JP2007234650A - 光電変換素子及び固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一電極膜11と、第一電極膜11に対向する第二電極膜13と、第一電極膜11と第二電極膜13の間に配置される正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料とを含んでなり、該正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料の光吸収の極大波長の差及び/又は長波長端の差が50nm以下である光電変換膜を含む光電変換層12とからなる光電変換部を有する光電変換素子であって、第二電極膜13上方から該光電変換膜に光が入射されるものであり、該光電変換膜は、第二電極膜13上方からの入射光に応じて電子と正孔を発生し、且つ、正孔の移動度よりも電子の移動度が小さい特性を持ち、且つ、第一電極膜11近傍よりも第二電極膜13近傍の方が電子と正孔をより多く発生するものであり、第一電極膜11を正孔の取り出し用の電極とした。
【選択図】図1
Description
しかし、該特許文献には、本発明で使用する特定の吸収を持つ材料の組み合わせについて記載されておらず、また、その示唆もなされていない。
(1) 第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子であって、
前記第二電極膜上方から前記光電変換膜に光が入射されるものであり、
前記光電変換膜は、前記第二電極膜上方からの入射光に応じて電子と正孔を含む電荷を発生するものであり、
かつ、該光電変換膜が少なくとも正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料とを含んでなり、該正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料の光吸収の極大波長の差が50nm以下であり、
前記第一電極膜を前記正孔の取り出し用の電極としたことを特徴とする光電変換素子。
(2) 第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子であって、
前記第二電極膜上方から前記光電変換膜に光が入射されるものであり、
前記光電変換膜は、前記第二電極膜上方からの入射光に応じて電子と正孔を含む電荷を発生するものであり、
かつ、該光電変換膜が少なくとも正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料とを含んでなり、該正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料の光吸収の長波長端の差が50nm以下であり、
前記第一電極膜を前記正孔の取り出し用の電極としたことを特徴とする光電変換素子。
(3) 前記正孔輸送性光電変換材料と前記電子輸送性光電変換材料の光吸収の極大波長の差及び長波長端の差が共に50nm以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の光電変換素子。
(4) 前記光電変換膜が、前記第一電極膜近傍よりも前記第二電極膜近傍の方が前記電子と前記正孔をより多く発生することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載の光電変換素子。
(5) 前記光電変換膜が、前記正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料以外の有機材料を合わせて含んで構成されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか記載の光電変換素子。
(6) 前記光電変換膜が前記正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料以外の有機p型半導体及び有機n型半導体の少なくとも一方を含むことを特徴とする(5)記載の光電変換素子。
(7) 前記有機p型半導体及び前記有機n型半導体が、それぞれ、前記正孔輸送性光電変換材料、前記電子輸送性光電変換材料、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを含むことを特徴とする(9)記載の光電変換素子。
(9) 前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、又はAuを含んで構成されることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか記載の光電変換素子。
(10) 前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、又はFTO を含んで構成され、
前記光電変換部が、前記光電変換膜と前記第二電極膜との間に、仕事関数4.5eV以下の金属からなる膜を有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれか記載の光電変換素子。
(11) 前記第二電極膜の可視光に対する透過率が60%以上であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか記載の光電変換素子。
(12) 前記第一電極膜の可視光に対する透過率が60%以上であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれか記載の光電変換素子。
(13) 前記第一電極膜と前記第二電極膜は、前記第二電極膜に前記電子が移動し、前記第一電極膜に前記正孔が移動するように電圧が印加されるものであり、
