JP2009164707A - 電力制御回路及び電力制御方法 - Google Patents

電力制御回路及び電力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模を抑え、高効率の電力制御を行う技術を提供する。
【解決手段】電力制御回路が、第1利得設定値に応じて所定の利得制御幅で入力信号を増幅させる微調可変増幅手段と、第2利得設定値に応じて上記微調可変増幅手段よりも大きい利得制御幅で入力信号を増幅させる粗調可変増幅手段と、上記微調可変増幅手段及び上記粗調可変増幅手段により電力制御された出力信号をフィードバック信号として分岐させる分岐手段と、上記フィードバック信号と上記トータル利得設定値とを比較する比較手段と、上記トータル利得設定値に基づいて第1利得設定値及び第2利得設定値を決定し、この第1利得設定値を微調可変増幅手段へ送り、この第2利得設定値を粗調可変増幅手段へ送る制御手段と、上記比較手段の比較結果に応じて、フィードバック信号の電力が上記トータル利得設定値に応じた信号電力となるように、上記制御手段で決定される第1利得設定値及び第2利得設定値を調整する調整手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変利得増幅器を用いた信号電力制御技術に関する。
可変利得増幅器(VGA)は、利得を制御信号に基づいて可変に制御する回路である。可変利得増幅器は、制御信号に含まれるゲインコードと呼ばれる利得設定値に対応する利得となるように利得制御する。このような可変利得増幅器に該当し利得調整幅が細かく微調整可能な増幅器(以降、微調アンプと表記する)とこの微調アンプよりも利得調整幅が粗い増幅器(以降、粗調アンプと表記する)とを組み合わせた電力制御回路により、入力信号の電力を線形に制御する手法がある。
図16は、従来の電力制御回路を示す図である。図16に示される従来の電力制御回路50は、上述のように、微調アンプ51、粗調アンプ52及びデコーダ53から構成される。
図17は、微調アンプ51及び粗調アンプ52の利得特性を示すグラフである。微調アンプ51及び粗調アンプ52は、図17に示される利得特性により、入力される信号をそれぞれ増幅する。微調アンプ51及び粗調アンプ52に入力されるゲインコードとそれに対応する利得との対応関係を利得特性と表記する。図17では、グラフ左側のAMP.(FINE)と示す比例直線が微調アンプ51の利得特性を示し、グラフ右側の黒点が粗調アンプ52の利得特性を示す。
微調アンプ51及び粗調アンプ52は、デコーダ53から送られる各制御信号(図17のゲインコード)を受け、この制御信号に応じた利得となるようにそれぞれ利得制御する。図17の例によれば、微調アンプ51は、ゲインコードCF0からCFmが与えられることにより利得が0(dB(デシベル))からG1(dB)まで利得制御される。粗調アンプ52は、ゲインコードCC0、CC1及びCC2が与えられることにより0(dB)、G1(dB)及びG2(dB)の段階的な利得制御が行われる。
デコーダ53は、外部の回路から入力される制御信号を受け、この制御信号をデコードすることによりゲインコードをその制御信号から抽出する。外部回路から送られるこのゲインコードは要求利得を示す設定値であり、この従来の電力制御回路50から出力される信号の電力はこのゲインコードの示す設計上の利得に応じた電力となる。デコーダ53は、この要求利得を示すゲインコード(以降、要求ゲインコードと表記する)に応じて、微調アンプ51及び粗調アンプ52に送るべき各ゲインコード(図11に示されるゲインコード)をそれぞれ決定する。デコーダ53は、決定された各ゲインコードをそれぞれ微調アンプ51及び粗調アンプ52に送る。
図18は、従来の電力制御回路50の利得制御の例を示すグラフである。図18の例によれば、この電力制御回路50の利得G1x(dB)が要求される場合には、要求ゲインコードC1xを示す制御信号が電力制御回路50に入力される。電力制御回路50では、デコーダ53が、制御信号からこの要求ゲインコードC1xを抽出し、この要求ゲインコードC1xで要求される利得を得るために必要となる微調アンプ51及び粗調アンプ52の各ゲインコードをそれぞれ決定する。図18の例によれば、粗調アンプ52のゲインコードはCC1に決定され、微調アンプ51のゲインコードは(G1x−G1)(dB)の利得を得るためのコード(例えばCF3)に決定される。
デコーダ53は、このように決定されたゲインコードCC1を粗調アンプ52へ送り、ゲインコードCF3を微調アンプ51へ送る。結果として、図18に示されるように、要求ゲインコードC1xに対応する利得G1xで制御された出力信号が電力制御回路50から出力される。
このような従来の電力制御回路50によれば、2つのアンプが組み合わされることにより大きな利得幅(図18の例における0からG3)において利得を微調整することが可能となる。
なお、本願発明に係る先行技術文献として以下のような文献が開示されている。
特開平11−177371号公報
ところで、上記従来の電力制御回路50では、図19に示されるように、微調アンプ51及び粗調アンプ52の設計上(仕様上)取り得る利得特性と実際の制御動作において取る利得特性とでずれが生じる場合がある。以降、この設計上取り得る利得特性と実際の制御動作で取る利得特性とのずれを利得特性のずれと表記する。
図19は、微調アンプ51及び粗調アンプ52における利得特性のずれの例を示すグラフである。図19の例では、微調アンプ51は、最大ゲインコードCFmが入力された場合に、太実線で示される実際の制御動作における利得特性が長鎖線で示される設計上の利得特性からD1(dB)小さくなっている。粗調アンプ52は、各ゲインコードに関し、黒点で示される実際の制御動作における利得特性が二重線の円で示される設計上の利得特性からD2(dB)大きくなっている。このような利得特性にずれが生じる原因としては、各回路の製造ばらつきや、温度変化等に伴う各回路の特性変動等が考えられる。
図20は、従来の電力制御回路50における利得制御のずれの例を示すグラフである。上述の図19の例のように各アンプの利得特性にずれが生じた場合には、従来の電力制御回路50の利得制御において図20に示すようなずれが発生する。このとき、利得としてG1(dB)又はG2(dB)が要求される場合には、要求ゲインコードC1m又はC2mが入力される。
しかしながら、このような利得特性のずれが生じる場合には、線形制御を可能とするはずの回路であるにも関わらず、従来の電力制御回路50では、図20のドットパターン領域で示される利得範囲を実現することができない。以降、このような利得制御不可能な利得範囲をゲインステップと表記する。
従って、従来の電力制御回路50では、このようなゲインステップを生じさせないようにするために、上述のようなずれを加味し十分余裕が含まれるよう、微調アンプ51及び粗調アンプ52の利得特性を組み合わせていた。すなわち、微調アンプ51と粗調アンプ52とで出力利得の重なる範囲が大きくなるように設計していた。
しかしながら、このような設計手法を採る従来の電力制御回路50では、微調アンプ51と粗調アンプ52とに取り得る利得範囲に重複が生ずる。よって、利得特性のずれが生じない場合にはそのような重複される利得範囲が利用されることもないため、従来の電力制御回路50は効率のよい制御回路とは言えない。当然、そのような従来の電力制御回路50は、無駄に回路規模も大きくなってしまう。
本発明の目的は、回路規模を抑え、高効率の電力制御を行う技術を提供することである
本発明の各態様では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。即ち、本発明の第1の態様は、トータル利得設定値に応じて入力信号の電力制御を行う電力制御回路に関し、第1利得設定値に応じて所定の利得制御幅で入力信号を増幅させる微調可変増幅手段と、第2利得設定値に応じて上記微調可変増幅手段よりも大きい利得制御幅で入力信号を増幅させる粗調可変増幅手段と、上記微調可変増幅手段及び上記粗調可変増幅手段により電力制御された出力信号をフィードバック信号として分岐させる分岐手段と、上記フィードバック信号と上記トータル利得設定値とを比較する比較手段と、上記トータル利得設定値に基づいて第1利得設定値及び第2利得設定値を決定し、この第1利得設定値を微調可変増幅手段へ送り、この第2利得設定値を粗調可変増幅手段へ送る制御手段と、上記比較手段の比較結果に応じて、フィードバック信号の電力が上記トータル利得設定値に応じた信号電力となるように、上記制御手段で決定される第1利得設定値及び第2利得設定値を調整する調整手段と、を備える電力制御回路である。
本発明の第1の態様によれば、トータル利得設定値に基づいて制御手段により決定される第1利得設定値及び第2利得設定値に応じた利得で入力信号が微調可変増幅手段及び粗調可変増幅手段により電力制御され出力される。この出力される信号が分岐手段により分岐され、フィードバックされる。このフィードバック信号の電力とトータル利得設定値に応じた電力との比較結果に応じて、調整手段により上記制御手段により決定される第1利得設定値及び第2利得設定値が調整される。
これにより、本発明の第1態様における電力制御回路によれば、微調可変増幅手段及び粗調可変増幅手段に利得特性のずれが生じた場合であっても、トータル利得設定値に応じた利得となるように制御され、所望の電力の出力信号を得ることができる。更に、本発明の第1態様によれば、このような効果を得るために、微調可変増幅手段及び粗調可変増幅手段の各利得範囲に重複を設ける必要もなく、無駄に回路規模を大きくすることもない。
また、本発明の第1の態様において好ましくは、上記粗調可変増幅手段が、第2利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により入力信号を増幅させる通常モードと、第2利得設定値に含まれる予備設定値に応じた、通常設定値に対応する利得とは異なる利得により、入力信号を増幅させる調整モードとを有するように構成してもよい。この場合、上記調整手段は、上記比較手段によりフィードバック信号の電力がトータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、第2利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整すればよい(以降、第1好適態様と表記する)。
ここで、第2利得設定値に含まれる通常設定値及び予備設定値はそれぞれ区別可能な状態に構成されればよいものであり、異なる値が設定されることに限定されるものではない。例えば、通常設定値及び予備設定値はそれぞれ異なる範囲の値を取ることも含むし、それぞれ同じ値を取るようにして予備設定値を示すフラグ或いは調整モードへの移行指示を示す値が別途送られることも含む。
この第1好適態様では、上記調整手段により、フィードバック信号の電力がトータル利得設定値に応じた信号電力よりも大きいか否かが判断される。この判断は、利得特性のずれにより生じたゲインステップの検知を意味する。上記調整手段は、フィードバック信号の電力がトータル利得設定値に対応する信号電力相当となるように、例えば、利得制御幅が細かい(小さい)微調可変増幅手段の第1利得設定値を徐々に変えていき、それでも満たされない場合に利得制御幅の粗い粗調可変増幅手段の第2利得設定値を変える。このような調整手段による調整の結果、フィードバック信号の電力がトータル利得設定値に応じ
た信号電力よりも大きくなるのは、ゲインステップが生じたからである。
このゲインステップが検知されると、粗調可変増幅器へ送られる第2利得設定値が予備設定値に決定され、粗調可変増幅器は、調整モードで動作するようになる。これにより、粗調可変増幅器が通常モードで動作している場合に生じたゲインステップが調整モードへ移行されることにより通常モードとは異なる利得を得ることができるため、このゲインステップを解消することができる。これは、予備設定値を利用することにより粗調可変増幅手段の利得制御幅を、微調可変増幅手段の利得制御幅よりは粗いものの、より小さく(細かく)することができるからである。このような構成における粗調可変増幅手段では、通常設定値のみを使った利得制御より通常設定値及び予備設定値を使った利得制御のほうが、細かい利得制御幅となるように構成される。
この第1好適態様によれば、粗調可変増幅手段は、利得特性のずれが生じない場合には、利得制御幅が大きい通常モードで動作し、ゲインステップが生じた場合には、より利得制御幅が小さい調整モードで動作する。このように、通常時とゲインステップが生じた場合とで粗調可変増幅手段に送られる利得設定値を替えることによって、より効率的に電力制御をすることができる。
また、本発明の第1の態様において好ましくは、上記微調可変増幅手段が、第1利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により入力信号を増幅させる通常モードと、この通常設定値で取り得る利得範囲を超えた範囲における、第1利得設定値に含まれる予備設定値に応じた利得により、入力信号を増幅させる調整モードとを有するように構成してもよい。この場合、上記調整手段が、前記比較手段により前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第1利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整すればよい(以降、第2好適態様と表記する)。
