JP2009161129A - 自動車用膝衝突保護装置 - Google Patents

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孝二 是近
Tatsuo Funafuji
達夫 船藤
Kunio Yamazaki
邦夫 山崎
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Abstract

【課題】 車両の衝突時に乗員膝部のグローブボックスへの衝突により発生する膝荷重を確実に吸収し、乗員の膝部を含む下肢をグローブボックスへの衝突荷重から確実に保護することができる車両用膝衝突保護装置を提供する。
【解決手段】 一対の膝荷重吸収部材17の一端をデッキクロスメンバー16に固着し、その他端にグローブボックス12の下端部を係合された状態において、車両衝突時に乗員の膝部がグローブボックス12に衝突することで発生する膝荷重が一定値以上になったときに荷重吸収部171を塑性変形させてグローブボックス12を膝荷重方向へ移動し膝荷重を吸収する。そして、一対の案内部材18と、この案内部材18にその長手方向へ移動可能に設けた荷重受け部材19とにより、グローブボックス12をその膝荷重方向へ平行移動できるように案内する構成にした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車等の車両衝突時に乗員の膝部を含む下肢を保護する車両用膝衝突保護装置に関し、さらに詳しくは、グローブボックスの支持機構を利用して車両衝突時の衝撃から乗員の膝部を保護できるようにした車両用膝衝突保護装置に関するものである。
自動車用のグローブボックスは、その内側に車検証書やオーナーズマニアル、CDなどを収納するためのスペースが確保されように構成され、さらに、財布などの貴重品も収納することを考慮したキーロック可能な収納ボックスとして機能するように実用優先の設計になっているのが一般である。
しかるに、最近では、運転席や助手席の乗員の膝部と対向するダッシュボードの箇所にニーアブソーバ(衝撃吸収部材)を設けることで車両衝突時に乗員の膝部を含む下肢を保護する膝衝突保護装置が開発され、乗用車を含めた車両に装備されるようになってきている。
従来、このような膝衝突保護装置は、特許文献1に開示されているように、インストルメントパネルに開閉可能に装着されたグローブボックスの背面側に配置された、金属板材からなる一対のニーアブソーバを備える。このニーアブソーバは車両の衝突時に乗員のグローブボックスへの二次衝突による膝荷重を吸収するものであり、このニーアブソーバの一端は、車体に固設されたデッキクロスメンバーに固着され、その他端はグローブボックスインサートを介してグローブボックスの背面に当接される。グローブボックスインサートは、乗員のグローブボックスへの二次衝突時に負荷される膝荷重を各ニーアブソーバに伝達するためのものである。
したがって、車両の正面衝突時に、例えば助手席の乗員が慣性力でグローブボックス側である前方へ移動することにより、乗員の膝部がグローブボックスに衝突すると、その衝突荷重がグローブボックスインサートを通してニーアブソーバに伝達され、このニーアブソーバが膝部のグローブボックスへの衝突荷重に応じて変形される。これにより、膝部にかかる膝荷重を吸収し、乗員の膝部を含む下肢をグローブボックスへの衝突荷重から保護するようにしている。
特開2005−75137号公報
ところで、グローブボックスは、インストルメントパネルに設けた開口部に対して出し入れできるように揺動可能に支持するための支持機構を備えている。このため、上述するような従来の膝衝突保護装置を備えたグローブボックスが支持機構によりインストルメントパネルに揺動可能に支持されている場合、この支持機構自体がニーアブソーバの膝荷重吸収量(変形ストローク)を制限することになる。その結果、ニーアブソーバの変形につれて荷重方向へ移動されるグローブボックスの移動量も支持機構によって制限されてしまう。このため、車両の正面衝突時に乗員の慣性力によって生じる膝衝突方向への移動量がニーアブソーバの変形ストローク以上になった場合、この変形ストロークを越えて移動する乗員の膝部がグローブボックスに衝突した時の膝荷重はグローブボックス自体で受けることになる。このため、グローブボックスへの膝荷重はそのまま反力として乗員の膝部に作用し、膝部に過大な荷重がかかり、膝部を含む下肢をグローブボックスへの衝突荷重から保護することができなくなるという問題があった。
