以下、本発明を具体化した実施形態について、図を用いて説明する。図1は、本発明の液体噴射装置としての一実施形態となるインクジェットプリンタについて、その概略構成を示したものである。このインクジェットプリンタ10は、記録媒体としての印刷紙の搬送方向に対して略直交する幅方向にノズルを配列したラインヘッドを有し、印刷紙の搬送中に記録液としてのインクを噴射して印刷を行うライン型のインクジェットプリンタである。
図1に示すように、インクジェットプリンタ10は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色インクを噴射するラインヘッド30,40,50,60を有している。このラインヘッドには図示しないインクタンクから各色インクがそれぞれ供給されるように構成されている。
インクジェットプリンタ10の下部には印刷紙20を収容する給紙トレイ11が設けられ、収容された印刷紙20は、取り出し装置12によって一枚ずつ取り出されたのち、搬送ローラ13a,13bによって搬送経路21に送り出される。その後、印刷紙20はさらに搬送ローラ14a,14bによって搬送経路21から取り出され、押圧ローラ15によって、張説ローラ22aと張説ローラ22bとによって張説された搬送ベルト25上に載置される。
搬送ベルト25に載置された印刷紙20は、搬送ベルト25の移動とともに図面右から左方向へ搬送される。この搬送中の印刷紙20に対して、印刷データによって定められた位置に、各色のラインヘッド30〜60の印刷紙20と対向する面に穿設された図示しない複数のノズルから、順次印刷データに応じた所定量の色インクが噴射されることによって、画像が印刷される。その後、画像が印刷された印刷紙20は、排紙ローラ16a,16bによって排紙トレイ18に排紙される。
穿設された各ノズルのそれぞれには、ノズル別に圧力発生機構が形成され、ラインヘッド内のインクに圧力を発生させて、所定量のインクをインク滴としてノズルから噴射するように構成されている。圧力発生機構について、図2を用いて説明する。
図2(a)は、一例としてYインクのラインヘッド30に形成された圧力発生機構を模式的に示した構造図である。図示するように、ラインヘッド30には吹き出し部内に示した圧力発生機構が各ノズルに対応して形成されている。もとより、インクジェットプリンタ10における各色インクのラインヘッドに形成された圧力発生機構は、総て同様な構造を有する。
圧力発生機構は、圧電素子2をアクチュエータとするものである。そして、圧電素子2の両端のCom電極とGNDとの間に、図2(b)に示した電圧波形を印加すると、圧電素子2が変形駆動され、加圧室8に存在するインクを加圧する。この結果、加圧されたインクは、ラインヘッド30の底面部材4に設けられたノズル5から、インク滴9として噴射されるのである。
次に、具体的に図2(b)に示した電圧波形に基づいて、圧力発生機構の動作を説明する。まずCom電極に電圧V1を印加して圧電素子2を所定量収縮させる。この状態は、印刷開始前までに終了しておく、つまりこの状態が、印刷時における圧電素子2の動作の基準位置になる。次に、印加電圧をV1からV2に上昇させ、圧電素子2をさらに収縮させる。このとき、ノズル5に形成されたメニスカス(液面)によって、ノズル5からは空気の侵入はなく、インクタンクからのインクを加圧室8に引き込む。次に、印加電圧をV2からV3まで下げる。すると、圧電素子2は伸長するため、伸長変形によって部材3が矢印F方向(図面下側)へ押し下げられ、加圧室8に引き込まれたインクが加圧される。この結果、ノズル5からインクがインク滴9として噴射される。その後、圧電素子2は再び電圧V1が印加された基準位置となって、次の印刷動作に備える。
従って、印刷データに応じた所定量の色インクが各ノズルから噴射されるように電圧波形を形成し、形成された電圧波形をそれぞれの圧電素子2のCom電極に印加することによって、圧電素子が変形駆動し、ノズルから所定量のインク滴を噴射して画像を形成するのである。以降、この電圧波形を、圧電素子を変形駆動する波形であることから「駆動波形」とも称することとする。
さて、図2に示した駆動波形を圧電素子2に印加すると、ノズルからインク滴が1回噴射する。従って、図2に示した駆動波形を複数連続して印加すれば、ノズルからインク滴を複数連続して噴射することができる。このことから、印刷紙の搬送方向の位置に合わせてノズルを選択し、選択したノズルに対応する圧電素子に噴射すべきインク滴の量に応じた数の駆動波形を連続して印加することによって、それぞれの印刷データに応じた大きさのドットを印刷紙20上に形成して画像を印刷するのである。
