JP2009164506A - 半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光の取り出し効率を向上させることが可能な半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 本発明による半導体発光素子1は、光(L9〜L11)を透過可能な基板2と、基板2の主面上に形成された、傾斜した側面10bを有する発光層を含む半導体層10と、半導体層10の表面を覆うように形成された反射層20とを備え、半導体層10の側面10bは、基板2の主面の水平方向に対して45〜75°の傾斜角θを有しており、反射層20は、複数の誘電体層(11〜13)を含み、各誘電体層(11〜13)は半導体層10の上部端面10a側の平均厚さがm(λ/nr)、半導体層10の側面10b側の平均厚さがm(λ/nr)cosθ、ただし、λ:発光層の発光波長、nr:各誘電体層(11〜13)の屈折率、m:1以上の任意の整数、で表される。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明による半導体発光素子1は、光(L9〜L11)を透過可能な基板2と、基板2の主面上に形成された、傾斜した側面10bを有する発光層を含む半導体層10と、半導体層10の表面を覆うように形成された反射層20とを備え、半導体層10の側面10bは、基板2の主面の水平方向に対して45〜75°の傾斜角θを有しており、反射層20は、複数の誘電体層(11〜13)を含み、各誘電体層(11〜13)は半導体層10の上部端面10a側の平均厚さがm(λ/nr)、半導体層10の側面10b側の平均厚さがm(λ/nr)cosθ、ただし、λ:発光層の発光波長、nr:各誘電体層(11〜13)の屈折率、m:1以上の任意の整数、で表される。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体発光素子に関し、特に、光の取り出し効率を改善した半導体発光素子に関する。
従来、基板上に形成されたGaN系半導体からなる半導体層と光を反射するための反射層を備えた半導体発光素子が知られている。
発光層より下方にある基板側に反射層を設け、発光層の上方に透明電極を設けて電流注入を行い透明電極側から発光を取り出すGaN系半導体発光素子が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。このような半導体発光素子では、透明電極の透過率と導電率とがトレードオフの関係にある。すなわち、透過率を高めるために電極膜厚を小さくすると、逆に導電率が低下してしまい、素子抵抗の上昇及び信頼性の低下の原因となるという問題がある。
一方、発光層の上部に反射層を設けて、基板側から光を取り出す半導体発光素子では、発光層側に高反射率の材料を用いる必要がある。
このため、発光層側上部端面に誘電体多層膜からなる光反射膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、発光層側上部端面での反射効率は改善するものの、側面側に向かう光を効率よく反射させることはできず、光の取り出し効率は十分でないといった問題がある。
また、発光層を含む積層体を台形錘体形状とし、その表面全体に絶縁膜を形成することにより、傾斜した側面からも光を反射させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、傾斜した側面の傾斜角が大きい場合、或いは傾斜した側面と上部平面部分で絶縁膜の膜厚が異なる場合、上部平面部分で反射率が高くても側面では低くなることがあり、光の取り出し効率を向上させることは困難である。
特開2000−261031号公報
特開平9−219562号公報
特開2007−227980号公報
本発明の目的は、光の取り出し効率を向上させることが可能な半導体発光素子を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、光を透過可能な基板と、前記基板の主面上に形成された、傾斜した側面を有する発光層を含む半導体層と、前記半導体層の表面を覆うように形成された反射層とを備え、前記半導体層の側面は、前記基板の主面の水平方向に対して45〜75°の傾斜角θを有しており、前記反射層は、複数の誘電体層を含み、該誘電体層は前記半導体層の上部端面側の平均厚さがm(λ/nr)、前記半導体層の側面側の平均厚さがm(λ/nr)cosθ、ただし、λ:発光層の発光波長、nr:各誘電体層の屈折率、m:1以上の任意の整数、で表されることを特徴とする半導体発光素子が提供される。
