JP2009166504A - レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版が、円筒状支持体(A)上に、継ぎ目のないクッション層(B)、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)の順に積層された積層体であって、前記クッション層が隔壁を有する気泡を含み、かつ前記感光性樹脂硬化物層(C)が無機多孔質体(f)を含むことを特徴とするレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
【選択図】なし
Description
例えば、特公昭47−5121号公報(米国特許3549733号明細書)ではポリオキシメチレンまたはポリクロラールを用いることが開示されている。また特表平10−512823号公報(ドイツ国特許A19625749号)にはシリコーンポリマーもしくはシリコーンフッ素ポリマーを用いることが記載されており、その実施例ではアモルファスシリカ等の充填剤を配合している。しかし、これらの公報に記載の発明では感光性樹脂は用いられておらず、また、アモルファスシリカ添加の効果についても機械的強化と高価なエラストマー量を減らす目的としている。アモルファスシリカについては特定形状について記載もない。
特開2002−3665号公報では、エチレンを主成分とするエラストマー材料が使用されており、樹脂の補強硬化を目的としてシリカを混合してもよいことが記載されている。実施例において多孔質シリカが用いられているが、混合されている量が極めて多量であり、従来のゴムの補強を目的とした技術を出るものではない。更に感光性樹脂を用いているものではなく、熱により硬化させているため、硬化速度が遅く、そのため成膜精度が劣る。
カーボンブラックは少量の混合でも光線透過性が極めて低くなり、感光性樹脂にカーボンブラックを1wt%を越えて含有させた系では内部まで十分硬化させることができないため、レーザー彫刻印刷版としては不向きとなる。特に液状感光性樹脂を用いた場合、硬化性の低下は顕著である。更に、この特許において、無機多孔質体の記述も全くなく、液状カスの除去に関しても記載がない。
シート状ゴム版あるいは感光性樹脂版を用いてフレキソ印刷を行なう場合、フレキソ印刷機の版胴上に位置あわせを行い、接着テープを用いてシート状印刷版を固定することが一般的に行なわれているが、煩雑な作業工程が必要であり、より取り扱いの簡便な円筒状印刷原版が望まれていた。
レーザー彫刻用の円筒状印刷原版として架橋ゴムを用いたものが知られている。円筒状ゴム版の製造工程において、流動性のあるゴム材料を円筒状支持体上にコーティングする工程、加硫による熱架橋を行なう工程、表面を研磨する工程が必須であり、煩雑な処理工程に加え、架橋が安定化するまでに多大な時間を要するという致命的な問題を抱えていた。
クッションシートと印刷版を一体化させたものが、特開平7−28229号、特開平9−160224号、特開平11−184072号の各公報で提案されている。しかしながら、一体化させた印刷版においても版胴への位置合わせ工程と固定する工程が必要となる。また、感光性樹脂を撹拌することにより気泡を導入し、光硬化させたものをクッション層として使用することが、特開昭61−182043号公報、特開平3−136051号公報に記載されているが、気泡の安定性不足から経時で版厚が変化してしまうという問題があった。更に、膨張させた微小球を用いたクッション層に関する記載がWO01/49510号公報にあるが、シート状に成形されたもののみであり、円筒状であって、しかも継ぎ目のないクッション層に関する記載は一切ない。更に、これらの特許において、レーザー彫刻印刷原版に関する記載は一切ない。
このように、これまで種々のレーザー彫刻用の材料が提案されている。しかし、レーザー彫刻するための版を版厚精度、寸法精度よく提供でき、かつ、レーザー彫刻し易く、カスの発生の問題を解決した材料は知られていなかった。
また、レーザー光照射により樹脂を除去し印刷版を形成する場合、彫刻カスが多量に発生する凸版印刷版形成で特に効果がある。
1. レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版が、円筒状支持体(A)、継ぎ目のないクッション層(B)、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)の順に積層された積層体であって、前記クッション層(B)が隔壁を有する気泡を含み、かつ前記感光性樹脂硬化物層(C)が無機多孔質体(f)を含むことを特徴とするレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
2. クッション層(B)が、少なくとも1種類以上のバインダー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を有する感光性樹脂組成物(ア)を光照射により硬化させた硬化物層であることを特徴とする1.に記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
3. クッション層内に存在する隔壁を有する気泡の平均径が0.5μm以上500μm以下、該隔壁の厚さが0.05μm以上10μm以下であって、かつ該クッション層の厚さが0.01mm以上10mm以下、クッション層の密度が0.1g/cm3以上0.7g/cm3以下であることを特徴とする1.または2.に記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
5. 無機多孔質体(f)の平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、比表面積が10m2/g以上1500m2/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする1.から4.のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