この第2好適態様では、上記第1好適態様と同様に、上記調整手段により、ゲインステップが検知される。このゲインステップが検知されると、微調可変増幅器へ送られる第1利得設定値が予備設定値に決定され、微調可変増幅器は、調整モードで動作するようになる。これにより、微調可変増幅器が通常モードで動作している場合に生じたゲインステップが調整モードへ移行されることにより通常モードで取り得る利得範囲を超えた範囲の利得を得ることができるため、このゲインステップを解消することができる。これは、予備設定値を利用することにより微調可変増幅手段の利得制御幅が通常モード時よりも拡張されるからである。このような構成における微調可変増幅手段では、通常設定値のみを使った利得制御より通常設定値及び予備設定値を使った利得制御のほうが、トータルで大きな利得幅を取ることができるように構成される。
この第2好適態様によれば、微調可変増幅手段は、利得特性のずれが生じない場合には、通常モードで動作し、ゲインステップが生じた場合には、利得制御幅が拡張された調整モードで動作する。このように、通常時とゲインステップが生じた場合とで微調可変増幅手段に送られる利得設定値を替えることによって、より効率的に電力制御をすることができる。
また、本発明の第1の態様において好ましくは、較正指示信号を受けると、トータル利得設定値を模擬的に決定する較正手段を更に備え、上記比較手段が、較正指示信号を受けた後のフィードバック信号と上記較正手段により決定されたトータル利得設定値とを比較し、上記調整手段が、上記比較手段の比較結果に応じた調整により、較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が上記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力となった場合に、そのときに決定されている第1利得設定値及び第2利得
設定値がそのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に決定されるように前記制御手段に設定するように構成してもよい。
このような構成が上記第1好適態様に適用されれば、上記調整手段は、較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が上記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力より大きくなる場合には、そのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に上記第2利得設定値として上記予備設定値が利用されるように上記制御手段に設定するように構成される。
一方、このような構成が上記第2好適態様に適用されれば、上記調整手段は、較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が上記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力より大きくなる場合には、そのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に上記第1利得設定値として上記予備設定値が利用されるように上記制御手段に設定するように構成される。
このような構成では、較正時に、較正手段により模擬的に決定されるトータル利得設定値を利用して、調整手段による調整結果が制御手段に予め設定される。これにより、以後通常運転時において、制御手段は、利得特性のずれが加味された状態の第1利得設定値及び第2利得設定値を即座に決定することができる。
従って、通常運転時には、調整手段による調整処理が必要なくなるため、消費電力を抑えることができ、より高速の電力制御を実現することが可能となる。
なお、本発明の別態様として、以上の何れかの機能をコンピュータ、ICチップ等に実現させる方法であってもよい。また、本発明の別態様としては、以上の何れかの機能を実現させるプログラムであってもよいし、そのようなプログラムを記録するコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
本発明の態様によれば、回路規模を抑え、高効率の電力制御を行う技術を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係る電力制御回路について説明する。本発明の実施形態における電力制御回路は、例えば、移動端末、基地局装置等の無線送受信機に搭載される信号処理回路内に含まれる。本実施形態における電力制御回路は、それを搭載する機器を限定するものではなく、アナログ信号、デジタル信号等の所定の信号の利得を可変に制御することが要求される回路に搭載される。以下に示す各実施形態の構成はそれぞれ例示であり、本発明は下記の各実施形態の構成に限定されない。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態における電力制御回路について、図面を参照して以下に説明する。
〔回路構成〕
まず、第一実施形態における電力制御回路の機能構成について図1を用いて説明する。図1は、第一実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。第一実施形態における電力制御回路5の各機能部は、ソフトウェアの構成要素、又はハードウェアの構成要素、若しくはこれらの組み合わせとしてそれぞれ実現される([そ
の他]の項参照)。
第一実施形態における電力制御回路5は、実信号である入力信号及び要求ゲインコードを含む制御信号を受け、この入力信号を制御信号に含まれる要求ゲインコードに対応する利得となるように制御し、制御された信号を出力する。この要求ゲインコードが本発明の第1態様におけるトータル利得設定値に相当する。
第一実施形態における電力制御回路5は、このような可変利得制御を行うために、微調アンプ11、粗調アンプ12、分岐部(COUPLER)13、電力検出部(DETECTOR)14、調整アンプ15、アナログデジタルコンバータ(以降、ADCと表記する)16、比較器(COMPARATOR)17、デコーダ(DECODER)18、調整器(ADJUSTER)19等を備える。微調アンプ11は、本発明の第1態様における微調可変増幅手段に相当する。粗調アンプ12は、本発明の第1態様における粗調可変増幅手段に相当する。
微調アンプ11は、入力信号を調整器19から送られるゲインコードに対応する利得となるように制御する。微調アンプ11は、調整器19から送られるゲインコードとこれに対応する利得との関係として、設計上、図2に示されるグラフの左側に示すような利得特性を持つ。調整器19から微調アンプ11へ送られるゲインコードが本発明の第1態様における第1利得設定値に相当する。
図2は、第一実施形態における微調アンプ11及び粗調アンプ12の設計上の利得特性を示すグラフである。図2に示すように、微調アンプ11は、CF0からCFmの各ゲインコードを調整器19から受け、各ゲインコードに対応する利得0(dB)からG1(dB)で入力信号を電力制御する。図2の例によれば、設計上、微調アンプ11は、ゲインコードCFxを受けた場合には、G01(dB)の利得を実現する。
しかしながら、微調アンプ11から実際に出力される信号の利得は、製造ばらつきや温度変化等に伴い、図19に示すようなずれを生ずる。このように微調アンプ11でずれも含めて利得制御された信号は、粗調アンプ12へ送られる。
粗調アンプ12は、微調アンプ11から出力される信号を入力信号として受け、この入力信号を調整器19から送られるゲインコードに対応する利得で制御する。粗調アンプ12は、調整器19から送られるゲインコードとこれに対応する利得との関係として、設計上、図2に示されるグラフの右側に示すような利得特性を持つ。粗調アンプ12は、グラフ右側の黒点で示すように、仕設計上、調整器19からCC0、CC1、CC2及びCC3の各ゲインコードを受け、入力ゲインコードに対応する各利得0(dB)、G1(dB)、G2(dB)、G3(dB)で入力信号を電力制御する。この調整器19から粗調アンプ12へ送られるゲインコードが本発明の第1態様における第2利得設定値に相当する。
第一実施形態における粗調アンプ12は、上述のような利得特性に加えて、図2グラフ右側の中抜き黒点に示されるように更に2段階の利得特性を持つ。以降、これら各段階をそれぞれ通常モード、第1調整モード、第2調整モードと表記し、このような各段階を利得特性モードと総称する。第一実施形態における粗調アンプ12は、通常モード、第1調整モード及び第2調整モードの合計3段階の利得特性を持つ。
具体的には、第1調整モードでは、ゲインコードCC1に対応する利得がG11(dB)に変更され、ゲインコードCC2に対応する利得がG21(dB)に変更され、ゲインコードCC3に対応する利得がG31(dB)に変更される。第2調整モードでは、CC1に対応する利得がG12(dB)に変更され、ゲインコードCC2に対応する利得がG
22(dB)に変更され、ゲインコードCC3に対応する利得がG32(dB)に変更される。
粗調アンプ12は、このような利得特性モードの移行指示をゲインコードと共に調整器19から与えられる。調整器19から粗調アンプ12へ送られる利得特性モードの移行指示は、図1に示すように専用の信号線により送られてもよいし、ゲインコードと共に所定のコードとして送られるようにしてもよい。また、本実施形態では、各利得特性モード間でゲインコードを同じに設定した場合の例を示したが、各利得特性モード間でそれぞれ別のゲインコードを割り当てるようにしてもよい。本実施形態における利得特性モードの移行指示及びそれに対応するゲインコードが本発明の第1態様における予備利得設定値に対応する。粗調アンプ12によりずれも含めて所定の利得となるように制御された信号は、分岐部13へ送られる。
粗調アンプ12の利得特性モードの実現手法としては、例えば、各調整モードを実現する調整用のアンプをそれぞれ設けるようにしてもよいし、各調整モードのゲインコードを受け付けるゲートをそれぞれ設けるようにしてもよいし、バイアスを制御する機能部を設けるようにしてもよい。
分岐部13は、粗調アンプ12から出力されるAC信号を本実施形態における電力制御回路5から出力する信号と、電力検出部14へ送られる信号とに分岐する。
電力検出部14は、分岐部13から送られる分岐信号(AC信号)の電力を検出する。電力検出部14は、検出された電力に基づいて、分岐信号をベースバンド信号に変換する。変換されたベースバンド信号は、調整アンプ15に送られる。
調整アンプ15は、ベースバンド信号の微弱な直流成分を増幅する。増幅されたベースバンド信号は、ADC16へ送られる。
ADC16は、入力されるアナログベースバンド信号を電力検出部14により検出された信号電力を示すデジタルベースバンド信号に変換する。ADC16は、変換されたデジタルベースバンド信号を比較器17へ送る。
デコーダ18は、外部回路からの制御信号を受け、この制御信号をデコードすることにより、要求ゲインコードを取得する。取得された要求ゲインコードは、比較器17に送られる。
更に、デコーダ18は、微調アンプ11及び粗調アンプ12のそれぞれに関し、ゲインコードとそれに対応する利得との各対応関係(利得特性情報)をそれぞれ持つ。この利得特性情報を用いて、デコーダ18は、制御信号から抽出された要求ゲインコードに対応する利得とするために、微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送る各ゲインコードをそれぞれ決定する。なお、デコーダ18の有する各アンプの利得特性情報は、仕様上の理想値となっており、利得特性のずれを加味したものではない。デコーダ18は、このように仕様上の理想値に基づいて決定された微調アンプ11のためのゲインコード及び粗調アンプ12のためのゲインコードをそれぞれ調整器19へ送る。
比較器17は、ADC16から送られるデジタルベースバンド信号から、フィードバック信号の電力を取得する。比較器17は、要求ゲインコードとそれに対応する利得との対応関係情報を有する。比較器17は、デコーダ18から送られる要求ゲインコードとこの対応関係情報とに基づいて、フィードバック信号の電力に対応する要求ゲインコードを取得する。ここで取得されるゲインコードは、電力制御回路5で利得制御された後の出力信
号の電力に対応する。以降、ここで取得される要求ゲインコードをフィードバックゲインコードと表記する。
比較器17は、このフィードバックゲインコードとデコーダ18から送られる要求ゲインコードとを比較する。言い換えれば、比較器17は、外部回路から要求される利得と本実施形態における電力制御回路5により実現された利得とを比較して、実現された利得が要求された利得となっているか否かを判断する。比較器17は、このフィードバックゲインコードと要求ゲインコードとの差(以降、コード差と表記する)を求める。比較器17は、このコード差が許容される範囲にないと判断すると、このコード差を調整器19へ送る。比較器17は、このコード差が予め調整可能に保持される所定の閾値よりも大きい場合に、許容される範囲にないと判断するようにしてもよい。
調整器19は、比較器17から送られるコード差に基づいて、ずれている利得を要求ゲインコードに対応する利得にするために、デコーダ18から送られる理想値の各ゲインコードをそれぞれ調整する。逆に、比較器17からコード差が送られてこない又は比較器17から送られるコード差が許容範囲であることを示す値となる場合には、調整器19は、デコーダ18から送られる各ゲインコードを調整せずそのまま微調アンプ11及び粗調アンプ12へそれぞれ送る。
調整器19は、微調アンプ11及び粗調アンプ12により提供されるゲインコードの一覧、及び、粗調アンプ12の利得特性モードに関する情報を保持する。調整器19は、デコーダ18から送られる各ゲインコードを調整する際に、この保持されるゲインコード一覧情報を利用する。
また、調整器19は、各ゲインコードを調整するにあたり、粗調アンプ12の利得特性モードの移行を決定する。調整器19は、利得特性モードの移行を決定すると、粗調アンプ12に対しその移行指示を出す。なお、調整器19による各ゲインコードの具体的調整手法については後述する。調整器19は、調整された各ゲインコードを微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送ると共に、必要に応じて粗調アンプ12へ移行指示を送る。