本発明の半導体発光素子によれば、光の取り出し効率を向上させることが可能な半導体発光素子を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態による半導体発光素子を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることに留意すべきである。
[第1の実施の形態]
(半導体発光素子の構造)
図1は、本発明の実施の形態による半導体発光素子の断面図である。以下の説明において、図1における発光層4に対してp型半導体層5側を上方向とし、基板2側を下方向とする。尚、光は下方向に取り出すものとする。また、基板2の主面とは半導体層10が形成された側の表面をいう。
(半導体発光素子の構造)
図1は、本発明の実施の形態による半導体発光素子の断面図である。以下の説明において、図1における発光層4に対してp型半導体層5側を上方向とし、基板2側を下方向とする。尚、光は下方向に取り出すものとする。また、基板2の主面とは半導体層10が形成された側の表面をいう。
本発明の実施の形態に係る半導体発光素子は、図1に示すように、光(L9〜L11)を透過可能な基板2と、基板2の主面上に形成された、傾斜した側面10bを有する発光層を含む半導体層10と、半導体層10の表面を覆うように形成された反射層20とを備え、半導体層10の側面10bは、基板2の主面の水平方向に対して45〜75°の傾斜角θを有しており、反射層20は、複数の誘電体層(11〜13)を含み、各誘電体層(11〜13)は半導体層10の上部端面10a側の平均厚さがm(λ/nr)、半導体層10の側面10b側の平均厚さがm(λ/nr)cosθ、ただし、λ:発光層の発光波長、nr:各誘電体層(11〜13)の屈折率、m:1以上の任意の整数、で表される。
基板2は、発光層4からの光を透過可能なサファイア(Al2O3)基板からなる。
半導体層10は、n型半導体層3、発光層4及びp型半導体層5からなる。n型半導体層3は、発光層4に電子を注入するためのものであって、基板2上に形成されている。n型半導体層3は、約4μmの厚みを有し、約3×1018原子/cm3の濃度のSiがドープされたn型GaNからなる。
発光層4は、青色光を発光するためのものであって、n型半導体層3上に形成されている。発光層4は、約2〜約3nmの厚みのInXGa1−XN(0.05≦X≦0.2)からなる複数の井戸層(図示略)と、約20nm以下の厚みのGaNからなる複数のバリア層(図示略)とが交互に積層された、約0.05〜約0.15μmの厚みを有するMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)構造からなる。
p型半導体層5は、発光層4に正孔を注入するためのものであって、発光層4上に形成されている。約0.2〜0.4μmの厚みを有し、約3×1019原子/cm3の濃度のMgがドープされたp型GaNからなる。
n側電極7は、n型半導体層3上に形成された約0.1〜約0.3μmの厚みを有するAlからなる。n側電極7は、n型半導体層3の上面とオーミック接続されている。n側電極7は、平面視に、発光層4及びp型半導体層5とは、所定の間隔をあけて形成されている。
n側引き出し電極部9は、配線基板に形成された配線(図示略)とn側電極7とを電気的に接続するものである。また、n側引き出し電極部9は、n側電極7を介してn型半導体層3と接続されている。n側引き出し電極部9は、約0.1〜約0.5μmの径を有するAlからなる。
p側電極6は、p型半導体層5上に形成され、p型半導体層5と電気的に接続されている。p側電極6は、約0.06〜約0.4μmの厚みを有し、約0.01〜約0.2μmの厚さを有するPa/Au及び約0.05〜約0.2μmの厚さを有するTi/Auの金属積層構造からなる。
p側引き出し電極部8は、配線基板に形成された配線(図示略)とp側電極6とを電気的に接続するものである。また、p側引き出し電極部8は、p側電極6を介してp型半導体層5と接続されている。p側引き出し電極部8は、約0.1〜約0.5μmの径を有するAlからなる。
