〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態にかかる表示装置を詳細に説明する。なお、説明の便宜上、表示装置をコピーモード、プリンタモード、スキャナモード、ファクシミリモード、および、データファイリングモードを有する画像処理装置に装着した場合で説明する。
図1は、画像処理装置の一実施形態を示すブロック図である。画像処理装置は、原稿の画像を読み取って記録用紙に印刷するコピーモード、原稿の画像を読み取って送信したり、原稿の画像を受信して記録用紙に印刷したりするファクシミリモード、情報端末装置1からネットワークを通じて受信した画像を記録用紙に印刷するプリンタモード、原稿の画像を読み取ってハードディスクやメモリ等の記憶部に記憶するデータファイリングモード等を選択的に行なうことができる。
画像処理装置は、画像処理・プリント処理部2と、プリントエンジン9と、操作部5とを備える。画像処理・プリント処理部2と、プリントエンジン9と、操作部5は、それぞれが通信可能に接続される。
画像処理・プリント処理部2は、LAN3を介して情報端末装置であるパソコン1と通信可能に接続されるLANI/F2aと、スキャナ14と通信可能に接続されるスキャナI/F2bと、通信ライン13を介して操作部5と通信可能に接続される操作部I/F2cと、画像転送用バス10を介してプリントエンジン9と通信可能に接続されるプリントエンジンI/F2dと、USBメモリ4が接続されるUSBI/F11と、これらの制御を司るCPU12とを備える。
LANI/F2aは、LAN3に接続される。画像処理・プリント処理部2は、LAN3を通してパソコン1と通信可能とされる。CPU12は、パソコン1からの画像データを受けてプリントやファックス等の種々の処理を行なう。
スキャナI/F2bには、スキャナ14が接続される。CPU12は、スキャナ13から読み込まれた原稿の画像データを受けて、印字用データを生成する。そして、CPU12は、生成した印字用データを用いてプリントやファックス等の種々の処理を行なう。
USBI/F11には、画像データ等の各種データが格納されたUSBメモリ4が接続される。CPU12は、USBI/F11に接続されたUSBメモリ4から画像データを読み出す。そして、CPU12は、USBメモリ4から読み出した画像データを用いてプリントやファックス等の種々の処理を行なう。また、CPU12は、読み出した画像データのファイル名20を操作部I/F2cと通信ライン13を介して操作部5に送信する。
プリントエンジンI/F2dには、プリントエンジン9が接続される。CPU12は、画像転送用バス10を通して、画像データから生成された印字用データをプリントエンジン9に送信する。プリントエンジン9は、受信した印字用データに基づいてレーザ光で静電複写を行なう。
操作部I/F2cには、通信ライン13を介して操作部5に通信可能に接続される。CPU12は、USBI/F11に接続されたUSBメモリ4、スキャナI/F2bに接続されたスキャナ14、あるいは、LANI/F2aに接続されたパソコン1等からの画像データを通信ライン13を介して操作部5に送信する。
操作部5は、図2に示すように、画像データのファイル名20を表示する表示部6と、操作用のキー7と、操作部5の処理を記述したプログラム、表示用のデータおよび表示用のフォント等を格納するROM15と、作業用の記憶域であるRAM16と、これらの制御を司る制御部であるCPU8とを備える。なお、表示部6とCPU8とから表示装置を構成する。
表示部6は、ファイル名20を表示する液晶パネル6aと、前記液晶パネル6aを駆動制御する液晶ドライバ6bとを備える。表示部6は、CPU8からの指示に基づいて、画像処理・プリント処理部2から受信したファイルの属性を表示する。ここで、属性とは、ファイルのファイル名、ファイルのサイズ、記憶あるいは更新された日時等である。
キー7は、キーマトリクス7aを通してCPU8に接続される。キー7は、利用者のファイル選択作業等に使用される。
次に、プリンタモードを例に挙げて、画像処理装置の動作を説明する。なお、説明の便宜上、出力する画像データは、USBメモリ4に格納されているものとする。
利用者が、USBメモリ4をUSBI/F11に接続する。CPU12は、USBメモリ4に格納されている画像データのファイルを一覧にしたテーブルを読み出す。CPU12は、読み出したテーブルから各ファイルの属性を操作部5のCPU8に送信する。
CPU8は、受信したファイルの属性から各ファイルのファイル名を抽出する。CPU8は、液晶ドライバ6bを駆動制御して、抽出したファイル名20を表示部6に表示させる。利用者は、表示部6に表示されたファイル名20からプリントしたい画像データを選択する。
