JP2009159808A - 電力系統の制御システムおよび制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散型電源を導入した電力系統の需給制御をマルチエージェントにより行い、開閉器エージェントなどの特定のエージェントに負荷情報収集、発電機出力割り当ての計算などの主要な処理が集中するのを防止する。
【解決手段】区分開閉器で分離された区間内(または単位マイクログリッド内)で、区間エージェント1(またはマイクログリッドエージェント)が潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェント2または下流区間エージェント4に対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは下流区間エージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、区間内の分散型電源、および下流区間の需給制御を行う。
マネージャーエージェントの異常発生時に、発電機エージェントまたは負荷エージェントがマネージャーエージェントの代理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散型電源を配置した電力系統において、マルチエージェントを使用して系統運用コストやCO2排出量などの最適化を行うための制御システムおよび制御方法に関する。
近年、太陽光発電システム、風力発電システムといった自然エネルギー利用の発電システムやマイクロガスタービン発電システム、ディーゼル発電システム、燃料電池などの出力調整可能な発電システム、さらに電気二重層キャパシタからなる電力貯蔵装置(ECS:Energy Capacitor System)等により構成される複合型の分散型電源を、電力系統へ導入することが試みられている。
図17は、単独6.6kV系統の分散型電源システムの構成例である。ディーゼル発電ユニット11、風力発電ユニット12、太陽光発電ユニット13及び電気二重層キャパシタからなる電力貯蔵装置(ECS)14等の分散型電源が分散配置されて、配電線15に接続されている。なお、16は固定負荷、17は変動負荷である。
上記のように構成された分散型電源の出力調整方式として、数台のコンピュータから構成される自動発電制御(AGC:Automatic Generation Control)とコンピュータネットワークによる情報伝送により、周波数変動情報、出力情報の授受を行なうマルチエージェントシステムが提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
左、檜山、舟橋:単独系統における自動発電制御へのマルチエージェントシステムの適用、平成14年 電気学会 電力・エネルギー部門大会 論文集(分冊A)、2002.8.7−9、福井大学 檜山、江崎、森、小野、舟橋:電力貯蔵システムECSを有する単独系統におけるマルチエージェント方式自動発電制御の実験的検証、平成15年 電気学会全国大会、2003.3.17−19、東北学院大学
分散型電源を複数配置した系統(分散電源系統)では、系統内には電力供給側と電力消費側の2種が存在するが、コストや環境に対して最適となる制御を行わせる場合、発電機出力や特性、負荷消費量などの情報から、発電機に対する最適な設定値を求めて運転する必要がある。この際、集中管理では設備の動的な変更に対応できない(多大なシステムの設定変更が必要となる)ため、マルチエージェント技術を用いて発電機などに自律性を持たせて他の機器と協調動作させる(消費側と供給側で契約を結ばせる)方法が採られる。
契約に用いられるプロトコルは、契約ネットプロトコルといい、図18に示す手順で通信することにより、行うべきタスクを他のエージェントに依頼することができる。まず、契約開始側(Initiator)がm個の応答側(Responder)へcfp(call for proposal)メッセージとして依頼するタスク内容を送信する。応答側(Responder)は、拒否する場合はrefuseメッセージを送信し、受け入れる場合は受け入れ条件(例えばコストなど)を付けproposalメッセージを送信する。
契約開始側(Initiator)は、制限時間内(deadline)に受信したn個のうち、j個のproposeメッセージの受け入れ条件を比較し、その中から最適なResponderに対してはaccept−proposalメッセージを送信し、タスクを依頼する。それ以外はreject−proposalを送信して却下する。
タスクを任されたResponderはタスクを処理し、終了後に失敗時にはfailureメッセージ、成功時には結果(inform−result)または終了したこと(infまたはm−done)を送信し、一連の契約ネットプロトコルを終了する。
しかし、この契約ネットプロトコルでは、契約開始側(Initiator)と応答側(Responder)の比が1対多の場合しか対応できない。電力供給側と電力消費側をそれぞれInitiatorとResponder(または逆にResponderとInitiator)としたときに、電力供給側と電力消費側それぞれが複数存在する場合、複数のInitiatorが順々に契約ネットプロトコルを繰り返す必要がある。