図3に、ラインヘッド30によって印刷された画像の一例を示す。図3に示した画像は、印刷紙20の搬送方向において、8画素分が印刷された状態を示したものである。なお、インクジェットプリンタ10では、説明の簡略化のため、各ラインヘッド30〜60には、印刷紙20の搬送方向と直交する幅方向において、1個が1画素分に対応する9個のノズル(n=1〜9)が穿設されているものとする。もとより、実際に穿設されるノズル数は、通常数十から数百個である。従って、印刷された画像は、各ノズルに対応する行ラインRn(n=1〜9)と、印刷紙20の搬送方向についての列ラインLm(m=1〜8)とから構成される画像であり、行と列の座標によって表される画素(Rn,Lm)に、画像データに応じた量のインク滴が噴射されたものである。なお、1画素区間分印刷紙20を搬送するのに要する時間を時間Tとする。
図3(a)に示した画像は、行ラインR3〜R7において、インク滴の噴射が無くドット(図中、実線丸印)が形成されない画素(例えば、画素(R4,L4)や画素(R7,L7))が存在する。これ以外の画素は、すべて同じ量のインク滴が噴射され、同じ大きさのドットが形成されるように駆動波形が印加された画素であるものとする。以降、インク滴を噴射しない画素を「非噴射画素」、インク滴を噴射する画素を「噴射画素」とも呼ぶことにする。
ところで、前述したように、インクに微振動や噴射動作などを加えない状態が続くと、インクは無振動状態が継続するために次第に増粘する。そして、増粘する度合は無振動状態の継続時間に相関すると考えてよいことから、連続する非噴射画素の数が増えるほど無振動が継続するため増粘しやすくなる。従って、非噴射画素の後に続く噴射画素においては、インクの増粘によって噴射が抑制されてしまうために噴射されるインク滴の量が少なくなる。この結果、図3(a)に示したように、行ラインR3〜R7において非噴射画素に続く噴射画素に形成されるドットは、網掛けで塗りつぶした他の噴射画素に形成されるドットに比べて、ハッチングで塗りつぶしたドットのように小さくなってしまう。
例えば、噴射画素(R4,L5)については、2つの非噴射画素(R4,L3),(R4,L4)の時間2×T分の増粘によって、噴射すべきインク滴の量が抑制され、形成すべきドットの大きさに対して形成されるドットの大きさが、ハッチングで塗りつぶしたドットで示したように小さくなる。また、噴射画素(R7,L8)については、5つの非噴射画素(R7,L3),(R7,L4),(R7,L5),(R7,L6)(R7,L7)の時間5×T分の増粘によって、噴射すべきインク滴の量が抑制され、形成すべきドットの大きさに対して、ハッチングで塗りつぶしたドットで示したように、さらに小さいドットしか形成できないことになる。その他の噴射画素(R3,L4),(R5,L6),(R6,L7)についても、同様に、連続する非噴射画素の数に応じて、ハッチングで塗りつぶしたドットで示したように小さいドットしか形成できないことになる。
なお、インクジェットプリンタ10では、説明の都合上、1画素区間の時間Tの経過毎に形成されるドットが小さくなるものとして説明しているが、実際には形成されるドットの大きさが小さくなってしまうまでに連続する非噴射画素数は、使用するインクの組成や性質、あるいはノズルの構造などによって異なることは勿論である。
そこで、インクジェットプリンタ10では、非噴射画素に続く噴射画素について、本来噴射すべきインク量を補正して形成されるドットが小さくならないようにする。すなわち、図3(b)に示したように、行ラインR3〜R7についてハッチングで塗りつぶしたドットで示したように、網掛けで塗りつぶしたドットで示した他の噴射画素に形成されるドットの大きさとほぼ同じ大きさになるように補正しようというものである。
以下、インクジェットプリンタ10におけるドットの補正について、2つの実施例により説明する。第1実施例は、駆動波形の数を変更することによって補正するものであり、図4から図7を用いて説明する。また、第2実施例は、駆動波形の電圧振幅を変更することによって補正するものであり、図8から図10を用いて説明する。
(第1実施例)
図4は、本実施例のインクジェットプリンタ10に構成されたドットの補正を行う機能ブロックを示すブロック構成図である。以下、各機能ブロックについて、順次説明する。
CPU110は、PC(パーソナルコンピュータ)から出力される印刷データをインターフェイス(I/F)100を介して受け取り、メモリ120に格納する。その後、格納した印刷データに対して所定の処理(例えば、ハーフトーン処理やラスタライズ処理)を施して、各ラインヘッドにおけるノズル毎に、印刷紙20の搬送方向におけるそれぞれの画素において、形成すべきドットの大きさ、すなわち噴射すべきインクの量を規定した階調データを生成する。生成された階調データは、メモリ120に記録される。
また、CPU110は、印刷データに基づいて、印刷紙20の搬送方向における1画素分の長さを算出し、印刷紙20の搬送速度を決定する。この結果、1つのノズルに対して噴射画素の画素位置と搬送速度によって噴射タイミングが規定されることになる。もとより、搬送速度が印刷データに関わらず常に一定の場合は、噴射画素の画素位置が噴射タイミングを表すことになる。
メモリ120は、後述するドット補正処理(図7)のためのプログラムを格納したり、CPU110が行う処理に際して処理データを記録したり読み出したりするためのワーキングメモリとして機能する。また、PCから出力される印刷データのバッファメモリとして機能する。
