JP2009158897A - 金属配線回路保護方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリイミド樹脂にウレタン、シロキサン、あるいはエポキシ等を混合したり共重合したりせず、密着性を向上させ、本来ポリイミド樹脂が有する耐熱性、電気特性、機械的特性及び不燃性等の特性を有し、密着性、耐めっき性等に優れた、金属配線回路保護方法を提供する。
【解決手段】耐熱性を有する絶縁基板上に金属配線回路が形成されている金属配線板の表面に、ポリイミド前駆体と感光剤と極性有機溶媒を含有する感光性ポリイミド前駆体組成物を塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法であって、前記金属配線板の表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、ブラスト処理及びシランカップリング処理のうち1種類以上の処理を施したのち、前記感光性ポリイミド前駆体組成物を、塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法によって得られる。
【選択図】なし
【解決手段】耐熱性を有する絶縁基板上に金属配線回路が形成されている金属配線板の表面に、ポリイミド前駆体と感光剤と極性有機溶媒を含有する感光性ポリイミド前駆体組成物を塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法であって、前記金属配線板の表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、ブラスト処理及びシランカップリング処理のうち1種類以上の処理を施したのち、前記感光性ポリイミド前駆体組成物を、塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法によって得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子部品等に用いられる耐熱性金属配線板の表面に感光性ポリイミドからなるカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法に関するものである。
フレキシブルプリント配線板(以下「FPC」と称する)用のカバーレイフィルムは、銅張積層板(以下「CCL」と称する)を用いて形成された導体回路パターンの回路保護を目的として使用される。このカバーレイフィルムの取付方法としては、「片面が接着剤処理されたポリイミド樹脂等のカバーレイフィルムの所定の位置に予め穴開け加工しておき、そのカバーレイフィルムを回路が形成されたCCLに熱ラミネートあるいはプレス等する」という方法が一般的に用いられている。
しかし、FPCの回路の微細化が急速に進行している現在において、「カバーレイフィルムに予めFPCの回路の端子部や部品との接合部に合致する穴や窓を形成した後に回路パターンとの位置合わせをしながらカバーレイフィルムをCCLに貼り付ける」という方法には、作業性や位置精度の点から限界があり、歩留りが悪く、工程も繁雑であるという問題がある。
ところで、このようなカバーレイフィルムには、FPC基板との接着力、電気絶縁性、柔軟性、不燃性及び耐熱性等、多くの特性が要求される。また、カバーレイフィルムが感光性樹脂組成物から形成される場合には更に成形時の反り(カール)の低減等が要求される。そして、近年、穴開け加工時の位置の精度や製造コスト等の面から感光性樹脂組成物を用いてカバーレイフィルムを形成する方法が主流になってきている。
従来、このような感光性樹脂組成物として、基板との密着性が高く成形時の反りの小さい感光性ポリイミド樹脂組成物や感光性ポリイミド前駆体組成物が提案されている。また、基板との接着力を改善するためにシランカップリング剤を配合した感光性樹脂組成物も提案されている。
しかしながら、これらの従来技術では、基板との密着性を高くするために、ポリイミド樹脂にウレタン、シロキサン、あるいはエポキシ等を混合したり共重合したりしており、本来ポリイミド樹脂が有している電気特性、機械的特性及び耐熱性等の優れた特性が損なわれ、半田付け加工に対する耐熱性や、絶縁耐力、不燃特性等が低下してしまう等の問題があった。また、シランカップリング剤を配合した感光性樹脂組成物においては、密着性を十分に確保することができず、耐めっき性が不十分である等の問題があった。
本発明の課題は、ポリイミド樹脂にウレタン、シロキサン、あるいはエポキシ等を混合したり共重合したりせず、密着性を向上させ、本来ポリイミド樹脂が有する耐熱性、電気特性、機械的特性及び不燃性等の特性を有し、密着性、耐めっき性等に優れた金属配線回路保護方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意、研究を重ねた結果、下記化学式(III)で示される構成単位、下記化学式(IV)で示される構成単位、下記化学式(V)で示される構成単位及び下記化学式(VI)で示される構成単位から構成される少なくとも1種のポリイミド前駆体と、
感光剤と、
極性有機溶媒と