この場合、すべてのInitiatorが契約ネットプロトコルを完了するまで処理が行われるため、全体の最適化に処理時間がかかる。またこのような電力供給側と電力消費側による契約ネットプロトコルでは、系統規模が大きくなるとその分だけ電力供給側および電力消費側それぞれの数が増加するため、通信負荷が増大してしまう。
このことを考慮して、マルチエージェントを使った分散型電源系統において、個々のエージェントの処理時間の短縮および通信負荷を軽減して高速な最適化制御ができる制御システム、制御方法を本願出願人は提案している。
この制御は、例えば図19に示す一般電力系統では、区分開閉器で分離された区間内で、区分開閉器に配置した開閉器エージェントをInitiatorとし、区間内の発電機Gや負荷Lおよび下流側開閉器に配置したエージェントをResponderとし、これらエージェント間で契約ネットプロトコルを用いて電力需給の契約をすることで、区間内の分散型電源と負荷および下流区間の需給制御を行う。この需給契約処理手順は以下のようになる。
(処理1)開閉器エージェントは、区間内の負荷および下流側開閉器エージェント(下流区間を一つの電力リソースとみなす)と通信し、必要な消費電力量及び電力購入希望コストを受け取る。
(処理2)開閉器エージェントは、収集した情報を基に、消費電力総量およびコストによる供給優先順位を求める。
(処理3)開閉器エージェントは、契約ネットプロトコルを開始する。区間内発電機及び下流側開閉器エージェントに対してcfpメッセージを送信し、受け取ったエージェントで契約に参加するものは、発電コストに関するテーブルを開閉器エージェントヘproposeメッセージとして送信する。
(処理4)開閉器エージェントは、区間内発電機などから受け取った発電コストテーブルに従い、総コストが安くなるように出力割り当てを行う。
(処理5)開閉器エージェントは、出力割り当てに応じ、accept−proposalメッセージで発電出力を区間内に送り、発電機エージェントは発電機に出力設定を行う。下流側開閉器エージェントの場合は、下流側区間内の最適化で利用する。
この方法では、開閉器エージェントが負荷情報収集、発電機出力割り当ての計算などの主要な処理をすべて行うため、
・負荷が集中し、開閉器エージェントの動作するリソースを小さく出来ない。
・処理を並列化できない。
などの問題がある。
同様に、マイクログリッド系統において、連系点開閉器に配置した開閉器エージェントによる需給処理にも同様の問題がある。
本発明の目的は、分散型電源を導入した電力系統の需給制御をマルチエージェントにより行い、開閉器エージェントなどの特定のエージェントに負荷情報収集、発電機出力割り当ての計算などの主要な処理が集中するのを防止し、需給制御の処理時間を短縮、及び各エージェントの処理を簡略化できる分散型電源の制御システムおよび制御方法を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、一般の電力系統における区分開閉器で分離された区間内で、区間エージェントが潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは下流区間エージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは下流区間エージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、区間内の分散型電源、および下流区間の需給制御を行う。
また、本発明は、マイクログリッド系統における単位マイクログリッド内で、マイクログリッドエージェントが潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、マイクログリッド内の需給バランス、及び子マイクログリッドの制御を行う。
したがって、本発明は、以下の制御システムおよび制御方法を特徴とする。
(1)分散型電源を導入した電力系統の制御システムであって、
電力系統の区分開閉器で分離された区間内で、発電機、負荷および下流側開閉器のいずれかに配置した区間エージェントをInitiatorとし、区間内の発電機や負荷および下流側開閉器に配置したエージェントをResponderとし、これらエージェント間で契約ネットプロトコルを用いて電力需給の契約を行い、
前記区間エージェントは、潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは下流区間エージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは下流区間エージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、区間内の分散型電源、および下流区間の需給制御を行う手段を備えたことを特徴とする。
(2)分散型電源を導入した電力系統の制御システムであって、
マイクログリッドにおける単位マイクログリッド内で、発電機、負荷および下流側開閉器のいずれかに配置したマイクログリッドエージェントをInitiatorとし、区間マイクログリッド内の発電機や負荷および下流側開閉器に配置したエージェントをResponderとし、これらエージェント間で契約ネットプロトコルを用いて電力需給の契約を行い、
