JP2009162232A - エンジンのバルブの制御方法、及び自動車用エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンのバルブの制御方法、及び自動車用エンジンの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン・オイルが劣化したとしても、バルブ状態(リフト・プロフィール)を切換える油圧回路の応答時間が変化することが未然に防止できる、バルブの制御方法を提供する。
【解決手段】火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとを含むエンジン10の燃焼モードを変更すべく、第一状態と第二状態との間でバルブ状態(リフト・プロフィール)を切換えるバルブ52,54の制御方法であって、オイル・センサ136によって検出されたエンジン・オイルの劣化状態及び/又は温度に基づいて、バルブ状態を切換える信号のタイミングを調整する工程を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンのバルブの制御方法、及び自動車用エンジンの制御装置に関連する。
自動車には、エンジンの動作範囲にわたって速度及び負荷の要求を満たしつつ自動車の動作効率を向上させるべく、種々の異なる燃焼モードにて作動するように構成されたエンジン・システムが設けられている。 例の一つにおいて、エンジン・システムは、高い熱効率を達成すべく、制御された自己着火(CAI:controlled auto−ignition)燃焼モード又は予混合圧縮着火(HCCI:homogenous charge compression ignition)燃焼モードにてエンジンを作動させる場合があり、他の燃焼モードに比べてポンプ損失を低減することによって、燃料経済性の向上及びエンジン排出物の低減を達成し得る。
HCCI燃焼は、特定の作動速度/負荷の範囲のみにおいて、好ましい、或いは、可能である。 HCCI燃焼の動作範囲外での要求を満たすために、エンジン・システムはまた、火花点火(SI)燃焼にてエンジンを作動するように構成され得る。 HCCI燃焼とSI燃焼の両方にてエンジンを作動することによって、速度/負荷の要求は満たされ、自動車の動作効率もまた向上され得る。
更に、エンジン・システムは、エンジンの一つ又は複数の気筒における燃料噴射指令及び点火指令と協調して、バルブのリフト・プロフィールを変更することによって、燃焼モードを変更し得る。 例の一つにおいて、バルブのリフト・プロフィールは、気筒バルブの切換えタペットを作動することによって、調整される場合がある。 切換えタペットの状態は、油圧回路によって制御され得る。 具体的には、切換えタペットの状態を変更すべく、油圧回路の油圧が増減され得る。 エンジン作動における適切な切換え期間に基づいてカム・プロフィールの切換えを開始すべく、例えばクランクシャフト又はカムシャフトの所望の回転位置に応じて、制御信号が油圧回路に送信され得る。
しかしながら、上述の取組みには、問題点が幾つか存在する。 具体的には、エンジンの作動中にエンジン・オイルが劣化して、その温度が変化し、そのために、カム・プロフィールを切換える油圧回路の応答時間が変化する場合がある。 油圧回路の応答時間の変化は、カム・プロフィール切換えの尚早又は遅延をもたらし、それによって、カム・プロフィール切換えがエンジン作動における適切な切換え期間外(すなわち不適切な切換え期間内)に行なわれる場合がある。 カム・プロフィール切換えの尚早又は遅延は、種々の不具合の中でもとりわけ、トルク変動、NVH(ノイズ、振動、及びハーシュネス)増加、エンジン排出物増加、及び燃料経済性低下を引き起こすことがある。
ここに記述される少なくとも一つの取組みにおいて、上述の問題点の少なくとも幾つかは、火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとを含むエンジンの燃焼モードを変更すべく、第一状態と第二状態との間でバルブ状態を切換えるバルブの制御方法によって、取り組まれ得る。 その制御方法は、オイル・センサによって検出されたオイル劣化状態に基づいて、バルブの作動状態を切換えるための信号のタイミングを調整する工程を備える。
オイル・センサによって検出されたオイル劣化状態に基づいて、クランクシャフト及び/又はカムシャフトの回転に対するカム・プロフィール切換え信号のタイミングを調整することによって、例えエンジン・オイルが劣化していたとしても、エンジンが作動中は、カム・プロフィール切換えの同期化が維持され得る。 具体的には、オイル・センサは、オイル劣化度合いの読取り値を提供する。 オイル・センサは、エンジン・オイルの状態をリアルタイムに検出し得るため、オイル劣化度合いの読取り値は、予測アルゴリズムよりも精度を改善し得る。 このようにして、カム・プロフィール切換えは適切な切換え期間内にて行なわれ、トルク変動、NVH、エンジン排出物、燃料消費量、及び、他の不具合を軽減し得る。
更に、エンジン・オイルは温度が変化すれば粘性が変化し、それによって油圧回路の応答時間も変化し得るため、カム・プロフィール切換え信号のタイミングは、オイル・センサによって測定されるエンジン・オイルの温度に基づいて調整され得る。 具体例の一つにおいて、オイル・センサは、エンジンの回転部品が直接的に接しているエンジン・オイル(例えば、回転しているカムシャフトにおける油膜)の温度を測定するように構成される場合がある。 一般的にエンジン・オイルの温度は、冷却液ベースでのエンジン温度よりも急激に変化するから、エンジン・オイル・センサは、エンジン冷却液の温度測定よりも高精度な読取り値を提供し得る。
よって、エンジン・オイル・センサを用いてエンジン・オイルの温度を測定して、その温度に基づいてカム・プロフィール切換え信号を調整することにより、カム・プロフィール切換え制御の精度が改善され得る。 このようにして、エンジンの動作効率を全く若しくは殆ど低下させることなく、燃焼モードの変更が行なわれ得る。
図1は、車両の推進システム内に含まれ得る多気筒エンジン10の気筒の一つを示す模式図である。 エンジン10は、制御器12を含む制御装置、及び、入力装置130を介した車両の運転者132からの入力によって、少なくとも部分的に制御され得る。 この例において、入力装置130は、アクセル・ペダル、及び、ペダル位置に比例するペダル位置信号PPを発生するペダル位置センサ134を含む。 エンジン10の燃焼室(気筒)30は、ピストン36がその中に配置された燃焼室壁32を含み得る。 ピストン36は、その往復運動がクランクシャフト40の回転運動に変換されるように、クランクシャフト40に連結され得る。 クランクシャフト40は、変速装置を介して、自動車の駆動輪の少なくとも一つに連結され得る。 さらに、スタータ・モータは、エンジン10の始動動作を可能とすべく、フライホイールを介してクランクシャフト40に連結され得る。
燃焼室30は、吸気マニフォールド44を介して吸気通路42から吸気を受け入れ、排気通路48を介して燃焼ガスを排出し得る。 吸気マニフォールド44及び排気通路48は、各々吸気バルブ52と排気バルブ54を介して、燃焼室30と選択的に連通することが出来る。 実施形態の幾つかにおいては、燃焼室30は、二つ以上の吸気バルブ及び/又は二つ以上の排気バルブを含む場合がある。
この例において、吸気バルブ52及び排気バルブ54は、各々カム駆動装置51及び53を用いたカム駆動によって制御される場合がある。 カム駆動装置51及び53の各々は、一つ又は複数のカムを含み得る。 可変カム・リフトは、例えばカム・プロフィール切換え(CPS)によって、達成され得る。 カム駆動装置51及び53は各々、カム・プロフィール切換え装置58及び59を含み、そのカム・プロフィール切換え装置58及び59は、複数のカム・ローブを用いて、各々のバルブのリフト・プロフィールを、異なるリフト・プロフィールの間で切換えるのに使用され得る。 カム駆動装置51及び53は、バルブの動作を変化させるべく、制御器12によって作動され得る。 より具体的には、制御器12は、バルブ・リフト及び/又はバルブ・タイミングに影響を及ぼすように、カム・プロフィール切換え装置58及び59の動作を制御する場合がある。 吸気バルブ52及び排気バルブ54の位置は、各々位置センサ55及び57によって測定され得る。 カム駆動及びカム・プロフィール切換えは、図2を参照して後で詳述される。
代替実施形態において、吸気バルブ52及び/又は排気バルブ54は、電気的バルブ駆動によって制御される場合がある。 或いは、気筒30は、例えば、カム駆動によって制御される吸気バルブと、電気的バルブ駆動によって制御される排気バルブとを含む場合もある。
更に、エンジン・システム(又はエンジン)10は、自動車が作動している間にわたってバルブ・タイミング及び/又はバルブ・リフトを変化させるべく、可変カム・タイミング(VCT:variable cam timing)装置、及び/又は、可変バルブ・リフト(VVL:variable valve lift)装置を含み得る。
実施形態の幾つかにおいて、排気ガス還流(EGR)装置は、排気ガスの所望の一部を、排気通路48からEGR通路を介して吸気マニフォールド44に至るように、経路設定する場合がある。 吸気マニフォールド44に供給されるEGRの量は、EGRバルブをを介して、制御器12によって変更され得る。 更に、EGRセンサは、EGR通路中に配置され、排気ガスの圧力、温度、及び濃度の一つ又は複数についての指標を提供し得る。 幾つかの状態において、EGR装置は、燃焼室内における混合気の温度を調節するように使用され、それによって、幾つかの燃焼モード中において点火タイミングの制御方法を提供し得る。 更に、幾つかの状態において、燃焼ガスの一部は、排気バルブ・タイミングを制御することによって、燃焼室内に保持され或いは閉じ込められる場合がある。
