JP2009163021A - プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走査パルス電圧を高くすることなく、安定した書込み放電を発生させる。
【解決手段】パネルの表示領域を少なくとも3つの領域に分け、1つの領域に含まれる複数の走査電極を1つの走査電極群として走査電極を少なくとも3つの走査電極群に分け、1つのサブフィールドにおいて、全ての走査電極に同じ駆動波形を印加する1相駆動動作と、走査電極群毎に異なる駆動波形を印加する多相駆動動作とを選択的に行い、多相駆動動作時には、第1の走査電極群への書込み動作終了後かつ第2の走査電極群への書込み動作開始前に第2の走査電極群に下り傾斜波形電圧を印加し、第2の走査電極群への書込み動作終了後かつ第3の走査電極群への書込み動作開始前に第3の走査電極群に下り傾斜波形電圧を印加するように、書込み期間に走査電極群の数に応じた数の下り傾斜波形電圧を発生させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては一般にサブフィールド法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。サブフィールド法では、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドで各放電セルを発光または非発光させることにより階調表示を行う。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
初期化期間では、各走査電極に初期化波形を印加し、各放電セルで初期化放電を発生させる。それにより、各放電セルにおいて、続く書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。
書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加(以下、この動作を「走査」とも記す)するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加する(以下、これらの動作を総称して「書込み」とも記す)。それにより、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を発生させ、選択的を壁電荷を形成する。
続く維持期間では、表示させるべき輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に印加する。それにより、書込み放電による壁電荷形成が行われた放電セルで選択的に放電を起こし、その放電セルを発光させる。これにより画像表示を行う。
複数の走査電極は走査電極駆動回路により駆動され、複数の維持電極は維持電極駆動回路により駆動され、複数のデータ電極はデータ電極駆動回路により駆動される。
特開2006−18298号公報
書込み期間では、上述したように、複数の走査電極に走査パルスを順次印加して走査を行う。したがって、複数の放電セルのうち走査パルスが印加される順番が遅い放電セルにおいては、初期化波形が印加されてから走査パルスが印加されるまでの時間が長くなる。
初期化放電よって放電セルに形成された壁電荷は、他の放電セルに書込み放電を発生させるためにデータ電極に印加される書込みパルスの影響を受けて徐々に減少する。そのため、走査パルスが印加される順番が遅い放電セルにおいては、その放電セルに走査パルスおよび書込みパルスが印加されるまでに壁電荷が減少し、書込み放電の放電不良が発生する場合がある。特に、高精細化されたパネルにおいては、走査電極数の増加により走査に費やす時間がさらに長くなってしまうため、書込み期間の最後の方に書込みがなされる放電セルにおける壁電荷の減少はさらに大きくなり、書込み放電が不安定になりやすい。
放電を安定に発生させるためには、電極に印加する駆動電圧を上げればよいが、これは、消費電力を増大させる一因となる。
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることが可能なプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマディスプレイ装置は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたパネルと、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けるとともに、初期化期間において緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を発生させて走査電極を駆動する走査電極駆動回路とを備え、走査電極駆動回路は、パネルの表示領域を少なくとも3つの領域に分け、1つの領域に含まれる複数の走査電極を1つの走査電極群として走査電極を少なくとも3つの走査電極群に分け、1つのサブフィールドにおいて、全ての走査電極に同じ駆動波形を印加する1相駆動動作と、走査電極群毎に異なる駆動波形を印加する多相駆動動作とを選択的に行い、多相駆動動作時には、第1の走査電極群への書込み動作終了後かつ第2の走査電極群への書込み動作開始前に第2の走査電極群に下り傾斜波形電圧を印加し、第2の走査電極群への書込み動作終了後かつ第3の走査電極群への書込み動作開始前に第3の走査電極群に下り傾斜波形電圧を印加するように、書込み期間に走査電極群の数に応じた数の下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とする。
これにより、走査電極群により構成される放電セル群毎に、書込み動作を開始する前に下り傾斜波形電圧による初期化放電を発生させることができるので、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置において、走査電極駆動回路は、下り傾斜波形電圧における最低電圧を、電圧値の異なる複数の電圧で切換えて発生させるとともに、多相駆動動作時の初期化期間においては、書込み期間に最初に書込みを行う走査電極群を除く走査電極群の各走査電極に印加する下り傾斜波形電圧の最低電圧を、書込み期間に最初に書込みを行う走査電極群の各走査電極に印加する下り傾斜波形電圧の最低電圧よりも高くして下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とする。これにより、書込み動作を開始する前に下り傾斜波形電圧により発生させる初期化放電を、安定して発生させることが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置において、走査電極駆動回路は、維持期間に、サブフィールド毎に設定された輝度重みに応じた回数の維持パルスを発生させ、輝度重みに応じて1相駆動動作と多相駆動動作とを切換える構成としてもよい。これにより、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置は、画像信号の平均輝度レベルを検出するAPL検出回路を備え、走査電極駆動回路は、APL検出回路により検出された平均輝度レベルに応じて、パネルの表示領域の分割数を変更して走査電極群の数を変更し多相駆動動作の相の数を変更する構成としてもよい。これにより、画像信号の平均輝度レベルに応じた駆動ができるようになるので、画像信号の平均輝度レベルに応じて輝度倍率を変更するような駆動を行うプラズマディスプレイ装置においても、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置において、走査電極駆動回路は、多相駆動動作を行う際に、パネルの表示領域を2つの領域に分割し走査電極群の数を2つにして行う2相駆動動作と、パネルの表示領域を3つ以上の領域に分割して走査電極群の数を3つ以上とし、3相以上で行う多相駆動動作との少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて走査電極を駆動するとともに、APL検出回路により検出された平均輝度レベルに応じて、少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて走査電極を駆動する構成としてもよい。これにより、画像信号の平均輝度レベルに応じた駆動をより細かく制御できるようになり、画像信号の平均輝度レベルに応じて輝度倍率を変更するような駆動を行うプラズマディスプレイ装置においても、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたパネルを、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けるとともに、初期化期間において緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を発生させて走査電極を駆動するパネルの駆動方法であって、パネルの表示領域を少なくとも3つの領域に分け、1つの領域に含まれる複数の走査電極を1つの走査電極群として走査電極を少なくとも3つの走査電極群に分け、1つのサブフィールドにおいて、全ての走査電極に同じ駆動波形を印加する1相駆動動作と、走査電極群毎に異なる駆動波形を印加する多相駆動動作とを選択的に行い、多相駆動動作時には、第1の走査電極群への書込み動作終了後かつ第2の走査電極群への書込み動作開始前に第2の走査電極群に下り傾斜波形電圧を印加し、第2の走査電極群への書込み動作終了後かつ第3の走査電極群への書込み動作開始前に第3の走査電極群に下り傾斜波形電圧を印加するように、書込み期間に走査電極群の数に応じた数の下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とする。
これにより、走査電極群により構成される放電セル群毎に、書込み動作を開始する前に下り傾斜波形電圧による初期化放電を発生させることができるので、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、下り傾斜波形電圧における最低電圧を、電圧値の異なる複数の電圧で切換えて発生させるとともに、多相駆動動作時の初期化期間においては、書込み期間に最初に書込みを行う走査電極群を除く走査電極群の各走査電極に印加する下り傾斜波形電圧の最低電圧を、書込み期間に最初に書込みを行う走査電極群の各走査電極に印加する下り傾斜波形電圧の最低電圧よりも高くして下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とする。これにより、書込み動作を開始する前に下り傾斜波形電圧により発生させる初期化放電を、安定して発生させることが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、維持期間に、サブフィールド毎に設定された輝度重みに応じた回数の維持パルスを発生させ、輝度重みに応じて1相駆動動作と多相駆動動作とを切換えてもよい。これにより、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。これにより、画像信号の平均輝度レベルに応じた駆動ができるようになるので、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、画像信号の平均輝度レベルを検出し、検出された平均輝度レベルに応じて、パネルの表示領域の分割数を変更して走査電極群の数を変更し多相駆動動作の相の数を変更してもよい。これにより、画像信号の平均輝度レベルに応じた駆動ができるようになるので、画像信号の平均輝度レベルに応じて輝度倍率を変更するような駆動を行うプラズマディスプレイ装置においても、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、多相駆動動作を行う際に、パネルの表示領域を2つの領域に分割し走査電極群の数を2つにして行う2相駆動動作と、パネルの表示領域を3つ以上の領域に分割して走査電極群の数を3つ以上とし、3相以上で行う多相駆動動作との少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて走査電極を駆動するとともに、検出された平均輝度レベルに応じて、少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて走査電極を駆動してもよい。これにより、画像信号の平均輝度レベルに応じた駆動をより細かく制御できるようになり、画像信号の平均輝度レベルに応じて輝度倍率を変更するような駆動を行うプラズマディスプレイ装置においても、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
本発明によれば、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることができるプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
また、保護層26は、放電セルにおける放電開始電圧を下げるために、パネルの材料として使用実績があり、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数が大きく耐久性に優れたMgOを主成分とする材料から形成されている。
