JP2010020044A - プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマディスプレイ装置において、走査パルス電圧を高くすることなく、安定した書込み放電を発生させる。
【解決手段】走査電極を第1の走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、初期化期間において第1の走査電極群と第1の走査電極群以外の走査電極群とで異なる波形形状の下り傾斜電圧を発生させて走査電極を駆動する走査電極駆動回路を備え、走査電極駆動回路は、下り傾斜電圧の最低電圧の設定に用いる設定電圧Bを発生するシャントレギュレータ56を有し、設定電圧Bを抵抗分割して発生させた電圧をシャントレギュレータ56のリファレンス端子にフィードバックして印加するとともに、抵抗分割を構成する抵抗間に電流発生回路82の出力電流を流し込むことで複数の異なる電圧値で設定電圧Bを発生させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては一般にサブフィールド法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。サブフィールド法では、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドで各放電セルを発光または非発光させることにより階調表示を行う。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
初期化期間では、各走査電極に初期化波形を印加し、各放電セルで初期化放電を発生させる。それにより、各放電セルにおいて、続く書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。
書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加(以下、この動作を「走査」とも記す)するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加する(以下、これらの動作を総称して「書込み」とも記す)。それにより、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を発生させ、選択的に壁電荷を形成する。
続く維持期間では、表示させるべき輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に印加する。それにより、書込み放電による壁電荷形成が行われた放電セルで選択的に放電を起こし、その放電セルを発光させる。これにより画像表示を行う。
複数の走査電極は走査電極駆動回路により駆動され、複数の維持電極は維持電極駆動回路により駆動され、複数のデータ電極はデータ電極駆動回路により駆動される。
特開2006−18298号公報
書込み期間では、上述したように、複数の走査電極に走査パルスを順次印加して走査を行う。したがって、複数の放電セルのうち走査パルスが印加される順番が遅い放電セルにおいては、初期化波形が印加されてから走査パルスが印加されるまでの時間が長くなる。
初期化放電よって放電セルに形成される壁電荷は、時間の経過とともに徐々に減少する。そのため、書込みの順番が遅い放電セルでは、その放電セルに走査パルスおよび書込みパルスが印加されるまでに壁電荷が減少し、書込み放電の放電不良が発生する場合がある。特に、高精細化されたパネルでは、走査電極数の増加により書込みに費やす時間がさらに長くなってしまうため、書込み期間の最後の方に書込みがなされる放電セルにおいては壁電荷の減少はさらに大きくなり、書込み放電が不安定になりやすい。
放電を安定に発生させるためには、電極に印加する駆動電圧を上げればよいが、これは、消費電力を増大させる一因となる。
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることが可能なプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマディスプレイ装置は、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド内に複数設けて階調表示するサブフィールド法で駆動し、複数の走査電極を有するパネルと、走査電極を第1の走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、初期化期間において第1の走査電極群と第1の走査電極群以外の走査電極群とで最低電圧が異なる下り傾斜電圧を走査電極に印加する走査電極駆動回路とを備え、走査電極駆動回路は、下り傾斜電圧の最低電圧を設定する設定電圧を発生するシャントレギュレータと出力電流の電流値を変更可能な電流発生回路とを有し、第1の抵抗と第2の抵抗とで設定電圧を抵抗分割するとともに抵抗分割で発生させた電圧をシャントレギュレータにフィードバックし、かつ、第1の抵抗と第2の抵抗との電気的な接続点に電流発生回路の出力電流を流し込み、電流発生回路から出力する出力電流の電流値を変更することで抵抗分割で発生させる電圧を変更して設定電圧を変更することを特徴とする。
これにより、第1の走査電極群以外の走査電極群により構成される放電セル群、例えば、第2の走査電極群により構成される第2の放電セル群に、書込み動作を開始する前に下り傾斜電圧による初期化放電を発生させることができるので、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることが可能となる。また、複数の異なる電圧で発生させる設定電圧を、比較的簡単な回路構成で、温度変化による電圧変動を低減して安定に発生させることができる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、複数の走査電極を備えたパネルを、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド内に複数設けて階調表示するサブフィールド法で駆動するとともに、走査電極を第1の走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、初期化期間において第1の走査電極群と第1の走査電極群以外の走査電極群とで異なる波形形状の下り傾斜電圧を走査電極に印加するパネルの駆動方法であって、下り傾斜電圧の最低電圧を設定する設定電圧をシャントレギュレータを用いて発生させ、設定電圧を抵抗分割して発生させた電圧をシャントレギュレータにフィードバックするとともに、抵抗分割を構成する抵抗間に出力電流の電流値を変更可能な電流発生回路で発生させた出力電流を流し込むことで複数の異なる電圧値で設定電圧を発生させることを特徴とする。
これにより、第1の走査電極群以外の走査電極群により構成される放電セル群、例えば、第2の走査電極群により構成される第2の放電セル群に、書込み動作を開始する前に下り傾斜電圧による初期化放電を発生させることができるので、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることが可能となる。また、複数の異なる電圧で発生させる設定電圧を、比較的簡単な回路構成で、温度変化による電圧変動を低減して安定に発生させることができる。
本発明によれば、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることができるプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
また、保護層26は、放電セルにおける放電開始電圧を下げるために、パネルの材料として使用実績があり、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数が大きく耐久性に優れたMgOを主成分とする材料から形成されている。
背面板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして、内部の放電空間には、ネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。なお、本実施の形態では、発光効率を向上させるためにキセノン分圧を約10%とした放電ガスを用いている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。また、放電ガスの混合比率も上述した数値に限られるわけではなく、その他の混合比率であってもよい。
図2は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜走査電極SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜維持電極SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜データ電極Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。そして、m×n個の放電セルが形成された領域がパネル10の表示領域となる。
次に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置1の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置1は、パネル10、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、制御信号発生回路45、および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路41は、パネル10の画素数に応じて、入力された画像信号sigをサブフィールド毎の発光・非発光を示すサブフィールドデータに変換する。
制御信号発生回路45は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vにもとづき各回路ブロックの動作を制御する各種の制御信号を発生し、それぞれの回路ブロック(画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43および維持電極駆動回路44)へ供給する。
データ電極駆動回路42は、サブフィールド毎のサブフィールドデータを各データ電極D1〜データ電極Dmに対応する信号に変換し、制御信号発生回路45から供給される制御信号にもとづいて各データ電極D1〜データ電極Dmを駆動する。
走査電極駆動回路43は、初期化期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する初期化波形を発生する初期化波形発生回路、維持期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する維持パルスを発生する維持パルス発生回路、複数の走査電極駆動IC(以下、「走査IC」と略記する)を備え書込み期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する走査パルスを発生する走査パルス発生回路52を有する。そして、制御信号発生回路45から供給される制御信号にもとづいて各走査電極SC1〜走査電極SCnをそれぞれ駆動する。