前記マイクログリッドエージェントは、潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは下流側の子マイクログリッドエージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、マイクログリッド内の需給バランス、及び子マイクログリッドの制御を行う手段を備えたことを特徴とする。
(3)前記発電機エージェントは、発電機ごとに配置し、調整の最適化を行う他の発電機エージェント及び下流区間エージェントをあらかじめいくつか決めておき、前記区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントから最適化依頼を受けた時にあらかじめ決めておいた他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントそれぞれとの間で1対1の最適化を行う手段を備え、
前記下流区間エージェントは、下流区間内全体の電力特性を推定し、下流区間内の発電機エージェントから最適化の要望を受けたときに、あらかじめ決めておいた下流区間内の発電機エージェントまたは下流区間エージェントそれぞれとの間で1対1の最適化を行う手段を備えたことを特徴とする。
(4)一般電力系統における前記区間エージェントまたは下流区間エージェント、またはマイクログリッド系統における前記マイクログリッドエージェントまたは子側マイクログリッドエージェントをマネージャーエージェントとし、
前記発電機エージェントまたは負荷エージェントは、前記マネージャーエージェントの異常発生時にマネージャーエージェントの代理を行う手段を備え、
前記マネージャーエージェントの代理として機能している前記発電機エージェントまたは負荷エージェントに異常が起きた場合、他の発電機エージェントまたは負荷エージェントがその代理を行う手段を備えたことを特徴とする。
(5)前記代理の依頼対象とするエージェントは、系統内で重要度の高いエージェントを割り当てることを特徴とする。
(6)分散型電源を導入した電力系統の制御方法であって、
電力系統の区分開閉器で分離された区間内で、発電機、負荷および下流側開閉器のいずれかに区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントを配置し、区間内の発電機や負荷および下流側開閉器にそれぞれエージェントを配置し、
前記区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントは、
(S1)通信を行う発電機を数個決めておくステップと、
(S2)開閉器に流れる電力量から区間内消費電力量を把握するステップと、
(S3)発電機群の出力調整量を計算するステップと、
(S4)決めておいた通信相手の発電機に調整量を分配するステップと、
(S5)一定時間待ってステップ(S2)に戻る繰り返しステップを有し、
前記発電機エージェントは、
(S11)通信を行う他の発電機エージェントの数Nを決めておくステップと、
(S12)他の発電機エージェントから通信があるまで待つステップと、
(S13)通信してきた相手エージェントに自発電機の特性と現在の発電量を送信するステップと、
(S14)通信相手が計算した自発電機の出力設定値を受け取るステップと、
(S15)前記出力設定値に変化なしの場合はステップ(S12)に戻り他のエージェントからの通信を待つ繰り返しステップと、
(S16)前記出力設定値に変化がある場合、通信相手番号を設定するステップと、
(S17)当該通信相手から発電特性と現在の出力を受け取るステップと、
(S18)自発電機と通信相手の発電機との間での最適な発電量を計算するステップと、
(S19)通信相手に発電量を送信するステップと、
(S20)予め決めた最後の通信相手Nになるまで次の通信相手に変数シフトしてステップ(S17)に戻る繰り返しステップと、
(S21、S22)全ての通信相手について発電量の設定を終了したとき、自エージェントの担当する発電量を設定し、ステップ(S12)に戻る繰り返しステップを有することを特徴とする。
(7)一般電力系統における前記区間エージェントまたは下流区間エージェント、またはマイクログリッド系統における前記マイクログリッドエージェントまたは子側マイクログリッドエージェントをマネージャーエージェントとし、
前記負荷エージェントは、(S31)マネージャーエージェントに負荷要求を送るステップを有し、
前記マネージャーエージェントは、(S32)負荷要求されたときに前記発電機エージェントに発電依頼をするステップと、(S33、S34)前記発電機エージェントまたは負荷エージェントに代理依頼をしていなければ重要度の高い1つの発電機エージェントまたは負荷エージェントに代理依頼をするステップを有し、
前記発電機エージェントは、(S35)前記発電依頼に応じて発電機エージェント間で最適化処理を行うステップを有し、
