JP2009166272A - 液体噴射装置の製造方法、液体噴射装置および液体噴射装置製造プログラム - Google Patents

液体噴射装置の製造方法、液体噴射装置および液体噴射装置製造プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】波打った姿勢の媒体に対して液体の噴射を行なった場合、媒体上にムラが生じていた。
【解決手段】複数のノズル毎に設けられた圧電素子を駆動させることにより各ノズルから液体を噴射可能な液体噴射装置の製造方法であって、ノズル毎の補正情報であって、各ノズルと上記液体の噴射対象となる媒体との距離の違いに応じた補正情報を取得する補正情報取得工程と、上記取得されたノズル毎の補正情報に応じた駆動条件で、各ノズルが対応する圧電素子を駆動させる圧電素子駆動工程とを備えるとした。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体噴射装置の製造方法、液体噴射装置および液体噴射装置製造プログラムに関する。
複数のインク吐出用のノズル毎に設けられた圧電素子を夫々駆動させることにより各ノズルからインクを吐出可能な印刷ヘッドを搭載した、インクジェット式プリンタが知られている。印刷ヘッドにおいては、例えば、印刷ヘッドの主走査方向と直交する方向(副走査方向)に複数のノズルが並べて配設されており、印刷ヘッドの下方において上記副走査方向に沿って供給される印刷用紙に対し、各ノズルのノズル口からインクが吐出される。
また、マイクロドットのインク滴速度とインク滴重量を一定にするインクジェット式記録装置が知られている(特許文献1参照。)。
特開平11‐58729号公報
上述したような印刷ヘッドを用いて印刷を行なう場合、インクの吐出対象となる印刷用紙は、印刷ヘッドの下方に供給されたときに必ずしも平面にはならず、波打った状態となることがある。特に、印刷用紙としてロール紙を用いるプリンタの機種においては、用紙が波打つ傾向が強い。このように、印刷用紙の姿勢が平面状でない場合は、ノズルと印刷用紙との距離も上記副走査方向に並ぶノズルの位置によって異なるため、各ノズルから印刷用紙に打ち込まれたインク滴(ドット)同士の距離にもばらつきが生じる。このような印刷用紙の姿勢に起因する各ドットの着弾位置のばらつきは、ドットの重なり方に大きな影響を与え、印刷結果における色相や粒状感のムラを発生させてしまう。
また、このような印刷用紙の姿勢に起因する画像上のムラの発生は、上記文献1のようにインク滴の速度と重量を一定にしたとしても、解決できるものではない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、液体の噴射対象となる媒体の姿勢に起因する液体噴射結果のムラの発生を防ぐことが可能な液体噴射装置の製造方法、液体噴射装置および液体噴射装置製造プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる複数のノズル毎に設けられた圧電素子を駆動させることにより各ノズルから液体を噴射可能な液体噴射装置の製造方法では、補正情報取得工程にて、ノズル毎の補正情報であって、各ノズルと上記液体の噴射対象となる媒体との距離の違いに応じた補正情報を取得し、圧電素子駆動工程で、上記取得されたノズル毎の補正情報に応じた駆動条件で、各ノズルが対応する圧電素子を駆動させる。
このように本発明によれば、液体噴射装置の製造過程において、ノズル毎の圧電素子を、ノズルと上記媒体との距離の違いに応じた補正情報に基づいた駆動条件にて駆動させることにより、強制的に各圧電素子の液体噴射特性に変化を与える。その結果、液体噴射装置の各ノズルから液体をそれぞれ噴射したときの液体の上記媒体における着弾位置のずれが補正され、媒体上での濃淡ムラの発生が防止される。補正情報に応じた駆動条件とは、例えば、補正情報に応じた駆動回数、補正情報に応じた駆動電圧、補正情報に応じた駆動波形、などが該当する。
