JP2009156474A - 溶媒乾燥装置および溶媒乾燥方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷により形成した膜中に含まれる溶媒量をモニタリングし、乾燥時間の終点の見極めをすることにより、膜中に含まれる残存溶媒量を高精度に制御した値にする。
【解決手段】金属からなる試料台11や試料18内に組み込まれた金属膜によって反射した赤外線15をディテクタ17で受けて信号変換し、該信号を演算処理部20、制御部21に入力する。演算処理部20には、赤外吸収法により計測された有機膜19の溶媒の赤外吸収量から見積られる残存溶媒量と溶質の赤外吸収量から、見積られる溶質量の値が入力され、これにより溶媒乾燥プロセスの終点見極め値を計測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光デバイスや有機薄膜トランジスタ(TFT)などのデバイス作製において、印刷技術を用いて作製する際の溶媒を乾燥させる溶媒乾燥装置、および溶媒乾燥方法に関するものである。
近年、有機発光デバイスは、液晶テレビやプラズマディスプレイに代わる大画面・薄型ディスプレイとして期待されている。その中で有機EL膜の形成や、その駆動回路の用いられる有機薄膜トランジスタ(TFT)膜の形成は、大面積に低コストで膜を形成しなければならないため、インクジェットやダイコート,スピンコートなどの印刷技術が検討されている。
インクジェットをはじめとする印刷方法にて膜形成を行うには、所定の場所に溶質と溶媒が混ざったインクを吐出し、その後、真空や熱を用いた乾燥によりインクに含まれる溶媒を蒸発させた後、ベークやアニールなどで膜硬化,結晶化させることが一般的である。
一般に有機EL膜や有機TFT膜の形成は、所望の場所に100nm以下の非常に薄い膜を形成する必要があるため、インクジェット法をはじめとする印刷工法が使われることが多い。そのインクジェットに際して、溶媒は、揮発性の有機溶剤を溶媒の主成分とするインクが使用されることが多く、急激な乾燥は乾燥ムラの原因となる。
また、ベークあるいはアニール前の残存溶媒量によって、発光特性や電気特性といったデバイス特性が大きく変化し、残存溶媒量をモニタリングして制御することが重要である。
乾燥ムラが起こらないように溶媒乾燥時にモニタリングする従来の方法として、特許文献1に記載された乾燥条件の制御方法について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、レーザ拡散照射方式の乾燥装置1は、ウエブ状の被乾燥物2にレーザ光を照射するレーザ照射手段3と、被乾燥物2を該被乾燥物2のウエブ長手方向に移動させる移動手段4と、被乾燥物2から揮発する揮発分中に含まれる有機溶剤濃度を測定する測定手段5と、測定した測定値と予め設定した設定値とのズレがなくなるように、レーザ照射手段3のレーザ出力を制御する制御手段6とにより構成されている。
移動手段であるパスローラ4上を搬送移動される被乾燥物2の上方には、レーザ光の照射によって加熱されることにより被乾燥物2から揮発する揮発成分を回収する吸引フード7が設けられ、吸引フード7内にレーザ照射手段3が配置されている。
また、吸引フード7の天井には排気ダクト8が接続され、排気ダクト8は乾燥装置1を設置した室の外部まで延設される。排気ダクト8には、防爆型の排気ファン9が設けられると共に、被乾燥物2から揮発され、吸引フード7を介して排気ダクト8内を流れる揮発分中の有機溶剤濃度を測定する測定手段5が設けられている。
測定手段5で測定された有機溶剤濃度のデータは、レーザ照射手段3のレーザ出力を制御する制御手段6に逐次入力される。制御手段6は、主として、演算器6Aとレーザ出力調整器6Bとで構成され、測定手段5で測定された揮発成分中の有機溶剤濃度は演算器6Aに入力される。演算器6A内には予め設定された設定有機溶剤濃度データが入力されており、演算器6Aに入力されてくる測定有機溶剤濃度データと比較されると共に、差をなくすために必要なレーザ出力の可変量を演算する。
