以下、本発明の第一の実施の形態及び第二の実施の形態について図面を参照して説明する。第一の実施の形態では、パチンコ機1の内部に取り付けられる制御基板ケース10の開閉防止部材100について説明する。第二の実施の形態では、パチンコ機1の内部に取り付けられる払出制御基板ケース5の開閉防止部材300について説明する。まず、制御基板ケース10及び払出制御基板ケース5が設けられたパチンコ機1の構成について説明する。図1は、パチンコ機1の背面図である。図2は、パチンコ機1の背面における部分拡大図である。なお、図1又は図2に示す制御基板ケース10又は払出制御基板ケース5が本発明の「基板ケース」に相当する。
図1に示すように、パチンコ機1は、パチンコ機1本体を支持する正面視略長方形状の外枠2を備えており、この外枠2により遊技場の遊技機設置島(図示外)に設置される。そして、パチンコ機1の背面の右下部には、払出制御基板(図示外)を収納した払出制御基板ケース5が設けられている。そして、払出制御基板ケース5の上には、遊技機設置島に設置されたパチンコ機1の隣に設置され、現金やプリペイドカードを投入して、パチンコ機1で使用する遊技球を交換するためのカードユニット(図示外)と接続するためのカードユニット接続装置6が設けられている。
また、パチンコ機1の前面の上約半分には各種入賞口や役物、液晶画面を備えた遊技盤(図示外)が備えられている。そして、この遊技盤の背面には液晶画面(図示外)の制御を行う図柄表示基板(図示外)や各種ランプや電動役物の制御を行う電飾基板(図示外)が設けられている。これらの図柄表示基板や電飾基板、遊技盤の背面、各種配線は、パチンコ機1の背面の略中央部に設けられたセンターカバー4により覆われて保護されている。また、カードユニット接続装置6の上部には、遊技機の前面に設けられている下皿(図示外)に遊技球を払い出す(排出する)ための払出装置7が設けられている。そして、パチンコ機1の背面上部、センターカバー4の上部には、遊技球タンク3が設けられており、遊技機設置島から供給された遊技球を貯留し、その遊技球を払出装置7へ供給する。
図2に示すように、センターカバー4の内部には、CPUやROM等の制御素子を備えてパチンコ機1の主制御を司る制御基板(図示外)を収納した透明な樹脂製の制御基板ケース10が収容されている。なお、センターカバー4は透明な樹脂で形成されているため、その外部からセンターカバー4の内部を視認することが可能である。よって、遊技場の係員等がセンターカバー4の外部から、その内部に格納された制御基板ケース10を確認することができるようになっている。なお、図2では理解の容易のため、制御基板ケース10を点線で表示している。
以下、第一の実施の形態について説明する。まず、図3,図4又は図8を参照して、制御基板ケース10についての構成を説明する。図3は遊技機1より取り外された制御基板ケース10の斜視図であり、図4は制御基板ケース10の分解斜視図であり、図8は開閉防止部材100を設けた右かしめ部の部分拡大図である。
図3又は図8に示すように、遊技機1から取り外された制御基板ケース10には、開閉防止部材100がカバー部材20の各々筒状体93及び支持部材94,95を覆うように設けられている。
次に、制御基板ケース10の構成について説明する。図4に示すように、制御基板ケース10は、カバー部材20がかしめネジ80,90によりベース部材30に固定されて、中空の略箱状体に構成される。なお、カバー部材20とベース部材30との間に挟みこむように、CPUやROM等の制御素子を備えた制御基板が制御基板ケース10の内部に収容されるが、理解を容易とする。なお、制御基板又は開閉防止部材100は図示していない。
次に、図4を参照して、制御基板ケース10のカバー部材20について説明する。カバー部材20は、制御基板(図示外)を保護する長方形状の基板保護面40と当該基板保護面40の長手方向一端部(図4における右端部)から立設された右側面41、当該一端部と反対側の端部(図4における左端部)から立設された左側面42,前記長手方向と直交する方向の下縁端部(図4における下部)から立設された下側面43及び当該下縁端部と反対側の上縁端部(図4における上部)から立設された上側面44により蓋形状の外観をなす。ここで、蓋形状であるカバー部材20の開放した面を開放面と呼ぶ。
さらに、カバー部材20の各側面41〜44には、カバー部材20をベース部材30に固定するための構成を有する。右側面41には中空状の台座27が付設されている。そして、その台座27には円筒状の貫通孔93(図6参照)が穿設された4つの筒状台座21〜21dが縦1列に設けられている。そして、筒状台座21a〜21dは、各々ベース部材30の螺子受け部31a〜31dに対応して、かしめネジ80a〜80dを各々貫挿可能である。また、右側面41には、ベース部材30に設けられた係止爪部38a,38bが各々貫挿可能な貫通孔71a,71bが穿設され、係止爪部38a,38bの先端に設けられる爪片が各々係止される係止部位を有する正面視L字形状の爪受け部28a,28bが設けられている。筒状台座21aの下側に係止爪部38aが係止される爪受け部28aが、筒状台座21dの上側に係止爪部38bが係止される爪受け部28bが、それぞれ設けられている。