〔動作例〕
次に、上述の第一実施形態における電力制御回路5の動作例について、図3を用いて説明する。図3は、第一実施形態における電力制御回路5の利得制御を示すグラフである。
図3には、電力制御回路5を構成する微調アンプ11及び粗調アンプ12に、図19に示される利得特性のずれが生じた場合の利得制御例が示されている。図3のうち、長鎖線が要求ゲインコードに対応する設計上の利得を示し、ドットパターン領域が従来の電力制御回路の場合に生ずるゲインステップを示し、太実線が第一実施形態における電力制御回路5で実現される利得の制御方法を示す。図3の太実線に示されるように、第一実施形態における電力制御回路5は、利得にゲインステップが生じないように制御する。
以下、外部回路から電力制御回路5に対し、要求利得G01(dB)に対応する要求ゲインコードC0cを含む制御信号が入力される例を挙げ、第一実施形態における電力制御回路5の動作を説明する。
デコーダ18は、この制御信号から要求ゲインコードC0cを抽出する。デコーダ18は、この要求ゲインコードC0cに基づいて、微調アンプ11へ送るべきゲインコードと粗調アンプ12へ送るべきゲインコードとを決定する。この例では、デコーダ18は、その要求ゲインコードC0cに対応する利得G01(dB)を得るために、利得特性のずれを加味せず、図2に示されるように、微調アンプ11へ送られるゲインコードCFxを決
定し、粗調アンプ12へ送られるゲインコードCC0を決定する。ここでは、これら各ゲインコードが調整器19で調整されず微調アンプ11及び粗調アンプ12へそれぞれ送られるものとする。
入力信号は、このように送られる各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御され、分岐部13でフィードバックされる信号と本実施形態における電力制御回路5から出力される信号とに分岐される。分岐部13でフィードバックされた信号は、電力検出部14により電力が検出され、調整アンプ15で増幅され、ADC16でデジタルベースバンド信号に変換された後、比較器17へ送られる。
比較器17では、デコーダ18から送られる要求ゲインコードに対応する利得に基づいて、フィードバック信号の電力に対応するフィードバックゲインコードが決定される。上記例によれば、微調アンプ11の利得特性のずれにより出力信号の利得がG0e2となるため、比較器17で決定されるフィードバックゲインコードは、C0aとなるはずである。
一方で、デコーダ18から比較器17へ送られる要求ゲインコードは、依然、C0cであり、デコーダ18から調整器19へ送られる微調アンプ11のゲインコード及び粗調アンプ12のゲインコードは、それぞれCFx及びCC0である。
比較器17は、フィードバックゲインコードC0aと要求ゲインコードC0cとを比較し、これらの差を算出する。比較器17は、この算出されたコード差が許容される範囲の差であるか否かを判断する。この場合、比較器17は、コード差(C0c−C0a)が許容されないと判断し、そのコード差を調整器19へ送る。
調整器19は、要求ゲインコードC0cに対応する微調アンプ11のためのゲインコードCFx及び粗調アンプ12のためのゲインコードCC0と、比較器17からのコード差(C0c−C0a)を受けている。調整器19は、比較器17からコード差を受けていることから、各ゲインコードを調整すべきと判断する。
具体的には、調整器19は、当該コード差に基づいて、微調アンプ11のゲインコードを上げようと試みる。この場合、ゲインコードCFxが微調アンプ11の最大コードCFmよりも小さいことから、調整器19は、微調アンプ11のゲインコードCFxを更に上げる。ここでは、調整器19により調整された結果、微調アンプ11のためのゲインコードが最大ゲインコードCFmに決定されたものとする。なお、本実施形態は、この調整器19でのゲインコードの調整幅を限定するものではない。コード差の大きさに応じた幅でゲインコードを調整するようにしてもよいし、ゲインコードの最小単位で調整するようにしてもよい。このように調整された各ゲインコード(CFm、CC0)がそれぞれ微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られる。
このように送られる各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された実信号が再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得は、図19に示される微調アンプ11の利得特性のずれによりG0e1(dB)となっている。
よって、比較器17により、フィードバックゲインコードがC0bに決定される。比較器17は、このフィードバックゲインコードC0bと要求ゲインコードC0cとのコード差が許容される範囲の差であるか否かを判断する。ここでは、比較器17は、このコード差(C0c−C0b)が許容されないと判断し、このコード差を調整器19へ送る。
調整器19は、前回調整された微調アンプ11のためのゲインコードCFm及び粗調アンプ12のためのゲインコードCC0と、比較器17からのコード差(C0c−C0b)を受けている。調整器19は、比較器17からコード差を受けていることから、各ゲインコードを更に調整すべきと判断する。
具体的には、調整器19は、当該コード差に基づいて、微調アンプ11のゲインコードを再度上げようと試みる。この場合、ゲインコードCFmは、微調アンプ11の最大コードとなっているため、調整器19は、粗調アンプ12のゲインコードを上げることでCC1とし、微調アンプ11のゲインコードをリセットし初期値CF0とする。このように調整された各ゲインコード(CF0、CC1)がそれぞれ微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られる。
このように送られる各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された実信号が再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得は、図19に示される粗調アンプ12の利得特性のずれによりG1e2(dB)となっている。
よって、比較器17により、フィードバックゲインコードがC1aに決定される。比較器17は、このフィードバックゲインコードC1aと要求ゲインコードC0cとのコード差が許容される範囲の差であるか否かを判断する。ここでは、比較器17は、このコード差(C0c−C1a)が許容されないと判断し、このコード差を調整器19へ送る。
調整器19は、前回調整された微調アンプ11のためのゲインコードCF0及び粗調アンプ12のためのゲインコードCC1と、比較器17からのコード差(C0c−C1a)を受けている。調整器19は、比較器17からのコード差に基づいて、フィードバックゲインコードのほうが要求ゲインコードよりも大きいと判断する。この判断により、調整器19は、このフィードバックゲインコードを得るための前回の調整で粗調アンプ12のゲインコードが上げられ微調アンプ11のゲインコードがリセットされていることから、ゲインステップが発生したと判断する。
ゲインステップの発生を検知すると、調整器19は、粗調アンプ12の利得特性モードの移行を決定する。具体的には、調整器19は、現在の利得特性モードである通常モードから第1調整モードへ移行するよう決定する。調整器19は、微調アンプ11及び粗調アンプ12へ前回と同様の各ゲインコード(CF0、CC1)をそれぞれ送ると共に、粗調アンプ12に対して第1調整モードへの移行指示を送る。
粗調アンプ12は、第1調整モードへの移行指示により、図2に示される第1調整モードの利得特性を持つように自己調整する。これにより、微調アンプ11及び第1調整モードとなった粗調アンプ12が、ゲインコードCF0及びCC1に応じて、入力信号を電力制御する。このように制御された実信号は再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得は、図19に示される粗調アンプ12の利得特性のずれによりG0e3(dB)となっている。
よって、比較器17により、フィードバックゲインコードがC0dに決定される。比較器17は、このフィードバックゲインコードC0dと要求ゲインコードC0cとのコード差が許容される範囲の差であるか否かを判断する。ここでは、比較器17は、このコード差(C0c−C0d)が許容されないと判断し、このコード差を調整器19へ送る。
調整器19は、前回利用された微調アンプ11のためのゲインコードCF0及び粗調アンプ12のためのゲインコードCC1と、比較器17からのコード差(C0c−C0d)
を受けている。調整器19は、比較器17からのコード差に基づいて、フィードバックゲインコードのほうが要求ゲインコードよりも依然大きいと判断する。この判断により、調整器19は、前回の利得特性モードの移行ではゲインステップが解消されていないと判断する。
これにより、調整器19は、粗調アンプ12の利得特性モードの更なる移行を決定する。具体的には、調整器19は、粗調アンプ12の利得特性モードを現在の第1調整モードから第2調整モードへ移行することを決定する。調整器19は、微調アンプ11及び粗調アンプ12へ前回と同様の各ゲインコード(CF0、CC1)をそれぞれ送ると共に、粗調アンプ12に対して第2調整モードへの移行指示を送る。
粗調アンプ12は、第2調整モードへの移行指示により、図2に示される第2調整モードの利得特性を持つように自己調整する。微調アンプ11及び第2調整モードとなった粗調アンプ12により利得制御された実信号は再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得は、図19に示される粗調アンプ12の利得特性のずれによりG0e2(dB)となっている。
よって、比較器17により、フィードバックゲインコードがC0aに決定される。このときも、比較器17は、このフィードバックゲインコードC0aと要求ゲインコードC0cとのコード差が許容される範囲(C0c−C0a)にないと判断し、このコード差を調整器19へ送る。
調整器19は、先程調整された微調アンプ11のためのゲインコードCF0及び粗調アンプ12のためのゲインコードCC1と、比較器17からのコード差(C0c−C0a)を受けている。このとき、調整器19は、第2調整モードへの移行後、フィードバックゲインコードC0aが要求ゲインコードC0cよりも小さくなったことから、ゲインステップが解消したと判断する。これにより、調整器19は、粗調アンプ12の利得特性を第2調整モードに固定したまま、微調アンプ11のゲインコードを上げるように試みる。これにより、調整器19は、第2調整モードの粗調アンプ12へ前回と同様のゲインコードCC1を送り、微調アンプ11へ前回のゲインコードCF0から調整されたゲインコードを送る。
以降、上述と同様のフィードバック制御により、比較器17により決定されるフィードバックゲインコードが要求ゲインコードC0cと等しくなる若しくは双方の差が許容範囲内に収まる(図3に示される星印)まで、調整器19により微調アンプ11のゲインコードが調整される。なお、このとき、粗調アンプ12は第2調整モードであり、粗調アンプ12へ送られるゲインコードはCC1である。
このように、第一実施形態における電力制御回路5によれば、微調アンプ11及び粗調アンプ12に利得特性のずれが生じた場合であっても、粗調アンプ12の利得特性モードを用いることによりゲインステップを解消することができる。
図3のグラフに示すように、要求出力利得G2e2に対応する要求ゲインコードC1bまでは、第2調整モードの粗調アンプ12にゲインコードCC1を与えながら、微調アンプ11へのゲインコードをCFmまで徐々に調整することにより対応可能である。
利得としてG2e2より若干大きい利得が要求される場合に、再度、粗調アンプ12の調整モードの移行が行われる。この場合、調整器19は、微調アンプ11のゲインコードが最大コードのCFmとなっていることから、粗調アンプ12の調整モードを通常モードへ戻し微調アンプ11のゲインコードをリセットしCF0に戻す。以降、上述のフィード
バック制御により、所望の利得が得られるまで、微調アンプ11のゲインコードが調整される。このとき、粗調アンプ12は通常モードであり、粗調アンプ12へ送られるゲインコードはCC1である。
なお、調整器19により粗調アンプ12の利得特性モードの移行が決定される前に、第2調整モードのまま、一度、粗調アンプ12のゲインコードをCC2に上げるようにしてもよい。この場合、第2調整モードの粗調アンプ12では、図3の例に示すように利得G2e3とG2e2との間のゲインステップが生じている。よって、このゲインステップ検出後、上述と同様の粗調アンプ12の調整モード移行を決定するようにしてもよい。以降、同様に、粗調アンプ12の利得特性のモードが移行されながら、かつ粗調アンプ12のゲインコード及び微調アンプ11のゲインコードが調整され、ゲインステップが解消される。
〈第一実施形態における作用及び効果〉
第一実施形態における電力制御回路5では、外部回路から送られる制御信号に含まれる要求ゲインコードがデコーダ18で抽出され、更にこのデコーダ18においてこの要求ゲインコードに対応する微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードがそれぞれ決定される。デコーダ18で決定された各ゲインコードは、比較器17により決定されるフィードバックゲインコードと要求ゲインコードとのコード差に応じて、調整器19により補正(調整)され、微調アンプ11及び粗調アンプ12へそれぞれ送られる。