そして、演算器6Aは演算結果をレーザ出力調整器6Bに出力し、レーザ出力調整器6Bがレーザ照射手段3の出力を制御する。これにより、被乾燥物2から揮発する揮発成分中の有機溶剤濃度を測定し、その測定値と予め設定した設定値とのズレがなくなるように、レーザ照射手段3のレーザ出力を制御するためのフィードバック制御機構が構成される。
前記フィードバック制御機構によれば、測定手段5の測定結果に応じてレーザ出力が変わると、被乾燥物2の加熱温度をレーザ出力に応じて瞬時に可変することができるので、被乾燥物2から揮発する揮発成分の有機溶剤濃度もレーザ出力に応じてリアルタイムに修正される。これにより、被乾燥物2から揮発する揮発成分中に含まれる有機溶剤濃度を測定し、測定した測定値と予め設定した設定値とのズレがなくなるようにレーザ照射手段3のレーザ出力をフィードバック制御することにより、被乾燥物2の乾燥速度を精度良く、かつリアルタイムに制御することができるため、溶剤系塗布膜を乾燥する場合でも乾燥ムラを防止することができる。
特開2006−138499号公報
しかしながら、特許文献1に記載の溶媒モニタリング装置を、印刷による有機EL膜あるいは有機TFT膜形成の溶媒乾燥プロセスに応用しても、デバイス特性である発光特性や電気特性のばらつきが大きい。
これは、特許文献1における乾燥モニタリングでは、溶媒乾燥時に揮発して出てきた揮発成分中に含まれる溶媒濃度をモニタリングするため、印刷によって形成された膜中にどれぐらいの溶媒が残っているのかが分からないためである。
また、印刷で形成した膜中の残存溶媒量を揮発成分中の溶媒濃度をガスとして計測するため、揮発成分中の溶媒濃度が高い場合では、モニタリングが可能であるが、溶媒濃度が低いところでは感度が悪く、揮発溶媒をモニタリングすることができない。
そのため、作製したデバイスにおいて作製した膜中に含まれる残存溶媒量を高精度で制御できず、発光特性や電気特性が異なってしまう。
本発明は、前記問題点に鑑み、印刷により形成した膜中に含まれる溶媒量をモニタリングし、乾燥時間の終点の見極めをすることにより、膜中に含まれる残存溶媒量を高精度に制御することを可能にする溶媒乾燥装置および溶媒乾燥方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、温度制御する機構を有する試料台と、該試料台の上方に設けられ赤外線を透過させる窓を有する真空容器と、真空度を調整しながら容器を真空状態にする真空処理部と、前記赤外線を照射する照射部と、前記赤外線の反射を受けて信号処理する信号処理部と、前記処理信号に対して演算処理を行う演算処理部とを備え、前記演算処理部は、前記試料台上の試料に形成された膜中の溶媒量を前記赤外線の吸収量に基づいて計測処理し、該計測結果に基づき溶媒乾燥時間の終点を判断処理することを特徴とし、この構成によって、形成した膜中に含まれる残存溶媒量を定量的に測定し、その結果を基にして、真空乾燥プロセスの終点制御を行うことにより、印刷プロセスで膜厚がばらついた場合でも、同じ残存溶媒量に制御できることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の溶媒乾燥装置において、溶媒量の検知結果に基づき、試料台の温度制御と真空容器内の真空度とを制御し、乾燥速度を所望の値に制御する制御部を備えたことを特徴とし、この構成によって、溶媒乾燥速度が一定となり、乾燥ムラも少なくすることができ、
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の溶媒乾燥装置において、溶媒乾燥時間の終点と判断したとき、試料を次の処理工程に移動させる制御を行う制御部を備えたことを特徴とし、この構成によって、試料を適正な乾燥状態にすることができるため、試料に対する次工程での処理が良好に行われることになる。