実施形態の幾つかにおいて、エンジン10は、少なくともコンプレッサが吸気マニフォールド44上に配置された圧縮装置(例えばターボチャージャー又はスーパーチャージャー)を更に含む場合がある。 ターボチャージャーに関しては、コンプレッサは、排気通路48上に配置されたタービンによって、(例えばシャフトを介して)少なくとも部分的に駆動され得る。 スーパーチャージャーに関しては、コンプレッサは、エンジン10及び/又は電気機械によって少なくとも部分的に駆動され、タービンを含まない場合もある。 このようにして、ターボチャージャー又はスーパーチャージャーを介して一つ又は複数の気筒に供給される圧縮空気の量は、制御器12によって変更され得る。
燃料インジェクタ66は、燃焼室30上流の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射として知られる構造を提供すべく、吸気マニフォールド44内に配置されているのが示される。 燃料インジェクタ66は、電気ドライバ68を介して制御器12から受信した信号FPWのパルス幅に比例して、燃料を噴射し得る。 燃料は、燃料タンク及び燃料レールを含む燃料装置(不図示)によって、燃料インジェクタ66に供給され得る。 代案として又は更に加えて、実施形態の幾つかにおいて、燃焼室30は、直接噴射として知られているやり方で、燃焼室30内に直接的に燃料を噴射すべく、燃焼室30に直接的に連結された燃料インジェクタを含む場合がある。
吸気通路42は、例えば蝶弁からなる弁板64を有するスロットル弁62を含み得る。この特定の例においては弁板64の位置は、スロットル弁62に付随する電気モータ或いはアクチュエータに供給される信号を介して制御器12によって変更され、電子スロットル制御(ETC)と通常呼ばれる構成であり得る。 このようにしてスロットル弁62は、他のエンジン気筒における燃焼室内にも供給される吸気の流量を変化させるべく、作動させられる。 弁板64の位置は、スロットル位置信号TPによって制御器12に供給され得る。 吸気通路42は、信号MAFを制御器12に供給する質量空気量センサ120を含む場合がある。 吸気マニフォールド44は、信号MAPを制御器12に供給するマニフォールド空気圧力センサ122を含む場合もある。
点火装置88が、選択された運転モードにおいて、制御器12からの点火進角信号SAに応じて、点火プラグ92によって燃焼室30に点火火花を供給する場合がある。 火花点火式の点火装置88が示されているものの、実施形態の幾つかにおいて、エンジン10の燃焼室30、或いは、一つ又はそれ以上の他の燃焼室は、点火火花を用いた圧縮着火燃焼モード、或いは、点火火花を用いない圧縮着火燃焼モードにて作動され得る。
排気ガス・センサ126が、排気浄化装置70の上流にて排気通路48に連結されているのが示される。 排気ガス・センサ126は、線形酸素センサ、UEGO(汎用又は広範囲排気ガス酸素)センサ、ニ状態酸素センサ、排気ガス酸素EGOセンサ、HEGO(加熱型EGO)センサ、NOセンサ、HCセンサ、或いはCOセンサのような、排気ガスの空燃比の指標を提供するのに適する如何なるセンサでもあり得る。 排気浄化装置70が、排気通路48に沿って、排気ガス・センサ126の下流に配置されているのが示される。 排気浄化装置70は、三元触媒(TWC)、NOトラップ、他の様々な排気浄化装置、或いは、それらの組み合わせであり得る。 実施形態の幾つかにおいて、排気浄化装置70は、エンジン10の作動中に、エンジン気筒の少なくとも一つを特定空燃比にて作動させることによって、周期的にリセットされ得る。
制御器(又は制御装置)12は、図1において、マイクロプロセッサ・ユニット102、入力/出力ポート104、この特定の例において読み出し専用メモリ(ROM)チップ106として表される、実行可能なプログラムと校正値のための電子記録媒体、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)108、キープ・アライブ・メモリ(KAM)110、及びデータ・バスを含む、マイクロコンピュータとして示される。 制御器12は、エンジン10に結合されたセンサから、前述の信号に加え、質量空気量センサ120からの吸入質量空気量の計測値(MAF)、ウオータ・ジャケット114に結合された温度センサ112からのエンジン冷媒温度(ECT)、クランクシャフト40に結合されたホール効果センサ118(又は他の種類のセンサ)からのプロファイル点火ピックアップ信号(PIP)、スロットル位置センサからのスロットル位置(TP)、及び、マニフォールド空気圧力センサ122からのマニフォールド圧力信号MAPを含む、種々の信号を受信し得る。 エンジン速度信号RPMは、信号PIPから制御器12によって発生され得る。 マニフォールド空気圧力センサ122からのマニフォールド圧力信号MAPは、吸気マニフォールド44内の負圧又は圧力の指標を提供するために使用され得る。 マニフォールド空気圧力センサ122を設けることなく質量空気量センサ120を設けるような、又は、その反対のような、上述のセンサの様々な組み合わせが使用され得ることに留意すべきである。 ストイキ運転の間、マニフォールド空気圧力センサ122はエンジン・トルクの指標を与え得る。 更に、このマニフォールド空気圧力センサ122は、検出されたエンジン速度と合わせて、気筒30内に導かれる(空気を含む)充填量の推定値を提供し得る。 例の一つにおいて、エンジン速度センサとしても使用されるホール効果センサ118は、クランクシャフト40の回転毎に所定数の等間隔のパルスを発生し得る。
更に、制御器12は、オイル・センサ136と通信可能である。 例の一つにおいて、オイル・センサ136は、エンジン・オイルの劣化レベルを判定すべく、エンジン・オイルによる耐摩耗性を直接的に測定するための犠牲的な(すなわち使い捨ての)磨耗センサであり得る。 オイル・センサ136は、エンジン・オイルの劣化に対応して、磨耗又は劣化する犠牲部分138を含み得る。 オイル・センサ136は、オイル劣化レベルについての指標を制御器12に供給すべく、犠牲部分138の磨耗に基づいて、制御器に送信される電気信号(例えば電圧レベル)を変化させるように構成され得る。 更に、オイル・センサ136の犠牲部分138は、エンジン・オイルを交換したとしてもエンジン・オイルの磨耗測定の精度を維持すべく、定期的な整備(例えば定期的なオイル交換作業)において交換され得る。 オイル・センサ136の犠牲部分138の交換を容易にするために、オイル・センサ136は、オイル・センサ136へのアクセス容易性を促進するように、エンジン・システム10の内部に設けられる場合がある。 例えば、エンジン10・システムにおけるオイル・フィラー・キャップがロバスト熱電対(robust thermocouple)140を含み、その熱電対140が、オイル・フィラー・キャップを取り外して犠牲部分138にアクセスできるように、オイル・センサ136を備えて構成される場合がある。 この熱電対140は、エンジン・システム10及び油圧システムの高温状態から、オイル・センサ136を保護することが可能になる。
別の例として、オイル・センサ136はロバスト熱電対140を介してクランクシャフト40の近傍に配置され、磨耗センサの犠牲部分138は、回転可能なクランクシャフト40に一体化されたセンサ・ターゲットに当接する場合がある。 更に、センサ・ターゲット又は犠牲部分138は、複数の異なる材質(金属製又は非金属製)の断片を含み、エンジン・オイルの劣化に伴う侵食及び腐食メカニズムによる磨耗挙動を異なる種別及び強度にてシミュレートすべく、互いに異なる隙間又は物理的接触レベルにて動作するように構成され得る。 オイル・センサ136における異なる材質の犠牲部分138は、エンジン・オイルの劣化度合いに対応して、異なる速度にて磨耗し得る。 例の一つにおいて、犠牲部分138の磨耗は、混入物が犠牲部分138と相互作用することによってもたらされ、侵食反応又は腐食反応によって磨耗を引き起こす場合がある。 具体的には、犠牲部分138が磨耗するときには、センサ・ターゲットと犠牲部分138との間隔が増加するので、オイル・センサ136は、エンジン・オイルの劣化に関する読取り値を生成すべく、センサ・ターゲットと犠牲部分138との間隔を測定する場合がある。
オイル・センサ136又は犠牲部分138の何れか一方は、これに限定されるものではないが、オイル・フィルタ内、油圧システムのオイル・ドレイン・プラグ近傍、オイル・フィラー・キャップ近傍、及び、エンジン・オイルの検油棒と一体的に配置され得る。 オイル・センサ136の犠牲部分138は、具体的には、エンジン・オイルの劣化に関する指標を提供すべく、特定エンジン部品よりも早いペースで磨耗するように構成され得る。 更に、オイル・センサ136は、犠牲部分138を容易に交換し得る位置に配置され得る。 このようにして、オイル品質に関する問題はタイムリーなやり方で特定され、エンジン動作はエンジン・オイルの状態を考慮するように変更又は制限され、及び/又は、運転者に警報が発せられ得る。 エンジン・オイルの劣化及び/又は温度を測定し得る複数のオイル・センサ136が、エンジン・システム10の至るところに配置されて、オイル・センサ136の読取り値はエンジン動作の制御に使用され得ることが理解されるであろう。