このように第一実施形態における電力制御回路5は、微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された出力信号の信号利得を検証するためのフィードバック回路(分岐部13、電力検出部14、調整アンプ15、ADC16)を有する。このフィードバック回路でフィードバックされる信号に応じたフィードバックゲインコードが比較器17で生成され、このフィードバックゲインコードと外部からの要求ゲインコードとが比較されることにより、出力信号の信号利得が要求ゲインコードを満たしているか否かが検証される。
更に、第一実施形態における電力制御回路5を構成する粗調アンプ12は、各ゲインコードに対する各出力利得との対応関係について、通常モード、第1調整モード及び第2調整モードの3段階の利得特性を持つように構成される。
第一実施形態における電力制御回路5では、微調アンプ11及び粗調アンプ12の利得特性のずれにより生じるゲインステップが上記フィードバックゲインコードと要求ゲインコードとの関係により検出される。
具体的には、順次フィードバックされるフィードバックゲインコードと要求ゲインコードとのコード差に応じて、調整器19が微調アンプ11のゲインコードを所定の調整幅で最大コードまで変えていく。微調アンプ11のゲインコードが最大コードになると、粗調アンプ12のゲインコードが上げられ微調アンプ11のゲインコードが初期値に戻される。このとき、調整器19では、調整前後でフィードバックゲインコードが要求ゲインコードよりも大きくなっていると判断された場合には、ゲインステップが発生しているものと判断される。
第一実施形態における電力制御回路5では、このようにゲインステップが検知されると、調整器19から粗調アンプ12へゲインコードと共に調整モード移行指示が出される。これにより、粗調アンプ12の利得特性が指示された調整モードに応じた利得特性を持つように変更される。以降、調整器19により当該コード差に基づいて微調アンプ11のゲインコードが上記コード差が許容範囲内に収まるまで所定の調整幅で順次補正される。なお、このように粗調アンプ12の利得特性モードが移行されてもなおゲインステップが検
知される場合には、微調アンプ11のゲインコードをリセットするタイミングで再度粗調アンプ12の利得特性モードの移行を決定する。
このように、第一実施形態における電力制御回路5は、出力信号が要求される信号電力を持つかどうかについてフィードバックされ、このフィードバックされる情報(フィードバックゲインコード)に基づいてゲインステップが検知される。ゲインステップが検知されると粗調アンプ12の利得特性モードがそのゲインステップを解消するにように移行される。
従って、第一実施形態における電力制御回路5によれば、微調アンプ11及び粗調アンプ12について利得特性のずれを加味し十分な余裕を含めた設計をすることなく、ゲインステップを解消するよう利得制御することができる。更に、上記余裕を含めた設計とする必要がないため、回路規模、消費電力及び回路規模を抑えることができる。
〔第一実施形態における変形例〕
上述の第一実施形態では、図3の太実線で示されるような利得制御が実行されていた。すなわち、粗調アンプ12の利得特性モードを第2調整モードまで移行させた後、微調アンプ11のゲインコードが再度リセットされるタイミングで、粗調アンプ12の利得特性モードが通常モードへ移行されていた。
本実施形態はこのような利得制御に限定されるものではなく、フィードバック信号によりゲインステップが検知され、このゲインステップが解消されるように粗調アンプ12の利得特性モードが移行されればよい。図4は、第一実施形態の変形例における利得制御を示すグラフである。以下、図4を参照して、第一実施形態の変形例としての電力制御回路5の利得特性について説明する。
本変形例における電力制御回路5では、図4に示すように、粗調アンプ12の利得特性モードを第2調整モードまで移行させた後、粗調アンプ12の利得特性モードを戻すタイミングが第一実施形態とは異なる。
本変形例では、調整器19が、粗調アンプ12のゲインコードを上げ微調アンプ11のゲインコードを初期値に戻した際にフィードバックされるフィードバックゲインコードを比較器17から受け、保持する。すなわち、変形例における調整器19は、通常モード、第一調整モード及び第二調整モードとなった時点(微調アンプのゲインコードがリセットされた状態)でのフィードバックゲインコードをそれぞれ保持する。
調整器19は、第一実施形態と同様に、粗調アンプ12の利得特性モードを第2調整モードまで移行させた後、微調アンプ11のゲインコードを所定の調整幅で徐々に変えていく。調整器19は、比較器17から送られるフィードバックゲインコードが保持されるいずれかのフィードバックゲインコードと同一になるか否かを順次確認する。調整器19は、そのときのフィードバックゲインコードが保持されるいずれかのフィードバックゲインコードと同一であると判断すると、その保持されるフィードバックゲインコードに対応する利得特性モードへの移行を決定する。
図4の例では、調整器19は、図3の例で説明したように、微調アンプ11のゲインコードをCF0に戻し(リセットし)、粗調アンプ12のゲインコードをCC1に上げた際の利得G1e2に対応するフィードバックゲインコードC1aを保持する。更に、調整器19は、粗調アンプ12の利得特性モードを第1調整モードへ移行した際の利得G0e3に対応するフィードバックゲインコードC0dを保持し、粗調アンプ12の利得特性モードを第2調整モードへ移行した際の利得G0e2に対応するフィードバックゲインコード
C0aを保持する。
その後、調整器19は、第2調整モードの粗調アンプ12へゲインコードCC1を送りつつ、微調アンプ11のゲインコードを徐々に上げていく。結果として、調整器19は、信号の利得G0e3に対応するフィードバックゲインコードC0dを受ける。調整器19は、このフィードバックゲインコードC0dが既に保持されていることを検出し、この保持されているフィードバックゲインコードC0dに対応する利得特性モード(第1調整モード)への移行を決定する。
調整器19は、同時に、微調アンプ11のゲインコードを初期値CF0に戻す。結果として、調整器19は、微調アンプ11へゲインコードCF0を送り、粗調アンプ12へ第1調整モードへの移行指示を出し、粗調アンプ12へゲインコードCC1を送る。
このように制御することにより、本変形例によれば、粗調アンプ12の利得特性モードの移行前後で重複して得られる出力利得を減らすことができる。従って、要求ゲインコードに対応する出力利得を得るまでにかかる時間を減らすことができ、高速利得制御を実現することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態における電力制御回路について、図面を参照して以下に説明する。上述の第一実施形態における電力制御回路5は、粗調アンプ12に利得特性モードを設け、この利得特性モードを移行させることにより、ゲインステップが解消されるように利得制御していた。第二実施形態における電力制御回路5は、微調アンプ11に利得特性モードを設け、この利得特性モードを移行させることにより、ゲインステップが解消されるように利得制御する。
〔回路構成〕
第二実施形態における電力制御回路の機能構成について図5を用いて説明する。図5は、第二実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。第二実施形態における電力制御回路5は、第一実施形態の電力制御回路5が粗調アンプ12の利得特性モードが移行されていたのに対して、微調アンプ11の利得特性モードが移行される。以下、第二実施形態において第一実施形態と機能が変わる機能部についてのみ説明する。
図6は、第二実施形態における微調アンプ11及び粗調アンプ12の利得特性を示すグラフである。図6のグラフ右側に示すように、粗調アンプ12の利得特性は、利得特性モードを持たないことを除いて、第一実施形態と同様である。
一方、微調アンプ11は、図6のグラフ左側に示すように、実線で示される通常モードと2重線で示される調整モードとを利得特性モードとして有する。具体的には、微調アンプ11は、通常モードとしてCF0からCFmの各ゲインコードを持ち、調整モードとして更にCFm以降のゲインコード(例えば、図6のCFe1、CFe2)を持つ。
微調アンプ11は、通常モード時には、利得として0(dB)からG1(dB)までの値を実現するのに対して、調整モード時には、更に利得としてG1からG13(dB)までの値も併せて実現する。微調アンプ11は、調整器19からモード移行信号を受けることにより、通常モードから調整モードへ或いは調整モードから通常モードへ移行する。微調アンプ11は、調整モードへの移行指示を受けると、通常モード時に設けられていたゲインコードCF0からCFmに加えて、図6に示される調整モードのための追加ゲインコードCFmからCFemを受付可能とする。
本実施形態では、利得特性モードの移行指示を受けると調整モードのための追加ゲインコードを受付可能とするよう構成したが、この利得特性モードの移行指示を受けることなく、追加ゲインコードを受けることで調整モードへ移行するようにしてもよい。本実施形態における利得特性モードの移行指示及びそれに対応するゲインコードが本発明の第1態様における予備利得設定値に対応する。
微調アンプ11の利得特性モードの実現手法としては、例えば、調整モードを実現する調整用のアンプを設けるようにしてもよいし、各調整モードのゲインコードを受け付けるゲートをそれぞれ設けるようにしてもよいし、バイアスを制御する機能部を設けるようにしてもよい。
調整器19は、第一実施形態と同様に、ゲインステップを解消するように、微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードをそれぞれ調整する。第二実施形態における調整器19は、微調アンプ11の通常モードの利得特性に加えて、調整モードの利得特性を保持する。すなわち、調整器19は、微調アンプ11の調整モード時に提供される追加ゲインコードとそれに対応する利得を保持する。
調整器19は、第一実施形態と同様に、比較器17からのコード差に基づいてゲインステップが検知された場合であって微調アンプ11のゲインコードが最大ゲインコードCFmとなっている場合に、微調アンプ11の利得特性モードの移行を決定する。調整器19は、この移行を決定すると、微調アンプ11へモード移行指示を送ると共に、調整モードに対応する追加ゲインコードを送る。第二実施形態における調整器19による各ゲインコードの具体的調整手法について以下に述べる。
〔動作例〕
次に、上述の第二実施形態における電力制御回路5の動作例について、図7及び8を用いて説明する。図7及び8は、第二実施形態における電力制御回路5の動作例を示すグラフである。
図7及び8には、電力制御回路5を構成する微調アンプ11及び粗調アンプ12に、図19に示される利得特性のずれが生じた場合の動作例が示されている。図7及び8のうち、長鎖線が要求ゲインコードに対応する設計上の利得を示し、ドットパターン領域が従来の電力制御回路の場合に生ずるゲインステップを示し、太実線及び二重線が第二実施形態における電力制御回路5により実現される利得の制御方法を示す。図7及び8の太実線に示されるように、第二実施形態における電力制御回路5は、利得にゲインステップが生じないように制御する。
以下、外部回路から電力制御回路5に対し、要求出力利得G1(dB)に対応する要求ゲインコードC1mを含む制御信号が入力される例を挙げ、第二実施形態における電力制御回路5の動作を説明する。
まず、デコーダ18は、制御信号から要求ゲインコードC1mを抽出する。デコーダ18は、この要求ゲインコードC1mに基づいて、利得特性のずれを加味せず、図6に示される微調アンプ11のためのゲインコードCFm及び粗調アンプ12のためのゲインコードCC0を決定する。ここでは、このように決定された各ゲインコードが調整器19で調整されず微調アンプ11及び粗調アンプ12へそれぞれ送られるものとする。
このような各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された実信号が再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力
した本実施形態における電力制御回路の実利得は、図19に示される微調アンプ11の利得特性のずれによりG0e1(dB)となっている。これに伴い、比較器17により、フィードバックゲインコードがC1cに決定される。
このとき、比較器17には、デコーダ18から要求ゲインコードC1mが入力されている。また、デコーダ18から調整器19へ送られる微調アンプ11のゲインコード及び粗調アンプ12のゲインコードはそれぞれCFm及びCC0のままである。
比較器17は、フィードバックゲインコードC1cと要求ゲインコードC1mとを比較し、これらの差を算出する。比較器17は、この算出されたコード差(C1m−C1c)が許容されないと判断し、そのコード差を調整器19へ送る。
調整器19は、このコード差(C1m−C1c)に基づいて、微調アンプ11のゲインコードを上げようと試みる。この場合、ゲインコードが微調アンプ11の最大コードCFmとなっていることから、調整器19は、粗調アンプ12のゲインコードをCC1に上げ、微調アンプ11のゲインコードをリセットしCF0とする。これら各ゲインコード(CF0、CC1)が微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られる。
このような各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された実信号が再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得は、図19に示される微調アンプ11の利得特性のずれによりG1e2(dB)となっている。