搬送制御回路130は、図1にて説明した各ローラや搬送ベルト25からなる用紙搬送機構135を制御し、印刷データによって特定される搬送速度(ここでは、1画素区間につき時間Tの速度)に従って印刷紙20を搬送する。
印刷信号生成回路140は、シフトレジスタやラッチ回路などによって構成され、メモリ120に記録された噴射データから、ノズル毎に、ハイ(H)レベルとロー(L)レベルとを有する電圧信号を印刷信号PRTn(n=1〜9)として生成する。生成された印刷信号PRTnは、次に説明する駆動波形生成回路150が生成する駆動波形信号COMが有する複数の駆動波形から、HレベルとLレベルとに応じて駆動波形を選択する信号となる。
駆動波形生成回路150は、デジタルアナログ変換回路(DAC)などによって構成され、電源回路155から供給される電圧から、図2において説明した駆動波形が1画素区間に複数連続する駆動波形信号COMを生成する。
搬送制御回路130、印刷信号生成回路140、駆動波形生成回路150の動作は、CPU110によって制御され、図示しない発振回路によって生成される所定のクロック信号によって同期が取られている。
印加信号生成回路160は、例えばトランスミッションゲート回路によって構成され、駆動波形信号COMが有する複数の駆動波形から、印刷信号PRTnの選択信号に応じた数と位置の駆動波形が選択できるように構成された回路である。そして、駆動波形が選択された信号は、印加波形信号DRVnとして各ノズルに設けられた圧電素子2に印加される。
印加信号生成回路160にて生成される印加波形信号DRVnについて、図5を用いて補足説明する。図5は、印加信号生成回路160にて行われる処理を説明するための説明図である。印加信号生成回路160には、1つの圧電素子2に対して1つのマスク回路が形成されている。なおマスク回路は、本実施例ではトランスミッションゲート回路で構成されている。
図示するように、駆動波形信号COMは、本実施例では一画素分に相当する画像を印刷するための時間、すなわち、前述するように印刷紙20が一画素区間搬送される時間Tに、ノズルからそれぞれ一滴分のインク滴を噴射させるP1,P2,P3の合計3つの駆動波形を有する単位信号(図5の吹き出し部分)が繰り返し存在する信号であり、圧電素子毎つまりノズル毎に形成された総てのマスク回路に出力される。
一方、印刷信号PRTn(n=1〜9)は、もとより各ラインヘッドについて生成され、1つのラインヘッドにおける9個のノズルについて、駆動波形信号COMが有する3つの駆動波形から圧電素子2に印加する駆動波形を選択する信号である。従って、印刷信号PRTnは、図示するように、ノズル毎に対応して形成されたマスク回路に、1つずつ出力される。
マスク回路は、駆動波形信号COMのうち、印刷信号PRTnによって選択されたパルス信号が、圧電素子に出力されるように回路構成されている。つまり、マスク回路によって、駆動波形P1,P2,P3のうち印刷信号PRTnによって選択された駆動波形が出力されるように構成され、マスク回路から印加波形信号DRVnとして出力される。こうして印加波形信号DRVnは生成されるのである。もとより、駆動波形が選択されない期間は、その期間はインクを噴射しない期間であることから、印加波形信号は、駆動波形を1つも出力しない。この結果、圧電素子2は図2における電圧V1のまま変化せず、基準位置状態が継続されるように構成され、インク滴は噴射されない。
ここで本実施例では、4階調の噴射データが生成されるものとする。従って、これに応じたドットが各画素位置に形成されるように、印刷信号PRTnは駆動波形信号COMをマスクして、4階調を示すドットを形成するように印加波形信号DRVnを形成する。本実施例におけるドットの形成具合を、図6を用いて説明する。
図6は、印刷信号PRTnによってどのようにドットが形成されるかを説明するための模式図である。図示するように、印刷信号PRTnは、1画素区間を三等分した各時間T/3において、HレベルかLレベルかを示す電圧信号から構成される信号である。そして、Hレベルのときは駆動波形信号を通過させ、Lレベルのときは駆動波形信号を通過させない信号である。もとより、印刷信号PRTnと駆動波形信号とは前述するように同期が取られている。
まず、印刷信号PRTnを、1画素区間において総てLレベルとした場合は、ドットの形成が行われない階調0となる。次に、印刷信号PRTnを、1画素区間の中間においてHレベルとした場合は、駆動波形P2が選択され、1画素区間のほぼ中央にドットが1つ形成された小ドットの形成が行われて階調1となる。次に、印刷信号PRTnを、1画素区間の最初と最後においてHレベルとした場合は、駆動波形P1と駆動波形P3が選択され、1画素区間の始めと終わりにドットが1つずつ形成された中ドットが形成されて階調2となる。そして、印刷信号PRTnを、1画素区間においてにおいて総てHレベルとした場合は、3つの駆動波形P1,P2,P3総てが選択され、1画素区間の始めと中央と終わりとにドットが1つずつ計3個形成された大ドットが形成されて階調3となる。こうして、4階調(階調0〜3)が表示されるのである。