背面板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして、内部の放電空間には、ネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。なお、本実施の形態では、発光効率を向上させるためにキセノン分圧を約10%とした放電ガスを用いている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。また、放電ガスの混合比率も上述した数値に限られるわけではなく、その他の混合比率であってもよい。
図2は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜走査電極SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜維持電極SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜データ電極Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。そして、m×n個の放電セルが形成された領域がパネル10の表示領域となる。
次に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置1の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置1は、パネル10、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45、および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路41は、パネル10の画素数に応じて、入力された画像信号sigをサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。
データ電極駆動回路42は、サブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜データ電極Dmに対応する信号に変換し、タイミング信号にもとづいて各データ電極D1〜データ電極Dmを駆動する。
タイミング発生回路45は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vにもとづき各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロック(画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43および維持電極駆動回路44)へ供給する。
走査電極駆動回路43は、初期化期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する初期化波形を発生するための初期化波形発生回路(図示せず)、維持期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する維持パルスを発生するための維持パルス発生回路(図示せず)、複数の走査ICを備え書込み期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する走査パルスを発生するための走査パルス発生回路52を有する。そして、タイミング信号にもとづいて各走査電極SC1〜走査電極SCnをそれぞれ駆動する。
維持電極駆動回路44は、維持パルス発生回路(図示せず)を備え、タイミング信号にもとづいて維持電極SU1〜維持電極SUnを駆動する。
なお、走査電極駆動回路43は、後述するように、1つのサブフィールド期間において全ての走査電極SC1〜走査電極SCnに対して同じ駆動波形を印加する1相駆動動作、および、走査電極SC1〜走査電極SCnを複数の走査電極群に分けて走査電極群毎に異なる駆動波形を印加する多相駆動動作を選択的に行うことができる。
また、タイミング発生回路45は、1相駆動動作のためのタイミング信号および多相駆動動作のためのタイミング信号を選択的に発生し、発生したタイミング信号を走査電極駆動回路43へ供給する。それにより、走査電極駆動回路43は、走査電極SC1〜走査電極SCnを1相駆動動作または多相駆動動作により駆動する。
次に、走査電極駆動回路43について説明する。図4は、本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路43の回路図である。走査電極駆動回路43は、維持パルスを発生させる維持パルス発生回路50、初期化波形を発生させる初期化波形発生回路51、走査パルスを発生させる走査パルス発生回路52を備え、走査パルス発生回路52のそれぞれの出力はパネル10の走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに接続されている。なお、図4には、スイッチング素子Q4を用いた分離回路を示している。また、以下の説明においてスイッチング素子を導通させる動作を「オン」、遮断させる動作を「オフ」と表記し、スイッチング素子をオンさせる信号を「「Hi」」、オフさせる信号を「「Lo」」と表記する。
維持パルス発生回路50は、一般に用いられている電力回収回路(図示せず)とクランプ回路(図示せず)とを備え、タイミング発生回路45から出力されるタイミング信号にもとづき内部に備えた各スイッチング素子を切換えて維持パルスを発生させる。また、上昇する傾斜波形電圧を発生させるためのミラー積分回路(図示せず)を備え、維持期間の最後に、後述する消去ランプ波形を発生させる。
初期化波形発生回路51は、スイッチング素子Q1とコンデンサC1と抵抗R1とを有し走査パルス発生回路52の基準電位Aをランプ状に上昇させるミラー積分回路53、スイッチング素子Q2とコンデンサC2と抵抗R2とを有し走査パルス発生回路52の基準電位Aをランプ状に降下させるミラー積分回路54を備えている。そして、ミラー積分回路53は初期化動作時に上昇する傾斜波形電圧を発生し、ミラー積分回路54は初期化動作時に下降する傾斜波形電圧を発生する。なお、図4には、ミラー積分回路53の入力端子を入力端子IN1、ミラー積分回路54の入力端子を入力端子IN2として示している。
なお、ここでは、初期化波形発生回路51に、実用的であり比較的構成が簡単なFETを用いたミラー積分回路を採用しているが、本実施の形態は何らこの構成に限定されるものではなく、基準電位Aをランプ状に上昇または降下させることができる回路であればどのような回路であってもよい。
走査パルス発生回路52は、走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに走査パルスを出力する複数の走査IC55(ここでは、走査IC(1)〜走査IC(12))と、書込み期間において基準電位Aを負の電圧Vaに接続するためのスイッチング素子Q5と、電圧Vaに電圧Vscnを重畳した電圧Vcを走査IC55の高電圧側に印加するためのダイオードD31およびコンデンサC31と、2つの入力端子に入力される入力信号の大小を比較する比較器CP1および比較器CP2と、比較器CP1の一方の入力端子に電圧(Va+Vset2)を印加するためのスイッチング素子SW1と、比較器CP1の一方の入力端子に電圧(Va+Vset3)を印加するためのスイッチング素子SW2と、比較器CP1の一方の入力端子に電圧(Va+Vset4)を印加するためのスイッチング素子SW3と、比較器CP2の一方の入力端子に電圧Vset5を印加するためのスイッチング素子SW4とを備えている。なお、比較器CP1の他方の入力端子および比較器CP2の他方の入力端子は、それぞれ基準電位Aに接続されている。
走査IC55は、低電圧側の入力端子である入力端子INaと高電圧側の入力端子である入力端子INbとの2つの入力端子を有し、制御信号にもとづき、2つの入力端子に入力される信号のいずれかを出力する。そして、走査IC55のそれぞれには、制御信号として、書込み期間においてタイミング発生回路45から出力される走査開始信号SID(ここでは、走査開始信号SID(1))、制御信号SEL(ここでは、制御信号SEL(1)〜制御信号SEL(12))、制御信号OC1、および、比較器CP1から出力される制御信号OC2、比較器CP2から出力される制御信号OC3が入力される。
走査開始信号SID、制御信号OC1は、走査IC55に動作を開始させるための信号である。例えば、走査IC(1)から走査パルスを出力させる場合、タイミング発生回路45は、制御信号OC1を「Lo」(例えば、0(V))にするとともに、走査開始信号SID(1)を「Lo」から「Hi」(例えば、5(V))に変化させ、走査IC(1)に動作の開始を指示する。走査IC(1)は、走査開始信号SID(1)の電圧変化を検知して動作を開始し、これにより走査IC(1)は走査IC(1)に接続された走査電極(例えば、走査電極SC1〜走査電極SC90)に印加する走査パルス電圧Vaを順次発生させる。走査IS(1)は、走査電極SC90への走査が終了した後、シフトレジスター等を使って走査開始信号SID(1)を遅延させて作成した走査開始信号SID(2)を出力し、次段の走査IC(2)に供給する。なお、タイミング発生回路45から走査開始信号SID(2)を出力させる構成としてもかまわない。この走査開始信号SID(2)により、走査IC(2)は動作を開始する。以降、同様に、走査開始信号SID(n)が入力される走査IC(n)の動作が開始される。
制御信号SEL、制御信号OC2、制御信号OC3は、走査IC55の動作状態を切換えるための制御信号である。制御信号OC2は比較器CP1から出力される。比較器CP1は、スイッチング素子SW1がオン、スイッチング素子SW2およびスイッチング素子SW3がオフのときには電圧(Va+Vset2)と基準電位Aとを比較する。スイッチング素子SW2がオン、スイッチング素子SW1およびスイッチング素子SW3がオフのときには電圧(Va+Vset3)と基準電位Aとを比較する。スイッチング素子SW3がオン、スイッチング素子SW1およびスイッチング素子SW2がオフのときには電圧(Va+Vset4)と基準電位Aとを比較する。そして、基準電位Aの方が高い場合には「Lo」を、それ以外では「Hi」を、制御信号OC2として出力し、走査IC55に入力する。走査IC55は、制御信号SELが「Lo」であれば、制御信号OC2にもとづき動作し、制御信号OC2が「Lo」であれば入力端子INaに入力される信号を出力し、制御信号OC2が「Hi」であれば入力端子INbに入力される信号を出力する。
制御信号OC3は比較器CP2から出力される。比較器CP2は、スイッチング素子SW4がオンのときに電圧(Va+Vset5)と基準電位Aとを比較し、基準電位Aの方が高い場合には「Lo」を、それ以外では「Hi」を、制御信号OC3として出力し、走査IC55に入力する。そして、走査IC55は、制御信号SELが「Hi」であれば、制御信号OC3にもとづき動作し、制御信号OC3が「Lo」から「Hi」になった時点の出力電圧を保持して出力する。
そして、走査IC55は、この制御信号SEL、制御信号OC2、制御信号OC3により、下降する傾斜波形電圧の最低電圧を、電圧値の異なる複数の電圧で切換えて発生させることができる。なお、スイッチング素子SW1〜スイッチング素子SW4のオン/オフ、制御信号SELは、タイミング発生回路45によって制御される。
また、走査パルス発生回路52は、初期化期間では初期化波形発生回路51の電圧波形を出力し、維持期間では維持パルス発生回路50の電圧波形を出力するように、タイミング発生回路45によって制御される。
図5は、本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路43の走査IC55と走査電極SC1〜走査電極SCnとの接続の様子を示す概略図である。なお、図5では、走査IC以外の回路は省略している。
走査パルス発生回路52は、n本の走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに走査パルス電圧を印加するためのスイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHnおよびスイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnを備えている。スイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHn、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnは複数の出力毎にまとめられIC化されている。このICが走査IC55である。
なお、ここでは、90出力分のスイッチング素子を1つのモノシリックICとして集積し、パネル10は1080本の走査電極を備えているものとする。すなわち、12石の走査IC(1)〜走査IC(12)を用いて走査パルス発生回路52を構成し、n=1080本の走査電極SC1〜走査電極SCnを駆動するものとする。このように多数のスイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHn、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnをIC化することにより部品点数を削減し、実装面積を低減することができる。ただし、ここに挙げた数値は単なる一例であり、本発明は何らこれらの数値に限定されるものではない。