前記第一電極膜下方に設けられた半導体基板と、
前記半導体基板内に形成され、前記第一電極膜に移動された前記正孔を蓄積するための正孔蓄積部と、
前記正孔蓄積部と前記第一電極膜とを電気的に接続する接続部とを備えることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか記載の光電変換素子。
(14) 前記光電変換部が、前記第一電極膜と前記光電変換膜との間に、有機高分子材料からなる膜を有することを特徴とする(13)記載の光電変換素子。
(15) 前記光電変換膜下方の前記半導体基板内に、前記光電変換膜を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備えることを特徴とする(13)又は(14)記載の光電変換素子。
(17) 前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内の前記入射光の入射方向に対して垂直な方向に配列されたそれぞれ異なる色の光を吸収する複数のフォトダイオードであることを特徴とする(15)記載の光電変換素子。
(18) 前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された赤色用フォトダイオードであり、
前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものであることを特徴とする(16)記載の光電変換素子。
(19) 前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収する青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収する赤色用フォトダイオードであり、
前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものであることを特徴とする(17)記載の光電変換素子。
(20) 前記半導体基板上方に、前記光電変換部が複数積層されており、
前記複数の光電変換部毎に前記正孔蓄積部と前記接続部が設けられることを特徴とする(13)〜(19)のいずれか記載の光電変換素子。
(21) 前記半導体基板と該半導体基板の直近にある前記第一電極膜との間に、該第一電極膜を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を備えることを特徴とする(13)〜(20)のいずれか記載の光電変換素子。
(22) (13)〜(20)のいずれか記載の光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、
前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号を読み出す信号読み出し部を備えることを特徴とする固体撮像素子。
(23) (21)記載の光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、
前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号と、前記無機光電変換部に蓄積された電荷に応じた信号とを読み出す信号読み出し部を備えることを特徴とする固体撮像素子。
(24) 前記信号読み出し部がMOSトランジスタで構成されることを特徴とする(22)又は(23)記載の固体撮像素子。
(25) 前記光電変換素子に含まれる前記光電変換膜及び前記第二電極膜が、前記多数の光電変換素子全体で共通化されており、
前記光電変換素子に含まれる前記第一電極膜が、前記多数の光電変換素子毎に分離されていることを特徴とする(22)〜(24)のいずれか記載の固体撮像素子。
なお、本明細書において、光電変換膜とは、そこに入射した特定の波長の光を吸収し、吸収した光量に応じた電子及び正孔を発生する膜のことを言う。
この根拠は、電子はその移動距離が長いと、移動中にその一部が失活するなどして電極膜にて捕集されるため、光電変換効率が低下するのに対し、正孔は、その移動距離が長くても、移動度が電子より非常に大きいため、移動中に失活するといったことがほとんどないこと、及び、本発明の特定の吸収を持つ材料の組み合わせにより、良好な吸収波形を与え、また膜厚を薄くすることが可能になるために正孔が電極まで失活せずに移動する点で優れていることが挙げられる。また、上述したように、電子の移動度は正孔の移動度よりも非常に小さい上に、大気の影響によって更に小さくなってしまうが、正孔の移動度は、大気の影響を受けたとしても、もともと移動度が大きいため、その影響が限定的であることが挙げられる。
本発明では、光電変換膜が正孔輸送性光電変換材料及び電子輸送性光電変換材料を含んでなり、該正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料の光吸収の極大波長の差が50nm以下であることを特徴とする。
なお、光吸収の極大波長とは、370nm以上の光吸収領域で、吸収強度が最も大きい極大波長のことを言う。
該正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料の吸収の極大波長の差は好ましくは0nm以上40nm以下であり、さらに好ましくは0nm以上30nm以下であり、特に好ましくは0nm以上20nm以下であり、最も好ましくは0nm以上10nm以下である。
長波長端とは極大波長より長波長側において光吸収強度が実質的に減少しなくなった波長を言うが、ここでは、極大波長における光吸収強度の1/100の光吸収強度を示す波長とする。