更に、エンジン・システム10の種々のモードの幾つかは、エンジンの温度又はエンジン・オイルの温度に基づいて開始されることが理解されるであろう。 例えば、HCCI燃焼が行なわれるためには、エンジン10は十分に高温であることが必要とされる。 エンジン温度センサは、エンジン・モード(例えばHCCI燃焼モード)を最適に選択するために設けられ、これらエンジン温度センサは典型的には、エンジン冷却液の温度を直接的に測定すべく、シリンダ・ヘッド(例えば、サーモスタット筐体)上に配置される場合がある。しかしながら、エンジン冷却液の温度とエンジン・オイルの温度との間には、温度差が存在し得ることが理解されるであろう。 更に、エンジン・オイルの温度は、過渡的な動的状態においては、一般的なエンジン冷却液ベースで検出されたエンジン温度よりも急激に変化し得ることが理解されるであろう。 このように、幾つかの状態において、エンジン冷却液の温度に厳密に基づくエンジン動作の制御は、エンジン・オイルの温度に基づく制御に比べて、精度が低い場合がある。
このようにして、実施形態の幾つかにおいて、オイル・センサ136は、エンジン・オイルの温度を測定して、その温度読取り値を制御器12に送信するように構成され得る。前述したように、オイル・センサ136は、エンジンの高温状態に対して耐熱性のあるロバスト熱電対140を備えて構成され、それ故、オイル・センサ136は、エンジン・オイルの温度測定が最も高精度となり得る回転部品の近傍に配置され得る。 特定の例の一つにおいて、オイル・センサ136は、カムシャフトの近傍に配置され、エンジン・オイルの温度についての正確な測定値を提供すべく、回転しているカムシャフト上の油膜の温度が測定される場合がある。 適当なオイル・センサが、運転サイクルの全領域にわたってエンジン動作を制御する制御器に、(低温から高温にわたって)高精度なエンジン・オイルの温度に依存して変化し得る電気信号を送信し得る。
実施形態の幾つかにおいて、オイル・センサ136は、犠牲部分138を含むことなく、より長持ちするセンサ機構を含む場合がある。 更に、実施形態の幾つかにおいては、オイル・センサ136は、オイル・フィラー・キャップ、検油棒、又は他の交換可能な油圧システム部品とは離間した、独立式のロバスト熱電対に組み込まれる場合もある。
実施形態の幾つかにおいて、オイル・センサ136は、エンジン・オイルについて温度及び劣化の両方を測定するように構成され得ることが理解されるであろう。 更に、実施形態の幾つかにおいて、ロバスト熱電対140は、エンジン・オイルの劣化を測定し得るオイル温度測定センサを含み、両方の測定値を示す信号が制御器12に送信される場合がある。
オイル・センサ136は、前述した他のセンサと同様に、ワイヤ通信又はワイヤレス通信によって制御器12と通信し得ることが理解されるであろう。
前述したように、図1は、多気筒エンジン10の気筒を一つのみ示しており、他の気筒も同様に、吸気バルブ52/排気バルブ54、燃料インジェクタ66、点火プラグ92等を各々一式含み得る。
エンジン10における燃焼は、運転状態に応じて、様々な形式/モードを有する。 一例として、エンジン10が点火装置(例えば、燃焼室30に設けられた点火プラグ92)を備える場合には、火花点火(SI)を用いることによって、燃焼室30内のガスの点火タイミングを、膨張行程の上死点後の所定時間に調節する場合がある。 例の一つにおいて、火花点火燃焼モードでの運転中に、燃焼室30に流入する空気の温度は、自己着火燃焼モードでの運転に必要とされる温度よりも大幅に低い。 SI燃焼は、エンジンのトルク及び速度の広い範囲にわたって用いられ得るものの、他の種別の燃焼と比較して、NO発生量の増加及び燃料経済性の低下をもたらし得る。
エンジン10によって用いられ得る別の種別の燃焼は、予混合圧縮着火(HCCI)、又は、制御された自己着火(CAI)を用いるものであり、このとき燃焼室内のガスは、燃焼サイクルにおける圧縮行程後、或いは、圧縮行程の上死点近傍の所定時点にて自己着火する。 典型的には、予混合された充填混合気の圧縮着火が用いられるときには、燃料と空気は通常は均質となるように予混合される。 この燃料と空気との予混合は、ポート噴射式火花点火エンジン、又は、吸気行程中に直接的に燃料噴射されるエンジンの場合には、高い空燃比にて行われ得る。 空気又は残留排気ガスによって混合気は大幅に希薄化され、それによって燃焼ガス温度のピークを低下させるので、NO生成物は、SI燃焼において生成される場合よりも低減され得る。 更に、圧縮着火燃焼モードにて作動しているときの燃料効率は、エンジンのポンプ損失の低減、ガスの比熱比の増加、及び、高圧縮比の利用によって増大され得る。
圧縮着火燃焼モードにおいては、自己着火するタイミングを高精度に制御するのが好ましい。 最初の吸気温度は、自己着火のタイミングに直接的に影響を及ぼす。 自己着火の開始は、エンジンの種々の制御動作(イベント:例えば一般的なディーゼル・エンジンにおける燃料噴射、或いは、火花点火エンジンにおける点火プラグの火花発生)によって直接的には制御されない。 更に、熱発生率、即ち発熱速度は、(ディーゼル・エンジンにおける)燃料噴射プロセスの量又は期間の何れか、或いは、(火花点火エンジンにおける)乱流火炎伝播時間によって制御されない。
但し、自己着火は、火花点火エンジンにおいてノッキングを引き起こし得る現象であることに留意すべきである。 ノッキングは、気筒への熱伝達を増大させ、ピストンの焼付きや損傷を発生し得るので、火花点火エンジンにおいては好ましくない。 制御された自己着火燃焼モードにおいては、その高い空燃比によって、希薄化された充填吸気が圧力の上昇率を低く保つと共に、燃焼ガスの最高温度を比較的低く保つので、ノッキングは概してエンジンの劣化を引き起こさない。 また、圧力の上昇率が低くなることで、火花点火によるノッキングに特有である有害な圧力振動が低減される。
火花点火エンジンと比較して、圧縮行程開始時点での充填吸気温度は、圧縮行程の終了時点或いはその近傍において自己着火条件に到達すべく、概して上昇され得る。 最初の充填吸気温度を上昇するべく、多数の方法が使用され得ることが、本技術分野の当業者によって理解されるであろう。 それらの幾つかは、吸気の加熱(熱交換器)、吸気及び/又は排気バルブ・タイミングを調整することによって高温の燃焼生成物の一部を気筒内に保持(内部EGR)、充填吸気の圧縮(ターボチャージャー又はスーパーチャージャー)、エンジンに供給される燃料の自己着火特性の変更、及び、充填吸気の加熱(外部EGR)を含み得る。
HCCI燃焼の間、燃焼室内の混合気の自己着火は、適切なエンジン・トルクを生成するよう適切なピストン位置又はクランク角に制御され、燃焼を行なうために点火装置によるって点火することは必ずしも必要とされていない。 しかしながら、自己着火温度に到達した後においては点火プラグのタイミング遅延は、自己着火が発生しなかった場合の予備点火源として利用され得る。
一例として点火装置を備えるエンジンにて行われ得る第三形式の燃焼は、燃焼室内の混合気の温度が自己着火温度に到達するとき(例えば、燃焼が行われることなく、実質的に自己着火近傍のレベルに到達するとき)に、点火装置を利用して、自己着火を開始(又は促進)し得る。 そのような着火促進形式の燃焼は、SI燃焼よりも、燃料効率の増加、及び、NO生成物の低減をもたらし、更にHCCI燃焼に比べて高いトルク範囲でエンジンを作動し得る。 着火促進形式の燃焼はまた、エンジン運転サイクルの特定タイミングにて、温度を制御する領域を全般的に拡大し得る。 すなわち、着火促進が行なわれなければ、温度の小さな変化が燃焼タイミングに極めて大きな変化をもたらし、これによってエンジンの出力及び性能に影響を及ぼし得る場合に、着火促進することで燃焼タイミングを正確に制御しつつ、HCCI燃焼の多くの利点を達成することが可能である。 このように、例の一つにおいては、幾つかの状態において、着火促進形式の燃焼はまた、SI燃焼モードとHCCI燃焼モードとの移行時に使用される場合がある。
実施形態の一つにおいて、着火促進燃焼モードは、少量の燃料が点火プラグ近傍のガスに供給される場合に作動され得る。 この少量の燃料の燃焼(火炎伝播)によって気筒中の圧力が増大し、それによって残りの混合気が自己着火を開始し得る。 従って、比較的少量のリッチ混合気が、点火プラグの近傍に供給されて、それはまた、均質、層状、或いは僅かに層状であり得る。 そのような作動を提供する取組みの一つは、圧縮行程における第二の直接的な燃料噴射を利用することであり得る。
上述の第三形式の燃焼モード(着火促進燃焼モード)を少なくとも含む適用例の一つは、エンジン始動中及び/又はエンジン始動後のエンジン暖機期間において、SI燃焼を行うものであってもよい。 そのようなエンジン始動及びエンジン暖機の後には、燃焼プロセスは、燃料経済性及びエンジン排出物特性を改善すべく、着火促進燃焼モードを経由して、HCCI燃焼モードに移行し得る。 高いエンジン・トルクが要求されている期間においては、適切な燃焼タイミングを確保すべく、着火が促進され得る。 低い或いは適度のエンジン・トルク要求に戻ったときには、HCCI燃焼の利点を完全に享受すべく、着火促進は停止され得る。
他の複数のパラメータが、圧縮温度のピーク値と効率的なHCCI燃焼に必要とされる温度との両方に影響を及ぼし得ることに留意すべきである。 これらの及び他の如何なる適用可能なパラメータも、エンジンの制御器12に記憶されたルーチンに適用され、最適な運転条件を決定するように使用され得る。 例えば、燃料のオクタン価が増加するときには、燃料が着火する圧縮温度に高いピーク値を必要とするので、必要とされる圧縮温度のピーク値が増加し得る。 前述の燃焼モードの一つ又は複数は、例の幾つかにて使用され得るものの、燃焼を開始するのに火花を用いるか否かに関わらず、更に別の燃焼モード(例えば層状の燃焼モード)が使用され得る。