本発明は上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、グローブボックスの支持機構や車両衝突時の乗員の慣性力による移動量に左右されることなく、かつグローブボックスへの乗員膝部の衝突箇所に左右されることなくグローブボックスへの衝突により乗員膝部が受ける過大な膝荷重を確実に吸収し、グローブボックスへの衝突荷重から乗員の膝部を含む下肢を確実に保護できる車両用膝衝突保護装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、車両の衝突時に乗員の膝部を含む下肢を保護する車両用膝衝突保護装置であって、車両のインストルメントパネルの内側に該インストルメントパネルの左右方向に延在して配設されたデッキクロスメンバーと、乗員の膝部と対向する前記インストルメントパネルの箇所に形成されたボックス取付用の開口部と、前記開口部に臨ませて配置され、前記開口部の下縁と対向する前記インストルメントパネルの箇所に前記インストルメントパネルに対し前後方向に揺動可能に枢支されたグローブボックスと、前記デッキクロスメンバーから前記グローブボックスの下端部に向けて延在する長さを有するとともに一端が前記デッキクロスメンバーに固着され他端に前記グローブボックスの下端部と係合する荷重受け部を有する少なくとも1つの膝荷重吸収部材と、前記グローブボックスを左右両側から挟むようにして前記デッキクロスメンバーに該デッキクロスメンバーと前記グローブボックスの上端部の左右両側との間に延在して水平に設けられ前記グローブボックスが膝荷重方向へ平行移動できるように案内する互いに平行な一対の案内部材と、前記一対の案内部材のそれぞれに該案内部材の長手方向に沿い一定の摩擦抵抗を介して前記グローブボックスの膝荷重方向へ摺動可能に設けられ前記グローブボックスと係合する一対の荷重受け部材とを備え、前記膝荷重吸収部材は、車両の衝突時に乗員の膝部が前記グローブボックスに衝突することにより生じる膝荷重が一定値以上になった時に塑性変形すると同時に該塑性変形につれ前記グローブボックスを膝荷重方向へ移動させて前記膝荷重を吸収する荷重吸収部を有し、前記一対の荷重受け部材は、前記荷重吸収部材が塑性変形して前記グローブボックスが膝荷重方向へ移動する時に前記グローブボックスを前記一対の案内部材に沿い前記膝荷重方向へ移動するように構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の車両用膝衝突保護装置において、前記一対の荷重受け部材は、これに対応する前記一対の案内部材に一定の摩擦抵抗を介して摺動可能に設けられ、前記グローブボックスに前記荷重吸収部材が塑性変形される膝荷重がかかった時に前記摩擦抵抗に抗して前記膝荷重方向へ移動されるように構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の車両用膝衝突保護装置において、前記グローブボックスは、該グローブボックスを閉状態にロックするロック機構を備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の車両用膝衝突保護装置において、前記膝荷重吸収部材は金属製の角棒材、丸棒材、板金成形品もしくは金属製鋳造品の何れかで構成されることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1または4記載の車両用膝衝突保護装置において、前記荷重吸収部は、前記膝荷重吸収部材の前記デッキクロスメンバーへの固着部分に近接する箇所を含む1箇所または2箇所以上箇所に前記膝荷重吸収部材の長手方向に一定の間隔で形成された複数の切り込み線で構成されていることを特徴とする。
本発明の車両用膝衝突保護装置においては、デッキクロスメンバーからグローブボックスの下端部に向けて延在する長さを有する膝荷重吸収部材の一端をデッキクロスメンバーに固着し、その他端に設けた荷重受け部がグローブボックスの下端部に係合された状態において、車両の衝突により乗員の膝部が慣性力でグローブボックスに衝突し、この衝突に伴い発生する膝荷重が一定値以上になると、膝荷重吸収部材の荷重吸収部が塑性変形するとともに、この塑性変形につれてグローブボックスが膝荷重方向へ移動し膝荷重を吸収する。このため、グローブボックスの支持機構や車両衝突時の乗員の慣性力による膝荷重方向への移動量に左右されることなく、グローブボックスへの衝突により乗員膝部が受ける過大な膝荷重を確実に吸収でき、グローブボックスへの衝突荷重から乗員の膝部を含む下肢を確実に保護することができる。
また、本発明によれば、互いに平行な一対の案内部材をデッキクロスメンバーからグローブボックスの上端部の左右両側に向け水平に延在してデッキクロスメンバーに設け、そして、一対の案内部材に摩擦抵抗を介してグローブボックスの膝荷重方向へ摺動可能に設けた荷重受け部材をグローブボックスの膝荷重方向への移動につれ同一方向へ摩擦抵抗を介して移動させるようにしたので、グローブボックスへの乗員膝部の衝突箇所に左右されることなくグローブボックス全体を膝荷重に応じて膝荷重方向へ安定して平行移動させることができる。これにより、グローブボックスへの衝突荷重から乗員の膝部を含む下肢をより確実に保護できる。
また、本発明によれば、荷重吸収部が膝荷重吸収部材のデッキクロスメンバーへの固着部分に近接する箇所に形成された複数の切り込み線で構成したので、荷重吸収部に形成される切り込み線の数を変えることにより、膝荷重吸収部で吸収し得る膝荷重を任意に調整することができ、しかも、荷重吸収部を膝荷重吸収部材に低コストで形成することができる。
(実施の形態1)
次に、本発明にかかる車両用膝衝突保護装置の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明の車両用膝衝突保護装置は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
図1は本発明にかかる車両用膝衝突保護装置を具備するグローブボックスを用いた自動車用インストルメントパネル部分の斜視図、図2は図1の2−2線に沿う拡大断面図、図3は本実施の形態における車両用膝衝突保護装置を背面から見た場合の斜視図、図4は本実施の形態における車両用膝衝突保護装置を正面から見た場合の斜視図、図5は本実施の形態におけるグローブボックスを背面から見た場合の斜視図、図6は本実施の形態における案内部材と荷重受け部材との関係を示す一部の側面図、図7は図6の矢印7方向から見た案内部材と荷重受け部材の正面図、図8は本実施の形態における膝荷重吸収部材の荷重と変形ストロークとの関係を示す特性図である。
図1に示すように、自動車の車室前部にはインストルメントパネル11が左右方向に延在して設けられている。また、インストルメントパネル11の下部の助手席と相対向する箇所には、小物などの物品を収納するグローブボックス12が設けられている。
インストルメントパネル11に該インストルメントパネル11の左右方向に延在して形成された矩形状のボックス取付用開口部11aを有し、この開口部11aに臨ませてグローブボックス12が配置されている。そして、このグローブボックス12はインストルメントパネル11に、その前後方向に揺動可能できるように支持されている。
グローブボックス12は、図2〜図5に示すように、横方向から見た形状がV字状の断面を呈するボックス本体121と、このボックス本体121の前面に一体に設けられた意匠面板122とを備えている。
ボックス本体121のV字状底部寄りの背面には一対の枢支部123が突設され、この枢支部123は、下方に向けて開口する半円筒状の凹部123aを有している。
また、グローブボックス12をインストルメントパネル11に対して前後方向に揺動可能に枢支するために、開口部11aの下縁と対向するインストルメントパネル11の箇所には、枢支部123の半円筒状凹部123aが係合する一対の円柱状枢支受け部112(図1及び図3参照)が設けられている。