具体的には、利用者は、キー7を操作して、表示部6に表示されたファイル名20を選択する。ファイル名20が選択されると、CPU8は、選択されたファイル名20をCPU12に送信する。
CPU12は、受信したファイル名20からプリントする画像データをUSBメモリ4から読み出す。CPU12は、読み出した画像データを、印字可能な形式の印字用データに変換する。CPU12は、印字用データをプリントエンジン9に送信する。プリントエンジン9は、印字用データに基づいてプリントを実行する。
ところで、表示部6は、コストや設置面積の点で表示画素数が限られた低解像度の物を採用する場合が多い。表示部6は、ファイル名20を表示するためのエリアに表示できる文字数を制限する。画像データのファイル名20が長いと、表示部6に全ての文字を表示することができない場合がある。
例えば、表示部6の表示可能文字数が16文字の場合、図3(a)に示す23文字のファイル名20は、図3(b)のように、ファイル名20の先頭から16文字までしか表示されない。そのため、末尾の文字だけが異なる複数のファイル名20を同時に表示する場合、表示部6は、全て同じ名称のファイル名20が表示される。そのため、利用者は、どのファイル名20が目的のファイルなのかを判別することができない。
そこで、操作部5のCPU8には、利用者の操作性を向上するために、表示部6に表示されるファイル名20を、他のファイル名20と異なるように表示可能文字数に対応する表示ファイル名21を作成する表示ファイル名作成機能を備える。
表示ファイル作成機能が実行されると、CPU8は、同時に表示されるファイル名同士の先頭の文字から順に比較して異なる文字を検出し、抽出する。そして、CPU8は、抽出した文字を含ませた表示ファイル名21を作成する。抽出する文字は、例えば、ファイル名20の先頭および末尾から所定数の文字が考えられる。CPU8は、ファイル名20の先頭および末尾から所定数の文字からなるブロックB1,B2で抽出し、そのブロックを組み合わせて表示ファイル名21を作成する。
なお、ファイル名20の中間は省略して、「…」、「@」、「*」あるいは「¥」といった記号を用いる。すなわち、抽出したブロックB1,B2同士の間に文字が有る場合は、その省略した文字を記号に置換する。ブロックB1,B2同士の間に文字が無い場合は、ブロックB1,B2同士の間に記号に挿入する。記号は、ファイル名20に使用不可能なものを使うと良い。
具体的には、CPU8は、抽出した文字、例えば、ファイル名20の先頭から7文字からなるブロックB1と、ファイル名20の末尾から8文字からなるブロックB2を抽出した場合、「ブロックB1」+「記号」+「ブロックB2」とする表示ファイル名21を作成する。
次に、具体的な表示ファイル名21の作成動作を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
なお、説明の便宜上、表示部6の表示可能文字数は16文字とする。ファイル名20の先頭および末尾から抽出するブロックの文字数は、先頭から7文字、末尾から8文字とする。画像データは、USBメモリ4に格納されているものとする。USBメモリ4に格納される画像データのファイル名20は図4に示す。
利用者がUSBI/F11にUSBメモリ4を接続すると、CPU12は、USBメモリ4から画像データのファイルを一覧にしたテーブルを読み出す。CPU12は、読み出したテーブルから各ファイルの属性を操作部5のCPU8に送信する。
CPU8は、受信したファイルの属性から各ファイルのファイル名F1,F2,F3を抽出する(S40)。CPU8は、抽出したファイル名F1,F2,F3が表示ファイル名21で表示するか、そのままのファイル名20を先頭から表示すべきかの表示フラグを初期化(f1,f2,f3=0)する(S41)。なお、表示フラグは、表示ファイル名21で表示する場合は「1」、そのままのファイル名20を先頭から表示する場合は「0」である。
CPU8は、ファイル名F1とファイル名F2、ファイル名F1とファイル名F3、ファイル名F2とファイル名F3の順にそれぞれで、先頭から何番目の文字が異なっているかを比較する。
CPU8は、比較する文字の番数Nを初期化(N=1)する(S42)。CPU8は、比較する文字数Lを設定する(S43)。文字数Lは、比較するファイル名20の内、文字数が少ない方のファイル名20の文字数に設定する。本実施例では、ファイル名F1が17文字、ファイル名F2およびファイル名F3が23文字である。したがって、ファイル名F1とファイル名F2を比較する場合、文字数Lは、L=17と設定する。なお、ファイル名F1とファイル名F3を比較するときの文字数LはL=17、ファイル名F2とファイル名F3を比較するときの文字数LはL=23となる。