同様に、カバー部材20の左側面42にも、中空状の台座27が付設されている。そして、その台座27には円筒状の貫通孔93(図6参照)が穿設された4つの筒状台座22a,22b,22c,22dが設けられている。そして、筒状台座22a〜22dは、各々ベース部材30の螺子受け部32a〜32dに対応して、かしめネジ90a〜90dを各々貫挿可能である。また、左側面42にも、ベース部材30に設けられた係止爪部39a,39bが貫挿可能な貫通孔72a,72bが穿設され、係止爪部39a,39bの先端に設けられる爪片が各々係止される係止部位を有する正面視L字形状の爪受け部29a,29bが設けられている。そして、筒状台座22aの上側に係止爪部39aが係止される爪受け部29aが、筒状台座22dの下側に係止爪部39bが係止される爪受け部29bが、それぞれ設けられている。
一方、カバー部材20の下側面43には、開放面の高さと基板保護面40の高さとの間に位置し、開放面及び基板保護面40と平行をなす正面視矩形状の段差面25が設けられている。この段差面25により、カバー部材20の下縁部では階段状に段差が形成される。そして、この段差面25の下端部には、若干隆起した爪受け部24が設けられており、ベース部材30の下端部に設けられた係止爪部34の先端の爪片が、この爪受け部24に係止される。
他方、カバー部材20の上側面44には、開放面側からコの字に凹陥された嵌挿凹部23a,23bが形成されている。本実施の形態では、上側面44の横方向(図4の左右方向)に対して略均等に2つの嵌挿凹部23a,23bが設けられており、それぞれベース部材30に設けられた嵌挿凸部33a,33bが係合される。
次に、ベース部材30について説明する。図4に示すように、ベース部材30は、長方形状の底板50と当該底板50の長手方向一端部(図4における右端部)から立設された右側面51、当該一端部と反対側の端部(図4における左端部)から立設された左側面52、前記長手方向と直交する方向の下縁端部(図4における下部)から立設された下側面53及び当該下縁端部と反対側の上縁端部(図4における上部)から立設された上側面54により蓋形状の外観をなす。ここで、蓋形状であるベース部材30の開放した面を開放面と呼ぶ。なお、蓋形状のカバー部材20の開放面とベース部材30の開放面とが平行をなすように対向させ、カバー部材20の各側面とベース部材の各側面とが合わさるように組み合わされて、制御基板ケース10が形成される。
さらに、ベース部材30の各側面51〜54には、カバー部材20をベース部材30に固定するための構成を有する。具体的には、右側面51には、中空状のネジ孔が形成された螺子受け部31a,31b,31c,31dの4つの螺子受け部が縦1列に設けられている。そして、螺子受け部31a〜31dは、各々カバー部材20の筒状台座21a〜21dに対応して、かしめネジ80a〜80dを各々嵌挿可能である。また、右側面51には、開放面(カバー部材20)の方向に突出して、先端部付近が隆起して爪部が形成された矢印形状をなし、カバー部材20の爪受け部28a,28bに各々係合される係止爪部38a,38bが設けられている。本実施の形態では、螺子受け部31aの下側に爪受け部28aに係止される係止爪部38aが、螺子受け部31dの上側に爪受け部28bに係止される係止爪部38bが、それぞれ設けられている。
同様に、ベース部材30の左側面52には、中空状のネジ孔が形成された螺子受け部32a,32b,32c,32dの4つの螺子受け部が縦1列に設けられている。そして、螺子受け部32a〜32dは、各々カバー部材20の筒状台座22a〜22dに対応して、かしめネジ90a〜90dを各々嵌挿可能である。また、左側面52にも、開放面(カバー部材20)の方向に突出して、先端部付近が隆起して爪部が形成された矢印形状をなし、カバー部材20の爪受け部29a,29bに各々係合される係止爪部39a,39bが設けられている。本実施の形態では、螺子受け部32aの上側に爪受け部29aに係止される係止爪部39aが、螺子受け部32dの下側に爪受け部29bに係止される係止爪部39bが、それぞれ設けられている。
一方、ベース部材30の下側面53には、開放面(カバー部材20)の方向に突出して、先端部付近が隆起して爪部が形成された矢印形状をなし、カバー部材20の爪受け部24に係止される係止爪部34が設けられている。