該正孔輸送性光電変換材料材料と該電子輸送性光電変換材料の吸収の長波長端の差は好ましくは0nm以上40nm以下であり、さらに好ましくは0nm以上30nm以下であり、特に好ましくは0nm以上20nm以下であり、最も好ましくは0nm以上10nm以下である。
該正孔輸送性光電変換材料材料と該電子輸送性光電変換材料の吸収の長波長端の差及び長波長端の差は共に、好ましくは0nm以上40nm以下であり、さらに好ましくは0nm以上30nm以下であり、特に好ましくは0nm以上20nm以下であり、最も好ましくは0nm以上10nm以下である。
また、本発明の前記正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料は、いかなる吸収領域に吸収を有していても良いが、好ましくは可視域に吸収を有する場合である。
本発明においては、色再現良好なBGR光電変換膜、即ち青色光電変換膜、緑色光電変換膜、赤色光電変換膜のいずれかを好ましく用いることができる。各光電変換膜は、以下の分光吸収及び/または分光感度特性を有する場合が好ましい。
分光吸収極大値を、BGRの順に各々λmax1、λmax2、λmax3、分光感度極大値をBGRの順に各々Smax1、Smax2、Smax3としたとき、λmax1、Smax1 として好ましくは400nm以上500nm以下、さらに好ましくは420nm以上480nm以下、特に好ましくは430nm以上470nm以下の範囲にある場合である。λmax2、Smax2として好ましくは500nm以上600nm以下、さらに好ましくは520nm以上580nm以下、特に好ましくは530nm以上570nm以下の範囲にある場合である。λmax3、Smax3として好ましくは600nm以上700nm以下、さらに好ましくは620nm以上680nm以下、特に好ましくは630nm以上670nm以下の範囲にある場合である。
また、λmax1、λmax2、λmax3の分光極大吸収とSmax1、Smax2、Smax3の分光極大感度の80%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは20nm以上で、好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm以下、特に好ましくは50nm以下である。
また、λmax1、λmax2、λmax3の分光極大吸収とSmax1、Smax2、Smax3の分光極大感度の20%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは180nm以下、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは120nm以下、最も好ましくは100nm以下である。
また、λmax1、λmax2、λmax3とSmax1、Smax2、Smax3の長波側で、λmax1、λmax2、λmax3の分光極大吸収とSmax1、Smax2、Smax3の分光極大の50%の分光吸収率を示す最も長波長は、λmax1、Smax1として好ましくは460nm以上510nm以下、λmax2、Smax2として好ましくは560nm以上610nm以下、λmax3、Smax3として好ましくは640nm以上730nm以下である。
本発明で用いる光電変換膜の分光吸収波長及び分光感度領域の範囲がこれらの範囲にあるとき、撮像素子により得られるカラー画像の色再現性を向上させることができる。
H.Yersin著1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、芳香族へテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、芳香族へテロ環オキシ配位子、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
有機色素が形成する膜は、アモルファス状態、液晶状態、及び結晶状態のいずれでも良い。結晶状態で用いる場合は、顔料を用いることが好ましい。
なお、光電変換膜の中間層(バルクヘテロ接合構造層)中の有機p型半導体と有機n型半導体の配合比率も、同様の範囲で適宜設定することができる。
光電変換膜が緑色の光を吸収するものである場合、キナクリドン色素、ジケトピロロピロール色素、又はペリレン色素を好ましく用いることができる。さらに好ましくは、キナクリドン色素、又はジケトピロロピロール色素である。これらの色素の組み合わせは、同系統のもの、又は異系統のものいずれでも良い。
光電変換膜が赤色の光を吸収するものである場合、フタロシアニン色素を好ましく用いることができる。
I.緑色の光を吸収する光電変換膜
また、これらの文献に記載の本発明に属する化合物を本発明で使用することができる。
なお、化合物が正孔輸送性光電変換材料になるか、電子輸送性光電変換材料になるかは、2種の化合物を接触させて用いたときに、より電子を供与しやすい性質があるものが正孔輸送性光電変換材料となり、電子を受容しやすい性質があるものが電子輸送性光電変換材料となるため、組み合わせる相手の化合物によって変わることがある。
従って、上記で正孔輸送性光電変換材料に分類したものが電子輸送性光電変換材料になることがあり、また、その逆もある。
図1は、本発明の第一実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。図2は、図1に示す光電変換層の断面模式図である。この固体撮像素子は、図1に示す1画素が同一平面上でアレイ状に多数配置されたものであり、この1画素から得られる信号によって画像データの1つの画素データを生成することができる。