請求項4に記載の発明は、試料上に印刷により形成された膜中の溶媒を真空乾燥する溶媒乾燥方法であって、試料台に載置された試料に赤外線を照射し、該照射後の前記赤外線に対してフーリエ変換赤外吸収分光法を用いて、前記膜中の溶媒量を計測し、該計測結果から溶媒乾燥時間の終点を決定することを特徴とし、この方法によって、膜中の残存溶媒量を定性的に計測することが可能であるため、印刷プロセスで膜厚がばらついた場合でも、同じ残存溶媒量を保持できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の溶媒乾燥方法において、膜中の溶媒量を計測し、該計測結果から試料台の温度と真空乾燥炉の真空度を制御し、溶媒の乾燥速度を所望の速度に制御することを特徴とし、この方法によって、溶媒乾燥速度が一定となり、乾燥ムラも少なくすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の溶媒乾燥方法において、試料が有機発光デバイス用基板あるいは印刷型トランジスタ作製用基板であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4または5記載の溶媒乾燥方法において、試料が、内部に金属薄膜層が形成されているものであることを特徴とし、この方法によって、基板内の金属で赤外線が効率よく反射するため、高感度で残存溶媒のモニタリングが可能になる。
請求項8に記載の発明は、請求項4または5記載の溶媒乾燥方法において、乾燥させる前記溶媒が有機溶媒であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項4または5記載の溶媒乾燥方法において、フーリエ変換赤外吸収分光法を用いて、膜中の溶媒と溶質との量を測定し、各測定量のピークの比を演算し、該演算結果に基づき乾燥工程の終点処理を行うことを特徴とし、この方法によって、印刷時の膜厚ムラが生じても、所望の値の残存溶媒量に制御することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項4〜9いずれか1項記載の溶媒乾燥方法において、溶媒乾燥の終点と判断されたとき、試料を次の処理工程に移動させることを特徴とし、この方法によって、試料を適正な乾燥状態にすることができるため、試料に対する次工程での処理が良好に行われることになる。
本発明によれば、印刷によって試料上に形成された膜中の溶媒量を、照射する赤外線のフーリエ変換赤外吸収分光法や赤外吸収分光法などの光学的変化に基づいて処理して、溶媒乾燥時間の終点を判断することにより、印刷によって形成した膜中に含まれる残存溶媒量を定量的に測定して、その結果を基に真空乾燥プロセスの終点制御を行うことができるため、印刷プロセスで膜厚がばらついた場合でも、同じ残存溶媒量に制御でき、例えば、乾燥対象である有機発光デバイスや有機薄膜トランジスタ(TFT)などのデバイスなどの試料を対象として、その発光特性や電気特性などのバラツキを小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態として真空乾燥装置について説明する。本実施の形態では、印刷によって基板上に形成された膜を赤外吸収分光法で評価することにより、膜中に含まれる残存溶媒量を測定することができ、その残存溶媒量の演算結果から溶媒乾燥プロセス時間の終点検出、および試料台の温度,真空容器内の真空度の制御を行うことにより、溶媒乾燥速度を所望の値にし、溶媒乾燥後の膜中に含まれる残存溶媒量を高精度で制御することができるようにしている。
図1は本実施の形態において用いられる真空乾燥装置の断面図、図2は本実施の形態において用いられる試料の拡大図である。
図1,図2において、本装置では、アルミ製の真空容器10の内部に温度制御する機構としてヒータを内蔵した試料台11を設置し、試料台11の上方に赤外線を透過させるZeSeからなる窓12が設けられている。
真空容器10は、真空度調整弁13とで真空処理部を構成する真空ポンプ14に接続しており、真空調整弁13により所定の真空度が保たれている。電磁波である赤外線15を照射する照射部16と、反射された赤外線15を受ける信号変換部であるディテクタ17とを、試料台11に載置された試料18の上方に設置し、試料18に対して照射部16から赤外線15を照射する。
ここで、赤外線15を透過させる透過窓12の材料として、本例ではZeSeを選択したが、サファイヤ,ゲルマン,石英,フッ化カルシウム,フッ化リチウム,臭沃化タリウムなどの少なくとも1μm以上の電磁波の波長を透過する材料であればよい。