他方、ベース部材30の上側面54には、底板50から上方向に突出して平面視T字型をなす嵌挿凸部33a,33bが形成されている。本実施の形態では、上側面54の横方向(図4の左右方向)に対して略均等に2つの嵌挿凸部33a,33bが設けられており、それぞれカバー部材20に設けられた嵌挿凹部23a,23bに係合される。
次に、かしめネジ80a〜80d(かしめネジ90a〜90d)について説明する。かしめネジ80a〜80d(かしめネジ90a〜90d)は、緊締方向にのみ螺回操作可能な頭部を有する所謂ワンウェイタイプのネジであり、胴部の先端には径が大きくなった大口径部を有している。そして、かしめネジ80a〜80d(かしめネジ90a〜90d)が、筒状台座21a〜21d(筒状台座22a〜22d)の貫通孔に貫挿され、かつ螺子受け部31a〜31d(螺子受け部32a〜32d)のネジ孔に貫嵌され、その大口径部がネジ孔において係止されることで、カバー部材20をベース部材30に密着固定するものであるが、詳細は後述する。
以上のような構成において、カバー部材20の開放面とベース部材30の開放面とを対向させつつ、その縁部を合致させるように両者を密着させることで、カバー部材20とベース部材30とが接触する四方縁部において両者が固定されて制御基板ケース10が構成される。また、緊締方向にのみ螺回操作可能な頭部を有するワンウェイタイプのネジで螺子受け部31a〜31d(螺子受け部32a〜32d)に螺合することでベース部材30とカバー部材をより密着に固定することができる。
次に、制御基板ケース10における上記固定部位を図5乃至図7を参照して、個別に説明する。図5は、制御基板ケース10の平面図である。図6は、右かしめ部11a〜11dの斜視図である。図7は、右かしめ部11aの部分拡大図である。なお、理解を容易とするために、開閉防止部材100は図示していない。
図5及び図6に示すように、制御基板ケース10の右側面61では、筒状台座21a〜21dと螺子受け部31a〜31dとが各々係合されて、かしめネジ80a〜80dが嵌着される右かしめ部11a〜11dが形成される。同様に、制御基板ケース10の左側面62では、筒状台座22a〜22dと螺子受け部32a〜32dとが各々係合されて、かしめネジ90a〜90dが嵌着される左かしめ部12a〜12dが形成される。なお、右かしめ部11a〜11dの4箇所全てを用いる必要はなく、うちの1箇所にかしめネジ80a〜80dの1つを嵌着すればよく、同様に、左かしめ部12a〜12dの4箇所全てを用いる必要はなく、うちの1箇所にかしめネジ90a〜90dの1つを嵌着すればよい。以下では、番号「1」が付された右かしめ部11a及び左かしめ部12aを用いて固定する場合を例示する。
図6及び図7に示すように、右かしめ部11aにおいて、筒状台座21aはかしめネジ80aが貫挿される円柱状の中空を有する筒状体93と、筒状体93を支持してカバー部材20に連結する支持部材94,95と、筒状体93の内部に設けられてかしめネジ80aの径の大きさに応じて伸縮してかしめネジ80aを固定する係止羽根91,92を備えている。また、筒状体93は螺子受け部31のネジ孔に連通される。なお、右かしめ部11b〜11dの構成も右かしめ部11aと同様であり、4つの筒状体93が並列に設けられるとともに、筒状台座21a〜21dはカバー部材20に一体に設けられている。また、左かしめ部12a〜12d(図5参照)の構成も右かしめ部11a〜11dと同様である。
そして、制御基板ケース10を形成する場合、かしめネジ80aを筒状体93に挿入しその頭部をねじ込み方向に回動押圧して、かしめネジ80aの頭部が係止羽根91,92に当接するまで押し込む。すると、かしめネジ80aの胴部がその側面から係止羽根91,92により押圧されて固定され、胴部の先端に設けられた大口径部が螺子受け部31のネジ孔に嵌挿される。そして、かしめネジ80aはワンウェイタイプのネジであるから、引き抜くことが不可能である。同様に、左かしめ部12a(図5参照)にもかしめネジ90a(図4参照)が嵌め込まれる。
一方、内部の制御基板の検査や修理などの理由で、制御基板ケース10を開放する必要がある場合、ニッパーやカッター等で支持部材94,95を切断すれば筒状体93を取り外すことができる。このため、右かしめ部11a及びかしめネジ80aを取り外すことができる。同様に左かしめ部12a及びかしめネジ90aも取り外せば、制御基板ケース10を開放することができる。そして再度、制御基板ケース10を閉じる場合には、他の右かしめ部11b〜11d及び左かしめ部12b〜12d(図5参照)に、かしめネジ80b〜80d及びかしめネジ90b〜90d(図4参照)を嵌着すればよい。