これに伴い、比較器17により、フィードバックゲインコードがC1aに決定される。比較器17は、このフィードバックゲインコードC1aと要求ゲインコードC1mとのコード差が許容される範囲の差であるか否かを判断する。ここでは、比較器17は、このコード差(C1a−C1m)が許容されないと判断し、このコード差を調整器19へ送る。
調整器19は、デコーダ18から送られた微調アンプ11のためのゲインコードCF0及び粗調アンプ12のためのゲインコードCC1と、比較器17からのコード差(C1a−C1m)を受けている。調整器19は、比較器17からのコード差に基づいて、フィードバックゲインコードのほうが要求ゲインコードよりも大きいと判断する。この判断により、調整器19は、このフィードバックゲインコードを得るための前回の調整で粗調アンプ12のゲインコードが上げられ微調アンプ11のゲインコードがリセットされていることから、ゲインステップが発生したと判断する。
ゲインステップの発生を検知すると、調整器19は、微調アンプ11の利得特性モードの移行を決定する。調整器19は、微調アンプ11の利得特性モードを現在の通常モードから調整モードへ移行するよう決定し、前回調整された粗調アンプ12のゲインコードCC1を元のCC0に戻し、微調アンプ11のゲインコードを調整モードに対応した追加ゲインコードに決定する。調整器19は、微調アンプ11の追加ゲインコードとして、例えば、図6に示されるゲインコードCFe1を決定する。調整器19は、利得特性モードの移行信号及びそれに対応するゲインコードをそれぞれ微調アンプ11へ送る。
このように調整器19により微調アンプ11へ送られる追加ゲインコードが要求ゲインコードC1mに対応する利得G1が得られるまで調整される。図7の例では、調整モードの微調アンプ11へ送られるゲインコードが、最大追加ゲインコードCFemよりも小さいコードで所望の利得G1が得られている。
このように、第二実施形態における電力制御回路5によれば、図8に示すように、微調
アンプ11及び粗調アンプ12にゲインステップが生じるような利得特性のずれが生じた場合であっても、微調アンプ11の利得特性モードが変更されることにより、このゲインステップが解消される。
〈第二実施形態における作用及び効果〉
第二実施形態における電力制御回路5では、第一実施形態と同様のフィードバック制御により、調整器19によりデコーダ18で決定された微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードが調整される。
第二実施形態における電力制御回路5を構成する微調アンプ11は、各ゲインコードに対する各出力利得との対応関係について通常モード及び調整モードの2段階の利得特性を持つように構成される。調整モード時には微調アンプ11は、追加ゲインコードを更に有し、この追加ゲインコードに対応する出力利得を実現するように構成される。
調整器19では、第一実施形態と同様の手法によりゲインステップが検知されると、粗調アンプ12のゲインコードが前回の値に戻され、微調アンプ11の利得特性モードの移行が決定される。微調アンプ11の利得特性モードが調整モードに決定されると、調整器19により微調アンプ11の追加ゲインコードが決定される。以降、調整器19により微調アンプ11の追加ゲインコードが当該コード差が許容範囲内に収まるまで所定の調整幅で最大追加ゲインコードまで順次調整される。
このように、第二実施形態における電力制御回路5は、ゲインステップが検知されると微調アンプ11の利得特性モードがそのゲインステップを解消するように移行される。
従って、第二実施形態における電力制御回路5によれば、微調アンプ11及び粗調アンプ12について利得特性のずれを加味し十分な余裕を含めた設計をすることなく、ゲインステップを解消するよう利得制御することができる。更に、上記余裕を含めた設計とする必要がないため、回路規模、消費電力及び回路規模を抑えることができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態における電力制御回路について、図面を参照して以下に説明する。上述の第一実施形態における電力制御回路5は、デコーダ18により外部回路からの要求ゲインコードに応じた微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードが決定され、これら各ゲインコードが調整器19により各アンプで生ずる利得特性のずれに応じて調整(補正)された後、調整された各ゲインコードが微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られていた。第三実施形態における電力制御回路は、キャリブレーションモードを備え、このキャリブレーション動作時にデコーダ18から出力される各ゲインコードが各アンプの利得特性のずれを加味したものとなるように制御する。
〔回路構成〕
第三実施形態における電力制御回路の機能構成について図9を用いて説明する。図9は、第三実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。
第三実施形態における電力制御回路20は、キャリブレーションモードを有する。キャリブレーション動作時には、電力制御回路20は、外部回路から較正信号及び較正指示信号を受信する。電力制御回路20は、このキャリブレーション動作により、デコーダ18の有する微調アンプ11及び粗調アンプ12に関するゲインコードと出力利得との各対応関係に関する情報を較正することで、デコーダ18から出力される各ゲインコードが各アンプの利得特性のずれを加味したものとなるように制御する。
第三実施形態における電力制御回路20は、第一実施形態の電力制御回路5が有する調整器19に替え、較正器(CALIBRATOR)21を備える。以下、第一実施形態と異なる機能部を中心に説明する。
微調アンプ11及び粗調アンプ12は、第一実施形態と同様であり、図2に示す利得特性及び利得特性モードを有し、例えば図19に示す利得特性のずれを有するものとする。なお、要求ゲインコードとそれに対応する出力利得との関係は図18に示す例を用いるものとする。
デコーダ18は、キャリブレーション時以外(通常動作時)には、第一実施形態と同様に外部回路から制御信号を受ける。デコーダ18は、この制御信号から要求ゲインコードを抽出し、この要求ゲインコードに対応するように微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードをそれぞれ決定する。デコーダ18は、各ゲインコードを決定するにあたり、利得特性情報を利用する。この利得特性情報とは、微調アンプ11及び粗調アンプ12のそれぞれに関するゲインコードとそれに対応する利得との各対応関係であって、利得特性のずれを加味しない仕様上の理想値に基づく情報である。
更に、第三実施形態におけるデコーダ18は、第一実施形態における調整器19の有していた粗調アンプ12の利得特性モードの移行に関する制御機能を有する。デコーダ18は、図10に示されるような利得特性情報に基づいて、各ゲインコードを決定すると共に粗調アンプ12の利得特性モードの移行を決定する。
図10は、デコーダ18の有する利得特性情報の例を示す図である。第三実施形態におけるデコーダ18が有する利得特性情報は、図10に示すように、第一実施形態と同様の要求ゲインコードと微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードとの対応関係の他、粗調アンプ12の利得特性モードの情報を有する。デコーダ18は、この利得特性情報をテーブル等の設定情報としてメモリ等に保持する。デコーダ18は、このような利得特性情報に基づいて決定された微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードを微調アンプ11及び粗調アンプ12へ直接送ると共に、粗調アンプ12の利得特性モードを移行する必要がある場合にはその移行指示を粗調アンプ12へ送る。
デコーダ18は、キャリブレーション時には、較正器21から微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコード、及び粗調アンプ12の利得特性モード移行指示を受ける。このとき、デコーダ18は、較正器21から送られる各ゲインコードをそのまま微調アンプ11及び粗調アンプ12へそれぞれ送り、かつ、利得特性モード移行指示をそのまま粗調アンプ12へ送る。
同様に、キャリブレーション時に、デコーダ18は、較正器21から上記利得特性情報の更新指示を受ける。デコーダ18は、較正器21から利得特性情報の更新指示を受けると、この指示に含まれる情報により利得特性情報を更新する。
較正器21は、デコーダ18により保持される利得特性情報と同一の情報を保持する。較正器21により保持されるこの利得特性情報は、設定情報としてメモリ等に保持される。なお、較正器21は、キャリブレーション動作時に、デコーダ18から最新の利得特性情報を取得するようにしてもよい。
較正器21は、外部回路から較正指示信号を受けると、キャリブレーション動作を開始する。キャリブレーション動作を開始すると、まず、較正器21は、較正のために利用する要求ゲインコード(以降、較正ゲインコードと表記する)を決定する。較正器21は、自身が保持する利得特性情報に基づいて、この較正ゲインコードに対応する出力利得を得
るための微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードをそれぞれ決定する。較正器21は、決定された各ゲインコードをそれぞれデコーダ18へ送り、較正ゲインコードを比較器17へ送る。
較正器21は、比較器17からフィードバックゲインコードと較正ゲインコードとのコード差を受ける。較正器21は、このコード差に基づいて、先に決定された微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードを第一実施形態の調整器19と同じ手法により調整(補正)する。較正器21は、比較器17から送られてくる情報によりコード差が許容範囲内にあると判断されるまで、この調整を繰り返す。較正器21は、この調整において粗調アンプ12の利得特性モードを移行する必要があると判断した場合には、その利得特性モードの移行指示も併せてデコーダ18へ送る。
較正器21は、コード差が許容範囲内にあると判断されると、そのときに決定されている各ゲインコードがその較正ゲインコードに対応する実測値であると決定する。較正器21は、各ゲインコードの実測値を決定すると、自身が保持する利得特性情報をその値で更新し、次の較正ゲインコードを決定する。
このように、較正器21は、電力制御回路20で許容されている要求ゲインコードについてこの処理を繰り返すことにより、自身が保持する利得特性情報を較正する。較正器21は、利得特性情報の較正を完了すると、その情報と共に利得特性情報の更新指示をデコーダ18へ送る。
分岐部13、電力検出部14、調整アンプ15及びADC16については、第一実施形態と同様である。
比較器17は、第一実施形態と同様に、フィードバックゲインコードを決定する。一方で、比較器17は、較正ゲインコードを較正器21から受ける。比較器17は、フィードバックゲインコードと較正ゲインコードとを比較する。比較器17は、フィードバックゲインコードと較正ゲインコードとのコード差が許容範囲にないと判断すると、そのコード差を較正器21へ送る。比較器17によるコード差の決定手法については第一実施形態と同様である。
〔動作例〕
次に、上述の第三実施形態における電力制御回路20の動作例について、図3を用いて説明する。ここでは、第三実施形態における電力制御回路20では、要求ゲインコードが図3の例のようにC0からC3mまで用意されているものとする。
電力制御回路20は、外部回路から較正信号と共に較正指示信号を受けると、キャリブレーション動作を開始する。
較正器21は、較正指示信号を受けると、較正ゲインコードをC0からC3mまで徐々に変化させ、比較器17から送られるその較正ゲインコードとそれに対応するフィードバックゲインコードとのコード差に基づいて、その較正ゲインコードに対応する各アンプのゲインコードを較正する。なお、較正器21による所定の較正ゲインコードに対応する各アンプのゲインコードの決定手法については第一実施形態と同様である。以下、図3の例に沿って、較正器21が、較正ゲインコードとしてC0cを決定した場合の動作例を説明する。
較正器21は、較正ゲインコードC0cを決定すると、自身で保持する利得特性情報(図10参照)に基づいて、微調アンプ11のゲインコードCFx及び粗調アンプ12のゲ
インコードCC0を決定し、かつ、粗調アンプ12の利得特性モードを通常モードと決定する。較正器21は、ゲインコードCFxを微調アンプ11へ送り、ゲインコードCC0を粗調アンプ12へ送る。更に、較正器21は、較正ゲインコードC0cを比較器17へ送る。
微調アンプ11及び粗調アンプ12は、このようにデコーダ18から送られる各ゲインコードに応じて、外部回路から入力される較正信号の利得制御を行う。較正信号は、微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御され、分岐部13でフィードバックされる。このフィードバック信号が利用されることにより、較正ゲインコードに応じて利得制御された本実施形態の電力制御回路で実現される実利得に対応するフィードバックゲインコードが比較器17で決定される。この場合、第一実施形態で述べたように、出力信号の利得がG0e2となるため、比較器17で決定されるフィードバックゲインコードはC0aとなる。
比較器17は、フィードバックゲインコードC0aと較正ゲインコードC0cとを比較し、これらの差を算出する。比較器17は、この算出されたコード差が許容される範囲の差であるか否かを判断する。この場合、比較器17は、コード差(C0c−C0a)が許容されないと判断し、そのコード差を較正器21へ送る。