前記発電機エージェントまたは負荷エージェントは、(S36)前記代理依頼を受けている発電機エージェントまたは負荷エージェントが定期的にマネージャーエージェントの生存を確認するステップと、(S37)前記マネージャーエージェントの生存が確認できないときに他のエージェントにマネージャーエージェントの代理着任のメッセージを送るステップとを有することを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、区分開閉器で分離された区間内または単位マイクログリッド内で、区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントが潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは下流区間エージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは下流区間エージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、区間内の分散型電源、および下流区間の需給制御を行うため、分散型電源を導入した電力系統の需給制御をマルチエージェントにより行い、開閉器エージェントなどの特定のエージェントに負荷情報収集、発電機出力割り当ての計算などの主要な処理が集中するのを防止できる。
特に、個々のエージェントのアルゴリズムが単純化される。これはソースコードのメンテナンス性の改善、バグの削減につながる。
また、個々のエージェントの自律度が上がり、分散並列度が向上し、機器ごとの計算リソースの無駄を削減する。また処理速度向上につながる。
また、マネージャーエージェントの異常発生時に、発電機エージェントまたは負荷エージェントがマネージャーエージェントの代理を行うことにより、下流側または子側の最適化処理機能を維持することができ、システム全体の最適化機能が喪失することはない。
(1)一般の電力系統に適用した実施形態
図1は、本実施形態を示す一般電力系統のマルチエージェント構成である。一般の電力系統では、事故対策などのため開閉器が多数設けられており、その中には図19のように特定区間を分離する区分開閉器がある。電力系統のある区間から下流側を見た場合、下流側にある区分開閉器以下は、一つの発電機や負荷のような電力リソースとみなすことが出来る。例えば、図19の最上流区間に注目すると、図1のようになる。
マルチエージェント構成は、区分開閉器で区分された特定区間ごとにグループを形成し、区間内の最適化を行っていく。一つの区間内には図1のようにエージェントを配置するが、図19における開閉器エージェントに代えて、区間エージェントを設ける。各エージェント1〜4はコンピュータ上の図2のような環境上で動作する。この環境は、発電機エージェント2の場合は発電機制御端末に、負荷エージェント3の場合は消費量計測端末に構築する。区間エージェント1については、区間内の機器のどこかで動作するとし、場所は特定しない(区間開閉器の潮流計測端末や、区間内発電機制御端末・負荷計測端末などのいずれか)。下流区間エージェント4についても下流区間内のいずれかの機器で動作することとする。
以下、各エージェントおよび処理機能について、詳細に説明する。
区間エージェント1は、区間内に一つ存在し、・区間内のエージェントの把握、・負荷、開閉器および下流の区間エージェントから潮流情報の収集、・潮流の変化量を発電機エージェントヘ送信し最適化を依頼の各機能をもつ。
発電機エージェント2は、発電機ごとに配置し、次の働きを行う。・最適化を行う相手(発電機エージェント及び下流区間エージェント)をあらかじめいくつか決めておき、・区間エージェントから最適化依頼を受けた時にあらかじめ決めておいた最適化対象(他の発電機エージェントまたは下流区間エージェント)それぞれとの間で1対1の最適化を行う。その場合、相手から発電機特性を受信し、自分と相手のみの最適値を計算して割り振る。・他の発電機エージェントから、最適化の要望を受けて最適化する場合は、発電機特性を渡して相手より最適値を受け取る。
負荷エージェント3は、区間エージェントの要求に応じて、潮流情報を送る。
下流区間エージェント4は、下流区間内全体の電力特性を推定する。また、区間内の発電機エージェントから最適化の要望を受けて最適化を行う。その場合は下流区間内全体の電力特性を相手に渡し、最適値を受け取る。下流の区間内で上記区間エージェントと同様の処理を行う。
図1のエージェント構成を論理的に図示すると図3のようになる。この構成において、図4に示すように、まず、区間エージェント1は定期的に区間開閉器や、負荷・下流区間エージェントより消費電力量の情報を収集し、この区間内での潮流変動を計測する。通常は区間開閉器に流れる潮流の変化か変動量を得る。次に、図5に示すように、区間エージェント1は、変動量分の調整を発電機エージェント群2へ依頼する。その後、図6に示すように、発電機エージェント群(と下流区間エージェント)2の個々のエージェント間で、1対1の通信を行って2つのエージェント間での最適化を行う。そして、他のエージェントとも1対1の通信を行って最適化を連鎖させることで、全体の最適化を行う。
区間エージェント1での処理フローは図7に示し、発電機エージェント2での処理フローは図8に示す。
区間エージェント1では、(S1)通信を行う他の発電機エージェントの数を決めておき(例えば、区間内で出力の大きいものから順に3個など)、(S2)区間内消費電力量把握のため、開閉器に流れる電力量(消費電力)を取得し、(S3)発電機群の出力調整量を計算し、(S4)決めておいた通信相手の発電機に調整量を分配し、(S5)一定時間待って処理S2に戻る繰り返しを行う。
発電機エージェント2では、(S11)通信を行う発電機を数個決めておき(例えば区間内で同じ程度の出力に近いものから順に3個、など)。このときの個数をNとする。次に、(S12)他の発電機エージェントから通信があるまで待ち、(S13)通信してきた相手エージェントに自発電機の特性と現在の発電量を送信する。(S14)その後、通信相手が計算した自発電機の出力設定値を受け取り、(S15)この設定値に変化なしの場合はS12に戻り、他のエージェントからの通信を待つ。
