JP2009166313A - 自動車内装パネルの製造方法 - Google Patents
自動車内装パネルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009166313A JP2009166313A JP2008005595A JP2008005595A JP2009166313A JP 2009166313 A JP2009166313 A JP 2009166313A JP 2008005595 A JP2008005595 A JP 2008005595A JP 2008005595 A JP2008005595 A JP 2008005595A JP 2009166313 A JP2009166313 A JP 2009166313A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- primer
- skin material
- molding
- mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】自動車内装パネルの製造において、樹脂製の表皮材のコストを低減するとともに、成形性が良く安価なポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材料を使用して基材の成形と同時に表皮材を基材に強固に融着させて一体化させる。
【解決手段】自動車内装パネルの製造方法は、樹脂製の表皮材を成形する表皮材成形工程(b)(c)と、表皮材成形工程で得られた表皮材の裏面側に変性ポリオレフィン樹脂を含有するプライマー14によりプライマー被膜を形成するプライマー処理工程(d)と、プライマー処理工程でプライマー処理された表皮材のプライマー被膜側において、ポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料Rにより基材を成形すると共に、該表皮材と該基材とをプライマー被膜を介して一体化させる一体成形工程(e)〜(g)と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】自動車内装パネルの製造方法は、樹脂製の表皮材を成形する表皮材成形工程(b)(c)と、表皮材成形工程で得られた表皮材の裏面側に変性ポリオレフィン樹脂を含有するプライマー14によりプライマー被膜を形成するプライマー処理工程(d)と、プライマー処理工程でプライマー処理された表皮材のプライマー被膜側において、ポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料Rにより基材を成形すると共に、該表皮材と該基材とをプライマー被膜を介して一体化させる一体成形工程(e)〜(g)と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドアトリム等の自動車内装パネルの製造方法に関する。
ドアトリム等の自動車内装パネルには、硬質樹脂で形成された基材の表面にポリ塩化ビニル等で形成された表皮材を一体に設けたものが一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる自動車内装パネルの製造方法としては、図4(a)に示すようなキャビ型31(上型)及びコア型32(下型)からなるパネル成形型30を用い、まず、図4(b)に示すようにシート状の表皮材110をキャビ型31のピンPに刺して固定し、次いで、図4(c)に示すようにコア型32に溶融した樹脂材料Rを押し出すと共に、キャビ型31をコア型32に近づけて溶融した樹脂材料Rを表皮材110で覆い、続いて、図4(d)に示すようにキャビ型31をコア型32にさらに近づけて表皮材110と溶融した樹脂材料Rとを融着させ、最後に、図4(e)に示すように型締めして貼合する方法がある。
また、別の方法としては、図5(a)に示すような表皮材成形型20を用い、まず、図5(b)に示すように予め表皮材成形型20に離型剤11を塗布し、次いで、図5(c)に示すように成形面上に塗料を塗布して塗装被膜111を形成し、続いて、図5(d)に示すように塗装被膜111上にポリオール及びイソシアネートを含有するウレタン材料混合液を塗布して表皮材110を成形した後に脱型し、次は、キャビ型31及びコア型32からなるパネル成形型30を用い、図5(e)に示すようにキャビ型31に予め成形した表皮材110及びコア型32に予め成形した基材130をそれぞれセットし、表皮材110と基材130の間に、図示しないがポリオール及びイソシアネートを含有する発泡性のウレタン材料混合液を注いだ後、型締めして貼合する方法がある。
特開平6−047879号公報
ところで、シート状の表皮材をピンに刺して成形型にセットし、基材の樹脂材料の成形と同時に貼合する場合、シート状の表皮材を自動車内装パネルの形状に強制的に沿わせることになるため、表皮材に局部的に皺や、破れ、透け等の不具合が発生し易くなる。それを防止するため、自動車内装パネルの形状にシャープな形状を採用することができず、大きなデザイン制約となっていた。また、表皮材の周縁部のピンに刺す部分は切除して捨てなければならず、表皮材の材料のロスが多くなり、コスト高を招いていた。
本発明の目的は、自動車内装パネルの形状に略一致した形状の表皮材を製作して表皮材のロスを減らすことでコストを低減するとともに、成形性が良く安価なポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材料を使用して基材の成形と同時に表皮材を基材に強固に融着させて一体化させることで、デザイン制約のない、高い意匠性の自動車内装パネルの製造方法を提供することである。
上記の目的を達成する本発明に係る自動車内装パネルの製造方法は、
樹脂製の表皮材を成形する表皮材成形工程と、
上記表皮材成形工程で得られた表皮材の裏面側に変性ポリオレフィン樹脂を含有するプライマーによりプライマー被膜を形成するプライマー処理工程と、