さらに、意匠面板122の上端寄りの裏面箇所には、グローブボックス12を閉状態にロックするロック機構13が装着されている。このロック機構13は、筐体131内に組み込まれた状態で意匠面板122に装着されるもので、筐体131の左右方向の両端から突出する一対のロック爪132を有し、この一対のロック爪132は、意匠面板122の上端左寄りの表面箇所に形成した凹部124内に配設された操作レバー133によって筐体131から出没される構造になっている。また、一対のロック爪132と対向するインストルメントパネル11の箇所には、それぞれのロック爪132が係脱される係止される係合孔(図示せず)が設けられている。
車両の衝突時に乗員の膝部を含む下肢を保護する車両用膝衝突保護装置15がグローブボックス12に組み込まれている。
車両用膝衝突保護装置15は、図2〜図5に示すように、デッキクロスメンバー16に設けられた一対の膝荷重吸収部材17及び一対の案内部材18と、一対の荷重受け部材19を備える。
デッキクロスメンバー16はステアリングハンドルを保持するもので、図2〜図4に示すように、インストルメントパネル11の内側にインストルメントパネル11の左右方向に延在して配設されている。
一対の膝荷重吸収部材17は、グローブボックス12に乗員の膝部100が衝突した時にかかる膝部への荷重を吸収するためのもので、金属材から構成される。
また、一対の膝荷重吸収部材17は、図2〜図4に示すように、デッキクロスメンバー16からグローブボックス12の下端部に向けて延在する長さを有するL字状を呈し、この一対の膝荷重吸収部材17は、グローブボックス12の背面の左右両サイド寄りと対向するようにして、グローブボックス12の左右方向に互いに離間して平行に配置される。
そして、この一対の膝荷重吸収部材17の一端はデッキクロスメンバー16にボルト20などにより固着され、その他端には、グローブボックス12の背面の左右両サイドの下端部寄り箇所に突設した係合部21と係合する荷重受け部22が設けられている。
また、一対の膝荷重吸収部材17は、車両の衝突時に乗員の膝部100がグローブボックス12に衝突することにより生じる膝荷重が一定値以上になった時に塑性変形すると同時に該塑性変形につれグローブボックス12を膝荷重方向へ移動させて膝荷重を吸収する荷重吸収部171を有している。
荷重吸収部171は、膝荷重吸収部材17のデッキクロスメンバー16への固着部分に近接する箇所に膝荷重吸収部材17の長手方向に一定の間隔で形成された複数の切り込み線171aで構成されている.
一対の案内部材18は、グローブボックス12が膝荷重方向へ移動される時にグローブボックス12を膝荷重方向へ平行移動できるように案内するためのもので、金属板材をチャンネル状に折り曲げ加工することで構成される。
また、一対の案内部材18は、図2〜図4に示すように、グローブボックス12を左右両側から挟むようにしてデッキクロスメンバー16とグローブボックス12の上端部の左右両側との間に延在して水平、かつ互いに平行するように配置されている。そして、この一対の案内部材18には、長穴181が案内部材18の長手方向に沿い形成されている。
一対の荷重受け部材19は、グローブボックス12にかかる膝荷重を受けるもので、金属製のピンから構成されている。このピン状の荷重受け部材19は、図2〜図4及び図6、図7に示すように、案内部材18の長穴181に、その長手方向に移動可能に嵌合される軸部191と、この軸部191を挟んで案内部材18に密接する一対の鍔部192とを備える。この一対の鍔部192は、荷重受け部材19が案内部材18の長穴181に沿って移動する時に摩擦抵抗を発生し、荷重吸収部171が塑性変形される膝荷重がグローブボックス12にかかる時以外は、荷重受け部材19がみだりに移動しないように構成されている。
また、一対の荷重受け部材19が当接するグローブボックス12の上端部の左右両サイド寄りの背面箇所には、荷重受け部材19に係合する係合部24が突設されている。
次に、本実施の形態にかかる膝衝突保護装置の動作について説明する。
車両の正面衝突時に、助手席の乗員が自身の慣性力によってインストルメントパネル11に接近する方向に強制的に移動されると、図2に示すように、乗員の膝部100がグローブボックス12の意匠面板122に衝突する。これに伴い発生する膝荷重はグローブボックス12の係合部21及び荷重受け部22を介して一対の膝荷重吸収部材17に伝達されるとともに、グローブボックス12にかかる膝荷重は係合部24を介して一対の荷重受け部材19にも伝達される。
