを特徴とする(10)に記載の光電変換素子。
(12) (6)〜(11)のいずれかに記載の光電変換素子に電圧を印加して光信号を読み出す方法。
(13) 有機材料層を真空加熱蒸着により作製したことを特徴とする(6)〜(11)のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、新規メロシアニン色素を提供すること、これを染料、あるいは顔料、さらには蛍光性色素として提供すること、および、該色素を用いた光電変換素子により、極めて高い光電変換効率と低い暗電流が実現でき、さらに応答速度が優れること、色素の分光吸収スペクトルを利用した選択的な分光感度特性が得られることを実現することができる。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、−種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、どのような置換基でも良い。
このような置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ピシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ピシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフイニル基、アルキル及びアリールスルホール基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボール基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミF基、ホスフイノ基、ホスフイニル基、ホスフイニルオキシ基、ホスフイニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ホ゛ロン酸基(-B(OH)2)、ホスフアト基(-OPO(OH比)、スルフアト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
更に詳しくは、Wは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−,−ドデシルシクロヘキシル)、ピシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のピシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のピシクロアルカンから水素原子を−個取り去った一価の基である。例えば、ピシクロ[1,2,2]ヘプタンー2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタンー3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基L例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を−個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ピシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のピシクロアルケニル基、つまり二重結合を−個待つピシクロアルケンの水素原子を−個取り去った一価の基である。例えば、ピシクロ[2,2,1]ヘプトー2−エンー1−イル、ピシクロ[2,2,2]オクトー2−エンー4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好まし<は、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)]、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、P−トリル、ナフチル、m−クロロフエニル、o−へキサデカノイルアミノフエニル)、複素環(ヘテロ環)基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ペンゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でも良い。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−二トロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルポニルオキシ、N,N−ジーn−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、P−n−へキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチルーアニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例えば、トリメチルアンモニオ、トリェチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリーn−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フエノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフエノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数Oから30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルフアモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフエニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−へキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾールー5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフイニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフイニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフイニル基、例えば、メチルスルフイニル、エチルスルフイニル、フェニルスルフイニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホール基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホール基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルポール基、炭素数3から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルポニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボール、2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボール、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボール基、例えば、メトキシカルボール、エトキシカルボール、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジーn−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオー1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフイノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフイノ基、例えば、ジメチルホスフイノ、ジフェニルホスフイノ、メチルフェノキシホスフイノ)、ホスフイニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフイニル基、例えば、ホスフイニル、ジオクチルオキシホスフイニル、ジエトキシホスフイニル)、ホスフイニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフイニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフイニルオキシ、ジオクチルオキシホスフイニルオキシ)、ホスフイニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフイニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフイニルアミノ、ジメチルアミノホスフイニルアミノ)、ホスフオ基、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイF)、を表わす。
また、2つのWが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換
されていても良い。そのような置換基の例としては、−CONHSO−基(スルホニル
カルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカル
バモイル基)、または−SONHSO−基(スルフオニルスルフアモイル基)、が挙げられる。より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、またはアリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
本発明の主要な構成は、一般式(1)で表されることを特徴とするメロシアニン色素である。Aは2価の原子団を表し、nは1〜3の整数を表し、R11、R12は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表し、後述する一般式(2)におけるA1、n、R11〜R18と同義であり、その好ましい例も同様である。A〜Aは芳香族炭化水素環、または炭素数3〜18のヘテロ環を表す。芳香族炭化水素環の炭素数は6または10が好ましく、ヘテロ環の炭素数は3〜5が特に好ましい。ヘテロ環の場合は含窒素へテロ環が好ましい。Aの具体例としてはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、チオフェン環が挙げられる。A〜Aがいずれもベンゼン環の場合が特に好ましく、この場合はA〜Aでナフタレン環を形成することになる。前記芳香族炭化水素環及びヘテロ環は置換基を有していてもよく、この置換基としては前記置換基Wが挙げられる。Aに対するAの置換位置は置換可能な位置であればいずれでもよい。
メロシアニン色素は一般式(2)であることが好ましい。一般式(2)においてAは2価の原子団を表し(ここで2価の原子団としているのは二重結合が結合する必要があるためである)、含窒素複素環、好ましくは5又は6員の含窒素複素環であることが好ましい。ただし、これらに環が縮環していても良いし、更にこれらの環及び縮環には置換基を有していても良い。環としては、芳香族環、又は非芳香族環のいずれでも、また炭化水素環、又は複素環のいずれでも良い。好ましくは芳香族環であり、例えばベンゼン環、ナフタレン環などの炭化水素芳香族環や、ピラジン環、チオフェン環などの複素芳香族環が挙げられる。置換基としては前述のWが挙げられる。
含窒素複素環として、具体的にはチアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾール核、テルラゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、ピロリン核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、ピラゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができるが、好ましくはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレーン)、ベンゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、または3−イソキノリン核が挙げられる。
として好ましくはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核、またはベンゾイミダゾール核であり、さらに好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、または3,3−ジアルキルインドレニン核であり、特に好ましくはベンゾオキサゾール核、またはベンゾチアゾール核である。これら核上の置換基Wとして、好ましくはハロゲン原子、アリール基、芳香族複素環基、または芳香環縮合であり、特に好ましくは、5員の芳香族複素環基、または6員の芳香環縮合である。5員の芳香族複素環基として好ましくは、フラン環、チオフェン環、又はピロール環であり、芳香環縮合として好ましくはベンゾ環縮合、ナフト環縮環である。これらの置換基、又は縮環としては、前述のWが挙げられる。また、置換位置として好ましくは5位である。