6. 無機多孔質体(f)が、数平均粒子径0.1μm以上100μm以下であって、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5〜1の範囲の球状粒子であることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
8. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)が継ぎ目のない層であることを特徴とする1.から7.のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
9. 無機多孔質体(f)が、下記式で表される多孔度が20以上である1.から8.のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
また、本発明の円筒状フレキソ印刷原版は、直接レーザーで彫刻でき、彫刻した円筒状印刷版を印刷機に設置するだけで印刷が実施できるため、従来行なわれていた版胴上での印刷版の位置合わせ工程、印刷版の固定工程を省略することができ、工程を大幅に簡略化することが可能である。レーザーで彫刻する際に、パターンの位置合わせを正確にできるので、精度の高い印刷を実現することも可能である。
本発明の印刷原版は、レーザー光を用いて彫刻可能な円筒状の印刷原版である。レーザー光が照射された部分が除去され凹部が形成される。
本発明のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版は、円筒状支持体(A)上に、隔壁を有する気泡を含有する継ぎ目のないクッション層(B)、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)の順に積層された積層体である。好ましい方法としては、(i)熱膨張性マイクロカプセルを含有した樹脂層(g)を円筒状支持体(A)上に形成する工程、(ii)得られた樹脂層(g)を60〜250℃に加熱して前記マイクロカプセルを膨張させることにより前記樹脂層(g)の厚さを1.1から100倍に膨張させ、継ぎ目のない円筒状クッション層(B)を形成する工程、(iii)得られた円筒状クッション層(B)上に、感光性樹脂組成物層を形成する工程、(iv)形成した感光性樹脂組成物層を光照射により硬化させ、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成する工程を経る方法である。この方法では、熱膨張性マイクロカプセルを含有する樹脂が硬化性樹脂である場合、該マイクロカプセルを膨張させる前あるいは後で、光照射あるいは熱により樹脂層を硬化させることが可能である。
熱膨張させて形成したクッション層(B)の厚さは、熱膨張マイクロカプセルを膨張させる前の厚さの1.1倍から100倍の範囲が好ましく、より好ましくは1.1倍から50倍の範囲である。1.1倍以上であれば、クッション性を得ることができ、100倍以下であればクッション層の機械的強度を得ることができる。クッション層の厚さは、断面を露出させ走査型電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡を用いて観察することが好ましい。
隔壁の厚さの平均値は、0.05μm以上10μm以下であることが好ましい。0.05μm以上であれば気泡を保持することができ、10μm以下でればクッション性を確保することが可能である。隔壁の厚さは、クッション層を切断し、その断面を高分解能走査型電子顕微鏡を用いて観察し、評価することができる。
クッション層を形成するための樹脂組成物は、感光性樹脂組成物であっても、非感光性の樹脂組成物であっても構わない。また、熱硬化性樹脂組成物であっても構わない。取り扱いの容易さ、光を照射し硬化させることにより機械的物性を短時間で大幅に向上させることができる点などから、感光性樹脂組成物(ア)であることが好ましい。
感光性樹脂組成物(ア)に含まれるエチレン性不飽和化合物(b)としては感光性樹脂に使用される公知のエチレン性不飽和化合物を使用することができる。
例えば、t−ブチルアルコールやラウリルアルコールなどのアルコールとアクリル酸のエステル、ラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、あるいはジオクチルフマレートなどのアルコールのフマル酸エステル、更にはヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ノナンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロール(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルなどを単独、または組み合わせて感光性樹脂組成中に使用することができる。
感光性樹脂組成物(ア)に含まれる光重合開始剤(c)としては、公知の光重合開始剤を使用することができる。例えば、芳香族ケトン類やベンゾイルエーテル類などの公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノンなどの中から使用することができ、それらを組み合わせても使用できる。
ただし、軟化温度が300℃を越えて大きい樹脂を用いる場合、円筒状に成形する温度も当然高くなるため、他の有機物が熱で変性、分解することが懸念されるため、溶剤可溶性樹脂を溶剤に溶かした状態で塗布し使用することが好ましい。
本発明で用いる樹脂(d)の数平均分子量は、1000から20万の範囲が好ましい。より好ましい範囲としては、5000から10万である。数平均分子量が1000から20万の範囲であれば、印刷原版の機械的強度を確保することができ、レーザー彫刻時、樹脂を充分に溶融あるいは分解させることができる。本発明の数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品に対して評価したものである。