維持電極駆動回路44は、維持パルス発生回路および電圧Ve1、電圧Ve2を発生する回路(図示せず)を備え、制御信号発生回路45から供給される制御信号にもとづいて維持電極SU1〜維持電極SUnを駆動する。
なお、本実施の形態における走査電極駆動回路43は、後述するように、走査電極SC1〜走査電極SCnを2つの走査電極群に分け、各走査電極群で異なる初期化波形を印加する駆動(以下、「2相駆動」と記す)動作を行う。
また、制御信号発生回路45は、2相駆動動作のための制御信号を発生し、発生した制御信号を走査電極駆動回路43へ供給する。それにより、走査電極駆動回路43は、走査電極SC1〜走査電極SCnを2相駆動動作で駆動する。
次に、走査電極駆動回路43について説明する。図4は、本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路43の回路図である。
図4に示すように、走査電極駆動回路43は、維持パルスを発生する維持パルス発生回路50、初期化波形を発生する初期化波形発生回路51、走査パルスを発生する走査パルス発生回路52を備え、走査パルス発生回路52のそれぞれの出力はパネル10の走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに接続されている。なお、図4には、負の電圧Vaを用いた回路(例えば、ミラー積分回路54)を動作させているときに、維持パルス発生回路50および電圧Vrを用いた回路(例えば、ミラー積分回路53)を電気的に分離するために設けたスイッチング素子Q4を用いた分離回路を示している。また、以下の説明においてスイッチング素子を導通させる動作を「オン」、遮断させる動作を「オフ」と表記し、スイッチング素子をオンさせる信号を「Hi」、オフさせる信号を「Lo」と表記する。
維持パルス発生回路50は、一般に用いられている電力回収回路とクランプ回路とを備え(図示せず)、制御信号発生回路45から出力される制御信号にもとづき内部に備えた各スイッチング素子を切換えて維持パルスを発生する。また、上昇する傾斜電圧を発生させるためのミラー積分回路(図示せず)を備え、維持期間の最後に、後述する消去ランプ電圧を発生する。
初期化波形発生回路51は、スイッチング素子Q1とコンデンサC1と抵抗R1とを有し走査パルス発生回路52の基準電位Aをランプ状に上昇させるミラー積分回路53、スイッチング素子Q2とコンデンサC2と抵抗R2とを有し走査パルス発生回路52の基準電位Aをランプ状に降下させるミラー積分回路54を備えている。そして、ミラー積分回路53は初期化動作時に上昇する傾斜電圧を発生し、ミラー積分回路54は初期化動作時に下降する傾斜電圧を発生する。なお、図4には、ミラー積分回路53の入力端子を入力端子IN1、ミラー積分回路54の入力端子を入力端子IN2として示している。また、基準電位Aとは、後述する走査IC55の低電圧側の入力端子INaに接続された経路における電位のことである。
なお、本実施の形態では、初期化波形発生回路51に、実用的であり比較的構成が簡単なFETを用いたミラー積分回路を採用しているが、本実施の形態は何らこの構成に限定されるものではなく、基準電位Aをランプ状に上昇または降下させることができる回路であればどのような回路であってもよい。
走査パルス発生回路52は、走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに走査パルスを出力する複数の走査IC55(例えば、走査IC(1)〜走査IC(12))と、書込み期間において基準電位Aを負の電圧Vaに接続するためのスイッチング素子Q5と、基準電位Aに電圧Vscnを重畳した電圧Vcを走査IC55の高電圧側(入力端子INb)に印加するためのダイオードD31およびコンデンサC31と、2つの入力端子に入力される入力信号の大小を比較する比較器CP1および比較器CP2と、比較器CP1の一方の入力端子に印加する電圧を発生させるVset発生回路80と、複数の走査IC55のうちの1つ(例えば、走査IC(7))を制御するための制御信号SID(図4には、制御信号SID(1)として示す)と比較器CP2の出力信号CPOとの論理和演算を行うオアゲートORと、複数の走査IC55(例えば、走査IC(1)〜走査IC(6))を制御するための制御信号OC1とオアゲートORの出力信号との論理積演算を行うアンドゲートAGとを備えている。
また、Vset発生回路80は、負の電圧Vaに電圧Vset2を重畳する電源、電圧Vset3を重畳する電源、および電圧Vset4を重畳する電源と、比較器CP1に電圧(Va+Vset2)を印加するスイッチング素子SW1、電圧(Va+Vset3)を印加するスイッチング素子SW2、および電圧(Va+Vset4)を印加するスイッチング素子SW3とを有する。そして、比較器CP1は、一方の入力端子がVset発生回路80に接続され、他方の入力端子が基準電位Aに接続されている。また、比較器CP2は、一方の入力端子が電圧(Va+Vset5)に接続され、他方の入力端子が基準電位Aに接続されている。
走査IC55は、低電圧側の入力端子である入力端子INaと高電圧側の入力端子である入力端子INbとの2つの入力端子と、各走査電極22のそれぞれに接続する複数の出力端子とを有し、制御信号にもとづき、2つの入力端子に入力される電圧のいずれかを各出力端子から出力する。
なお、本実施の形態では、走査IC55を2つの群、すなわち第1の走査IC群(例えば、走査IC(1)〜走査IC(6))と、第2の走査IC群(例えば、走査IC(7)〜走査IC(12))とに分けて走査電極22を駆動する構成としており、第1の走査IC群と第2の走査IC群とで異なる制御信号を入力している。そして、第1の走査IC群に属する走査IC55(例えば、走査IC(1)〜走査IC(6))には、制御信号として、書込み期間に制御信号発生回路45から出力される制御信号OC1を入力する。また、第1の走査IC群のうち最初に走査を開始する走査IC55(例えば、走査IC(1))には、書込み期間に制御信号発生回路45から出力される走査開始信号SIU(1)を入力する。また、第2の走査IC群に属する走査IC55(例えば、走査IC(7)〜走査IC(12))には、制御信号として、アンドゲートAGから出力される制御信号OC1’を入力する。また、第2の走査IC群のうち最初に走査を開始する走査IC55(例えば、走査IC(7))には、書込み期間に制御信号発生回路45から出力される走査開始信号SID(1)を入力する。なお、全ての走査IC55(例えば、走査IC(1)〜走査IC(12))には、比較器CP1から出力される制御信号OC2、および信号処理動作の同期をとるための同期信号であるクロック信号CLK(図示せず)を共通して入力する。
図5は、本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路43の走査IC55と走査電極SC1〜走査電極SCnとの接続の様子を示す概略図である。なお、図5では、走査IC55以外の回路は省略している。
走査パルス発生回路52は、n本の走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに走査パルス電圧を印加するためのスイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHnおよびスイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnを備えている。スイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHn、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnは複数の出力毎にまとめられIC化されている。このICが走査IC55である。
例えば、90出力分のスイッチング素子を1つのモノシリックICとして集積化し、パネル10が1080本の走査電極22(走査電極SC1〜走査電極SCn、n=1080)を備えているとすると、12個の走査IC55(走査IC(1)〜走査IC(12))を用いて走査パルス発生回路52を構成することができる。このような構成では、例えば書込み期間に、まず走査電極SC1〜走査電極SC90に接続された走査IC(1)を動作させ、次に走査電極SC91〜走査電極SC180に接続された走査IC(2)を動作させ、以降、走査IC(3)から走査IC(12)までを順次動作させることで、一連の書込み動作を行うことができる。なお、走査IC55は、初期化期間には初期化波形発生回路51が発生する駆動電圧を出力し、維持期間には維持パルス発生回路50が発生する駆動電圧を出力するように、制御信号発生回路45によって制御されるものとする。
このように多数のスイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHn、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnをIC化することにより部品点数を削減し、実装面積を低減することができる。ただし、本実施の形態に挙げる数値は単なる一例に過ぎず、本発明は何らこれらの数値に限定されるものではない。
なお、上述したように、本実施の形態においては、走査IC55を第1の走査IC群と第2の走査IC群とに分けて走査電極SC1〜走査電極SCnを駆動しており、第1の走査IC群に属する走査IC55(例えば、走査IC(1)〜走査IC(6))に接続されている第1の走査電極群(例えば、走査電極SC1〜走査電極SC540)と、第2の走査IC群に属する走査IC55(例えば、走査IC(7)〜走査IC(12))に接続されている第2の走査電極群(例えば、走査電極SC541〜走査電極SC1080)とで、異なる波形形状の初期化波形を印加している。この詳細は後述する。
次に、走査IC55の動作について説明する。図6は、本発明の実施の形態1における制御信号OC1、制御信号OC2と第1の走査IC群に属する走査IC55の動作状態との対応関係を説明するための図である。なお、第2の走査IC群に属する走査IC55に関しては、制御信号OC1を制御信号OC1’に代えることで同様の動作状態になるものとする。
図6に示すように、制御信号OC1、制御信号OC2が共にハイレベル(以下、「Hi」と記す)のとき、走査IC55は、「All‐Hi」の状態、すなわち走査IC55の出力端子の全てが高電圧側の入力端子INbと電気的に接続された状態となる。
制御信号OC1が「Hi」、制御信号OC2がローレベル(以下、「Lo」と記す)のとき、走査IC55は、「All‐Lo」の状態、すなわち走査IC55の出力端子の全てが低電圧側の入力端子INaと電気的に接続された状態となる。例えば、維持パルス発生回路50を動作させているときは、制御信号OC1を「Hi」、制御信号OC2を「Lo」にすることで、スイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHnがオフ、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnがオンになり、維持パルス発生回路50から出力される維持パルスを、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnを経由して各走査電極SC1〜走査電極SCnに印加することができる。