そして、書込み動作時には、まず、走査電極SC1〜走査電極SC90に接続された走査IC(1)を動作させ、その後に、走査電極SC91〜走査電極SC180に接続された走査IC(2)を動作させ、以降、走査IC(3)から走査IC(12)までを順次動作させる。
走査IC(1)は、制御信号OC1が「Lo」に維持されたまま、走査開始信号SID(1)が「Lo」から「Hi」に変化すると、次の動作を開始する。まず、スイッチング素子QH1をオフ、スイッチング素子QL1をオンにし、スイッチング素子QL1を経由して走査電極SC1に走査パルス電圧Vaを印加する。走査電極SC1での書込みが終了した後は、スイッチング素子QH1をオン、スイッチング素子QL1をオフにし、引き続き、スイッチング素子QH2をオフ、スイッチング素子QL2をオンにし、スイッチング素子QL2を経由して走査電極SC2に走査パルス電圧Vaを印加する。走査IC(1)はこの一連の動作を順次行い、走査電極SC1〜走査電極SC90に順次走査パルス電圧Vaを印加して、動作を終了する。
以降、制御信号OC1を「Lo」に維持したまま、走査開始信号SID(3)〜走査開始信号SID(12)を順次「Lo」から「Hi」に変化させることで、走査IC(3)〜走査IC(12)から、順次走査パルスを出力させることができる。なお、本実施の形態では、走査IC(n−1)は、走査IC(n−1)に入力される走査開始信号SID(n−1)を、シフトレジスター等を使って遅延させ、走査開始信号SID(n)にして出力し、次段の走査IC(n)に供給する構成としている。しかし、タイミング発生回路45から走査開始信号SID(n)を出力させる構成としてもかまわない。
また、初期化波形発生回路51または維持パルス発生回路52を動作させているときは、スイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHnをオフ、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnをオンにすることにより、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnを経由して各走査電極SC1〜走査電極SCnに初期化波形または維持パルスを印加する。
なお、スイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHnおよびスイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnの切換えは、上述したように、走査開始信号SID、制御信号SEL、制御信号OC1、制御信号OC2、制御信号OC3により行われる。
次に、本実施の形態における走査電極群について説明する。上述したように、本実施の形態では、1つのサブフィールド期間において、1相駆動動作と多相駆動動作とを選択的に行うことができるが、ここでは、多相駆動動作として3相駆動動作を行う場合を例に挙げて説明を行う。
図6は、本発明の実施の形態1における走査電極群の区分けの一例を示す概略図である。なお、図6では、パネル10と走査IC55との接続の様子を簡略的に表しており、パネル10内において破線で区切られた領域は、1つの走査IC55により駆動される複数(ここでは、90本)の走査電極が配置された領域を表す。また、表示電極対24は、図2と同様に、図面における左右方向に延長して配列されているものとする。そして、走査IC55の出力は、一般に用いられているフレキシブル配線板56により走査電極SC1〜走査電極SCnに接続されているものとする。
3相駆動動作を行う場合、図6に示すように、パネル10の表示領域を3つの領域に分け、1つの領域に含まれる複数の走査電極を1つの走査電極群として、走査電極SC1〜走査電極SCnを3つの走査電極群、すなわち、第1の走査電極群、第2の走査電極群、第3の走査電極群に分けて駆動を行う。例えば、走査電極数n=1080であれば、走査電極SC1〜走査電極SC360を第1の走査電極群とし、走査電極SC361〜走査電極SC720を第2の走査電極群とし、走査電極721〜走査電極SC1080を第3の走査電極群とする。そして、1つの走査IC55に接続される走査電極数が90本であれば、走査電極SC1から走査電極SC90までは第1の走査IC(1)に接続され、走査電極SC91から走査電極SC180までは第2の走査IC(2)に接続され、このように走査電極は90本づつ走査ICに接続される。そして走査電極SC1〜走査電極SC360に接続された走査IC(1)〜走査IC(4)を第1の走査IC群とし、走査電極SC361〜走査電極SC720に接続された走査IC(5)〜走査IC(8)を第2の走査IC群とし、走査電極SC721〜走査電極SC1080に接続された走査IC(9)〜走査IC(12)を第3の走査IC群とする。そして、タイミング発生回路45から供給されるタイミング信号により走査IC群毎に異なる駆動波形を発生させるものとする。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作の概要について説明する。まず、図7を用いて1相駆動動作時における各電極に印加する駆動波形を示し、続いて、図8を用いて多相駆動動作時における各電極に印加する駆動波形を示す。なお、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールド期間を時間軸上で複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドに輝度重みをそれぞれ設定し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。
このサブフィールド法では、例えば、1フィールドを8つのサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第8SF)で構成し、各サブフィールドはそれぞれ1、2、4、8、16、32、64、128の輝度重みを有する構成とすることができる。また、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間においては全ての放電セルに初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行い、他のサブフィールドの初期化期間においては維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させることが可能である。
そして、本実施の形態では、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第8SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。これにより、画像の表示に関係のない発光は第1SFにおける全セル初期化動作の放電にともなう発光のみとなり、維持放電を発生させない黒表示領域の輝度である黒輝度は全セル初期化動作における微弱発光だけとなって、コントラストの高い画像表示が可能となる。また、各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24のそれぞれに印加する。
しかし、本実施の形態は、サブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが上記の値に限定されるものではなく、また、画像信号等にもとづいてサブフィールド構成を切換える構成であってもよい。
図7は、本発明の実施の形態1の走査電極駆動回路43の1相駆動動作におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。
なお、図7には、書込み期間において最初に走査を行う走査電極SC1、書込み期間において最後に走査を行う走査電極SCn、維持電極SU1〜維持電極SUn、およびデータ電極D1〜データ電極Dmの駆動波形を示す。
また、図7には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち全セル初期化動作を行うサブフィールド(以下、「全セル初期化サブフィールド」と呼称する)の第1サブフィールド(第1SF)と、選択初期化動作を行うサブフィールド(以下、「選択初期化サブフィールド」と呼称する)の第2サブフィールド(第2SF)とを示す。なお、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形は、維持期間における維持パルス数が異なる以外は第2SFの駆動電圧波形とほぼ同様である。また、以下における走査電極SCi、維持電極SUi、データ電極Dkは、各電極の中から画像データにもとづき選択された電極を表す。
まず、全セル初期化サブフィールドである第1SFについて説明する。
第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜データ電極Dm、維持電極SU1〜維持電極SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧(以下、「上りランプ波形」と呼称する)L1を印加する。
この上りランプ波形L1が上昇する間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとの間、および走査電極SC1〜走査電極SCnとデータ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜データ電極Dm上部および維持電極SU1〜維持電極SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。この電極上部の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜維持電極SUnには正の電圧Ve1を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmには0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える負の電圧(Va+Vset2)に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧(以下、「下りランプ波形」と呼称する)L2を印加する。この間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとの間、および走査電極SC1〜走査電極SCnとデータ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜維持電極SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜データ電極Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。
続く書込み期間では、走査電極SC1〜走査電極SCnに対しては順次走査パルス電圧を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmに対しては発光させるべき放電セルに対応するデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加して、各放電セルに選択的に書込み放電を発生させる。
この書込み期間では、まず維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜走査電極SCnに電圧Vc(Vc=Va+Vscn)を印加する。
そして、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜データ電極Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に放電が発生する。また、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を印加しているため、維持電極SU1上と走査電極SC1上との電圧差は、外部印加電圧の差である(Ve2−Va)に維持電極SU1上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなる。このとき、電圧Ve2を、放電開始電圧をやや下回る程度の電圧値に設定することで、維持電極SU1と走査電極SC1との間を、放電には至らないが放電が発生しやすい状態とすることができる。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に発生する放電を引き金にして、データ電極Dkと交差する領域にある維持電極SU1と走査電極SC1との間に放電を発生させることができる。こうして、発光させるべき放電セルに書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作を行う。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜データ電極Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで順次行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
