JP2009160649A - ハット形鋼矢板およびその製造方法 - Google Patents

ハット形鋼矢板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009160649A
JP2009160649A JP2008003305A JP2008003305A JP2009160649A JP 2009160649 A JP2009160649 A JP 2009160649A JP 2008003305 A JP2008003305 A JP 2008003305A JP 2008003305 A JP2008003305 A JP 2008003305A JP 2009160649 A JP2009160649 A JP 2009160649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint
claw
steel sheet
hat
sheet pile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008003305A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Miura
啓徳 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2008003305A priority Critical patent/JP2009160649A/ja
Publication of JP2009160649A publication Critical patent/JP2009160649A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】隣接する鋼矢板に対してウエブ面が90度転回した位置で相互の継手部を嵌合する上で、必要な余裕代および継手部相互が離脱しない構成を、熱間圧延の製品化の過程でより確実に得ることのできるコーナー用ハット形鋼矢板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】このハット形矢板鋼1は、左右一対の継手部5A、5Bを有し、一方の継手部5Bを、爪を曲げることによって入り口を狭めたラルゼン形状をなす曲がり爪継手11とするとともに、他方の継手部5Aを前記曲がり爪継手11に嵌合する玉爪状の玉爪継手22とし、これら相互に嵌合する一対の継手部5A、5Bの横断面外形形状を、所定の複数の関係を同時に満たすように設定することで圧延のみによって製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハット形鋼矢板およびその製造方法に係り、特に、左右が非対称の一対の継手部を有するハット形鋼矢板の継手部の形状に関する。
鋼矢板は主に土木用に用いられており、用途に応じて種々の横断面外形形状のものが開発されている。例えば、この種の鋼矢板としては、図8に例示するハット形鋼矢板100のように、中央に左右に延びるウエブ部2を有し、その両端にはフランジ部3がそれぞれ上下方向の一方に向けて張り出して設けられることでハット(帽子)形状をなすものが知られている。このハット形鋼矢板100は、各フランジ部3には、その先端から左右それぞれに腕部4が張り出して設けられている。そして、各腕部4は、その先端に継手部105がそれぞれ設けられている。なお、両端の継手部105は、爪を曲げることによって入り口を狭めたふところをもつラルゼン形状の曲がり爪継手である。左右の曲がり爪継手は対をなしており、打設する際に、隣接する他のハット形鋼矢板の他の継手部105に互いに係合させることで、壁体を形成するようになっている。
ところで、鋼矢板の打設延長方向を、90度(直角)に向きを変更する場合には、ウエブ面を90度転回させた状態で隣接する他の継手部に嵌合可能にした、左右が非対称の一対の継手部を有する鋼矢板が用いられる。この種の、左右の継手部形状が異なる鋼矢板は、壁体を形成する際に、隣接する鋼矢板を逆転させることなく打設することができるので、施工時に必要とされる空間を小さくし、非回転打設による自動打設化を可能とする。例えば、この種の鋼矢板で形成される壁体のコーナー部で、打設延長方向をほぼ直角に転換する鋼矢板に関する従来技術としては、以下のような技術が知られている。
例えば特許文献1には、ハット形鋼矢板の左右いずれか一方の継手部を腕部から切断し、その腕部の切断端に溶接することによって、打設延長方向の向きを変える鋼矢板となる形に、継手部の配置を変更する技術が開示されている。
また、例えば特許文献2には、熱間で継手部を成形した後に、冷間フォーミングによって継手部の形状を変えることにより、打設延長方向に合わせた継手部の向きを得る技術が開示されている。
また、例えば特許文献3には、熱間圧延の粗圧延では共通の孔型を用い、中間圧延ないし仕上げ圧延で、U形鋼矢板の左右いずれか一方の継手部形状を定型ラルゼン型に成形し、他方の継手部形状を異形ラルゼン型に成形する技術が開示されている。
特開平10−071401号公報 特開2003−230916号公報 特開昭59−166301号公報 特開2006−272342号公報
ここで、上記特許文献1ないし2に記載の技術では、一度製品化した鋼矢板に対し、再度の加工を加えて左右一対の継手部を相互に異形にするので、生産性の点で好ましいとはいえず、また、寸法形状の安定性の点でも望ましいとはいえない。
つまり、製造の能率や、寸法、形状の一層の安定を考えると、製品化したハット形鋼矢板を再加工して一対の継手部を相互に異形にするよりは、コーナー専用のハット形鋼矢板を最小の設備補充によって圧延で製造することが望ましい。