制御信号OC1、制御信号OC2が共に「Lo」のとき、走査IC55は、出力端子がハイインピーダンス状態(以下、「HiZ」と記す)となる。
制御信号OC1が「Lo」、制御信号OC2が「Hi」のとき、走査IC55は、「DATA」状態、すなわち走査IC55に入力される走査開始信号にもとづきあらかじめ定められた一連の動作を行う状態となる。
具体的には、走査IC55に走査開始信号が入力されると(本実施の形態では、走査開始信号を所定の期間「Lo」にすると)、まず最初に、走査IC55の最初の出力端子だけが低電圧側の入力端子INaと電気的に接続され、残りの全ての出力端子は高電圧側の入力端子INbと電気的に接続される。その状態が所定時間(例えば、1μsec)継続された後、次に、走査IC55の2番目の出力端子だけが低電圧側の入力端子INaと電気的に接続され、残りの全ての出力端子は高電圧側の入力端子INbと電気的に接続される。このようにして、走査IC55の各出力端子が、順番に、所定時間ずつ、低電圧側の入力端子INaと電気的に接続されていく。本実施の形態では、書込み期間に走査IC55をこの動作状態にして走査パルス電圧Vaを順次発生させ、走査電極SC1〜走査電極SCnの走査を行う。なお、本実施の形態では、第1の走査IC群に属する走査IC55に入力する走査開始信号を走査開始信号SIUとし、第2の走査IC群に属する走査IC55に入力する走査開始信号を走査開始信号SIDとしている。
なお、本実施の形態では、第1の走査IC群のうち最初に走査を行う走査IC55(例えば、走査IC(1))に用いる走査開始信号SIU(1)、および第2の走査IC群のうち最初に走査を行う走査IC55(例えば、走査IC(7))に用いる走査開始信号SID(1)を制御信号発生回路45で発生させており、残りの走査開始信号、例えば、走査IC(2)に用いる走査開始信号SIU(2)から走査IC(6)に用いる走査開始信号SIU(6)までの各走査開始信号、および走査IC(8)に用いる走査開始信号SID(2)から走査IC(12)に用いる走査開始信号SID(6)までの各走査開始信号は、走査IC55のそれぞれで発生させている。
具体的な一例を挙げると、走査IC(1)は、走査IC(1)に接続された全ての走査電極22への走査が終了した後、シフトレジスター等を使って走査開始信号SIU(1)を所定時間遅延させて作成した走査開始信号SIU(2)を出力し、次段の走査IC(2)に供給する。走査IC(2)は、同様に、走査開始信号SIU(2)を所定時間遅延させて作成した走査開始信号SIU(3)を次段の走査IC(3)に供給する。以下、同様に、各走査IC55は、入力された走査開始信号を所定時間遅延させて新たな走査開始信号を作成し、次段の走査IC55に供給する。このような構成とすることで、走査開始信号SIU(2)〜走査開始信号SIU(6)および走査開始信号SID(2)〜走査開始信号SID(6)を制御信号発生回路45で発生させなくともよくなり、制御信号発生回路45と走査電極駆動回路43とを結ぶ制御信号のための配線の数を削減することができる。
また、本実施の形態では、第1の走査IC群と第2の走査IC群とで異なる波形形状の初期化波形を発生させており、そのために、第1の走査IC群に用いる制御信号OC1と第2の走査IC群に用いる制御信号OC1とで、制御信号を変えている。例えば、第1の走査IC群に用いる制御信号OC1に関しては制御信号発生回路45で発生させた信号を用い、第2の走査IC群に用いる制御信号OC1に関しては、アンドゲートAGで発生させた制御信号(第1の走査IC群に用いる制御信号OC1と区別するために、本実施の形態では、「制御信号OC1’」と記す)を用いる。さらに、制御信号OC2には、比較器CP1で発生させた信号を用いる。このように、制御信号OC1’および制御信号OC2を論理回路によって発生させることで、制御信号発生回路45で発生させる制御信号の数をさらに削減し、制御信号発生回路45と走査電極駆動回路43とを結ぶ制御信号のための配線の数をさらに削減することができる。
なお、制御信号OC2を出力する比較器CP1は、Vset発生回路80が発生する電圧(電圧(Va+Vset2)または電圧(Va+Vset3)または電圧(Va+Vset4))と基準電位Aとを比較し、基準電位Aの方が高い場合には「Lo」を、それ以外では「Hi」を出力して走査IC55(走査IC(1)〜走査IC(12))に供給する。また、制御信号OC1’の発生に用いる信号CPOを出力する比較器CP2は、電圧(Va+Vset5)と基準電位Aとを比較し、基準電位Aの方が高い場合には「Hi」を、それ以外では「Lo」を出力する。
そして、第1の走査IC群に属する走査IC55においてはこの制御信号OC2によって、また第2の走査IC群に属する走査IC55においては制御信号OC2、制御信号OC1’および走査開始信号SID(1)によって、下降する傾斜電圧の最低電圧を、複数の異なる電圧値で発生させることができる。これらの詳細は後述する。なお、スイッチング素子SW1〜スイッチング素子SW3のオン/オフは、制御信号発生回路45によって制御されるものとする。
次に、本実施の形態における走査電極群について説明する。図7は、本発明の実施の形態1における走査電極群の区分けの一例を示す概略図である。なお、図7では、パネル10と走査IC55との接続の様子を簡略的に表しており、パネル10内において点線で区切られた領域は、1つの走査IC55により駆動される複数(例えば、90本)の走査電極22が配置された領域を表す。また、表示電極対24は、図2と同様に、図面における左右方向に延長して配列されているものとする。そして、走査IC55の出力は、一般に用いられているフレキシブル配線板77により走査電極SC1〜走査電極SCnに接続されているものとする。
2相駆動動作を行う場合、図7に破線で示すように、パネル10の表示領域を2つの領域に分け、1つの領域に含まれる複数の走査電極22を1つの走査電極群として、走査電極SC1〜走査電極SCnを2つの走査電極群、すなわち、第1の走査電極群と第2の走査電極群とに分けて駆動を行う。例えば、走査電極数n=1080であれば、走査電極SC1〜走査電極SC540を第1の走査電極群とし、走査電極SC541〜走査電極SC1080を第2の走査電極群とする。以下、破線で囲まれた2つの領域を構成する放電セルを、それぞれ第1の放電セル群、第2の放電セル群とする。
例えば、1つの走査IC55に接続される走査電極数が90本であれば、走査電極SC1から走査電極SC90までを走査IC(1)に接続し、走査電極SC91から走査電極SC180までを走査IC(2)に接続する。このようにして、走査電極22を90本ずつ走査IC55に接続していく。そして、走査電極SC1〜走査電極SC540に接続された走査IC(1)〜走査IC(6)を第1の走査IC群とし、走査電極SC541〜走査電極SC1080に接続された走査IC(7)〜走査IC(12)を第2の走査IC群とする。そして、本実施の形態では、第1の走査IC群と第2の走査IC群とで異なる初期化波形を発生させるものとする。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作の概要について説明する。なお、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1は、サブフィールド法、すなわち1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドに輝度重みをそれぞれ設定し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行うものとする。
このサブフィールド法では、例えば、1フィールドを8つのサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第8SF)で構成し、各サブフィールドはそれぞれ1、2、4、8、16、32、64、128の輝度重みを有する構成とすることができる。この輝度重みとは、各サブフィールドに与えられる明るさの比重を表すものであり、輝度重みの大きいサブフィールドでは維持期間における維持放電の発生回数を多くして明るさの比重を大きくし、輝度重みの小さいサブフィールドでは維持期間における維持放電の発生回数を少なくして明るさの比重を小さくする。また、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間においては全ての放電セルに初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行い、他のサブフィールドの初期化期間においては維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させることが可能である。
そして、本実施の形態では、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第8SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。これにより、画像の表示に関係のない発光は第1SFにおける全セル初期化動作の放電にともなう発光のみとなり、維持放電を発生させない黒表示領域の輝度である黒輝度は全セル初期化動作における微弱発光だけとなって、コントラストの高い画像表示が可能となる。また、各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24のそれぞれに印加する。
しかし、本実施の形態は、サブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが上記の値に限定されるものではなく、また、画像信号等にもとづいてサブフィールド構成を切換える構成であってもよい。
図8は、本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路43の2相駆動動作においてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。
なお、図8には、書込み期間の最初に走査を行う走査電極22であり第1の走査電極群に属する走査電極SC1、第1の走査電極群のうち最後に走査を行う走査電極22である走査電極SCn/2(例えば、走査電極SC540)、第2の走査電極群のうち最初に走査を行う走査電極22である走査電極SCn/2+1(例えば、走査電極SC541)、および書込み期間の最後に走査を行う走査電極22であり第2の走査電極群に属する走査電極SCn(例えば、走査電極SC1080)の駆動電圧波形を示す。あわせて、維持電極SU1〜維持電極SUn、およびデータ電極D1〜データ電極Dmの駆動電圧波形を示す。