半導体層10は、円錐台又は多角錘台形状を有している。好ましくは多角錘台形状、より好ましくは四角錘台形状である。すなわち、上部端面10aが平坦であり、側面10bは基板2の主面に対して傾斜している。
傾斜角θは45〜75°、好ましくは55〜65°、より好ましくは60°程度に設定する。傾斜角θが45°未満であると、発光層4の領域が狭くなるので、好ましくない。また75°を超えると、側面10bで反射する光を効率よく基板2側に取り出すことができない。
側面10bが上述の角度の範囲で傾斜していることにより、以下で詳述するように、発光層4から側面10b側に進行する光を反射層20により効率よく反射させることができる。
反射層20は、発光層4で発光した光のうち、主として発光層4の上方向側に進行する光(L10、L11)を基板2側へと反射するためのものである。反射層20は、p側電極6の上面及び半導体層10の上部端面10a、並びに半導体層10の側面10bを覆うように形成されている。
反射層20は、上述したように、3層の誘電体層(11〜13)を含む。ここで、誘電体層(11〜13)を半導体層10側から順に第1誘電体層11、第2誘電体層12及び第3誘電体層13とする。すなわち、反射層20は、第1誘電体層11、第2誘電体層12及び第3誘電体層13が積層された誘電体多層膜からなるDBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)型構造を有する。
誘電体層(11〜13)は、誘電体層の厚み方向に屈折率の大きいものから順に配置されていることが好ましい。すなわち、第1誘電体層11の屈折率をn1、第2誘電体層12の屈折率をn2、及び第3誘電体層13の屈折率をn3としたとき、n1>n2>n3、の関係を満たすのがよい。
また、各誘電体層(11〜13)の屈折率は、半導体層10の屈折率n0より小さい。
図2に反射層20における光の反射を説明するための図を示した。図2で、光は単色光であり、反射層20表面に垂直に入出射しているものとする。ここでは、傾斜角θが60°(cosθ=1/2)、m=1の場合を一例として取り上げた。つまり、側面10b側の反射層20の膜厚は上部端面10a側の膜厚の1/2である。
屈折率の大きい領域を進む光は、屈折率の小さい領域との界面で反射されるときに位相はずれない。屈折率の小さい領域を進む光は、屈折率の大きい領域との界面で反射されるときに位相は半波長ずれる。これにより、光(L1〜L8)は、各誘電体層(11〜13)の屈折率が順に小さくなっているので、それぞれの界面で反射されるときに位相はずれない[図2(a)及び(b)における( )内の0は反射時に位相にずれのないことを示す。]。
したがって、図2(a)に示されるように、上部端面10a側の反射層20において、第1誘電体層11〜第3誘電体層13で反射される光は、行路差が0又は波長の偶数倍(λ×2n=2nλ、nは整数)であり、同位相となる。また、図2(b)に示されるように、側面10b側の反射層20においても、第1誘電体層11〜第3誘電体層13で反射される光は、各層の行路長が上部端面10a側の行路長の1/2なので、行路差が0又は波長の整数倍[(λ/2)×2n=nλ、nは整数]であり、同位相となる。
一方、屈折率が誘電体層の厚み方向に屈折率の大きいものから順に配置されない場合、例えば、n0>n1<n2>n3のとき、第1誘電体層11の屈折率n1が第2誘電体層12の屈折率n2より小さいので、第1誘電体層11と第2誘電体層12の界面で反射される光は半波長ずれる。したがって、上部端面10a側及び側面10b側のいずれにおいても、出てくる光は、半波長位相のずれた光により弱められてしまう。
以上のことから、屈折率を考慮して、半導体層10の上部端面10a側の第1誘電体層11の平均厚みdu1、第2誘電体層12の平均厚みdu2及び第3誘電体層13の平均厚みdu3は、
du1=m(λ/n1) ・・・(1)
du2=m(λ/n2) ・・・(2)
du3=m(λ/n3) ・・・(3)
となるように設定する。これらの厚みは、平均厚みに対して±10%程度以内のバラツキを有する。
du1=m(λ/n1) ・・・(1)
du2=m(λ/n2) ・・・(2)
du3=m(λ/n3) ・・・(3)