較正器21は、比較器17からコード差を受けていることから、各ゲインコードを調整すべきと判断する。具体的には、較正器21は、当該コード差に基づいて、微調アンプ11のゲインコードを上げようと試みる。この場合、ゲインコードCFxが微調アンプ11の最大コードCFmよりも小さいことから、較正器21は、微調アンプ11のゲインコードCFxを更に上げる。ここでは、較正器21により調整された結果、微調アンプ11のためのゲインコードが最大ゲインコードCFmに決定されたものとする。なお、この較正器21でのゲインコードの調整幅は、第一実施形態のおける調整器19と同様に、どのような幅で調整されてもよい。このように調整された各ゲインコード(CFm、CC0)がそれぞれ微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られる。
このように送られる各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された較正信号が再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得は、G0e1(dB)となる。これに伴い比較器17によりフィードバックゲインコードC0bが決定される。
較正器21は、比較器17からこのフィードバックゲインコードC0bと較正ゲインコードC0cとのコード差(C0c−C0b)を受け、各ゲインコードを更に調整すべきと判断する。
較正器21は、当該コード差に基づいて、微調アンプ11のゲインコードを再度上げようと試みる。この場合、ゲインコードCFmは、微調アンプ11の最大コードとなっているため、調整器19は、粗調アンプ12のゲインコードをCC1に上げ、微調アンプ11のゲインコードをリセットし初期値CF0とする。このように調整された各ゲインコード(CF0、CC1)がそれぞれ微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られる。
このように送られる各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された実信号が再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得は、G1e2(dB)となる。これに伴い、ADC16により、フィードバックゲインコードC1aが決定される。
較正器21は、比較器17からのこのフィードバックゲインコードC1aと較正ゲイン
コードC0cとのコード差(C0c−C1a)を受け、フィードバックゲインコードのほうが較正ゲインコードよりも大きいと判断する。この判断により、較正器21は、このフィードバックゲインコードを得るための前回の調整で粗調アンプ12のゲインコードが上げられ微調アンプ11のゲインコードがリセットされていることから、ゲインステップが発生したと判断する。
ゲインステップの発生を検知すると、較正器21は、粗調アンプ12の利得特性モードの移行を決定する。具体的には、較正器21は、現在の利得特性モードである通常モードから第1調整モードへ移行するよう決定する。較正器21は、微調アンプ11及び粗調アンプ12へ前回と同様の各ゲインコード(CF0、CC1)をそれぞれ送ると共に、粗調アンプ12に対して第1調整モードへの移行指示を送る。
その後、微調アンプ11及び第1調整モードとなった粗調アンプ12が、ゲインコードCF0及びCC1に応じて、較正信号を利得制御する。このように利得制御された較正信号は再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得G0e3(dB)に対応するフィードバックゲインコードは、C0dに決定される。
較正器21は、フィードバックゲインコードC0dと較正ゲインコードC0cとのコード差が許容される範囲の差でないため比較器17からコード差(C0c−C0d)を受ける。較正器21は、比較器17からのコード差に基づいて、フィードバックゲインコードのほうが較正ゲインコードよりも依然大きいと判断する。この判断により、較正器21は、前回の利得特性モードの移行ではゲインステップが解消されていないと判断する。
これにより、較正器21は、粗調アンプ12の利得特性モードの更なる移行を決定する。具体的には、較正器21は、粗調アンプ12の利得特性モードを現在の第1調整モードから第2調整モードへ移行することを決定する。較正器21は、微調アンプ11及び粗調アンプ12へ前回と同様の各ゲインコード(CF0、CC1)をそれぞれ送ると共に、粗調アンプ12に対して第2調整モードへの移行指示を送る。
その後、微調アンプ11及び第2調整モードとなった粗調アンプ12が、ゲインコードCF0及びCC1に応じて、較正信号を利得制御する。このように利得制御された較正信号は再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号を出力した本実施形態における電力制御回路の実利得G0e2(dB)に対応するフィードバックゲインコードは、C0aに決定される。
較正器21は、フィードバックゲインコードC0aと較正ゲインコードC0cとのコード差が許容される範囲の差でないため比較器17からコード差(C0c−C0a)を受ける。較正器21は、第2調整モードへの移行後、フィードバックゲインコードC0aが較正ゲインコードC0cよりも小さくなったことから、ゲインステップが解消したと判断する。これにより、較正器21は、粗調アンプ12の利得特性を第2調整モードに固定したまま、微調アンプ11のゲインコードを上げるように試みる。これにより、較正器21は、第2調整モードの粗調アンプ12へ前回と同様のゲインコードCC1を送り、微調アンプ11へ前回のゲインコードCF0から調整されたゲインコードを送る。
以降、第一実施形態と同様のフィードバック制御により、比較器17で決定されるフィードバックゲインコードが較正ゲインコードC0cと等しくなる若しくは双方の差が許容範囲内に収まる(図3に示される星印)まで、較正器21により微調アンプ11のゲインコードが調整される。なお、このとき、粗調アンプ12は第2調整モードであり、粗調アンプ12へ送られるゲインコードはCC1である。
較正器21は、フィードバックゲインコードと較正ゲインコードとのコード差が許容範囲内に収まると判断すると、そのときに決定されている微調アンプ11のゲインコード(ここではCFcとする)及び粗調アンプ12のゲインコードCC1、並びに粗調アンプ12の利得特性モードとして第2調整モードを、較正ゲインコードC0cに対応する各値として、自身で保持する利得特性情報に反映させる。図11は、較正器21で較正された後の利得特性情報の例を示す図である。
較正器21は、このように利得特性情報の較正を終えると、較正された利得特性情報を更新指示と共にデコーダ18へ送る。デコーダ18は、この更新指示を受けると、それと共に送られる利得特性情報で自身で保持する利得特性情報を更新する。例えば、デコーダ18は、更新後、図11に示すような利得特性情報を持つことになる。なお、利得特性情報の更新指示は、キャリブレーション動作が全て完了した後、較正器21からデコーダ18へ送られてもよいし、所定の較正ゲインコードについて各値が較正された際に送られるようにしてもよい。
このように、第三実施形態における電力制御回路20によれば、キャリブレーション動作時にデコーダ18の有する利得特性情報が微調アンプ11及び粗調アンプ12の利得特性のずれを加味した状態に較正される。従って、通常動作時には、デコーダ18により決定される要求ゲインコードに対応する各ゲインコードでそのまま利得制御されたとしても、ゲインステップが生じることがなくなる。
また、第三実施形態における較正器21の各アンプのゲインコード調整手法及び粗調アンプ12の利得特性モード移行決定手法は、第一実施形態における調整器19と同様であり、変形例等で上述された調整器19の機能をそのまま踏襲可能である。
〈第三実施形態における作用及び効果〉
第三実施形態における電力制御回路20では、外部回路から較正信号及び較正指示信号を受けることにより、キャリブレーション動作が開始される。このキャリブレーション動作時には、較正器21により較正ゲインコードが決定され、決定された各較正ゲインコードを要求ゲインコードとして第一実施形態と同様のフィードバック制御が実行される。
すなわち、比較器17において、フィードバックゲインコードと較正器21で決定された較正ゲインコードとのコード差が取得され、このコード差が較正器21へ送られる。
較正器21では、比較器17からのコード差に基づいて、このコード差が許容範囲内となるように、第一実施形態における調整器19と同様に微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードが調整される。更に、較正器21では、第一実施形態における調整器19と同様に当該コード差に基づいてゲインステップの発生が検知され、このゲインステップが解消されるように、粗調アンプ12の利得特性モードの移行が決定される。
このように、フィードバックゲインコードが較正ゲインコードと同等或いは許容範囲内の差を有する状態となるように、微調アンプ11のゲインコード及び粗調アンプ12のゲインコードが決定され、かつ粗調アンプ12の利得特性モードが決定される。そして、このように決定された各情報がその較正ゲインコード(要求ゲインコード)に対応して微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られるように、デコーダ18の利得特性情報が更新(較正)される。
これにより、第三実施形態における電力制御回路20によれば、キャリブレーション動作完了後の通常動作時において、デコーダ18により決定される要求ゲインコードに対応
する各ゲインコード及び粗調アンプ12の利得特性モードでそのまま利得制御されたとしても、利得の線形制御を実現することができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態における電力制御回路について、図面を参照して以下に説明する。上述の第三実施形態における電力制御回路20は、第一実施形態と同様の微調アンプ11及び粗調アンプ12を対象としていた。第四実施形態における電力制御回路は、第二実施形態と同様の微調アンプ11及び粗調アンプ12を対象とする。
〔回路構成〕
第四実施形態における電力制御回路の機能構成について図12を用いて説明する。図12は、第四実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。
第四実施形態における電力制御回路20では、第二実施形態と同様に、微調アンプ11が利得特性モードを持つ。従って、第四実施形態における電力制御回路20では、デコーダ18の有する利得特性情報には粗調アンプ12の利得特性モードの替わりに微調アンプ11の利得特性モードに関する情報が含まれる。これらに関連する機能以外については、第三実施形態と同様である。以下、第三実施形態と異なる機能部を中心に説明する。
微調アンプ11及び粗調アンプ12は、第二実施形態と同様であり、図6に示す利得特性及び利得特性モードを有し、図19に示す利得特性のずれを有する。なお、要求ゲインコードとそれに対応する出力利得との関係は図18に示すとおりである。
第四実施形態におけるデコーダ18及び較正器21は、微調アンプ11の利得特性モードの移行を決定すること及び微調アンプ11の追加ゲインコードを決定することを除き、第三実施形態と同様の機能を有する。図13は、第四実施形態におけるデコーダ18の有する利得特性情報の例を示す図である。なお、較正器21もこのデコーダ18の有する利得特性情報と同一の情報を保持する。
図13に示すように、デコーダ18は、要求ゲインコードに対応する値として、微調アンプ11のゲインコード及び粗調アンプ12のゲインコード並びに微調アンプ11の利得特性モードに関する情報をこの利得特性情報として保持する。微調アンプ11の利得特性モードが調整モードとなる場合には、微調アンプ11のゲインコードとして追加ゲインコードが設定される。デコーダ18は、このような利得特性情報に基づいて、微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードを決定すると共に微調アンプ11の利得特性モードの移行を決定する。デコーダ18は、移行が決定された場合には、その移行指示を微調アンプ11へ送る。
較正器21は、キャリブレーション動作時に、第二実施形態における調整器19と同様のゲインコード調整手法等により、自身の保持する利得特性情報を微調アンプ11及び粗調アンプ12の利得特性のずれが加味された情報となるように較正する。較正器21は、このように較正された利得特性情報と共に、利得特性情報の更新指示をデコーダ18へ送る。
〔動作例〕
次に、上述の第四実施形態における電力制御回路20の動作例について、図7を用いて説明する。
第四実施形態における電力制御回路20は、第三実施形態と同様に、外部回路から較正
信号と共に較正指示信号を受けると、キャリブレーション動作を開始する。キャリブレーション動作開始時には、デコーダ18及び較正器21は、図13に示すような利得特性情報を有している。以下、図7の例に沿って、較正器21が、較正ゲインコードとしてC1mを決定した場合の動作例を説明する。
較正器21は、較正ゲインコードC1mを決定すると、自身で保持する利得特性情報(図13参照)に基づいて、微調アンプ11のゲインコードCFm及び粗調アンプ12のゲインコードCC0を決定し、かつ、微調アンプ11の利得特性モードを通常モードと決定する。較正器21は、ゲインコードCFmを微調アンプ11へ送り、ゲインコードCC0を粗調アンプ12へ送る。更に、較正器21は、較正ゲインコードC1mを比較器17へ送る。