また、図8には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち全セル初期化動作を行うサブフィールド(以下、「全セル初期化サブフィールド」と呼称する)の第1サブフィールド(第1SF)と、選択初期化動作を行うサブフィールド(「選択初期化サブフィールド」と呼称する)の第2サブフィールド(第2SF)とを示す。なお、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形は、維持期間における維持パルス数が異なる以外は第2SFの駆動電圧波形とほぼ同様である。また、以下における走査電極SCi、維持電極SUi、データ電極Dkは、各電極の中からサブフィールドデータにもとづき選択された電極を表す。
まず、全セル初期化サブフィールドである第1SFについて説明する。
第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜データ電極Dm、維持電極SU1〜維持電極SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜電圧(以下、「上りランプ電圧」と呼称する)L1を印加する。
この上りランプ電圧L1が上昇する間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとの間、および走査電極SC1〜走査電極SCnとデータ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜データ電極Dm上部および維持電極SU1〜維持電極SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。この電極上部の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜維持電極SUnには正の電圧Ve1を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmには0(V)を印加する。
ここで、本実施の形態では、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2と、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnとで異なる初期化波形、具体的には最低電圧の異なる下り傾斜電圧を印加する。まず、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2には、維持電極SU1〜維持電極SUn/2に対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える負の電圧(Va+Vset2)に向かって緩やかに下降する下り傾斜電圧(以下、「下りランプ電圧」と呼称する)L2を印加する。この間に、走査電極SC1〜走査電極SCn/2と維持電極SU1〜維持電極SUn/2との間、および走査電極SC1〜走査電極SCn/2とデータ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn/2上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜維持電極SUn/2上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜データ電極Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。
一方、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnには、電圧Vi3から負の電圧(Va+Vset5)に向かって緩やかに下降する下りランプ電圧L5を印加する。ここで、本実施の形態では、電圧Vset5を電圧Vset2(例えば、6(V))よりも高い電圧(例えば、70(V))に設定する。
このように、本実施の形態では、第2の走査電極群に印加する下りランプ電圧の最低電圧を第1の走査電極群に印加する下りランプ電圧の最低電圧よりも高い電圧値とする。すなわち、第1の走査電極群に印加する下りランプ電圧L2が電圧(Va+Vset2)まで下降するのに対し、第2の走査電極群に印加する下りランプ電圧L5は電圧(Va+Vset5)までしか下降しないようにする。これにより、第2の放電セル群においては、下りランプ電圧L5による初期化放電によって放電セル内を移動する電荷の量を第1の放電セル群の各放電セルに比べて少なく抑えることができる。そのため、下りランプ電圧L5による初期化放電後、第2の放電セル群の各放電セルには、第1の放電セル群の各放電セルより多くの壁電荷が残存する。以上により、全セル初期化動作が終了する。
続く書込み期間では、走査電極SC1〜走査電極SCnに対しては順次走査パルス電圧を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmに対しては発光させるべき放電セルに対応するデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加して、各放電セルに選択的に書込み放電を発生させる。
この書込み期間では、まず維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜走査電極SCnに電圧Vc(Vc=Va+Vscn)を印加する。
そして、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2に対して、順次走査パルスを印加する。まず、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜データ電極Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に放電が発生する。また、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を印加しているため、維持電極SU1上と走査電極SC1上との電圧差は、外部印加電圧の差である(Ve2−Va)に維持電極SU1上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなる。このとき、電圧Ve2を、放電開始電圧をやや下回る程度の電圧値に設定することで、維持電極SU1と走査電極SC1との間を、放電には至らないが放電が発生しやすい状態とすることができる。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に発生する放電を引き金にして、データ電極Dkと交差する領域にある維持電極SU1と走査電極SC1との間に放電を発生させることができる。こうして、発光させるべき放電セルに書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作を行う。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜データ電極Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn/2行目の放電セルに至るまで順次行い、第1の放電セル群における書込み動作が終了する。
そして、本実施の形態においては、第1の走査電極群への書込み動作が終了した後、かつ第2の走査電極群への書込み動作を開始する前に、初期化期間に発生させた下りランプ電圧L5よりも最低電圧を低くした下りランプ電圧L6を第2の走査電極群に印加する。すなわち、図8に示すように、第2の走査電極群に電圧Vcから負の電圧(Va+Vset3)に向かって緩やかに下降する下りランプ電圧L6を印加する。
上述したように、初期化期間において第2の走査電極群に印加する下りランプ電圧L5は負の電圧(Va+Vset5)までしか下降させておらず、そのため、第2の放電セル群の各放電セルには第1の放電セル群の各放電セルより多くの壁電荷が残存する。したがって、電圧Vset3を電圧Vset5(例えば、70(V))よりも十分に小さい電圧(例えば、8(V))に設定することで、下りランプ電圧L6を下りランプ電圧L5よりも十分に低い電位まで下降させることができ、これにより、第2の放電セル群の各放電セルに初期化放電を発生させることができる。
すなわち、第2の放電セル群の各放電セルにおいては、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnへの走査を開始する直前に初期化放電を発生させることができる。
初期化放電で形成される壁電荷は、時間の経過とともに減少する。そのため、各放電セルに、書込み期間の直前の初期化期間においてのみ初期化放電を発生させる従来の構成(以下、「1相駆動」と記す)では、書込み期間における走査の順番が遅い放電セルで、より多くの壁電荷が減少し、安定した書込み放電を発生さえるために必要な走査パルス電圧(振幅)がその分大きくなって書込み動作が不安定になるおそれがあった。例えば、走査電極22の数が1080本のパネル10を1相駆動動作で駆動する場合、最初に走査を行う放電セルに対して、最後に走査を行う放電セルでは、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)は約34(V)も上昇することが確認された。
しかし、本実施の形態では、第2の走査電極群への走査を開始する直前に第2の放電セル群に初期化放電を発生させているので、第2の放電セル群においては、書込み動作を開始する直前に壁電荷を適正な状態にすることができる。したがって、書込み期間において書込み動作の順番が遅い第2の放電セル群に属する放電セルにおいても、書込み放電に必要な印加電圧を高くすることなく、安定した書込み動作を行うことが可能となる。例えば、走査電極22の数が1080本のパネル10を2相駆動動作により駆動する場合、書込み期間の最後に走査を行う放電セルにおいて、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を、1相駆動動作による駆動を行ったときと比較して、約20(V)低減できることが確認された。
なお、図8には、第2の走査電極群に下りランプ電圧L6を印加するのと同タイミングで第1の走査電極群にも下りランプ電圧L6を印加する駆動電圧波形図を記載しているが、本発明は何らこの構成に限定されるものではない。すでに書込み動作が終わっている第1の放電セル群では壁電荷を初期化する初期化放電を発生させない方がよいため、本来は第2の走査電極群にのみ下りランプ電圧L6を印加する構成の方が望ましい。しかし、走査電極駆動回路43の構成上、下りランプ電圧L6を第2の走査電極群にのみ印加し、第1の走査電極群には印加させないようにすることが困難な場合には、図8に示すように下りランプ電圧L6をそのまま第1の走査電極群に印加してもかまわない。第1の放電セル群の各放電セルにおいては、初期化期間において電圧(Va+Vset2)まで下降する下りランプ電圧L2を第1の走査電極群の各走査電極22に印加して初期化放電を発生させている。そのため、電圧(Va+Vset2)よりも電位が若干高い電圧(Va+Vset3)まで下降する下りランプ電圧L6を第1の走査電極群に印加しても、第1の放電セル群の各放電セルに再度初期化放電が発生するおそれはない。したがって、第1の走査電極群には、下りランプ電圧L6をそのまま印加しても何ら問題ない。
