JP2002111418A - 信号増幅装置及びその出力電力調整方法 - Google Patents

信号増幅装置及びその出力電力調整方法

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JP2002111418A
JP2002111418A JP2000298087A JP2000298087A JP2002111418A JP 2002111418 A JP2002111418 A JP 2002111418A JP 2000298087 A JP2000298087 A JP 2000298087A JP 2000298087 A JP2000298087 A JP 2000298087A JP 2002111418 A JP2002111418 A JP 2002111418A
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signal
gain
amplifying
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Yuji Fushiki
勇二 伏木
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Kenwood KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 利得を適切に制御して、出力電力を調整す
る。 【解決手段】 制御部6は、第2の利得可変増幅器2の
利得を制御することにより選択した電力ゾーンが、この
無線通信装置100の最大出力を含むゾーンであるか否
かを判別する。制御部6は、選択したゾーンが最大出力
を含むものであると判別すると、記憶部5に記憶されて
いる利得制御電圧データのうち、第1の利得可変増幅器
1での制御電圧に対する利得の変化特性が非線形となる
領域に含まれる制御電圧に対応する利得制御電圧データ
を利用可能とする。こののち、制御部6は、記憶部5か
ら読み出した利得制御電圧データに基づいて、第1の利
得可変増幅器1の利得を制御することにより、無線通信
装置100の出力電力を微調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力信号を利得
可変で増幅して出力する利得可変増幅器の利得を制御し
て、無線通信機器等の送信出力を調整する信号増幅装置
に係り、特に、広い範囲で適切に利得を制御して信号を
増幅することができる信号増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば携帯電話機といった、無線を使用
して通信を行う無線通信機器は、送信出力を制御するこ
とにより、周波数効率を向上させ、回線容量を増加させ
ることができる。また、無線通信機器が二次電池等から
駆動電力を得ている場合には、送信出力を制御すること
により、無線通信機器自体の動作時間を延長させること
もできる。こうした無線通信機器において利得可変増幅
器を用いて送信出力を調整する信号増幅装置として、例
えば図5(a)、(b)に示すものが知られている。
【0003】図5(a)に示す信号増幅装置は、利得可
変増幅器50により増幅された出力信号の一部を検出器
51により取り出し、検波器52により検波して直流電
圧に変換する。比較器53は、こうして得られた直流電
圧の大きさを、DAC54から供給される基準電圧と比
較し、その差分に対応する大きさの電圧を利得可変増幅
器50にフィードバックすることにより、利得を制御す
る。この際、DAC54は、記憶回路55から読み出し
たデータに従って、目的とする送信出力に相当する大き
さの基準電圧を生成して比較器53に供給する。
【0004】また、図5(b)に示す信号増幅装置は、
DAC57が記憶回路58から読み出したデータに対応
する大きさの直流電圧を、利得可変増幅器56に直接印
加することにより、利得を制御する。
【0005】ここで、図5(a)に示す記憶回路55や
図5(b)に示す記憶回路58に記憶されているデータ
は、例えば図6に示すように、利得可変増幅器50、5
6の利得が等間隔となるようにサンプルした制御電圧v
1、v2、…、v8に対応する利得制御電圧データであ
る。こうした利得制御電圧データを記憶回路55、58
に記憶しておき、それぞれ、利得可変増幅器50、56
に印加する制御電圧の大きさを直線補間により求めるこ
とで、制御電圧にほぼ比例して利得が変化する領域にお
いて、適切に利得を制御することができる。
【0006】また、広い範囲で利得を制御するため、例