上記プライマー処理工程でプライマー処理された表皮材のプライマー被膜側において、ポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料により基材を成形すると共に、該表皮材と該基材とをプライマー被膜を介して一体化させる一体成形工程と、
を備えたことを特徴とする。
樹脂製の表皮材を成形する表皮材成形工程と、
上記表皮材成形工程で得られた表皮材の裏面側に変性ポリオレフィン樹脂を含有するプライマーによりプライマー被膜を形成するプライマー処理工程と、
上記プライマー処理工程でプライマー処理された表皮材のプライマー被膜側において、ポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料により基材を成形すると共に、該表皮材と該基材とをプライマー被膜を介して一体化させる一体成形工程と、
を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、プライマー被膜に含まれる変性ポリオレフィン樹脂の変性部分が表皮材に対して分子間力を及ぼしたり、或いは、化学結合を形成することによるアンカー効果により、プライマー被膜が表皮材に強固に密着し、また、一体成形工程において、プライマー被膜の変性ポリオレフィン樹脂が基材を形成するポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料に相互拡散により熱融着して密着し、これらにより、表皮材がプライマー被膜を介して、ポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料で形成された基材に強固に密着して一体化することとなる。従って、安価であると共に流動性に富むものの、一般的に接着性に乏しいと言われるポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材料により自動車内装パネルの基材を構成することができる。
本発明に係る自動車内装パネルの製造方法は、上記プライマーの変性ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリプロピレン樹脂であることが好ましい。
このようにすれば、プライマーの変性ポリオレフィン樹脂が基材の主成分のポリプロピレン樹脂と同種の酸変性ポリプロピレン樹脂であるので、相互拡散が容易となってより高い熱融着による密着性を得ることができる。
本発明に係る自動車内装パネルの製造方法は、上記表皮材成形工程において、上記表皮材をポリウレタン樹脂で形成することが好ましい。
このようにすれば、高い意匠性の表皮材を得ることができると共に、ポリウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基によるプライマー被膜に対する接着効果を期待することもできる。
本発明によれば、プライマー被膜が表皮材に強固に密着し、また、プライマー被膜の変性ポリオレフィン樹脂が基材を形成するポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料に相互拡散により熱融着して密着し、これらにより、高い意匠性の表皮材をプライマー被膜を介して、安価であると共に流動性に富むポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料で形成された基材に強固に密着させて一体化させることができる。また、表皮材の材料ロスも少なくすることができ、コストを低減できる。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
実施形態1は、ドアトリム等の自動車内装パネルの製造方法である。
実施形態1は、ドアトリム等の自動車内装パネルの製造方法である。
<表皮材成形工程>
図1(a)に示すように、上方に開口し、高い意匠性の自動車内装パネルの形状に略一致した成形凹部を有する表皮材成形型20を用い、その成形凹部にノズルNから離型剤11を吹き付けた後、図1(b)に示すように、離型剤11が付着した成形面上にノズルNから塗料12を吹き付ける。
図1(a)に示すように、上方に開口し、高い意匠性の自動車内装パネルの形状に略一致した成形凹部を有する表皮材成形型20を用い、その成形凹部にノズルNから離型剤11を吹き付けた後、図1(b)に示すように、離型剤11が付着した成形面上にノズルNから塗料12を吹き付ける。
このとき、離型剤11が付着した成形凹部において、成形面上に付着した塗料12が乾燥して塗装被膜が形成される。塗装被膜の厚さは例えば20〜30μmである。
ここで、離型剤11としては、例えば、一般的にウレタン表皮の成形時に使用されている離型剤であればよく、例えば、ポリエチレンワックス系、α−メチルスチレン変性ジメチルポリシロキサン系等が挙げられる。
塗料12としては、例えば、顔料及びポリウレタン樹脂などの樹脂材料を有機溶剤に溶解させた溶剤系塗料、顔料及びポリウレタン樹脂などの樹脂材料を水に分散させた水系塗料等が挙げられる。
離型剤吹き付け加工条件については、例えば、表皮材成形型20の温度を50〜85℃、離型剤11の吐出速度を0.02〜0.50cc/秒、離型剤11の吐出圧力を0.3〜0.4MPaとする。
塗料吹き付け加工条件については、例えば、表皮材成形型20の温度を50〜85℃、塗料12の吐出速度を90〜100g/min、塗料12の吐出圧力を0.3〜0.4MPaとする。
次いで、塗装被膜の上に、図1(c)に示すように、ノズルNからポリオールとイソシアネートとを含むウレタン材料混合液13を吹き付ける。
このとき、塗装被膜上において、ポリオールとイソシアネートとが縮合したポリウレタン樹脂を吹き付け、非発泡表面層が形成される。非発泡表面層は、イソシアネート基の接着作用によって塗装被膜に強固に密着して一体化する。非発泡表面層の厚さは例えば0.4〜1.0mmである。