CPU8は、ファイル名F1とファイル名F2の先頭からN番目の文字を比較する(S44)。文字が一致する場合、CPU8は、番数Nを「N+1」に変更する。そして、変更した番数N(N=N+1)が文字数Lより大きいか否かを判定する。番数N(N=N+1)が文字数Lより大きい場合は、ファイル名F1とファイル名F2の比較を終了する。そして、次のファイル名F1とファイル名F3の比較を開始する(S47)。
番数N(N=N+1)が文字数L以下の場合は、ファイル名F1の先頭からN+1番目の文字とファイル名F2の先頭からN+1番目の文字を比較する。このように、ファイル名F1のN番目の文字とファイル名F2のN番目の文字とが異なるまで比較する。
ファイル名F1とファイル名F2のN番目の文字を比較した結果、異なる文字を検出すると(S44)、CPU8は、番数Nが表示部6の表示可能文字数より大きいか否かを判定する(S45)。番数Nが表示可能文字数より大きい場合は、ファイル名F1とファイル名F2の比較を終了する。そして、次のファイル名F1とファイル名F3の比較を開始する(S47)。
番数Nが表示可能文字数以下の場合は、CPU8は、ファイル名F1とファイル名F2の表示フラグをf1,f2=0からf1,f2=1に変更する(S46)。そして、次のファイル名F1とファイル名F3の比較を開始する(S47)。
次にCPU8は、S47、S48、S52〜S56のステップで、ファイル名F1とファイル名F3の比較を行なう。このときの動作は、ファイル名F1とファイル名F2の比較動作(S42〜S46、S50、S51)と同じである。
ファイル名F1とファイル名F3の比較が終了すると、CPU8は、S57〜S63のステップで、ファイル名F2とファイル名F3の比較を行なう。このときの動作は、ファイル名F1とファイル名F2の比較動作(S42〜S46、S50、S51)と同じである。
ファイル名F1,F2,F3の比較が終了すると、CPU8は、ファイル名F1の表示フラグがf1=1であるか否かを判定する(S64)。f1=1でない場合、すなわち、f1=0の場合、CPU8は、ファイル名F1の先頭から16文字を抽出し、抽出した文字で表示ファイル名21を作成する(S66)。本実施例の場合、CPU8は、ファイル名F1の表示ファイル名21を「特許出願2007年進捗資料作成−」と作成する。
f1=1の場合、CPU8は、ファイル名F1の先頭および末尾から所定数の文字からなるブロックB1,B2を抽出する。すなわち、CPU8は、「先頭から7文字」のブロックB1と「末尾から8文字」のブロックB2を抽出する。そして、CPU8は、抽出したブロックB1,B2を用いて表示ファイル名21を作成する(S65)。本実施例の場合、CPU8は、ファイル名F1の表示ファイル名21を「特許出願200…進捗資料作成−1」と作成する。
ファイル名F1の表示ファイル名21を作成すると、CPU8は、S67〜S69のステップでファイル名F2の表示ファイル名21を作成する。このときの動作は、ファイル名F1の表示ファイル名21の作成動作(S64〜S66)と同じである。
ファイル名F2の表示ファイル名21を作成すると、CPU8は、S70〜S72のステップでファイル名F3の表示ファイル名21を作成する。このときの動作は、ファイル名F1の表示ファイル名21の作成動作(S64〜S66)と同じである。
ファイル名F1,F2,F3の表示ファイル名21の作成が終了すると、CPU8は、液晶ドライバ6bを駆動制御して、作成したファイル名F1,F2,F3の表示ファイル名21(図6参照)を表示部6に表示させる(S73)。
これにより、表示部6にファイル名20のすべてを表示できない場合であっても、互いに異なる表示ファイル名21を表示することができる。そのため、利用者は、容易に所望するファイル名20を選択することができるので、設定時間の短縮を図ることができる。
〔第2実施例〕
次に、図7〜図9を用いて、第2実施形態にかかる表示装置を詳細に説明する。なお、本実施形態は、表示ファイル作成機能が第1実施形態と異なる。すなわち、CPU8がファイル名同士を比較する方法と、比較した結果から表示ファイル名171を作成する方法が第1実施形態と異なる。その他の構成および作用効果は、第1実施形態と同じである。
本実施形態の表示ファイル作成機能は、ファイル名170から連続する複数の文字を抽出し、前記連続する複数の文字ごとに他のファイル名170と比較して異なる文字を検出する。例えば、表示する文字が図7に示すようなファイル名F’1「特許出願2007年度進捗率報告用資料−1」とした場合、CPU8は、ファイル名F’1の先頭から所定の文字、例えば、所定文字が2文字の場合は、ファイル名F’1から「特許」を抽出する。そして、CPU8は、抽出した「特許」と同じ文字が他のファイル名170にあるかを先頭から順に比較する。