これに対し、特許文献3に記載の技術は、熱間圧延の製品化の過程において、一方の継手部形状を定型ラルゼン型に、他方の継手部形状を異形ラルゼン型に成形するので、生産性や寸法形状の安定性の点で有効な製造方法である。
しかしながら、特許文献3に記載の技術では、打設して相互に嵌合できる一対の継手部について、相互の継手部同士に必要な余裕代を設けるとともに、継手部相互が離脱しないようにするために必要な条件が明確にされてはいない。そのため、左右が非対称の一対の継手部を有するハット形鋼矢板において、左右いずれかの継手部を異形に成形し、これにより、ウエブ面を直角に転回した状態で相互に嵌合させて打設することのできる余裕代を有するとともに、その嵌合状態から継手部相互が離脱しない条件を確実に設定する上で、検討の余地が残されている。
つまり、例えば一対の継手部の外形を、所定の範囲とするように設定された孔型を用いないならば、相互に嵌合して打設できるようにするとともに、相互に離脱しないための条件が満たされない場合が生じるのは勿論のこと、孔型の材料充満度が不十分になったり、逆に過充満となったりするおそれが生じる。また、例えば、継手部の開口部幅が、狭過ぎると嵌合の余裕がなくなり、逆に広過ぎると継手が離脱しやすくなり、さらに、継手強度が低下することにもなるからである。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、隣接する鋼矢板のウエブ面が90度転回した位置で相互の継手部を嵌合する上で、必要な余裕代および継手部相互が離脱しない構成を熱間圧延の製品化の過程でより確実に得ることのできるコーナー用ハット形鋼矢板およびその製造方法を提供することを目的としている。
本願発明者は、コーナー専用の爪形状に成形するにはどうしたらよいかを鋭意検討した結果、一方の継手部を、いわゆるラルゼン形状の略コ字状をなす曲がり爪継手としたときに、その曲がり爪継手側の略コ字状のふところと、そのふところに嵌る他方の継手部側の爪の外形との寸法形状の関係を以下の条件に設定すれば、熱間圧延の製品化の過程において、相互を嵌合させつつウエブ面が90度転回した位置で打設することができ、継手部相互が離脱しないコーナー用のハット形鋼矢板を圧延できることを見いだした。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明のうち第一の発明は、左右に延びるウエブ部と、そのウエブ部両端から上下方向の一方に向けてそれぞれ張り出すフランジ部と、各フランジ部の先端から左右それぞれに張り出す腕部と、各腕部の先端にそれぞれ設けられて左右が非対称の一対の継手部と、を有するハット形鋼矢板であって、
前記一対の継手部は、隣接して打設される他のハット形鋼矢板に対してウエブ面が90度転回した位置で相互に嵌合するように構成され、一方の継手部が爪を曲げることによって入り口を狭めたふところをもつラルゼン形状の曲がり爪継手であり、他方の継手部が前記曲がり爪継手のふところに嵌合する玉爪状の玉爪継手になっており、前記相互に嵌合する一対の継手部の横断面外形形状は、所定の複数の関係を同時に満たすように設定されることで、圧延のみによって製造されるとともにその最終工程での孔型の充満が不十分であっても所期機能を奏することのできる充満度許容外形を有してなり、前記充満度許容外形の所定の複数の関係は、曲がり爪継手のふところの幅をB1[mm]、曲がり爪継手のふところの高さをH1[mm]、曲がり爪継手の入り口の開口部幅をC1[mm]、曲がり爪継手の爪角度をα1[deg]、曲がり爪継手の爪壁角度をθ1[deg]、玉爪継手の玉爪の幅をB2[mm]、玉爪継手の玉爪の高さをH2[mm]、玉爪継手の玉爪底幅をC2[mm]、玉爪継手の爪角度をα2[deg]、玉爪継手の爪底角度をθ2[deg]]、玉爪継手の玉爪厚みをA2[mm]とするとき、下記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすことを特徴としている。
(B1−2.0)>B2>(B1+C1)/2 (式1)
(C1−1.0)>C2 (式2)
3.0>(H1−H2)>1.0 (式3)
|α1−α2|<5° (式4)
θ1>θ2>0 (式5)
A2>C1+H1・tanθ1 (式6)
ここで、本発明に係るハット形鋼矢板は、左右に延びるウエブ部に対し、左右それぞれに張り出す腕部は平行である。そして、(式1)〜(式6)の関係の基準となる方向は、左右それぞれに張り出す腕部の張り出している方向を幅方向とし、これに直交する方向を高さ方向と定義する。そして、曲がり爪継手の爪角度(α1)とは、曲がり爪継手のふところを画成する面のうち、腕部同様に幅方向に伸びる部分の内側面に対する、曲がり爪継手の先端の内側面の傾斜角である。また、曲がり爪継手の爪壁角度(θ1)とは、曲がり爪継手のふところを画成する面のうち、腕部に繋がる部分の側の内側面であって前記高さ方向に対する傾斜角である。また、玉爪継手の爪角度(α2)とは、玉爪継手の玉爪状をなす先端部の角度であり、また、玉爪継手の爪底角度(θ2)とは、玉爪継手の腕部同様に幅方向に伸びる部分の内側面に対するその幅方向に伸びる部分の外側面の傾斜角である。
この第一の発明に係るハット形鋼矢板によれば、相互に嵌合する一対の継手部の横断面外形形状は、所定の複数の関係を同時に満たすように設定されることで、圧延のみによって製造されるとともにその最終工程での孔型の充満が不十分であっても所期機能を奏することのできる充満度許容外形を有してなり、前記充満度許容外形の所定の複数の関係が、上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすように形成されているので、コーナー専用のハット形鋼矢板を最小の設備補充によって圧延で製造することができる。また、最終工程での孔型の充満が不十分であっても、横断面外形形状が上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすように形成されてさえいれば、隣接する鋼矢板のウエブ面が90度転回した位置で相互の継手部を嵌合する上で、必要な余裕代を有するとともに、継手部相互が離脱しない構成とすることができる。