ここで、膝荷重吸収部材17の荷重吸収部171は、膝部100からグローブボックス12へ作用する衝突荷重に応じて変形する。すなわち、グローブボックス12にかかる膝荷重F1が、例えば図8に示すように525.08[N]を超える値になると、一対の膝荷重吸収部材17の荷重吸収部171が塑性変形される。この塑性変形につれ膝荷重吸収部材17を含むグローブボックス12全体が図2の2点鎖線に示すように、矢印で示す膝衝突方向へ平行移動される。これと同時に、荷重受け部材19が案内部材18の長穴181に沿い、鍔部192と案内部材18間に発生する摩擦抵抗に抗してグローブボックス12と同一の方向に移動することにより、グローブボックス12は一対の案内部材18に案内されて、図2の矢印で示す膝衝突方向へ平行移動される。これにより、車両の正面衝突時に膝部にかかる膝荷重を吸収する。この時、ロック機構13のロック爪132がインストルメントパネル11の係合孔(図示せず)から離脱される。
このような本実施の形態に示す膝衝突保護装置によれば、デッキクロスメンバー16からグローブボックス12の下端部に向けて延在する長さを有する膝荷重吸収部材17の一端をデッキクロスメンバー16に固着し、その他端に設けた荷重受け部22がグローブボックス12の下端部に設けた係合部21に係合された状態において、車両の衝突により乗員の膝部が慣性力でグローブボックス12に衝突し、この衝突に伴い発生する膝荷重が一定値以上になると膝荷重吸収部材17の荷重吸収部171が塑性変形するとともに、この塑性変形につれてグローブボックス12が膝荷重方向へ移動し膝荷重を吸収する。このため、グローブボックス12の支持機構や車両衝突時の乗員の慣性力による膝荷重方向への移動量に左右されることなく、グローブボックス12への衝突により乗員膝部が受ける過大な膝荷重を確実に吸収でき、グローブボックス12への衝突荷重から乗員の膝部100を含む下肢を確実に保護することができる。
また、本実施の形態によれば、互いに平行な一対の案内部材18をデッキクロスメンバー16からグローブボックス12の上端部の左右両側に向け水平に延在してデッキクロスメンバー16に設け、そして、一対の案内部材18にグローブボックス12の膝荷重方向へ摺動可能に設けた荷重受け部材19をグローブボックス12の膝荷重方向への移動につれ同一方向へ鍔部192と案内部材18間に発生する摩擦抵抗に抗して移動させるようにしたので、グローブボックスへの乗員膝部の衝突箇所に左右されることなくグローブボックス全体を膝荷重に応じて膝荷重方向へ安定して平行移動させることができる。これにより、グローブボックスへの衝突荷重から乗員の膝部を含む下肢をより確実に保護できる。
また、本実施の形態によれば、荷重吸収部171が膝荷重吸収部材17のデッキクロスメンバー16への固着部分に近接する箇所に形成された複数の切り込み線171aで構成したので、荷重吸収部171に形成される切り込み線171aの数を変えることにより、荷重吸収部171で吸収し得る膝荷重を任意に調整することができ、しかも、荷重吸収部171を膝荷重吸収部材17に低コストで形成することができる。
なお、本発明にかかる膝荷重吸収部材17は、上記実施の形態で示すような板金成形品から成形されるものに限らず、中空の丸棒材、中空の角棒材、中実の丸棒材もしくは金属製鋳造品の何れで構成されたものであってもよい。
また、本発明にかかる荷重吸収部171は上記実施の形態で示すような切り込み線構造のものに限らず、例えば、金属製の丸棒材の外周を削ることにより荷重吸収部を構成するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、膝荷重吸収部材17の下端をボックス本体121の左右両側部の下部寄りに係合する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ボックス本体121の左右方向の底部両端に対応する2箇所、もしくはボックス本体121の背部に係合するものであってもよい。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された試料収納容器の要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。