比較するファイル名F’2が、図7に示す「特許出願2007年度上期進捗報告用資料−1」の場合、CPU8は、「特許」、「許出」、「出願」、・・・、「N,(N+1)」の順に比較する。CPU8は、比較した結果、ファイル名F’1から抽出した文字とファイル名F’2から抽出した文字とが異なるときは不一致文字位置フラグp1をp1〔N〕=0にし、同じときは不一致文字位置フラグp1をp1〔N〕=1にする。
この比較を、ファイル名170の各番数Nで行ない、各番数Nで不一致文字位置フラグp1を付す。そして、次の番数N、ファイル名F’1では、「許出」を抽出して、ファイル名F’2と比較する。この比較動作を、ファイル名F’1の全ての番数Nが終了するまで行なう。
CPU8は、検出した異なる文字を抽出する。そして、CPU8は、抽出した文字を含ませた表示ファイル名171を作成する。例えば、CPU8は、不一致文字位置フラグp1,p2,p3に基づいて異なる文字を含む連続する文字からなるブロックbを抽出する。そして、CPU8は、抽出したブロックbを含ませた表示ファイル名171を作成する。
具体的には、CPU8は、不一致文字位置フラグp1,p2,p3からファイル名170の途中で異なる文字がないか否かを判定する。CPU8は、不一致文字位置フラグp1,p2,p3からファイル名170の途中で異なる文字がないと判断した場合、ファイル名170の先頭、および、末尾から所定数の文字を含むブロックb1,b2を抽出し、抽出したブロックb1,b2を組み合わせて表示ファイル名171を作成する。例えば、ファイル名170の先頭から4文字からなるブロックb1と、ファイル名170末尾から11文字のブロックb2とを抽出した場合、「b1」+「記号」+「b2」とする表示ファイル名171を作成する。
不一致文字位置フラグp1,p2,p3からファイル名170の途中で異なる文字があると判断した場合は、ファイル名170の先頭、途中の異なる部分、および、末尾から所定数の文字からなるブロックb1,b2,b3を抽出し、抽出したブロックb1,b2,b3を組み合わせて表示ファイル名171を作成する。
例えば、ファイル名170の先頭から2文字からなるブロックb1と、ファイル名170の途中で異なる文字を含む前後6文字からなるブロックb3と、ファイル名170の末尾から6文字からなるブロックb2とを抽出した場合、「b1」+「記号」+「b3」+「記号」+「b2」とする表示ファイル名171を作成する。
「先頭から2文字」、「異なる文字を含む前後6文字」、「末尾から6文字」のブロックb1,b2,b3で抽出した結果、重複する文字を有する場合がある。すなわち、「b1」と「b3」、あるいは、「b3」と「b2」の各ブロックb1,b2,b3に含まれる文字が重複する場合がある。この場合、CPU8は、ファイル名170の途中で異なる文字がない場合と同様に、ファイル名170の先頭から4文字からなるブロックb1と、ファイル名170の末尾から11文字からなるブロックb2とを抽出し、表示ファイル名171を作成する。
ファイル名170の途中で異なる文字が有るかないかの判断は、不一致文字位置フラグp1,p2,p3に基づいて行なわれる。CPU8は、不一致文字位置フラグp1,p2,p3から文字が異なると判定された最初の文字位置Q11(以下、第1不一致文字位置Q11とする)の番数Nを判定する。番数Nと判定するには、以下の2つの式を満たす必要がある。
p〔N〕 =1 ・・・(1)
p〔N+1〕=0 ・・・(2)
CPU8は、(1)式および(2)式を満たす番数Nを検出し、第1不一致文字位置Q11を特定する。なお、第1不一致文字位置Q11は、
Q11=N+1 ・・・(3)
とする。したがって、CPU8は、第1不一致文字が有る場合は第1不一致文字位置Q11をQ11=N+1と付す。ない場合は、Q11=0と付す。
更に、異なる文字と判定された次の文字位置Q12(以下、第2不一致文字位置Q12とする)がないかを判定する。この場合も、第1不一致文字位置Q11と同様に、(1)式および(2)式を満たす番数Nを検出し、第2不一致文字位置Q12を特定する。なお、第2不一致文字位置Q12は、
Q12=N+1 ・・・(4)
とする。したがって、CPU8は、第2不一致文字が有る場合は第2不一致文字位置Q12をQ12=N+1と付す。ない場合は、Q12=0と付す。