上記補正情報取得工程は、各ノズルから噴射される液体の速度に各ノズルと上記媒体との距離に応じた変化を生じさせる圧電素子の駆動回数を示す情報を、上記補正情報として取得するとしてもよい。上記構成によれば、圧電素子駆動工程で各ノズルに対応する圧電素子の駆動を行なうことにより、各ノズルから噴射される液体の速度を各ノズルと上記媒体との距離に応じた速度に変化させることができ、その結果、上記媒体上での濃淡ムラの発生を防止できる。
上記圧電素子駆動工程は、一回の駆動による圧電素子の変形量につていの変化率が所定の変異点を過ぎる回数分、各ノズルが対応する圧電素子を夫々駆動させた上で、上記ノズル毎の補正情報に応じた駆動条件での駆動を各ノズルが対応する圧電素子にさせるとしてもよい。上記構成によれば、ノズル毎の圧電素子について、まず上記所定の変異点を過ぎる回数分一様に駆動させ、さらにその後、ノズルと媒体との距離の違いに応じた補正情報に応じた駆動条件にて駆動をさせる。そのため上記圧電素子駆動工程後は、いずれの圧電素子についてもその変形量が大幅に変化することはなくなり、かつ、各ノズルから噴射される液体の上記媒体における着弾位置のずれが補正される。
本発明にかかる技術的思想は、上述した液体噴射装置の製造方法以外の発明としても捉えることができる。一例として、複数のノズル毎に設けられた圧電素子を駆動させることにより各ノズルから液体を噴射可能な液体噴射装置であって、ノズル毎の補正情報であって各ノズルと上記液体の噴射対象となる媒体との距離の違いに応じた補正情報に応じた駆動条件で、各ノズルが対応する圧電素子を駆動させた液体噴射装置を把握することができる。また、上述した製造方法の各工程に対応する機能をコンピュータに実行させる液体噴射装置製造プログラムの発明も把握することができる。
本発明の一実施形態を以下の順に従って、図面を参照しながら説明する。
(1)印刷ヘッド調整システムの概略構成
(2)第1のエージング処理
(3)第2のエージング処理
(4)まとめ
(1)印刷ヘッド調整システムの概略構成
図1は、印刷ヘッドユニット10と印刷ヘッド調整装置30とからなる印刷ヘッド調整システム40を、ブロック図により簡略的に示している。
印刷ヘッドユニット10は、複数のインク色(例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)など。)に対応した複数の印刷ヘッド11の集合体である。ただし図1では印刷ヘッド11を一つだけ示し、図示を簡略化している。印刷ヘッドユニット10または印刷ヘッド11は本発明にかかる液体噴射装置の一例に該当する。
印刷ヘッドユニット10は、上記複数のインク色にかかるインクカートリッジを搭載可能である。また、印刷ヘッドユニット10は、1つの部品として所定の機種のインクジェット式プリンタ(印刷装置)に搭載されるものである。各印刷ヘッド11には、複数のインクジェットノズル(単にノズルと呼ぶ。)が設けられているとともに、ノズルのそれぞれに対応して圧電素子(ピエゾ素子)が設けられている。
図2は、一つのノズルと、ノズルに対応するピエゾ素子とを簡易的に示している。図2に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインク(液体)を導くインク通路25bに接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅のパルス電圧(駆動信号DRV)が印加されるとピエゾ素子PEは駆動する。つまり、ピエゾ素子は、電圧の印加時間だけ伸張(変形)し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、インク通路25b内にインクが存在している場合には、この収縮分に相当するインクがインク滴(ドット)IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷媒体に着弾することにより印刷が行われる。