本実施例では、このように1画素区間に形成されるドットの個数を変えることによって4階調を表示するものとした。これは、形成するドットの数を多くすることによって、印刷物の粒状感を低減できるという効果が得られるからである。
さて、本実施例は、このように駆動波形を選択することによって形成されるドットの大きさを制御することができる。そこで、増粘によって噴射されるインクの量が減少し、本来形成すべきドットの大きさが小さくなってしまう画素位置において、本来選択される駆動波形の数よりも多い数の駆動波形を選択することによって、噴射するインクの量を多くし、ドットの大きさの補正を行おうというものである。以下、本実施例が行うドットの補正処理について、図7に示した処理フローチャートを用いて説明する。
本実施例の補正処理が開始されると、まずステップS100にて、印刷データを取得処理する。CPU110はI/F100を介して印刷データを受け取り、メモリ120に格納することによって取得する。次に、ステップS101にて、各ノズルについて噴射データを生成処理する。CPU110は、格納した印刷データに対して所定の処理を行い、各ラインヘッドにおけるノズル毎に、印刷紙20の搬送方向におけるそれぞれの画素位置(例えば、図3における画素(Rn,Lm)の位置)において噴射すべきインク量を示す4階調の階調データ(階調0〜3)を生成する。さらにCPU110は、印刷データに基づいて印刷紙の搬送速度つまり1画素区間を搬送する時間Tを算出し、生成した階調データと合わせて噴射データとして生成する。生成された噴射データは、メモリ120に記録される。
次に、ステップS102にて、ノズルの番号を示す「n」に1を代入処理する。つまり、1番目のノズルから順次補正処理を行うのである。そして、次のステップS103にて、n番目のノズルについて非噴射対象画素を検出する処理を行う。CPU110は、1番目のノズルについて記録された噴射データから、階調0の画素を検出する。
次に、ステップS104にて、非噴射対象画素の連続数を取得処理する。CPU110は、階調0が連続する画素位置とその連続数を、噴射データから総て抽出し、メモリ120に記録する。
次に、ステップS105にて、連続数から非噴射継続時間を算出処理する。CPU110は、印刷データに基づいて設定される印刷紙20の搬送速度つまり1画素区間を搬送する時間Tを、連続数に乗算して、非噴射継続時間を算出する。
そして、続くステップS106にて、算出した非噴射継続時間が閾値以上か否かを判定処理する。本実施例において、閾値は、前述したようにインクが増粘して本来噴射すべきインクの量が少なくなり、形成されるドットの大きさが、明らかに小さくなったと認識されるまでの時間が設定されている。そして、閾値よりも非噴射継続時間が短い場合は(NO)、ステップS109に進む。この場合、形成されるドットは、同じか明らかに小さくなったとは認識されない程度であるので、1番目のノズルについての補正は不要である。一方、非噴射継続時間が閾値以上の場合は(YES)、形成されるドットは、明らかに小さくなったと認識されるために、続くステップS107にて、非噴射対象画素に続く最初の噴射対象画素のデータを補正する処理を行う。
本実施例では、印刷データによって生成された階調データに対して、選択する駆動波形の数を1つ増加して補正する。すなわち、図6において、階調1を階調2に、階調2を階調3というように、1つ上の階調データに補正する。この結果、非噴射対象画素に続く最初の噴射対象画素について、本来小ドットを形成する画素に対しては中ドットを形成するように、また、本来中ドットを形成する画素に対しては大ドットを形成するように、噴射データが補正される。なお、大ドットについては駆動波形が3つ存在することから、中ドットや小ドットに比べてインクの増粘の影響は小さいと考えてよい。従って、本実施例では、階調3については補正を行わないものとする。もとより、階調3についても補正する場合は、大ドットよりも大きなドットを形成するための駆動波形を別途用意し、これを選択する構成とすればよい。
そして、ステップS108にて非噴射対象画素に続く最初の噴射対象画素を総て補正したか否かを判定処理し、まだ総て補正されていない場合(NO)、ステップS107の処理を繰り返し、噴射対象画素を総て補正したら(YES)、「n」に「1」を加算処理(ステップS109)する。
そして、ステップS110にて、nが9より大きいか否かを判定処理し、9以下であれば(NO)、ステップS103に戻って、次のn番目のノズルについてステップS109までの処理を繰り返す。そして、nが9より大きい(YES)と、9番目のノズルまでの総てのノズルについてステップS103からステップS108までの処理が終了したことになるので、本実施例の補正処理を終了する。