11〜R18は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表し、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6のアリール基、炭素数3または4のヘテロ環が好ましく、水素原子が特に好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
nは1〜3の整数を表し、nは1または2が好ましく、1が特に好ましい。
一般式(2)の化合物は一般式(3)であることが好ましく、一般式(3)においてR21〜R28は一般式(2)におけるR11〜R18と同義であり、その好ましい例も同様である。R29は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表し、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6のアリール基、炭素数3または4のヘテロ環が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環がさらに好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基が特に好ましい。
一般式(3)における環構造Bは前記一般式(2)におけるAが含窒素複素環であって、その窒素原子の置換位置が特定のものを表現している。したがって、環構造Bの好ましい例は一般式(2)におけるAの好ましい例のうち、一般式(3)に示される位置に窒素原子が結合したものである。
以下に本発明のメロシアニン色素の好ましい例を挙げる。
Figure 2009167348
Figure 2009167348
Figure 2009167348
Figure 2009167348
Figure 2009167348
色素は光を吸収してその機能を発揮するものであるため、一般的にモル吸光係数は大きなものが好ましい。本発明のメロシアニン色素においては高いモル吸光係数が得られ、その値は10万l/mol/cmが好ましく、13万l/mol/cm以上がさらに好ましく、15万l/mol/cm以上が特に好ましい。本発明におけるモル吸光係数はクロロホルム溶液での値とする。
本発明のメロシアニン色素は実施例で述べるように一般的な溶媒に難溶であるために顔料として使用できる。顔料として使用する場合には、色素、溶媒、分散剤を用いて分散することができる。顔料の製造法としては公値の方法が使用できる。
分散時の溶媒の例を次に挙げる。溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げらる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロビルアルコール、n−プロビルアルコール、1−メトキシー2−プロパノールなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチルー2−イミダゾリジノン、2−ビロリジノン、ε―カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルテトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。スルホキシド系溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムとPF6との塩などが挙げられる。
分散分散剤として、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料性の、低分子または高分子分散剤を使用することができる。なお、高分子分散剤の分子量は溶液に均一に溶解できるものであれば制限なく用いることができるが、好ましくは分子量1,000〜2,000,000であり、5,000〜1,000,000がより好ましく、10,000〜500,000がさらに好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい。(本発明においては、特に断りのない限り、分子量とは重量平均分子量を意味する。高分子化合物は多分散系であり、必ずしも同一の分子量または粒子量を持たない。したがって、分子量を測定すると得られた値はなんらかの形で平均された平均分子量になる。その主なものは次の3種類である。すなわち、1)数平均分子量Mn、2)重量平均分子量Mw、3)Z平均分子量Mzであり、Mn<Mw<Mzの関係が成立する。)
高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ボリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテルポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ボリアクリルアミド、ビニルアルコールー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコールー部分ホルマール化物、ポリビニルアルコールー部分ブチラール化物、ビニルピロリドンー酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ボリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの分散剤は、単独あるいは併用して使用することができる。顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシルーN−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ボリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシルーN−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシルーN−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号公報に記載されているものが好ましい。これらアニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ボリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する分散剤である。ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ボリオキシエチレンアルキルエーテル、ボリオキシエチレンアルキルアリールエーテルポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ボリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ボリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のメロシアニン色素を染料として用いる場合は、上記一般式(1)におけるA、R11〜R18あるいは一般式(2)におけるB、R21〜R29の構造によって溶解性を持たせることが好ましく、これらの置換基の具体例としては、上記置換基Wのアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基が特に好ましい。