を含有する感光性ポリイミド前駆体組成物を、耐熱性を有する絶縁基板上に金属配線回路が形成されている金属配線板の表面に塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法であって、前記金属配線板の表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、ブラスト処理及びシランカップリング処理のうち1種類以上の処理を施したのち、前記感光性ポリイミド前駆体組成物を、塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法を見出した。
極性有機溶媒と
を含有する感光性ポリイミド前駆体組成物を、耐熱性を有する絶縁基板上に金属配線回路が形成されている金属配線板の表面に塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法であって、前記金属配線板の表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、ブラスト処理及びシランカップリング処理のうち1種類以上の処理を施したのち、前記感光性ポリイミド前駆体組成物を、塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法を見出した。
また、上述した前記金属配線板の表面にプラズマ処理、コロナ処理、UV処理及びブラスト処理のうちいずれか1つの処理を施し、その後にシランカップリング処理を施したのち、上述した前記感光性ポリイミド前駆体組成物を、塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する請求項1に記載の金属配線回路保護方法を見出した。
本発明の金属配線回路保護方法は、ポリイミド樹脂にウレタン、シロキサン、あるいはエポキシ等を混合したり共重合したりせず、密着性を向上させ、本来ポリイミド樹脂が有する耐熱性、電気特性、機械的特性及び不燃性等の特性を有し、密着性、耐めっき性等に優れたカバーレイフィルムを形成できる。
本発明において有用な極性有機溶媒は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。好ましい溶媒はN,N−ジメチルアセトアミドである。これらの溶媒を単独で又は混合物として、あるいはトルエン、キシレンなどのすなわち芳香族炭化水素、メタノール、エタノールなどのすなわちアルコールなどの他の溶媒と混合して用いることができる。
また、本発明に係る感光性ポリイミド前駆体組成物は、ポリスチレン換算重量平均分子量が10万g/mol以上20万g/mol以下であることが好ましい。ポリスチレン換算重量平均分子量が10万g/molよりも低い場合では、フレキシブル基板などの電子部品等のカバー層として使用する場合において折り曲げ性や基材の端裂抵抗などの機械的特性が不十分であり、20万g/molよりも高い場合では、溶液粘度が高くなり、成形加工が困難となる。
感光性ポリイミド前駆体組成物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合割合を代えることによって調整することができる。本発明において好ましい分子量を得るための混合割合は80:100〜99:100である。なお、この混合割合は芳香族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族ジアミンのいずれが多くてもよい。
また、本発明において、感光性ポリイミド前駆体組成物として、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物及び1,2-ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物のいずれか1つ又はこれらの混合物である感光剤を配合するのが好ましい。なお、この感光剤は405nmを中心とする吸収波長を有する。
また、かかる場合において、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物は1,2-ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸とヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化合物であるのが好ましく、1,2-ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物は、1,2-ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化合物であることが好ましい。また、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸は1,2−ナフトキノン−(2)−ジアジド−5−スルホン酸であるのが好ましく、ヒドロキシベンゾフェノンは2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンであるのが好ましい。
さらに、上記感光剤は、ポリイミド前駆体組成物の固形分100重量部に対して、20重量部以上80重量部以下で配合することが好ましい。