印刷ヘッド調整装置30は、印刷ヘッドユニット10(印刷ヘッド11)の調整を行うための装置である。印刷ヘッド調整装置30は、例えば、コンピュータによって構成される。印刷ヘッド調整装置30は、概略、各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)や、データおよびプログラム等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)や、印刷ヘッド調整装置30や印刷ヘッドユニット10を制御するためのデータ、プログラム等があらかじめ不揮発的に記憶されているROM(Read Only Memory)等から構成される制御部31と、駆動信号生成部32と、ハードディスク(HD)33とを備える。駆動信号生成部32は、印刷ヘッドユニット10が備える各ピエゾ素子に対して駆動信号を供給するための信号線20によって各印刷ヘッド11と接続している。
ただし、印刷ヘッド調整装置30の構成は上述したものに限られず、ディスプレイ装置や、マウスやキーボード等の入力装置等を備えるとしてもよい。
本実施形態では、印刷ヘッドユニット10の製造工程において、組み立てられた印刷ヘッドユニット10に印刷ヘッド調整装置30を接続し、後述するような調整処理を行なう。そして、調整を終えた後の印刷ヘッドユニット10を、上記所定機種のプリンタの本体に搭載する。従って、後述の調整処理は、印刷ヘッドユニット10の製造工程の一部を構成していると言える。
(2)第1のエージング処理
次に、印刷ヘッド調整システム40を用いた調整処理について説明する。
本実施形態では、調整処理としてノズル毎のピエゾ素子に対するエージング処理を実行する。エージング処理とは、ピエゾ素子をある回数、強制的に駆動させることにより、そのピエゾ素子によるインク吐出特性をある状態に変化させることを言う。
図3は、一つのピエゾ素子についての変形量の経時的な変化をグラフにより例示している。図3では、横軸を時間(または、ピエゾ素子の駆動回数)とし、縦軸をピエゾ素子の一回の駆動あたりの変形量としている。ピエゾ素子の変形量とは、例えば、上記駆動信号をピエゾ素子に印加して一回伸張(変形)させた際のピエゾ素子の体積の変化量が該当する。この変形量は一般に、時間が経過するに連れ(ピエゾ素子の駆動を繰り返すに連れ)低下する。よって、このような経時的変化に従い、ピエゾ素子と対応するノズルからのインク吐出量(1ドットあたりのインク量)は減少し、吐出されるドットの速度も低下する。本実施形態では、ピエゾ素子の駆動回数を、ピエゾ素子の変形回数とも呼ぶ。
図3に示すように、上記変形量の変化率(傾き)は、ある程度の変形回数(N1)を過ぎる前と過ぎた後では大きく異なることが判る。つまり、上記変化率には変異点が存在し、ピエゾ素子は、その変形回数が0〜N1回程度までの間においては変形量が急激に低下する一方、N1回を越えたあたりからは、変形回数に応じた変形量の低下率は緩やかとなる特徴を有している。ピエゾ素子の変形量が変形回数に従って大きく変化する状態(ピエゾ素子の変形回数がN1回未満の状態)で、製品(印刷ヘッドユニット10や印刷ヘッドユニット10を搭載したプリンタ)をユーザに販売すると、ユーザが製品を使用する際に、短い期間で大きくプリンタの出力特性が変化してしまい適切ではない。
そこで、印刷ヘッド調整システム40を用いた調整処理では、まず第1のエージング処理として、印刷ヘッドユニット10の全ピエゾ素子について、それぞれに上記N1回分繰り返し変形させ、その変形量を略安定させる。
具体的には、印刷ヘッド調整装置30では、制御部31が所定のプログラム(液体噴射装置製造プログラムの一種)に従って、駆動信号生成部32を制御し、駆動信号生成部32に上記N1回分のパルス波形を有する駆動信号DRVを生成させる。そして、制御部31は、駆動信号生成部32に、当該駆動信号DRVを印刷ヘッドユニット10の全ピエゾ素子に対して出力することを命令する。上記N1としては、例えば1億といった数値が考えられる。N1の数値データは、HD33に予め記憶されていても良いし、作業者が印刷ヘッド調整装置30に対して入力装置等で外部から入力するとしてもよい。