この維持期間では、まず走査電極SC1〜走査電極SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜維持電極SUnにベース電位となる接地電位、すなわち0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。
そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜走査電極SCnにはベース電位となる0(V)を、維持電極SU1〜維持電極SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとに輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを交互に印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間の最後には、維持電極SU1〜維持電極SUnを0(V)に戻した後、ベース電位となる0(V)から放電開始電圧を超える電圧Versに向かって上昇する傾斜波形電圧(以下、「消去ランプ波形」と呼称する)L3を走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する。すると、維持放電を起こした放電セルの維持電極SUiと走査電極SCiとの間で微弱な消去放電が発生する。この消去放電で発生した荷電粒子は、維持電極SUiと走査電極SCiとの間の電圧差を緩和するように、維持電極SUi上および走査電極SCi上に壁電荷となって蓄積されていく。これにより、データ電極Dk上の正の壁電荷を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁電圧は、走査電極SCiに印加した電圧と放電開始電圧の差、すなわち(電圧Vers−放電開始電圧)の程度まで弱められる。
その後、走査電極SC1〜走査電極SCnを0(V)に戻し、維持期間における維持動作を終了する。
第2SFの初期化期間では、第1SFにおける初期化期間の前半部を省略した駆動電圧波形を各電極に印加する。すなわち、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜データ電極Dmに0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnに放電開始電圧以下となる電圧(例えば、0(V))から負の電圧(Va+Vset4)に向かって緩やかに下降する下りランプ波形L4を印加する。
これにより前のサブフィールド(図7では、第1SF)の維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部および維持電極SUi上部の壁電圧が弱められ、データ電極Dk(k=1〜m)上部の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電が起こらなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷の状態がそのまま保たれる。このように第2SFにおける初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して初期化放電を行う選択初期化動作となる。
なお、第1SFの下りランプ波形L2におけるVset2は、第2SFの下りランプ波形におけるVset4よりも小さい電圧に設定する。これは、電圧(Va+Vset2)を電圧(Va+Vset4)よりも小さい電圧に設定することで、第1SFにおける初期化放電、すなわち1フィールド期間における最初の初期化放電を確実に発生させるためである。
第2SFの書込み期間においては、走査電極SC1〜走査電極SCn、維持電極SU1〜維持電極SUnおよびデータ電極D1〜データ電極Dmに対して第1SFの書込み期間と同様の駆動波形を印加する。
第2SFの維持期間においては、第1SFの維持期間と同様に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとに予め定められた数の維持パルスを交互に印加する。これにより、書込み期間において書込み放電を発生させた放電セルで維持放電を発生させる。
また、第3SF以降のサブフィールドでは、走査電極SC1〜走査電極SCn、維持電極SU1〜維持電極SUnおよびデータ電極D1〜データ電極Dmに対して、維持期間における維持パルス数が異なる以外は第2SFと同様の駆動波形を印加する。
以上が、1相駆動動作時にパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。次に、多相駆動動作時に各電極に印加する駆動波形について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1の走査電極駆動回路43の多相駆動動作におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。なお、図8には、多相駆動動作の一例として、3相駆動動作を例に挙げて各電極に印加する駆動波形を示す。
また、図8には、書込み期間の最初に走査を行う走査電極として第1の走査電極群に属する走査電極SC1を、書込み期間のほぼ中間時点で走査を行う走査電極として第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2を、書込み期間の最後に走査を行う走査電極として第3の走査電極群に属する走査電極SCnを示しており、それとともに、維持電極SU1〜維持電極SUn、データ電極D1〜データ電極Dmの駆動波形を示す。
また、図8に示すランプ波形L1〜ランプ波形L4は、図7のランプ波形L1〜ランプ波形L4と同様である。
本実施の形態における多相駆動動作(ここでは、3相駆動動作)では、走査電極群毎に異なる駆動波形を印加する。
第1SFの初期化期間の前半部における動作は、第1の走査電極群、第2の走査電極群、第3の走査電極群の各走査電極ともに、図7に示した1相駆動動作時における第1SFの初期化期間の前半部と同様の動作であるので、説明を省略する。
第1SFの初期化期間の後半部では、第1の走査電極群の各走査電極においては、図7に示した1相駆動動作時における第1SFの初期化期間の前半部と同様の動作を行い、下りランプ波形L2を印加する。
一方、第2の走査電極群および第3の走査電極群の各走査電極には、電圧Vi3から負の電圧(Va+Vset5)に向かって緩やかに下降する下りランプ波形L5を印加する。ここで、本実施の形態では、Vset5をVset2(例えば、6(V))およびVset4(例えば、10(V))よりも高い電圧(例えば、70(V))に設定する。
このように、第1の走査電極群の各走査電極に印加する下りランプ波形L2が電圧(Va+Vset2)まで下降するのに対して、第2の走査電極群および第3の走査電極群の各走査電極に印加する下りランプ波形L5は電圧(Va+Vset2)よりも高い電圧(Va+Vset5)までしか下降しない。そのため、第2の走査電極群により構成される第2の放電セル群および第3の走査電極群により構成される第3の放電セル群の各放電セルにおいては、下りランプ波形による初期化放電によって移動する電荷の量が第1の放電セル群の各放電セルに比べて少ない。それにより、下りランプ波形による初期化放電後、第2の放電セル群および第3の放電セル群の各放電セルには、第1の放電セル群の各放電セルより多くの壁電荷が残存する。
続く書込み期間では、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜走査電極SCnに電圧Vc(Vc=Va+Vscn)を印加する。そして、第1の走査電極群(例えば、n=1080であれば、走査電極SC1〜走査電極SC360)の各走査電極に対して、図7で説明したのと同様の手順で、順次走査パルスを印加する。
第1の走査電極群の各走査電極への走査が終了した後、本実施の形態においては、図8に示すように、第2の走査電極群の各走査電極に電圧Vcから負の電圧(Va+Vset3)に向かって緩やかに下降する下りランプ波形L6を印加する。
上述したように、初期化期間において第2の走査電極群の各走査電極に印加した下りランプ波形L5は負の電圧(Va+Vset5)までしか下降させておらず、そのため、第2の放電セル群の各放電セルは第1の放電セル群の各放電セルより多くの壁電荷が残存する。したがって、Vset3をVset5(例えば、70(V))よりも十分に小さい電圧(例えば、8(V))に設定することで、下りランプ波形L6を下りランプ波形L5よりも十分に低い電位まで下降させることができ、これにより、第2の放電セル群の各放電セルに初期化放電を発生させることができる。
すなわち、第2の放電セル群の各放電セルにおいては、第2の走査電極群の各走査電極への走査の直前に初期化放電を発生させることができる。
なお、図8には、第2の走査電極群の各走査電極に下りランプ波形L6を印加するのと同タイミングで第1の走査電極群および第3の走査電極群の各走査電極にも下りランプ波形を印加する波形図を記載しているが、これらの下りランプ波形は発生させなくとも駆動上は何ら問題ない。しかし、走査電極駆動回路43の構成上、これらの下りランプ波形を発生させないようにすることが困難な場合には、次のようにする。
まず、第1の走査電極群の各走査電極に関しては、図8に示すように下りランプ波形L6をそのまま印加してもかまわない。第1の放電セル群の各放電セルにおいては、初期化期間において電圧(Va+Vset2)まで下降する下りランプ波形L2を第1の走査電極群の各走査電極に印加して初期化放電を発生させている。そのため、電圧(Va+Vset2)とほぼ同電位である電圧(Va+Vset3)まで下降する下りランプ波形L6を第1の走査電極群の各走査電極に印加しても、第1の放電セル群の各放電セルに再度初期化放電が発生する恐れはない。したがって、第1の走査電極群の各走査電極に関しては、下りランプ波形L6をそのまま印加しても何ら問題ない。
一方、第3の走査電極群の各走査電極に印加する下りランプ波形に関しては、図8に示すように、下りランプ波形の下降を負の電圧(Va+Vset5)で停止させ、下りランプ波形L7とする。第3の放電セル群の各放電セルにおいては、初期化期間において電圧(Va+Vset5)まで下降する下りランプ波形L5を第3の走査電極群の各走査電極に印加して初期化放電を発生させている。そのため、電圧(Va+Vset5)と同電位で下降を停止させる下りランプ波形L7であれば、第3の走査電極群の各走査電極に印加しても、第3の放電セル群の各放電セルに初期化放電が発生する恐れはなく、何ら問題ない。
そして、第2の走査電極群の各走査電極に下りランプ波形L6を印加した後、第2の走査電極群(例えば、n=1080であれば、走査電極SC361〜走査電極SC720)の各走査電極に対して、図7で説明したのと同様の手順で、順次走査パルスを印加する。
第2の走査電極群の各走査電極への走査が終了した後は、図8に示すように、第3の走査電極群の各走査電極に電圧Vcから負の電圧(Va+Vset3)に向かって緩やかに下降する下りランプ波形L8を印加する。
第3の走査電極群の各走査電極に関しては、それ以前に印加した下りランプ波形L5および下りランプ波形L7は負の電圧(Va+Vset5)までしか下降させておらず、そのため、電圧(Va+Vset3)まで下降させる下りランプ波形L8を印加することで、第3の放電セル群の各放電セルに初期化放電を発生させることができる。これにより、第3の放電セル群の各放電セルにおいては、第3の走査電極群の各走査電極への走査の直前に初期化放電を発生させることができる。
なお、図8には、第3の走査電極群の各走査電極に下りランプ波形L8を印加するのと同タイミングで第1の走査電極群および第2の走査電極群の各走査電極にも下りランプ波形を印加する波形図を記載しているが、これらの下りランプ波形は発生させなくとも駆動上は何ら問題ない。しかし、走査電極駆動回路43の構成上、これらの下りランプ波形を発生させないようにすることが困難な場合には、図8に示すように下りランプ波形L8をそのまま第1の走査電極群および第2の走査電極群の各走査電極に印加してもよい。第1の放電セル群の各放電セルにおいては、すでに初期化期間において電圧(Va+Vset2)まで下降する下りランプ波形L2を第1の走査電極群の各走査電極に印加して初期化放電を発生させており、また、第2の放電セル群の各放電セルにおいては、すでに電圧(Va+Vset3)まで下降する下りランプ波形L6を第2の走査電極群の各走査電極に印加して初期化放電を発生させている。したがって、下りランプ波形L8を第1の走査電極群および第2の走査電極群の各走査電極に印加しても、第1の放電セル群および第2の放電セル群の各放電セルに再度初期化放電が発生する恐れはなく、何ら問題ない。
なお、第2の走査電極群の各走査電極に下りランプ波形L6を印加する期間および第3の走査電極群の各走査電極に下りランプ波形L8を印加する期間は、データ電極D1〜データ電極Dmに書込みパルスは印加しない。
続く維持期間における動作は、第1の走査電極群、第2の走査電極群、第3の走査電極群の各走査電極ともに、図7に示した1相駆動動作時における第1SFの維持期間と同様の動作であるので、説明を省略する。
第2SFの初期化期間における動作は、第1の走査電極群の各走査電極においては、図7に示した1相駆動動作時における第2SFの初期化期間と同様の動作であるので、説明を省略する。第2の走査電極群および第3の走査電極群の各走査電極における動作は、多相駆動動作時における第1SFの初期化期間の後半部の動作とほぼ同様であり、接地電位電圧から負の電圧(Va+Vset5)に向かって緩やかに下降する下りランプ波形L9を印加する。