特に、末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基を有する場合には、主鎖末端に重合性不飽和基を導入することも容易である。
本発明で用いる樹脂(d)は、通常反応性の高い重合性不飽和基を持たないものが多いが、分子鎖の末端あるいは側鎖に反応性の高い重合性不飽和基を有していても構わない。反応性の高い重合性不飽和基を有するポリマーを用いた場合、極めて機械的強度の高い印刷原版を作製することができる。特にポリウレタン系、ポリエステル系熱可塑性エラストマーでは、比較的簡単に分子内に反応性の高い重合性不飽和基を導入することが可能である。ここで言う分子内とは高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接、重合性不飽和基が付いている場合なども含まれる。例えば直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いても良いが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
本発明で用いる樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(e)としては脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(e)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
無機多孔質体(f)とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子である。レーザー彫刻において多量に発生する粘稠性の液状カスを吸収除去するための添加剤であり、版面のタック防止効果も有する。レーザー照射されても溶融しないことの他、特に材質として限定されるものではないが、紫外線あるいは可視光線を用いて光硬化させる場合、黒色の微粒子を添加すると感光性樹脂組成物内部への光線透過性が著しく低下し、硬化物の物性低下をもたらすため、カーボンブラック、活性炭、グラファイト等の黒色微粒子は、本発明で用いる無機多孔質体(f)としては適当でない。
無機多孔質体(f)の細孔容積は、好ましくは0.1ml/g以上10ml/g以下、より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。細孔容積が0.1m/g以上の場合、粘稠性液状カスの吸収量は十分であり、また10ml/g以下の場合、粒子の機械的強度を確保することができる。本発明において細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。本発明の細孔容積は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
無機多孔質体(f)の比表面積の範囲は、好ましくは10m2/g以上1500m2/g以下である。より好ましい範囲は、100m2/g以上800m2/g以下である。比表面積が10m2/g以上であれば、レーザー彫刻時の液状カスの除去が十分となり、また、1500m2/g以下であれば、感光性樹脂組成物の粘度上昇を抑え、また、チキソトロピー性を抑えることができる。本発明の比表面積は、−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。
無機多孔質体の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。その中でも、印刷版の耐摩耗性の観点から、球状粒子が特に好ましい。また、粒子の内部が空洞になっている粒子、シリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体など使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、メソポーラスモレキュラーシーブ、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。
更にこれらの細孔あるいは空隙にレーザー光の波長の光を吸収する顔料、染料等の有機色素を取り込ませることもできる。
本発明において、これらの無機多孔質体(f)は1種類もしくは2種類以上のものを選択でき、無機多孔質体(f)を添加することによりレーザー彫刻時の液状カスの発生抑制、及びレリーフ印刷版のタック防止等の改良が有効に行われる。
有機化合物(e)の割合が、上記の範囲であれば、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとり易く、架橋硬化の際の収縮が小さくなり、厚み精度を確保することができる。
したがって、用いる無機多孔質体の屈折率が感光性樹脂組成物の屈折率に近いものを用いることが有効である。
その他、本発明で用いる樹脂組成物には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明のレーザー彫刻可能な印刷原版は、無機多孔質体微粒子を含有した感光性材料を光架橋硬化させて形成したものである。したがって、有機化合物(e)の重合性不飽和基、あるいはポリマーと有機化合物(e)の重合性不飽和基が反応することにより3次元架橋構造が形成され、通常用いるエステル系、ケトン系、芳香族系、エーテル系、アルコール系、ハロゲン系溶剤に不溶化する。この反応は、有機化合物(e)同士、樹脂(d)同士、あるいは樹脂(d)と有機化合物(e)との間で起こり、重合性不飽和基が消費される。