そして、第2の走査電極群に下りランプ電圧L6を印加した後、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnに対して、上述と同様の手順で、順次走査パルスを印加する。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、第2の放電セル群における書込み動作が終了して、第1SFにおける書込み期間が終了する。
なお、第2の走査電極群に下りランプ電圧L6を印加する期間は、データ電極D1〜データ電極Dmに書込みパルスを印加しないものとする。
続く維持期間では、輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
この維持期間では、まず走査電極SC1〜走査電極SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜維持電極SUnにベース電位となる接地電位、すなわち0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。
そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜走査電極SCnにはベース電位となる0(V)を、維持電極SU1〜維持電極SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとに輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを交互に印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間の最後には、維持電極SU1〜維持電極SUnを0(V)に戻した後、ベース電位となる0(V)から放電開始電圧を超える電圧Versに向かって上昇する傾斜電圧(以下、「消去ランプ電圧」と呼称する)L3を走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する。すると、維持放電を起こした放電セルの維持電極SUiと走査電極SCiとの間で微弱な消去放電が発生する。この消去放電で発生した荷電粒子は、維持電極SUiと走査電極SCiとの間の電圧差を緩和するように、維持電極SUi上および走査電極SCi上に壁電荷となって蓄積されていく。これにより、データ電極Dk上の正の壁電荷を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁電圧は、走査電極SCiに印加した電圧と放電開始電圧の差、すなわち(電圧Vers−放電開始電圧)の程度まで弱められる。
その後、走査電極SC1〜走査電極SCnを0(V)に戻し、維持期間における維持動作を終了する。
第2SFの初期化期間では、第1SFにおける初期化期間の前半部を省略した駆動電圧波形を各電極に印加する。すなわち、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜データ電極Dmに0(V)をそれぞれ印加し、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2には、放電開始電圧以下となる電圧(例えば、0(V))から負の電圧(Va+Vset4)(例えば、電圧Vset4を10(V)とする)に向かって緩やかに下降する下りランプ電圧L4を印加する。
これにより前のサブフィールド(図8では、第1SF)の維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部および維持電極SUi上部の壁電圧が弱められ、データ電極Dk(k=1〜m)上部の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電が起こらなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷の状態がそのまま保たれる。このように第2SFにおける初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して初期化放電を行う選択初期化動作となる。
また、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnには、放電開始電圧以下となる電圧(例えば、0(V))から負の電圧(Va+Vset5)に向かって緩やかに下降する下りランプ電圧L7を印加する。
これにより、第2の走査電極群により構成される第2の放電セル群においては、上述と同様に前のサブフィールド(図8では、第1SF)の維持期間で維持放電を起こした放電セルでのみ微弱な初期化放電が発生する。しかし、第2の走査電極群に印加する下りランプ電圧L7は、電圧(Va+Vset4)よりも高い電圧(Va+Vset5)までしか下降しないため、第2の放電セル群においては、その初期化放電によって放電セル内を移動する電荷の量を第1の放電セル群の各放電セルに比べて少なく抑えることができる。そのため、下りランプ電圧L7による初期化放電後、第2の放電セル群の各放電セルには、上述と同様に第1の放電セル群の各放電セルより多くの壁電荷が残存する。
第2SFの書込み期間においては、第1SFの書込み期間と同様の駆動波形を印加する。したがって、第2の走査電極群への走査を開始する直前に、第2の放電セル群の各放電セルに初期化放電を発生させることができる。
第2SFの維持期間においては、第1SFの維持期間と同様に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとにあらかじめ定められた数の維持パルスを交互に印加する。これにより、書込み期間において書込み放電を発生させた放電セルで維持放電を発生させる。
また、第3SF以降のサブフィールドでは、走査電極SC1〜走査電極SCn、維持電極SU1〜維持電極SUnおよびデータ電極D1〜データ電極Dmに対して、維持期間における維持パルス数が異なる以外は第2SFと同様の駆動波形を印加する。
なお、上述した構成においては、下りランプ電圧L2における最低電圧を下りランプ電圧L4における最低電圧よりも小さい電圧に設定している(例えば、電圧Vset4が10(V)であるのに対し、電圧Vset2を6(V)に設定する)。これは、電圧(Va+Vset2)を電圧(Va+Vset4)よりも小さい電圧に設定することで、第1SFにおける初期化放電、すなわち1フィールドにおける最初の初期化放電を確実に発生させるためである。
以上が、本実施の形態における2相駆動動作時にパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。
次に、走査電極駆動回路43の動作と駆動電圧波形の発生について説明する。なお、図9では、電圧Vi1、電圧Vi3は電圧Vsに等しいものとし、電圧Vi2は電圧Vrに等しいものとして説明する。
図9は、本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路43の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。なお、図9には、書込み期間の最初に走査を行う走査電極SC1に印加される駆動電圧波形と、第2の走査電極群のうち最初に走査を行う走査電極SCn/2+1(例えば、走査電極SC541)に印加される駆動電圧波形と、制御信号OC1、制御信号OC2、制御信号OC1’、比較器CP2の出力信号CPO、走査開始信号SIU(1)、走査開始信号SID(1)の各制御信号と、入力端子IN1、入力端子IN2への定電流供給状態とを示す。
なお、本実施の形態において、走査IC55は、「DATA」状態のときに走査開始信号を所定の期間(例えば、クロック信号CLKの1周期分)「Lo」にすることで、走査を開始するものとする。また、初期化期間の前半(上りランプ電圧L1を発生させている期間)および維持期間はスイッチング素子Q4をオンにし、初期化期間の後半(下りランプ電圧L2を発生させている期間)および書込み期間はスイッチング素子Q4をオフにするものとする。
(初期化期間)
初期化期間では、まず、制御信号OC1および制御信号SID(1)を「Hi」にする。同時に、維持パルス発生回路50のクランプ回路を動作させ、基準電位Aの電位を0(V)にする。基準電位Aの0(V)は、Vset発生回路80から出力されるどの電圧よりも高いので、比較器CP1から出力される制御信号OC2は「Lo」になる。また、制御信号OC1および制御信号SID(1)は共に「Hi」なので、アンドゲートAGから出力される制御信号OC1’も「Hi」になる。これにより、全ての走査IC55が「All‐Lo」の状態になり、基準電位Aの0(V)が走査IC55の出力電圧となる。
次に、時刻t0で、維持パルス発生回路50の電力回収回路を動作させ、基準電位Aの電位を上昇させる。その後、維持パルス発生回路50のクランプ回路を動作させ、基準電位Aの電位を電圧Vs(本実施の形態では、電圧Vi1と等しい)にする。
次に、時刻t1で、上りランプ電圧を発生するミラー積分回路53の入力端子IN1を「Hi」にする。具体的には入力端子IN1に、所定の定電流を入力する。すると、抵抗R1からコンデンサC1に向かって一定の電流が流れ、スイッチング素子Q1のソース電圧がランプ状に上昇し、初期化波形発生回路51の出力電圧もランプ状に上昇し始める。そしてこの電圧上昇は、入力端子IN1が「Hi」の間継続する。
この出力電圧が電圧Vr(本実施の形態では、電圧Vi2と等しい)まで上昇したら、その後の時刻t2で、入力端子IN1を「Lo」にする。具体的には入力端子IN1に、例えば0(V)を印加する。入力端子IN1を「Lo」にすると基準電位Aの電位が電圧Vs(本実施の形態では、電圧Vi3と等しい)まで低下する。
なお、この間、制御信号OC1、制御信号SIU(1)、制御信号SID(1)は、「Hi」に保ったままにする。したがって、アンドゲートAGから出力される制御信号OC1’も「Hi」となる。また、図示はしていないが、Vset発生回路80から電圧(Va+Vset2)を発生させ、比較器CP1において、基準電位A、すなわち初期化波形発生回路51から出力される駆動電圧と電圧(Va+Vset2)とが比較されるようにしておく。したがって、この間は基準電位Aの方が電圧(Va+Vset2)よりも電位が高いので、比較器CP1から出力される制御信号OC2は「Lo」となる。
この間、制御信号OC1、制御信号OC1’は「Hi」、制御信号OC2は「Lo」なので、全ての走査IC55は「All‐Lo」の状態であり、全ての走査IC55の出力端子からは基準電位A、すなわち、初期化波形発生回路51から出力される駆動電圧がそのまま出力される。
このようにして、放電開始電圧以下となる電圧Vs(本実施の形態では、電圧Vi1と等しい)から、放電開始電圧を超える電圧Vr(本実施の形態では、電圧Vi2と等しい)に向かって緩やかに上昇する上りランプ電圧を走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する。
次に、時刻t3で、下りランプ電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2に所定の定電流を入力して、入力端子IN2を「Hi」にする。すると、抵抗R2からコンデンサC2に向かって一定の電流が流れ、スイッチング素子Q2のドレイン電圧がランプ状に下降して基準電位Aの電位がランプ状に下降し、走査IC55の出力電圧もランプ状に下降し始める。