また、本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物には、銅配線回路の酸化などを防止するために、防錆剤を添加することができる。例えば、ベンゾトリアゾールあるいはその誘導体などが防錆剤として挙げられる。防錆剤は、感光性ポリイミド前駆体組成物の固形分100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下添加するのが好ましい。
また、本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物には、スクリーン印刷後の平滑性を向上させるために、消泡剤あるいはレベリング剤などを添加することができる。例えば、オルガノポリシロキサン、ポリアクリル酸エステル、又はポリビニルエーテルなどが消泡剤あるいはレベリング剤として挙げられる。なお、これらの消泡剤あるいはレベリング剤のうち溶解度パラメータδが7.3cal/cm3以上9.4cal/cm3以下を示し、且つ、表面張力γが0.020N/cm以上0.035N/cm以下を示すものが特に好ましい。また、これらの消泡剤あるいはレベリング剤は、単独で使用してもよいし混合して使用してもよい。消泡剤あるいはレベリング剤は、感光性ポリイミド前駆体組成物の固形分100重量部に対して0.01から5重量部添加するのが好ましい。そして、感光性ポリイミド前駆体組成物に消泡剤やレベリング剤を添加した場合には、スクリーン印刷後に20mg/分以上70mg/分以下の溶媒揮発速度で10分以上塗膜を乾燥させ、その後にその塗膜をイミド転化させるのが好ましい。このようにすれば、スクリーン印刷後の塗膜の平滑性を向上させることができる。
また、このような感光性ポリイミド前駆体組成物は、カバーレイフィルム等の原材料として電子部品等に応用することができる。例えば、CCLを用いて形成された導体回路パターン上に上記感光性ポリイミド前駆体組成物を10〜100μmの範囲の厚みで塗布し100度C前後の温度で乾燥した後にその塗膜の上にフォトマスクパターンをのせ、波長400nm近辺の近紫外線によりその塗膜を露光した後、その塗膜を無機アルカリ水溶液で現像することにより所定の位置に穴や窓を開け、さらにその後、その塗膜中のポリイミド前駆体を200〜250度Cの温度でイミド転化すれば、ポリイミド製カバーレイを形成することができる。
また、本発明のポリイミド前駆体組成物および感光性ポリイミド前駆体組成物には、得られるポリイミドフィルム、ポリイミドカバーレイ、感光性ポリイミドカバーレイの耐熱性、電気絶縁性、折り曲げ特性、耐アルカリ性、機械的強度などの特性を損なわない程度に、防錆剤、密着助剤、表面平滑剤、有機および無機の充填剤などの添加剤を添加しても良い。
なお、ポストベイクの温度は銅などの電気回路の酸化を防ぐためには低い方が好ましい。このため、感光性ポリイミド前駆体組成物に予め3−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシ安息香酸、ベンズイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシフェニル酢酸、3−フェノールスルホン酸、4‐ヒドロキシピリジン等のイミド化剤を混合しておくことが好ましい。
本発明の金属配線板の表面への処理は、プラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、ブラスト処理、エッチング処理及びシランカップリング処理のうち1種類以上の処理を施す。特に、プラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理又はブラスト処理から選ばれたいずれか1種類の処理とシランカップリング処理との組合せがより好ましい。接着力がより向上するからである。
上記プラズマ処理は、特に限定させるものではなく、減圧状態で行われるプラズマ処理でもよいし、大気圧もしくはその近傍で行われる常圧プラズマ処理でもよい。さらに常圧プラズマ処理を行う場合、使用するガスも、特に限定させるものではなく、通常使用される空気、アルゴン、窒素等があげられる。0.1kWから5kWの電力量で放電させることが望ましい。電力が0.1kWよりも低い場合は、プラズマ放電が安定せず、5kWよりも高い場合は、金属配線板の表面への影響が大きく、接着力が安定性しない。
上記コロナ放電処理は、放電電極と金属配線板表面との距離は0.3mmから5mmの範囲であることが好ましい。なお、電力密度は100W・min/m2から500W・min/m2が好ましい。電力密度が100W・min/m2よりも低い場合は、接着効果が低く、電力密度が500W・min/m2より大きい場合は、金属配線板の表面が大きく粗化され、接着力が安定性しない。
上記UV処理は、特に波長の限定はしないが、好ましくは255nm以下がよい。800Wの低圧水銀ランプを用い、処理時間は5秒から30秒が好ましい。処理時間が5秒より短い場合は、接着効果が低く、処理時間が30秒より長い場合は、金属配線板の表面が劣化し、接着力が安定性しない。