発電出力設定値に変化がある場合、(S16)通信相手番号を意味する変数n=1に設定し、(S17)n番目の通信相手から発電特性と現在の出力を受け取り、(S18)自発電機と通信相手の発電機との間での最適な発電量を計算し、(S19)通信相手に発電量を送信する。この後、(S20)通信相手が最後でない場合、つまりn≠Nとき、(S21)次の通信相手に変数シフト(インクリメント)してS17に戻る繰り返しを行う。また、(S22)全ての通信相手について発電量の設定を終了したとき、自エージェントの担当する発電量を設定し、S12に戻り次の発電量変化まで待つ。
したがって、図1のような一般の電力系統における区分開閉器で分離された区間内で、区間エージェント1が潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェント2または下流区間エージェント4に対して調整依頼し、その発電機エージェント2または下流区間エージエント4がそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、区間内の分散型電源、および下流区間の需給制御を行うことができる。
このとき、特定のエージェントに負荷情報収集、発電機出力割り当ての計算などの主要な処理が集中するのを防止でき、需給制御の処理時間を短縮、及び各エージェントの処理を簡略化できる。
(2)マイクログリッド系統に適用した実施形態
マイクログリッド系統は、一般電力系統に対して一つの連系点で接続し、その連系点以下で最適な運転を目的に、独立した運用が行われる。マイクログリッド系統では、図9のような構成となり、入れ子構造にもなりうる。電力系統側に近い親側マイクログリッドに接続する子側マイクログリッドは、一つの電力リソースとみなすこともでき、子側マイクログリッドエージェントと呼ぶ。
マイクログリッド系統についてのマルチエージェント構成は、一般電力系統と同様に、マイクログリッド単位ごとにグループを形成し、マイクログリッド内の最適化を行っていく。一つのマイクログリッド内には図10のように以下のエージェントを配置する。
マイクログリッドエージェント(一般系統の区間エージェントに相当)11は、マイクログリッド内に一つ存在し、次の働きをする。・マイクログリッド内のエージェントの把握、・負荷、連系点開閉器および子側マイクログリッドエージェントから潮流情報の収集、・潮流の変化量を発電機エージェントヘ送信して最適化を依頼する。
発電機エージェント12は、発電機ごとに配置し、次の働きをする。・最適化を行う相手(発電機エージェント及び子側マイクログリッドエージェント)をあらかじめいくつか決めておく。・マイクログリッドエージェントから最適化依頼を受けた時に、あらかじめ決めておいた最適化対象(他の発電機エージェントまたは子側マイクログリッドエージェント)それぞれとの間で1対1の最適化を行う。その場合、相手から発電機特性を受信し、自分と相手のみの最適値を計算して割り振る。・他の発電機エージェントから、最適化の要望を受けて最適化する場合は、発電機特性を渡して相手より最適値を受け取る。
負荷エージェント13はマイクログリッドエージェントの要求に応じて、潮流情報を送る。
子側マイクログリッドエージェント14は、子側マイクログリッド内全体の電力特性を推定する。これには、マイクログリッド内の発電機エージェントから最適化の要望を受けて最適化を行う。その場合は子側マイクログリッド内全体の電力特性を相手に渡し、最適値を受け取る。また、子側マイクログリッド内で上記マイクログリッドエージェントと同様の処理を行う。
マイクログリッド系統に対する具体的なエージェントの動作は、図3から図8の説明において、区間開閉器を連系点開閉器、区間エージェントをマイクログリッドエージェント、下流区間エージェントを子側マイクログリッドエージェントと置き換えた場合と同等である。
したがって、図10のようなマイクログリッド系統における単位マイクログリッド内で、マイクログリッドエージェントが潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、マイクログリッド内の需給バランス、及び子マイクログリッドの制御を行うことができる。
このとき、特定のエージェントに負荷情報収集、発電機出力割り当ての計算などの主要な処理が集中するのを防止でき、需給制御の処理時間を短縮、及び各エージェントの処理を簡略化できる。
(3)2つの発電機間(下流区間エージェントまたは子側マイクログリッドエージェントを含む)の最適化発電処理
2つの発電機間で最適化発電を行う場合で説明する。例えば、下記の表1および図11のような発電出力−発電コスト特性を持つ発電機があったとする。
その場合、2台の発電総量が0.0〜2.0まで変化する際の出力変化は、上記のグラフより図12のようになる。2台の発電機A,Bで行うべき発電の総量をP、一方の発電特性f(x)と発電量p、もう一方の発電特性g(x)とした場合、f(p)+g(P−p)が最少になるpを求めることで、それぞれの発電機出力を決めることができる。
(4)マルチエージェントによる出力調整動作の例。
発電機の全体的な動作としては、以下の通りである。
(a)図13のように発電機が9台あり、それぞれ最適運転されている状態とする(仮定する)。