このとき、比較器CP1では、基準電位Aの電圧、すなわち下りランプ電圧と、Vset発生回路80が発生する電圧(Va+Vset2)とが比較されており、比較器CP1からの出力信号、すなわち制御信号OC2は、基準電位Aにおける下りランプ電圧が電圧(Va+Vset2)以下となる時刻t5において「Lo」から「Hi」に切換わる。これにより、制御信号OC1、制御信号OC2共に「Hi」となり、第1の走査IC群に属する走査IC55(以下、走査IC(1)〜走査IC(6))は「All‐Hi」状態となって入力端子INbに入力される電圧を出力する。すなわち、走査IC(1)〜走査IC(6)の出力電圧は基準電位Aに電圧Vscnが重畳された電圧Vcとなり、それまでの電圧降下が時刻t5で電圧上昇に切換わるため、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2に印加される下りランプ電圧は最低電圧が電圧(Va+Vset2)の下りランプ電圧L2となる。
一方、比較器CP2においては、基準電位Aと電圧(Va+Vset5)とが比較されるので、比較器CP2から出力される信号CPOは、基準電位Aが電圧(Va+Vset5)以下となる時刻t4で「Lo」になる。したがって、時刻t4以前に、例えば、時刻t2から時刻t3の間に、走査開始信号SID(1)を「Lo」にしておけば、オアゲートORの出力を時刻t4で「Lo」にすることができ、あわせてアンドゲートAGから出力される制御信号OC1’を時刻t4で「Lo」にすることができる。
これにより、制御信号OC1’、制御信号OC2は共に「Lo」となり、第2の走査IC群に属する走査IC55(以下、走査IC(7)〜走査IC(12))は、時刻t4で「HiZ」状態となる。すなわち、走査IC(7)〜走査IC(12)の出力電圧は、時刻t4時点の出力電圧がそのまま保持された電圧となり、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnに印加される下りランプ電圧は、最低電圧が電圧(Va+Vset5)の下りランプ電圧L5となる。
なお、走査IC55は「DATA」状態のときにのみ走査開始信号が有効に働くので、初期化期間において走査開始信号SID(1)が「Lo」になっても、走査IC(7)〜走査IC(12)の動作には何ら影響を与えない。
そして、初期化期間が終了する時刻t6の前に、入力端子IN2に、例えば0(V)を印加して、入力端子IN2を「Lo」にする。
以上のようにして、走査電極駆動回路43は、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2に対しては、電圧Vi3から電圧(Va+Vset2)に向かって下降する下りランプ電圧L2を印加し、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnに対しては、電圧Vi3から電圧(Va+Vset5)に向かって下降する下りランプ電圧L5を印加して、初期化期間が終了する。
(書込み期間)
書込み期間では、図示はしていないが、スイッチング素子Q5をオンにして、基準電位Aを負の電圧Vaに維持する。また、Vset発生回路80から電圧(Va+Vset3)を発生させ、比較器CP1において、基準電位A、すなわち負の電圧Vaと電圧(Va+Vset3)とが比較されるようにしておく。したがって、この間は基準電位Aの方が電圧(Va+Vset3)よりも電位が低いので、比較器CP1から出力される制御信号OC2は「Hi」となる。
また、時刻t6で制御信号OC1を「Lo」にする。したがって、アンドゲートAGから出力される制御信号OC1’も「Lo」となる。これにより、全ての走査IC55は「DATA」状態となって、走査開始信号により走査を開始する状態となる。
書込み期間の前半では、まず先に、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2に順次走査パルスを印加する。そのために、書込み期間開始直後の時刻t7において走査開始信号SIU(1)を所定の期間(例えば、クロック信号CLKの1周期分)「Lo」にする。これにより、走査IC(1)は走査を開始し、走査電極SC1から順次走査パルスが印加される。走査IC(1)からは、走査IC(1)に接続された全ての走査電極22の走査が終了するタイミングで走査開始信号SIU(2)が出力され、走査IC(2)に供給される。これにより、走査IC(2)は走査を開始する。以降、各走査IC55は、入力された走査開始信号にもとづき走査を開始するとともに新たな走査開始信号を発生させて次段の走査IC55に供給する。こうして、第1の走査電極群に属する走査電極22の走査が順次行われる。
そして、走査電極SCn/2への走査パルスの印加が終了し第1の走査電極群に属する全ての走査電極22への走査が終了した後の時刻t8で、制御信号OC1を「Hi」にする。走査開始信号SID(1)は「Hi」に維持されたままなので、アンドゲートAGから出力される制御信号OC1’も「Hi」となる。また、図示はしていないが、時刻t8でスイッチング素子Q5をオフにし、あわせて、維持パルス発生回路50のクランプ回路を動作させ、基準電位Aを0(V)にする。
これにより、基準電位Aの方が電圧(Va+Vset2)よりも電位が高くなるので、比較器CP1から出力される制御信号OC2は「Lo」となる。すなわち、制御信号OC1、制御信号OC1’が「Hi」、制御信号OC2が「Lo」となって、全ての走査IC55は「All‐Lo」状態となり、全ての走査IC55の出力端子からは基準電位A(本実施の形態では、0(V))が出力される。
その後の時刻t9で、下りランプ電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2に所定の定電流を入力して、入力端子IN2を「Hi」にする。これにより、スイッチング素子Q2のドレイン電圧がランプ状に下降して基準電位Aの電位がランプ状に下降し、走査IC55の出力電圧もランプ状に下降し始める。
比較器CP1では、この基準電位Aにおける下りランプ電圧とVset発生回路80が発生する電圧(Va+Vset3)とが比較されており、比較器CP1から出力される制御信号OC2は、基準電位Aにおける下りランプ電圧が電圧(Va+Vset3)以下となる時刻t10において「Lo」から「Hi」に切換わる。これにより、制御信号OC1、制御信号OC1’、制御信号OC2は共に「Hi」となって全ての走査IC55は「All‐Hi」状態となり、入力端子INbに入力される電圧、すなわち、基準電位Aに電圧Vscnが重畳された電圧Vcを出力する。これにより、走査電極SC1〜走査電極SCnに印加される下りランプ電圧は最低電圧が電圧(Va+Vset3)の下りランプ電圧L6となる。
そして、下りランプ電圧L6を発生させた後の時刻t11で、入力端子IN2を「Lo」にする。以上のようにして、走査電極駆動回路43は、下りランプ電圧L6を発生させ、第2の走査電極群への走査を開始する直前に、第2の放電セル群に初期化放電を発生させる。
また、時刻t11では、図示はしていないが、スイッチング素子Q5をオンにして基準電位Aを負の電圧Vaに維持する。また、Vset発生回路80から電圧(Va+Vset4)を発生させ、比較器CP1において、基準電位A、すなわち負の電圧Vaと電圧(Va+Vset4)とが比較されるようにしておく。したがって、この間は基準電位Aの方が電圧(Va+Vset4)よりも電位が低いので、比較器CP1から出力される制御信号OC2は「Hi」となる。
また、時刻t11では制御信号OC1を「Lo」にする。したがって、アンドゲートAGから出力される制御信号OC1’も「Lo」となる。これにより、全ての走査IC55は「DATA」状態となって、走査開始信号により走査を開始する状態となる。
書込み期間の後半では、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnに順次走査パルスを印加する。そのために、書込み期間の後半開始直後の時刻t12において走査開始信号SID(1)を所定の期間(例えば、クロック信号CLKの1周期分)「Lo」にする。これにより、走査IC(7)は走査を開始し、走査電極SCn/2+1から順次走査パルスが印加される。以降、上述と同様の動作により、第2の走査電極群に属する走査電極22の走査が順次行われる。
(維持期間)
そして、走査電極SCnへの走査パルスの印加が終了し第2の走査電極群に属する全ての走査電極22への走査が終了して書込み期間が終了した後の時刻t13で、制御信号OC1を「Hi」にする。走査開始信号SID(1)は「Hi」に維持されたままなので、アンドゲートAGから出力される制御信号OC1’も「Hi」となる。
また、図示はしていないが、時刻t13でスイッチング素子Q5をオフにし、あわせて、維持パルス発生回路50のクランプ回路を動作させ、基準電位Aを0(V)にする。
これにより、基準電位Aの方が電圧(Va+Vset4)よりも電位が高くなるので、比較器CP1から出力される制御信号OC2は「Lo」となる。すなわち、制御信号OC1、制御信号OC1’が「Hi」、制御信号OC2が「Lo」なので、全ての走査IC55は「All‐Lo」状態となり、走査IC55の出力端子からは基準電位A(本実施の形態では、0(V))が出力される。
続いて、詳細は省略するが維持パルス発生回路50の電力回収回路およびクランプ回路を交互に動作させ、あらかじめ定められた回数の維持パルスを発生させる。そして、維持期間の最後に、消去ランプ電圧L3を発生させる。こうして、維持期間が終了する。
(初期化期間)
続く初期化期間では、図示はしていないが、スイッチング素子Q5はオフに維持したまま、Vset発生回路80から電圧(Va+Vset4)を発生させ、比較器CP1において、基準電位A(本実施の形態では、0(V))と電圧(Va+Vset4)とが比較されるようにしておく。基準電位Aの方が電圧(Va+Vset4)よりも電位が高いので、比較器CP1から出力される制御信号OC2は、維持期間に引き続き「Lo」のままである。また、制御信号OC1も維持期間に引き続き「Hi」に維持したままにしておく。
制御信号OC1、制御信号OC1’が「Hi」、制御信号OC2が「Lo」なので、全ての走査IC55は「All‐Lo」状態のままであり、全ての走査IC55の出力端子からは基準電位A、すなわち、初期化波形発生回路51から出力される駆動電圧がそのまま出力される。
そして、時刻t14で、下りランプ電圧を発生するミラー積分回路54の入力端子IN2に所定の定電流を入力して、入力端子IN2を「Hi」にする。これにより、スイッチング素子Q2のドレイン電圧がランプ状に下降して基準電位Aの電位がランプ状に下降し、走査IC55の出力電圧もランプ状に下降し始める。