ここで、ウレタン材料混合液13に含まれるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール系ポリオール、或いはそのエチレンオキサイド変性物やアミン変性物、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどのポリオールとの縮合反応生成物、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリオールは、これらのうち単一種で構成されていても、複数種が混合されて構成されていてもどちらでもよい。
ウレタン材料混合液13に含まれるイソシアネートとしては、、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなど脂肪族系ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環状系ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族系ジイソシアネート等が挙げられる。イソシアネートは、これらのうち単一種で構成されていても、複数種が混合されて構成されていてもどちらでもよい。
ウレタン材料混合液吹き付け加工条件については、例えば、表皮材成形型20の温度を50〜85℃、ウレタン材料混合液13の吐出速度を10〜20cc/秒、ウレタン材料混合液13の吐出圧力を約10MPaとする。
以上により、表皮材成形型20の成形凹部に塗装被膜、非発泡表面層の2層積層構造の表皮材110が成形される。
<プライマー処理工程>
表皮材成形型20の成形凹部に形成された表皮材110の裏面側に、図1(d)に示すように、ノズルNからプライマー14を吹き付ける。
表皮材成形型20の成形凹部に形成された表皮材110の裏面側に、図1(d)に示すように、ノズルNからプライマー14を吹き付ける。
このとき、表皮材110の裏面側に付着したプライマー14が乾燥してプライマー被膜が形成される。プライマー被膜の厚さは例えば10〜15μmである。
ここで、プライマー14は、変性ポリオレフィン樹脂を溶剤に溶解させたもので構成されている。
変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂に官能基をグラフトしたものであって、例えば、アクリル酸変性ポリエチレン樹脂、アクリル酸変性ポリプロピレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂などの酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。これらのうち、次工程の一体成形工程において、基材の主成分のポリプロピレン樹脂との相互拡散が容易となってより高い熱融着による密着性を得ることができるという観点から、基材の主成分のポリプロピレン樹脂と同種のポリ酸変性ポリプロピレン樹脂が好ましい。
溶剤としては、例えば、ケトン系、アルコール系、グリコール系等が挙げられる。
プライマー吹き付け加工条件については、例えば、表皮材成形型20の温度を50〜85℃、プライマー14の吐出速度を0.2〜0.5cc/秒、プライマー14の吐出圧力を0.3〜0.4MPaとする。
<一体成形工程>
表皮材成形型20からプライマー被膜を設けた表皮材110を脱型し、それを今度は、図1(e)に示すように、下方に開口した成形凹部を有するキャビ型31(上型)と上方に突出した成形凸部を有するコア型32(下型)とからなるパネル成形型30を用い、それらのうちキャビ型31の成形凹部に、表皮材110を、プライマー被膜側が露出するようにセットする。
表皮材成形型20からプライマー被膜を設けた表皮材110を脱型し、それを今度は、図1(e)に示すように、下方に開口した成形凹部を有するキャビ型31(上型)と上方に突出した成形凸部を有するコア型32(下型)とからなるパネル成形型30を用い、それらのうちキャビ型31の成形凹部に、表皮材110を、プライマー被膜側が露出するようにセットする。
次いで、図1(f)に示すように、コア型32に溶融した樹脂材料Rを押し出すと共に、溶融した樹脂材料Rを表皮材110で覆うようにキャビ型31をコア型32に近づける。
続いて、図1(g)に示すように、パネル成形型30を型締めする。
このとき、溶融した樹脂材料Rにより基材が成形される。
また、プライマー被膜に含まれる変性ポリオレフィン樹脂の変性部分の極性基が表皮材に対して分子間力を及ぼしたり、或いは、化学結合を形成することによるアンカー効果により、プライマー被膜が表皮材に強固に密着する。一方、プライマー被膜に含まれる変性ポリオレフィン樹脂が基材を形成する樹脂材料Rと相互拡散により熱融着して密着する。これらにより、表皮材がプライマー被膜を介して、ポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料で形成された基材に強固に密着して一体化する。
そして、パネル成形型30を冷却した後に型開きし、成形された自動車内装パネルを取り出す。
ここで、樹脂材料は、ポリプロピレン樹脂を主成分とするものである。ポリプロピレン樹脂は、ホモポリプロピレン樹脂であっても、また、酸変性基等により変性された部分を含むものであってもどちらでもよい。ポリプロピレン樹脂は、枝分かれの少ない結晶性の高いものであっても、また、結晶性の低いものであってもどちらでもよい。
樹脂材料には、エチレン・プロピレンブロック共重合体樹脂等の他の樹脂や可塑剤等が含まれていてもよい。
一体成形の加工条件については、例えば、キャビ型31及びコア型32の温度を40〜45℃、型締め圧力を4〜10MPa、型締め時間を30〜60秒とする。
図2に示すように、以上のようにして製造された自動車内装パネル100は、外側から順に、塗装被膜111、非発泡表面層112からなる表皮材110、プライマー被膜120、並びに基材130が積層されたものである。従って、安価であると共に流動性に富むものの、一般的に接着性に乏しいと言われるポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材料により自動車内装パネル100の基材130を構成することができる。