(b)負荷消費量が上がり、その情報を収集した区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントが、適当な発電機エージェントに発電出力増加の調整を依頼する。図14ではエージェントE3とE7に増加を依頼する。
(c)発電機エージェントE3及びE7は、コミュニケーション可能な他のエージェント(この場合は隣同士とする)と出力調整を行う。図15では、E3がE2と出力調整し、E7がE8と出力調整する。
(d)更にコミュニケーションを繰り返し、全体的な調整を行っていく。図16では、E1とE2,E3とE4,E6とE7,E8とE9で出力調整を行い、発電機運転の効率化およびCO2削減などを図ることができる。
(5)管理エージェントの故障・停止対策
前記のように、図1に示す一般的な電力系統、または図10に示すマイクログリッド系統に対し、マルチエージェントによる自律分散制御を行う。しかし、実際には各エージェントは完全に自律しているということはなく、管理の役割を担うエージェント(以下、マネージャーエージェントと呼ぶ)が少なからず1つは存在する。図1では、区間エージェント1または下流区間エージェント4がそれに当たる。また、図10では、マイクログリッドエージェント11または子側マイクログリッドエージェント14がそれに当たる。
これらマネージャーエージェントを基にして行う系統運転の最適化処理の全体的な流れは以下のようになる。
(手順a)特定の地域(区分開閉器間地域や連系点開閉器間地域)において、負荷エージェントはマネージャーエージェントの要求に応じて、潮流データを送る。
(手順b)負荷の潮流データを受け取ったマネージャーエージェントは発電機エージェントに対して発電依頼をする。
(手順c)依頼された発電機エージェントは周りの発電機エージェントと一対一で最適化計算を行い、最適値を割り振る。
(手順d)さらに周りのエージェントと最適化計算を行い、最適値を割り振る。
(手順e)手順cと手順dの処理を繰り返し、ある一定の範囲内の値に収まるまで繰り返す。
(手順f)下流または子側でも手順a〜手順eを繰り返す。
このように、最適化処理を行う上で発電機エージェントと負荷エージェントのやり取りの間を取り持つマネージャーエージェントは最も重要なエージェントである。よって、なんらかの影響で、マネージャーエージェントが故障、停止した場合、一般電力系統では下流側、マイクログリッド系統では子側の最適化処理の実行が不可能となり、システム全体の最適化が困難となる。
本実施形態では、マネージャーエージェントの故障・停止時にも最適化処理の機能を確保し、その実行を保障する。この機能確保の概要は、マネージャーエージェントの異常発生時、区間内またはマイクログリッド内の発電機エージェントまたは負荷エージェントがマネージャーエージェントの代理を行い、この代理として機能しているエージェントに異常が起きた場合はさらに他の発電機エージェントまたは負荷エージェントがその代理を行い、区間内の最適化処理を保障する。
ここで、代理依頼対象とするエージェントは、系統内で重要度の高いエージェントを割り当てる。すなわち、電力系統にマルチエージェントを適用した場合、その運転方式により、発電機の種類の重要度が違うと考えられる。例えば、系統全体で経済性運転を行うときは、運転コストが低く、発電量が多い発電機が中心となり、発電を行い、その逆の特性の発電機は重要度が低くなる。また、環境性重視の運転方式のときは、自然エネルギー発電が重視され、その他はCO2排出量などの小さいものから重要度が高く順位付けられていくものと考えられる。本実施形態では、発電機エージェントまたは負荷エージェントがもつ重要度の順位を利用し、マネージャーエージェントの異常時の代理エージェントとして割り当てる。
図20は、各エージェントの最適処理実行時の簡略化モデルでの具体的な処理の流れを示し、以下のようになる。
(a)負荷エージェント3A〜3Cからの負荷要求をマネージャーエージェント1が受ける。
(b)マネージャーエージェント1は発電機エージェント2A〜2Cに発電依頼をすると同時に、運転方式ごとに発電機エージェント2A〜2Cに順位付けをし、重要度の高い発電機エージェント2Aに異常時の代理の依頼メッセージも送信する。
(c)発電機エージェント2A〜2Cは互いに他の発電機エージェントと最適化処理を行う。
(d)マネージャーエージェント1からのメッセージがある時間内で届かなくなったときは、代理依頼を受けた発電機エージェント2Aは、マネージャーエージェント1にその生存確認のメッセージを送信し、マネージャーエージェント1からの返答でその生存を確認する。
すなわち、マネージャーエージェント1から代理依頼を受けた発電機エージェント2Aは、マネージャーエージェント1の生存を監視する役割もする。ここでは、マネージャーエージェント1からの発電依頼が定期的に届くものであると考え、タイムアウト値を設定し、それを超えたら生存確認メッセージを送り、その返答がなかったら故障あるいは停止したものとする。
図21は、マネージャーエージェント1に異常発生したときの最適化処理機能の確保を示し、以下のようになる。