CPU8は、異なる文字が2箇所有る場合、すなわち、第1不一致文字位置Q11と第2不一致文字位置Q12が共に番数Nが付されている場合は、ファイル名170の先頭、途中の異なる部分、および、末尾から所定数の文字を含む各ブロックb1,b2,b3を抽出し、抽出したブロックb1,b2,b3を組み合わせて表示ファイル名171を作成する。
異なる文字が1箇所しかない場合、すなわち、第1不一致文字位置Q11に番数Nが付され、第2不一致文字位置Q12に「0」が付されている場合、CPU8は、ファイル名170の先頭、および、末尾から所定数の文字からなるブロックb1,b2を抽出し、抽出したブロックb1,b2を組み合わせて表示ファイル名171を作成する。
異なる文字が2箇所以上有る場合、すなわち、第1不一致文字位置Q11および第2不一致文字位置Q12に番数Nが付されている場合、CPU8は、重複する文字を有するか否かを判定する。例えば、ファイル名F’1の文字数Lが20文字(L1=20)で、ファイル名F’1の第1不一致文字位置Q11がQ11=17、第2不一致文字位置Q12がQ12=19とすると、CPU8がファイル名F’1から抽出する文字からなる各ブロックb1,b2,b3は、ブロックb1が「先頭から1〜2文字目の文字」、ブロックb2が「先頭から17〜22文字目の文字」、ブロックb3が「先頭から15〜20文字目の文字」となる。そうすると、先頭から17〜20文字目の文字がブロックb2とブロックb3で重複する。
そこで、CPU8は、異なる文字が2箇所以上有る場合は、第1不一致文字位置Q11の番数Nが次式の条件を満たすかを判定する。
2<Q11<L1−10 ・・・(5)
CPU8は、第1不一致文字位置Q11の番数Nが(5)式の条件を満たす場合、ファイル名170の先頭、途中の異なる部分、および、末尾から所定数の文字からなるブロックb1,b2,b3を抽出し、抽出したブロックb1,b2,b3を組み合わせて表示ファイル名171を作成する。
第1不一致文字位置Q11の番数Nが(5)式の条件を満たさない場合、ファイル名170の先頭、および、末尾から所定数の文字からなるブロックb1,b2を抽出し、抽出したブロックb1,b2を組み合わせて表示ファイル名171を作成する。
次に、具体的な表示ファイル名171の作成動作を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
なお、説明の便宜上、表示部6の表示可能文字数は16文字とする。ファイル名170の途中で異なる文字がない場合のファイル名170から抽出するブロックb1,b2の文字数は、先頭から4文字、末尾から11文字とする。ファイル名170の途中で異なる文字がある場合のファイル名170から抽出するブロックb1,b2,b3の文字数は、先頭から2文字、途中で異なる文字を含む前後6文字、末尾から6文字とする。画像データは、USBメモリ4に格納されているものとする。USBメモリ4に格納される画像データのファイル名170は図7に示す。比較の基礎とするファイル名170の文字の番数を「N」とし、比較の対象とするファイル名170の文字の番数を「M」とする。
利用者がUSBI/F11にUSBメモリ4を接続すると、CPU12は、USBメモリ4から画像データのファイルを一覧にしたテーブルを読み出す。CPU12は、読み出したテーブルから各ファイルの属性を操作部5のCPU8に送信する(S140)。
CPU8は、受信したファイルの属性から各ファイルのファイル名F’1,F’2,F’3の不一致文字位置フラッグp1,p2,p3を初期化(p1,p2,p3=1)する(S141)。なお、不一致文字位置フラグp1,p2,p3は、不一致の場合は「0」、同じ場合は「1」である。
CPU8は、ファイル名F’1とファイル名F’2、ファイル名F’1とファイル名F’3、ファイル名F’2とファイル名F’3の順にそれぞれを比較し、異なっている文字が先頭から何番目かを検出する。
CPU8は、比較する文字の番数N,Mを初期化(N,M=1)する(S142)。CPU8は、比較する各ファイル名F’1,F’2のそれぞれの文字数L’1,L’2を設定する(S143)。本実施例では、ファイル名F’1が17文字、ファイル名F’2が23文字であるから、文字数L’1,L’2はL’1=17、L’2=23と設定する。
CPU8は、ファイル名F’1から「N,(N+1)」文字目の文字を抽出する。例えば、N=1の場合、本実施例では、ファイル名F’1から「特許」を抽出する。そして、CPU8は、抽出した「特許」と同じ文字がファイル名F’2にあるかを先頭から順に比較する(S144)。
文字が一致する場合、CPU8は、番数Nを「N+1」に変更する(S146)。文字が一致しない場合、CPU8は、不一致文字位置フラッグp1,p2をそれぞれ、p1〔N〕=0、p2〔M〕=0にする(S145)。そして、CPU8は、番数Nを「N+1」に変更する(S146)。