また、本発明において、案内部材18と荷重受け部材19との間に摩擦抵抗を発生させる手段としては、上記図6に示すように案内部材18と一対の鍔部192とを密接させる構造のものに限らず、荷重受け部材19の軸部191を案内部材18の長穴181に密勘合させ、軸部191と長穴181との間に摩擦抵抗を生じさせるようにしてもよい。
本発明にかかる車両用膝衝突保護装置を具備するグローブボックスを用いた自動車用インストルメントパネル部分の斜視図である。 図1の2−2線に沿う拡大断面図である。 本実施の形態における車両用膝衝突保護装置を背面から見た場合の斜視図である。 本実施の形態における車両用膝衝突保護装置を正面から見た場合の斜視図である。 本実施の形態におけるグローブボックスを背面から見た場合の斜視図である。 本実施の形態における案内部材と荷重受け部材との関係を示す一部の側面図である。 図6の矢印7方向から見た案内部材と荷重受け部材の正面図である。 本実施の形態における膝荷重吸収部材の荷重と変形ストロークとの関係を示す特性図である。
符号の説明
11 インストルメントパネル
11a 開口部
12 グローブボックス
121 ボックス本体
122 意匠面板
13 ロック機構
15 車両用膝衝突保護装置
16 デッキクロスメンバー
17 膝荷重吸収部材
171 荷重吸収部
171a 切り込み線
18 案内部材
19 荷重受け部材

Claims (5)

  1. 車両の衝突時に乗員の膝部を含む下肢を保護する車両用膝衝突保護装置であって、
    車両のインストルメントパネルの内側に該インストルメントパネルの左右方向に延在して配設されたデッキクロスメンバーと、
    乗員の膝部と対向する前記インストルメントパネルの箇所に形成されたボックス取付用の開口部と、
    前記開口部に臨ませて配置され、前記開口部の下縁と対向する前記インストルメントパネルの箇所に該インストルメントパネルに対し前後方向に揺動可能に枢支されたグローブボックスと、
    前記デッキクロスメンバーから前記グローブボックスの下端部に向けて延在する長さを有するとともに一端が前記デッキクロスメンバーに固着され他端に前記グローブボックスの下端部と係合する荷重受け部を有する少なくとも1つの膝荷重吸収部材と、
    前記グローブボックスを左右両側から挟むようにして前記デッキクロスメンバーに該デッキクロスメンバーと前記グローブボックスの上端部の左右両側との間に延在して水平に設けられ前記グローブボックスが膝荷重方向へ平行移動できるように案内する互いに平行な一対の案内部材と、
    前記一対の案内部材のそれぞれに該案内部材の長手方向に沿い摺動可能に設けられ前記グローブボックスにかかる膝荷重を受けて動作する一対の荷重受け部材とを備え、
    前記膝荷重吸収部材は、車両の衝突時に乗員の膝部が前記グローブボックスに衝突することにより生じる膝荷重が一定値以上になった時に塑性変形すると同時に該塑性変形につれ前記グローブボックスを膝荷重方向へ移動させて前記膝荷重を吸収する荷重吸収部を有する、
    ことを特徴とする車両用膝衝突保護装置。
  2. 前記一対の荷重受け部材は、これに対応する前記一対の案内部材に一定の摩擦抵抗を介して摺動可能に設けられ、前記グローブボックスに前記荷重吸収部材が塑性変形される膝荷重がかかった時に前記摩擦抵抗に抗して前記膝荷重方向へ移動されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用膝衝突保護装置。
  3. 前記グローブボックスは、該グローブボックスを閉状態にロックするロック機構を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用膝衝突保護装置。
  4. 前記膝荷重吸収部材は金属製の角棒材、丸棒材、板金成形品もしくは金属製鋳造品の何れかで構成されることを特徴とする請求項1記載の車両用膝衝突保護装置。
  5. 前記荷重吸収部は、前記膝荷重吸収部材の前記デッキクロスメンバーへの固着部分に近接する箇所を含む1箇所または2箇所以上箇所に前記膝荷重吸収部材の長手方向に一定の間隔で形成された複数の切り込み線で構成されていることを特徴とする請求項1または4記載の車両用膝衝突保護装置。
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