また、第2SFの書込み期間における動作も、多相駆動動作時における第1SFの書込み期間の動作と同様であるので、説明を省略する。
また、第3SF以降のサブフィールドでは、走査電極SC1〜走査電極SCn、維持電極SU1〜維持電極SUnおよびデータ電極D1〜データ電極Dmに対して、維持期間における維持パルス数が異なる以外は第2SFと同様の駆動波形を印加する。
次に、走査電極駆動回路43の動作と下りランプ波形の発生について、図9から図13を用いて説明する。まず、図9を用いて全セル初期化期間における初期化波形および下りランプ波形L2を発生する場合の動作を説明し、次に、図10を用いて下りランプ波形L5を発生する場合の動作を説明し、次に、図11を用いて下りランプ波形L6(下りランプ波形L8)を発生する場合の動作を説明し、次に、図12を用いて下りランプ波形L7を発生する場合の動作を説明し、次に、図13を用いて下りランプ波形L4を発生する場合の動作を説明する。
なお、図9から図13では、電圧Vi1、電圧Vi3は電圧Vsに等しいものとし、電圧Vi2は電圧Vrに等しいものとして説明する。
図9は、本発明の実施の形態1における全セル初期化期間の走査電極駆動回路43の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。なお、ここでは、全セル初期化動作を行う駆動電圧波形を期間T1、期間T2、期間T3、期間T41で示した4つの期間に分割し、それぞれの期間について説明する。
なお、下りランプ波形L2を発生するときには、比較器CP1において、基準電位A、すなわち初期化波形発生回路51から出力される駆動波形電圧と電圧(Va+Vset2)とを比較させ、その比較結果を制御信号OC2として出力させる。そのために、全ての走査IC55において、制御信号SELを「Lo」にし、スイッチング素子SW1はオンにし、スイッチング素子SW2、スイッチング素子SW3はオフにする。なお、図9は、1相駆動動作を説明するタイミングチャートであるが、多相駆動動作において下りランプ波形L2を発生させる走査IC55においても、同様の動作をするものとする。
(期間T1)
まず、維持パルス発生回路52の電力回収回路を動作させ走査電極SC1〜走査電極SCnの電圧を上昇させる。その後、維持パルス発生回路52のクランプ回路を動作させ、走査電極SC1〜走査電極SCnの電位を電圧Vs(本実施の形態では、電圧Vi1と等しい)にする。
(期間T2)
次に、上りランプ波形を発生するミラー積分回路53の入力端子IN1を「Hi」にする。具体的には入力端子IN1に、例えば電圧15(V)を印加する。すると、抵抗R1からコンデンサC1に向かって一定の電流が流れ、スイッチング素子Q1のソース電圧がランプ状に上昇し、走査電極駆動回路43の出力電圧もランプ状に上昇し始める。そしてこの電圧上昇は、入力端子IN1が「Hi」の間継続する。
この出力電圧が電圧Vr(本実施の形態では、電圧Vi2と等しい)まで上昇したら、その後、入力端子IN1を「Lo」にする。具体的には入力端子IN1に、例えば電圧0(V)を印加する。
このようにして、放電開始電圧以下となる電圧Vs(本実施の形態では、電圧Vi1と等しい)から、放電開始電圧を超える電圧Vr(本実施の形態では、電圧Vi2と等しい)に向かって緩やかに上昇する上りランプ波形電圧を走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する。
(期間T3)
入力端子IN1を「Lo」にすると走査電極SC1〜走査電極SCnの電圧が電圧Vs(本実施の形態では、電圧Vi3と等しい)まで低下する。
(期間T41)
次に、下りランプ波形電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2を「Hi」にする。具体的には入力端子IN2に、例えば電圧15(V)を印加する。すると、抵抗R2からコンデンサC2に向かって一定の電流が流れ、スイッチング素子Q2のドレイン電圧がランプ状に下降し、走査電極駆動回路43の出力電圧もランプ状に下降し始める。
このとき、比較器CP1では、この基準電位Aにおける下りランプ波形と、電圧Vaに電圧Vset2が加えられた電圧(Va+Vset2)とが比較されており、比較器CP1からの出力信号、すなわち制御信号OC2は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset2)以下となる時刻t41において「Lo」から「Hi」に切換わる。
なお、スイッチング素子SW4がオンであれば、比較器CP2からは、基準電位Aにおける下りランプ波形と電圧(Va+Vset5)との比較結果が制御信号OC3として出力され、制御信号OC3は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset5)以下のときに、「Hi」となる。しかし、制御信号SELが「Lo」なので、走査IC55は、制御信号OC2にもとづき動作する。
走査IC55は、制御信号OC2が「Hi」であり制御信号SELが「Lo」であれば入力端子INbに入力される信号を出力するので、これにより、走査電極駆動回路43の出力電圧は電圧Vcとなり、下りランプ波形は電圧(Va+Vset2)で下降を停止する下りランプ波形L2となる。
そして、初期化期間が終了する直前に、入力端子IN2に、例えば電圧0(V)を印加して、入力端子IN2を「Lo」にする。
以上のようにして、走査電極駆動回路43は、走査電極SC1〜走査電極SCnに対して、放電開始電圧以下となる電圧Vi1から放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する上りランプ波形を発生させ、その後、電圧Vi3から電圧(Va+Vset2)に向かって緩やかに下降する下りランプ波形L2を発生させて走査電極SC1〜走査電極SCnに印加することができる。
次に、図10を用いて下りランプ波形L5を発生する場合の動作を説明する。図10は、本発明の実施の形態1における全セル初期化期間の走査電極駆動回路43の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャートであり、多相駆動動作において下りランプ波形L5を発生させる動作を説明するタイミングチャートである。なお、図10において、期間T1〜期間T3の動作は図9に示した動作と同様であるので、ここでは、図9に示した期間T41と動作の異なる期間T42について説明する。
なお、下りランプ波形L5を発生するときには、比較器CP2において、基準電位A、すなわち初期化波形発生回路51から出力される駆動波形電圧と電圧(Va+Vset5)とを比較させ、その比較結果を制御信号OC3として出力させる。そのために、多相駆動動作時に下りランプ波形L5を発生させる走査IC55において、制御信号SELは「Hi」にする。
(期間T42)
下りランプ波形電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2を「Hi」にすると、走査電極駆動回路43の出力電圧がランプ状に下降し始める。
このとき、比較器CP2では、この基準電位Aにおける下りランプ波形と、電圧Vaに電圧Vset5が加えられた電圧(Va+Vset5)とが比較されており、比較器CP2からの出力信号、すなわち制御信号OC3は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset5)以下となる時刻t42において「Lo」から「Hi」に切換わる。なお、スイッチング素子SW1がオンであれば比較器CP1からは、基準電位Aにおける下りランプ波形と電圧(Va+Vset2)との比較結果が制御信号OC2として出力される。しかし、制御信号OC2は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset2)以下のときに、「Hi」となるので、時刻t42では、制御信号OC2は「Lo」のままである。
走査IC55は、制御信号SELが「Hi」なので、制御信号OC3が「Lo」から「Hi」に切換わった時点の出力電圧を保持して出力する。これにより、走査電極駆動回路43から出力される下りランプ波形は電圧(Va+Vset5)で下降を停止する下りランプ波形L5となる。そして、ミラー積分回路54により降下される基準電位Aの電位が電圧(Va+Vset2)以下となった時点で制御信号OC2は「Hi」となり、同タイミングで制御信号SELを「Lo」にする。これにより、走査電極駆動回路43の出力電圧は電圧Vcとなる。
次に、図11を用いて下りランプ波形L6を発生する場合の動作を説明する。図11は、本発明の実施の形態1における書込み期間の走査電極駆動回路43の動作の一例を説明するためのタイミングチャートであり、多相駆動動作において下りランプ波形L6を発生させる動作を説明するタイミングチャートである。
なお、図9、図10では全セル初期化期間の走査電極駆動回路43の動作を説明したが、下りランプ波形L6および次に説明する下りランプ波形L7は書込み期間において発生させる波形であるため、図11および図12では、書込み期間において下りランプ波形を発生させる際の走査電極駆動回路43の動作を説明する。
下りランプ波形L6を発生するときには、比較器CP1において、基準電位A、すなわち初期化波形発生回路51から出力される駆動波形電圧と電圧(Va+Vset3)とを比較させ、その比較結果を制御信号OC2として出力させる。そのために、多相駆動動作時に下りランプ波形L6を発生させる走査IC55において、制御信号SELは「Lo」にし、スイッチング素子SW2はオンにし、スイッチング素子SW1、スイッチング素子SW3はオフにする。
(期間T43)
下りランプ波形電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2を「Hi」にすると、走査電極駆動回路43の出力電圧がランプ状に下降し始める。
このとき、比較器CP1では、この基準電位Aにおける下りランプ波形と、電圧Vaに電圧Vset3が加えられた電圧(Va+Vset3)とが比較されており、比較器CP1からの出力信号、すなわち制御信号OC2は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset3)以下となる時刻t43において「Lo」から「Hi」に切換わる。
なお、スイッチング素子SW4がオンであれば、比較器CP2からは、基準電位Aにおける下りランプ波形と電圧(Va+Vset5)との比較結果が制御信号OC3として出力され、制御信号OC3は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset5)以下のときに、「Hi」となる。しかし、制御信号SELが「Lo」なので、走査IC55は、制御信号OC2にもとづき動作する。
これにより、走査電極駆動回路43の出力電圧は時刻t43で電圧Vcとなり、下りランプ波形は電圧(Va+Vset3)で下降を停止する下りランプ波形L6となる。なお、ここでは、下りランプ波形L8を下りランプ波形L6と同様の波形形状としているので、下りランプ波形L6を発生させるのと同様の手順で走査電極駆動回路43を制御することにより下りランプ波形L8を発生させることができる。
次に、図12を用いて下りランプ波形L7を発生する場合の動作を説明する。図12は、本発明の実施の形態1における書込み期間の走査電極駆動回路43の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャートであり、多相駆動動作において下りランプ波形L7を発生させる動作を説明するタイミングチャートである。
下りランプ波形L7を発生するときには、比較器CP2において、基準電位A、すなわち初期化波形発生回路51から出力される駆動波形電圧と電圧(Va+Vset5)とを比較させ、その比較結果を制御信号OC3として出力させる。そのために、多相駆動動作時に下りランプ波形L7を発生させる走査IC55において、制御信号SELは「Hi」にする。
(期間T44)
下りランプ波形電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2を「Hi」にすると、走査電極駆動回路43の出力電圧がランプ状に下降し始める。
このとき、比較器CP2では、この基準電位Aにおける下りランプ波形と、電圧Vaに電圧Vset5が加えられた電圧(Va+Vset5)とが比較されており、比較器CP2からの出力信号、すなわち制御信号OC3は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset5)以下となる時刻t44において「Lo」から「Hi」に切換わる。なお、スイッチング素子SW2がオンであれば比較器CP1からは、基準電位Aにおける下りランプ波形と電圧(Va+Vset3)との比較結果が制御信号OC2として出力される。しかし、制御信号OC2は、下りランプ波形が電圧(Va+Vset3)以下のときに、「Hi」となるので、時刻t44では、制御信号OC2は「Lo」のままである。