また、本発明のうち第二の発明は、第一の発明に係るハット形鋼矢板を製造する方法であって、前記一対の継手部を通材過程で成形する継手部形成工程を含み、当該継手部形成工程は、仕上げ圧延に用いる孔型に限ってその爪部形状を変更することで、前記一対の継手部の横断面外形形状を、前記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たす前記充満度許容外形に成形することを特徴としている。
この第二の発明に係るハット形鋼矢板の製造方法によれば、継手部形成工程で、一対の継手部の横断面外形形状を上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすようにしたので、後述する実施形態ないし実施例でも詳しく説明するように、コーナー専用のハット形鋼矢板を最小の設備補充によって圧延で製造することができる。なお、最小の設備補充とは、できるだけ通常の一般的ハット形鋼矢板の圧延設備を流用し、商品の機能を優先した継手部形状を得るための専用化が必要な孔型数を決定することなどであって、一般的にはミル(圧延機)単位でその範囲が決まる。
つまり、この第二の発明によれば、仕上げ圧延に用いる孔型に限ってその爪部形状を変更することで、前記一対の継手部の横断面外形形状を、前記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たす前記充満度許容外形に成形するので、必要最小限の孔型を玉爪成形用に交換するだけで、ほとんどのロールや、ガイドといった圧延設備については、従来型のハット形鋼矢板のものをそのまま流用することができる。そのため、中間圧延での孔型を変更することなく、コーナー用ハット形鋼矢板を製造することができる。したがって、少ない投資で目的とする機能を有したコーナー用ハット形鋼矢板を得ることができる。そして、これにより製造されたコーナー用ハット形鋼矢板は、圧延された後には、なんら手を加えることなく打設方向を直角に転換することが可能である。
ここで、第二の発明に係るハット形鋼矢板の製造方法において、上述したコーナー用のハット形鋼矢板のように、左右非対称の一対の継手部の爪曲げを行う際に、例えば特許文献4に開示されるように、腕部等を拘束すれば、ローラによって爪曲げをする際の、圧延材のねじれ等、爪曲げ時に発生し易い変形を防止する上でより好適である。また、腕部等を拘束すれば、片方だけの爪曲げでも同様の効果が得られる。
上述のように、本発明によれば、隣接する鋼矢板のウエブ面が90度転回した位置で相互の継手部を嵌合する上で、必要な余裕代および継手部相互が離脱しない構成を熱間圧延の製品化の過程でより確実に得ることのできるコーナー用ハット形鋼矢板およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係るコーナー用ハット形鋼矢板およびその製造方法の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図1は本発明に係るコーナー用ハット形鋼矢板、およびその継手部部分を説明する図((a)〜(c))であり、同図(a)は、ハット形鋼矢板の横断面図であり、同図(b)は同図(a)での左側の継手部部分の拡大図、同図(c)は同図(a)での右側の継手部部分の拡大図を示している。また、図2は、図1に示すハット形鋼矢板において、他のハット形鋼矢板に対して90°方向転換するときの継手部相互の嵌合状態を説明するための要部拡大図である。
図1に示すように、このハット形鋼矢板1は、左右に延びるウエブ部2と、そのウエブ部2の両端から上下方向の一方に向けてそれぞれ張り出すフランジ部3と、各フランジ部3の先端から左右それぞれに張り出す腕部4と、各腕部4の先端にそれぞれ設けられて左右が非対称の一対の継手部5A、5Bと、を有する。
そして、このハット形鋼矢板1は、図2に示すように、一対の継手部5A、5Bのうち、一方の継手部5B(同図左側)は、爪を略コ字状に曲げることによって入り口を狭めたふところ(同図での符号Fで示す部分)をもつラルゼン形状の曲がり爪継手11になっている。この曲がり爪継手11は、図1(b)に示すように、腕部4の先端からウエブ部2の側に向けて張り出す基端部11aと、その基端部11aの先端から幅方向外側に向けて延びる爪底部11bと、その爪底部11bの先端から腕部4の側に向けて曲げ返されてなる先端部11cとを有して構成されている。
また、他方の継手部5Aは、前記曲がり爪継手11のふところに嵌合する玉爪状(先端の略三角形状の部分)の玉爪継手22を有して成形されている。この玉爪継手22は、図1(a)に示すように、腕部4の先端からウエブ部2とは反対側に向けて張り出す基端部22aと、その基端部22aの先端から幅方向外側に向けて延びる爪底部22bと、その爪底部22bの先端からウエブ部2の側に凸に成形されてなる略三角形状の玉爪部11cとを有して構成されている。
そして、これら一対の継手部5A、5Bは、隣接して打設される他のハット形鋼矢板の継手部5B、5Aに対してウエブ部2のウエブ面が90度転回した位置で相互に嵌合するようになっている。なお、各継手部5A、5Bの基端部には、各爪の曲げ方向に張り出す突条部8がそれぞれに形成されている。