ここに記述するように、圧縮着火又は自己着火が可能なエンジン10の一例において、吸気バルブ52は、選択された燃焼モードに応じた高リフト・カム・プロフィール又は低リフト・カム・プロフィールの何れかによって、駆動され得る。 低リフト・カム・プロフィールは、高レベルの残留(排気)ガスを気筒30内に閉じ込めるように使用され得る。 例の幾つかにおいて、閉じ込められたガスは、最初の吸気充填温度を増加することによって、圧縮着火又は自己着火を促進する。 しかしながら、(高負荷又は低負荷の何れであっても)火花点火燃焼モードにおいて、高リフト・カム・プロフィールが使用される場合がある。 そのような切換え可能なカム・プロフィールは、例えば、内側ランド及び外側ランドとの間で切換える様々なカム及びタペット装置によって達成され得る。 そのランドの切換えは、油圧アクチュエータによって達成される場合がある。 別の例として、そのようなカム及びタペット装置は、複数のタペットを含む場合もある。
別の実施形態において、異なるカム・プロフィールの間でリフト・カム・プロフィールを変更する単一の吸気バルブ(又は切換え可能な複数の吸気バルブ)を備えた気筒を使用するよりも寧ろ、少なくとも二つの吸気バルブを備えた気筒が使用され、そこにおいて、それら吸気バルブの各々が(少なくともその気筒毎に)異なるリフト・カム・プロフィールを有する場合がある。 圧縮着火又は自己着火しているときには、低(及び/又は短)リフト・カム・プロフィールの吸気バルブは作動状態を維持しつつ、高(及び/又は長)リフト・カム・プロフィールの吸気バルブは、ロスト・モーションの可能なタペットの使用によって作動不能とされ得る。 火花点火燃焼しているときには、低(及び/又は短)リフト・カム・プロフィールの吸気バルブの作動を継続しつつ、高(及び/又は長)リフト・カム・プロフィールの吸気バルブは、エンジンへの空気流を増加するように作動し得る。
換言すると、第一吸気バルブは、圧縮着火又は自己着火にてエンジンを作動するのに十分な空気を流すのを可能にする低リフト・カム・プロフィールを有し得る。 更に、第一吸気バルブは、圧縮着火又は自己着火のために設定された(固定された又は調整可能な)バルブ・タイミングを有し得る。 第二吸気バルブは、圧縮着火又は自己着火のために必要とされる空気を上回って、火花点火燃焼のための空燃比バランスを提供する(固定された又は調整可能な)バルブ・リフト又はバルブ・タイミングを有し得る。
作動中のバルブは、気筒の一サイクル中にバルブが開閉されており、休止されているバルブは、気筒の一サイクルにわたって閉位置(又は固定位置)に保持され得る。 前述の構成はあくまでも一例であって、ここに記述された取組みは、気筒毎に三つ以上の吸気バルブ及び三つ以上の排気バルブを備えた装置と共に、種々の異なる可変バルブ・リフト・プロフィール装置及び構成(例えば排気装置)に適用され得ることが理解されるであろう。
ここで図2を参照すると、エンジン・システム10と共に使用されるカム・プロフィール切換え装置の構成の一例が示されている。 カムシャフト212は、互いに異なるリフト・プロフィールを規定し得るカム・ローブ214、216、218を含む場合がある。具体的には、この例において、カム・ローブ214及び218は同一のリフト・プロフィールを有し、カム・ローブ216が、異なるリフト・プロフィールを有する。 特に、カム・ローブ214及び218は高リフト・プロフィールを有し、カム・ローブ216は低リフト・プロフィールを有し得る。
カム・プロフィール切換え装置58、59は、図3に示す切換え可能なタペット210を含み、そのタペット210はカムシャフト212における複数のカム・ローブと相互作用し得る。 具体的には、カム・ローブ214及び218は、切換え可能なタペット210の外側部分222の上面と相互作用し、カム・ローブ216は、切換え可能なタペット210の中心部分224の上面と相互作用する場合がある。 バルブ作動中には、切換え可能なタペット210は、高リフト・プロフィールを生成すべく、カム・ローブ214及び218によって一体的に駆動される場合がある。 或いは、外側部分222が中心部分224から分離され、切換え可能なタペット210は、低リフト・プロフィールを生成すべく、カム・ローブ216によって駆動される場合もある。 場合によっては、気筒バルブにおけるリフト・プロフィールの切換え要求は、SI燃焼モードからHCCI燃焼モードへの移行、及びその逆の移行に基づいて生成され得る。
この例は、バルブ・ステムに連結されたタペットを有するオーバーヘッド・カム型エンジンを示しているものの、タペットはプッシュロッド型エンジンにも使用され得て、それ故、タペットはプッシュロッドに連結される場合がある。
更に、図2は、エンジン10の気筒バルブを一つのみ示している。 そこにおいて、エンジン10は、図2に示すバルブと同様に、類似して、或いは異なって構成された、複数のバルブ(吸気バルブ及び/又は排気バルブ)を各気筒が有する多気筒エンジンであり得る。 更に、前述のバルブ装置は、圧縮着火又は自己着火式エンジンにおいて利点を享受し得るものの、それはまた、他のエンジン燃焼装置にて使用される場合もある。
図3は、中心部分224と外側部分222との間を連結又は切断すべく、ロック・ピン254が使用され得る切換え可能なタペット210の一例を示している。 ロック・ピン254がロック位置にあるときには、カム・ローブ214及び218との当接によって外側部分222に与えられる運動は、中心部分224をその運動に追従させ、その結果として、中心部分224に連結されたバルブ・ステム及びバルブ52、54を駆動する。 一方、ロック・ピン254がアンロック位置にあるときには、内側部分256内のスプリングの伸縮によって、中心部分224とは独立して外側部分222が移動し得る。 そして、中心部分224に当接するカム・ローブ216は低リフト・プロフィールを有するので、バルブ・リフト量は、カム・ローブ214及び218によって駆動されるときよりも小さくなる。
このようにして、切換え可能なタペット210は、所望の動作を依然として維持しつつ、タペット210の製造容易性を高く維持した状態で使用され得る。 必要に応じて、バルブを駆動する他の例が使用され得ることが理解されるであろう。 例えば、切換え可能なタペット210は、バルブ・リフトを生成する第一リフト・プロフィールとバルブ・リフトを全く又は殆ど生成しない第二リフト・プロフィールとの間で切換えることによって、バルブの作動を休止するように使用される場合がある。 更に、バルブは、所望の吸気又は排気バルブ・リフト・プロフィールを生成すべく、他の可変バルブ・リフト機構と組み合わせて使用される場合もある。
例の一つにおいて、ロック・ピン254は、切換え可能なタペット210をロック位置とアンロック位置との間で移行すべく、制御器12と通信する油圧バルブを用いて制御された油圧によって駆動される場合がある。 更に、油圧回路構成が、異なる気筒バルブのタペット切換えを制御すべく、設けられる場合もある。 図4は、各気筒におけるバルブのタペット切換えを制御するように油圧回路が設けられた四気筒エンジンへの適用例を示している。 図示された例において、油圧回路構成は、図示した気筒1乃至4におけるアクチュエータへの油圧を各々制御する、第一油圧アクチュエータ410及び第二油圧アクチュエータ412を含み得る。 この例において、エンジン点火順序は1→3→4→2であるものの、これは単なる一例である。
図4を参照して説明を続けると、二つのアクチュエータ410及び412は各々、吸気タペット及び排気タペットの各々に対して、互いに独立したオイル通路を用いている。 この構成は、吸気バルブ及び排気バルブの各グループを独立制御するのを可能にし、吸気バルブ及び排気バルブの両方の所定気筒切換え順序に対して、(応答時間及び切換え速度に応じた)十分な切換え期間が達成されるのを可能にし得る。 図示されるような装置を用いることで、吸気バルブ及び排気バルブの両方のタペットについて、同一の気筒切換え順序を達成することが可能となる。 換言すると、所定気筒切換え順序における受入れ可能でロバスト性のある切換えを達成するように使用されるカム・イベント切換え領域は、吸気側と排気側との間で重複しないので、複数気筒における吸気バルブ及び排気バルブの独立制御は、所望の切換え順序を得るように使用され得る。
実施形態の幾つかにおいて、油圧回路は、更なるオイル通路における油圧、特定グループの切換え可能なタペット用の油圧、又は、個々の切換え可能なタペット用の油圧を制御すべく、更なるアクチュエータを含む場合がある。 例えば、油圧回路構成は、四つの独立したオイル通路における油圧を制御すべく、四つのアクチュエータを含む場合がある。
前述の取組みは、代替の点火順序に適用するように修正及び/又は変更され得ることに留意すべきである。 例えば、オイル通路は、例えば引き続いて点火する二つの気筒を同じオイル通路に連結することによって、同じ又は異なる所望の効果を達成するように再構成される場合がある。 前述の例においては、一つのバンクを備えた四気筒エンジンを図示していることに留意すべきである。 しかしながら、この取組みは、例えば、二つのバンク(各々が四つの気筒を有する)を備えたV−8エンジンにも適用され得る。 この場合、例え全体的なエンジン点火順序が周期的にバンク間で切換えられたとしても、特定バンクの気筒における点火順序は、オイル通路を形成するように使用され得る。 換言すると、気筒3は、例え別のバンクの気筒が気筒1と気筒3との間で点火する場合でも、図示された特定バンクの気筒の中では気筒1に引き続いて点火する場合がある。