(実施形態2)
実施形態2は、ドアトリム等の自動車内装パネルの製造方法である。なお、各材料構成、各加工条件については、実施形態1と同一である。
実施形態2は、ドアトリム等の自動車内装パネルの製造方法である。なお、各材料構成、各加工条件については、実施形態1と同一である。
<表皮材成形工程>
図3(a)に示すように、下方に開口した成形凹部を有するキャビ型31(上型)と上方に突出した成形凸部を有するコア型32(下型)とからなるパネル成形型30を用い、そのうちキャビ型31の成形凹部に離型剤を吹き付けた後、離型剤が付着した成形面上にノズルNから塗料12を吹き付ける。
図3(a)に示すように、下方に開口した成形凹部を有するキャビ型31(上型)と上方に突出した成形凸部を有するコア型32(下型)とからなるパネル成形型30を用い、そのうちキャビ型31の成形凹部に離型剤を吹き付けた後、離型剤が付着した成形面上にノズルNから塗料12を吹き付ける。
このとき、成形凹部において、成形面上に付着した塗料12が乾燥して塗装被膜が形成される。
次いで、塗装被膜の上に、図3(b)に示すように、ノズルNからポリオールとイソシアネートとを含むウレタン材料混合液13を吹き付ける。
このとき、塗装被膜上において、ポリオールとイソシアネートとが縮合したポリウレタン樹脂からなる非発泡表面層が形成される。非発泡表面層は、イソシアネート基の接着作用によって塗装被膜に強固に密着して一体化する。
以上により、パネル成形型30のキャビ型31の成形凹部に塗装被膜及び非発泡表面層の2層積層構造の表皮材110が成形される。
<プライマー処理工程>
キャビ型31の成形凹部に形成された表皮材110の裏面側に、図3(c)に示すように、ノズルNからプライマー14を吹き付ける。
キャビ型31の成形凹部に形成された表皮材110の裏面側に、図3(c)に示すように、ノズルNからプライマー14を吹き付ける。
このとき、表皮材110の裏面側に付着したプライマー14が乾燥してプライマー被膜が形成される。
<一体成形工程>
図3(d)に示すように、コア型32に溶融した樹脂材料Rを押し出すと共に、キャビ型31を下降させ、コア型32に近づけて、溶融した樹脂材料Rを表皮材110で覆うように、キャビ型31を動かす。
図3(d)に示すように、コア型32に溶融した樹脂材料Rを押し出すと共に、キャビ型31を下降させ、コア型32に近づけて、溶融した樹脂材料Rを表皮材110で覆うように、キャビ型31を動かす。
続いて、図3(e)に示すように、パネル成形型30を型締めする。
このとき、溶融した樹脂材料Rを冷却固化させる。
また、プライマー被膜に含まれる変性ポリオレフィン樹脂の変性部分の極性基が表皮材に対して分子間力を及ぼしたり、或いは、化学結合を形成することによるアンカー効果により、プライマー被膜が表皮材に強固に密着する。一方、プライマー被膜に含まれる変性ポリオレフィン樹脂が基材を形成する樹脂材料Rと相互拡散により熱融着して密着する。これらにより、表皮材がプライマー被膜を介して基材に強固に密着して一体化する。
そして、パネル成形型30を冷却した後に型開きし、成形された自動車内装パネルを取り出す。
図2に示すように、以上のようにして製造された自動車内装パネル100は、実施形態1で得られたものと同様、外側から順に、塗装被膜111と非発泡表面層112とからなる表皮材110、プライマー被膜120、並びに基材130が積層されたものとなる。従って、安価であると共に流動性に富むものの、一般的に接着性に乏しいと言われるポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材料により自動車内装パネル100の基材130を構成することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態1及び2では、表皮材成形型20或いはキャビ型31の成形凹部に塗料12及びウレタン材料混合液13を吹き付けるインモールド法により表皮材を成形し、それにプライマー処理を施したが、特にこれに限定されるものではなく、パウダースラッシュ法により表皮材を成形し、それにプライマー処理を施してもよい。このプライマー処理を施した表皮材を用いれば、図4に示す背景技術の方法によってもポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材料で基材が形成された自動車内装パネルの製造が可能である。
上記実施形態1及び2では、表皮材成形型20或いはキャビ型31の成形凹部に塗料12及びウレタン材料混合液13を吹き付けるインモールド法により表皮材を成形し、それにプライマー処理を施したが、特にこれに限定されるものではなく、パウダースラッシュ法により表皮材を成形し、それにプライマー処理を施してもよい。このプライマー処理を施した表皮材を用いれば、図4に示す背景技術の方法によってもポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材料で基材が形成された自動車内装パネルの製造が可能である。
上記実施形態1及び2では、表皮材の非発泡表面層をポリウレタン樹脂で形成したが、特にこれに限定されるものではなく、ポリプロピレン樹脂等のその他の樹脂材料でそれらを形成してもよい。但し、高い意匠性の表皮材を得ることができると共に、イソシアネート基によるプライマー被膜に対する接着効果を期待することもできるという観点から、表皮材をポリウレタン樹脂で形成することが好ましい。
本発明は、ドアトリム等の自動車内装パネルの製造方法について有用である。
14 プライマー
100 自動車内装パネル
110 表皮材
120 プライマー被膜
130 基材
R 溶融した樹脂材料
100 自動車内装パネル
110 表皮材