以下、このコーナー用ハット形鋼矢板1の製造方法、およびその製造方法により製造される上記ハット形鋼矢板1についてより詳しく説明する。なお、図3は、本発明に係るコーナー用ハット形鋼矢板を圧延する圧延設備の説明図であり、同図(a)では、ミル配置および孔型配列を示し、同図(b)では、圧延形状をそれぞれ示している。
上記ハット形鋼矢板1は、図3(a)に示す圧延設備によって、必要な横断面外形形状に熱間圧延されたものであり、この圧延設備は、同図に示すように、入り側から順に、加熱炉36、粗圧延機30、中間圧延機31、32、および仕上げ圧延機33を有して構成されている。そして、仕上げ圧延機33には、上記一対の継手部5A、5Bを、最終的な所望の形状に成形するための爪曲げ装置50が付設されている。
詳しくは、本実施形態の例で通材される扁平スラブは、厚み:220mm、幅:1000mmのものであり、加熱炉36において1250〜1300℃に加熱後、粗圧延機30のBOX孔型で幅を調整した後に、K8、K7の形状の孔型で各々4〜5パスの圧延を施し、ハット型の粗形断面に成形される。
その後、図3(a)に示すように、タンデム配置した中間圧延機31、32によって、第1パスは孔型K5、K6の順に圧延し、第2パスは孔型K6、K5の順に圧延する。その後、第3パスを圧延するために被圧延材を孔型K4の入り側に移動させ、孔型K4、K3によって圧延する。
次いで、被圧延材は、上記中間圧延機31、32による中間圧延の後に、比較的高温な状態で仕上げ圧延機33の孔型K2により仕上げ圧延されるが、このときに、この仕上げ圧延の工程で、仕上げ圧延機33の孔型K2の出側に配置された爪曲げ装置50の複数のローラ群によって、上記一対の継手部5A、5Bの爪曲げが行なわれる。
以下、上記爪曲げ装置50について図面を適宜参照しつつ詳しく説明する。なお、図4は、その爪曲げ装置の平面図である。
図3(a)に示すように、この爪曲げ装置50は、仕上げ圧延機33の出側に付設されている。そして、この爪曲げ装置50は、継手部成形機能および姿勢維持機能を有し、上記継手部5A、5Bを成形中に、被圧延材の姿勢を維持する複数のローラ群を有して構成されている。
これら複数のローラ群は、本実施形態の例では、図4に示すように、下流方向に2群のロール群が配置されており、各ロール群は、水平ロール43や竪ロール41、竪ロール42によって、上記ウエブ部2およびフランジ部4から腕部4にかけての屈曲部および継手部5A、5Bを拘束するように配置されている。なお、これら2群のロール群は、上記仕上げ圧延機33の孔型K2が刻設された圧延ロール40の中心軸40Aから第一のロール群の中心軸L1までを750mm、また、圧延ロール40の中心軸40Aから第二のロール群の中心軸L2までを1250mmとして配設されている。
そして、この圧延設備では、仕上げ圧延機33の出側の下流方向に、3.0m/sの速度で通材がなされ、これにより、上記複数配置したローラ群は、爪曲げ装置50内において被圧延材の尾端を詰まらせることなく、継手部5A、5Bの爪を各継手部5A、5Bの基端部から先端部にかけて内側に曲げつつ、左右で異なる形状の、継手部5A、5Bの爪曲げを行えるようになっている。この際、左右の継手部5A、5Bでの成形開始および終了時間は同時になされる。
そして、内側への爪曲げを殆ど完了した被圧延材は、爪曲げ装置50の有する最終の孔型K1で仕上げ圧延がなされ、左右で異なる形状の、所定の寸法形状および精度に成形される。そして、その成形された被圧延材は、不図示の熱間鋸断機によって所定の製品長さに切断され、次いで、冷却床にて常温まで冷却することによって図1に示すハット形鋼矢板1を製造可能になっている。
次に、上記最終の孔型K1(およびK2)で所望形状に成形するための仕上げ圧延(継手部形成工程)についてより詳しく説明する。
本実施形態の継手部形成工程は、上記孔型K2、K1での通材を含み、同孔型での圧延によって、一対の継手部5A、5Bを、隣接して打設される他のハット形鋼矢板1に対してウエブ部2のウエブ面が90度転回した位置で相互に嵌合するように、一方の継手部5Bが爪を曲げることによって入り口を狭めたラルゼン形状をなす曲がり爪継手とするとともに、他方が曲がり爪継手に嵌合する玉爪状の玉爪継手5Aに成形する工程である。
すなわち、上記所定の形状は、図1に示すように、相互に嵌合する一対の継手部5A、5Bの横断面外形形状は、曲がり爪継手5Bのふところの幅をB1[mm]、曲がり爪継手5Bのふところの高さをH1[mm]、曲がり爪継手5Bの開口部幅をC1[mm]、曲がり爪継手5Bの爪角度をα1[deg]、曲がり爪継手5Bの爪壁角度をθ1[deg]とし、さらに、玉爪継手5Aの玉爪の幅をB2[mm]、玉爪継手5Aの玉爪の高さをH2[mm]、玉爪継手5Aの玉爪底幅をC2[mm]、玉爪継手5Aの爪角度をα2[deg]、玉爪継手5Aの爪底角度をθ2[deg]、玉爪継手5Aの玉爪厚みをA2[mm]とするとき、下記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすようにロールに旋削した孔型形状をもつ孔型K2、K1で圧延される。
(B1−2.0)>B2>(B1+C1)/2 (式1)
(C1−1.0)>C2 (式2)
3.0>(H1−H2)>1.0 (式3)
|α1−α2|<5° (式4)
θ1>θ2>0 (式5)
A2>C1+H1・tanθ1 (式6)
ここで、このハット形鋼矢板1は、図1に示すように、左右に延びるウエブ部2に対し、左右それぞれに張り出す腕部4は平行である。そして、上記(式1)〜(式6)の関係の基準となる方向は、左右それぞれに張り出す腕部4の張り出している方向を幅方向とし、また、これに直交する方向を高さ方向と定義する。そして、曲がり爪継手5Bの爪角度(α1)とは、曲がり爪継手5Bのふところ(符号Fの部分)を画成する面のうち、腕部4同様に幅方向に伸びる爪底部11bの内側面に対する、曲がり爪継手5Bの先端部11cの内側面の傾斜角と定義する。