図1に示す固体撮像素子の1画素は、n型シリコン基板1と、n型シリコン基板1上に形成された透明な絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された第一電極膜11、第一電極膜11上に形成された光電変換層12、及び光電変換層12上に形成された第二電極膜13からなる光電変換部とを含んで構成され、光電変換部上には開口の設けられた遮光膜14が形成されており、この遮光膜14によって光電変換層12の受光領域が制限されている。また、遮光膜14及び第二電極膜13上には透明な絶縁膜15が形成されている。
有機p型半導体及び有機n型半導体として、それぞれ前記正孔輸送性光電変換材料、前記電子輸送性光電変換材料、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを特に好ましく用いることができる。
なお、有機p型半導体は、正孔輸送性材料とも言える。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
下引き膜121としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリカルバゾール、PTPDES、PTPDEKなどの有機の高分子系材料があげられ、スピンコート法で形成することが好ましい。
第二電極膜13を光電変換膜123の上層に成膜する場合、第二電極膜13の成膜に用いる装置中に存在する高エネルギー粒子、例えばスパッタ法ならば、スパッタ粒子や2次電子、Ar粒子、酸素負イオンなどが光電変換膜123に衝突する事で、光電変換膜123が変質し、リーク電流の増大や感度の低下など性能劣化が生じる場合がある。これを防止する一つの方法として、光電変換膜123の上層にバッファ膜125を設ける事が好ましい。
正孔ブロッキング兼バッファ膜125の材料は、銅フタロシアニン、PTCDA、アセチルアセトネート錯体、BCPなどの有機物、有機−金属化合物や、MgAg、MgOなどの無機物が好ましく用いられる。また、正孔ブロッキング兼バッファ膜125は、光電変換膜123の光吸収を妨げないために、可視光の透過率が高い事が好ましく、可視域に吸収をもたない材料を選択する事、あるいは極薄い膜厚で用いる事が好ましい。正孔ブロッキング兼バッファ膜125の膜厚は、光電変換膜123の構成、第二電極膜13の膜厚などにより適当な厚みが異なるが、特に、2〜50nmの膜厚で用いる事が好ましい。
第二電極膜13の詳細については後述する。
透明電極膜の光透過率は、その透明電極膜を含む光電変換部に含まれる光電変換膜の吸収ピーク波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
ーク電流増大が生じる場合がある。この原因の一つは、光電変換膜123に導入される微細なクラックがTCOなどの緻密な膜によってカバレッジされ、反対側の第一電極膜11との間の導通が増すためと考えられる。そのため、Alなど膜質が比較して劣る電極の場合、リーク電流の増大は生じにくい。第二電極膜13の膜厚を、光電変換膜123の膜厚(すなわち、クラックの深さ)に対して制御する事により、リーク電流の増大を大きく抑制できる。第二電極膜13の厚みは、光電変換膜123厚みの1/5以下、好ましくは1/10以下であるようにする事が望ましい。
本実施形態では、第一実施形態で説明した図1に示す構成の無機層を、n型シリコン基板内で2つのフォトダイオードを積層するのではなく、入射光の入射方向に対して垂直な方向に2つのフォトダイオードを配列して、n型シリコン基板内で2色の光を検出するようにしたものである。
図3に示す固体撮像素子200の1画素は、n型シリコン基板17と、n型シリコン基板17上方に形成された第一電極膜30、第一電極膜30上に形成された光電変換層31、及び光電変換層31上に形成された第二電極膜32からなる光電変換部とを含んで構成され、光電変換部上には開口の設けられた遮光膜34が形成されており、この遮光膜34によって光電変換層31の受光領域が制限されている。また、遮光膜34上には透明な絶縁膜33が形成されている。
尚、信号読出し部は、MOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、p領域18、p領域20、及びp+領域23に蓄積された正孔をn型シリコン基板17内に形成したCCDに読み出し、これをCCDでアンプまで転送して、アンプからその正孔に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
力、高速読出し、画素加算、部分読出し等の点から、CMOSの方が好ましい。
本実施形態の固体撮像素子は、第一実施形態で説明した図1に示す構成の無機層を設けず、シリコン基板上方に複数(ここでは3つ)の光電変換層を積層した構成である。
図4は、本発明の第三実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。
図4に示す固体撮像素子300は、シリコン基板41上方に、第一電極膜56、第一電極膜56上に積層された光電変換層57、及び光電変換層57上に積層された第二電極膜58を含むR光電変換部と、第一電極膜60、第一電極膜60上に積層された光電変換層61、及び光電変換層61上に積層された第二電極膜62を含むB光電変換部と、第一電極膜64、第一電極膜64上に積層された光電変換層65、及び光電変換層65上に積層された第二電極膜66を含むG光電変換部とが、それぞれに含まれる第一電極膜をシリコン基板41側に向けた状態で、この順に積層された構成となっている。