以上、図7のフローチャートにて説明したように、本実施例の補正処理によれば、インクの増粘が生じた場合であっても、非噴射画素に続く噴射画素において形成される小ドットおよび中ドットについて、本来形成されるべき大きさに対して実際に形成されるドットの大きさが小さくならないように補正することができる。
(第2実施例)
第1実施例では、インクの増粘による噴射インク量の減少を、駆動波形の数を多くすることによって補正し、形成されるドットの大きさを本来形成されるべき大きさとしたが、最も大きな大ドット(階調3)については、大ドットを補正するための駆動波形を別途用意して補正する必要があった。そこで、第2実施例は、駆動波形を別途用意することなく、電圧振幅を変更した駆動波形を用意することによって、大ドットを含めたすべての階調データについて同じように補正可能とするものである。
図8は、本実施例のインクジェットプリンタ10に構成されたドットの補正を行う機能ブロックを示すブロック構成図である。以下、各機能ブロックについて、順次説明する。なお、前述した第1実施例と同じ機能ブロックについては、同じ符号を付した。従って、これらの機能ブロックが行う動作は、基本的に第1実施例と同様であるので説明を省略し、異なる符号を付した印刷信号生成回路140a、駆動波形生成回路150a、印加信号生成回路160a、切替回路165について以下説明する。
印刷信号生成回路140aは、メモリ120に記録された噴射データから、第1実施例と同様に生成する印刷信号PRTn(n=1〜9)に加え、さらにハイ(H)レベルとロー(L)レベルからなる電圧信号である切替信号SELn(n=1〜9)を生成する。生成された切替信号SELnは、このHレベルとLレベル信号によって、駆動波形生成回路150aが生成する2つの駆動波形信号COM1と駆動波形信号COM2のどちらかの駆動波形信号に切り替える信号となる。
駆動波形生成回路150aは、電源回路155から供給される電圧から、図2で説明した駆動波形が1画素区間(時間T)に複数連続する駆動波形信号であって、駆動波形の電圧振幅となるV2−V3の電圧値がそれぞれ異なる2つの駆動波形信号COM1とCOM2とを生成する。
印加信号生成回路160aは、前述した第1の実施例における印加信号生成回路160に対して切替回路165が追加形成されたものである。切替回路165は、トランスミッションゲート回路によって構成され、切替信号SELnによって、駆動波形生成回路150aが生成する2つの駆動波形信号COM1とCOM2が有する複数の駆動波形から、HレベルとLレベルに応じて一方の駆動波形信号に切り替える。その後、切り替えられた一方の駆動波形信号から、印刷信号PRTnの選択信号に応じた数と位置の駆動波形が選択できるように構成された回路が、本実施例における印加信号生成回路160aである。そして、このように駆動波形が選択された信号は、第1実施例と同様に、印加波形信号DRVnとして各ノズルに設けられた圧電素子2に印加される。
印加信号生成回路160aにて生成される印加波形信号DRVnについて、図9を用いて補足説明する。図9は、印加信号生成回路160aにて行われる処理を説明するための説明図である。
印加信号生成回路160aには、各ラインヘッド30〜60において、1つの圧電素子2に対して1つのマスク回路が形成されている。そして、図面右下吹き出し部に示すように、各マスク回路には、さらにトランスミッションゲートTGからなる切替回路165が形成されている。切替回路165は、切替信号SELnによって駆動波形信号COM1かCOM2かのいずれかに駆動波形信号を切り替える。すなわち、切替信号SELnがHレベルであれば駆動波形信号COM2を通過させ、切替信号SELnがLレベルであれば駆動波形信号COM1を通過させて切り替える。本実施例では、切替信号SELnはCPU110によって通常Lレベルに制御されている。なお、切り替えた駆動波形信号は、前述の第1実施例における駆動波形信号COMに相当する。
駆動波形信号COM1は、第1実施例の駆動波形信号COMと同様な信号であり、一画素区間である時間Tに、ノズルからそれぞれ一滴分のインク滴を噴射させるP1,P2,P3の合計3つの駆動波形を有する単位信号が繰り返し存在する信号である。
駆動波形信号COM2は、駆動波形信号COM1における電圧振幅△Vaよりも大きな電圧振幅△Vbを有する駆動波形からなる信号であり、一画素区間である時間Tに、ノズルからそれぞれ一滴分のインク滴を噴射させるP21,P22,P23の合計3つの駆動波形を有する単位信号が繰り返し存在する信号である。
駆動波形信号COM1および駆動波形信号COM2は、総てのマスク回路に入力される。一方、切替信号SELnと印刷信号PRTn(n=1〜9)は、ラインヘッド毎に生成され、切替信号SELnは、1つのラインヘッドにおける9個のノズルについて、駆動波形信号COM1か駆動波形信号COM2かを切り替える信号であり、印刷信号PRTnは、駆動波形信号が有する3つの駆動波形から圧電素子2に印加する駆動波形を選択する信号である。従って、切替信号SELnと印刷信号PRTnは、図示するように、ノズル毎に対応して形成されたマスク回路に、1つずつ出力される。