また、曲がり爪継手5Bの爪壁角度(θ1)とは、曲がり爪継手5Bのふところを画成する面のうち、腕部4に繋がる基端部11aの内側面であって前記高さ方向に対する傾斜角と定義する。また、玉爪継手5Aの爪角度(α2)とは、玉爪継手5Aの玉爪状をなす玉爪部11cの略三角形状の先端部の角度であり、また、玉爪継手5Aの爪底角度(θ2)とは、玉爪継手5Aの腕部4同様に幅方向に伸びる爪底部22bの内側面に対するその幅方向に伸びる部分の外側面の傾斜角と定義する。なお、爪底部22bの内側面は、腕部4の面に平行な面である。
ここで、上記圧延設備の各孔型形状は、K8〜K3までは、例えば図8に例示した従来のハット形鋼矢板を製造する孔型と共通である。そして、K2はK3とK1との繋ぎ役を担っており、K1にうまく噛み込む形状に変化させている。そして、このK1は、製品として必要な玉爪継手22の外形寸法に合致したものを用いている。つまり、仕上げ圧延の最終孔型であるK1で上記(式1)〜(式6)の関係を設定している。
なお、各継手部5A、5Bの圧延に際しては、爪部の温度が600℃以上の状態において成形されることが望ましく、図4において、爪曲げ装置50の最上流に配置されるローラ群と仕上げ圧延ロール40の中心軸40Aとの距離L1を750mm以内、爪曲げ装置50の最下流に配置されるローラ群と仕上げ圧延ロール40の中心軸40Aとの距離L2を1500mm以内とすることが望ましい。
また、継手部5A、5Bの成形中にねじれなどが発生した場合、爪曲げ装置50の下流側のローラ群による熱間矯正が可能なように、各ローラ群は間隔を設けて配置することが望ましく、図4において、上記L1、L2の中心軸間の距離を500mm程度とすることが望ましい。なお、爪曲げ装置50での通材性を重視する場合は、複数のローラ群を、間隔を設けずに連続して配置する。
次に、上述したハット形鋼矢板1およびその製造方法の作用および効果について説明する。
上述のハット形鋼矢板1の製造方法は、図3に示す圧延設備で、扁平スラブを、粗圧延、中間圧延した後に、仕上げ圧延において、仕上げ圧延機出側に配置した爪曲げ装置50を用い、その最終工程の二つの孔型K2,K1のみを変更しており、これにより、熱間圧延される被圧延材を、ハット形をなすとともに、左右で異なる所望形状の一対の継手部5A、5Bを有するハット形鋼矢板1に成形することができる。
特に、このハット形鋼矢板1の製造方法によれば、上記継手部形成工程で、一対の継手部5A、5Bの横断面外形形状を、圧延のみによって製造されるとともに、その最終工程での孔型の充満が不十分であっても所期機能を奏することのできる外形(充満度許容外形)となるように、充満度許容外形となすための所定の複数の関係を、上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすようにした孔型K2、K1での通材過程で成形するので、コーナー専用のハット形鋼矢板を最小の設備補充によって圧延で製造することができる。
つまり、本実施形態の例では、爪曲げ装置50以外は、通常の一般的ハット形鋼矢板の圧延設備を流用することで製造することができる。したがって、必要最小限の孔型を玉爪成形用に交換するだけで、ほとんどのロール、ガイドといった圧延設備については、従来型のハット形鋼矢板のものを流用することができるため、中間圧延での孔型を変更することなく、コーナー用ハット形鋼矢板を製造することができる。したがって、少ない投資で目的とする機能を有するコーナー用のハット形鋼矢板1を得ることができる。
また、仕上げ圧延機出側に配置した爪曲げ装置50を用いた製造方法によれば、継手部5A、5Bの成形にあたっては、爪曲げにローラーガイドを適用することによって、継手部5A、5Bの片方のみを爪曲げするという非対称変形に対しても、ハット形鋼矢板1の主要部分を拘束した状態で継手部5A、5Bの爪曲げを行うことができる。そのため、一部のローラを交換するだけで、コーナー専用のハット形鋼矢板を安定して確実に圧延することができる。
そして、これにより製造されたコーナー用のハット形鋼矢板1によれば、一対の継手部5A、5Bの横断面外形形状が、上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすように形成されているので、隣接する鋼矢板のウエブ面が90度転回した位置で相互の継手部を嵌合する上で、最終工程での孔型の充満が不十分であっても所期機能を奏することが可能であり、必要な余裕代および継手部相互が離脱しない構成とすることができる。したがって、圧延された後には、なんら手を加えることなく打設方向を直角に転換することができる。
なお、上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすように形成されていない場合には、充満度許容外形を有しないことになる。つまり、孔型の材料充満度が所期機能を奏しない程度にまで不十分になったり、逆に過充満となったりするおそれが生じる。また、継手部の開口部幅が、狭過ぎると嵌合の余裕がなくなり、逆に広過ぎると継手が離脱しやすくなり、さらに、継手強度が低下することにもなる。したがって、上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすことは、隣接する鋼矢板に対してウエブ面が90度転回した位置で相互の継手部を嵌合させる上で、必要な余裕代および継手部相互が離脱しない構成を熱間圧延の製品化の過程でより確実に得るために必要十分な条件であり、同式全体を同時に満たすことが重要である。