図4は、駆動信号生成部32と、各ピエゾ素子との関係を簡略的に示している。図4では、ある印刷ヘッド11が備える複数のノズルに対応する各ピエゾ素子PEを示している。各ピエゾ素子PEに付した番号♯1,♯2…はノズルの番号でもある。第1のエージング処理では、駆動信号生成部32が生成し出力した駆動信号DRVが、各ピエゾ素子PEに対して供給される。その結果、印刷ヘッドユニット10の全ピエゾ素子が、一様にN1回分の変形を繰り返すことになる。
第1のエージング処理後においては、全てのピエゾ素子の変形量の経時的変化は、図3に示す変異点以降のグラフのようになだらかなものとなる。
なお、第1のエージング処理および、後述の第2のエージング処理が実行される際には、印刷ヘッドユニット10にインクは供給されておらず、各ピエゾ素子が伸張を繰り返すだけ、すなわちノズルの空打ちが行なわれるものとする。
(3)第2のエージング処理
印刷ヘッド調整システム40を用いた調整処理では、上記第1のエージング処理の後、第2のエージング処理を行なう。
図5は、印刷ヘッドユニット10を構成する印刷ヘッド11と、印刷ヘッドユニット10が搭載される上記所定機種のプリンタのプラテン50との位置関係を簡略的に示している。また、図6は、印刷ヘッド11の下面11aを示している。
下面11aにおいては、複数のノズルが、所定の間隔で印刷ヘッドユニット10の副走査方向(紙送り方向)に沿って1つの列を形成している。図5,6では、1列が360個のノズル♯1〜♯360からなる例を示している。むろんノズルの数は限られない。下面11aにおけるノズルの列は、1列であってもよいし、図6に示すように複数列(2列)であってもよい。また、ノズルは千鳥状に配列していてもよい。ノズルの番号♯1,♯2…は、紙送り方向における位置が異なるノズルに対して、紙送り方向の下流側から上流側に向けて1から順に番号を付すようにしている。ノズル番号の付け方は、図5,6に示した印刷ヘッド11以外の印刷ヘッドにおいても同様である。
ここで、プリンタが備える図示しない紙送りローラ等によって、紙送り方向に沿って印刷ヘッドユニット10(印刷ヘッド11)とプラテン50との間に供給されたときの印刷用紙Pの姿勢(紙姿勢)は、完全な平面ではなく、図5に示すように波打った状態となる。印刷用紙Pが波打った状態であると、ドットを吐出してから印刷用紙Pに着弾するまでの距離がノズル♯1〜♯360毎に異なるため、上述したように、印刷結果において色相や粒状感のムラを発生させてしまう。そこで第2のエージング処理では、印刷ヘッド調整装置30は、印刷ヘッド11の各ノズルの位置(ノズル番号)に対応する印刷用紙Pの姿勢に応じたピエゾ素子の変形回数N2を取得し、この変形回数N2に応じて、対応するノズルのピエゾ素子を変形させる。
図7は、ノズル番号♯1〜♯360と、印刷用紙Pの紙姿勢変化量(mm)との対応関係を規定した紙姿勢規定テーブル60の一例を示している。
紙姿勢変化量は、プラテン50上における理想的な平坦状印刷用紙Pの位置(設計上の印刷用紙位置。ここで、「平坦状」とは、ノズルから吐出されたドットの位置が十分な精度となる程度の平坦さを持っていることである。)を基準とした印刷ヘッド11側への距離を示す。例えば、ノズル番号♯nに対応する紙姿勢変化量が「0.1mm」であれば、当該ノズル番号♯nに対応する印刷用紙P上の部分は上記設計上の印刷用紙位置よりも0.1mmだけ印刷ヘッド11に近い位置にあることを意味する。
印刷ヘッドユニット10とプラテン50との間に送られたときの印刷用紙Pの紙姿勢は、使用する用紙の種類等によって多少の違いはあるものの、印刷ヘッドユニット10が搭載されるプリンタの機種毎にほぼ一定である。例えば、図5に示したプリンタの機種においては、印刷ヘッドユニット10とプラテン50とに挟まれた空間内の印刷用紙Pは、紙送り方向の上流側では落ち込んでプラテン50に比較的近く、紙送り方向の下流側では印刷ヘッドユニット10側へと盛り上がっており、全体としてS字状の紙姿勢となっている。本実施形態では、印刷ヘッドユニット10の調整処理に先立って、作業者は調整対象の印刷ヘッドユニット10が搭載されるプリンタの機種に応じた紙姿勢規定テーブル60を作成し、HD33等の記憶領域に保存しておく。