また、図4乃至図6に示すように、制御基板ケース10の右側面61では、右かしめ部11aの下側において、爪受け部28aに形成された貫通孔に係止爪部38aが挿入され、係止爪部38aの先端に形成された爪部が爪受け部28aに係止されて、係合部18aが形成される。同様に右かしめ部11dの上側において、係止爪部38bが爪受け部28bに係止されて、係合部18bが形成される。なお、制御基板ケース10の左側面62でも、係止爪部39a,39bが爪受け部29a,29bに各々係止されて、係合部19a,19bが形成される。
次に、制御基板ケース10のかしめ部を覆う開閉防止部材100について図8乃至図13を用いて説明する。図8は、開閉防止部材100を備えた右かしめ部の部分拡大図であり、図9は、開閉防止部材100の蓋部材110の斜視図であり、図10は、開閉防止部材100の蓋部材110の正面図であり、図11は、開閉防止部材100の脚受部材130の斜視図であり、図12は、開閉防止部材100の脚受部材130の正面図であり、図13は、開閉防止部材100の嵌合時の斜視図である。
まず、図6又は図8を参照して、開閉防止部材100の組付位置について説明する。ここで、開閉防止部材100が組み付けられる制御基板ケース10の内部には、制御基板(図示外)が固定されており、カバー部材20は爪受け部28a,28bによりベース部材30の係止爪部38a,38bと係合している。また、緊締方向にのみ螺回操作可能な頭部を有するワンウェイタイプのかしめネジ80a〜80dが筒状体93の内部を介して螺子受け部31a〜31dに螺合することでカバー部材20をベース部材30に密着固定している。
図8に示すように、開閉防止部材100は、蓋部材110及び脚受部材130から構成さている。なお、蓋部材110,脚受部材130の形状及びその取付け方法に関しての詳細は後述する。そして、蓋部材110の天板111(図9参照)がカバー部材20の筒状体93の上部(平面視上側)及び支持部材94,95の上部(平面視上側)を覆うような位置に載置され、蓋部材110の脚部120(図9参照)が脚受部材130に嵌合することで取り付けられる。これにより、開閉防止部材100が取り外されない限り、筒状体93の内部にあるかしめネジ80は触られないようになっている。
次に、図9及び図10を参照して、開閉防止部材100の蓋部材110の構成について説明する。図9及び図10に示すように、開閉防止部材100の蓋部材110は、平面視矩形状の天板111と、4本の長尺状の脚部120から構成されている。さらに、脚部120は、円柱状の円柱部材121と当該円柱部材121の先端に設けられた円錐台状の突出部122とから構成されている。ここで、円錐台状の突出部122の底面の径は、円柱部材121の底面の径よりも大きくなっている。そして、円柱部材121の長手方向の一端部には円錐台状の突出部122の底面が固定されている。また、天板111の略四隅には、円柱部材121の他端部が各々固定されている。さらに、円柱部材121の突出部122側及び突出部122には平面視、十字状に切欠形状123が設けられている。
次に、図11及び図12を参照して、開閉防止部材100の脚受部材130の構成について説明する。図11及び図12に示すように、脚受部材130は平面視コの字形状の脚受底板131とその上面(平面視上側)に筒状の脚受突出部132から形成されている。そして、脚受突出部132は中空状の嵌合孔133を設け、蓋部材110の突出部122に嵌合する位置にそれぞれ設けられている。なお、脚受突出部132の嵌合孔133の開口部134の径は、蓋部材110の円柱状の円柱部材121の径と略同径、若しくはそれ以下である。また、嵌合孔133の収納部135の径は、蓋部材110の突出部122の円錐台形の底面の径と略同径、若しくはそれ以下である。
次に、図8,図9又は図11を参照して、開閉防止部材100の取付け方法について説明する。開閉防止部材100の脚受部材130は平面視コの字形状の脚受底板131の凹部側を保護部材26の側面と逆方向に向け、支持部材94,95の平面視下側(ベース部材側)になるように挿入され、筒状体93の周壁を取り囲むように載置される。その際、脚受部材130の脚受突出部132は平面視上側(カバー部材20の基板保護面40側)に向いている。そして、蓋部材110が平面視上側(カバー部材20の基板保護面40側)より挿入され、脚部120の突出部122と脚受部材130の脚受突出部132が嵌合される。これにより、筒状体93及び支持部材94,95の平面視上側(カバー部材20の基板保護面40側)は、蓋部材110の天板111により覆われる。ここで、蓋部材110の天板111は、筒状体93の平面視上側及び支持部材94,95の平面視上側に接するように設けられ、脚受部材130の脚受底板131の平面視上側は支持部材94,95の平面視下側(ベース部材30側)にできるだけ近づくように脚受底板131の厚みがあれば望ましい。さらに、筒状体93と保護部材26の側面との間にある脚受底板131の一部が、保護部材26の側面及び筒状体93の周壁に接していることが望ましい。さらに、脚受底板131の平面視コの字形状の内部の各々立設する側面も同様に筒状体93の周壁に接していることが望ましい。そうすることで、脚受部材130と蓋部材110がずれることなく固定することができる。