微調アンプ11及び粗調アンプ12は、このようにデコーダ18から送られる各ゲインコードに応じて、外部回路から入力される較正信号の利得制御を行う。この場合、第二実施形態で述べたように、出力信号の利得がG0e1となるため、比較器17で決定されるフィードバックゲインコードはC1cとなる。
比較器17は、フィードバックゲインコードC1cと較正ゲインコードC1mとを比較し、これらの差を算出する。比較器17は、この算出されたコード差が許容される範囲の差であるか否かを判断する。この場合、比較器17は、コード差(C1m−C1c)が許容されないと判断し、そのコード差を較正器21へ送る。
較正器21は、比較器17からコード差を受けていることから、各ゲインコードを調整すべきと判断する。較正器21は、当該コード差に基づいて、微調アンプ11のゲインコードを上げようと試みる。この場合、ゲインコードが微調アンプ11の最大コードCFmとなっていることから、較正器21は、粗調アンプ12のゲインコードをCC1に上げ、微調アンプ11のゲインコードをリセットしCF0とする。このように調整された各ゲインコード(CF0、CC1)がそれぞれ微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られる。
このように送られる各ゲインコードにより微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御された較正信号が再度分岐部13でフィードバックされる。このフィードバックされる信号が出力される際の実利得はG1e2(dB)となる。これに伴いADC16によりフィードバックゲインコードC1aが決定される。
較正器21は、比較器17からこのフィードバックゲインコードC1aと較正ゲインコードC1mとのコード差(C1m−C1a)を受け、フィードバックゲインコードのほうが較正ゲインコードよりも大きいと判断する。この判断により、較正器21は、このフィードバックゲインコードを得るための前回の調整で粗調アンプ12のゲインコードが上げられ微調アンプ11のゲインコードがリセットされていることから、ゲインステップが発生したと判断する。
ゲインステップの発生を検知すると、較正器21は、微調アンプ11の利得特性モードの移行を決定する。具体的には、較正器21は、微調アンプ11の利得特性モードを現在の通常モードから調整モードへ移行するよう決定し、前回調整された粗調アンプ12のゲインコードCC1を元のCC0に戻し、微調アンプ11のゲインコードを調整モードに対応した追加ゲインコードに決定する。較正器21は、微調アンプ11の追加ゲインコードとして、例えば、図6に示されるゲインコードCFe1を決定する。較正器21は、利得特性モードの移行信号及びそれに対応する追加ゲインコードをそれぞれ微調アンプ11へ送り、ゲインコードCC0を粗調アンプ12へ送る。
その後、調整モードとなった微調アンプ11が追加ゲインコードに応じて較正信号を利得制御し、粗調アンプ12がゲインコードCC0に応じて較正信号を利得制御する。このように較正器21により微調アンプ11へ送られる追加ゲインコードが較正ゲインコードC1mに対応する出力利得G1が得られるまで調整される。図7の例では、調整モードの微調アンプ11へ送られるゲインコードが、最大追加ゲインコードCFemよりも小さいコードで所望の出力利得G1が得られている。
較正器21は、このように較正ゲインコードC1mに対応する出力利得G1を得るための微調アンプ11の追加ゲインコード(例えば、CFecとする)及び粗調アンプ12のゲインコードCC0を決定すると、これらの情報を較正ゲインコードC1mに対応する情報として自身で保持する利得特性情報に反映させる。図14は、較正器21で較正された後の利得特性情報の例を示す図である。
較正器21は、このように利得特性情報の較正を終えると、較正された利得特性情報を更新指示と共にデコーダ18へ送る。デコーダ18は、この更新指示を受けると、それと共に送られる利得特性情報で自身で保持する利得特性情報を更新する。
このように、第四実施形態における電力制御回路20によれば、第三実施形態と同様に、キャリブレーション動作時にデコーダ18の有する利得特性情報が微調アンプ11及び粗調アンプ12の利得特性のずれを加味した状態に較正される。
また、第四実施形態における較正器21の各アンプのゲインコード調整手法及び微調アンプ11の利得特性モード移行決定手法は、第二実施形態における調整器19と同様である。従って、第四実施形態における較正器21は、変形例等として上述された調整器19の機能を持つようにしてもよい。
〈第四実施形態における作用及び効果〉
第四実施形態における電力制御回路20では、第二実施形態と同様の利得特性モードを有する微調アンプ11を備える場合において、キャリブレーション動作時に、デコーダ18の有する利得特性情報が較正される。
較正器21では、比較器17からのコード差に基づいてこのコード差が許容範囲内となるように、第二実施形態における調整器19と同様に微調アンプ11及び粗調アンプ12の各ゲインコードが調整される。更に、較正器21では、第二実施形態における調整器19と同様に当該コード差に基づいてゲインステップの発生が検知され、このゲインステップが解消されるように、微調アンプ11の利得特性モードの移行が決定される。微調アンプ11の利得特性モードが調整モードへ移行される場合には、それに対応する追加ゲインコードが決定される。
このように決定された各情報が、その較正ゲインコード(要求ゲインコード)に対応して微調アンプ11及び粗調アンプ12へ送られるように、デコーダ18の利得特性情報が更新(較正)される。
これにより、第四実施形態における電力制御回路20によれば、キャリブレーション動作完了後の通常動作時において、デコーダ18により決定される要求ゲインコードに対応する各ゲインコード及び微調アンプ11の利得特性モードでそのまま利得制御されたとしても、利得の線形制御を実現することができる。
[第一変形例]
上述の第一実施形態から第四実施形態では、フィードバック回路として、分岐部13、
電力検出部14、調整アンプ15及びADC16を有しており、フィードバックされる信号の電力が測定され、この測定された信号電力に対応するフィードバックゲインコードが比較器17により取得されていた。
上述の各実施形態における電力制御回路5又は20は、微調アンプ11及び粗調アンプ12で利得制御される前の入力信号とフィードバック信号とから微調アンプ11及び粗調アンプ12の絶対利得を取得するようにし、この絶対利得に対応するフィードバックゲインコードが決定されるようにしてもよい(第一変形例)。
図15は、第一実施形態及び第二実施形態の第一変形例における電力制御回路30の機能構成を示すブロック図である。
図15に示すように、第一変形例における電力制御回路30は、上述の第一実施形態及び第二実施形態の構成に加えて、分岐部31、電力検出部32、調整アンプ33、ADC34及び算出部(COMPUTING UNIT)35を更に備える。第一変形例では、分岐部31により利得制御される前の入力信号が分岐され、算出部35によりこの入力信号の電力とフィードバック信号の電力とに基づいて微調アンプ11及び粗調アンプ12の絶対利得が取得される。算出部35により取得された絶対利得は、比較器17へ送られる。比較器17は、この絶対利得に対応するフィードバックゲインコードを決定する。
なお、図15は、第一実施形態及び第二実施形態における電力制御回路5の変形例を示すが、第三実施形態及び第四実施形態における電力制御回路20も同様の変形例を適用することが可能である。第三実施形態及び第四実施形態においても、利得制御される前の較正信号の電力とフィードバック信号の電力とに基づいて微調アンプ11及び粗調アンプ12の絶対利得が取得されるようにすればよい。
[第二変形例]
上述の第三実施形態及び第四実施形態における電力制御回路20では、較正器21によりデコーダ18の有する利得特性情報が微調アンプ11及び粗調アンプ12の利得特性のずれを加味した形で較正されていた。第三実施形態及び第四実施形態における電力制御回路20は、デコーダ18の利得特性情報を較正することなく、微調アンプ11及び粗調アンプ12の少なくとも1つのバイアスを制御することにより、ゲインステップを解消するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、入力信号が微調アンプ11で利得制御され、その後、粗調アンプ12で利得制御される接続順序を採用していたが、入力信号が粗調アンプ12で利得制御され、その後、微調アンプ11で利得制御される接続順序を取るようにしてもよい。
[その他]
〈ハードウェアの構成要素(Component)及びソフトウェアの構成要素(Component)について〉
ハードウェアの構成要素とは、ハードウェア回路であり、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲートウェイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ゲートアレイ、論理ゲートの組み合わせ、信号処理回路、アナログ回路等がある。
ソフトウェアの構成要素とは、ソフトウェアとして上記機能を実現する部品(断片)であり、そのソフトウェアを実現する言語、開発環境等を限定する概念ではない。ソフトウェアの構成要素としては、例えば、タスク、プロセス、スレッド、ドライバ、ファームウェア、データベース、テーブル、関数、プロシジャ、サブルーチン、プログラムコードの
所定の部分、データ構造、配列、変数、パラメータ等がある。これらソフトウェアの構成要素は、1又は複数のメモリ(1または複数のプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processer)等)上で実現される。
なお、上述の各実施形態は、上記各機能部の実現手法を限定するものではないため、上記各機能部は、上記ハードウェアの構成要素又はソフトウェアの構成要素若しくはこれらの組み合わせとして、本技術分野の通常の技術者において実現可能な手法により構成されていればよい。
〈付記〉
本実施形態は次の発明態様を開示する。各項に開示される発明態様は、必要に応じて可能な限り組み合わせることができる。
(付記1)
トータル利得設定値に応じて入力信号の電力制御を行う電力制御回路において、
第1利得設定値に応じて所定の利得制御幅で前記入力信号を増幅させる微調可変増幅手段と、
第2利得設定値に応じて前記微調可変増幅手段よりも大きい利得制御幅で前記入力信号を増幅させる粗調可変増幅手段と、
前記微調可変増幅手段及び前記粗調可変増幅手段により電力制御された出力信号をフィードバック信号として分岐させる分岐手段と、
前記フィードバック信号と前記トータル利得設定値とを比較する比較手段と、
前記トータル利得設定値に基づいて第1利得設定値及び第2利得設定値を決定し、この第1利得設定値を微調可変増幅手段へ送り、この第2利得設定値を粗調可変増幅手段へ送る制御手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて、前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力となるように、前記制御手段で決定される第1利得設定値及び第2利得設定値を調整する調整手段と、
を備える電力制御回路。
(付記2)
前記粗調可変増幅手段は、前記第2利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により前記入力信号を増幅させる通常モードと、前記第2利得設定値に含まれる予備設定値に応じた、通常設定値に対応する利得とは異なる利得により、前記入力信号を増幅させる調整モードとを有し、
前記調整手段は、前記比較手段により前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第2利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整する、
付記1に記載の電力制御回路。
(付記3)
較正指示信号を受けると、前記トータル利得設定値を模擬的に決定する較正手段を更に備え、
前記比較手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号と前記較正手段により決定されたトータル利得設定値とを比較し、
前記調整手段は、前記比較手段の比較結果に応じた調整により、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力となった場合に、そのときに決定されている第1利得設定値及び第2利得設定値がそのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に決定されるように前記制御手段に設定する、
付記1又は2に記載の電力制御回路。
(付記4)
前記調整手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力より大きくなる場合には、そのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に前記第2利得設定値として前記予備設定値が利用されるように、前記制御手段に設定する付記3に記載の電力制御回路。
(付記5)
前記微調可変増幅手段は、前記第1利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により前記入力信号を増幅させる通常モードと、この通常設定値で取り得る利得範囲を超えた範囲における、前記第1利得設定値に含まれる予備設定値に応じた利得により、前記入力信号を増幅させる調整モードとを有し、
前記調整手段は、前記比較手段により前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第1利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整する、