(光電変換素子の実施形態)
本発明の第二の主要な構成は、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子であって、前記光電変換層に含まれる有機色素が蛍光の量子収率が10%以上であるメロシアニン色素であることを特徴とする光電変換素子。蛍光の量子収率は15%以上であればさらに好ましく、20%以上が特に好ましい。
以下に蛍光の量子収率の意義について説明する。本発明のメロシアニン色素の特徴はその高い蛍光量子収率であり、そのため結果として光電変換効率が高くなっていると考えられる。その機構は以下のように考えられる。色素の励起状態は非蛍光過程(無輻射失活過程、系間交差過程、電子移動家庭等)と蛍光発光失活過程で基底状態に戻り、蛍光強度は非蛍光過程と蛍光発光過程の速度比に依存する。蛍光発光過程速度は遷移双極子モーメントに支配されるため、近似的にモル吸光係数に依存する。したがって、モル吸光係数大きいにもかかわらず蛍光強度が小さい材料(実施例における比較用の材料)では励起状態の寿命が短いため励起状態を光電変換に利用することは難しい。一方本発明のメロシアニン色素では蛍光量子収率が高く、したがって励起状態の寿命が長いと考えるのが合理的であり、そのような材料では励起状態を光電変換に利用することが容易なため、高い光電変換効率を発現すると考えられる。
メロシアニン色素の蛍光量子収率については、Journal of chemical and engineering data 22(1977)379 TableI、X merocyanineの項によれば10%以下のものが報告されている。
図1は、本発明の実施形態である光電変換素子の概略構成を示す断面模式図である。
図1に示す光電変換素子は、下部電極11と、下部電極11に対向する上部電極13と、下部電極11と上部電極13との間に設けられた光電変換部12を少なくとも備える。
上部電極13は、可視域と赤外域を併せた範囲(波長400nm以上の範囲)の光(可視光と赤外光)に対して透明な導電性材料で構成された透明電極である。上部電極13には図示しない配線によってバイアス電圧が印加される。このバイアス電圧は、光電変換部12で発生した電荷のうち、電子が上部電極13に移動し、正孔が下部電極11に移動するように、その極性が決められている。もちろん、光電変換部12で発生した電荷のうち、正孔が上部電極13に移動し、電子が下部電極11に移動するように、バイアス電圧を設定しても良い。又、バイアス電圧は、その値を下部電極11と上部電極13間の距離で割った値が、1.0×10V/cm〜1.0×10V/cmの間となるようにすることが好ましく、さらに好ましくは1.0×10V/cm〜1.0×10V/cmの間である。このバイアス電圧により、上部電極13に電荷を効率的に移動させ、この電荷に応じた信号を外部に取り出すことが可能となっている。
下部電極11は、積層型の固体撮像素子に適用する場合、その下方にも入射光の一部を透過させる必要があるため、上部電極11と同様に透明電極を用いることが望ましい。並列型の固体撮像素子に適用する場合は、アルミニウム膜等の、反射性の高い反射電極を用いることが好ましい。電極の組み合わせは上下を反転させても良いが、光の入射側は透明である必要がある。以下では光の入射側を図1の下方として説明する
光電変換部12は、可視域と赤外域を併せた範囲(波長400nm以上の光)における吸収スペクトルの吸収ピークを可視域に持ち、吸収した光に応じた電荷を発生する有機光電変換材料を含んで構成された膜である。
このような有機光電変換材料としては、前記メロシアニン色素が好ましく用いられる。
このように構成された光電変換部12を含む光電変換素子を撮像素子に適用するには、光電変換部12で人間の視感度の情報を得るために、光電変換部12に含まれる有機光電変換材料の吸収ピークの波長は400〜700nmであることが好ましい。
光電変換部12の透過率、吸光度は、上部電極13、下部電極11、及び光電変換部12の構成材料及びその厚みを適宜選択することで、調整することができる。
本発明において、「ある波長域α〜βnmでの吸収率、透過率」とは、「波長域α〜βnmについて、吸収率、透過率が100%とした時の波長域α〜βnmでの積分値をX、各波長の吸収率、透過率の波長域α〜βnmでの積分値をYとした時、Y/X×100で表せるもの」とする。
下部電極11の光透過性は、その上層の光吸収率に大きく影響する。下部電極11で入射光が吸収及び反射されると、上層に到達する絶対光量が低下するため、感度の低下に直結する。上層により多くの光を透過して光電変換部12での感度を上げるために、下部電極11の光の透過率は90%以上であることが好ましく、さらに好ましくは95%以上である。
このような条件を満たす下部電極11の材料としては、可視光と赤外光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting Oxide)を好ましく用いることができる。Auなどの金属薄膜も用いることができるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が極端に増大するため、TCOの方が好ましい。TCOとして、特に、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnO等を好ましく用いることができる。
通常、導電性材料膜をある範囲より薄くすると、急激な抵抗値の増加をもたらすが、本発明の光電変換素子においては、シート抵抗は、好ましくは100〜10000Ω/□でよく、薄膜化できる膜厚の範囲の自由度は大きい。また、透明導電性材料膜は厚みが薄いほど吸収する光の量は少なくなり、一般に光透過率が増す。光透過率の増加は、光電変換部12での光吸収を増大させ、光電変換性能を増大させるため、非常に好ましい。透明導電性材料膜の薄膜化に伴う、リーク電流の抑制、薄膜の抵抗値の増大、透過率の増加を考慮すると、透明導電性材料膜の膜厚は、5〜100nmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜20nmである事が望ましい。