120 プライマー被膜
130 基材
R 溶融した樹脂材料
Claims (3)
- 樹脂製の表皮材を成形する表皮材成形工程と、
上記表皮材成形工程で得られた表皮材の裏面側に変性ポリオレフィン樹脂を含有するプライマーによりプライマー被膜を形成するプライマー処理工程と、
上記プライマー処理工程でプライマー処理された表皮材のプライマー被膜側において、ポリプロピレン樹脂を主成分とする溶融した樹脂材料により基材を成形すると共に、該表皮材と該基材とをプライマー被膜を介して一体化させる一体成形工程と、
を備えたことを特徴とする自動車内装パネルの製造方法。 - 請求項1に記載された自動車内装パネルの製造方法において、
上記プライマーの変性ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする自動車内装パネルの製造方法。 - 請求項1又は2に記載された自動車内装パネルの製造方法において、
上記表皮材成形工程において、上記表皮材をポリウレタン樹脂で形成することを特徴とする自動車内装パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008005595A JP2009166313A (ja) | 2008-01-15 | 2008-01-15 | 自動車内装パネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008005595A JP2009166313A (ja) | 2008-01-15 | 2008-01-15 | 自動車内装パネルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009166313A true JP2009166313A (ja) | 2009-07-30 |
Family
ID=40968069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008005595A Pending JP2009166313A (ja) | 2008-01-15 | 2008-01-15 | 自動車内装パネルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009166313A (ja) |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02145331A (ja) * | 1988-11-28 | 1990-06-04 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 積層成形体およびその製造方法 |
JPH0781012A (ja) * | 1993-09-10 | 1995-03-28 | Tosoh Corp | 複合プラスチック成形品 |
JPH07137058A (ja) * | 1993-11-15 | 1995-05-30 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 複合成形体の製造装置 |
JPH07223228A (ja) * | 1994-02-14 | 1995-08-22 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 複合成形体の製造方法 |
JPH10305462A (ja) * | 1997-05-07 | 1998-11-17 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 繊維強化樹脂のガス注入成形方法および成形品 |
JP2001219442A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-14 | Dainippon Printing Co Ltd | 射出成形同時加飾用シート、加飾成形品、及び射出成形同時加飾方法 |
JP2004075735A (ja) * | 2002-08-12 | 2004-03-11 | Kansai Paint Co Ltd | 白色導電性プライマー塗料及び複層塗膜形成方法 |
JP2005088212A (ja) * | 2003-09-12 | 2005-04-07 | Honda Motor Co Ltd | 自動車用内装材およびその製造方法 |
JP2005219423A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 成形体製造装置及び成形体 |
JP2006076088A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Ootsuka:Kk | インモールド成形法 |
JP2007007898A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 樹脂製品の成形方法及びその成形方法に用いられる成形装置 |
-
2008
- 2008-01-15 JP JP2008005595A patent/JP2009166313A/ja active Pending
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02145331A (ja) * | 1988-11-28 | 1990-06-04 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 積層成形体およびその製造方法 |
JPH0781012A (ja) * | 1993-09-10 | 1995-03-28 | Tosoh Corp | 複合プラスチック成形品 |
JPH07137058A (ja) * | 1993-11-15 | 1995-05-30 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 複合成形体の製造装置 |