図5は、本発明の第四実施形態を説明するための固体撮像素子の断面模式図である。図5では、光を検出して電荷を蓄積する部分である画素部における2画素分の断面と、その画素部にある電極に接続される配線や、その配線に接続されるボンディングPAD等が形成される部分である周辺回路部との断面を併せて示した。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
に、電圧を印加した。
上記膜421の成膜から第二電極膜13であるITOのスパッタ成膜までは、大気に晒すことなく真空一貫で行う。
光電変換部として、図7に示した構成のものを以下のように作成し比較試料2とし、第二電極膜13上方から光を入射して、第一電極膜11で電子を捕集し、捕集した電子に応じた信号をMOS回路によって読み出した。なお、第1電極と第2電極の間に、第2電極が負(バイアス)となるよう、露光開始時20Vであるように、電圧を印加した。
薄膜の吸収スペクトルは、石英ガラス基板上に光電変換材料を真空蒸着法により約100nm成膜し、触針膜厚計で膜厚を測定して、厚み100nmあたりの吸収に換
算して示した。
以上の結果により、光入射側の電極とは反対の電極で正孔を捕集し、この正孔に応じた信号を読み出すことで、高感度化することがわかった。
本発明の規定を満たす光電変換材料を併用することにより、半値幅の狭く光電変換効率の高い光電変換素子を提供することができる。
なお、光電変換材料(2)、(12)、(15)、(18)の薄膜の吸収スペクトルを図9に示した。薄膜の吸収スペクトルは、石英ガラス基板上に光電変換材料を真空蒸着法により約100nm成膜し、触針膜厚計で膜厚を測定して、厚み100nmあたりの吸収に換算して示した。
1、(1):変更せず、(11)→(12)に変更
ここで、(1)と(12)の光吸収の極大波長はそれぞれ561nm、580nmであるので、その差は19nmである。
2、(1)→(2)に変更、(11):変更せず
ここで、(2)と(11)の光吸収の極大波長はそれぞれ575nm、581nmであるので、その差は6nmである。
3、(1)→(2)に変更、(11)→(18)に変更
ここで、(2)と(18)の光吸収の極大波長はそれぞれ575nm、548nmであるので、その差は27nmである。
4、(1):変更せず、(11)→(15)に変更
ここで、(1)と(15)の光吸収の極大波長はそれぞれ561nm、550nmであるので、その差は11nmである。
また、(1)のかわりに前述の具体例で示した正孔輸送性光電変換材料を用い、(11)のかわりに前述の具体例で示した電子輸送性光電変換材料を用いても、同様な結果が得られる。
2、4 n型半導体領域
6 高濃度n型半導体領域(電子蓄積部)
3、5 p型半導体領域
7、8、15 絶縁膜
9 接続部
10 配線
11 第一電極膜
12 光電変換層
13 第二電極膜
14 遮光膜
Claims (25)
- 第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子であって、
前記第二電極膜上方から前記光電変換膜に光が入射されるものであり、
前記光電変換膜は、前記第二電極膜上方からの入射光に応じて電子と正孔を含む電荷を発生するものであり、
かつ、該光電変換膜が少なくとも正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料とを含んでなり、該正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料の光吸収の極大波長の差が50nm以下であり、
前記第一電極膜を前記正孔の取り出し用の電極としたことを特徴とする光電変換素子。 - 第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子であって、
前記第二電極膜上方から前記光電変換膜に光が入射されるものであり、
前記光電変換膜は、前記第二電極膜上方からの入射光に応じて電子と正孔を含む電荷を発生するものであり、
かつ、該光電変換膜が少なくとも正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料とを含んでなり、該正孔輸送性光電変換材料と該電子輸送性光電変換材料の光吸収の長波長端の差が50nm以下であり、
前記第一電極膜を前記正孔の取り出し用の電極としたことを特徴とする光電変換素子。 - 前記正孔輸送性光電変換材料と前記電子輸送性光電変換材料の光吸収の極大波長の差及び長波長端の差が共に50nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の光電変換素子。
- 前記光電変換膜が、前記第一電極膜近傍よりも前記第二電極膜近傍の方が前記電子と前記正孔をより多く発生することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の光電変換素子。
- 前記光電変換膜が、前記正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料以外の有機材料を合わせて含んで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の光電変換素子。
- 前記光電変換膜が前記正孔輸送性光電変換材料と電子輸送性光電変換材料以外の有機p型半導体及び有機n型半導体の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項5記載の光電変換素子。
- 前記有機p型半導体及び前記有機n型半導体が、それぞれ、前記正孔輸送性光電変換材料、前記電子輸送性光電変換材料、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを含むことを特徴とする請求項6記載の光電変換素子。