下部電極11表面に凹凸がある場合、あるいは下部電極11表面にゴミが付着していた場合、その上に低分子有機光電変換材料を蒸着して光電変換部12を形成すると、この凹凸部分で光電変換部12に細かいクラックや光電変換部12が薄くしか形成されない部分ができやすい。この時、さらにその上から上部電極13を形成すると、上記クラックが透明導電性材料膜にカバレッジされて光電変換部12と上部電極13と部分的に近接するため、DCショートやリーク電流の増大が生じやすい。このようなリーク電流の増大を防止するための一つの方法として、下部電極11上に凹凸を緩和する下引き層を形成する事が好ましい。下引き層としては、ポリアニリン、ボリチオフェン、ポリピロール、ポリカルバゾール、PTPDES、PTPDEKなどの高分子系材料をスピンコート法で形成する方法を用いると効果が大きい。不純物の混入を防止し、より平易に均一な積層膜を作製するために、光電変換部12を、蒸着法などにより真空中で形成しようとする場合は、下引き層としてアモルファス性の膜を用いることが好ましい。
次に、図1に示す光電変換部のより好ましい形態について説明する。
以下では、上部電極13から電子を捕集する場合について記載する。上部電極13から正孔を捕集する場合は、成膜順を逆にすればよい。光電変換部12と下部電極11との間には、電子ブロッキング層を設けることが好ましい。光電変換部12および電子ブロッキング層を構成する有機光電変換材料は、有機p型半導体及び有機n型半導体の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。
有機p型半導体(化合物)は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
有機n型半導体(化合物)は、アクセプター性有機半導体(化合物)であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
次に金属錯体化合物について説明する。金属錯体化合物は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体であり、金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、または錫イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または亜鉛イオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、または亜鉛イオンである。前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社 H.Yersin著1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
光電変換部12は、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する場合が好ましい。このような場合、光電変換部12にバルクへテロ接合構造を含有させることにより、光電変換部12のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。なお、バルクへテロ接合構造については、特開2005−303266(特願2004−080639)号において詳細に説明されている。
また、光電変換部12は、p型半導体の層とn型半導体の層で形成されるpn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数を2以上有する構造を持つ構成も可能であり、好ましくは、前記繰り返し構造の間に、導電材料の薄層を挿入する場合である。pn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数はいかなる数でもよいが、光電変換効率を高くするために好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜30であり、特に好ましくは2または10である。導電材料としては銀または金が好ましく、銀が最も好ましい。なお、タンデム構造については、特開2005−303266(特願2004−079930)号において詳細に説明されている。
また、光電変換部12は、p型半導体の層、n型半導体の層、(好ましくは混合・分散(バルクヘテロ接合構造)層)を持ち、p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1方に配向制御された有機化合物を含む場合が好ましく、さらに好ましくは、p型半導体及びn型半導体の両方に配向制御された(可能な)有機化合物を含む場合である。この有機化合物としては、π共役電子を持つものが好ましく用いられるが、このπ電子平面が、基板(電極基板)に対して垂直ではなく、平行に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは0°以上80°以下であり、さらに好ましくは0°以上60°以下であり、さらに好ましくは0°以上40°以下であり、さらに好ましくは0°以上20°以下であり、特に好ましくは0°以上10°以下であり、最も好ましくは0°(すなわち基板に対して平行)である。上記のように、配向の制御された有機化合物の層は、光電変換部12全体に対して一部でも含めば良いが、好ましくは、光電変換部12全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような状態は、光電変換部12に含まれる有機化合物の配向を制御することにより、光電変換部12のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させるものである。
有機化合物の配向が制御されている場合において、さらに好ましくはヘテロ接合面(例えばpn接合面)が基板に対して平行ではない場合である。ヘテロ接合面が、基板(電極基板)に対して平行ではなく、垂直に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは10°以上90°以下であり、さらに好ましくは30°以上90°以下であり、さらに好ましくは50°以上90°以下であり、さらに好ましくは70°以上90°以下であり、特に好ましくは80°以上90°以下であり、最も好ましくは90°(すなわち基板に対して垂直)である。上記のような、ヘテロ接合面の制御された有機化合物の層は、光電変換部12全体に対して一部でも含めば良い。好ましくは、光電変換部12全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような場合、光電変換部12におけるヘテロ接合面の面積が増大し、界面で生成する電子、正孔、電子正孔ペア等のキャリア量が増大し、光電変換効率の向上が可能となる。以上の、有機化合物のヘテロ接合面とπ電子平面の両方の配向が制御された光電変換層において、特に光電変換効率の向上が可能である。これらの状態については、特開2006−086493(特願2004−079931)号において詳細に説明されている。光吸収の点では有機色素層の膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、有機色素層の膜厚として好ましくは、30nm以上300nm以下、さらに好ましくは50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