また、光重合開始剤を用いて架橋硬化させる場合、光重合開始剤が光により分解されるため、前記架橋硬化物を溶剤で抽出し、GC−MS法(ガスクロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、LC−MS法(液体クロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、GPC−MS法(ゲル浸透クロマトグラフィーで分離し質量分析する方法)、LC−NMR法(液体クロマトグラフィーで分離したものを核磁気共鳴スペクトルで分析する方法)を用いて解析することにより、未反応の光重合開始剤および分解生成物を同定することができる。更に、GPC−MS法、LC−MS法、GPC−NMR法を用いることにより、溶剤抽出物中の未反応の樹脂(d)、未反応の有機化合物(e)、および重合性不飽和基が反応して得られる比較的低分子量の生成物についても溶剤抽出物の分析から同定することができる。3次元架橋構造を形成した溶剤に不溶の高分子量成分については、熱分解GC−MS法を用いることにより、高分子量体を構成する成分として、重合性不飽和基が反応して生成した部位が存在するかを検証することが可能である。
例えば、メタクリレート基、アクリレート基、ビニル基等の重合性不飽和基が反応した部位が存在することを質量分析スペクトルパターンから推定することができる。熱分解GC−MS法とは、試料を加熱分解させ、生成するガス成分をガスクロマトグラフィーで分離した後、質量分析を行なう方法である。架橋硬化物中に、未反応の重合性不飽和基又は重合性不飽和基が反応して得られた部位と共に、光重合開始剤に由来する分解生成物や未反応の光重合開始剤が検出されると、感光性樹脂組成物を光架橋硬化させて得られたものであると結論付けることができる。
広く用いられているシランカップリング剤は、基材の表面水酸基との反応性の高い官能基を分子内に有する化合物であり、そのような官能基とは、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジエトキシシリル基、ジメトキシシリル基、ジモノクロロシリル基、モノエトキシシリル基、モノメトキシシリル基、モノクロロシリル基を挙げることができる。また、これらの官能基は分子内に少なくとも1つ以上存在し、基材の表面水酸基と反応することにより基材表面に固定化される。更にシランカップリング剤を構成する化合物は、分子内に反応性官能基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、パーフルオロアルキル基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも1個の官能基を有するもの、あるいは長鎖アルキル基を有するものを用いることができる。
上記のカップリング剤に、必要に応じ、水−アルコール、或いは酢酸水−アルコール混合液で希釈して、調整する。処理液中のカップリング剤の濃度は、0.05〜10.0重量%が好ましい。
カップリング剤処理法について説明する。前記のカップリング剤を含む処理液を、印刷原版、あるいはレーザー彫刻後の印刷版表面に塗布して用いられる。カップリング剤処理液を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適応することが出来る。また、被覆処理温度、被覆処理時間についても特に限定はないが、5〜60℃であることが好ましく、処理時間は0.1〜60秒であることが好ましい。更に樹脂版表面上の処理液層の乾燥を加熱下に行うことが好ましく、加熱温度としては50〜150℃が好ましい。
また、無機多孔質体粒子を含有する層が印刷版表面に露出している場合、プラズマ等の高エネルギー雰囲気下で処理し、表面の有機物層を若干エッチング除去することにより印刷版表面に微小な凹凸を形成させることができる。この処理により印刷版表面のタックを低減させること、および表面に露出した無機多孔質体粒子がインクを吸収しやすくすることによりインク濡れ性が向上する効果も期待できる。
レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー等の赤外線あるいは近赤外線領域に発振波長を有するレーザーが好ましいものの一つである。また、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザー等は、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。フェムト秒レーザーなど極めて高い尖頭出力を有するレーザーを用いることもできる。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でも良い。一般には樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではない。YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザーは1μm近辺に発振波長を有するが、この波長領域に光吸収を有する有機物はあまり無い。その場合、これの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が必要となる。このような染料の例としては、ポリ(置換)フタロシアニン化合物および金属含有フタロシアニン化合物、;シアニン化合物;スクアリリウム染料;カルコゲノピリロアリリデン染料;クロロニウム染料;金属チオレート染料;ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料;オキシインドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリメチン染料;メロシアニン染料;及びキノイド染料などが挙げられる。顔料の例としてはカーボンブラック、グラファイト亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化鉄等の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属粉およびこれら金属にSi、Mg、P、Co、Ni、Y等をドープしたもの等が挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良いし、複層構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせても良い。ただし、紫外線あるいは可視光線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させる場合、印刷原版内部まで硬化させるためには、用いる光線領域に吸収のある色素、顔料の添加量は低く抑えることが好ましい。