上記ブラスト処理は、乾式でもよく湿式でもよい。研磨剤としては、特に限定されるものではなく、褐色アルミナ、白色アルミナ、淡紅色アルミナ、アルミナジルコニア、炭化珪素、ドライアイス、氷等があげられる。その研磨剤の粒経も、特に限定させるものではないが、1μmから15μmの範囲が好ましい。粒径が1μmよりも小さいと、接着の効果は小さくなり、粒径が15μmよりも大きいと、金属配線板の表面が大きく粗化され、接着力が安定性しない。
上記シランカップリング処理は、金属配線板上に、アルコキシシリル化合物を主成分とするシランカップリング層を形成することで行われる。アルコキシシリル化合物としては、コックに限定されることはないが、例えばβ−アラニン−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−メチルエステル、1−プロパノール−3−(トリエトキシシリル)−カーバメート、カルバミン酸−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]、ブタン酸−4−(トリメトキシシリル)−3−アミノプロピルエステル、2−プロパンノン−O−[ビス(2−メトキシエトキシ)メチルシリル]オキシム、カルバミン酸−[(トリエトキシシリル)メチル]エチルエステル等があげられる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
るものではない。
(1)感光性ポリイミド前駆体組成物の調製
500mLの3つ口フラスコに攪拌羽を取り付けて合成容器を組み立てた。そして、その合成容器に、固形分が17wt%となるように和光純薬工業社製のピロメリット酸二無水物(以下「PMDA」と称する)32.68g(0.1498mol)と、三菱ガス化学社製のN−メチルピロリドン(以下「NMP」と称する)306.2gとを投入した後、その合成容器の内容物を60度Cに加熱して2時間撹拌し、PMDA溶液を得た。その後、そのPMDA溶液に和光純薬工業社製の4,4'−ジアミノジフェニエーテル(以下「ODA」と称する)30.00g(0.1498mol)を加え、さらにその内容物を60℃で1時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。そして、このポリアミック酸溶液の固形分100重量部に対して1,2‐ナフトキノン−(2)−ジアジド‐4‐スルホン酸と2,3,4−トリベンゾフェノンのエステル化合物(NT−200、東洋合成社製)が20重量部となるように、ポリアミック酸溶液にNQDエステル化合物を混合し感光性ポリイミド前駆体組成物を調製した。なお、この感光性ポリイミド前駆体組成物の粘度は160ポイズであった。
500mLの3つ口フラスコに攪拌羽を取り付けて合成容器を組み立てた。そして、その合成容器に、固形分が17wt%となるように和光純薬工業社製のピロメリット酸二無水物(以下「PMDA」と称する)32.68g(0.1498mol)と、三菱ガス化学社製のN−メチルピロリドン(以下「NMP」と称する)306.2gとを投入した後、その合成容器の内容物を60度Cに加熱して2時間撹拌し、PMDA溶液を得た。その後、そのPMDA溶液に和光純薬工業社製の4,4'−ジアミノジフェニエーテル(以下「ODA」と称する)30.00g(0.1498mol)を加え、さらにその内容物を60℃で1時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。そして、このポリアミック酸溶液の固形分100重量部に対して1,2‐ナフトキノン−(2)−ジアジド‐4‐スルホン酸と2,3,4−トリベンゾフェノンのエステル化合物(NT−200、東洋合成社製)が20重量部となるように、ポリアミック酸溶液にNQDエステル化合物を混合し感光性ポリイミド前駆体組成物を調製した。なお、この感光性ポリイミド前駆体組成物の粘度は160ポイズであった。
(2)銅配線板の作製
厚さ75μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産株式会社製)と接着剤と厚さ35μmの銅箔とが張り合われた銅張積層板を準備し、その銅張積層板表面にエッチングレジストをスクリーン印刷により回路パターンに印刷して、120度C、30分で硬化した。その後48度Cのエッチング液の中で15分間エッチングし、銅を除去して銅配線回路を形成した銅配線板を作製した。さらに2wt%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、エッチングレジストを除去した。
厚さ75μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産株式会社製)と接着剤と厚さ35μmの銅箔とが張り合われた銅張積層板を準備し、その銅張積層板表面にエッチングレジストをスクリーン印刷により回路パターンに印刷して、120度C、30分で硬化した。その後48度Cのエッチング液の中で15分間エッチングし、銅を除去して銅配線回路を形成した銅配線板を作製した。さらに2wt%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、エッチングレジストを除去した。
(3)表面処理
(2)で作製した銅配線板をアルゴンガスが注入された部屋に通し、常圧下で、印加電圧2kV、出力800Wの電力を入力してプラズマ放電させ、銅配線板に表面処理した。