次に、図9乃至図13を参照して、蓋部材110と脚受部材130の嵌合部分について説明する。まず、蓋部材110の脚部120の円錐台形状の突出部122が、脚受部材130の脚受突出部132の開口部134に挿入されると開口部134の内周壁により突出部122が径方向内側に押圧される。これにより、突出部122の切欠形状123の幅が狭くなり突出部122が開口部134に嵌入される。さらに、蓋部材110が押下され、突出部122の円錐台形状の底面部分が収納部135にかかると、突出部122の切欠形状123が元の形状にもどる。その結果、突出部122が脚受部材130の脚受突出部132に嵌合され、蓋部材110と脚受部材130は固定され、抜脱できなくなる。
以上、説明したように、本実施形態の開閉防止部材100を備えた制御基板ケース10では、蓋部材110がカバー部材20の台座27に設けられた筒状体93の上部、及び支持部材94,95の上部を覆っている。また、カバー部材20の筒状体93の内部に貫通孔があり、貫通孔を介して緊締方向にのみ螺回可能なかしめネジ80a〜80d,90a〜90dによりカバー部材20はベース部材30に密着固定されている。したがって、蓋部材110と脚受部材130から構成される開閉防止部材100を壊さない限り、筒状体93の内部のかしめネジ80a〜80d,90a〜90dを操作することはできない。これにより、制御基板ケース10のかしめネジ80a〜80d,90a〜90dを外し、不正なROM交換を目的とした制御基板ケース10のこじ開けを有効に防止することができる。尚、本実施形態のかしめネジ80a〜80d,90a〜90dが本発明の「螺子」に相当する。
次に、図14乃至図21を参照して第二の実施の形態について説明する。図14は開閉防止部材300が取り付けられた払出制御基板ケース5の斜視図であり、図15は払出制御基板ケース5の分解斜視図であり、図16は開閉防止部材300が取り付けられたかしめ部の平面図であり、図17は開閉防止部材300が取り付けられたかしめ部の右側面図であり、図18は開閉防止部材300が取り付けられたかしめ部の正面図であり、図19は開閉防止部材300の蓋部材310の上側から見た斜視図であり、図20は開閉防止部材300の脚受部材330の上側から見た斜視図であり、図21は開閉防止部材300の嵌合時の斜視図である。
まず、図14又は図15を参照して、払出制御基板ケース5の構成及び開閉防止部材300について説明する。払出制御基板ケース5も第一の実施の形態で示した制御基板ケース10と同様にカバー部材200とベース部材250から構成されている。そして、カバー部材200とベース部材250との間に挟みこむように、CPUやROM等の制御素子を備えた払出制御基板が払出制御基板ケース5の内部に収容される。また、図14に示すように、遊技機1から取り外された払出制御基板ケース5には、開閉防止部材300がカバー部材200の各々筒状体221a〜221d,231a〜231d、支持部材225及び連結部材226,227を覆うように設けられている。なお、理解を容易とするために、図14及び図15において、払出制御基板は図示していない。また、開閉防止部材300についても理解を容易とするために、図15においては図示していない。
次に、図14又は図15を参照して、払出制御基板ケース5のカバー部材200について説明する。カバー部材200は、平面視矩形状に形成された保護板245と当該保護板245の平面視水平方向の一端部(図15における右端部)から立設された右側面241、当該一端部と反対側の端部(図15における左端部)から立設された左側面242、前記水平方向と直交する方向の上縁端部(図15における上部)から立設された上側面243、当該上側面243の他端部から当該保護板245と平行するように平面視上側(図3における上部)に立設された中間面246及び当該上縁端部と反対側の下縁端部(図3における下部)から立設された下側面244より構成された保護部材201と、当該保護部材201の対向する2つの右側面241及び左側面242に設けられた平面視矩形状の台座220a〜220d,230a〜230dより構成されている。ここで、右側面241,左側面242及び下側面244の端部である保護板245とは反対側の端部の開放された面を開放面と呼ぶ。また、台座220a〜220d,230a〜230dには貫通穴を備えた筒状体221a〜221d,231a〜231dと当該筒状体221a〜221d,231a〜231dを支持して台座に連結する支持部材225(左側面242の支持部材は図示していない)及び台座220a〜220d,230a〜230dを支持して保護部材201の側面241,242に連結する連結部材226,227(左側面242の連結部材は図示していない)を備えている。また、台座220a〜220d,230a〜230dが各々連結している保護部材201の側面241,242には、保護部材201の開放面と平行するように横断面が長方形状に形成された板状の係止片240a,240b(左側面242の係止片は図示していない)が各々設けられている。