[実施例]
図1に示すような左右非対称の一対の継手部をもつハット形鋼矢板1を上記製造方法によって実際に製作した。
この実施例のハット形鋼矢板1は、図1に示すもの同様、一対の継手部5A、5Bとして、下向きの曲がり爪継手11と、上向きの玉爪継手22とを成形した。上述のように、打設方向を直角に転換するには、図2に示すような従来形同様のラルゼン形状の曲がり爪継手11と、これに嵌合できる玉爪継手22とを有するものが好適だからである。
孔型形状としては、K8〜K3までは、例えば図8に例示した従来のハット形鋼矢板と共通とし、最終工程の二つの孔型K2,K1のみを変更することによって、従来型の他方の継手部5Aを上述した所定の外形形状をもつ玉爪継手22に形状変更した。
図6は、本実施例での一方の継手部5Bである、従来形の曲がり爪継手11である。
本実施例では、同図に示す、この曲がり爪継手11を基準として、そのふところの広さを、上記(式1)〜(式6)の関係に従って定量化(数値化)し、玉爪継手22の所定の外形形状を具体的に設定した。
すなわち、上述したように、一対の継手部5A、5Bに関する関係として、図2において、相互に嵌合する一対の継手部5A、5Bの横断面外形形状を、一方の曲がり爪継手については、曲がり爪継手のふところの幅をB1[mm]、曲がり爪継手のふところの高さをH1[mm]、曲がり爪継手の開口部幅をC1[mm]、と定量化した。また、横断面外形形状として、曲がり爪継手の爪角度をα1[deg]、曲がり爪継手の爪壁角度をθ1[deg]として定義した。同様に、他方の玉爪継手の横断面外形形状については、玉爪継手の玉爪の幅をB2[mm]、玉爪継手の玉爪の高さをH2[mm]、玉爪継手の玉爪底幅をC2[mm]、と定量化した。また、横断面外形形状として、玉爪継手の爪角度をα2[deg]、玉爪継手の爪底角度をθ2[deg]として定義した。
ここで、一対の継手部5A、5Bに関する関係として、相互に嵌合するとともに、打設できる継手部5A、5B相互の余裕代は、図2において、
(B1−2.0)>B2
B1≒26.0[mm]より、B2<24.0[mm] (式7)
B2>(B1+C1)/2
B1≒26.0、C1≒11.0よりB2>18.5[mm] (式8)
(式7)と(式8)からB2=21.0[mm]を選択した。
(C1−1.0)>C2
C1≒11.0[mm]より、C2<10.0[mm] (式9)
(式9)とK3までの孔型流用で、爪底厚C2は、従来形の継手部の爪底厚さを大きく変えることは難しいため、爪底厚さC2=8.0[mm]を選択した。さらに、玉爪高さについては、
H2≒(H1−2.0)
H1≒19.0[mm]より、H2=17.0[mm]に設定した。
そして、残る角度に関しては、
α2≒α1
α1≒42°より、α2=42°に設定した。
θ1>θ2>0
θ1≒6°より、θ2=4°に設定した。
上述のように設定した値による玉爪継手22の実施例を図7に示す。
ここで、孔型形状は、上記実施形態同様に、K8〜K3までは、例えば図8に例示した従来のハット形鋼矢板と共通とした。そして、最終工程についてのみ、仕上げ圧延機33のSFロール孔型K2,K1の二つの孔型のみを専用化した。つまり、K2はK3とK1との繋ぎ役を担っており、K1にうまく噛み込む形状に変化させた。そして、図6に示す形状を最終孔型であるK1で設定し、このK1は、上述したように、製品として必要な玉爪継手22の外形寸法に合致したものを準備した。
なお、仕上げ圧延機33の孔型K2による圧延速度は、被圧延材の先端が爪曲げ装置50の第2ロール群を通過するまでは1.0〜2.0m/sとし、4.0〜6.0m/sに加速後、仕上げ圧延機33からの蹴りだしを3.0〜5.0m/sとして、被圧延材の尾端が爪曲げ装置50内において詰まって残ることを防止した。また、圧延ロールの中心軸から第一のロール群の中心軸までを1000mm以内、圧延ロール中心から第二のロール群の中心軸までを1500mm以内とした。これにより、3.0m/sで圧延して爪曲げ装置50内において尾端を詰まらせることなく一対の継手部5A、5Bの爪曲げをそれぞれ行うことができた。
このような構成とした結果、図5に示すように、孔型K8〜K3までは従来形のハット形鋼矢板の孔型K3の形状(同図(a)参照)が、圧延の過程においてK2の形状変化を経て(同図(b)参照)、上記のようにK1で規定した所定の範囲の形状に収められた(同図(c)参照)。
そして、これにより成形された継手部5A、5B相互の嵌合状態は、上述の図2に示す関係、つまり、適当な継手部余裕を有しつつ、継手部の離脱が生じない関係が得られることが確認された。また、最終工程のSFロール孔型K2,K1の二つの孔型のみを専用化した以外は、通常の一般的ハット形鋼矢板の圧延設備をそのまま流用することで製造可能なことが確認された。
ここで、一対の継手部5A、5Bの横断面外形形状は、上記(式1)〜(式6)の関係に従って定量化(数値化)し、これら(式1)〜(式6)の関係を同時に満たす規定の枠内に収まってさえいれば、熱間圧延の最終工程の二つの孔型K2,K1で多少の無理変形を実施することで、例えば玉爪継手22外面に噛みだし気味に過充満が発生したり、また、図7に示すように、継手部5Aの玉爪継手22の内面側に凹みが発生したりしても、コーナー専用のハット形鋼矢板としての機能に問題は生じない。
また、相互に嵌合して打設できるようにするための条件として、玉爪継手22の外形を最終孔型(図5でのK1)に合致させれば、仮に図7に示すような充満の不足はあっても、図5の符号Tで示す一定の厚み部分が横断面外形形状に確保されていれば機能的には問題が無いのであって、あくまでも継手部外形の範囲を、上記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たす規定の枠内に収めることが重要である。