(2)で作製した銅配線板をアルゴンガスが注入された部屋に通し、常圧下で、印加電圧2kV、出力800Wの電力を入力してプラズマ放電させ、銅配線板に表面処理した。
(4)カバーレイフィルムの形成
(3)で作製した表面処理が施された銅配線板上に、(1)で作製した感光性ポリイミド前駆体組成物をスクリーン印刷した後、その塗膜を80度Cの温度で10分間乾燥し一次イミド化被膜を形成した。なお、このときの一次イミド化被膜の厚みは15μmであった。そして、この一次イミド化被膜上にフォトマスクパターンを置いた後、一次イミド化被膜に400nmの近紫外線を30分間照射した。次に、この一次イミド化被膜を0.5wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像した後、120度Cで30分、さらに200度Cで30分加熱してホストベイクを行い、試料Aを作製した。
(3)で作製した表面処理が施された銅配線板上に、(1)で作製した感光性ポリイミド前駆体組成物をスクリーン印刷した後、その塗膜を80度Cの温度で10分間乾燥し一次イミド化被膜を形成した。なお、このときの一次イミド化被膜の厚みは15μmであった。そして、この一次イミド化被膜上にフォトマスクパターンを置いた後、一次イミド化被膜に400nmの近紫外線を30分間照射した。次に、この一次イミド化被膜を0.5wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像した後、120度Cで30分、さらに200度Cで30分加熱してホストベイクを行い、試料Aを作製した。
(5)活性化処理
(4)で作製した試料Aの表面を50g/L(1.25mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、25度Cで2分間活性化処理をした。
(4)で作製した試料Aの表面を50g/L(1.25mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、25度Cで2分間活性化処理をした。
(6)触媒付与および還元処理
(5)で作製した活性化処理した試料を40度Cの触媒処理液に5分浸漬し、続いて25度Cの還元処理液に5分間浸漬した。
(5)で作製した活性化処理した試料を40度Cの触媒処理液に5分浸漬し、続いて25度Cの還元処理液に5分間浸漬した。
(7)ニッケルめっき
(6)で作製した触媒付与および還元処理を行った試料を、ニッケル浴を用いて、40度Cで5分間無電解めっきを行い、ニッケルめっき層を形成し、試料Bを作製した。
(6)で作製した触媒付与および還元処理を行った試料を、ニッケル浴を用いて、40度Cで5分間無電解めっきを行い、ニッケルめっき層を形成し、試料Bを作製した。
(8)接着性の評価
(3)で作製した試料Aを幅10mmに切り取って、引張試験機を用いて、銅配線板とカバーレイフィルム間の180°ピール強度を計測し、その試料の銅配線板とカバーレイフィルム間の接着力とした。結果を表1に示す。
(3)で作製した試料Aを幅10mmに切り取って、引張試験機を用いて、銅配線板とカバーレイフィルム間の180°ピール強度を計測し、その試料の銅配線板とカバーレイフィルム間の接着力とした。結果を表1に示す。
(9)耐めっき性の評価
(7)で作製した試料Bの銅配線板とカバーレイフィルム間の境界面からめっき液のもぐり込みがないかどうかを100倍の顕微鏡で観察した。結果を表1に示す。なお、もぐり込みがない場合は「○」の記号を、もぐり込みがある場合は「×」の記号を付した。
(7)で作製した試料Bの銅配線板とカバーレイフィルム間の境界面からめっき液のもぐり込みがないかどうかを100倍の顕微鏡で観察した。結果を表1に示す。なお、もぐり込みがない場合は「○」の記号を、もぐり込みがある場合は「×」の記号を付した。
前記(1)の目標固形分を18wt%に代え、PMDA32.68gをダイセル化学工業(株)製の3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下「BTDA」と称する)12.89g(0.04mol)に代え、NMPの添加量を94.85gに代え、ODA30.00gを和光純薬工業社製のメチレンジアニリン(以下「MDA」と称する)7.93g(0.04mol)に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性ポリイミド前駆体組成物の調整と、その後の処理を行い、接着性と耐めっき性の評価を行った。結果を表1に示す。
前記(1)の目標固形分を21wt%に代え、PMDA32.68gをダイキン工業社製の4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピル)フタル酸二無水物(以下「6FDA」と称する)17.77g(0.04mol)に代え、NMP306.2gを和光純薬工業社製のDMAC(以下「DMAC」と称する)88.38gに代え、ODA30.00gを三井化学社製の1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下「APB」と称する)11.69g(0.04mol)に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性ポリイミド前駆体組成物の調整と、その後の処理を行い、接着性と耐めっき性の評価を行った。結果を表1に示す。