図2に示す試料18は、ガラス基板181に対して、インクジェットなどの印刷技術により膜形成が行えるようにバンク182を形成してあり、印刷工法によって溶媒と溶質とが混じったインクを塗布して、有機膜19を形成したものである。
そして、金属からなる試料台11や試料18内に組み込まれた金属膜183によって反射した赤外線15をディテクタ17で受けて信号変換し、該信号が演算処理部20および制御部21に逐次入力される。本例では、特定の波長のみを透過させるフィルタは使用しなかったが、赤外領域にある溶媒に係る信号や溶質のみの波長を透過させるフィルタ22をディテクタ17の前に設置してもよい。
また、本実施の形態では、溶媒量の計測にフーリエ変換赤外吸収分光法を用いるために、波長可変の赤外線照射部16を用いたが、溶媒と溶質材料の吸収波長のみを照射することができる半導体レーザなどを使用してもよい。
演算処理部20には、赤外吸収法により計測された有機膜19の溶媒の赤外吸収量から見積られる残存溶媒量と溶質の赤外吸収量から、見積られる溶質量の値が入力され、下式(数1)を用いて溶媒乾燥プロセスの終点見極め値を計測する。
Figure 2009156474
演算処理部20で計測された前記プロセス終点見極めの値が、当初設定された所望の値以下になった時点で、真空乾燥プロセスの終点と判断し、制御部21が真空調整弁13や試料移動口(ゲート)23に信号を出力し、試料18を図示しない移動手段により次の工程へ移送させるようにする。
このように、印刷後の溶媒と溶質が混じったインクの真空乾燥に、反射型赤外吸収分光法を応用することにより、溶媒の乾燥度合いを評価し、乾燥時間の終点を定めることができる。そのため、形成した有機膜中の残存溶媒量を所望の値に制御することが可能となり、作製したデバイスの発光特性や電気特性を安定化させることができる。
また、前記(数1)の式を使用せず、赤外吸収法による有機膜19中の溶媒に起因するピーク強度が、ある所望の値以下になったところで乾燥プロセスの終点と判断し、制御部21が真空調整弁13と試料移動口(ゲート)23に信号を出力し、試料18を次工程へ移動させるようにしてもよい。
さらには、印刷にて形成された膜から得られた(数1)の式のように、溶媒に起因するピーク強度と溶質に起因するピーク強度とを、(数1)の式に基づいて演算後、その比もしくは溶媒に起因するピーク強度の減衰率が、予め設定した設定値とのズレがなくなるように、試料18の温度と真空度を調整する真空調整弁13の開口率を制御するためのフィードバック制御機能を備えるようにしてもよい。
このようにすることにより、試料18の温度や真空容器10内の真空度をリアルタイムに制御することができ、真空乾燥時の溶媒乾燥速度を一定化させることができるため、高精度に膜中の残存溶媒量を制御することができ、乾燥ムラを低減することも可能であり、デバイス特性のバラツキを抑えることができる。
膜中の残存溶媒量を測定するのに、反射型赤外吸収分光法を用いるために、本例では、試料18における90°上方から赤外線15を入射するようにしたが、試料18に対し40°を超える斜め上方から赤外線15を入射するようにしてもよい。また、斜めから偏向をかけた赤外線15を入射し、赤外線15を受けるディテクタ17にも偏向フィルタを設けることによって、さらに高感度に膜中の残存溶媒量を測定することができる。
(実施例1)
以下、本発明の実施形態を有機薄膜トランジスタの作製において実施した実施例1について説明する。
図3に有機半導体の電気特性評価に使用した基板の概略図を示す。
通常のボトムゲート型トランジスタは、基板材料として、0.7mmのガラス基板上に、スパッタ法を用いてクロム薄膜を30nm堆積させた後、一般的なフォトリソグラフィ法を用いてクロム薄膜のパターニングを行い、試料としてゲート電極18を作製し、その上にゲート絶縁膜185として、シリコン窒化膜(SiN)をプラズマ化学的気層堆積法(CVD)にて300nm堆積させたものを使用する。
今回の実験では、実験を簡略化するため、図3に示すように、n型シリコン基板184を使用することによってゲート電極の代用し、基板表面に300nmのシリコン酸化膜185をゲート絶縁膜として使用した。