本発明のレーザー彫刻可能な印刷原版は印刷版用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、各種成型品の原型・母型など各種の用途に
応用し利用できる。
実施例及び比較例中、レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(BAASEL社製、商標「TYP STAMPLAS SN 09」)を用いて行い、彫刻のパターンは、網点、500μm幅の凸線による線画、及び、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部パターンのトップ部分の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.55mmとした。
(彫刻直後の版の重量−拭き取り後の版の重量)÷(彫刻前の原版重量−拭き取り後の版の重量)×100
(1)
また、拭き取り後のレリーフ印刷版面のタック測定は株式会社東洋精機製作所製タックテスターを用いて行なった。 タック測定は、20℃において、試料片の平滑な部分に半径50mm、幅13mmのアルミニウム輪の幅13mmの部分を接触させ、該アルミニウム輪に0.5kgの荷重を加え4秒間放置した後、毎分30mmの一定速度で前記アルミニウム輪を引き上げ、アルミニウム輪が試料片から離れる際の抵抗力をプッシュプルゲージで読み取る。この値が大きいもの程、ベトツキ度が大きく、接着力が高い。
微粒子の比表面積、細孔分布測定は、米国カンタクローム社製、オートソープ3MPを用い、液体窒素温度雰囲気下、窒素ガスを吸着させて測定した。
樹脂(d)として、下記製造例1〜9で、樹脂(ア)〜(ク)を製造した。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1830、OH価61.3)500gとトリレンジイソシアナート52.40gを加え60℃に加温下に約3時間反応させた後、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート25.24gとポリプロピレングリコールモノメタクリレート(Mn400)31.75gを添加し、さらに2時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均で約2個)である数平均分子量約20000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコにクラレ株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「クラレポリオールC−2015N」(数平均分子量2000、OH価56.0)500gとトリレンジイソシアナート49.86gを加え60℃に加温下に約3時間反応させた後、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート26.63gとポリプロピレングリコールモノメタクリレート35.27gを添加し、さらに2時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約1
5000の樹脂(イ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコにクラレ株式会社製ポリイソプレンポリオール、商標「LIR−506」(数平均分子量16400、OH価17.1)500gと2−メタクリロイルオキシイソシアネート23.65gを添加し、60℃で7時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均5個)である数平均分子量17200の樹脂(ウ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社
製ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1830、OH価61.3)500gとトリレンジイソシアネート52.40gを加え60℃に加温下に約3時
間反応させた後、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート6.2gとポリプロピレングリコールモノメタクリレート(Mn400)7.9gを添加し、さらに2時間反応させたのち、エタノールを20g加えてさらに2時間反応させた。末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均で0.5個)である数平均分子量約20000の樹脂(エ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分
子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である
数平均分子量約10000の樹脂(オ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分
子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート7.42gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数