図8は、エージング量規定テーブル70を例示している。エージング量規定テーブル70は、紙姿勢変化量と変形回数N2との対応関係を規定したテーブルである。印刷ヘッド調整装置30は、調整処理に先立って、例えば作業者の入力に応じて当該エージング量規定テーブル70を作成し、HD33等の記憶領域に保存しておく。
着弾ずれ距離(μm)は、対応する紙姿勢変化量が示す位置に存在する用紙に対し、印刷ヘッド11のノズルから吐出されるドット速度の所定の基準値(ドット速度Vmとする。Vmは、例えば7.0m/s。)で印刷ヘッド11のノズルからドットを吐出したときのドット着弾位置と、ドット着弾の理想位置とのずれである。ここで言うドット着弾の理想位置とは、上記設計上の印刷用紙位置(紙姿勢変化量=0)に存在する用紙に対し上記ドット速度Vmで印刷ヘッド11のノズルからドットを吐出したときのドット着弾位置である。図8によれば、紙姿勢変化量が大きいほど着弾ずれ距離が大きいことが判る。なお、紙姿勢変化量は負値であることも考えられるが、図8では例として正の値のみ示している。
エージング量規定テーブル70の作成においては、作業者は、所定の数値範囲(例えば、0.1〜0.2mm。)内における複数段階(例えば、0.005mm刻み。)の紙姿勢変化量について夫々に着弾ずれ距離を実際の計測等に基づいて求め、これら求めた情報を印刷ヘッド調整装置30に入力することができる。また印刷ヘッド調整装置30は、上記複数段階の紙姿勢変化量に対応する速度差ΔV(m/s)や、速度変化量(%)や、変形回数N2(億)を求める。
速度差ΔVは、対応する着弾ずれ距離を解消させる(無くす)ようなドット速度(Vm2とする。)と、上記ドット速度Vmとの差を意味する。上述したように、ドット速度Vmで吐出させたドットの着弾ずれ距離は、紙姿勢変化量が大きいほど大きくなる傾向にあり、これは、ドットの飛行時間(ノズルから吐出されて印刷用紙Pに着弾するまでの時間)の違いが着弾ずれ距離の違いを生んでいるとも言える。
そこで、印刷ヘッド調整装置30は、ドット速度Vmでノズルから上記設計上の印刷用紙位置までの距離(Lとする。)を飛んだ時間(T1とする。)と、ドット速度Vm2でノズルから、ある紙姿勢変化量(例えば、0.1mm)の位置に存在する用紙までの距離(L−紙姿勢変化量)を飛んだ時間(T2とする。)と、が等しくなる上記ドット速度Vm2を算出する。そして、算出したドット速度Vm2と、上記ドット速度Vmとの差を算出し、この差を、速度差ΔVとする。なお上記距離Lや、ドット速度Vmの値は、HD33に予め記憶されていても良いし、作業者が印刷ヘッド調整装置30に対して入力装置等で外部から入力するとしてもよい。
速度差ΔVを求めたら、次に印刷ヘッド調整装置30は、速度差ΔVが上記ドット速度Vmに対して占める割合を算出し、この割合を、速度変化量とする。例えば、Vmが7.0m/sであり、速度差ΔVが1.0m/sであれば、速度変化量は約14.3%となる。次に、印刷ヘッド調整装置30は、上記求めた速度変化量に基づいて、変形回数N2を算出する。変形回数N2は、上記ドット速度Vmを上記速度変化量が示す割合だけ補正するために必要な、ピエゾ素子の変形回数を意味する。変形回数N2の算出には、印刷ヘッド調整装置30は、Vm標準変動量なる値を用いる。
Vm標準変動量とは、ピエゾ素子に所定の単位回数(1億回)変形を繰り返させた場合のドット速度の変化率(%)を言い、例えば、16%/億回というような値が考えられる。上述したように、速度変化量が14.3%であれば、この14.3%と上記16%との比から“0.89億回”という値が、変形回数N2として得られる。なお、Vm標準変動量は、上記図3に示した変異点を過ぎた後のピエゾ素子を用いてドットの吐出を行なった場合に得られる値である。このVm標準変動量の値についても、上記距離L等と同様に予めHD33に記憶されていても良いし、作業者が印刷ヘッド調整装置30に対して入力装置等で外部から入力するとしてもよい。