マスク回路では、まず切替回路165によって、駆動波形信号COM1,COM2のどちらかに切り替える。そして、切り替えられた駆動波形信号が有する駆動波形のうち、印刷信号PRTnによって選択された駆動波形が、圧電素子に印加波形信号DRVnとして出力されるように回路構成されている。
本実施例でも、第1実施例と同様、4階調の噴射データが生成されるものとする。従って、これに応じたドットが各画素位置に形成されるように、印刷信号PRTnは駆動波形信号COM1もしくは駆動波形信号COM2をマスクして、4階調を示すドットを形成するように印加波形信号DRVnを形成する。本実施例におけるドットの形成具合は、前述した第1実施例と同様であるので説明は省略する。
さて、本実施例は、増粘によって本来形成すべきドットの大きさが小さくなってしまう画素位置において、選択される駆動波形の電圧振幅を大きくすることによってドットの補正を行おうというものである。従って、本実施例におけるドットの補正処理ステップは、図7に示した第1実施例における処理と基本的に同じ処理ステップであり、図7のステップS107において行われるドット補正の処理方法が異なるものである。従って、一連の処理ステップについての説明は省略し、図7のステップS107において行われる本実施例のドット補正の処理方法について、図10および図11を用いて説明する。
図10は、階調1すなわち小ドットを形成する場合について、ドットの補正方法を示したものである。本来、小ドットを形成する場合は、印刷信号PRTnのHレベル信号と切替信号SELnのLレベル信号とによって、駆動波形信号COM1から駆動波形P2を選択して圧電素子に印加し、図面右上側に示すように小ドットを形成する。しかしながら、非噴射時間が継続することによってインクが増粘すると、図面右中央に示すように形成されるべき小ドットの大きさが小さくなってしまう。
そこで、本実施例では、切替信号SELnをHレベル信号にすることによって、駆動波形信号COM2から駆動波形P22を選択し、圧電素子2に印加するように補正する。CPU110は、印刷信号生成回路を制御して、補正対象となる1画素区間において切替信号SELnをHレベルに補正する。こうすると、切替回路によって駆動波形信号はCOM1からCOM2に切り替えられ、駆動波形P22が選択されて圧電素子2に印加される。この結果、噴射されるインク滴の量が多くなり、図面右下側に示すように大きさが補正された小ドットが形成されるのである。
図11は、階調3すなわち大ドットを形成する場合について、ドットの補正方法を示したものである。本来、大ドットを形成する場合は、印刷信号PRTnのHレベル信号と切替信号SELnのLレベル信号とによって、駆動波形信号COM1から駆動波形P1,P2,P3を選択して圧電素子2に印加し、図面右上側に示すように大ドットを形成する。しかしながら、非噴射時間が継続することによってインクが増粘すると、図面右中央に示すように形成されるべき大ドットの大きさが小さくなってしまう。
そこで、本実施例では、切替信号SELnをHレベル信号にすることによって、駆動波形信号COM2から駆動波形P21,P22,P23を選択し、圧電素子に印加するように補正する。CPU110は、駆動波形生成回路150aを制御して、補正対象となる1画素区間において切替信号SELnをHレベルに変更する。こうすると、切替回路165によって駆動波形信号はCOM1からCOM2に切り替えられ、駆動波形P21,P22,P23が選択されて圧電素子2に印加される。この結果、噴射されるインク滴の量が多くなり、図面右下側に示すように大きさが補正された大ドットが形成されるのである。
このように、本実施例によれば、中ドットについての補正も同様に行われ、階調0〜3に応じて形成される総ての大きさのドット(大ドット、中ドット、小ドット)についてドットの補正が可能である。従って、インクが増粘した状態であっても、形成されるドットの大きさを、本来形成されるべきドットの大きさに等しくなるように補正することが可能となる。
以上説明したように、第1実施例および第2実施例によれば、ノズルのクリーニング処理のために印刷動作を中断することなく、インクの増粘によるインク滴の噴射の減少を補正して正しく印刷することができるため、スループットが低下することを抑制できる。
また、フラッシング処理を行うことなく、インクの増粘によるインク滴の噴射の減少を補正して正しく印刷することができる。従って、フラッシング処理に際して消費されるインク量に応じて、本来記録媒体に噴射するべきインクが少なからず消費されることが回避できるため、印刷できる枚数が少なくなることによるアウトプットの低下も抑制することができる。
また、クリーニング処理を行うためのスペースやフラッシング処理を行うためのスペースを必ずしも設ける必要がないため、インクジェット記録装置が大きくなったり、コストアップになったりするデメリットも回避できる。