となるように設定する。これらの厚みは、平均厚みに対して±10%程度以内のバラツキを有する。
同様に、半導体層10の側面10b側の第1誘電体層11の平均厚みds1、第2誘電体層12の平均厚みds2及び第3誘電体層13の平均厚みds3は
ds1=m(λ/n1)cosθ=du1cosθ ・・・(4)
ds2=m(λ/n2)cosθ=du2cosθ ・・・(5)
ds3=m(λ/n3)cosθ=du3cosθ ・・・(6)
となるように設定する。これらの厚みは、平均厚みに対して±10%程度以内のバラツキを有する。
ds1=m(λ/n1)cosθ=du1cosθ ・・・(4)
ds2=m(λ/n2)cosθ=du2cosθ ・・・(5)
ds3=m(λ/n3)cosθ=du3cosθ ・・・(6)
となるように設定する。これらの厚みは、平均厚みに対して±10%程度以内のバラツキを有する。
第1誘電体層11〜第3誘電体層13の厚み及びそれらの屈折率の大きさの関係を上述のように設定することにより、光の干渉効果によるブラッグ反射により上部端面10aと側面10bが同じ反射特性をもち、各層での反射波が良好に強め合い高い反射率が得られる。
一例として、第1誘電体層11をZrO2(n1=2.4)、第2誘電体層12をAl2O3(n2=1.76)、及び第3誘電体層13をSiO2(n3=1.45)により構成し、発光層4から青色光(λ=450nm)を発光するように構成し、傾斜角θ=60°(cosθ=1/2)、m=1とした場合、
du1=188nm
du2=256nm
du3=310nm
ds1=du1/2=94nm
ds2=du2/2=128nm
ds3=du3/2=155nm
となる。
du1=188nm
du2=256nm
du3=310nm
ds1=du1/2=94nm
ds2=du2/2=128nm
ds3=du3/2=155nm
となる。
(動作原理)
本発明の実施の形態に係る有機発光素子の動作原理は以下の通りである。
本発明の実施の形態に係る有機発光素子の動作原理は以下の通りである。
まず、p側引き出し電極部8とn側引き出し電極部9を介してp側電極6とn側電極7の間に順方向の電圧が印加されると、n側電極7には電子が注入されるとともに、p側電極6には正孔が注入される。n側電極7に注入された電子は、n型半導体層3を介して発光層4に注入される。p側電極6に注入された正孔は、p型半導体層5を介して発光層4に注入される。発光層4に注入された電子と正孔は、井戸層で再結合して、約450nmの青色の光を発光する。
発光層4で発光された光のうち、基板2側に進行する光L9は、n型半導体層3及び基板2を透過して外部へ照射される。また、発光層4で発光された光のうち、上部端面10a側に進行する光L10は、p型半導体層5にほとんど吸収されることなく透過した後、反射層20に達する。そして、反射層20に達した光L10は反射された後、p型半導体層5〜基板2を透過して外部へ照射される。
一方、発光層4で発光された光のうち、側面10b側に進行する光L11は、p型半導体層5にほとんど吸収されることなく透過した後、側面10b側の反射層20に達する。そして、側面10b側の反射層20に達した光L11は反射された後、p型半導体層5〜基板2を透過して外部へ照射される。
(製造方法)
次に、上述した実施の形態による半導体発光素子1の製造方法について図面を参照して説明する。図3〜図10は、各製造工程における半導体発光素子の断面図である。
次に、上述した実施の形態による半導体発光素子1の製造方法について図面を参照して説明する。図3〜図10は、各製造工程における半導体発光素子の断面図である。
(a)まず、図3に示すように、サファイア基板からなる基板2をMOCVD装置(図示略)に導入して、成長温度を約1050℃に設定する。この状態で、キャリアガスによりシランガス、トリメチルガリウム(以下、TMG)ガス及びアンモニアガスを供給して、Siがドープされたn型GaNからなるn型半導体層3を基板2上に形成する。
次に、成長温度を約760℃に設定した状態で、キャリアガスによってトリメチルインジウム(以下、TMI)ガス、TMGガス及びアンモニアガスを供給して、ノンドープのInGaNからなる井戸層をn型半導体層3上に形成する。そして、成長温度を約760℃に保った状態で、キャリアガスによってTMGガス及びアンモニアガスを供給してノンドープのGaNからなるバリア層を井戸層上に形成する。その後、同じ条件で井戸層及びバリア層を交互に複数層積層して、発光層4を形成する。