比較器CP1では、この基準電位Aにおける下りランプ電圧と電圧(Va+Vset4)とが比較されており、比較器CP1から出力される制御信号OC2は、基準電位Aにおける下りランプ電圧が電圧(Va+Vset4)以下となる時刻t16において「Lo」から「Hi」に切換わる。これにより、制御信号OC1、制御信号OC2は共に「Hi」となり、第1の走査IC群は「All‐Hi」状態となって入力端子INbに入力される電圧、すなわち、基準電位Aに電圧Vscnが重畳された電圧を出力する。これにより、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2に印加される下りランプ電圧は最低電圧が電圧(Va+Vset4)の下りランプ電圧L4となる。
一方、走査開始信号SID(1)に関しては、下りランプ電圧L5を発生させるときと同様に、初期化期間開始直後(本実施の形態では、時刻t14から時刻t15の間)に「Lo」にしておく。比較器CP2においては、基準電位Aと電圧(Va+Vset5)とが比較されるので、比較器CP2から出力される信号CPOは、基準電位Aが電圧(Va+Vset5)以下となる時刻t15で「Lo」になる。このとき、走査開始信号SID(1)は「Lo」なので、オアゲートORからは「Lo」が出力され、これによりアンドゲートAGから出力される制御信号OC1’は時刻t15で「Lo」になる。
これにより、制御信号OC1’、制御信号OC2は共に「Lo」となり、第2の走査IC群に属する走査IC(7)〜走査IC(12)は「HiZ」状態となる。すなわち、走査IC(7)〜走査IC(12)の出力電圧は、時刻t15時点の出力電圧がそのまま保持された電圧となり、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnに印加される下りランプ電圧は最低電圧が電圧(Va+Vset5)の下りランプ電圧L7となる。
そして、初期化期間が終了する時刻t17の前に、入力端子IN2に、例えば0(V)を印加して、入力端子IN2を「Lo」にする。
以上のようにして、走査電極駆動回路43は、第1の走査電極群に属する走査電極SC1〜走査電極SCn/2に対しては、0(V)から電圧(Va+Vset4)に向かって下降する下りランプ電圧L4を発生させ、第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnに対しては、0(V)から電圧(Va+Vset5)に向かって下降する下りランプ電圧L7を発生させて、初期化期間が終了する。
続く書込み期間、維持期間、およびそれ以降の動作は、上述した動作と同様である。
以上示したように、本実施の形態によれば、走査電極SC1〜走査電極SCnを第1の走査電極群と第2の走査電極群とに分け、第1の走査電極群への走査を開始する直前には下りランプ電圧L2(第2SF以降は下りランプ電圧L4)による初期化放電を第1の放電セル群の各放電セルに発生させ、第2の走査電極群への走査を開始する直前には下りランプ電圧L6による初期化放電を第2の放電セル群の各放電セルに発生させる2相駆動動作を行うことにより、書込み動作の順番が遅い第2の放電セル群においても放電セル内の壁電荷を適正な状態に保ち、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルス電圧(振幅)を低減することが可能となり、走査パルス電圧(振幅)を大きくすることなく、安定した書込み放電を発生させることが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、電圧Vset2を発生する電源、電圧Vset3を発生する電源、電圧Vset4を発生する電源、およびスイッチング素子SW1、スイッチング素子SW2、スイッチング素子SW3を用いてVset発生回路80を構成し、電圧(Va+Vset2)、電圧(Va+Vset3)、電圧(Va+Vset4)を発生させる例を説明した。しかし、実施の形態2では、より合理的な回路構成で電圧(Va+Vset2)、電圧(Va+Vset3)、電圧(Va+Vset4)を発生させることができるVset発生回路について説明する。
図10は、本発明の実施の形態2におけるVset発生回路81の回路図である。本実施の形態におけるVset発生回路81は、シャントレギュレータ(Shunt Regulator)56と、出力電流の電流値を変更可能な電流発生回路82とを備えている。
シャントレギュレータ56は、アノード(図面中、「An」と記す)を負の電圧Vaに、カソード(図面中、「Ca」と記す)を抵抗R10を介して電圧Vo(例えば、15(V))に接続する。あわせて、カソードをNPN型のトランジスタQ10のベースにも接続する。トランジスタQ10のコレクタは電圧Voに接続し、トランジスタQ10のエミッタは第1の抵抗である抵抗R9を介してシャントレギュレータ56のリファレンス端子(図面中、「Ref」と記す)に接続する。すなわち、トランジスタQ10にエミッタフォロアの働きを持たせ、シャントレギュレータ56のカソードの電圧にもとづく設定電圧BをトランジスタQ10のエミッタから低インピーダンスにして取り出す構成とする。また、シャントレギュレータ56のリファレンス端子と負の電圧Vaとの間に第2の抵抗である抵抗R8を挿入する。こうして、設定電圧Bと負の電圧Vaとを抵抗R8と抵抗R9とで抵抗分割して発生させた電圧を、シャントレギュレータ56のリファレンス端子にフィードバックするように構成する。
シャントレギュレータ56は、リファレンス端子に印加される電圧がシャントレギュレータ56の内部に設定された基準電圧よりも大きくなったときに、カソードから電流を引き込む動作をする。したがって、図10に示すように、電源電圧(本実施の形態では、電圧Vo)から電圧降下用の抵抗R10を介してシャントレギュレータ56のカソードに電流が引き込まれるように構成するとともに、抵抗R10による電圧降下によって発生させた設定電圧Bを抵抗R8と抵抗R9とで抵抗分割してシャントレギュレータ56のリファレンス端子にフィードバックするように構成すれば、リファレンス端子に印加される電圧がシャントレギュレータ56内部の基準電圧に等しくなるようにシャントレギュレータ56のカソードから電流を引き込ませるフィードバックループを構成することができる。
本実施の形態では、この動作を利用して設定電圧Bを発生させ、比較器CP1に供給する。さらに、電流発生回路82から出力される電流により、シャントレギュレータ56のリファレンス端子に印加される電圧の大きさを変えて設定電圧Bの電圧値を変更し、下りランプ電圧の最低電圧を制御する。
電流発生回路82は、ベースが0(V)に接続されたPNP型のトランジスタQ11と、一方の端子をトランジスタQ11のエミッタに接続し、他方の端子を入力端子SS1とする抵抗R11と、一方の端子をトランジスタQ11のエミッタに接続し、他方の端子を入力端子SS2とする抵抗R12とを有する。
これにより、電流発生回路82は、例えば、入力端子SS1を「Hi」に(例えば、5(V)を印加)し入力端子SS2を「Lo」に(例えば、0(V)を印加)したときには、トランジスタQ11のエミッタ電圧と入力端子SS1に印加される電圧と抵抗R11とにもとづき発生する電流I1を出力電流I3としてトランジスタQ11のコレクタから出力することができる。また、入力端子SS2を「Hi」にし入力端子SS1を「Lo」にしたときには、トランジスタQ11のエミッタ電圧と入力端子SS2に印加される電圧と抵抗R12とにもとづき発生する電流I2を出力電流I3として出力することができる。また、入力端子SS1と入力端子SS2とを共に「Hi」にしたときには電流I1と電流I2との合成電流を出力電流I3として出力することができる。
そして、トランジスタQ11のコレクタを、回路保護用の抵抗R13を介して抵抗R8と抵抗R9との電気的な接続点に接続し、その接続点に出力電流I3を流し込む構成とする。これにより、入力端子SS1、入力端子SS2のそれぞれを「Hi」または「Lo」にすることで、電流発生回路82から出力される出力電流I3の電流値を変更し、シャントレギュレータ56のリファレンス端子に印加される電圧の大きさを変更することができる。
例えば、電流発生回路82の出力電流を大きくすればシャントレギュレータ56のリファレンス端子に印加される電圧が大きくなり、その結果、シャントレギュレータ56のカソードに引き込まれる電流が多くなって、設定電圧Bの電圧値を小さくすることができる。
逆に、電流発生回路82の出力電流を小さくすればシャントレギュレータ56のリファレンス端子に印加される電圧が小さくなり、その結果、シャントレギュレータ56のカソードに引き込まれる電流が少なくなって、設定電圧Bの電圧値を大きくすることができる。
図11は、本発明の実施の形態2における入力端子SS1、入力端子SS2に印加する制御信号と設定電圧Bとの対応関係の一例を示す図である。なお、入力端子SS1、入力端子SS2に与える制御信号は制御信号発生回路45から供給するものとし、「Hi」は5(V)を、「Lo」は0(V)を印加するものとする。
本実施の形態では、入力端子SS1、入力端子SS2を共に「Lo」にして出力電流I3を0にしたときに、設定電圧Bが電圧(Va+Vset4)(例えば、電圧Vset4=10(V))となるように、抵抗R8、抵抗R9の抵抗値を設定する。
そして、入力端子SS1を「Hi」、入力端子SS2を「Lo」にして電流I1が出力電流I3として出力されるときに、設定電圧Bが電圧(Va+Vset3)(例えば、電圧Vset3=8(V))となるように、抵抗R11の抵抗値を設定する。
さらに、入力端子SS1、入力端子SS2を共に「Hi」にして電流I1と電流I2との合成電流が出力電流I3として出力されるときに、設定電圧Bが電圧(Va+Vset2)(例えば、電圧Vset2=6(V))となるように、抵抗R12の抵抗値を設定する。
例えば、このようにして各抵抗値を設定することで、図11に示すように、入力端子SS1、入力端子SS2を共に「Hi」にしたときには、最低電圧が電圧(Va+Vset2)となる下りランプ電圧L2を発生させ、入力端子SS1を「Hi」、入力端子SS2を「Lo」にしたときには、最低電圧が電圧(Va+Vset3)となる下りランプ電圧L6を発生させ、入力端子SS1、入力端子SS2を共に「Lo」にしたときには、最低電圧が電圧(Va+Vset4)となる下りランプ電圧L4を発生させることができる。
これにより、制御信号の電位と異なる電位に設定電圧を発生させるために複数の電源電圧を用いることなく、また、フォトカプラ等の比較的高価なスイッチング素子を複数用いることなく、比較的簡易な構成で、複数の異なる設定電圧Bを発生するVset発生回路81を構成することができる。
また、トランジスタQ10はVBE(ベース−エミッタ電圧)に温度特性(例えば、−2mV/℃)を持つが、トランジスタQ10のエミッタから出力される電圧から作成した電圧をシャントレギュレータ56のリファレンス端子に与えているので、温度変化によるVBEの変化が発生しても、その変化を打ち消すようにフィードバックがかかり、設定電圧Bを温度によらず一定に保つことができる。