(p)マネージャーエージェント1の代理となる発電機エージェント2Aは、マネージャーエージェント1からの生存確認メッセージの返信がなかったとき、マネージャーエージェント着任のメッセージを他の発電機エージェント2B、2Cと、負荷エージェント3A〜3Cに送信する。また、同時に、発電機エージェント2Aは、自分が異常故障・停止したとき、または系統から解列したときの準備として、自分の次に高い順位の重要度になる発電機エージェント(例えば2B)に代理の依頼メッセージも送る。
(q)発電機エージェント2Aは、負荷エージェント3A〜3Cから負荷要求を受けつけ可能にしておく。
(r)発電機エージェント2Aは、負荷要求があったとき、他の発電機エージェント2B、2Cとの間で最適化処理を行う。
(s)仮に、発電機エージェント2Aが仕事をできない状態となった場合、あらかじめ代理依頼を受けている発電機エージェント2Bが代理となり、仕事を引き継ぐ。
図22は、図20と図21の処理を併せた全体的な処理フローを示す。まず、負荷エージェントは負荷要求を送り(S31)、この負荷要求でマネージャーエージェントは発電機エージェントに発電依頼をする(S32)。このとき、発電機エージェントに代理依頼をしていなければ(S33)、順位付けの結果を基に1つの発電機エージェントに代理依頼をする(S34)。この後、発電機エージェント間で最適化処理を行う(S35)。代理依頼を受けている発電機エージェントは、定期的に発電依頼メッセージが来ているか否かでマネージャーエージェントの生存を確認し(S36)、メッセージが来ていないときに他のエージェントにマネージャーエージェントの代理着任のメッセージを送る(S37)。
なお、発電機エージェントによるマネージャーエージェントの代理に代えて、負荷エージェントがマネージャーエージェントの役割を果たすこともできる。このときの処理の仕組み、フローは発電機エージェントのときと同様になる。図23はマネージャーエージェント1の異常時に負荷エージェント3Aが代理となる場合の簡略化モデルを示す。
以上のことから、本実施形態では、マネージャーエージェントの仕事を発電機エージェントまたは負荷エージェントが引き継ぐ(代理する)ことで、最適化処理の実行に関する被害を低く抑えることができる。
本発明の実施形態を示す一般電力系統のマルチエージェント構成例。 エージェントの環境。 エージェント間の処理手順(その1)。 エージェント間の処理手順(その2)。 エージェント間の処理手順(その3)。 エージェント間の処理手順(その4)。 区間エージェントの処理フロー。 発電機エージェントの処理フロー。 マイクログリッド系統例。 マイクログリッド系統でのエージェント構成例。 発電出力−発電コスト特性の例。 発電総量−出力変化の例。 発電機の出力調整動作(その1)。 発電機の出力調整動作(その2)。 発電機の出力調整動作(その3)。 発電機の出力調整動作(その4)。 分散型電源システムの構成例。 契約ネットプロトコル。 一般電力系統でのエージェント構成例。 通常時のマネージャーエージェントによる処理。 異常発生時の発電機エージェントによる処理。 通常時と異常時の全体的な処理フロー。 異常発生時の負荷エージェントによる処理。
符号の説明
1 区間エージェント
2、12 発電機エージェント
3、13 負荷エージェント
4 下流区間エージェント
11 マイクログリッドエージェント
14 子側マイクログリッドエージェント
3A、3B、3C 負荷エージェント
2A、2B、2C 発電機エージェント

Claims (7)

  1. 分散型電源を導入した電力系統の制御システムであって、
    電力系統の区分開閉器で分離された区間内で、発電機、負荷および下流側開閉器のいずれかに配置した区間エージェントをInitiatorとし、区間内の発電機や負荷および下流側開閉器に配置したエージェントをResponderとし、これらエージェント間で契約ネットプロトコルを用いて電力需給の契約を行い、
    前記区間エージェントは、潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは下流区間エージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは下流区間エージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、区間内の分散型電源、および下流区間の需給制御を行う手段を備えたことを特徴とする電力系統の制御システム。
  2. 分散型電源を導入した電力系統の制御システムであって、
    マイクログリッドにおける単位マイクログリッド内で、発電機、負荷および下流側開閉器のいずれかに配置したマイクログリッドエージェントをInitiatorとし、区間マイクログリッド内の発電機や負荷および下流側開閉器に配置したエージェントをResponderとし、これらエージェント間で契約ネットプロトコルを用いて電力需給の契約を行い、
    前記マイクログリッドエージェントは、潮流量を把握し、潮流増減量を発電機エージェントまたは下流側の子マイクログリッドエージェントに対して調整依頼し、その発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントがそれぞれ自律的に他の発電機エージェントまたは子マイクログリッドエージェントと調整を行う連鎖を繰り返すことで、マイクログリッド内の需給バランス、及び子マイクログリッドの制御を行う手段を備えたことを特徴とする電力系統の制御システム。