変更した番数Nが文字数L’1より大きいか否かを判定する(S147)。番数Nが文字数L’1より小さい場合は、CPU8は、ファイル名F’1から次の番数Nの文字を抽出する。例えば、先の番数NがN=1の場合はN=2とし、その番数Nの文字を抽出する。本実施例では、ファイル名F’1から「許出」を抽出する。
そして、CPU8は、S144〜S146のステップを行ない、再び、変更した番数Nが文字数L’1より大きいか否かを判定する(S147)。番数Nが文字数L’1より大きくなるまで、S144〜S146のステップを繰り返し行なう。
変更した番数Nが文字数L’1より大きいと判断すると、CPU8は、ファイル名F’1の番数Nを「1」に変更し、ファイル名F’2の番数Mを「M+1」に変更する(S148)。そして、変更した番数Mが文字数L’2より大きいか否かを判定する(S149)。
番数Mが文字数L’2より小さい場合、CPU8は、再度、S144〜S148のステップを行ない、変更した番数Mが文字数L’2より大きいか否かを判定する(S149)。番数Mが文字数L’2より大きくなるまで、S144〜S148のステップを繰り返し行なう。
変更した番数Mが文字数L’2より大きいと判断すると、CPU8は、ファイル名F’1とファイル名F’2の比較を終了する。
CPU8は、ファイル名F’1とファイル名F’2の比較を終了すると、次のファイル名F’3とファイル名F’2の比較を開始する(S150)。このときの動作は、ファイル名F’1とファイル名F’2の比較動作(S144〜S149)と同じである。
ファイル名F’3とファイル名F’2の比較が終了すると、CPU8は、ファイル名F’1とファイル名F’3の比較を開始する(S151)。このときの動作は、ファイル名F’1とファイル名F’2の比較動作(S144〜S149)と同じである。
ファイル名F’1,F’2,F’3の比較が終了すると、CPU8は、ファイル名F’1の不一致文字位置フラグp1に基づいて第1不一致文字位置Q11を特定する(S160)。第1不一致文字位置Q11が有る場合はQ11=N+1とし、第1不一致文字位置Q11がない場合はQ11=0とする。
第1不一致文字位置Q11を特定すると、CPU8は、第2不一致文字位置Q12を特定する(S161)。第2不一致文字位置Q12が有る場合はQ12=N+1とし、第2不一致文字位置Q12がない場合はQ12=0とする。
CPU8は、第2不一致文字位置Q12が「0」であるか否かを特定する(S162)。Q12=0の場合、CPU8は、ファイル名F’1の先頭および末尾から所定数の文字からなるブロックb1,b2を抽出する。すなわち、CPU8は、「先頭から4文字」のブロックb1と「末尾から11文字」のブロックb2を抽出する。そして、CPU8は、抽出したブロックb1,b2を用いて表示ファイル名171を作成する(S163)。本実施例の場合、図9に示すように、CPU8は、ファイル名F’1の表示ファイル名171を「特許出願…度進捗率報告用資料−1」と作成する。
Q12=0の場合、CPU8は、表示区切り位置の仮計算をする(S164’)。そして、重複する文字を有するか否かを判定する(S164’’)。重複する文字を有する場合は、CPU8は、ファイル名F’1の先頭および末尾から所定数の文字からなるブロックb1,b2を抽出し、抽出したブロックb1,b2を用いて、表示ファイル名171を作成する(S163)。
重複する文字がない場合は、CPU8は、ファイル名170の先頭、途中の異なる部分、および、末尾から所定数の文字からなるブロックb1,b3,b2を抽出する。すなわち、CPU8は、「先頭から2文字」のブロックb1と、「異なる文字を含む前後6文字」のブロックb3と、「末尾から6文字」のブロックb2を抽出する。そして、CPU8は、抽出したブロックb1,b2,b3を用いて表示ファイル名171を作成する(S164)。
本実施例の場合、ファイル名F’1はS164のステップに進まないので、ファイル名F’2を例にすると、図9に示すように、CPU8は、ファイル名F’2の表示ファイル名171を「特許…度上期進捗報…告用資料−1」と作成する。
ファイル名F’1の表示ファイル名171を作成すると、CPU8は、ファイル名F’2の表示ファイル名171を作成する。このときの動作は、ファイル名F’1の表示ファイル名171の作成動作(S160〜S164)と同じである。
ファイル名F’2の表示ファイル名171を作成すると、CPU8は、ファイル名F’3の表示ファイル名171を作成する。このときの動作は、ファイル名F’1の表示ファイル名171の作成動作(S160〜S164)と同じである。