p型半導体(化合物)及びn型半導体(化合物)の少なくとも一つとして高分子化合物を用いる場合は、作成の容易な湿式成膜法により成膜することが好ましい。蒸着等の乾式成膜法を用いた場合、高分子を用いることは分解のおそれがあるため難しく、代わりとしてそのオリゴマーを好ましく用いることができる。一方、低分子を用いる場合は、乾式成膜法が好ましく用いられ、特に真空蒸着法が好ましく用いられる。真空蒸着法は抵抗加熱蒸着法、電子線加熱蒸着法等の化合物の加熱の方法、るつぼ、ボ−ト等の蒸着源の形状、真空度、蒸着温度、基盤温度、蒸着速度等が基本的なパラメ−タ−である。均一な蒸着を可能とするために基盤を回転させて蒸着することは好ましい。真空度は高い方が好ましく10−4Torr以下、好ましくは10−6Torr以下、特に好ましくは10−8Torr以下で真空蒸着が行われる。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。真空蒸着の上述した条件は有機膜の結晶性、アモルファス性、密度、緻密度等に影響するので厳密に制御する必要がある。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することは好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
電子ブロッキング層は、下部電極11から電子が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、下部電極11からの電子が光電変換部12に注入されるのを阻止する。電子ブロッキング層は、下引き層と兼用することもできる。電子ブロッキング層は前述のp型半導体あるいは正孔輸送性有機化合物を用いることもできる。
電子ブロッキング装用の材料は上記のp型半導体化合物が相当し、有機EL等で用いられるホール輸送剤が好ましく用いられる。化合物群としては、芳香族アミン類が好ましく、トリフェニルアミンを部分構造として持つ化合物が特に好ましい。具体的な例としては、Chemical Review 107巻(2007年)1233〜1271頁、Chemical Review 107巻(2007年)953〜1010頁、特開平10−59943号公報、特開2005−243394号公報に記載されている化合物及びその誘導体が好ましく、慣用的に用いられる名称として1−TNATA、2−TNATA、4P−TPD、α―NPD、Di−NPD、MeO−TPD、m−MTDATA、Spiro−TAD、Spiro−TTB、TCTA、TPD、AnPCおよびその誘導体が好ましく用いられる。
下部電極11は、光電変換部12から正孔を取り出してこれを捕集するため、隣接する膜との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。上部電極13は、光電変換部12から電子を取り出してこれを吐き出すため、隣接する膜との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。
電極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。ITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。
透明な電極膜(透明電極膜)成膜時の条件について触れる。透明電極膜成膜時のシリコン基板温度は500℃以下が好ましく、より好ましくは、300℃以下で、さらに好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。また、透明電極膜成膜中にガスを導入しても良く、基本的にそのガス種は制限されないが、Ar、He、酸素、窒素などを用いることができる。また、これらのガスの混合ガスを用いても良い。特に酸化物の材料の場合は、酸素欠陥が入ることが多いので、酸素を用いることが好ましい。
また、透明電極膜の表面抵抗は、下部電極11であるか上部電極13であるか等により好ましい範囲は異なる。信号読出し部がCMOS構造である場合、透明導電膜の表面抵抗は、10000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、1000Ω/□以下である。信号読出し部が仮にCCD構造の場合、表面抵抗は1000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100Ω/□以下である。上部電極13に使用する場合には1000000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100000Ω/□以下である。
上部電極13はプラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーで上部電極13を作成することで、プラズマが基板に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、上部電極13の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基体に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
上部電極13の成膜中にプラズマが発生しない装置としては、例えば、電子線蒸着装置(EB蒸着装置)やパルスレーザー蒸着装置がある。EB蒸着装置またはパルスレーザー蒸着装置については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。以下では、EB蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をEB蒸着法と言い、パルスレーザー蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をパルスレーザー蒸着法と言う。具体的には真空加熱蒸着方にてアルミニウムを製膜することが好ましい。