また、インクが安定してノズルから噴射できるように、インクの増粘を抑制するための微振動をインクに加えることなく、印刷時におけるインクの噴射動作によって増粘したインクを排出しつつ正しく印刷することができる。このため、駆動波形信号にインクを微振動させる駆動波形を挿入しなくても済む。従って、図12に示したように、ドットを形成するための駆動波形P1,P2,P3以外に、微振動させる駆動波形Pvが挿入された駆動波形信号に対して、駆動波形Pv分(時間△T)1画素区間の時間を短くすることが可能である。この結果、印刷時間を短くすることができる。
ここで、上記第1実施例および第2実施例における機能ブロック(図4、図8参照)と、請求項記載の噴射データ生成部、非噴射継続時間算出部、駆動信号生成部との対応関係を明らかにしておく。CPU110とメモリ120とが、噴射データ生成部および非噴射継続時間算出部に相当する。また、CPU110と印刷信号生成回路140,140a、および駆動波形生成回路150,150a、印加信号生成回路160,160aが駆動信号生成部に相当する。
以上、本発明について、一実施形態および2つの実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態および実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。以下変形例を挙げて説明する。
(第1変形例)
上記実施例では、非噴射画素に続く噴射画素において形成されるドットの大きさに関係なく、非噴射継続時間が閾値以上となった場合にドットの補正処理を行うこととしたが、非噴射画素に続く噴射画素において形成されるドットの大きさに応じて閾値を変更することとしてもよい。
前述したように、増粘したインクは通常ノズルからのインク滴の噴射動作によって排出される。従って、噴射回数が1回目よりも2回目の方が、増粘したインクが少なくなるため、噴射するインク滴の量が少なくなる確率が低くなる。また、噴射回数が2回目よりも3回目の方が、増粘したインクがさらに少なくなるため、噴射するインク滴の量が少なくなる確率がさらに低くなる。ところで、インク滴の噴射動作回数は、前述したように小ドットでは1回、中ドットでは2回、大ドットでは3回である。従って、増粘したインクが噴射するインク滴を減らす割合は、小ドットの方が高くなる。換言すれば、ドットが大きいほど、インクの増粘がインク滴の噴射量を減じる割合が少ないことになる。
そこで、本変形例の如く、非噴射画素に続く噴射画素において形成されるドットの大きさに応じて閾値を変更する。こうすれば、噴射すべきインクの量が減少する割合を同じにすることができる。例えば、大ドットを形成する場合の閾値は、小ドットを形成する場合の閾値の3倍の長さの時間とし、中ドットを形成する場合の閾値の2倍の長さの時間とするのである。この結果、形成されるべきドットの大きさが小さくなる割合が総てのドットについて同じになるので、形成すべきドットの大きさが異なる場合であっても、ドットの大きさが同じ割合で小さくなったドットに対してドットの補正が行われることになる。従って、ドットの補正処理が必要な画素について適切にドット補正を行うことができる。
(第2変形例)
また、上記実施例では、非噴射継続時間が1つの閾値についてそれ以上となった場合に所定のドットの補正処理を行うこととしたが、閾値を複数設定し、設定した閾値に応じてドットの補正処理を行うこととしてもよい。
非噴射継続時間が長くなった場合、その長さに応じてインクは増粘すると考えてよいことから、非噴射継続時間に応じて、ノズルから噴射するインク滴の量は噴射すべき量に対して少なくなってしまう。そこで、本変形例の如く、非噴射画素に続く噴射画素において非噴射継続時間に応じて複数閾値を設定し、設定した閾値に応じてドットの補正処理を行うのである。こうすれば、非噴射継続時間について、インクの増粘具合に応じて適切にドットの補正処理を行うことができる。
例えば、非噴射継続時間が100画素区間分つまり時間T×100を第1の閾値とし、非噴射継続時間が200画素区間分つまり時間T×200を第2の閾値とする。そして、第1の閾値以上であって第2の閾値未満であれば、上記第2実施例にて説明したドット補正処理を行い、第2の閾値以上であれば、上記第2実施例で説明したドット補正処理に加えて、さらに上記第1実施例にて説明したドット補正処理を行うようにしてもよい。
あるいは、上記第1実施例において、設定された複数の閾値に応じて駆動波形の数を増加することとしてもよい。この場合は、例えば1画素区間において形成される駆動波形の数を3つ以上に増加し、階調値に応じて形成されるドット間において選択された駆動波形の数の差を2以上とする。そして、第1の閾値を超えた場合は、選択する駆動波形の数を1つ増加させ、第2の閾値を超えた場合は、選択する駆動波形の数を2つ増加させることによってドットの補正処理を行うようにしてもよい。