上述された油圧回路構成は、様々な運転状態に対処するのに十分な再現性、ロバスト性、及び変動性を備えたシステムを提供しつつ、複雑さを低減し、そこにおいて、気筒切換え順序が予め規定されてロバスト性が達成され得る。 更に、前述のカム・プロフィール切換え構成は限定されない一例であり、他の適切なカム・プロフィール切換え構成がエンジン・システムに設けられ得ることが理解されるであろう。
自動車の作動中において、動作モード切換え(より具体的にはカム・プロフィール切換え)は、できるだけエンジンの動作に影響を与えない動作期間内に制限され、モード切換えは低減され得る。 例の一つにおいて、カム・プロフィール切換え期間は、信号をアクチュエータに送信してバルブ動作(カム・プロフィール)の切換えを開始するクランク角範囲によって、特徴付けられる場合がある。 その期間の開始領域及び終了領域は、点火順序及び/又はバルブ開時間等によって規定され得る。
図4に示すような四気筒エンジンの構成を参照すると、気筒1から点火開始するモード切換えの例において、気筒1及び気筒3における排気信号(排気バルブにおけるカム・プロフィール切換えを行う信号)の開始期間は気筒3の排気バルブを開くクランク角よりも後であって、気筒1及び気筒3における排気信号の終了期間は気筒1の排気バルブ(高リフト・カム)を開くクランク角よりも前であるように規定され得る。 この例において、SI燃焼モードの最後の燃焼イベントにおいては、排気バルブのリフト・プロフィールがHCCI形式の排気バルブのリフト・プロフィールであるように、そして、HCCI燃焼モードの最初の燃焼イベントにおいては、吸気バルブのリフト・プロフィールがHCCI形式の吸気バルブのリフト・プロフィールであるように、モード切換えが制御される
更に、気筒1から点火開始するモード切換えの例において、気筒1及び気筒3における吸気信号(吸気バルブにおけるカム・プロフィール切換えを行う信号)の開始期間は気筒3の吸気バルブを開くクランク角よりも後であって、気筒1及び気筒3における吸気信号の終了期間は気筒1の吸気バルブ(高リフト・カム)を開くクランク角よりも前であるように規定され得る。 同様の取組みは、気筒2及び気筒4のための排気信号/吸気信号が気筒2及び気筒4のバルブを開くクランク角に対応してシフトされ得ることを除いて、気筒2及び気筒4における吸気/排気信号の開始/終了期間にも適用される場合がある。
開始期間のクランク角、終了期間のクランク角、及び/又はそれら期間の継続時間は、HCCI燃焼モードからSI燃焼モードへの移行とは異なることに留意すべきである。 これは、例えば、異なるリフト・プロフィール間でバルブ作動タイミング及び継続時間が相違することに起因し得る。 別の例として、カム・プロフィール切換え期間は、カム・タイミング(例えば進角又は遅角)の変化、或いは、可変カム・タイミング(VCT)制御器又はその制御器の制御部品によって設定された設定値に関する他の適切な変化に基づいて変化する。
カム・プロフィール切換え期間は、オイル通路を用いて油圧が切換えられるクランク角範囲によって特徴付けられ得る。 しかしながら、前述したように、多くの要因が、タペットの切換えタイミング及び切換え順序における制御のロバスト性に影響を及ぼし得る。例の一つにおいて、その各々が複数の気筒にて作用するオイル通路を備えたタペット切換え技術を使用するときには、タペット切換えは、油圧が閾値に到達したときに行われ得る。 このように、各々のタペットが切換わるタイミングは、油圧回路の動的状態に依存し得る。 更に、油圧が閾値に到達するときにタペットがカム・ローブによって押し下げられるならば、カムシャフトが次に回転するときまで、タペットは切換えられない。
更に、異常な運転状態(すなわち(不純物混入に起因した)所定範囲外の温度状態、及び/又は、所定範囲外のオイル粘性状態)にて作動するときにおける(粘性及び温度の両方に関する)エンジン・オイルの状態は、カム・プロフィール切換え応答時間に影響を及ぼし得る。 そのカム・プロフィール切換え応答時間は、もしそれが考慮されないならば、燃料噴射又は火花点火と同期し得ないカム・プロフィール切換えをもたらし、これはトルク変動、NVH増加、エンジン排出物増加、及び/又は、燃料経済性低下を引き起こす場合がある。
具体的には、エンジン・オイルの品質は、エンジンの内部を通る、或いは、エンジンからオイル・トランスデューサー又は切換え可能なタペットに通る低圧ライン及び高圧ライン、及び、切換え可能なタペットそのものを含む二つ以上の領域において、カム・プロフィール切換えを開始させる信号の送信タイミングに対する、バルブ動作(カム・プロフィール切換え)の切換えタイミングに影響を及ぼし得る。 すなわち、異なった粘性を有する劣化オイルは、低圧ライン及び高圧ラインにおけるオイル伝達速度を低減又は増大すると共に、切換え可能なタペット内部のロック・ピンの作動速度を低減又は増大し得る。
例えば、エンジン・オイルが劣化するに連れて、オイル中における粘性のある添加物がせん断によって分解し、これによって、オイルの粘度が上昇し得る。 更にオイルが劣化し続けるに連れて、オイルが酸化して、オイルの粘度は低下し得る。 このように、オイル劣化によってオイルの粘性は変化し、それはカム・プロフィール切換えの信号タイミングに影響を及ぼし得る。 更に、電子バルブ又は電磁バルブにおける遅延、及び、外部状態は、カム・プロフィール切換えを開始する信号の送信タイミングに対する、バルブ動作(カム・プロフィール)の切換えタイミングに影響を及ぼし得る。
カム・プロフィール切換え(バルブ・プロフィール切換えとも言う)についての正確な制御は、燃焼モードの移行(例えばHCCI燃焼モードからSI燃焼モードへ、或いはその逆)に影響を及ぼすと共に、圧縮着火燃焼又は自己着火燃焼の動作に影響を及ぼすので、カム・プロフィール切換えに影響を及ぼす要因の少なくとも幾つかは、ここに記述された種々の制御ストラテジーにおいて考慮され得る。
取組みの一つにおいて、カム・プロフィール(又はタペット)切換えタイミングは、エンジン・オイルの状態に基づいて、或いは、エンジン・オイル・センサの読取り値から判定されるエンジン・オイルの劣化状態に基づいて調整され得る。 前述したように、エンジン・オイル・センサは、エンジン・オイルの状態に応じて変化する電気信号を生成するように構成され得る。 具体的には、エンジン・オイル・センサの電気信号は、汚れのない新しいオイルから汚れたオイルに至るオイルの劣化状態を特徴付ける場合がある。 更に、例の一つとして、エンジン・オイル・センサの電気信号の電圧レベルの各々はオイルの粘性レベルに対応し、その粘性レベルは、信号タイミングを調整するのに考慮される場合がある。
ここで図5を参照すると、エンジン・オイルの劣化状態に基づくタペット(バルブ・リフト)切換えの制御ルーチンに対応するフローチャートの一例が示されている。 ルーチンはステップ510にて開始し、そこにおいて、燃焼モード切換えが要求されているか否かが判定され得る。 一例として、その要求は、SI燃焼モードからHCCI燃焼モードに切換えることであり得る。 別の例として、その要求は、HCCI燃焼モードからSI燃焼モードに切換えることであり得る。 更に別の例として、その要求は、他の適切な燃焼モード又はエンジン作動モードに切換えることを含む場合がある。 上述したように、その要求は、種々の運転条件を満たしたときに、開始され得る。 例えば、HCCI燃焼モードに切換える要求は、所望のエンジン速度、所望のエンジン負荷、及び所望の温度状態への到達に応答して開始される場合がある。 燃焼モードの切換えが要求されていると判定されるならば、ルーチンはステップ512に進む。 そうでなければ、ルーチンは終了する(リターン)。
ステップ512において、ルーチンは、現在、過去、及び/又は将来のエンジンの状態を評価する工程を含み得る。 前述したように、エンジンの状態は、エンジン・オイルの劣化状態、エンジン・オイルの温度、一つ又は複数のオイル通路におけるエンジン・オイルの圧力、エンジン速度、エンジン負荷、エンジン温度、クランクシャフト位置、カム位置、燃料噴射量及び/又はタイミング、点火タイミング、及び、外気状態(例えば気温及び気圧)の一つ又は複数を含む場合がある。
特定の一つの例において、エンジンの状態を評価する工程は、エンジン・オイル・センサから、エンジン・オイルの劣化状態に対応する電圧レベルを受ける工程を含み、その劣化状態は、制御器のメモリに記憶された参照テーブルから検索される場合がある。 エンジン・オイルの劣化状態は、センサ信号の電圧値に対応するように区分されており、この区分は、カム・プロフィールを切換える信号タイミングを調節するのに適切なものであれば、如何なる細かさないし範囲のものであってもよいことは理解されるであろう。
次にステップ514において、ルーチンは、エンジン・オイルが第一閾値を超えて劣化しているか否かを判定する工程を含み得る。 この判定する工程は、エンジン・オイル・センサからの読取り値をオイル劣化レベルと比較する工程を含み得る。 例の一つにおいて、第一閾値は、実質的に汚れておらず、混入物又は劣化に起因する粘性の変化がそれ程大きくないエンジン・オイルを特徴付ける場合がある。 エンジン・オイルが第一閾値を超えて劣化していないと判定されるならば、或いは、この例においてエンジン・オイルが実質的に汚れていないならば、ルーチンはステップ522に進み、エンジン・オイルの劣化状態に基づいて信号タイミングを調整することなく、カム・プロフィール切換え又は燃焼モード切換えが行われ得る。 一方、エンジン・オイルが第一閾値を超えて劣化していると判定されるならば、ルーチンはステップ516に進む。