走査IC55は、制御信号SELが「Hi」なので、制御信号OC3が「Lo」から「Hi」に切換わった時点の出力電圧を保持して出力する。これにより、走査電極駆動回路43から出力される下りランプ波形は電圧(Va+Vset5)で下降を停止する下りランプ波形L7となる。そして、ミラー積分回路54により降下される基準電位Aの電位が電圧(Va+Vset3)以下となった時点で制御信号OC2は「Hi」となり、同タイミングで制御信号SELを「Lo」にする。これにより、走査電極駆動回路43の出力電圧は電圧Vcとなる。
次に、図13を用いて下りランプ波形L4を発生する場合の動作を説明する。図13は、本発明の実施の形態1における選択初期化期間の走査電極駆動回路43の動作の一例を説明するためのタイミングチャートであり、多相駆動動作において下りランプ波形L4を発生させる動作を説明するタイミングチャートである。
なお、図9、図10では全セル初期化期間の走査電極駆動回路43の動作を説明したが、下りランプ波形L6は選択初期化期間において発生させる波形であるため、図13では、選択初期化期間において下りランプ波形を発生させる際の走査電極駆動回路43の動作を説明する。
下りランプ波形L4を発生するときには、比較器CP1において、基準電位A、すなわち初期化波形発生回路51から出力される駆動波形電圧と電圧(Va+Vset4)とを比較させ、その比較結果を制御信号OC2として出力させる。そのために、1相駆動動作時は全ての走査IC55において、多相駆動動作時は下りランプ波形L4を発生させる走査IC55において、制御信号SELは「Lo」にし、スイッチング素子SW3はオンにし、スイッチング素子SW1、スイッチング素子SW2はオフにする。
(期間T45)
下りランプ波形電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2を「Hi」にすると、走査電極駆動回路43の出力電圧がランプ状に下降し始める。
このとき、比較器CP1では、この基準電位Aにおける下りランプ波形と、電圧Vaに電圧Vset3が加えられた電圧(Va+Vset4)とが比較されており、比較器CP1からの出力信号、すなわち制御信号OC2は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset4)以下となる時刻t45において「Lo」から「Hi」に切換わる。
なお、スイッチング素子SW4がオンであれば、比較器CP2からは、基準電位Aにおける下りランプ波形と電圧(Va+Vset5)との比較結果が制御信号OC3として出力され、制御信号OC3は、基準電位Aにおける下りランプ波形が電圧(Va+Vset5)以下のときに、「Hi」となる。しかし、制御信号SELが「Lo」なので、走査IC55は、制御信号OC2にもとづき動作する。
これにより、走査電極駆動回路43の出力電圧は時刻t45で電圧Vcとなり、下りランプ波形は電圧(Va+Vset4)で下降を停止する下りランプ波形L4となる。
なお、選択初期化期間において発生させる下りランプ波形L9は、下りランプ波形L7とほぼ同様の波形形状であり、下りランプ波形L7を発生させるのと同様の手順で走査電極駆動回路43を制御することにより下りランプ波形L9を発生させることができる。
以上のように構成した本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1では、高精細化されたパネル10においても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み動作を行うことができる。次に、この効果について、説明する。
図14は、本発明の実施の形態1における1相駆動動作を行うときに安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)と走査の順番との関係を示す概略図である。図14(a)は、1相駆動動作を行うときの安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)と走査の順番との関係を示す概略特性図であり、横軸は走査電極SC1〜走査電極SCnの走査の順番を表し、縦軸は各放電セルにおいて安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を表す。また、図14(b)は、1相駆動動作を行うときに走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する駆動波形を示す波形図であり、書込み期間に最初に走査を行う走査電極SC1、書込み期間のほぼ中間時点で走査を行う走査電極SCn/2、書込み期間の最後に走査を行う走査電極SCnにおける駆動波形を示す。なお、図14は、安定した書き込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)と、初期化動作後の時間経過との関連を調べてグラフ化して示した図であり、走査パルス電圧を走査電極毎に変えているわけではない。
そして、図14(a)に示すように、各放電セルにおいて、走査の順番が遅くなるほど、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)は大きくなる。本発明者が行った実験では、最初に走査を行う放電セルと比較して最後に走査を行う放電セルでは、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)は約34(V)も上昇した。
これは、初期化期間に初期化放電よって放電セルに形成された壁電荷が、時間の経過とともに徐々に減少するためと考えられる。その原因の1つに、書込みパルスが書込み期間中(表示画像に応じて)各データ電極に印加されるため、走査が行われていない放電セルにも書込みパルス電圧が印加されるといったことが挙げられる。また、他の放電セルに書込み放電を発生させるためにデータ電極に印加される書込みパルスの影響を受けることによっても、壁電荷は減少する。したがって、走査の順番が遅い放電セルほどより多くの壁電荷は減少し、その分、走査パルス電圧(振幅)を大きくしなければならなくなると考えられる。
図15は、本発明の実施の形態1における多相駆動動作(ここでは、3相駆動動作)を行うときに安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)と走査の順番との関係を示す概略図である。図15(a)は、3相駆動動作を行うときの安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)と走査の順番との関係を示す概略特性図であり、横軸は走査電極SC1〜走査電極SCnの走査の順番を表し、縦軸は各放電セルにおいて安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を表す。なお、図15(a)に破線で示す特性は、図14(a)にも示した1相駆動動作時に安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)である。また、図15(b)は、3相駆動動作を行うときに走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する駆動波形を示す波形図であり、書込み期間の最初に走査を行う走査電極であり第1の走査電極群に属する走査電極SC1、書込み期間のほぼ中間時点で走査を行う走査電極であり第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2、書込み期間の最後に走査を行う走査電極であり第3の走査電極群に属する走査電極SCnにおける駆動波形を示す。
本実施の形態における多相駆動動作では、各走査電極群における走査を開始する直前に、各放電セル群毎に下りランプ波形による初期化放電を発生させている。例えば、3相駆動動作であれば、第1の放電セル群の各放電セルにおいては第1の走査電極群の各走査電極の走査を開始する直前に下りランプ波形L2(第2SF以降は下りランプ波形L4)による初期化放電を発生させ、第2の放電セル群の各放電セルにおいては第2の走査電極群の各走査電極の走査を開始する直前に下りランプ波形L6による初期化放電を発生させ、第3の放電セル群の各放電セルにおいては第3の走査電極群の各走査電極の走査を開始する直前に下りランプ波形L8による初期化放電を発生させている。
この初期化放電により放電セル内の壁電荷を適正な状態にすることができるので、図15(a)に実線で示すように、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を、各放電セル群毎に低減することが可能となる。そして、本発明者が行った実験では、書込み期間の最後に走査を行う放電セルにおいて、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を、3相駆動動作時には1相駆動動作時と比較して約27(V)低減することができた。
以上説明したように、本実施の形態においては、書込み期間に走査電極群の数に応じた数の下りランプ波形を発生させて上述した多相駆動動作を行うことにより、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を低減することが可能となり、書込み放電が不安定になりやすい走査の順番が遅い放電セルにおいても駆動に必要な印加電圧を高くすることなく、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、多相駆動動作の一例として、3相駆動動作を説明したが、本発明は何ら3相駆動動作に限定されるものではない。図16は、本発明の実施の形態1における4相駆動動作時の駆動波形の一例を示す波形図である。例えば、パネル10の表示領域を4分割して走査電極群の数を4つにし、多相駆動動作の相の数(以下、「相数」と略記する)を4つにして4相駆動動作を行う構成としてもよい。あるいは、パネル10の表示領域を5分割、あるいはそれ以上の数に分割して、走査電極群の数を5つ、あるいはそれ以上とし、多相駆動動作の相数を5相、あるいはそれ以上にしてもよい。
ここで、多相駆動動作の相数を変更することで、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)も変化する。図17は、本発明の実施の形態1における多相駆動動作時の相数と安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)との関係を示す特性図である。図16において、横軸は多相駆動動作の相数を表し、縦軸は各相数における安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を表す。
そして、図17に示すように、3相駆動動作よりも4相駆動動作、4相駆動動作よりも5相駆動動作と、相数を多くすることで、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)をより低減することができる。ただし、その効果は徐々に飽和し、6相駆動動作以上ではほぼ一定となる。一方、相数を増やすほど書込み期間に発生させる下りランプ波形の数は増えるので、書込み期間に要する時間は長くなる。したがって、多相駆動動作の相数は、走査パルス電圧(振幅)の低減効果、サブフィールド構成、パネルの特性およびプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて、最適に設定することが望ましい。
なお、本実施の形態における図8では、第1SF、第2SFにおいて多相駆動動作(3相駆動動作)を行う例を説明したが、実用上は、輝度重みが小さく発生させる維持パルスが少ないサブフィールドにおいては、維持期間が短く初期化期間から次の初期化期間までの時間間隔が短いため、1相駆動動作であっても何ら問題ない。また、1相駆動動作では、書込み期間に下りランプ波形を発生させないので、書込み期間の延長は発生せず、駆動に要する時間を多相駆動動作と比較して短くすることができる。そこで、サブフィールド毎の輝度重みに応じて1相駆動動作と多相駆動動作とを切換える構成としてもよい。図18は、本発明の実施の形態1における各サブフィールドと相数との対応の一例を示す対応図である。例えば、図18に示すように、1フィールドを8のサブフィールドで構成し、各サブフィールドはそれぞれ1、2、4、8、16、32、64、128の輝度重みを有するとすれば、輝度重みが比較的小さいサブフィールド(例えば、第1SF〜第4SF)では1相駆動動作を行い、輝度重みが比較的大きいサブフィールド(例えば、第5SF〜第8SF)では多相駆動動作(例えば、3相駆動動作)を行う構成としてもよい。これにより、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、下りランプ波形L5、下りランプ波形L7、下りランプ波形L9を、下りランプ波形の電圧が電圧(Va+Vset5)に到達した後、その電圧を一定期間保持するような波形形状として示した。しかし、これは、走査電極駆動回路43の回路構成上、このような波形形状になったものに過ぎず、本実施の形態は何らこの波形形状に限定されるものではない。図19は、本発明の実施の形態1における全セル初期化期間の走査電極駆動回路43の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャートであり、図20は、本発明の実施の形態1における書込み期間の走査電極駆動回路43の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャートである。例えば、図19および図20に示すように、下りランプ波形の電圧が電圧(Va+Vset5)に到達した後、すぐに電圧Vcに切換わるような波形を出力する回路構成であってもかまわない。