以上示したように、本実施の形態によれば、Vset発生回路81に、シャントレギュレータ56と出力電流の電流値を変更可能な電流発生回路82とを備え、第1の抵抗である抵抗R9と第2の抵抗である抵抗R8とで設定電圧Bを抵抗分割して発生させた電圧をシャントレギュレータ56のリファレンス端子に印加するとともに、電流発生回路82からの出力電流を抵抗R8と抵抗R9との電気的な接続点に流し込んでリファレンス端子に印加される電圧の大きさを変更する構成とすることで、比較的簡単な回路構成で、設定電圧Bを複数の異なる電圧で発生させることができる。また、設定電圧Bを温度変化による電圧変動を低減して、安定に発生させることができる。これにより、最低電圧の異なる複数の下りランプ電圧を、温度変化による最低電圧の電圧変動を低減して、安定に発生させることができる。
なお、シャントレギュレータ56のリファレンス端子に印加する電圧設定に用いる抵抗(本実施の形態では、抵抗R8、抵抗R9、抵抗R11、抵抗R12)には、ばらつきの少ない抵抗素子(例えば、ばらつき1%の抵抗素子)を用いることが望ましい。
なお、本実施の形態では、設定電圧Bを3つの異なる電圧値(電圧(Va+Vset2)、電圧(Va+Vset3)、電圧(Va+Vset4))で発生させる構成を説明したが、トランジスタQ11のエミッタに接続する抵抗およびその抵抗に制御信号を印加するための入力端子の数を増やすことで、さらに多くの異なる設定電圧Bを、容易に発生させることができる。
なお、本発明の実施の形態では、2相駆動動作を説明したが、本発明は何ら2相駆動動作に限定されるものではない。例えば、パネル10の表示領域を3分割して走査電極群の数を3つにし、3相駆動動作を行う構成としてもよい。あるいは、パネル10の表示領域を4分割、あるいはそれ以上の数に分割して、走査電極群の数を4つ、あるいはそれ以上とし、4相駆動動作、あるいはそれ以上にしてもよい。ただし、その場合には初期化期間において第1の走査電極群に印加する下りランプ電圧のみを下りランプ電圧L2とし、第1の走査電極群以外の走査電極群に印加する下りランプ電圧は下りランプ電圧L5にするものとする。また、書込み期間において第2の走査電極群に下りランプ電圧L6を印加するときには、第3の走査電極群以降の走査電極群には最低電圧を電圧(Va+Vset5)、あるいはそれ以上の電圧の下りランプ電圧を印加するものとする。以降、同様に、書込み動作を開始する走査電極群には、書込み動作を開始する直前には下りランプ電圧L6を印加し、それ以外の走査電極群には書込み放電が発生しない駆動電圧波形を印加するものとする。
なお、本発明の実施の形態では、下りランプ電圧L5、下りランプ電圧L7を、下りランプ電圧の電圧が電圧(Va+Vset5)に到達した後、その電圧を一定期間保持するような波形形状として示した。しかし、これは、走査電極駆動回路43の回路構成上、このような波形形状になったものに過ぎず、本実施の形態は何らこの波形形状に限定されるものではない。例えば、下りランプ電圧の電圧が電圧(Va+Vset5)に到達した後、すぐに電圧上昇を開始するような波形を出力する回路構成であってもかまわない。
なお、本発明の実施の形態では、2相駆動動作において走査電極群を区分けする際に、走査電極SC1〜走査電極SCnを2等分する構成を説明したが、何らこの構成に限定されるものではなく、走査電極群毎に走査電極数に差があってもかまわない。また、本実施の形態では、走査電極群を区分けする際に、パネル10の表示面の上半分に配置される走査電極SC1〜走査電極SCn/2を第1の走査電極群とし、下半分に配置される走査電極SCn/2+1〜走査電極SCnを第2の走査電極群とする構成を説明したが、例えば、奇数番目に属する走査電極を第1の走査電極群とし偶数番目に属する走査電極を第2の走査電極群とする構成であってもよい。
なお、本発明の実施の形態では、電圧Vset2を6(V)とし、電圧Vset3を8(V)とし、電圧Vset4を10(V)とし、電圧Vset5を70(V)としたが、これらの数値は単なる一例に過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて最適な電圧値に設定すればよい。
また、図9に示したタイミングチャートは実施の形態における一例を示したものに過ぎず、何らこれらのタイミングチャートに限定されるものではない。本発明の実施の形態に示した以外の手法により初期化波形を発生させる構成であってもよく、あるいは、書込み期間において走査ICが「DATA」状態と「All‐Hi」状態とを交互に繰り返すように各制御信号を発生させることで走査パルスの発生間隔を制御する構成等であってもよい。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極と走査電極とが隣り合い、維持電極と維持電極とが隣り合う電極構造、すなわち前面板21に設けられる電極の配列が、「・・・走査電極、走査電極、維持電極、維持電極、走査電極、走査電極、・・・」となる電極構造のパネルにおいても、有効である。
なお、本発明の実施の形態において示した電圧Vset2、電圧Vset3、電圧Vset4、電圧Vset5、サブフィールド数、輝度重み、走査パルス電圧(振幅)等の具体的な各数値は、50インチ、表示電極対数1080対のパネルの特性にもとづき設定したものであって、実施の形態における一例を示したものに過ぎない。本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではなく、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等にあわせて最適に設定することが望ましい。また、これらの各数値は、上述した効果を得られる範囲でのばらつきを許容するものとする。また、走査IC55の動作を説明する際に示した各制御信号の極性は、単なる一例であり、説明で示した極性とは逆の極性であってもかまわない。
なお、本発明の実施の形態では、消去ランプ電圧を走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する構成を説明したが、消去ランプ電圧を維持電極SU1〜維持電極SUnに印加する構成とすることもできる。あるいは、消去ランプ電圧ではなく、いわゆる細幅消去パルスにより消去放電を発生させる構成としてもよい。
本発明は、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、走査パルス電圧を高くすることなく、安定した書込み放電を発生させることができるので、プラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法として有用である。
本発明の実施の形態1におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの電極配列図 本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路の回路図 本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路の走査ICと走査電極との接続の様子を示す概略図 本発明の実施の形態1における制御信号OC1、制御信号OC2と走査ICの動作状態との対応関係を説明するための図 本発明の実施の形態1における走査電極群の区分けの一例を示す概略図 本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路の2相駆動動作においてパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の実施の形態1における走査電極駆動回路の動作の一例を説明するためのタイミングチャート 本発明の実施の形態2におけるVset発生回路の回路図 本発明の実施の形態2における入力端子SS1、入力端子SS2に印加する制御信号と設定電圧Bとの対応関係の一例を示す図
符号の説明
1 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25,33 誘電体層
26 保護層
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 制御信号発生回路
50 維持パルス発生回路
51 初期化波形発生回路
52 走査パルス発生回路
53,54 ミラー積分回路
55 走査IC
56 シャントレギュレータ
77 フレキシブル配線板
80,81 Vset発生回路
82 電流発生回路
CP1,CP2 比較器
Q1,Q2,Q4,Q5,QH1〜QHn,QL1〜QLn,SW1,SW2,SW3 スイッチング素子
Q10,Q11 トランジスタ
R1,R2,R8,R9,R10,R11,R12,R13 抵抗
C1,C2,C31 コンデンサ
D31 ダイオード
OR オアゲート
AG アンドゲート

Claims (2)

  1. 初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド内に複数設けて階調表示するサブフィールド法で駆動し、複数の走査電極を有するプラズマディスプレイパネルと、
    前記走査電極を第1の走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、前記初期化期間において前記第1の走査電極群と前記第1の走査電極群以外の走査電極群とで最低電圧が異なる下り傾斜電圧を前記走査電極に印加する走査電極駆動回路とを備え、
    前記走査電極駆動回路は、
    前記下り傾斜電圧の前記最低電圧を設定する設定電圧を発生するシャントレギュレータと出力電流の電流値を変更可能な電流発生回路とを有し、
    第1の抵抗と第2の抵抗とで前記設定電圧を抵抗分割するとともに前記抵抗分割で発生させた電圧を前記シャントレギュレータにフィードバックし、かつ、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との電気的な接続点に前記電流発生回路の出力電流を流し込み、前記電流発生回路から出力する出力電流の電流値を変更することで前記抵抗分割で発生させる電圧を変更して前記設定電圧を変更することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 複数の走査電極を備えたプラズマディスプレイパネルを、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド内に複数設けて階調表示するサブフィールド法で駆動するとともに、前記走査電極を第1の走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、前記初期化期間において前記第1の走査電極群と前記第1の走査電極群以外の走査電極群とで異なる波形形状の下り傾斜電圧を前記走査電極に印加するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記下り傾斜電圧の最低電圧を設定する設定電圧をシャントレギュレータを用いて発生させ、前記設定電圧を抵抗分割して発生させた電圧を前記シャントレギュレータにフィードバックするとともに、前記抵抗分割を構成する抵抗間に出力電流の電流値を変更可能な電流発生回路で発生させた出力電流を流し込むことで複数の異なる電圧値で前記設定電圧を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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