JPH07223228A (ja) * | 1994-02-14 | 1995-08-22 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 複合成形体の製造方法 |
JPH10305462A (ja) * | 1997-05-07 | 1998-11-17 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 繊維強化樹脂のガス注入成形方法および成形品 |
JP2001219442A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-14 | Dainippon Printing Co Ltd | 射出成形同時加飾用シート、加飾成形品、及び射出成形同時加飾方法 |
JP2004075735A (ja) * | 2002-08-12 | 2004-03-11 | Kansai Paint Co Ltd | 白色導電性プライマー塗料及び複層塗膜形成方法 |
JP2005088212A (ja) * | 2003-09-12 | 2005-04-07 | Honda Motor Co Ltd | 自動車用内装材およびその製造方法 |
JP2005219423A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 成形体製造装置及び成形体 |
JP2006076088A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Ootsuka:Kk | インモールド成形法 |
JP2007007898A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Nanjo Sobi Kogyo Kk | 樹脂製品の成形方法及びその成形方法に用いられる成形装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4602544B2 (ja) | マスキングフィルムを備えたペイントフィルムアセンブリおよびそのマスキング方法 | |
EP0711658B1 (en) | Multi-layer molded article and method for producing the same | |
US11407150B2 (en) | Trim component for vehicle interior | |
JP2002516194A (ja) | 一体化インモールドコーティングされたポリウレタン芳香族エラストマー被覆自動車内装装飾品及びその製造方法 | |
KR20040111116A (ko) | 인몰드 데코레이션용 복합체 시스템 | |
US8062451B2 (en) | Post molding application of an extruded film to an injection molded part | |
JPWO2005051660A1 (ja) | 加飾シート、加飾樹脂成形品及びその製造方法 | |
CN1484582A (zh) | 第一层为热固性聚氨酯的多层制品 | |
SK104299A3 (en) | Process for making decorative automotive interior trim articles with integral light stable polyurethane elastomer covering | |
CN101087681A (zh) | 塑料复合模制件的制造方法及其应用 | |
WO2019078369A1 (ja) | 金属部材、樹脂部材及び外装部品の製造方法 | |
US20200031034A1 (en) | Method for Producing a Foamed Decorable Support Part for a Motor Vehicle, Sheet for Use in Such a Method and Foamed Decorable Support Part | |
JP5468484B2 (ja) | 自動車用内装品の製造方法 | |
JP2001162709A (ja) | 積層体およびその製造方法ならびに熱可塑性発泡接着剤 | |
JP2009166313A (ja) | 自動車内装パネルの製造方法 | |
JP7288430B2 (ja) | 転写フィルム、フィルムコーティングされた物品の製造方法及びフィルムコーティングされた物品 | |
JP2000127196A (ja) | 射出成形同時絵付用シート、射出成形同時絵付方法、及び成形品 | |
JP2000351351A (ja) | 表皮一体自動車内装部品及びその製造方法 | |
JP4121759B2 (ja) | 加飾成形用シート及び加飾成形品 | |
KR101673938B1 (ko) | 열과 공기압을 이용한 3차원 형상 전사필름 패턴층 전사 방법 | |
JP2015123589A (ja) | 自動車内装品の製造方法 | |
KR100454169B1 (ko) | 자동차용 내장재의 사출 성형방법 | |
US20040131864A1 (en) | Paint substitute film and method of applying same | |
JP2000117921A (ja) | 発泡体用表皮 | |
JP2007230121A (ja) | 加飾シートの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101209 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120821 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121218 |