印刷ヘッド調整装置30は、速度差ΔV(m/s)、速度変化量(%)および変形回数N2(億)の算出を、上記複数段階の紙姿勢変化量それぞれについて行なうことにより、図8に示したようなエージング量規定テーブル70を完成させることができる。ただし、第2のエージング処理にあたって必要な情報は、基本的に、紙姿勢変化量と変形回数N2との対応関係であるため、印刷ヘッド調整装置30は、最終的に紙姿勢変化量と変形回数N2との対応関係だけを規定したテーブルを生成し、これをエージング量規定テーブル70としてもよい。
図9は、印刷ヘッド調整装置30の制御部31が所定のプログラム(液体噴射装置製造プログラムの一種)に従って実行する第2のエージング処理を、フローチャートにより示している。
ステップS(以下、ステップの記載は省略する。)100では、制御部31は、HD33に保存された紙姿勢規定テーブル60およびエージング量規定テーブル70を参照して、各ノズル番号♯1,♯2…にそれぞれ対応する変形回数N2を取得する。つまり、一つのノズル番号に対応する紙姿勢変化量を紙姿勢変化量テーブル60から読み出すとともに、当該読み出した紙姿勢変化量に対応する変形回数N2をエージング量規定テーブル70から(必要に応じて、適宜補間演算を行ない)取得する処理を、全ノズル番号分繰り返す。
ここで、紙姿勢変化量はノズルの位置毎の印刷用紙Pまでの距離の違いを表していると言え、また、変形回数N2はそれぞれ、ある特定の紙姿勢変化量に対応した情報であることから、変形回数N2は本発明における補正情報に該当する。よって、上記S100の処理は、本発明の補正情報取得工程に該当する。
なお上記では、印刷ヘッド調整装置30は、紙姿勢規定テーブル60とエージング量規定テーブル70とを別のテーブルとしてHD33に保存するとした。ただし印刷ヘッド調整装置30は、当該2つのテーブルを合成して、各ノズル番号♯1〜♯360と変形回数N2との一義的な対応関係を規定したテーブルを1つ生成し、当該1つのテーブルをHD33に保存して上記S100の処理に用いるとしてもよい。
S110では、制御部31は、駆動信号生成部32に、上記ノズル番号毎の変形回数N2に応じた駆動条件(駆動回数)のパルス波形を有する駆動信号DRVnを、ノズル番号毎に生成させる。例えば、ノズル番号♯1に対応する変形回数N2として、1.75億回という値が上記S100で取得された場合には、ノズル番号♯1に対応する駆動信号DRV1として、1.75億回分のパルス波形を有する駆動信号を生成させる。
S120では、制御部31は、駆動信号生成部32に、ノズル番号毎の各駆動信号DRVn(nは1〜360)を、対応するノズル番号のピエゾ素子に対してそれぞれ出力することを命令する。
図10は、図4と同様に、駆動信号生成部32と各ピエゾ素子との関係を簡略的に示している。第2のエージング処理では、駆動信号生成部32が生成し出力したノズル番号毎の駆動信号DRVnが、それぞれ対応するノズル番号♯nのピエゾ素子PEに対し供給される。その結果、印刷ヘッドユニット10の各ピエゾ素子は、それぞれが対応するノズル番号に応じた変形回数N2の変形(空打ち)を繰り返すことになる。
図7,8から明らかなように、対応する紙姿勢変化量が大きいノズルほど、すなわち印刷用紙Pとの距離が近いノズルほど、第2のエージング処理の際のピエゾ素子の変形回数N2も増え、ドット速度の落ち込みも大きくなる。その結果、第2のエージング処理後においては、各ノズルからそれぞれ吐出されるドットは、印刷用紙Pの紙姿勢が波打っているにもかかわらず、吐出されてから印刷用紙Pに着弾するまでの時間がほぼ同じとなる。上記S110,S120の処理は、本発明における圧電素子駆動工程に該当する。また、上記第1のエージング処理も、圧電素子駆動工程の一部を構成する。
(4)まとめ
このように本実施形態によれば、ノズル毎のピエゾ素子に対し、ノズルの位置(ノズル番号)に応じて決まる紙姿勢変化量に対応する変形回数N2の空打ちを実行させるとした。その結果、各ノズルから吐出されるドットの速度は、その変形回数N2に対応する速度差ΔVだけ補正されて、各ノズルから吐出されるドットの印刷用紙P上での着弾位置のずれが補正される。従って、かかる調整処理後の印刷ヘッドユニット10を搭載したプリンタによって、紙姿勢が波打っている印刷用紙Pに印刷を行なった場合、従来発生していた色相や粒状感のムラが発生しなくなり、高画質な印刷結果を得ることができる。