前記(1)の目標固形分を19wt%に代え、PMDAの添加量を16.34g(0.075mol)に代え、NMP306.2gをDMAC133.48gに代え、ODA30.00gを和歌山精化工業社製のジアミノベンゾアニリド(以下「DABA」と称する)17.03g(0.075mol)に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性ポリイミド前駆体組成物の調整と、その後の処理を行い、接着性と耐めっき性の評価を行った。結果を表1に示す。
前記(3)の表面処理で、銅配線板と放電電極との距離を1mmとし、電力密度200W・min/m2で10秒間コロナ放電させた以外は、実施例1と同様にして試料Aおよび試料Bを作製した。各種評価の結果を表1に示す。
前記(3)の表面処理で、銅配線板に800Wの低圧水銀ランプを用いて20秒間UV処理を行った以外は、実施例1と同様にして試料Aおよび試料Bを作製した。各種評価の結果を表1に示す。
前記(3)の表面処理で、銅配線板に粒経5μm白色アルミナを用いて圧力5kg/mm2で30秒間ブラスト処理を行った以外は、実施例1と同様にして試料Aおよび試料Bを作製した。各種評価の結果を表1に示す。
前記(3)の表面処理で、銅配線板の表面にシランカップリング剤(プロシル−921(PCR社製))を塗布し、40度Cで5分間乾燥して、シランカップリング処理した以外は、実施例1と同様にして試料Aおよび試料Bを作製した。各種評価の結果を表1に示す。
前記(3)の表面処理で、銅配線板と放電電極との距離を1mmとし、電力密度200W・min/m2で10秒間コロナ放電させ、コロナ放電処理したのち、その表面にシランカップリング剤(プロシル−921(PCR社製))を塗布し、40度Cで5分間乾燥して、シランカップリング処理した以外は、実施例1と同様にして試料Aおよび試料Bを作製した。各種評価の結果を表1に示す。
(比較例1)
前記(3)の表面処理で、表面処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、試料Aおよび試料Bを作製した。評価の結果を表1に示す。
前記(3)の表面処理で、表面処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、試料Aおよび試料Bを作製した。評価の結果を表1に示す。
本発明の金属配線回路保護方法は、耐熱電子部品用途の金属配線板に利用することができる。例えば、携帯電話、デジタルカメラ、PC等に特に好適である。
Claims (2)
- 下記化学式(III)で示される構成単位、下記化学式(IV)で示される構成単位、下記化学式(V)で示される構成単位及び下記化学式(VI)で示される構成単位から構成される少なくとも1種のポリイミド前駆体と、
極性有機溶媒と
を含有する感光性ポリイミド前駆体組成物を、耐熱性を有する絶縁基板上に金属配線回路が形成されている金属配線板の表面に塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法であって、前記金属配線板の表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、ブラスト処理及びシランカップリング処理のうち1種類以上の処理を施したのち、前記感光性ポリイミド前駆体組成物を、塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する金属配線回路保護方法。 - 前記金属配線板の表面にプラズマ処理、コロナ処理、UV処理及びブラスト処理のうちいずれか1つの処理を施し、その後にシランカップリング処理を施したのち、前記感光性ポリイミド前駆体組成物を、塗布、乾燥してカバーレイフィルムを形成する請求項1に記載の金属配線回路保護方法。
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WO2021132109A1 (ja) * | 2019-12-26 | 2021-07-01 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂組成物、ポリイミドワニス及びポリイミドフィルム |
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WO2021132109A1 (ja) * | 2019-12-26 | 2021-07-01 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂組成物、ポリイミドワニス及びポリイミドフィルム |
CN114846052A (zh) * | 2019-12-26 | 2022-08-02 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 聚酰亚胺树脂、聚酰亚胺树脂组合物、聚酰亚胺清漆和聚酰亚胺薄膜 |
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