付記1に記載の電力制御回路。
(付記6)
較正指示信号を受けると、前記トータル利得設定値を模擬的に決定する較正手段を更に備え、
前記比較手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号と前記較正手段により決定されたトータル利得設定値とを比較し、
前記調整手段は、前記比較手段の比較結果に応じた調整により、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力となった場合に、そのときに決定されている第1利得設定値及び第2利得設定値がそのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に決定されるように前記制御手段に設定する、
付記5に記載の電力制御回路。
(付記7)
前記調整手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力より大きくなる場合には、そのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に前記第1利得設定値として前記予備設定値が利用されるように、前記制御手段に設定する付記6に記載の電力制御回路。
(付記8)
前記入力信号を分岐する入力分岐手段と、
前記分岐された入力信号の電力を検出する入力電力検出手段と、
前記フィードバック信号の電力を検出する電力検出手段と、
を更に備え、
前記比較手段は、前記入力電力検出手段により検出される入力信号の電力と前記フィードバック信号の電力とから実利得を取得し、この実利得と前記トータル利得設定値とを比較する、
付記1に記載の電力制御回路。
(付記9)
トータル利得設定値に応じて入力信号の電力制御を行う電力制御方法において、
第1利得設定値に応じて、第1可変増幅器に所定の利得制御幅で前記入力信号を増幅させる第1増幅ステップと、
第2利得設定値に応じて、第2可変増幅器に前記第1増幅ステップよりも大きい利得制御幅で前記入力信号を増幅させる第2増幅ステップと、
前記第1増幅ステップ及び前記第2増幅ステップで電力制御された出力信号をフィードバック信号として分岐させる分岐ステップと、
前記フィードバック信号と前記トータル利得設定値とを比較する比較ステップと、
前記トータル利得設定値に基づいて第1利得設定値及び第2利得設定値を決定し、この第1利得設定値を微調可変増幅手段へ送り、この第2利得設定値を粗調可変増幅手段へ送る制御ステップと、
前記比較ステップの比較結果に応じて、前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力となるように、前記制御ステップで決定される第1利得設定値及び第2利得設定値を調整する調整ステップと、
を実行する電力制御方法。
(付記10)
前記第2可変増幅器は、前記第2利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により前記入力信号を増幅させる通常モードと、前記第2利得設定値に含まれる予備設定値に応じた、通常設定値に対応する利得とは異なる利得により、前記入力信号を増幅させる調整モードとを有し、
前記調整ステップは、前記比較ステップにより前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第2利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整する、
付記9に記載の電力制御方法。
(付記11)
前記第1可変増幅器は、前記第1利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により前記入力信号を増幅させる通常モードと、この通常設定値で取り得る利得範囲を超えた範囲における、前記第1利得設定値に含まれる予備設定値に応じた利得により、前記入力信号を増幅させる調整モードとを有し、
前記調整ステップは、前記比較ステップにより前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第1利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整する、
付記9に記載の電力制御方法。
第一実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。 第一実施形態における微調アンプ及び粗調アンプの設計上の利得特性を示すグラフである。 第一実施形態における電力制御回路の利得制御を示すグラフである。 第一実施形態の変形例における利得制御を示すグラフである。 第二実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。 第二実施形態における微調アンプ及び粗調アンプの利得特性を示すグラフである。 第二実施形態における電力制御回路の動作例を示すグラフである。 第二実施形態における電力制御回路の動作例を示すグラフである。 第三実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。 デコーダの有する利得特性情報の例を示す図である。 較正器で較正された後の利得特性情報の例を示す図である。 第四実施形態における電力制御回路の回路構成の概略を示す機能ブロック図である。 第四実施形態におけるデコーダの有する利得特性情報の例を示す図である。 較正器で較正された後の利得特性情報の例を示す図である。 第一実施形態及び第二実施形態の第一変形例における電力制御回路の機能構成を示すブロック図である。 従来手法による線形制御を可能とする可変利得増幅回路を示す図である。 微調アンプ及び粗調アンプの利得特性を示すグラフである。 従来の電力制御回路の利得制御の例を示すグラフである。 微調アンプ及び粗調アンプにおける利得特性のずれの例を示すグラフである。 従来の電力制御回路における利得制御のずれの例を示すグラフである。
符号の説明
5、20、30、50 電力制御回路
11、51 微調アンプ
12、52 粗調アンプ
13、31 分岐部(COUPLER)
14、32 電力検出部(DETECTOR)
15、33 調整アンプ
16、34 アナログデジタルコンバータ(ADC)
17 比較器(COMPARATOR)
18、53 デコーダ(DECODER)
19 調整器(ADJUSTER)
21 較正器(CALIBRATOR)
35 算出部(COMPUTING UNIT)

Claims (10)

  1. トータル利得設定値に応じて入力信号の電力制御を行う電力制御回路において、
    第1利得設定値に応じて所定の利得制御幅で前記入力信号を増幅させる微調可変増幅手段と、
    第2利得設定値に応じて前記微調可変増幅手段よりも大きい利得制御幅で前記入力信号を増幅させる粗調可変増幅手段と、
    前記微調可変増幅手段及び前記粗調可変増幅手段により電力制御された出力信号をフィードバック信号として分岐させる分岐手段と、
    前記フィードバック信号と前記トータル利得設定値とを比較する比較手段と、
    前記トータル利得設定値に基づいて第1利得設定値及び第2利得設定値を決定し、この第1利得設定値を微調可変増幅手段へ送り、この第2利得設定値を粗調可変増幅手段へ送る制御手段と、
    前記比較手段の比較結果に応じて、前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力となるように、前記制御手段で決定される第1利得設定値及び第2利得設定値を調整する調整手段と、
    を備える電力制御回路。
  2. 前記粗調可変増幅手段は、前記第2利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により前記入力信号を増幅させる通常モードと、前記第2利得設定値に含まれる予備設定値に応じた、通常設定値に対応する利得とは異なる利得により、前記入力信号を増幅させる調整モードとを有し、
    前記調整手段は、前記比較手段により前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第2利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整する、
    請求項1に記載の電力制御回路。
  3. 較正指示信号を受けると、前記トータル利得設定値を模擬的に決定する較正手段を更に備え、
    前記比較手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号と前記較正手段により決定されたトータル利得設定値とを比較し、
    前記調整手段は、前記比較手段の比較結果に応じた調整により、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力となった場合に、そのときに決定されている第1利得設定値及び第2利得設定値がそのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に決定されるように前記制御手段に設定する、
    請求項1又は2に記載の電力制御回路。
  4. 前記調整手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力より大きくなる場合には、そのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に前記第2利得設定値として前記予備設定値が利用されるように、前記制御手段に設定する請求項3に記載の電力制御回路。
  5. 前記微調可変増幅手段は、前記第1利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により前記入力信号を増幅させる通常モードと、この通常設定値で取り得る利得範囲を超えた範囲における、前記第1利得設定値に含まれる予備設定値に応じた利得により、前記入力信号を増幅させる調整モードとを有し、
    前記調整手段は、前記比較手段により前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第1利得設定値として
    前記予備設定値を利用するように調整する、
    請求項1に記載の電力制御回路。
  6. 較正指示信号を受けると、前記トータル利得設定値を模擬的に決定する較正手段を更に備え、
    前記比較手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号と前記較正手段により決定されたトータル利得設定値とを比較し、
    前記調整手段は、前記比較手段の比較結果に応じた調整により、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力となった場合に、そのときに決定されている第1利得設定値及び第2利得設定値がそのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に決定されるように前記制御手段に設定する、
    請求項5に記載の電力制御回路。
  7. 前記調整手段は、前記較正指示信号を受けた後のフィードバック信号の電力が前記較正手段により決定されたトータル利得設定値に応じた信号電力より大きくなる場合には、そのトータル利得設定値が外部から送られてきた際に即座に前記第1利得設定値として前記予備設定値が利用されるように、前記制御手段に設定する請求項6に記載の電力制御回路。
  8. 前記入力信号を分岐する入力分岐手段と、
    前記分岐された入力信号の電力を検出する入力電力検出手段と、
    前記フィードバック信号の電力を検出する電力検出手段と、
    を更に備え、
    前記比較手段は、前記入力電力検出手段により検出される入力信号の電力と前記フィードバック信号の電力とから実利得を取得し、この実利得と前記トータル利得設定値とを比較する、
    請求項1に記載の電力制御回路。
  9. トータル利得設定値に応じて入力信号の電力制御を行う電力制御方法において、
    第1利得設定値に応じて、第1可変増幅器に所定の利得制御幅で前記入力信号を増幅させる第1増幅ステップと、
    第2利得設定値に応じて、第2可変増幅器に前記第1増幅ステップよりも大きい利得制御幅で前記入力信号を増幅させる第2増幅ステップと、
    前記第1増幅ステップ及び前記第2増幅ステップで電力制御された出力信号をフィードバック信号として分岐させる分岐ステップと、
    前記フィードバック信号と前記トータル利得設定値とを比較する比較ステップと、
    前記トータル利得設定値に基づいて第1利得設定値及び第2利得設定値を決定し、この第1利得設定値を微調可変増幅手段へ送り、この第2利得設定値を粗調可変増幅手段へ送る制御ステップと、
    前記比較ステップの比較結果に応じて、前記フィードバック信号の電力が前記トータル利得設定値に応じた信号電力となるように、前記制御ステップで決定される第1利得設定値及び第2利得設定値を調整する調整ステップと、
    を実行する電力制御方法。
  10. 前記第2可変増幅器は、前記第2利得設定値に含まれる通常設定値に応じた利得により前記入力信号を増幅させる通常モードと、前記第2利得設定値に含まれる予備設定値に応じた、通常設定値に対応する利得とは異なる利得により、前記入力信号を増幅させる調整モードとを有し、
    前記調整ステップは、前記比較ステップにより前記フィードバック信号の電力が前記ト
    ータル利得設定値に応じた信号電力より大きいと判断される場合には、前記第2利得設定値として前記予備設定値を利用するように調整する、
    請求項9に記載の電力制御方法。
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