プラズマ発生源から基体への距離が2cm以上であって基体へのプラズマの到達が減ずるような状態を実現できる装置(以下、プラズマフリーである成膜装置という)については、例えば、対向ターゲット式スパッタ装置やアークプラズマ蒸着法などが考えられ、それらについては沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。
透明電極膜の材料は、プラズマフリーである成膜装置、EB蒸着装置、及びパルスレーザー蒸着装置により成膜できるものが好ましい。例えば、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が好適に挙げられ、具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウムタングステン(IWO)等の導電性金属酸化物、窒化チタン等の金属窒化物、金、白金、銀、クロム、ニッケル、アルミニウム等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。また、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)等に詳細に記載されているものを用いても良い。
[実施例]
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
50%NaH3.2gに、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸ジメチルエステル10gの酢酸エチル15ml混合液を滴下し、4時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応液を濾過し、濾過物を塩酸20ml、水200mlの混合液を80℃に加温したものに加え、10分攪拌した。室温まで冷却後、濾過、乾燥し、中間体1、4.1gを得た。
中間体1 2.0gとN,N'-ジフェニルホルムアミジン2.2gにアセトニトリル40mlを加え5時間加熱還流した。室温まで冷却後濾過することにより中間体2 2.4gが得られた。
Figure 2009167348
中間体2 0.6gと1,2,3,3−テトラメチルインドリウムアイオダイド0.8gとピペリジン0.4mlとアセトニトリル20mlを16時間加熱還流し、室温まで冷却後濾過し、アセトニトリル、水、イソプロパノール、ヘキサンで順次洗浄、乾燥することで本発明の化合物1 0.4gが得られた。化合物1はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、水には1wt%以下しか溶けなかった。クロロホルムには溶解したため、溶液系の物性データはクロロホルム溶液で採取した。NMR(CDCL):1.78(s、6H)、3.56(s、3H)、7.03(d、1H)、7.20(t、1H),7.34−7.4(m、2H)、7.55−7.65(m、3H)、7.96−8.06(m、2H)、8.23(d、1H)、8.24(S、1H)、8.28(s、1H)。MS(MALDI、M/z):380(MH+)。吸収特性(クロロホルム):λmax 518nm、モル吸光係数 142000 l/mol/cm)。融点291℃。
中間体2 0.6gと1−エチル−2−メチルベンゾオキサゾリウムアイオダイド0.6gとピペリジン0.2mlとアセトニトリル20mlとN,N−ジメチルアセトアミド5mlを11時間加熱還流し、冷却後濾過し、アセトニトリル、水、イソプロパノール、ヘキサンで順次洗浄、乾燥することで本発明の化合物2 0.4gが得られた。化合物2はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、水には1wt%以下しか溶けなかった。クロロホルムには溶解したため、溶液系の物性データはクロロホルム溶液で採取した。NMR(CDCL):1.53(t、3H)、4.18(q、2H)、7.16−7.40(m、4H)、7.50(d、1H),7.53−7.60(m、2H)、7.95−8.06(m、2H)、8.17(s、1H)、8.24(S、1H)、8.35(d、1H)。MS(MALDI、M/z):368(MH+)。吸収特性(クロロホルム):λmax 496nm、モル吸光係数 158000 l/mol/cm)。融点294℃。
中間体2 0.6gと1−エチル−2−メチルベンゾチアゾリムアイオダイド0.7gとピペリジン0.2mlとN,N−ジメチルアセトアミド5mlを100℃で7時間加熱攪拌し、室温まで冷却後濾過し、アセトニトリル、水、イソプロパノール、ヘキサンで順次洗浄、乾燥することで本発明の化合物3 0.7gが得られた。化合物3はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、水には1wt%以下しか溶けなかった。クロロホルムには溶解したため、溶液系の物性データはクロロホルム溶液で採取した。NMR(CDCL):1.53(t、3H)、4.32(q、2H)、7.25−7.35(m、2H)、7.42(t、1H)、7.53−7.60(m、2H)、7.64(d、1H)、7.76(d、1H)、7.93(d、1H)、7.95−8.04(m、2H)、8.15(s、1H)、8.22(S、1H)。MS(MALDI、M/z):384(MH+)。吸収特性(クロロホルム):λmax 533nm、モル吸光係数 184000 l/mol/cm)。融点314℃。
中間体2 0.5gと1−エチル−2−メチルナフトチアゾリムトシレート0.7gとピペリジン0.2mlとN,N−ジメチルアセトアミド5mlを100℃で8時間加熱攪拌し、室温まで冷却後濾過し、アセトニトリル、水、イソプロパノール、ヘキサンで順次洗浄、乾燥することで本発明の化合物8 0.4gが得られた。化合物8はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、水には1wt%以下しか溶けなかった。クロロホルムには溶解したため、溶液系の物性データはクロロホルム溶液で採取した。NMR(CDCL):1.58(t、3H)、4.24(q、2H)、7.23(d、1H)、7.48(s、1H)、7.50−7.55(m、2H)、7.56−7.65(m、2H)、7.80(s、1H)、7.83−7.94(m、2H)、7.96−8.03(m、2H)、8.18(s、1H)、8.26(s、2H)、8.40(d、2H)。MS(MALDI、M/z):418(MH+)。吸収特性(クロロホルム):λmax 503nm、モル吸光係数 199000 l/mol/cm)。融点314℃。