なお、本実施の形態では、多相駆動動作において走査電極群を区分けする際に、走査電極SC1〜走査電極SCnを等分する構成を説明したが、何らこの構成に限定されるものではなく、走査電極群毎に走査電極数に差があってもかまわない。
なお、本実施の形態では、下りランプ波形L6と下りランプ波形L8とを同じ波形形状として説明したが、必ずしも同じ波形形状である必要はなく、下りランプ波形電圧の到達電位に差があってもかまわない。
なお、本実施の形態では、電圧Vset2を6(V)とし、電圧Vset3を8(V)とし、電圧Vset4を10(V)とし、電圧Vset5を70(V)としたが、これらの数値は単なる一例に過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて最適な電圧値に設定すればよい。
また、図9から図13および図19、図20に示したタイミングチャートは実施の形態における一例を示したものに過ぎず、何らこれらのタイミングチャートに限定されるものではない。
(実施の形態2)
図21は、本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置2の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置2は、実施の形態1において図3に示したプラズマディスプレイ装置1の構成に、さらにAPL検出回路47を備えた構成としている。
APL検出回路47は、画像データの輝度値を1フレーム期間もしくは1フィールド期間にわたり累積加算する等の一般に用いられている手法により、表画像信号sigの平均輝度レベル(Average Picture Level:以下、「APL」略記する)を検出する。そして、検出したAPLを示す信号をタイミング発生回路45へ出力する。
タイミング発生回路45は、水平同期信号H、垂直同期信号VおよびAPL検出回路47によって検出されたAPLにもとづき各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロック(画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43および維持電極駆動回路44)へ供給する。
図22は、本発明の実施の形態2におけるAPLと輝度倍率の関係を示す特性図である。
本実施の形態では、図22に示すように、APL100%の画像を表示するときの維持パルスの輝度倍率を1倍にし、APL20%以下の画像を表示するときの輝度倍率を5倍にして、APL100%の画像表示からAPL20%の画像表示に至るまで輝度倍率を1倍から5倍へと徐々に大きくしている。なお、本実施の形態では、このときの輝度倍率1倍から5倍までを120段階に分けて行っている。
このように、表示する画像のAPLが低くなるにつれて輝度倍率を大きくしているのは、APLが低い場合に輝度倍率を上げることで、発生させる維持パルスの総数を大きくし、暗い画像をより明るく表示することが可能となるからである。APLが低い画像では、全体的に輝度値が低くかったり、また、全体的に輝度値が低い中に一部輝度値の高い領域が存在するような画像であることが多いため、輝度を上げることで暗い部分と明るい部分との輝度差をさらに大きくすることができ、よりダイナミックな迫力のある画像を表示することが可能となる。
一方、APLが高い画像は全体的に輝度値の高い画像となるため、仮に輝度倍率を大きくして輝度を上げても全体的に明るくなるだけで画像のダイナミックさはそれほど大きくは変わらない。さらに、APLが高い画像で輝度をさらに上げるとその分消費電力が増大するといった問題も生じる。
これらの理由により、本実施の形態では、図22に示すようにAPLに応じて輝度倍率を変化させる構成としている。これにより、消費電力を抑えつつ、ダイナミックで迫力のある画像を表示することが可能となる。
ここで、APLが高い画像では、図22に示すように輝度倍率が下がるため、発生させる維持パルスの総数が減り、駆動時間に余裕が生じる。そこで、本実施の形態では、パネル10の表示領域を2つの領域に分割し走査電極群の数を2つにして行う2相駆動動作と、パネルの表示領域を3つ以上の領域に分割して走査電極群の数を3つ以上とし、3相以上で行う多相駆動動作との少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて走査電極を駆動するように構成するとともに、APL検出回路47によって検出されたAPLに応じて上述した少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて走査電極SC1〜走査電極SCnを駆動する構成とする。
図23は、本発明の実施の形態2における各サブフィールドおよびAPLと相数との対応の一例を示す対応図である。なお、図23に示した「1」、「2」、「3」の数字はそれぞれ、1相駆動動作、2相駆動動作、3相駆動動作を表す。また、ここでは、1フィールドを8のサブフィールドで構成し、各サブフィールドはそれぞれ1、2、4、8、16、32、64、128の輝度重みを有するものとする。
例えば、図23に示すように、低APL(ここでは、APL60%未満)の画像を表示するときには、輝度重みの比較的小さい第1SFから第3SFまでを1相駆動動作とし、輝度重みの比較的大きい第4SFから第8SFまでを2相駆動動作とする。また、高APL(ここでは、APL60%以上)の画像を表示するときには、第1SFから第5SFまでは低APLの画像を表示するときと同様の駆動動作とし、第6SFから第8SFまでを2相駆動動作から3相駆動動作に変更する。次に、このような駆動を行う理由について説明する。
図24は、本発明の実施の形態2におけるAPLおよび多相駆動動作の相数と安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)との関係を示す特性図である。なお、図24には、1相駆動動作、2相駆動動作、3相駆動動作における特性を示す。また、図24において、横軸はAPLを、縦軸は安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を表し、また、1相駆動動作における特性を点線で、2相駆動動作における特性を破線で、3相駆動動作における特性を一点鎖線で示す。
図24に示すように、いずれの駆動動作においても、APLが高くなるほど安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)も大きくなる。これは、APLが高いほど、点灯する放電セルの割合が増え、それにより、壁電荷の減少する割合が増えるためと考えられる。また、いずれのAPLにおいても、相数を増やすほど、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)は低減される。
例えば、APL100%における安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)は、1相駆動動作において約145(V)であるのに対し、2相駆動動作においては約125(V)と約20(V)低減され、3相駆動動作においては約118(V)とさらに約7(V)低減される。
このように多相駆動動作の相数を大きくするほど、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)は低減されるが、一方で、相数を増やすほど書込み期間に発生させる下りランプ波形の数は増え、書込み期間に要する時間は長くなる。そして、各サブフィールドの書込み期間に割り当てることのできる時間の上限は、1フィールド期間の長さ、サブフィールド構成(サブフィールド数、各サブフィールドの輝度重み等)、輝度倍率等によって決まるため、各書込み期間に割り当てる時間はその上限以下の長さにしなければならない。
そこで、輝度重みおよび輝度倍率の変化による維持期間の長さの変化を考慮して、多相駆動動作を行うサブフィールド、多相駆動動作の相数、多相駆動動作の相数を切換えるAPLを決定するものとする。
そして、本実施の形態においては、例えば、輝度倍率が2倍以上となるAPL60%未満の画像を表示するときには、第1SFから第3SFまでを1相駆動動作とし、第4SFから第8SFまでを2相駆動動作とする。そして、輝度倍率が2倍以下となるAPL60%以上の画像を表示するときには、第1SFから第5SFまではAPL60%未満の画像を表示するときと同様の駆動動作とし、第6SFから第8SFまでを2相駆動動作から3相駆動動作に変更するものとする。
なお、走査電極駆動回路43の設計時には、必要な走査パルス電圧(振幅)の最大値を考慮して、駆動電圧の電圧値等を設定しなければならない。そこで、必要な走査パルス電圧(振幅)の最大値にもとづき、多相駆動動作の相数を切換えるAPLを設定するようにしてもよい。例えば、3相駆動動作と2相駆動動作とを切換える構成では、3相駆動動作における必要な走査パルス電圧(振幅)の最大値(図24では、APL100%のときの約118(V))を基準とし、2相駆動動作時の必要な走査パルス電圧(振幅)が、その基準以下となるAPL(図24では、APL60%)を考慮して、3相駆動動作と2相駆動動作とを切換えるAPLを設定してもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、APL検出回路47において検出されたAPLにもとづき多相駆動動作を切換える構成とすることで、画像信号のAPLに応じて輝度倍率を変更するような駆動を行うプラズマディスプレイ装置において、書込み期間に要する時間を抑えつつ、安定した書込み動作を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、1相駆動動作を行うサブフィールドはAPLにかかわらず一定とし、また、低APLと高APLとで多相駆動動作を2相駆動動作と3相駆動動作とで切換える構成を説明したが、本発明は何らこの構成に限定されるものではない。図25は、本発明の実施の形態2における各サブフィールドおよびAPLと相数との対応の他の一例を示す対応図である。なお、図25に示した「1」、「2」、「3」、「4」の数字はそれぞれ、1相駆動動作、2相駆動動作、3相駆動動作、4相駆動動作を表す。また、ここでは、1フィールドを8のサブフィールドで構成し、各サブフィールドはそれぞれ1、2、4、8、16、32、64、128の輝度重みを有するものとする。例えば、図25(a)に示すように、低APLの画像を表示するときには、第1SFから第5SFまでを1相駆動動作とするとともに第6SFから第8SFまでを2相駆動動作とし、高APLの画像を表示するときには、第1SFから第3SFまでおよび第6SFから第8SFまでは低APLの画像を表示するときと同様の駆動動作とし、第4SFおよび第5SFを1相駆動動作から3相駆動動作に変更する構成としてもよい。また、図25(b)に示すように、APLを低APL(例えば、APL40%未満)、中APL(例えば、APL40%以上60%未満)、高APL(例えば、APL60%以上)の3つの領域に分け、低APLの画像を表示するときには、第1SFから第3SFまでを1相駆動動作とするとともに第4SFから第8SFまでを2相駆動動作とし、中APLの画像を表示するときには、第1SFから第5SFまでは低APLの画像を表示するときと同様の駆動動作とし、第6SFから第8SFを2相駆動動作から3相駆動動作に変更し、高APLの画像を表示するときには、第1SFから第4SFまでおよび第6SFは中APLの画像を表示するときと同様の駆動動作とし、第5SFを2相駆動動作から3相駆動動作に変更し、第7SFおよび第8SFを3相駆動動作から4相駆動動作に変更する構成としてもよい。または、さらに細かくAPLを区分けする構成としてもよい。
なお、本実施の形態において示したAPL値や多相駆動動作の相数、サブフィールド数、走査パルス電圧(振幅)等の具体的な数値は単なる一例であり、本発明は、何らこれらの数値に限定されるものではない。
また、本実施の形態では図22に示したように輝度倍率の最大値を5倍とする構成を説明をしたが、これは、輝度重みと維持パルスのパルス幅および維持期間に割り当てることのできる時間長等との関係において上限値が定められているに過ぎず、何らこの数値に限定されるものではない。上述した各数値や輝度倍率の最大値および輝度倍率とAPLとの関係等は、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて最適に設定すればよい。
なお、本発明における実施の形態の他の例としては、多相駆動動作を行うサブフィールド、多相駆動動作の相数およびAPLのしきい値等を決定する際に、所定の条件を用いて重み付けする構成としてもよい。この重み付けの例としては、例えば、パネルの温度分布を検出しその検出結果を反映させるといったことが考えられる。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極と走査電極とが隣り合い、維持電極と維持電極とが隣り合う電極構造、すなわち前面板21に設けられる電極の配列が、「・・・走査電極、走査電極、維持電極、維持電極、走査電極、走査電極、・・・」となる電極構造(以下、「ABBA電極構造」と呼称する)のパネルにおいても、有効である。