上述のように、本発明に係るハット形鋼矢板1、およびその製造方法によれば、この実施例にも示すように、SFロール孔型K2,K1の二つの孔型のみを専用化するだけで、中間圧延での孔型を変更することなく、継手部5A、5B相互を嵌合させつつウエブ面が90度転回した位置で打設することができ、継手部5A、5Bが相互に離脱しないハット形鋼矢板1を製造できるということが確認できた。
なお、本発明に係るハット形鋼矢板、およびその製造方法は、上記実施形態ないし実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、上述のハット形鋼矢板1の製造方法は、圧延設備の仕上げ圧延機出側に配置した爪曲げ装置50を用い、その最終工程の二つの孔型K2,K1のみを変更し、これにより、熱間圧延される被圧延材を、ハット形をなすとともに、左右で異なる所望形状の一対の継手部5A、5Bを有するハット形鋼矢板1に成形する例で説明したが、これに限定されず、本発明に係るハット形鋼矢板の製造方法は、通常のハット形鋼矢板の製造に用いる孔型に対して、仕上げ圧延に用いる孔型に限ってその爪部形状を変更(つまり、ラルゼン形から所定の玉爪形状に変更)することで、一対の継手部の横断面外形形状を、前記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たす前記充満度許容外形に成形するものであればよい。
例えば、上記実施例では、仕上げ圧延の最終2パスの孔型を変更したが、これに限らず、例えば仕上げ圧延を3パス行う場合には、最終3パスの孔型を変更してもよい。なお、変更に際しては、必要最小限となるように、仕上げ圧延での最終2〜3パスの孔型を変更することが好ましい。
本発明に係るコーナー用ハット形鋼矢板、およびその継手部部分を説明する横断面図((a)〜(c))である。 本発明に係るハット形鋼矢板の一実施形態での、90°方向転換するときの継手部相互の嵌合状態を説明する横断面図である。 本発明に係るハット形鋼矢板を圧延する圧延設備の、ミル配置および孔型配列、並びに圧延形状を示す説明図である。 本発明ハット形鋼矢板を圧延するための爪曲げ装置の一実施形態の平面図である。 本発明に係るハット形鋼矢板の一実施例であって、玉爪継手の形状成形の過程を示す説明図((a)〜(c))である。 本発明に係るハット形鋼矢板の一実施例であって、曲がり爪継手の実寸例を示す説明図である。 本発明に係るハット形鋼矢板の一実施例であって、玉爪継手の実寸例を示す説明図である。 従来のハット形鋼矢板を説明する横断面図である。
符号の説明
1 (コーナー用)ハット形鋼矢板
2 ウエブ部
3 フランジ部
4 腕部
5A、5B 継手部
8 突条部
11 曲がり爪継手
22 玉爪継手
30 粗圧延機(BDロール)
31 中間圧延機(S1ロール)
32 中間圧延機(S2ロール)
33 仕上げ圧延機(SFロール)
36 加熱炉
40 仕上げ圧延ロール(爪曲げガイドローラ)
41 竪ロール
42 竪ロール
43 水平ロール
50 爪曲げ装置(継手部成形装置)
100 従来のハット形鋼矢板
105 従来の継手部
B1 曲がり爪継手のふところの幅
C1 曲がり爪継手の開口部幅
H1 曲がり爪継手のふところの高さ
α1 曲がり爪継手の爪角度
θ1 曲がり爪継手の爪壁角度
A2 玉爪継手の玉爪厚み
B2 玉爪継手の玉爪の幅
C2 玉爪継手の玉爪底幅
H2 玉爪継手の玉爪の高さ
α2 玉爪継手の爪角度
θ2 玉爪継手の爪底角度

Claims (2)

  1. 左右に延びるウエブ部と、そのウエブ部両端から上下方向の一方に向けてそれぞれ張り出すフランジ部と、各フランジ部の先端から左右それぞれに張り出す腕部と、各腕部の先端にそれぞれ設けられて左右が非対称の一対の継手部と、を有するハット形鋼矢板であって、
    前記一対の継手部は、隣接して打設される他のハット形鋼矢板に対してウエブ面が90度転回した位置で相互に嵌合するように構成され、一方の継手部が爪を曲げることによって入り口を狭めたふところをもつラルゼン形状の曲がり爪継手であり、他方の継手部が前記曲がり爪継手のふところに嵌合する玉爪状の玉爪継手になっており、
    前記相互に嵌合する一対の継手部の横断面外形形状は、所定の複数の関係を同時に満たすように設定されることで、圧延のみによって製造されるとともにその最終工程での孔型の充満が不十分であっても所期機能を奏することのできる充満度許容外形を有してなり、
    前記充満度許容外形の所定の複数の関係は、曲がり爪継手のふところの幅をB1[mm]、曲がり爪継手のふところの高さをH1[mm]、曲がり爪継手の入り口の開口部幅をC1[mm]、曲がり爪継手の爪角度をα1[deg]、曲がり爪継手の爪壁角度をθ1[deg]、玉爪継手の玉爪の幅をB2[mm]、玉爪継手の玉爪の高さをH2[mm]、玉爪継手の玉爪底幅をC2[mm]、玉爪継手の爪角度をα2[deg]、玉爪継手の爪底角度をθ2[deg]]、玉爪継手の玉爪厚みをA2[mm]とするとき、下記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たすことを特徴とするハット形鋼矢板。
    (B1−2.0)>B2>(B1+C1)/2 (式1)
    (C1−1.0)>C2 (式2)
    3.0>(H1−H2)>1.0 (式3)
    |α1−α2|<5° (式4)
    θ1>θ2>0 (式5)
    A2>C1+H1・tanθ1 (式6)
  2. 請求項1に記載のハット形鋼矢板を製造する方法であって、