あるいは、上記第2実施例において、設定された複数の閾値に応じて異なる電圧振幅を有する駆動波形を選択することとしてもよい。この場合は、例えば通常の噴射動作に用いられる駆動波形信号の電圧振幅に対して大きい電圧振幅を有する駆動波形信号を2つ以上生成する。そして、第1の閾値を超えた場合は、通常の駆動波形信号の電圧振幅に最も近い電圧振幅を有する駆動波形信号を選択し、第2の閾値を超えた場合は、通常の駆動波形信号の電圧振幅に次に近い電圧振幅を有する駆動波形信号を選択することによってドットの補正処理を行うようにしてもよい。
(その他の変形例)
上記実施例では、1画素区間に3つの駆動波形を有する駆動波形信号を用いて、4階調を表示するようにインク滴の噴射を制御することとして説明したが、インク滴一滴の大きさによって4階調を表示する駆動波形信号を用いることとしてもよい。この場合、説明は省略するが、大ドット、中ドット、小ドットに応じた電圧振幅を有する3種類の駆動波形信号がそれぞれ生成される。従って、このような場合におけるドットの補正処理については、1つ上の階調値となる駆動波形信号を選択するようにすればよい。あるいは、階調値に応じて形成される大きさのドット間の大きさを形成するインク滴を噴射させる駆動波形信号を生成しておく。そして、閾値を超えた場合は、この駆動波形信号を選択することによってドットの補正処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施例では、ドットの補正処理を行う対象となる画素は、非噴射画素に続く1つの噴射画素として説明したが、特にこれに限るものでないことは勿論である。例えば3画素や5画素としてもよい。増粘したインクが排出される噴射回数を予め実験等によって求めておき、これに応じてドットの補正処理を行う対象となる非噴射画素に続く噴射画素の画素数を設定するとよい。
また、上記第1実施例では、小ドットに対するドットの補正方法において、選択される駆動波形を中ドットとなる駆動波形P1と駆動波形P3を選択したが、特にこれに限るものでないことは勿論である。例えば、駆動波形P1と駆動波形P2を選択してもよいし、駆動波形P2と駆動波形P3を選択してもよい。ドットの分散が悪くなるために粒状感が少し増加するものの、同様にドットの補正を行うことが可能である。
また、上記第2実施例では、駆動波形の電圧振幅を大きくすることによって噴射するインクの量を多くし、形成すべきドットの大きさを補正することとしたが、図2(b)に示した電圧波形において、電圧V2から電圧V3に変化するまでの時間を短くした電圧波形によってインクの量を補正することとしてもよい。この電圧波形によれば、圧電素子2は速く伸長することになるため、加圧室8のインクは勢いよく押される。この結果、ノズルから噴射されるインクの速度も大きくなることから、噴射するインクの量が多くなるのである。こうすれば、電圧振幅の異なる駆動波形を生成するために電源回路(図8参照)にて大きな電圧を生成する必要がないので、電源回路の負荷が軽減される。
また、上記実施形態では、ラインヘッドを備えたインクジェットプリンタによって印刷紙にインク滴を噴射する装置を、本発明の液体噴射装置の1つの実施形態として説明したが、本発明はこれに限るものではないことは勿論である。例えば、液体としてのインクを噴射する噴射ヘッドが設けられらたキャリッジを、印刷紙の搬送方向と直交する方向に往復移動して、キャリッジに設けられた噴射ヘッドからインク滴を噴射して、印刷紙に所定の画像を印刷する方式のインクジェットプリンタについても、本発明の実施形態として採用することが可能である。
また、上記実施形態では、インクジェットプリンタによって印刷紙にインク滴を噴射する装置を、本発明の液体噴射装置の1つの実施形態として説明したが、本発明はこれに限るものではないことは勿論である。例えば、ガラス基板や樹脂基板に液体となる記録液を噴射して、配線パターンの形成を行う製造装置やカラーフィルタの製造装置など、インクジェット方式を用いて記録液を噴射することによって、画像や図形、文字などを記録媒体に記録する装置でも同様に実施できるものである。
また、上記実施形態では、インク滴を噴射させる方法として圧電素子をアクチュエータとして用いるインクジェット方式として説明したが、これ以外に発熱体を用いてインク滴を噴射させる所謂サーマルインクジェット方式としてもよい。噴射原理は異なるものの、上述した駆動波形を用いて噴射させるインク滴の量を制御できることから、上記実施形態と同様にドットの補正処理が可能である。
2…圧電素子、4…底面部材、5…ノズル、8…加圧室、9…インク滴、10…インクジェットプリンタ、11…給紙トレイ、13a,14a…搬送ローラ、15…押圧ローラ、16a…排紙ローラ、18…排紙トレイ、20…印刷紙、21…搬送経路、22a,22b…張説ローラ、25…搬送ベルト、30,40,50,60…ラインヘッド、100…I/F、110…CPU、120…メモリ、130…搬送制御回路、135…用紙搬送機構、140,140a…印刷信号生成回路、150,150a…駆動波形生成回路、155…電源回路、160,160a…印加信号生成回路、165…切替回路。