ファイル名F’1,F’2,F’3の表示ファイル名171の作成が終了すると、CPU8は、液晶ドライバ6bを駆動制御して、作成したファイル名F’1,F’2,F’3の表示ファイル名171(図9参照)を表示部6に表示させる(S167)。
これにより、表示部6にファイル名170のすべてを表示できない場合であっても、互いに異なる表示ファイル名171を表示することができる。そのため、利用者は、容易に所望するファイル名170を選択することができるで、設定時間の短縮を図ることができる。
〔第3実施形態〕
次に、図10〜図14を用いて、第3実施形態にかかる表示装置を詳細に説明する。なお、本実施形態は、表示部6に表示されるファイル名180あるいは表示ファイル名181において、他のファイル名180あるいは表示ファイル名181と異なる文字の表示を変化させる表示変更機能を備える。構成および作用効果は、第1実施形態と同じである。本実施形態の表示ファイル作成機能は、第1実施形態および第2実施形態のいずれの表示ファイル作成機能を採用しても良い。
次に、本実施形態の表示変更機能について説明する。表示変更機能は、操作部5のCPU8によって行なわれる。CPU8は、同時に表示する他の表示ファイル名181と比較して異なる文字を検出し、前記異なる文字の表示を変化させる。
具体的には、CPU8は、同時に表示されるファイル名同士の先頭の文字から順に比較して異なる文字を検出する。CPU8は、検出した異なる文字の表示を変化させる。
ここで、変化とは、表示色を変える、表示色を反転させる、表示を拡大させる、表示を点滅させる等である。
単純に他の表示ファイル名181と異なる文字の表示を変化させたのでは、表示ファイル名181の全てが他の表示ファイル名181と異なる場合、全ての文字の表示を変化させる必要がある。そうすると、見栄えが悪くなる上、見にくくなる。
そこで、所定値の判定値Jとマーキング許可判定値Kとを設け、表示する表示ファイル名181の異なる文字が多すぎる場合の表示の変更を規制する。
判定値Jは、表示ファイル名181のうちで表示を変更する文字数を制限するための判断基準に使用する規定値である。判定値Jは、利用者や管理者等によって設定される。また、マーキング許可判定値Kは、表示を変更することを許可する境界値である。例えば、他の表示ファイル名181と異なる文字がマーキング許可判定値K以上有る場合、他の表示ファイル名181と比べて異なる文字が多いので、表示を変更しなくても判別ができるとして表示の変更をしない。マーキング許可判定値K未満しかない場合、異なる文字が少ないので、表示を変更しないと判別がしにくいとして表示の変更をする。
次に、具体的な表示ファイル名181の表示変更動作を、図14のフローチャートに基づいて説明する。なお、説明の便宜上、表示部6の表示可能文字数は16文字とする。表示部6が同時に表示できる表示ファイル名181の数は4個とする。画像データのファイル名180は図10に示す。表示ファイル名181は図11に示し、それぞれの表示ファイル名181を図中の上から順にF’’1,F’’2,F’’3,F’’4,F’’5,F’’6,F’’7,F’’8とする。マーキング許可判定値Kは「5」とする。
ファイル名180から表示ファイル名F’’1,F’’2,F’’3,F’’4,F’’5,F’’6,F’’7,F’’8が作成されると、CPU8は、表示部6に一度に表示できる表示ファイル名181を特定する(S200)。本実施形態では、同時に表示される表示ファイル名181は4個なので、先ず、表示ファイル名F’’1,F’’2,F’’3,F’’4を表示する表示ファイル名181とする。表示する表示ファイル名F’’1,F’’2,F’’3,F’’4を特定すると、CPU8は、判定値Jを設定する(S201)。本実施形態では、判定値Jは、
判定値J=一度に表示するファイル数−1 ・・・(6)
とする。そうすると、表示部6の表示可能なファイル数は4個なので、判定値JはJ=3となる。
CPU8は、表示される表示ファイル名同士を比較する。すなわち、CPU8は、表示ファイル名F’’1,F’’2,F’’3,F’’4の番数Nごとに、比較する番数Nの文字が他の表示ファイル名F’’1,F’’2,F’’3,F’’4の番数Nの文字と異なるかを比較する。CPU8は、図12に示すように、番数Nごとに異なる他の表示ファイル名F’’1,F’’2,F’’3,F’’4の数である不一致数Eを記憶する(S202)。
全ての文字の比較が終了すると、CPU8は、ファイル名F’’1の不一致数EがE〔N〕≧判定値JかE〔N〕<判定値Jかを確認し、番数Nの文字の不一致数E〔N〕を「1」か「0」に設定する(S203)。
具体的には、CPU8は、ファイル名F’’1の不一致数EがE〔N〕≧判定値Jの時、番数Nの文字の不一致数Eを「1」と付し、ファイル名F’’1の不一致数EがE〔N〕<判定値Jの時、番数Nの文字の不一致数Eを「0」とする。