次に、図14又は図15を参照して、払出制御基板ケース5のベース部材250について説明する。ベース部材250は、平面視矩形状に形成された底板251と当該底板251の平面視水平方向の一端部(図15における右端部)から立設された右側面253、当該一端部と反対側の端部(図15における左端部)から立設された左側面254、前記水平方向と直交する方向の上縁端部(図15における上部)から立設された上側面252を備えている。ここで、各々側面252〜254の端部である底板251とは反対側の端部の開放された面を開放面と呼ぶ。また、ベース部材250の対向する2つの側面である右側面253,左側面254には、カバー部材200の台座220a〜220d,230a〜230dに対向するように直方体状の螺子受け部260a〜260d,270a〜270d(270dは図示外)が各々設けられている。さらに、螺子受け部260a〜260d,270a〜270d(270dは図示外)には中空状の螺子孔261a〜261d,271a〜271dがベース部材250の開放面側から底板251の方向に向かって穿設されている。また、ベース部材250の対向する2つの側面である右側面253及び左側面254には、各々側面と垂直をなすように内側方向に横断面が長方形状に形成された板状の係止部256,257が付設されている。
次に、払出制御基板ケース5において、ベース部材250とカバー部材200を固定する方法について図14又は図15を参照して説明する。まず、図15に示すように、ベース部材250の開放面とカバー部材200の開放面側とを合わせる。そして、カバー部材200の挿入方向前方(平面視上側)の係止片240bをベース部材250の係止部256の平面視下側(底板251側)に嵌めこむ。また同様に、対向する左側面242の係止片(図示外)に対してもベース部材250の係止部257の平面視下側(底板251側)に嵌めこむ。その後、カバー部材200をベース部材250の上側面252方向に滑動させることで、ベース部材250に対してカバー部材200を嵌入することができる。その結果、カバー部材の係止片240a,240b(正面視左側面の係止片は図示していない)がベース部材250の係止部256,257に係止され、カバー部材200が保護部材201方向に外れることを防止できる。また、カバー部材200の台座220a〜220d,230a〜230dに設けられている筒状体221a〜221d,231a〜231dが各々対応するベース部材250の螺子受け部260a〜260d,270a〜270d(270dは図示外)に設けられている螺子孔261a〜261d,271a〜271d(271dは図示外)に対向するような位置まで滑動さすことができる。そして、第一の実施の形態と同様に緊締方向にのみ螺回操作可能な頭部を有する所謂ワンウェイタイプのかしめネジ285a〜285d,295a〜295dを筒状体221a〜221d,231a〜231dの内部を介して螺子孔261a〜261d,271a〜271d(271dは図示外)に螺合させることで払出制御基板ケース5を構成するカバー部材200とベース部材250が密着固定される。なお、かしめネジ285a〜285dは嵌着される右かしめ部の4箇所全てに用いる必要はなく、うちの1箇所にかしめネジ285a〜285dの1つを嵌着すればよい。また、同様に、かしめネジ295a〜295dは嵌着される左かしめ部の4箇所全てを用いる必要はなく、うちの1箇所にかしめネジ295a〜295dの1つを嵌着すればよい。
また、払出制御基板ケース5を開放する方法について、図15を参照して説明する。ここで、内部の払出制御基板(図示外)の検査や修理などの理由で、払出制御基板ケース5を開放する必要となった場合、ニッパーやカッター等で支持部材225及び連結部材226,227を切断すれば、カバー部材200とベース部材250とを分離さすことができる。左かしめ部についても同様に支持部材(図示外)及び連結部材(図示外)を切断すればよい。