平均分子量約10000の樹脂(カ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分
子量1990、OH価56.4)449.33gとトリレンジイソシアナート12.53gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート47.77gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である
数平均分子量約3000の樹脂(キ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分
子量1990、OH価56.4)449.33gとトリレンジイソシアナート12.53gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート23.89gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である
数平均分子量約3000の樹脂(ク)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(クッション層の形成)
スチレン−ブタジエンコポリマー(旭化成株式会社製、商標「タフプレンA」)60重量部、液状ポリブタジエン(日本石油化学株式会社製、商標「B−2000」)29重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート7重量部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン2重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1重量部、熱膨張性カプセル(松本油脂製薬株式会社製、商標「マツモトマイクロスフェアーF−30VS」、最適発泡温度110〜120℃、乾燥重量)1重量部をニーダーにて混錬し、得られた混錬物10重量部に対して、トルエン60重量部を混合し、均一な溶液である感光性樹脂組成物(コ)を得た。
作製された円筒状クッション積層体の径を10箇所測定したところ、精度は10μm以内に入っていた。
得られたクッション層は、失透しており熱膨張性マイクロカプセルが膨張していることを確認した。表面近傍の気泡径を、光学顕微鏡を用いて観察したところ、クッション層(β)では、70%以上の気泡が40から70μmの範囲に入り、平均値は59μmであった。
作製された円筒状クッション積層体の径を10箇所測定したところ、精度は10μm以内に入っていた。
前記の製造例で得られた樹脂(ア)から(ク)、及び旭化成株式会社製スチレンブタジエン共重合体、商標「タフプレンA」(以下略してSBS)を用い、表1に示すように重合性モノマー、無機多孔質体として富士シリシア化学株式会社
製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)、商標「サイシリア450」(以下略してCH−450、数平均粒子径8.0μm、比表面積300m2/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量200ml/100g)、商標「サイリシア470」(以下略してC−470、数平均粒子径14.1μm、比表面積300m2/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量180ml/100g)、光重合開始剤、その他添加剤を加えて感光性樹脂組成物を作成した。SBSを用いた系のみ20℃において固体状となるため、トルエンを添加し粘性の高い溶液状態の感光性樹脂組成物を得た。これらの感光性樹脂組成物を、得られたクッション層(α)あるいは(β)の上に押し出し塗布し、余分な感光性樹脂組成物をドクターブレードで除去し、部分的に盛り上がった箇所をロールで圧縮することにより、継ぎ目のない感光性樹脂組成物層を形成し円筒状積層体を得た。更に、得られた円筒状積層体表面に紫外線蛍光灯の光を1000mJ/cm2の条件で照射し、印刷原版を作製した。SBS系感光性樹脂組成物については、均一の膜厚に成形する過程で溶剤であるトルエンを乾燥除去した。
これらをBAASEL社製の炭酸ガスレーザー彫刻機をもちいて、パターンの彫刻を行なった。その評価結果を表2に示す。
表2の彫刻後のカス拭き取り回数とは、彫刻後発生する粘稠性の液状カスを除去するのに必要な拭き取り処理の回数であり、この回数が多いと液状カスの量が多いことを意味する。
本発明の実施例で用いている二重結合含有有機化合物の内、脂環族および芳香族の誘導体は、BZMA、CHMAおよびPEMAである。
有機多孔質球状微粒子を使用する以外は、実施例4と同じ方法で、印刷原版を作製した。有機多孔質微粒子は、架橋ポリスチレンからなり、数平均粒子径8μm、比表面積200m2/g、平均細孔径50nm、細孔容積2.5ml/gの微粒子であった。
炭酸ガスレーザーで彫刻後、粘稠性液状カスが多量に発生し、カス拭き取り回数は30回を越えて必要であった。これは、有機多孔質微粒子がレーザー光照射により溶融・分解し、多孔質性を保持できなかったものと推定される。
無機多孔質体の代わりにカーボンブラック(東海カーボン社製、商標「シーストSP、SRF−LS」、平均粒子径95nm、比表面積23m2/g、平均細孔径1nm未満)を0.2wt%含有させる以外は、実施例4と同じ方法で、印刷原版の作製を試みた。カーボンブラック粒子のX線回折から求めた面間隔を平均細孔径とした。用いたカーボンブラックの多孔度は、密度を2.25g/cm3として、0.8である。
硬化した約0.2mmの硬化物層を取り出し、液状物の残存する面に再度、紫外線を照射し硬化させたものを擬似印刷版とし、彫刻深さを0.1mmに設定し、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いて彫刻を実施した。その結果、彫刻カスは粘稠性液状物であった。これは、添加できる黒色のカーボンブラックが極めて少量に制限されるため、擬似印刷版内部の硬化が不十分であることが推定される。本比較例のように極めて少量の添加量では液状カスを除去する効果は期待できない。