本発明のメロシアニン色素はモル吸光係数が14万以上と、一般的なメロシアニン色素の5万〜10万といった値より大きく、効果的に光を吸収することができるため、色素、着色料として有用である。本発明のメロシアニン色素はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、水といった溶媒に対する溶解度が低いため、顔料として有用である。また、クロロホルム等の溶媒には溶解可能であるため、溶媒の制限あるいは可溶化する必要はあるものの、染料としても有用である。
本発明の化合物1、化合物2の溶液吸収スペクトルを図2に示し、化合物3、化合物8および比較化合物の溶液吸収スペクトルを図3に示す。
シリコン基板上に、アモルファス性ITO30nmをスパッタ法により成膜して下部電極を形成後、下部電極上に下記化学式で示される化合物Aを真空加熱蒸着により100nm成膜し、次いで化合物1を真空加熱蒸着により約100nmの厚みで成膜して光電変換層を形成した。次に、真空加熱蒸着法によりアルミニウムを成膜して上部電極を形成して、光電変換素子1を作製した。化合物1をそれぞれ化合物2、化合物3、化合物8、比較化合物1((株)林原生物化学研究所製:λmax520nm、モル吸光係数91100 L/mol/cm)に置き換えて光電変換素子2、光電変換素子3、光電変換素子4、比較用光電変換変換素子を作製した。
Figure 2009167348
[蛍光量子収率の評価]
サンプルのクロロホルム溶液を調製し、吸収極大波長における吸光度が0.15となるように希釈した。この溶液を蛍光分光測定装置を用いて、吸収極大波長を励起波長とし、吸収極大波長から長波側に得られる発光スペクトルを測定し、その発光バンドの面積を比較化合物1の発光強度に対する相対値として求め、Journal of chemical and engineering data 22(1977)379より比較化合物1の蛍光量子収率が0.006であったことから、各々のメロシアニン色素の蛍光量子収率を求めた。
[性能試験]
得られた素子について、光電変換効率(IPCE)測定装置を用いて暗時及び可視光を照射した時の電流特性を4.5×10V/cmの電界を印加して測定した。明時において照射光の波長を変化させることで光電変換スペクトルが得られる。また、上記素子に対して、5Vの電圧を印加し、発光ダイオードを用いて瞬間的に光照射を開始し、素子から発生する信号をオシロスコープを用いて観測した。100ms以降の電流を定常電流とみなし、定常電流の99%に達するまでに必要な時間を求めた。結果を応答時間と称する。
光電変換素子1、光電変換素子2、光電変換素子3、光電変換素子4、比較用光電変換変換素子の光電変換効率測定結果、暗電流、応答時間測定結果を表1に示す。
表1
Figure 2009167348
比較用素子に対し、本発明の化合物を用いた素子では、ほぼ同程度の暗電流を示しながら、数倍の光電変換効率が観測されることが分かる。さらに応答時間にも優れていることが分かる。
本発明の光電変換素子の概略構成を示す断面模式図 本発明の化合物1及び化合物2の溶液吸収スペクトル 本発明の化合物3、化合物8および比較化合物1の溶液吸収スペクトル
符号の説明
11 下部電極
12 光電変換層
13 上部電極

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とするメロシアニン色素。
    一般式(1)
    Figure 2009167348
    (式中、Aは2価の原子団を表し、nは1〜3の整数を表し、A〜Aはそれぞれ独立に芳香族炭化水素環、または炭素数3〜18のヘテロ環を表す。R11、R12は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表す。)
  2. 下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載のメロシアニン色素。
    一般式(2)
    Figure 2009167348
    (式中、Aは2価の原子団を表し、nは1〜3の整数を表し、R11〜R18は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表す。)
  3. 下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項2に記載のメロシアニン色素。
    一般式(3)
    Figure 2009167348
    (式中、Bは環構造を表し、R21〜R28は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数3〜18のヘテロ環を表し、nは1〜3の整数を表す。)
  4. 染料または顔料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のメロシアニン色素。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のメロシアニン色素を含む色素薄膜。
  6. 一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子であって、前記光電変換層に含まれる有機色素の蛍光量子収率が10%以上であるメロシアニン色素であることを特徴とする光電変換素子。
  7. 一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた光電変換層を含む光電変換部を備える光電変換素子であって、前記光電変換層に含まれる有機色素が請求項1〜4のいずれかに記載のメロシアニン色素であることを特徴とする光電変換素子。
  8. さらに電荷輸送層を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の光電変換素子。
  9. 前記光電変換素子の電極間に、電子ブロッキング層を含んでなることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の光電変換素子。
  10. 前記一対の電極がTCOを含んでなることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の光電変換素子。
  11. 前記TCOがITOであることを特徴とする請求項10に記載の光電変換素子。
  12. 請求項6〜11のいずれかに記載の光電変換素子に電圧を印加して光信号を読み出す方法。
  13. 有機材料層を真空加熱蒸着により作製したことを特徴とする請求6〜11のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
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