ステップ516において、ルーチンは、エンジン・オイルの劣化レベルに基づいて、カム・プロフィール切換え信号のタイミングを調整する工程を含み得る。 例の一つにおいて、その信号のタイミングは、ロック・ピン移動及びタペット切換えに影響を及ぼし得る、オイル通路及び他の通路を通したオイル移送の(劣化に起因する)遅延を考慮して、進角される場合がある。 具体的には、劣化オイル中の混入物が、オイルの粘性を変化させて、オイルの圧力を増減する応答時間を短く或いは長くする場合がある。 それ故、その信号のタイミングは、エンジン・オイルの劣化レベルに対応して進角され得る。 カム・プロフィール切換え信号のタイミングを調整する工程は、その信号のタイミングを、エンジン・オイルの状態に基づいて適切なタイミングに進角する工程又は遅角する工程を含み得ることが理解されるであろう。
更に、カム・プロフィール切換え信号のタイミングを調整する工程は、カム・プロフィール切換えが起こり得る切換え期間を調整する工程を含む場合がある。 このようにして、カム・プロフィール切換えは、燃焼モードの移行中であっても、燃料噴射指令及び点火指令に同期させられ得る。 例の一つにおいて、切換え期間、及び、それに対応する信号タイミングの調整の仕方は、オイル状態に応じてマップされ得る。 そして、オイルが劣化しているときには、その期間及び/又は信号タイミングは再マップされ、或いは、劣化に起因する遅延を考慮すべく、マップが較正又は切換えされ得る。 更に、再び規定されたマップは、粘性オイルの劣化範囲にわたるダイナモメータによるテストによって形成され、制御器のメモリにプログラムされ得る。
更に、その信号のタイミングを調整する工程は、複数のバルブに対する信号のタイミングを調整する工程を含み得る。 例えば、燃焼モード切換え直前のSI燃焼サイクルは、切換え直後のHCCI燃焼サイクルとは異なる燃料噴射及び点火ストラテジーを用いて、それによって吸気バルブと排気バルブの両方が、SI燃焼又はHCCI燃焼の適切な状態を提供すべく、同時に切換えられる場合がある。 幾つかの状況下にて、複数の吸気バルブが、互いに協調して切換えられる場合がある。 更に、幾つかの状況下にて、複数の排気バルブが、互いに協調して切換えられる場合もある。 なおかつ更に、幾つかの状況下にて、吸気バルブ及び排気バルブが、互いに協調して切換えられる場合もある。 幾つかの場合において、協調したバルブ切換えは、同時切換えを含む場合がある。
ステップ518において、ルーチンは、エンジン・オイルが第二閾値を超えて劣化しているか否かを判定する工程を含み得る。 この工程は、エンジン・オイル・センサからの読取り値をオイル劣化レベルの範囲と比較する工程を含み得る。 第二閾値は、燃焼モードの切換えが、トルク変動、NVH増加、エンジン排出物増加、及び/又は、燃料消費量増加を引き起こし得る、著しいオイル劣化のレベルに対応し得る。 従って、エンジン・オイルが第二閾値を超えて劣化していると判定されるならば、ルーチンはステップ520に進み、そこにおいて、ルーチンは、非同期の切換えの不利益を回避すべく、カム・プロフィール切換え及び/又は燃焼モード切換えを防止する工程を含み得る。 一方、エンジン・オイルが第二閾値を超えて劣化してはいないと判定されるならば、ルーチンはステップ522に進み、前述の如く調整された信号のタイミングを用いて、カム・プロフィール切換え又は燃焼モード切換えを実行する。
そうしてカム・プロフィール切換え信号のタイミングをオイル劣化状態に基づいて調整することによって、例えエンジン・オイルが劣化していたとしても、エンジン動作中にわたって同期性及び正確性を維持するように、燃焼モード切換えを適合し得る。 このようにして、トルク変動、NVH、エンジン排出物、及び/又は、燃料消費量が低減され得る。
前述の閾値は、前述したもの以外に、オイル劣化に関する他の種々の所定レベルを特徴付け得ることを理解すべきである。 更に、実施形態の幾つかにおいて、ルーチンは更なる閾値を含み、そこにおいて、閾値に到達したときには、所定信号のタイミングは、カム・プロフィールの切換え正確性及び同期性を維持するように調整され得る。 実施形態の幾つかにおいて、エンジン・オイルの劣化状態は、センサ電圧の変化に基づき制御器において動的に更新され、エンジンの動作はそれに応じて調整され得る。
別の取組みにおいて、カム・プロフィール(又はタペット)切換えタイミングは、エンジン・オイル・センサによって測定されたエンジン・オイルの温度に基づいて、調整され得る。 エンジン・オイルの温度の変化状態は、予め規定されたカム・プロフィール切換え期間を移動させ得ることが理解されるであろう。 特定の例の一つとして、エンジン・オイルの温度が変化するとき、オイルの粘性は変化し得る。 温度が大きく変化する場合、又は、温度作動領域の範囲外になる場合には、エンジン・オイルの反応状態(すなわち、移送又は応答時間)は、作動モード切換え、及び、より具体的にはカム・プロフィール切換えのタイミングに影響を及ぼし得る。
前述したように、エンジン・オイル・センサは、エンジン・オイルの温度に応じて変更する電気信号を生成するように構成される場合がある。 更に、エンジン・オイル・センサは、正確なエンジン・オイルの温度が制御器に送られるように、油圧システムに対する回転部品(例えば、カムシャフト)の近傍に配置され得る。 エンジン・オイル・センサから読み取ったエンジン・オイルの温度は、エンジン冷却液の読取り値よりも正確であり、それ故、HCCI燃焼モードとSI燃焼モードとの間で、正確なカム・プロフィール切換えを可能にし得る。
ここで図6を参照すると、エンジン・オイルの温度状態に基づくタペット(バルブ・リフト)切換えの制御ルーチンに対応するフローチャートの一例が示されている。 ルーチンはステップ610にて開始し、そこにおいて、燃焼モード切換えが要求されているか否かが判定され得る。 一例として、その要求は、SI燃焼モードからHCCI燃焼モードに切換えることであり得る。 別の例として、その要求は、HCCI燃焼モードからSI燃焼モードに切換えることであり得る。 更に別の例として、その要求は、他の適切な燃焼モード又はエンジン作動モードに切換えることを含む場合がある。 上述したように、その要求は、種々の運転条件を満たしたときに、開始され得る。 例えば、HCCI燃焼モードに切換える要求は、所望のエンジン速度、所望のエンジン負荷、及び所望の温度状態への到達に応答して開始される場合がある。
燃焼モードの切換えが要求されていると判定されるならば、ルーチンはステップ612に進む一方、そうでなければルーチンは終了する(リターン)。ステップ612には、現在、過去、及び/又は将来のエンジンの状態を評価する工程を含み得る。 前述したように、エンジンの状態は、これらに限定されるものではないが、エンジン・オイルの劣化状態、エンジン・オイルの温度、一つ又は複数のオイル通路におけるエンジン・オイルの圧力、エンジン速度、エンジン負荷、エンジン温度、クランクシャフト位置、カム位置、燃料噴射量及び/又はタイミング、点火タイミング、及び、外気状態(例えば気温及び気圧)の一つ又は複数を含む場合がある。 特定の一つの例において、エンジンの状態を評価する工程は、エンジン・オイル・センサが、回転しているカムシャフトにおいてエンジン・オイルの油膜からエンジン・オイルの温度を直接的に測定し、そのエンジン・オイルの温度に対応する電圧を受ける工程を含む場合がある。
次にステップ614において、ルーチンは、エンジン・オイルの温度が第一温度閾値を下回っているか否かを判定する工程を含み得る。 その第一温度閾値は、エンジン・オイルの粘性、及び、オイル温度に対してマップされたオイルの移送挙動に基づき得る。 例えば、第一温度閾値は、オイルの粘性が応答時間を遅延させるポイントに設定される場合がある。 第一温度閾値は、エンジンの異なる温度にわたってのオイル応答挙動のテストに基づいて、較正及び/又は予め規定され、制御器のメモリ中の参照テーブルに記憶され得る。 更に、第一温度閾値は、HCCI燃焼の行われる温度範囲に基づき得る。 この温度範囲をオイル温度が下回るならば、モード切換えは調整又は防止され得る。 エンジン・オイル・センサから受けたオイル温度が第一温度閾値を下回らないならば、ルーチンは、ステップ622に進む一方、エンジン・オイルの温度が第一閾値を超えて下回っていると判定されるならば、ルーチンはステップ616に進む。
ステップ616において、ルーチンは、エンジン・オイルの温度に基づいて、カム・プロフィール切換え信号のタイミングを調整する工程を含み得る。 換言すると、そのタイミングは、ロック・ピン移動及びタペット切換えに影響を及ぼし得る、オイル通路及び他の通路を通したオイル移送の遅延を考慮して、調整される場合がある。 この遅延は、温度の変化によるエンジン・オイルの粘性の変化に起因しており、オイルの圧力を増減する応答時間を短くする場合がある。 カム・プロフィール切換え信号のタイミングを調整する工程は、その信号のタイミングを、エンジン・オイルの温度に基づいて適切なタイミングに進角する工程又は遅角する工程を含み得る。