- 前記第一電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、又はAuを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の光電変換素子。
- 前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、又はAuを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の光電変換素子。
- 前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、又はFTOを含んで構成され、
前記光電変換部が、前記光電変換膜と前記第二電極膜との間に、仕事関数4.5eV以下の金属からなる膜を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の光電変換素子。 - 前記第二電極膜の可視光に対する透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の光電変換素子。
- 前記第一電極膜の可視光に対する透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の光電変換素子。
- 前記第一電極膜と前記第二電極膜は、前記第二電極膜に前記電子が移動し、前記第一電極膜に前記正孔が移動するように電圧が印加されるものであり、
前記第一電極膜下方に設けられた半導体基板と、
前記半導体基板内に形成され、前記第一電極膜に移動された前記正孔を蓄積するための正孔蓄積部と、
前記正孔蓄積部と前記第一電極膜とを電気的に接続する接続部とを備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の光電変換素子。 - 前記光電変換部が、前記第一電極膜と前記光電変換膜との間に、有機高分子材料からなる膜を有することを特徴とする請求項13記載の光電変換素子。
- 前記光電変換膜下方の前記半導体基板内に、前記光電変換膜を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備えることを特徴とする請求項13又は14記載の光電変換素子。
- 前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内に積層されたそれぞれ異なる色の光を吸収する複数のフォトダイオードであることを特徴とする請求項15記載の光電変換素子。
- 前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内の前記入射光の入射方向に対して垂直な方向に配列されたそれぞれ異なる色の光を吸収する複数のフォトダイオードであることを特徴とする請求項15記載の光電変換素子。
- 前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された赤色用フォトダイオードであり、
前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものであることを特徴とする請求項16記載の光電変換素子。 - 前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収する青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収する赤色用フォトダイオードであり、
前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものであることを特徴とする請求項17記載の光電変換素子。 - 前記半導体基板上方に、前記光電変換部が複数積層されており、
前記複数の光電変換部毎に前記正孔蓄積部と前記接続部が設けられることを特徴とする請求項13〜19のいずれか記載の光電変換素子。 - 前記半導体基板と該半導体基板の直近にある前記第一電極膜との間に、該第一電極膜を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を備えることを特徴とする請求項13〜20のいずれか記載の光電変換素子。
- 請求項13〜20のいずれか記載の光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、
前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号を読み出す信号読み出し部を備えることを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項21記載の光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、
前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号と、前記無機光電変換部に蓄積された電荷に応じた信号とを読み出す信号読み出し部を備えることを特徴とする固体撮像素子。 - 前記信号読み出し部がMOSトランジスタで構成されることを特徴とする請求項22又は23記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換素子に含まれる前記光電変換膜及び前記第二電極膜が、前記多数の光電変換素子全体で共通化されており、
前記光電変換素子に含まれる前記第一電極膜が、前記多数の光電変換素子毎に分離されていることを特徴とする請求項22〜24のいずれか記載の固体撮像素子。
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