次に、成長温度を約1010℃以下に設定した状態で、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)ガス、TMGガス及びアンモニアガスを供給して、発光層4上にMgがドープされたp型GaNからなるp型半導体層5を形成する。
(b)次に、図4に示すように、p型半導体層5の所定領域上にエッチングマスク層31を形成し、このエッチングマスク層31を用いてp型半導体層5、発光層4及びn型半導体層3の所定領域を反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)装置等のプラズマ処理装置を使用して、例えば塩素を含むプラズマによりエッチングする。このエッチングの際には、エッチングマスク層31もエッチングされ、例えばSiO2から構成されるエッチングマスク層31では、GaN系化合物半導体層の方がエッチング速度が2〜4倍程度速い。よって、エッチングマスク層31の厚みや傾斜角を適切なものとすることで、所望の形状の半導体層10を形成することができる。それにより、p型半導体層5、発光層4及びn型半導体層3から構成されるリッジ部が形成される(図5参照。)。エッチングの後、エッチングマスク層31を除去する。
(c)次に、図6に示すように、上述したのと同様の方法で、p型半導体層5の所定領域上にエッチングマスク層32を形成し、このエッチングマスク層32を用いて反応性イオンエッチング(RIE)装置等のプラズマ処理装置を使用してエッチングし、所望の形状の半導体層10を形成する(図7参照。)。エッチングの後、エッチングマスク層32を除去する。
なお、半導体層10の側面の傾斜を形成する方法として、誘導結合型プラズマ反応性イオンエッチング(ICP−RIE:Inductively Coupled Plasma RIE)を用いて、プラズマを形成するアンテナ電力とプラズマと基板間に電位差を形成するバイアス電力とをパラメータとして制御する方法を用いてもよい。すなわち、アンテナ電力とバイアス電力の比を調整して所望の傾斜角度を得ることができる。
(d)次に、図8に示すように、p型半導体層5の一部が露出するようにレジスト膜を形成した後、蒸着法等によりPa/Au膜及びTi/Au膜からなるp側電極6を形成する。その後、p側電極6を残してレジスト膜とともにレジスト膜上のPa/Au膜及びTi/Au膜を除去する。次いで、同様にして、蒸着法等によりAlからなるn側電極7を形成する。
(e)次に、図9に示すように、スパッタリングにより、圧力0.1Paの雰囲気中、励起電力300W、アルゴンの気体流20sccm[sccm:standard cc/min、すなわち、1atm(大気圧1,013hPa)、0 ℃で規格化されたccm=cm3/分]の条件で、ZrO2からなる第1誘電体層11、Al2O3からなる第2誘電体層12及びSiO2からなる第3誘電体層13を順に成膜する。この場合、半導体層10の上部端面10a及び側面10b上に成膜される厚さは、スパッタリングの照射方向Sに対してほぼ同じ厚さの膜が形成される。したがって、側面10bに形成される膜厚(側面10bの法線方向の厚さ)は、上部端面10aに成膜される誘電体層の厚さのcosθ倍のものが得られる。
この方法によれば、所望の膜厚の±10%程度のものが得られる。
(f)次に、図10に示すように、所望のパターンにレジスト膜を形成した状態で、第1誘電体層11〜第3誘電体層13をエッチングすることによって、外部配線と電気的に接続するためのp側引き出し電極部8を形成するための孔8a及びn側引き出し電極部9を形成するための孔9aを形成する。エッチングはプラズマエッチングにより、圧力3Paの雰囲気中、出力300W、テトラフルオロメタン(CF4)の気体流40sccmの条件で、p側電極6及びn側電極7の一部が露出するようにする。
(g)最後に、p側引き出し電極部8及びn側引き出し電極部9をそれぞれ孔8a及び孔9aに形成して、図1に示す半導体発光素子1が完成する。