また従来は、印刷時の印刷ヘッドユニット10のパス回数(主走査の回数)を多くすることにより上記ムラを目立たなくさせる等の措置を取っていたが、本発明の構成を用いれば、このようなパス回数の増加を行なうことなく上記ムラの発生を防止できるため、印刷の効率が大きく向上する。
なお上記では、液体噴射装置の例として、インクを印刷用紙に噴射して印刷を行なうための印刷ヘッドユニット(印刷ヘッド)を挙げて説明を行なった。しかし本発明の製造方法、装置、プログラム、さらには調整方法、システムにかかる思想は、印刷用紙以外にも姿勢が波打ち状となり得るような素材を対象として、インクやインク以外の液体を噴射するための装置であれば、あらゆる装置に対して適用可能である。
印刷ヘッド調整システムの概略構成を示したブロック図である。 ピエゾ素子の伸張でノズルからドットが吐出される様子を示した図である。 ピエゾ素子の変形量の経時的変化を示した図である。 駆動信号生成部と各ピエゾ素子とを示した図である。 プリンタにおける印刷ヘッドとプラテンとの位置関係を示した図である。 印刷ヘッドの下面を示した図である。 紙姿勢規定テーブルを示した図である。 エージング量規定テーブルを示した図である。 制御部が実行する処理を示したフローチャートである。 駆動信号生成部と各ピエゾ素子とを示した図である。
符号の説明
10…印刷ヘッドユニット、11…印刷ヘッド、11a…下面、30…印刷ヘッド調整装置、31…制御部、32…駆動信号生成部、33…HD、40…印刷ヘッド調整システム、50…プラテン、60…紙姿勢規定テーブル、70…エージング量規定テーブル

Claims (5)

  1. 複数のノズル毎に設けられた圧電素子を駆動させることにより各ノズルから液体を噴射可能な液体噴射装置の製造方法であって、
    ノズル毎の補正情報であって、各ノズルと上記液体の噴射対象となる媒体との距離の違いに応じた補正情報を取得する補正情報取得工程と、
    上記取得されたノズル毎の補正情報に応じた駆動条件で、各ノズルが対応する圧電素子を駆動させる圧電素子駆動工程と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
  2. 上記補正情報取得工程は、各ノズルから噴射される液体の速度に各ノズルと上記媒体との距離に応じた変化を生じさせる圧電素子の駆動回数を示す情報を、上記補正情報として取得することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置の製造方法。
  3. 上記圧電素子駆動工程は、一回の駆動による圧電素子の変形量につていの変化率が所定の変異点を過ぎる回数分、各ノズルが対応する圧電素子を夫々駆動させた上で、上記ノズル毎の補正情報に応じた駆動条件での駆動を各ノズルが対応する圧電素子にさせることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の液体噴射装置の製造方法。
  4. 複数のノズル毎に設けられた圧電素子を駆動させることにより各ノズルから液体を噴射可能な液体噴射装置であって、
    ノズル毎の補正情報であって各ノズルと上記液体の噴射対象となる媒体との距離の違いに応じた補正情報に応じた駆動条件で、各ノズルが対応する圧電素子を駆動させたことを特徴とする液体噴射装置。
  5. 複数のノズル毎に設けられた圧電素子を駆動させることにより各ノズルから液体を噴射可能な液体噴射装置に対する所定の処理をコンピュータに実行させる液体噴射装置製造プログラムであって、
    ノズル毎の補正情報であって、各ノズルと上記液体の噴射対象となる媒体との距離の違いに応じた補正情報を取得する補正情報取得機能と、
    上記取得されたノズル毎の補正情報に応じた駆動条件で、各ノズルが対応する圧電素子を駆動させる圧電素子駆動機能と、
    を実行させることを特徴とする液体噴射装置製造プログラム。
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