具体的には、信号のタイミングは、エンジン・オイルの温度が低下するときには、遅延を考慮して進角される場合がある。 また、その信号のタイミングは、エンジン・オイルの温度が低下するときには、エンジン・オイルの粘性が高くなってオイル通路を通じた迅速な移送をもたらすので、遅角される場合もある。 更に、カム・プロフィール切換え信号のタイミングを調整する工程は、カム・プロフィール切換えが起こり得る切換え期間を調整する工程を含み得る。 このようにして、カム・プロフィール切換えは、燃焼モードの移行中であっても、燃料噴射指令及び点火指令に同期させられ得る。 例の一つにおいて、切換え期間、及び、それに対応する信号タイミングの遅延は、オイル状態に応じてマップされている。 そして、オイルの温度が低下しているときには、その期間及び/又は信号タイミングは再マップされ、或いは、エンジン・オイルの温度に起因する遅延を考慮すべく、マップが較正又は切換えされ得る。 更に、再び規定されたマップは、粘性オイルの異なる温度範囲にわたるダイナモメータによるテストによって形成されて、制御器のメモリにプログラムされ得る。
更に、その信号のタイミングを調整する工程は、一つのみのバルブ又は複数のバルブに対する信号のタイミングを調整する工程を含み得る。 例えば、燃焼モード切換え直前のSI燃焼サイクルは、切換え直後のHCCI燃焼サイクルとは異なる燃料噴射及び点火ストラテジーを用いて、それによって吸気バルブと排気バルブの両方が、SI燃焼又はHCCI燃焼の適切な状態を提供すべく、同時に切換えられる場合がある。 幾つかの状況下にて、複数の吸気バルブが、互いに協調して切換えられる場合がある。 更に、幾つかの状況下にて、複数の排気バルブが、互いに協調して切換えられる場合もある。 なおかつ更に、幾つかの状況下にて、吸気バルブ及び排気バルブが、互いに協調して切換えられる場合もある。 幾つかの場合において、協調したバルブ切換えは、同時切換えを含む場合がある。
ステップ618において、ルーチンは、エンジン・オイルの温度が第二温度閾値を下回っているか否かを判定する工程を含み得る。 この工程は、エンジン・オイル・センサからの読取り値をHCCI燃焼の温度範囲と比較する工程を含み得る。 第二温度閾値は、燃焼モードの切換えが、トルク変動、NVH増加、エンジン排出物増加、及び/又は、燃料消費量増加を引き起こし得る、HCCI燃焼の作動範囲を下回るオイル温度に対応し得る。 従って、エンジン・オイルの温度が第二温度閾値を下回っていると判定されるならば、ルーチンはステップ620に進み、非同期の切換えの不利点を回避すべく、カム・プロフィール切換え及び/又は燃焼モード切換えを禁止する工程を含み得る。 一方、エンジン・オイルの温度が第二温度閾値を下回っていないと判定されるならば、ルーチンはステップ624に進み、調整された信号のタイミングを用いて、カム・プロフィール切換え又は燃焼モード切換えを実行する工程を含み得る。
ステップ614を再び参照すると、エンジン・オイルの温度が、第一温度閾値を下回っていないならば、ルーチンは622に進む。 ステップ622において、ルーチンは、エンジン・オイルの温度が、第一温度閾値や第二温度閾値よりも大きい第三温度閾値を上回っているか否かを判定する工程を含み得る。 例の一つにおいて、第三温度閾値は、自己着火燃焼又はHCCI燃焼が不可能/不適切な温度であり得る。 エンジン・オイルの温度が第三温度閾値以上であるならば、ルーチンは、ステップ620に進み、不適切な自己着火燃焼に伴う不利点を回避すべく、カム・プロフィール切換え及び/又は燃焼モード切換を防止する工程を含み得る。 一方、エンジン・オイルの温度が第三温度閾値を下回っていると判定されるならば、ルーチンはステップ624に進み、エンジン・オイルの温度に基づく信号タイミングを調整することなく、カム・プロフィール切換え又は燃焼モード切換えを実行する工程を含み得る。
そうしてカム・プロフィール切換え信号のタイミングを、オイルの温度に基づいて調整することによって、燃焼モード切換えは、エンジン冷却液の温度のみに基づく制御よりも高精度に、エンジン動作中にわたって同期性及び正確性を維持するように、適合され得る。 このようにして、トルク変動、NVH、エンジン排出物、及び/又は、燃料消費量が低減され、及び/又は、場合によっては除去され得る。
前述の閾値は、前述したもの以外に、予め規定された種々の温度を特徴づけ得ることが理解されるであろう。 更に、実施形態に幾つかにおいて、ルーチンは更なる閾値を含み、そこにおいて、閾値に到達したときには、所定信号のタイミングは、カム・プロフィールの切換え正確性及び同期性を維持するように調整され得る。
別の取組みにおいて、エンジン・オイルの劣化は、カム・プロフィール切換え又は作動モード切換え要求を更新するカウンタ・サイクル・アルゴリズム(counter cycle algorithm)を用いることで予測され得る。 ここで図7を参照すると、エンジン・オイルの劣化予測に基づくタペット(バルブ・リフト)切換えの制御ルーチンに対応するフローチャートの一例が示されている。 ルーチンはステップ710にて開始し、そこにおいては、エンジン速度及びエンジン負荷に基づいて、カウンタを加算する工程を含み得る。 カウンタは、クランクシャフトの位置センサに基づいて、作動及び停止される場合がある。 実施形態の幾つかにおいて、カウンタは、代替の又は追加の作動パラメータに基づいて、加算される場合がある。
次にステップ712において、ルーチンは、カウンタが第一閾値よりも大きいか否かを判定する工程を含み得る。 第一閾値は予め所定の実験等に基づいて設定され、例えば劣化した粘性オイルの範囲についてのダイナモメータによるテストによって決定され得る。
第一閾値は、エンジン・オイルの劣化が信号のタイミングに影響を及ぼすと予測されるポイントを表わし、それによってカム・プロフィール切換えタイミングを調整する場合がある。 カウンタが第一閾値よりも大きいならば、ルーチンはステップ714に進む。 そうでないならば、ルーチンは、フローチャートの最初に戻り、カム・プロフィール切換え信号のタイミングは調整されない。
ステップ714において、ルーチンは、カウンタが第二閾値よりも大きいか否かを判定する工程を含み得る。 この第二閾値は、予測される或る状況に対応して設定されるもので、この予測される状況においては、エンジン・オイルの劣化があまりにも著しいために、作動モード切換えが、重大な作動損失(例えば、エンジン失火、NVH(例えばエンジンのノッキング)、エンジン排出物の増加など)を引き起こす場合がある。
そこで、カウンタが第二閾値よりも大きいならば、ルーチンはステップ716に進み、カム・プロフィール切換え又は燃焼モード切換え(例えば、SI燃焼モードからHCCI燃焼モードへの切換え)を禁止する工程を含み得る。 一方、カウンタが第二閾値よりも大きくないならば、ルーチンはステップ718に進み、カム・プロフィール切換え信号のタイミングを、予測されたオイル劣化に適合するように調整する工程を含み得る。 実施形態の幾つかにおいて、カム・プロフィール切換えのタイミングは、カム・プロフィール切換え要求を、予めマップされた較正値から選択する工程によって調整される場合がある。
ステップ720において、ルーチンは、エンジン・オイルが交換されて、エンジン・オイルの劣化状態が改善されているか否かを判定する工程を含み得る。 実施形態の幾つかにおいて、制御器内におけるエンジン・オイル(又はカウンタ)の状態は、オイル交換作業の間に、(例えば作業者によって)手動でリセットされる場合がある。 更に、実施形態の幾つかにおいて、エンジン・オイルの交換は、イグニッション・キーのオン/オフ操作によって指示される場合もある。 更に、エンジン・オイル交換の指示は、オイル交換作業に関連する部品(例えば、オイル・パンにおけるドレイン、又は、オイル・フィルタ)の取外し検出に応答して、エンジン・オイル・システムのセンサによって生成され得る。 エンジン・オイルが交換されたと判定されるならば、ルーチンはステップ722に進み、そこにおいて、ルーチンは、カウンタをリセットする工程を含み得る。 そうでなくて、オイルが交換されていないと判定され得るならば、ルーチンは終了する。
前述したルーチンは、エンジン・オイル・センサを用いることなく、予測されたエンジン・オイルの劣化に基づいたエンジン作動を通じて、作動モード(例えばカム・プロフィール)切換え制御を適切に調整し得る。 具体的には、ルーチンは、カム・プロフィール切換え信号のタイミングを、その信号を進角又は遅角することによって調整し得る。 更に、エンジン・オイルの予測劣化レベルに基づいて、カム・プロフィール切換えが防止され得る。 オイル劣化の予測値に基づいてカム・プロフィール切換え信号を調整することによって、バルブ・リフト及び/又はバルブ・タイミングは、種々のエンジン作動範囲及びモードにおいて、燃料噴射及び点火に同期させられ得る。 このようにして、トルク変動、NVH、エンジン排出物、及び/又は、燃料消費量が低減され得る。
前述した制御ルーチンの種々のステップは、適切なエンジン制御を提供するように、組み合わされ、或いは、省略され得ることが理解されるであろう。 例えば、カム・プロフィール切換え信号のタイミングは、オイル劣化状態とオイル温度状態の両方に基いて調整される場合がある。 更に、その信号のタイミングにおける進角又は遅角の大きさは、それら両方の状態を踏まえて増加及び/又は減少され得る。 例の一つにおいて、その信号のタイミングは、エンジン・オイルの劣化状態に起因する所定の遅延によって遅角され得るものの、その遅延は、高温状態にあるエンジン・オイルの温度に基づいて、所定の進角によって、相殺又は調整される場合がある。 オイル劣化状態とオイル温度の両方を考慮することによって、信号のタイミングの正確性は改善され得る。 このようにして、カム・プロフィール切換えは、種々のエンジンの作動範囲にわたって、燃焼モード間の移行中に、燃料噴射及び点火に同期され得る。