上述したように、本発明の実施の形態による半導体発光素子1では、透明基板2上に形成された半導体層10の側面10b側が所定の角度で傾斜した構造を有し、半導体層10の表面を所定の膜厚を有するDBR型構造の反射層20で覆っている。これにより、発光層4で発光された光が側面10bへと進行しても、多くの光を反射層20により反射して外部へ取り出すことができるので、光の取り出し効率を向上させることができる。
また、上述したように、誘電体層を形成する製造工程において、上部端面10a側の第1誘電体層11〜第3誘電体層13の形成と同時に側面10b側の第1誘電体層11〜第3誘電体層13を形成することができるので、製造工程を簡略化することができる。
[その他の実施の形態]
以上、上述した実施の形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。以下、上述した実施の形態を一部変更した変更形態について説明する。
以上、上述した実施の形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。以下、上述した実施の形態を一部変更した変更形態について説明する。
上述した半導体層10の形状は適宜変更可能である。例えば、六角錘台形状、或いは四角錘台形状で1対の対向する側面が傾斜していない形状等を挙げることができる。
また、反射層を構成する誘電体の積層数は、上記実施の形態においては3層として説明したが、4層以上であってもよい。その場合、屈折率の大小関係を一部について逆転させることができる。例えば、上述した実施の形態における3層を繰り返し積層することができる。
また、各層を構成する材料は適宜変更可能である。例えば、反射層を構成する誘電体としては、上述した材料の他にTiO2、Ta2O5、Y2O3等を挙げることができる。また、p側電極を構成する材料としては、光を透過可能な導電性の酸化物材料、例えばITO及びIZO等を用いることができる。
また、上述した各層の厚みは適宜変更可能である。
また、発光層から発光される光の波長は適宜変更可能である。例えば、井戸層を構成するInXGa1−XNのInの比率Xを変更することによって、緑色光(0.2≦X≦0.5)を発光させることができる。また、複数の井戸層を異なるInの比率XからなるInXGa1−XNにより構成してもよい。
また、基板を構成する材料は、サファイアに限定されるものではなく、発光層からの光を透過可能な材料であればよい。例えば、このような条件を満たす基板を構成する材料として、ZnO、SiC、GaP等を挙げることができる。
1 半導体発光素子
2 基板
6 p側電極
7 n側電極
10 半導体層(3 n型半導体層、4 発光層、5 p型半導体層)
20 反射層(11 第1誘電体層、12 第2誘電体層、13 第3誘電体層)
2 基板
6 p側電極
7 n側電極
10 半導体層(3 n型半導体層、4 発光層、5 p型半導体層)
20 反射層(11 第1誘電体層、12 第2誘電体層、13 第3誘電体層)
Claims (5)
- 光を透過可能な基板と、
前記基板の主面上に形成された、傾斜した側面を有する発光層を含む半導体層と、
前記半導体層の表面を覆うように形成された反射層とを備え、
前記半導体層の側面は、前記基板の主面の水平方向に対して45〜75°の傾斜角θを有しており、
前記反射層は、複数の誘電体層を含み、該誘電体層は前記半導体層の上部端面側の平均厚さがm(λ/nr)、前記半導体層の側面側の平均厚さがm(λ/nr)cosθ、ただし、λ:発光層の発光波長、nr:各誘電体層の屈折率、m:1以上の任意の整数、で表されることを特徴とする半導体発光素子。 - 前記半導体層は、円錐台又は多角錘台形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
- 前記各誘電体層は、前記誘電体層の厚み方向に屈折率の大きいものから順に積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
- 前記各誘電体層の屈折率は、前記半導体層の屈折率より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 前記半導体層は、GaNを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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