次に、図14,図16乃至図18を参照して、払出制御基板ケース5の開閉防止部材300の組付位置について説明する。ここで、開閉防止部材300が組み付けられる払出制御基板ケース5の内部には、払出制御基板(図示外)が固定されている。そして、第1の実施形態と同様に緊締方向にのみ螺回操作可能な頭部を有するワンウェイタイプのかしめネジ285,295が筒状体221の内部を介して螺子孔261に螺合することで払出制御基板ケース5を構成するカバー部材200とベース部材250が密着固定されている。以下では、図14,図16乃至図18を参照してかしめネジ285aが嵌着される右かしめ部及びかしめ部に嵌着する開閉防止部材300について例示する。
図14,図16乃至図20に示すように、開閉防止部材300は、蓋部材310及び脚受部材330から構成さている。ここで、蓋部材310,脚受部材330の形状及び取付け方法に関しての詳細は後述する。図16乃至図18に示すように、長尺状の脚受部材330は支持部材225と連結部材226,227の下側及びベース部材250の上側にあるカバー部材200との隙間に嵌入される。また、蓋部材310の天板311がカバー部材の筒状体221の上部(平面視上側)と支持部材225及び連結部材の226,227の上部(平面視上側)を覆うような位置に載置される。そして、蓋部材310の長尺状の円柱部材321が脚受部材330に嵌合することで開閉防止部材300は、払出制御基板ケース5に取り付けられる。ここで、蓋部材310の天板311がカバー部材の筒状体221の上部(平面視上側)に接するように設けられることが望ましい。これにより、開閉防止部材300が取り外されない限り、筒状体221の内部にあるかしめネジ285は触られないようになっている。
次に、図19を参照して払出制御基板ケース5に装着する開閉防止部材300の蓋部材310について説明する。図19に示すように、開閉防止部材300の蓋部材310は、平面視矩形状の天板311と、2本の長尺状の脚部320から構成されている。さらに、脚部320は、円柱状の円柱部材321と当該円柱部材321の先端に設けられた円錐台状の突出部322とから構成されている。ここで、円錐台状の突出部322の底面の径は、円柱部材321の底面の径よりも大きくなっている。そして、円柱部材121の長手方向の一端部には円錐台状の突出部322の底面が固定されている。また、各々脚部320は長手方向一端部が矩形状の天板311の一辺を共有する各々角に固定されている。さらに、円柱部材321の突出部322側及び突出部322には平面視、十字状に切欠形状323が設けられている。
次に、図19又は図20を参照して、払出制御基板ケース5に装着する開閉防止部材300の脚受部材330について説明する。図20に示すように、脚受部材330は長尺状に形成され、横断面が長方形状の板部材である。また、蓋部材310の突出部322に嵌合する位置に嵌合孔333が設けられている。この嵌合孔333の開口部334の径は、蓋部材310の円柱状の円柱部材321の径と略同径、若しくはそれ以下である。さらに、嵌合孔333の収納部335の径は、蓋部材310の突出部322の円錐台形の底面の径と略同径、若しくはそれ以下になっている。
次に、図19乃至図21を参照して、蓋部材310と脚受部材330の嵌合部分について説明する。まず、蓋部材310の円錐台形状である突出部322の先端が脚受部材330の開口部334に挿入されると開口部334の内周壁により突出部322が径方向内側に押圧される。これにより、突出部322の切欠形状323の幅が狭くなり突出部322が開口部334に嵌入される。さらに、蓋部材310が押下され、突出部322の底面部分が収納部335にかかると、蓋部材310の突出部322の切欠形状323が元の形状にもどる。その結果、突出部322が脚受部材330に嵌合され、蓋部材310と脚受部材330は固定され、抜脱できなくなる。
以上、説明したように、本実施形態の開閉防止部材300を備えた払出制御基板ケース5では、蓋部材310がカバー部材200の台座220に設けられた筒状体221の上部、支持部材225及び連結部材226,227の上部を覆っている。また、カバー部材200の筒状体221の内部に貫通孔があり、貫通孔を介して緊締方向にのみ螺回可能なかしめネジ285によりカバー部材200はベース部材250に密着固定されている。したがって、蓋部材310と脚受部材330から構成される開閉防止部材300を壊さない限り、筒状体221の内部のかしめネジ285を操作することはできない。これにより、払出制御基板ケース5のかしめネジ285を外し、不正なROM交換を目的とした払出制御基板ケース5のこじ開けを有効に防止することができる。尚、本実施形態のかしめネジ285が本発明の「螺子」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、制御基板ケース10の開閉防止部材100の蓋部材110の突出部122に設けられている切欠形状123は、脚受部材130の脚受突出部132に突出部122が嵌合するように切欠が設けられていれば問題ない。また、払出制御基板ケース5の開閉防止部材300に関しても同様である。