えば図7に示すように縦続接続した2つの利得可変増幅
器60、61を用いて入力信号を増幅する信号増幅装置
が知られている。
【0007】図7に示す2つの利得可変増幅器60、6
1を用いて入力信号を増幅する場合、例えば、まず、後
段の利得可変増幅器61の利得を制御することにより、
例えば図8に示すように、信号増幅装置における出力電
力の調整範囲を分割した複数のゾーンのうちで所望の出
力電力が含まれる電力ゾーンを選択する。次に、前段の
利得可変増幅器60の利得を制御することにより、選択
した電力ゾーン内で出力電力を微調整し、出力電力を所
望の値に設定することができる。ここで、前段の利得可
変増幅器60の利得を制御する際には、図5(a)に示
す利得可変増幅器50や図5(b)に示す利得可変増幅
器56の利得を制御する場合と同様に、制御電圧にほぼ
比例して利得が変化する部分を使用して、利得を制御す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7に示すよ
うに2つの利得可変増幅器60、61を縦続接続した場
合には、後段の利得可変増幅器61の出力電力が飽和点
に近付くと、入力電力が増大しても出力電力が増加しな
くなるゲイン圧縮が発生する。例えば、図9は、図7に
示す後段の利得可変増幅器61の入出力特性を示し、こ
の図9に示すように、入力電力が大きな領域では、利得
が低減する。
【0009】一般に、移動電話装置等の無線通信機器で
は、送信系統の電力効率を向上させるため、最大出力で
の効率が最もよくなるように設計されている。ところ
が、図7に示すように縦続接続した2つの利得可変増幅
器60、61のうち、前段の利得可変増幅器60の利得
を、制御電圧にほぼ比例して利得が変化する領域で制御
するだけでは、図8に示すように、最大出力付近の利得
を適切に制御することができず、無線通信機器の最大出
力に到達できないことがあった。
【0010】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
のであり、利得を適切に制御して出力電力を調整するこ
とができる信号増幅装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の観点に係る信号増幅装置は、第1
及び第2の利得可変増幅手段により利得可変で入力信号
を増幅するものであって、前記第1の利得可変増幅手段
に制御電圧を印加することにより前記第1の利得可変増
幅手段の利得を規定し、当該信号増幅装置の出力電力を
調整する第1の制御電圧印加手段と、前記第2の利得可
変増幅手段に制御電圧を印加して前記第2の利得可変増
幅手段の利得を規定することにより、当該信号増幅装置
における出力電力の可変範囲を分割した複数のゾーンの
うちのいずれかを、前記第1の利得可変増幅手段による
出力電力の調整が可能な電力ゾーンとして選択させる第
2の制御電圧印加手段と、前記第1及び第2の利得可変
増幅手段に印加する制御電圧に対応したデータを記憶す
る記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを
読み出し、前記第1の制御電圧印加手段が前記第1の利
得可変増幅手段に印加する制御電圧の大きさ及び前記第
2の制御電圧印加手段が前記第2の利得可変増幅手段に
印加する制御電圧の大きさを規定する動作制御手段とを
備え、前記記憶手段は、前記第1の利得可変増幅手段で
の制御電圧に対する利得の変化特性が非線形となる領域
に含まれる制御電圧に対応した非線形領域データを記憶
し、前記動作制御手段は、前記第2の制御電圧印加手段
が前記第2の利得可変増幅手段に制御電圧を印加して利
得を規定した際に、出力電力の調整が可能な電力ゾーン
として選択されたゾーンが、当該信号増幅装置の最大出
力を含むゾーンであるか否かを判別し、最大出力を含む
ゾーンであると判別した場合に、前記記憶手段に記憶さ
れている非線形領域データを利用可能として、前記第1
の制御電圧印加手段を制御して、前記第1の利得可変増
幅手段による出力電力の調整を実行させ、選択されたゾ
ーンが最大出力を含むゾーンでないと判別した場合に、
前記記憶手段に記憶されている非線形領域データを利用
不可として、前記第1の制御電圧印加手段を制御して、
前記第1の利得可変増幅手段による出力電力の調整を実
行させる、ことを特徴とする。
【0012】この発明によれば、第2の利得可変増幅手
段の利得を規定することにより電力ゾーンとして選択さ
れたゾーンが最大出力を含んでいる場合に、記憶手段に
記憶されている非線形領域データを利用した第1の利得
可変増幅手段による出力電力の調整を可能とする。これ