紫外線領域に大きな光吸収特性を有する微粒子を感光性樹脂に添加し、それを光硬化する系の場合、一般的な現象である。
無機多孔質体の代わりに無孔質体としてアルミノシリケート(水澤化学社製、商標「シルトンAMT08L」)を用いる以外は、実施例4と同じ方法により印刷原版を作製した。用いた無孔質体は平均粒子径0.9μm、細孔容積0.08ml/g、比表面積21m2/g、吸油量60ml/100gであった。多孔度は、密度を2g/cm3として、6.3であった。
炭酸ガスレーザーで彫刻後、粘稠性液状カスが多量に発生し、カス拭き取り回数は10回を越えて必要であった。
網点部の形状は、円錐状で良好であった。また、拭き取り後のレリーフ上のタックは280N/mであった。
無機多孔質体の代わりに無孔質体としてアルミノシリケート(水澤化学社製、商標「シルトンAMT25」)を用いる以外は、実施例4と同じ方法により印刷原版を作製した。用いた無孔質体は平均粒子径2.9μm、細孔容積0.006ml/g、比表面積2.3m2/g、吸油量40ml/100gであった。多孔度は、密度を2g/cm3として、2.2であった。
炭酸ガスレーザーで彫刻後、粘稠性液状カスが多量に発生し、カス拭き取り回数は10回を越えて必要であった。
網点部の形状は、円錐状で良好であった。また、拭き取り後のレリーフ上のタックは300N/mであった。
無機多孔質体の代わりに無孔質体としてソジュウムカルシウムアルミノシリケート(水澤化学社製、商標「シルトンJC50」)を用いる以外は、実施例4と同じ方法により印刷原版を作製した。用いた無孔質体は平均粒子径5.0μm、細孔容積0.02ml/g、比表面積6.7m2/g、吸油量45ml/100gであった。多孔度は、密度を2g/cm3として、11であった。
炭酸ガスレーザーで彫刻後、粘稠性液状カスが多量に発生し、カス拭き取り回数は10回を越えて必要であった。
網点部の形状は、円錐状で良好であった。また、拭き取り後のレリーフ上のタックは260N/mであった。
実施例と同じ円筒状支持体上に厚さ25μmの両面テープを貼り付け、その上に連続気泡を有する発泡ポリウレタンシートを貼り付けたが、所々気泡が入ってしまい、その部分が100μm以上盛り上がってしまった。また、隙間が発生しないように継ぎ目を注意深く合わせる作業を行なったが、隙間を0.5mm以下に抑えることはできなかった。
Claims (10)
- 円筒状支持体(A)上に、継ぎ目のないクッション層(B)、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)の順に積層された積層体であって、前記クッション層(B)が隔壁を有する気泡を含み、かつ前記感光性樹脂硬化物層(C)が無機多孔質体(f)を含むことを特徴とするレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- クッション層(B)が、少なくとも1種類以上のバインダー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を有する感光性樹脂組成物(ア)を光照射により硬化させた硬化物層であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- クッション層内に存在する隔壁を有する気泡の平均径が0.5μm以上500μm以下、該隔壁の厚さが0.05μm以上10μm以下であって、かつ該クッション層の厚さが0.01mm以上10mm以下、クッション層の密度が0.1g/cm3以上0.7g/cm3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- 感光性樹脂硬化物層(C)が、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(d)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(e)を含有し、かつ20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させた硬化物層であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- 無機多孔質体(f)の平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、比表面積が10m2/g以上1500m2/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- 無機多孔質体(f)が、数平均粒子径0.1μm以上100μm以下であって、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5〜1の範囲の球状粒子であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- 有機化合物(e)の全体量の20wt%以上が脂環族、芳香族の少なくとも1種類以上の誘導体であることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)が、継ぎ目のない層であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版。
- 請求項1から9のいずれかに記載のレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版表面にレーザー光を照射し、凹凸パターンを形成することにより得られることを特徴とするレーザー彫刻印刷版。
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