また、制御基板ケース10又は払出制御基板ケース5の開閉防止部材100,300の蓋部材110,310に対して各々異なった色が着色されていても問題はない。さらに、異なった文字又は記号又は符号が付されていても問題はない。また、蓋部材110,310をそれぞれ取り付ける際に、とめる1組のかしめネジの順番に応じて、それぞれの組に同じ記号、数字、文字又は図形を表記してもよい。また、とめるかしめネジの順番に応じて、同様に同じ色に着色した蓋部材110,310を用いてもよい。さらに、蓋部材110,310の突出部122,322、切欠形状123,323は、第一及び第二の実施の形態の形状に限られるものではなく適宜変更可能である。また、突出部122,322、切欠形状123,323を設けずに直接、接着剤等で、蓋部材110,310の脚部120,320と、脚受け部材130,330を接続してもよい。また、脚部120,320を設けず蓋部材110,310の一部と脚受け部材130,330を直接接続するようにしてもよい。また、図8又は図14のように、すべて、蓋を閉める必要はなく、少なくとも各々側面に対になる一組のかしめ部のみ蓋をすればよい。また、当該対になる一組のかしめ部は最初のかしめネジをとめる一組のみ蓋をするだけでもよい。
また、制御基板ケース10の開閉防止部材100の脚受底板131の平面視コの字形状の内側の側面は、一部が平面視略半円状になっていてもよい。当該略半円状になることで筒状体93の周壁に接する部分が多くなるため、蓋部材110と脚受部材130が固定した際に、より緩みにくくなる。また、脚受底板131は平面視コの字形状になっているが、平面視U字形状になっていてもよい。また、その際に、天板111が同じ形状のU字形状になっていてもよいし、当該U字形状とは異なる蓋部材110の構成でもよい。
また、図8及び図14に示すように本願のかしめ部材の構造は片側4組(4個)の部材で構成されているが、3組(3個)以下並びに、5組(5個)以上に構成してもよい。また、それぞれの構造は略同じ形状となっているが、少なくとも1つ(1組)以上異なるようにしてもよい。その際、少なくとも1つ(1組)以上異なった形状の蓋部材及び脚受部材になるように構成される。これにより、少なくとも各組ごとに異なる形状の蓋部材及び脚受部材を使用した場合には、形状をみることで、どの部分(組)のかしめ部を止めているかを把握しやすくなる。また、払出制御基板ケース5に使われる脚受部材330に固定される蓋部材310は少なくとも一組以上連結されるように構成してもよい。
また、払出制御基板ケース5の開閉防止部材300の蓋部材310は、図22乃至図24に示す蓋部材310aのような形状であっても問題はない。図22は変形例の蓋部材310aの上側から見た斜視図あり、図23は変形例の蓋部材310aが取り付けられたかしめ部の右側面図であり、図24は変形例の蓋部材310aが取り付けられたかしめ部の正面図である。図22に示すように、蓋部材310aには、上述した蓋部材310(図19参照)の天板311に固定されている2つの脚部材320に遠い側の端部に立設された下側面313(図22における下部)、当該遠い側の端部と直交する左縁端部(図22における左端部)から立設された左側面312(図22における左端部)及び当該左縁端部と反対側の端部(図22における右端部)から立設された右側面314が設けられている。図23,図24に示すように、右側面314と対向する側をカバー部材5の保護部材201の側面に向け、蓋部材310aを脚受け部材330に嵌合するように取り付けると、蓋部材310aの天板311及び各々側面312,313,314が筒状体221、支持部材225及び連結部材226,227の上部(図23の上部)及び各々側面(図23の左端部,図24の右端部,図23の右端部)を覆う。これにより、筒状体221、支持部材225及び連結部材226,227外部より直接に触れられことを防げる。よって、払出制御基板ケース5のかしめネジ285が直接に触れられることを防止できる。また、蓋部材310aの形状は、筒状体221、支持部材225及び連結部材226,227を覆う形状であれば問題はなく、上記の形状に制限しない。
また、制御基板ケース10,払出制御基板ケース5に使用される蓋部材110,310,310aの脚部120,320は、円柱状の形状に限るものではなく、角柱状のものであってもよい。また、形状をランダムに構成してもよい。当該脚部120,320はニッパー等で切断可能に構成する場合には、略0.5〜2mm前後の太さであることが望ましい。特に、切断する道具を制限しない場合には当該太さに限定されるものではない。また、脚部120,320の太さもすべて同じにする必要はない。