により、最大出力まで適切に利得を制御して、出力電力
を調整することができる。
【0013】前記動作制御手段は、前記記憶手段から読
み出したデータに対応する制御電圧を直線補間した大き
さの制御電圧を、前記第1の制御電圧印加手段により前
記第1の利得可変増幅手段に印加させて利得を制御する
ことが望ましい。
【0014】前記記憶手段は、前記第1の利得可変増幅
手段の利得が等間隔となるようにサンプルした制御電圧
に対応するデータを記憶することが望ましい。
【0015】例えば、前記第1の利得可変増幅手段は、
入力信号を利得可変で増幅し、前記第2の利得可変増幅
手段は、前記第1の利得可変増幅手段により増幅された
信号を利得可変で増幅してもよい。あるいは、前記第2
の利得可変増幅手段は、入力信号を利得可変で増幅し、
前記第1の利得可変増幅手段は、前記第2の利得可変増
幅手段により増幅された信号を利得可変で増幅してもよ
い。
【0016】より具体的には、前記第1の制御電圧印加
手段は、前記動作制御手段から供給されたディジタル電
圧信号をアナログ電圧信号に変換し、制御電圧として、
前記第1の利得可変増幅手段に印加する第1のディジタ
ル/アナログ変換器であり、前記第2の制御電圧印加手
段は、前記動作制御手段から供給されたディジタル電圧
信号をアナログ電圧信号に変換し、制御電圧として、前
記第2の利得可変増幅手段に印加する第2のディジタル
/アナログ変換器であることが望ましい。
【0017】この発明の第2の観点に係る信号増幅装置
の出力電力調整方法は、入力信号を第1及び第2の利得
可変増幅器により増幅して出力する信号増幅装置の出力
電力調整方法であって、前記第1の利得可変増幅器に制
御電圧を印加することにより前記第1の利得可変増幅器
の利得を規定し、前記信号増幅装置の出力電力を調整す
る出力電力調整ステップと、前記第2の利得可変増幅器
に制御電圧を印加して前記第2の利得可変増幅器の利得
を規定することにより、前記信号増幅装置における出力
電力の可変範囲を分割した複数のゾーンのうちのいずれ
かを、前記出力電力調整ステップにて出力電力の調整が
可能な電力ゾーンとして選択する電力ゾーン選択ステッ
プとを備え、前記電力ゾーン選択ステップにて選択した
電力ゾーンが前記信号増幅装置の最大出力を含むゾーン
であるか否かを判別し、最大出力を含むゾーンであると
判別した場合に、前記出力電力調整ステップにて、前記
第1の利得可変増幅器での制御電圧に対する利得の変化
特性が非線形となる領域を含めて前記第1の利得可変増
幅器の利得を制御することにより出力電力を調整し、前
記電力ゾーン選択ステップにて選択した電力ゾーンが前
記信号増幅装置の最大出力を含むゾーンではないと判別
した場合に、前記出力電力調整ステップにて、前記第1
の利得可変増幅器での制御電圧に対する利得の変化特性
が非線形となる領域を除いて前記第1の利得可変増幅器
の利得を制御することにより出力電力を調整する、こと
を特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、この発
明の実施の形態に係る信号増幅装置について、無線通信
装置に応用した場合を例として、詳細に説明する。
【0019】図1は、この発明の実施の形態に係る信号
増幅装置を応用した無線通信装置100の構成を示す図
である。図示するように、無線通信装置100は、第1
及び第2の利得可変増幅器1、2と、第1及び第2のD
AC(Digital/Analog Converter)3、4と、記憶部5
と、制御部6と、送信信号生成部7と、アンテナ8とを
備えている。
【0020】第1及び第2の利得可変増幅器1、2は、
送信信号生成部7により生成された信号を増幅してアン
テナ8に供給することにより、この無線通信装置100
から無線信号を送信可能とするためのものである。
【0021】第1の利得可変増幅器1は、送信信号生成
部8から受けた信号を、第1のDAC3により印加され
た制御電圧の大きさ(電圧値)に従って規定される利得
で増幅する増幅回路であり、第2の利得可変増幅器2の
利得が規定されることにより選択された電力ゾーン内
で、この無線通信装置100の送信出力を微調整する。
【0022】第2の利得可変増幅器2は、第1の利得可
変増幅器1により増幅された信号を、第2のDAC4に
より印加された制御電圧の大きさ(電圧値)に従って規
定される利得で増幅する増幅回路である。ここで、第2
の利得可変増幅器2は、制御電圧の大きさに従って利得
を規定することにより、図2に例示するような、この無
線通信装置100における送信出力の可変範囲を分割し
た複数のゾーンz0〜z4のうちのいずれかを、第1の