ここに含まれる制御及び判断ルーチンの例は、様々なエンジン及び/又は車両システム構成と共に使用され得ることに留意すべきである。 ここに記述された具体的なルーチンは、一つ又は複数の処理ロジック(例えば、イベント・ドリブン、インターラプト・ドリブン、マルチ・タスキング、マルチ・スレッディングなど)を表し得る。 前述された種々の動作、作用、又は機能は、それ自体、記述された順番で、または並行して実行され、或いは場合によっては、一部が削除される場合もある。 同様に、処理の順番は、ここに記載された実施形態の特徴及び利点を達成するために必須のものではなく、図示と説明を簡単にするために提供されたものである。 図示された動作や機能の一つ又は複数は、使用される具体的なロジックによっては、反復して実行される場合がある。 更に、記載された動作は、エンジン制御器内のコンピュータ読取可能記憶媒体の中にプログラムされるべきコードを視覚的に表わすものであり得る。
多数の変形例が可能であるため、これらの具体的な実施形態が本発明を限定する意味で考慮されるべきでないことは理解されるであろう。 例えば、上述の方法は、V型6気筒エンジン、直列4気筒エンジン、直列6気筒エンジン、V型12気筒エンジン、対向4気筒エンジン、及びその他のエンジン形式に適用され得る。 本明細書の主題は、ここに記載された種々の装置及び構成そして、他の特徴、機能及び/又は属性の、全ての新規で非自明の組み合わせ及び一部組み合わせを含む。
特許請求の範囲は、新規で非自明と見なされる特定の組み合わせ、及び、一部組み合わせを具体的に示す。 これらの特許請求の範囲は、「一つの」構成要素、又は「第一の」構成要素、又は、それらの同義語に言及し得る。そのような特許請求の範囲は、その構成要素が一つ又は複数あるものを含み、その構成要素が二つ以上あるものを要求もしなければ、除外もしないと理解されるべきである。 開示されている特徴、機能、構成要素及び/又は属性の他の組み合わせ及び一部組み合わせが、本件特許請求の範囲の補正又は本出願又は関連出願の新しい請求の範囲の提供によって、請求され得る。 最初の特許請求の範囲の権利範囲より広い特許請求の範囲、狭い特許請求の範囲、同じ特許請求の範囲、又は異なる特許請求の範囲であろうと、そのような特許請求の範囲もまた、本明細書の主題に含まれると見なされる。
エンジン・システムの一例における気筒の一つを示す概略構成図。 カム・プロフィール切換え装置の一例を示す斜視図。 切換え可能なタペット組立体の一例を示す斜視図。 タペットの作動を制御する油圧回路の一例を示す概略構成図。 エンジン・オイルの劣化状態に基づいてカム・プロフィール切換えのタイミングを制御する制御ルーチンの一例を示すフローチャート図。 エンジン・オイルの温度に基づいく制御ルーチンの図5相当図。 エンジン・オイルの劣化状態を予測する制御ルーチンの一例を示すフローチャート図。
10、エンジン
12、制御器
30、気筒
52、吸気バルブ
54、排気バルブ
136、オイル・センサ
138、犠牲部分(摩耗する部分)
140、熱電対
210、タペット
212、カムシャフト

Claims (20)

  1. 火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとを含むエンジンの燃焼モードを変更すべく、第一状態と第二状態との間でバルブの作動状態を切換える制御方法であって、
    オイル・センサによって検出されたオイル劣化状態に基づいて、上記バルブの作動状態を切換えるための信号のタイミングを調整する工程を備える、ことを特徴とするエンジンのバルブの制御方法。
  2. 上記オイル劣化状態が第一閾値を越えていないときには、上記オイル劣化状態に基づく上記信号のタイミングの調整は行わずに、上記バルブの作動状態を切換える工程を更に備える、請求項1に記載の制御方法。
  3. 上記オイル劣化状態が、上記第一閾値よりも高い第二閾値を越えて劣化しているときに、上記オイル劣化状態に基づく上記バルブの作動状態の切換えを禁止する工程を更に備える、請求項2に記載の制御方法。
  4. 上記オイル・センサによって検出されたオイル温度に基づいて、上記バルブの作動状態を切換えるための信号のタイミングを調整する工程を更に備える、請求項1乃至3の少なくとも一つに記載の制御方法。
  5. 上記バルブの作動状態の切換えは、上記エンジンにおける吸気バルブ及び排気バルブのバルブ・リフト・プロフィールの相互の協調した切換えを含む、請求項1乃至4の少なくとも一つに記載の制御方法。
  6. 上記第一状態及び上記第二状態においてはエンジンのバルブのリフト・プロフィールが異なる、請求項1乃至5の少なくとも一つに記載の制御方法。
  7. 上記第一状態と上記第二状態との間でバルブの作動状態を切換える工程は、バルブのタペットの作動を介して、第一ローブと第二ローブとの間で共通カムシャフトのローブを切換えることによって、バルブのリフト・プロフィールを調整する工程を含み、
    上記第一ローブは上記第二ローブよりも大きなリフト・プロフィールを有する、請求項1乃至6の少なくとも一つに記載の制御方法。
  8. 上記バルブのタペットの状態を変更するための油圧回路が設けられており、
    上記信号は、上記油圧回路の少なくとも一つのオイル通路における油圧力の変更を開始させるものである、請求項7に記載の制御方法。
  9. 上記第一状態と第二状態との間でバルブの作動状態を切換える工程は、少なくとも二つの吸気若しくは排気バルブを含む気筒における当該バルブのリフト・プロフィールを変更する工程を含み、
    上記バルブのリフト・プロフィールを変更する工程は、上記二つの吸気バルブのうちの一方の作動を休止する工程と、上記二つの排気バルブのうちの一方の作動を休止する工程との少なくとも一方を含む、請求項1乃至8の少なくとも一つに記載の制御方法。
  10. 少なくとも一つの気筒を有する自動車用エンジンの制御装置であって、
    少なくとも、互いに異なる第一及び第二リフト・プロフィールの第一及び第二ローブを有するカムシャフトと、
    バルブ・リフトが少なくとも上記第一リフト・プロフィールに基づく第一状態と、少なくとも上記第二リフト・プロフィールに基づく第二状態との間で、バルブの作動状態を切換えるように構成されたタペットと、
    上記タペットを介して上記カムシャフトにより駆動される第一バルブと、
    エンジン・オイルの劣化状態を検出するためのオイル・センサと、
    火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとの間で燃焼モードを変更すべく、上記第一状態と第二状態との間で上記第一バルブの作動状態を切換えるように上記タペットを駆動するための信号を送信する制御器と、を備え、
    上記信号を送信するタイミングが、上記オイル・センサによって検出される情報に応じて調整されることを特徴とする自動車用エンジンの制御装置。
  11. 上記オイル・センサは、上記エンジン・オイル中の混入物による侵食反応又は腐食反応によって磨耗する部分を含み、
    上記劣化状態は、上記部分の磨耗状態に基づいて検出される、請求項10に記載の装置。
  12. 上記オイル・センサの磨耗する部分は、エンジンの所定の可動部にエンジン・オイルの油膜を介して摺接するように配置され、
    上記劣化状態は、上記磨耗する部分と上記可動部との間隔に基づいて検出される、請求項11に記載の装置。
  13. 上記オイル・センサによって検出される情報は、上記エンジン・オイルの温度を更に含む、請求項10乃至12の少なくとも一つに記載の装置。
  14. 上記オイル・センサは、上記カムシャフトの近傍に配置された熱電対を含み、そのカムシャフトにおける油膜の温度を測定するように構成される、請求項13に記載の装置。
  15. 上記オイル・センサは、上記自動車のオイル・フィラー・キャップ及び検油棒の少なくとも一つに一体化されている、請求項10乃至14の少なくとも何れかに記載の装置。
  16. 上記カムシャフトには第三リフト・プロフィールの第三ローブが設けられ、
    上記第三ローブによって駆動される第二バルブを更に備え、
    上記タペットの作動によって上記第一バルブが休止される、請求項10乃至15の少なくとも一つに記載の装置。
  17. 複数の気筒の各々のバルブが、少なくとも第一及び第二のいずれかのリフト・プロフィールによって作動されるように構成され、それらのリフト・プロフィールが、油圧回路によって制御されたタペットの切換えによって変更されるエンジンにおいて、その燃焼モードを変更すべく、上記バルブのリフト・プロフィールを変更する制御装置であって、
    上記タペットが切換わるように、上記油圧回路に信号を送信する手段と、
    エンジン・オイルのオイル温度情報及びオイル劣化情報を、オイル・センサから受け取る手段と、
    上記オイル温度情報及びオイル劣化情報に基づいて、上記信号を送信するタイミングを調整する手段と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  18. 上記燃焼モードは、火花点火燃焼モード及び予混合圧縮着火燃焼モードを含む、請求項17に記載の装置。
  19. 所定の状況下において上記オイル温度情報及び上記オイル劣化情報の少なくとも一つに基づく燃焼モード切換えを禁止する手段を更に備える、請求項18に記載の装置。
  20. 上記タイミングを調整する手段は、上記エンジン・オイルの温度が低下するときに、上記信号を送信するタイミングを進角する手段と、上記エンジン・オイルの温度が上昇するときに、上記信号を送信するタイミングを遅角する手段と、の少なくとも一方を含む、請求項17乃至19の少なくとも一つに記載の装置。
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