    前記一対の継手部を通材過程で成形する継手部形成工程を含み、当該継手部形成工程は、仕上げ圧延に用いる孔型に限ってその爪部形状を変更することで、前記一対の継手部の横断面外形形状を、前記(式1)〜(式6)の関係を同時に満たす前記充満度許容外形に成形することを特徴とするハット形鋼矢板の製造方法。
JP2008003305A 2008-01-10 2008-01-10 ハット形鋼矢板およびその製造方法 Pending JP2009160649A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008003305A JP2009160649A (ja) 2008-01-10 2008-01-10 ハット形鋼矢板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008003305A JP2009160649A (ja) 2008-01-10 2008-01-10 ハット形鋼矢板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009160649A true JP2009160649A (ja) 2009-07-23

Family

ID=40963850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008003305A Pending JP2009160649A (ja) 2008-01-10 2008-01-10 ハット形鋼矢板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009160649A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101954398A (zh) * 2010-05-31 2011-01-26 南京万汇钢板桩有限公司 直钩形拐角桩连续辊式冷弯成形方法
CN109731922A (zh) * 2019-03-11 2019-05-10 中冶赛迪工程技术股份有限公司 渐进式热弯穿带装置及方法
JP7476332B2 (ja) 2020-03-11 2024-04-30 エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング ハット形断面を有する金属梁を製造する方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101954398A (zh) * 2010-05-31 2011-01-26 南京万汇钢板桩有限公司 直钩形拐角桩连续辊式冷弯成形方法
CN109731922A (zh) * 2019-03-11 2019-05-10 中冶赛迪工程技术股份有限公司 渐进式热弯穿带装置及方法
CN109731922B (zh) * 2019-03-11 2023-09-19 中冶赛迪工程技术股份有限公司 渐进式热弯穿带装置及方法
JP7476332B2 (ja) 2020-03-11 2024-04-30 エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング ハット形断面を有する金属梁を製造する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009160649A (ja) ハット形鋼矢板およびその製造方法
JP2019111584A (ja) 圧延h形鋼
KR20190030755A (ko) H형강의 제조 방법
JP2004358541A (ja) 粗形鋼片の製造方法及び孔型ロール
JP6536415B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP6458917B1 (ja) H形鋼の製造方法
JP6686809B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP3397183B2 (ja) 非対称u型鋼矢板の熱間圧延方法
JP6668963B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP6593457B2 (ja) H形鋼の製造方法及び圧延装置
JP6597321B2 (ja) H形鋼の製造方法及びh形鋼製品
JP6565691B2 (ja) H形鋼の製造方法及びh形鋼製品
JP6501047B1 (ja) H形鋼の製造方法
JP6447285B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP6614339B2 (ja) H形鋼の製造方法
CN111465458B (zh) H型钢的制造方法
JP4424374B2 (ja) フランジ内面突起付形鋼の製造方法及びそれに使用される仕上ユニバーサル圧延機
JP6816483B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP7003841B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP2861829B2 (ja) 非対称u型鋼矢板の圧延方法
JP6531653B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP2004322105A (ja) H形鋼の製造方法及び孔型ロール
JP4167572B2 (ja) H形鋼の粗圧延方法
CN111050934A (zh) H型钢的制造方法
JP6699415B2 (ja) H形鋼の製造方法