利得可変増幅器1の利得を制御することで微調整が可能
な電力ゾーンとして選択する。
【0023】第1及び第2のDAC3、4は、制御部6
から受けたディジタル電圧信号をアナログ電圧信号に変
換し、制御電圧として、それぞれ第1及び第2の利得可
変増幅器1、2に印加するためのものである。
【0024】記憶部5は、例えば半導体メモリ等から構
成され、制御部6が第1及び第2の利得可変増幅器1、
2の利得を制御する際の利得制御電圧データを記憶す
る。例えば、記憶部5は、図3に示すような制御電圧に
対する利得の変化特性を有する第1の利得可変増幅器1
に加える制御電圧v1、v2、…、v9に対応する利得
制御電圧データを記憶している。また、記憶部5は、第
2の利得可変増幅器2に印加する制御電圧に対応する利
得制御電圧データを記憶し、図2に示す複数のゾーンz
0〜z4のうちのいずれかを電力ゾーンとして選択可能
とする。
【0025】制御部6は、例えばマイクロプロセッサ等
から構成され、記憶部5に記憶されているデータを読み
出して、ディジタル電圧信号を第1及び第2のDAC
3、4に供給することにより、第1及び第2の利得可変
増幅器1、2の利得を制御するためのものである。例え
ば、制御部6は、第1の利得可変増幅器1の利得を制御
するために記憶部5に記憶されている利得制御電圧デー
タを読み出し、第1の利得可変増幅器1の利得を所望の
利得に設定するための制御電圧の大きさを、読み出した
利得制御電圧データに対応する制御電圧の直線補間等に
より求める。制御部6は、求めた制御電圧の大きさに対
応するディジタル電圧信号を生成して第1のDAC3に
供給することにより、第1の利得可変増幅器1の利得を
制御する。
【0026】送信信号生成部7は、この無線通信装置1
00から送出する送信信号を生成するためのものであ
る。
【0027】以下に、この発明の実施の形態に係る無線
通信装置100の動作を説明する。この無線通信装置1
00は、第1及び第2の利得可変増幅器1、2に制御電
圧を印加することにより利得を制御して、送信信号生成
部7により生成された送信信号を増幅し、アンテナ8か
ら無線信号として送信する。
【0028】この際、制御部6は、第2の利得可変増幅
器2の利得を制御することにより、この無線通信装置1
00の出力電力を粗調整させたのち、第1の利得可変増
幅器1の利得を制御することにより、出力電力を微調整
させる。すなわち、例えば、制御部6は、第2のDAC
4を介して、第2の利得可変増幅器2に制御電圧を印加
させて利得を制御することにより、図2に示すように、
例えば10dBmごとに分割された複数のゾーンz0〜
z4のうちのいずれかを、第1の利得可変増幅器1によ
る出力電力の調整範囲となる電力ゾーンとして選択させ
る。こののち、制御部6は、第1のDAC3を介して、
第1の利得可変増幅器1に制御電圧を印加させることに
より、選択された電力ゾーン内で利得を微調整させる。
【0029】また、記憶部5には、第1の利得可変増幅
器1の利得を制御するために、図3に示す制御電圧v
1、v2、…、v9に対応する利得制御電圧データが記
憶されている。この制御電圧v1〜v9に対応する利得
制御電圧データは、第1の利得可変増幅器1の利得が等
間隔となるようにサンプルした制御電圧に対応するデー
タである。ここで、制御電圧v9は、第1の利得可変増
幅器1での制御電圧に対する利得の変化特性において、
非線形性が顕著となる領域(非線形領域)に含まれる電
圧であり、この無線通信装置100が最大出力に近付い
てゲイン圧縮が生じたときに、第1の利得可変増幅器1
の利得を制御するために用いられる。
【0030】なお、制御電圧v1〜v8が含まれる領域
も、第1の利得可変増幅器1での制御電圧に対する利得
の変化特性に完全な線形性が保証されるわけではない
が、図3に一点鎖線で示す直線L1に近似した変化特性
を有している。従って、制御電圧v1〜v8に対応する
利得制御電圧データを記憶部5に記憶しておき、直線補
間等により第1の利得可変増幅器1に印加する制御電圧
を規定することにより、制御電圧に対する利得の変化特
性を実質的な直線として扱うことができる。
【0031】以下、この無線通信装置100が送信出力
を調整する動作を、図4に示すフローチャートを参照し
て説明する。
【0032】制御部6は、記憶部5に記憶されている利
得制御電圧データを読み出し、第2の利得可変増幅器2
の利得を制御するためのディジタル電圧信号を生成して
第2のDAC4に供給する。第2のDAC4は、制御部
6から受けたディジタル電圧信号をアナログ電圧信号に
変換し、制御電圧として第2の利得可変増幅器2に印加