なお、本発明の実施の形態において示した具体的な各数値は、50インチ、表示電極対数1080対のパネルの特性にもとづき設定したものであって、実施の形態における一例を示したものに過ぎない。本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではなく、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて最適に設定することが望ましい。また、これらの各数値は、上述した効果を得られる範囲でのばらつきを許容するものとする。また、走査IC55の動作を説明する際に示した各制御信号の極性は、単なる一例であり、説明で示した極性とは逆の極性であってもかまわない。
なお、本発明の実施の形態では、消去ランプ波形電圧を走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する構成を説明したが、消去ランプ波形電圧を維持電極SU1〜維持電極SUnに印加する構成とすることもできる。あるいは、消去ランプ波形電圧ではなく、いわゆる細幅消去パルスにより消去放電を発生させる構成としてもよい。
本発明は、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧を高くすることなく、安定した書込み放電を発生させることができるので、プラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法として有用である。
本発明の実施の形態1におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの電極配列図 本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路の回路図 本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路の走査ICと走査電極との接続の様子を示す概略図 本発明の実施の形態1における走査電極群の区分けの一例を示す概略図 本発明の実施の形態1の走査電極駆動回路の1相駆動動作におけるパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 同走査電極駆動回路の多相駆動動作におけるパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の実施の形態1における全セル初期化期間の走査電極駆動回路の動作の一例を説明するためのタイミングチャート 同走査電極駆動回路の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャート 本発明の実施の形態1における書込み期間の走査電極駆動回路の動作の一例を説明するためのタイミングチャート 同走査電極駆動回路の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャート 本発明の実施の形態1における選択初期化期間の走査電極駆動回路43の動作の一例を説明するためのタイミングチャート 本発明の実施の形態1における1相駆動動作を行うときに安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)と走査の順番との関係を示す概略図 本発明の実施の形態1における多相駆動動作(3相駆動動作)を行うときに安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)と走査の順番との関係を示す概略図 本発明の実施の形態1における4相駆動動作時の駆動波形の一例を示す波形図 本発明の実施の形態1における多相駆動動作時の相数と安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)との関係を示す特性図 本発明の実施の形態1における各サブフィールドと相数との対応の一例を示す対応図 本発明の実施の形態1における全セル初期化期間の走査電極駆動回路の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャート 本発明の実施の形態1における書込み期間の走査電極駆動回路の動作の他の一例を説明するためのタイミングチャート 本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の実施の形態2におけるAPLと輝度倍率の関係を示す特性図 本発明の実施の形態2における各サブフィールドおよびAPLと相数との対応の一例を示す対応図 本発明の実施の形態2におけるAPLおよび多相駆動動作の相数と安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)との関係を示す特性図 本発明の実施の形態2における各サブフィールドおよびAPLと相数との対応の他の一例を示す対応図
符号の説明
1,2 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25,33 誘電体層
26 保護層
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
47 APL検出回路
50 維持パルス発生回路
51 初期化波形発生回路
52 走査パルス発生回路
53,54 ミラー積分回路
55 走査IC
56 フレキシブル配線板
CP1,CP2 比較器

Claims (10)

  1. 走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、
    初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けるとともに、前記初期化期間において緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を発生させて前記走査電極を駆動する走査電極駆動回路とを備え、
    前記走査電極駆動回路は、
    前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を少なくとも3つの領域に分け、1つの前記領域に含まれる複数の前記走査電極を1つの走査電極群として前記走査電極を少なくとも3つの走査電極群に分け、1つのサブフィールドにおいて、全ての走査電極に同じ駆動波形を印加する1相駆動動作と、前記走査電極群毎に異なる駆動波形を印加する多相駆動動作とを選択的に行い、
    前記多相駆動動作時には、
    第1の走査電極群への書込み動作終了後であり、かつ第2の走査電極群への書込み動作開始前に前記第2の走査電極群に前記下り傾斜波形電圧を印加し、
    前記第2の走査電極群への書込み動作終了後であり、かつ第3の走査電極群への書込み動作開始前に前記第3の走査電極群に前記下り傾斜波形電圧を印加するように、
    前記書込み期間に前記走査電極群の数に応じた数の前記下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 前記走査電極駆動回路は、前記下り傾斜波形電圧における最低電圧を、電圧値の異なる複数の電圧で切換えて発生させるとともに、
    前記多相駆動動作時の前記初期化期間においては、
    前記書込み期間に最初に書込みを行う前記走査電極群を除く前記走査電極群の各走査電極に印加する前記下り傾斜波形電圧の最低電圧を、前記書込み期間に最初に書込みを行う前記走査電極群の各走査電極に印加する前記下り傾斜波形電圧の最低電圧よりも高くして前記下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記走査電極駆動回路は、前記維持期間に、サブフィールド毎に設定された輝度重みに応じた回数の維持パルスを発生させ、
    前記輝度重みに応じて前記1相駆動動作と前記多相駆動動作とを切換えることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 画像信号の平均輝度レベルを検出するAPL検出回路を備え、
    前記走査電極駆動回路は、前記APL検出回路により検出された平均輝度レベルに応じて、前記プラズマディスプレイパネルの表示領域の分割数を変更して前記走査電極群の数を変更し前記多相駆動動作の相の数を変更することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  5. 前記走査電極駆動回路は、前記多相駆動動作を行う際に、前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を2つの領域に分割し前記走査電極群の数を2つにして行う2相駆動動作と、前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を3つ以上の領域に分割して前記走査電極群の数を3つ以上とし、3相以上で行う多相駆動動作との少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて前記走査電極を駆動するとともに、前記APL検出回路により検出された平均輝度レベルに応じて、前記少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて前記走査電極を駆動することを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
  6. 走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルを、
    初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けるとともに、前記初期化期間において緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を発生させて前記走査電極を駆動するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を少なくとも3つの領域に分け、1つの前記領域に含まれる複数の前記走査電極を1つの走査電極群として前記走査電極を少なくとも3つの走査電極群に分け、1つのサブフィールドにおいて、全ての走査電極に同じ駆動波形を印加する1相駆動動作と、前記走査電極群毎に異なる駆動波形を印加する多相駆動動作とを選択的に行い、
    前記多相駆動動作時には、
    第1の走査電極群への書込み動作終了後であり、かつ第2の走査電極群への書込み動作開始前に前記第2の走査電極群に前記下り傾斜波形電圧を印加し、
    前記第2の走査電極群への書込み動作終了後であり、かつ第3の走査電極群への書込み動作開始前に前記第3の走査電極群に前記下り傾斜波形電圧を印加するように、
    前記書込み期間に前記走査電極群の数に応じた数の前記下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  7. 前記下り傾斜波形電圧における最低電圧を、電圧値の異なる複数の電圧で切換えて発生させるとともに、
    前記多相駆動動作時の前記初期化期間においては、
    前記書込み期間に最初に書込みを行う前記走査電極群を除く前記走査電極群の各走査電極に印加する前記下り傾斜波形電圧の最低電圧を、前記書込み期間に最初に書込みを行う前記走査電極群の各走査電極に印加する前記下り傾斜波形電圧の最低電圧よりも高くして前記下り傾斜波形電圧を発生させることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  8. 前記維持期間に、サブフィールド毎に設定された輝度重みに応じた回数の維持パルスを発生させ、
    前記輝度重みに応じて前記1相駆動動作と前記多相駆動動作とを切換えることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  9. 画像信号の平均輝度レベルを検出し、
    検出された前記平均輝度レベルに応じて、前記プラズマディスプレイパネルの表示領域の分割数を変更して前記走査電極群の数を変更し前記多相駆動動作の相の数を変更することを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  10. 前記多相駆動動作を行う際に、前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を2つの領域に分割し前記走査電極群の数を2つにして行う2相駆動動作と、前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を3つ以上の領域に分割して前記走査電極群の数を3つ以上とし、3相以上で行う多相駆動動作との少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて前記走査電極を駆動するとともに、検出された前記平均輝度レベルに応じて、前記少なくとも2種類の多相駆動動作を切換えて前記走査電極を駆動することを特徴とする請求項9に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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