  3. 前記発電機エージェントは、発電機ごとに配置し、調整の最適化を行う他の発電機エージェント及び下流区間エージェントをあらかじめいくつか決めておき、前記区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントから最適化依頼を受けた時にあらかじめ決めておいた他の発電機エージェントまたは下流区間エージェントそれぞれとの間で1対1の最適化を行う手段を備え、
    前記下流区間エージェントは、下流区間内全体の電力特性を推定し、下流区間内の発電機エージェントから最適化の要望を受けたときに、あらかじめ決めておいた下流区間内の発電機エージェントまたは下流区間エージェントそれぞれとの間で1対1の最適化を行う手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力系統の制御システム。
  4. 一般電力系統における前記区間エージェントまたは下流区間エージェント、またはマイクログリッド系統における前記マイクログリッドエージェントまたは子側マイクログリッドエージェントをマネージャーエージェントとし、
    前記発電機エージェントまたは負荷エージェントは、前記マネージャーエージェントの異常発生時にマネージャーエージェントの代理を行う手段を備え、
    前記マネージャーエージェントの代理として機能している前記発電機エージェントまたは負荷エージェントに異常が起きた場合、他の発電機エージェントまたは負荷エージェントがその代理を行う手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力系統の制御システム。
  5. 前記代理の依頼対象とするエージェントは、系統内で重要度の高いエージェントを割り当てることを特徴とする請求項4に記載の電力系統の制御システム。
  6. 分散型電源を導入した電力系統の制御方法であって、
    電力系統の区分開閉器で分離された区間内で、発電機、負荷および下流側開閉器のいずれかに区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントを配置し、区間内の発電機や負荷および下流側開閉器にそれぞれエージェントを配置し、
    前記区間エージェントまたはマイクログリッドエージェントは、
    (S1)通信を行う発電機を数個決めておくステップと、
    (S2)開閉器に流れる電力量から区間内消費電力量を把握するステップと、
    (S3)発電機群の出力調整量を計算するステップと、
    (S4)決めておいた通信相手の発電機に調整量を分配するステップと、
    (S5)一定時間待ってステップ(S2)に戻る繰り返しステップを有し、
    前記発電機エージェントは、
    (S11)通信を行う他の発電機エージェントの数Nを決めておくステップと、
    (S12)他の発電機エージェントから通信があるまで待つステップと、
    (S13)通信してきた相手エージェントに自発電機の特性と現在の発電量を送信するステップと、
    (S14)通信相手が計算した自発電機の出力設定値を受け取るステップと、
    (S15)前記出力設定値に変化なしの場合はステップ(S12)に戻り他のエージェントからの通信を待つ繰り返しステップと、
    (S16)前記出力設定値に変化がある場合、通信相手番号を設定するステップと、
    (S17)当該通信相手から発電特性と現在の出力を受け取るステップと、
    (S18)自発電機と通信相手の発電機との間での最適な発電量を計算するステップと、
    (S19)通信相手に発電量を送信するステップと、
    (S20)予め決めた最後の通信相手Nになるまで次の通信相手に変数シフトしてステップ(S17)に戻る繰り返しステップと、
    (S21、S22)全ての通信相手について発電量の設定を終了したとき、自エージェントの担当する発電量を設定し、ステップ(S12)に戻る繰り返しステップを有することを特徴とする電力系統の制御方法。
  7. 一般電力系統における前記区間エージェントまたは下流区間エージェント、またはマイクログリッド系統における前記マイクログリッドエージェントまたは子側マイクログリッドエージェントをマネージャーエージェントとし、
    前記負荷エージェントは、(S31)マネージャーエージェントに負荷要求を送るステップを有し、
    前記マネージャーエージェントは、(S32)負荷要求されたときに前記発電機エージェントに発電依頼をするステップと、(S33、S34)前記発電機エージェントまたは負荷エージェントに代理依頼をしていなければ重要度の高い1つの発電機エージェントまたは負荷エージェントに代理依頼をするステップを有し、
    前記発電機エージェントは、(S35)前記発電依頼に応じて発電機エージェント間で最適化処理を行うステップを有し、
    前記発電機エージェントまたは負荷エージェントは、(S36)前記代理依頼を受けている発電機エージェントまたは負荷エージェントが定期的にマネージャーエージェントの生存を確認するステップと、(S37)前記マネージャーエージェントの生存が確認できないときに他のエージェントにマネージャーエージェントの代理着任のメッセージを送るステップとを有することを特徴とする請求項6に記載の電力系統の制御方法。
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