する。これにより、第2の利得可変増幅器2の利得が規
定され、図2に示す複数のゾーンz0〜z4のうちのい
ずれかが、第1の利得可変増幅器1の利得を制御するこ
とで出力電力の微調整が可能な電力ゾーンとして選択さ
れる(ステップS1)。
【0033】この際、制御部6は、第2の利得可変増幅
器2の利得を制御することにより選択した電力ゾーン
が、この無線通信装置100の最大出力を含むゾーンz
4であるか否かを判別する(ステップS2)。
【0034】制御部6は、選択した電力ゾーンが最大出
力を含むゾーンz4ではないと判別すると(ステップS
2にてNO)、第1の利得可変増幅器1の利得を制御す
るために記憶部5に記憶されている利得制御電圧データ
のうちで、制御電圧v9に対応するものを利用不可とす
る。すなわち、制御部6は、記憶部5に記憶されている
利得制御電圧データのうち、第1の利得可変増幅器1で
の利得の変化特性における非線形領域の制御電圧に対応
する利得制御電圧データを利用不可とする(ステップS
3)。
【0035】つまり、制御部6は、第2の利得可変増幅
器2の利得を制御することにより選択した電力ゾーン
が、ゾーンz0〜z3である場合には、利得が制御電圧
にほぼ比例して変化する領域で、第1の利得可変増幅器
1の利得を制御する。これにより、この無線通信装置1
00の送信出力が飽和点から大きく離れている場合に
は、制御電圧にほぼ比例して第1の利得可変増幅器1の
利得を変化させることができ、利得を精密に制御するこ
とができる。
【0036】こののち、制御部6は、記憶部5から読み
出した利得制御電圧データに基づいて第1の利得可変増
幅器1の利得を制御することにより、この無線通信装置
100の送信出力を微調整する(ステップS4)。例え
ば、制御部6は、記憶部5から読み出した利得制御電圧
データに対応する制御電圧の直線補間等により、第1の
利得可変増幅器1の利得を制御するための制御電圧の大
きさを求める。制御部6は、制御電圧の大きさに対応す
るディジタル電圧信号を、第1のDAC3に供給するこ
とにより、第1の利得可変増幅器1に制御電圧を印加さ
せる。
【0037】一方、制御部6は、上記ステップS2に
て、選択した電力ゾーンが最大出力を含むゾーンz4で
あると判別すると(ステップS2にてYES)、制御電
圧v9に対応して記憶部5に記憶されている利得制御電
圧データを利用可能とする(ステップS5)。すなわ
ち、制御部6は、第2の利得可変増幅器2の利得を制御
することにより選択した電力ゾーンがゾーンz4である
場合には、利得の変化特性における非線形性が顕著とな
る領域を含めて第1の利得可変増幅器1の利得を制御す
る。これにより、この無線通信装置100の出力電力が
最大出力に近い場合には、第1の利得可変増幅器1を利
得の飽和点近くまで制御可能とすることで、図2に示す
ように、この無線通信装置100が最大出力となるまで
利得を制御可能とする。
【0038】こののち、制御部6は、処理を上記ステッ
プS4に進め、記憶部5から読み出した利得制御電圧デ
ータに基づいて、第1の利得可変増幅器1の利得を制御
することにより、この無線通信装置100の出力電力を
微調整する。
【0039】具体的には、図3に示す第1の利得可変増
幅器1での制御電圧に対する利得の変化特性において、
Δx=2[dB]であるとする。制御部6は、記憶部5
から、ある1つの制御電圧の大きさに対応する利得制御
電圧データを読み出し、当該制御電圧の大きさに対応す
るディジタル電圧信号を生成して第1のDAC3に供給
する。あるいは、制御部6は、記憶部5から2つの隣接
する制御電圧の大きさに対応する利得制御電圧データを
読み出し、当該2つの制御電圧の中間点となる制御電圧
の大きさに対応するディジタル電圧信号を生成して第1
のDAC3に供給する。
【0040】第1のDAC3は、制御部6から供給され
たディジタル電圧信号をアナログ電圧信号に変換し、制
御電圧として第1の利得可変増幅器1に印加することに
より、第1の利得可変増幅器1の利得を制御して無線通
信装置100の出力電力を微調整する。これにより、ほ
ぼ正確に1dBステップで、この無線通信装置100の
利得を制御することができる。
【0041】このように、第1及び第2の利得可変増幅
器1、2の利得を制御して出力電力を調整することによ
り、例えばCDMA(Code Division Multiple Acces
s)方式で要求されるような70dB程度の電力制御範
囲をカバーして、1dBステップにて±0.5dBの精
度で出力電力を調整することができる。すなわち、広い
範囲で利得を適切に制御して、出力電力を調整すること