なお、E=0の場合は番数Nの文字の表示を変更しない。E=1の場合は番数Nの文字の表示を変更する。また、S203において、不一致数Eは、表示フラグEに変換される。
表示ファイル名F’’1の番数Nの文字の表示変更フラグEを付したら、CPU8は、他の表示ファイル名F’’2,F’’3,F’’4の表示変更フラグEを、S203のステップと同様に判定する(S204〜S206)。
表示ファイル名F’’1,F’’2,F’’3,F’’4の表示変更フラグEが付されると、CPU8は、表示ファイル名F’’1の表示変更フラグEの数がマーキング許可判定値K以下か否かを判定する(S207)。表示変更フラグEがマーキング許可判定値Kより大きい場合は、表示ファイル名F’’1をそのまま表示する(S208)。表示変更フラグEがマーキング許可判定値K以下の場合は、表示ファイル名F’’1の表示変更フラグEがE=1の文字の表示を変更して表示する(S209)。
具体的には、本実施形態では、図12に示すように、表示ファイル名F’’1は、表示変更フラグEの数(E=1)がマーキング許可判定値K(K=5)以下である。従って、CPU8は、図11に示すように、表示ファイル名F’’1の表示変更フラグEがE=1の文字の表示を変更して表示する。
表示ファイル名F’’1の表示変更動作を終了すると、CPU8は、表示ファイル名F’’2の表示変更動作を開始する(S210)。このときの動作は、表示ファイル名F’’1の表示変更動作(S207〜S209)と同じである。
表示ファイル名F’’2の表示変更動作を終了すると、CPU8は、表示ファイル名F’’3の表示変更動作を開始する(S211)。このときの動作は、表示ファイル名F’’1の表示変更動作(S207〜S209)と同じである。
表示ファイル名F’’3の表示変更動作を終了すると、CPU8は、表示ファイル名F’’4の表示変更動作を開始する(S212)。このときの動作は、表示ファイル名F’’1の表示変更動作(S207〜S209)と同じである。
表示ファイル名F’’1の表示変更動作を終了すると、表示変更動作を終了する。なお、残りの表示ファイル名F’’5,F’’6,F’’7,F’’8を表示部6に表示する際、CPU8は、S200〜S212の動作をする。これにより、表示ファイル名F’’5,F’’6,F’’7,F’’8は、図11に示すように、異なる文字の表示を変更して表示される。
これにより、表示部6は、第1および第2実施形態の表示ファイル名181の作成による他の表示ファイル名181との差別化に加え、複数の表示ファイル名181の異なる文字の表示を変更することで利用者が所望のファイルを識別しやすくなる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。本実施形態では、コピーモードで説明したが、ファイリングモードやFAXモードであってもよい。
また、USBメモリに格納された画像データを例に説明したが、接続されるパソコンから送信された画像データ、スキャナから読み込まれた画像データ、画像処理装置の記憶部にあらかじめ記憶された画像データであっても良い。
本実施形態では、表示部を画像処理装置の操作部に備えた場合で説明したが、特にこの限りではなく、洗濯機、電子レンジ、エアコンといった各種機能を設定する操作部に表示部を有する電気機器に用いることができる。
第2実施形態では、ファイル名同士の比較を同時に表示する全てのファイル名で行なっているが、特にこの限りではない。表示順に隣り合うファイル名同士のみを比較しても良い。
操作部のCPUが、第1実施形態のファイル名作成機能と第2実施形態のファイル名作成機能の2つの機能を備えても良い。この場合、CPUは、ファイル名を比較して、どちらの機能を利用すれば、効率良く、かつ、違いが分かるように表示できるかを判断して、使用する機能を選択する。
操作部のCPUは、ファイル名の比較を第1実施形態の比較方法を採用し、表示ファイル名の作成を第2実施形態の作成方法を採用しても良い。また、比較を第2実施形態の比較方法を採用し、表示ファイル名の作成を第1実施形態の作成方法を採用しても良い。
ファイル名からブロックとして抽出する文字数は、利用者や管理者といった者が設定しても良い。あるいは、表示部の表示可能文字数に応じて、CPUが設定しても良い。
表示ファイル名は、その分割数は限定されない。本実施例においては2分割、あるいは、3分割して作成しているが、4分割、もしくは、それ以上に分割しても良い。ただし、分割しすぎてファイル名が細切れになると、逆に読み難くなる。したがって、2分割、あるいは、3分割することが理想である。