ができる。この際、出力電力が飽和点に近い場合には、
第1の利得可変増幅器1での利得の変化特性における非
線形性が顕著となる領域を含めて利得を制御することに
より、最大出力まで適切に調整することができる。
【0042】この発明は、上記実施の形態に限定され
ず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、第1の
利得可変増幅器1の動作と第2の利得可変増幅器2の動
作とを入れ替えてもよい。すなわち、第1の利得可変増
幅器1の利得を制御することにより、無線通信装置10
0における送信出力の可変範囲を分割した複数のゾーン
のうちのいずれかを電力ゾーンとして選択し、第2の利
得可変増幅器2の利得を制御することで、電力ゾーン内
で出力電力を微調整してもよい。
【0043】また、この発明は、無線信号を送信する無
線通信装置に限らず、入力信号を利得可変で増幅して出
力する任意の信号増幅装置に適用可能である。
【0044】さらに、第2の利得可変増幅器2の利得を
制御することにより選択する各ゾーンz0〜z4の境界
は、明確に定まっている必要はなく、例えばヒステリシ
スを設けるなどして、一定の過渡領域を設けるようにし
てもよい。
【0045】
【発明の効果】以上の説明のように、この発明によれ
ば、最大出力に近付いた場合にのみ、利得の変化特性が
非線形となる領域での利得制御を可能とすることによ
り、利得を適切に制御して、最大出力まで適切に出力電
力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る無線通信装置の構
成を示す図である。
【図2】第2の利得可変増幅器の利得を制御することに
より選択される電力ゾーンを示す図である。
【図3】第1の利得可変増幅器での制御電圧に対する利
得の変化特性を示す図である。
【図4】無線通信装置が送信出力を調整する動作を説明
するためのフローチャートである。
【図5】従来の信号増幅装置の構成を示す図である。
【図6】従来技術において記憶回路に記憶される利得制
御電圧データについて説明するための図である。
【図7】2つの利得可変増幅器を縦続接続した従来の信
号増幅装置を示す図である。
【図8】図7に示す従来の信号増幅装置における出力電
力の調整範囲を分割した電力ゾーンを示す図である。
【図9】図7に示す従来の信号増幅装置における後段の
利得可変増幅器の入出力特性を示す図である。
【符号の説明】
1、2、50、56、60、61 利得可変増幅器 3、4、54、57 DAC 5 記憶部 6 制御部 7 送信信号生成部 8 アンテナ 51 検出器 52 検波器 53 比較器 55、58 記憶回路 100 無線通信装置 v1〜v9 制御電圧 z0〜z4 ゾーン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1及び第2の利得可変増幅手段により利
    得可変で入力信号を増幅する信号増幅装置であって、 前記第1の利得可変増幅手段に制御電圧を印加すること
    により前記第1の利得可変増幅手段の利得を規定し、当
    該信号増幅装置の出力電力を調整する第1の制御電圧印
    加手段と、 前記第2の利得可変増幅手段に制御電圧を印加して前記
    第2の利得可変増幅手段の利得を規定することにより、
    当該信号増幅装置における出力電力の可変範囲を分割し
    た複数のゾーンのうちのいずれかを、前記第1の利得可
    変増幅手段による出力電力の調整が可能な電力ゾーンと
    して選択させる第2の制御電圧印加手段と、 前記第1及び第2の利得可変増幅手段に印加する制御電
    圧に対応したデータを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されているデータを読み出し、前記
    第1の制御電圧印加手段が前記第1の利得可変増幅手段
    に印加する制御電圧の大きさ及び前記第2の制御電圧印
    加手段が前記第2の利得可変増幅手段に印加する制御電
    圧の大きさを規定する動作制御手段とを備え、 前記記憶手段は、前記第1の利得可変増幅手段での制御
    電圧に対する利得の変化特性が非線形となる領域に含ま
    れる制御電圧に対応した非線形領域データを記憶し、 前記動作制御手段は、前記第2の制御電圧印加手段が前
    記第2の利得可変増幅手段に制御電圧を印加して利得を
    規定した際に、出力電力の調整が可能な電力ゾーンとし
    て選択されたゾーンが、当該信号増幅装置の最大出力を
    含むゾーンであるか否かを判別し、最大出力を含むゾー
    ンであると判別した場合に、前記記憶手段に記憶されて
    いる非線形領域データを利用可能として、前記第1の制
    御電圧印加手段を制御して、前記第1の利得可変増幅手
    段による出力電力の調整を実行させ、選択されたゾーン
    が最大出力を含むゾーンでないと判別した場合に、前記
    記憶手段に記憶されている非線形領域データを利用不可
    として、前記第1の制御電圧印加手段を制御して、前記
    第1の利得可変増幅手段による出力電力の調整を実行さ
    せる、 ことを特徴とする信号増幅装置。
  2. 【請求項2】前記動作制御手段は、前記記憶手段から読
    み出したデータに対応する制御電圧を直線補間した大き
    さの制御電圧を、前記第1の制御電圧印加手段により前
    記第1の利得可変増幅手段に印加させて利得を制御す
    る、 ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅装置。
  3. 【請求項3】前記記憶手段は、前記第1の利得可変増幅
    手段の利得が等間隔となるようにサンプルした制御電圧
    に対応するデータを記憶する、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の信号増幅装
    置。
  4. 【請求項4】前記第1の利得可変増幅手段は、入力信号
    を利得可変で増幅し、 前記第2の利得可変増幅手段は、前記第1の利得可変増
    幅手段により増幅された信号を利得可変で増幅する、 ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の信号増幅
    装置。
  5. 【請求項5】前記第2の利得可変増幅手段は、入力信号
    を利得可変で増幅し、 前記第1の利得可変増幅手段は、前記第2の利得可変増
    幅手段により増幅された信号を利得可変で増幅する、 ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の信号増幅
    装置。
  6. 【請求項6】前記第1の制御電圧印加手段は、前記動作
    制御手段から供給されたディジタル電圧信号をアナログ
    電圧信号に変換し、制御電圧として、前記第1の利得可
    変増幅手段に印加する第1のディジタル/アナログ変換
    器であり、 前記第2の制御電圧印加手段は、前記動作制御手段から
    供給されたディジタル電圧信号をアナログ電圧信号に変
    換し、制御電圧として、前記第2の利得可変増幅手段に
    印加する第2のディジタル/アナログ変換器である、 ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載
    の信号増幅装置。
  7. 【請求項7】入力信号を第1及び第2の利得可変増幅器
    により増幅して出力する信号増幅装置の出力電力調整方
    法であって、 前記第1の利得可変増幅器に制御電圧を印加することに
    より前記第1の利得可変増幅器の利得を規定し、前記信
    号増幅装置の出力電力を調整する出力電力調整ステップ
    と、 前記第2の利得可変増幅器に制御電圧を印加して前記第
    2の利得可変増幅器の利得を規定することにより、前記
    信号増幅装置における出力電力の可変範囲を分割した複
    数のゾーンのうちのいずれかを、前記出力電力調整ステ
    ップにて出力電力の調整が可能な電力ゾーンとして選択
    する電力ゾーン選択ステップとを備え、 前記電力ゾーン選択ステップにて選択した電力ゾーンが
    前記信号増幅装置の最大出力を含むゾーンであるか否か
    を判別し、最大出力を含むゾーンであると判別した場合
    に、前記出力電力調整ステップにて、前記第1の利得可
    変増幅器での制御電圧に対する利得の変化特性が非線形
    となる領域を含めて前記第1の利得可変増幅器の利得を
    制御することにより出力電力を調整し、前記電力ゾーン
    選択ステップにて選択した電力ゾーンが前記信号増幅装
    置の最大出力を含むゾーンではないと判別した場合に、
    前記出力電力調整ステップにて、前記第1の利得可変増
    幅器での制御電圧に対する利得の変化特性が非線形とな
    る領域を除いて前記第1の利得可変増幅器の利得を制御
    することにより出力電力を調整する、 ことを特徴とする信号増幅装置の出力電力調整方法。
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