ゲート絶縁膜185上のソース電極186,ドレイン電極187の作製は、密着層としてクロムを5nm、電極材料として金を75nm堆積させ、リフトオフ法を用いてパターニングを行うことで、ソース電極186,ドレイン電極187を形成した。リフトオフ法とは、ゲート絶縁膜185上に先にレジストを塗布して露光・現像を行い、レジストのパターニングを行った後、スパッタ法にて、密着層としてクロムを、また電極材料として金を成膜した後、レジスト除去を行うことにより、後から堆積させた金属薄膜をパターニングする方法である。
前記電極を作製した基板に、インクジェット法により所望の場所にインクを吐出し、有機半導体膜(以下、有機膜という)19を形成するために、厚さ1μmの絶縁性材料からなるバンク182を作製した。バンク182の材料としてはフッ素含有絶縁材料を使用し、通常のリソグラフィー法でパターニングした後、バンク182をベークすることで表面にフッ素が表れ、バンク182表面が撥水化する。また、フッ素含絶縁材料をバンク材料として用いない場合、有機膜用インクの塗布前に、インクを塗布するバンク凹部は、インクに対して親液性を示す処理を施し、インクを塗布しないバンク182上には撥液性を示す処理を施してもよい。
有機膜19のインクジェットによる塗布は、キャリア移動度を確保することを目的として大きな結晶を形成するため、有機膜19の厚さが30nm以上100nm以下とした。今回は、有機半導体材料として、ポルフィリン系材料を溶質とし、有機溶媒である安息香酸エチルに質量比2%となるように溶かしてインクジェット用インクとした。
上記のように作製した電気特性評価用の基板にインクジェット法を用いて所望の場所に有機半導体材料を含んだインクを吐出した後、図1の真空乾燥装置に導入して、溶媒の乾燥を行った。インクジェットで形成した有機膜19中の残存溶媒の影響を調べるために、真空乾燥時間(1〜180分)、試料台11の温度(室温〜80℃)を制御してサンプルを作製した。本例では室温にて乾燥時間を変化させて4種類のサンプルを作製したが、試料台11の温度を上げることで、乾燥速度は、1.2倍から10倍程度短縮することが可能となる。
溶媒を乾燥させる際、リアルタイムで残存溶媒量をモニタリングした有機膜19の膜中の残存溶媒量に関連する信号として、有機溶媒である安息香酸エチル内のエステル結合に由来する1720cm−1のピーク強度を、溶質の信号として、ポリフィリンの1150cm−1のピーク強度を参照した。このように、有機膜19の下部に、ソース電極186,ドレイン電極187などの金属膜を有する構造、つまり、有機薄膜トランジスタ作製サンプルでは、有機膜19中の残存溶媒を計測するために照射した赤外線が効率よく反射するので、形成した有機膜19中の溶媒や溶質の信号を高感度で計測することができる。
図4に本例にて作製したサンプルの一覧を表にまとめた。サンプル1では、真空乾燥時間を1分とし、前記(数1)の式で示したプロセス終了見極め値を100以上として、溶媒乾燥を終了させた。サンプル2では、真空乾燥時間を2.5分とし、(数1)の式で示したプロセス終了見極め値を1.4として溶媒乾燥を終了させた。同様にサンプル3では、真空乾燥時間を30分とし、(数1)の式で示したプロセス終了見極め値を0.8として溶媒乾燥を終了させた。サンプル4では、真空乾燥時間を90分とし、プロセス終了見極め値をほぼ0として、溶媒乾燥を終了させた。ここで作製した4つのサンプルの有機半導体膜中に含まれる残存溶媒量は、サンプル1≫サンプル2>サンプル3>サンプル4の順で少なくなっていることを示している。
この結果から、本溶媒乾燥装置による残像溶媒のモニタリングを行うことにより、真空乾燥後の有機膜中に含まれる残存溶媒量を所望の値に制御することができることが分かった。
次に、有機半導体膜中の残存溶媒量を変化させて作製したサンプル1〜4を、窒素環境下において210℃で20分加熱し、有機半導体膜の結晶化を行った。作製した有機半導体の膜厚は約60〜80nm程度であり、サンプル1以外は数μmから数10μmの結晶が得られていることを偏向顕微鏡にて確認した。サンプル1では、結晶化の加熱を行う前に溶媒が残りすぎているため、非常に細かいアモルファス的な膜しかできなかった。また、サンプル4に比べ、サンプル2では、ひとつひとつのグレインサイズが2〜3倍ほど大きくなっていた。
作製した有機半導体膜を窒素雰囲気下で、プローブと半導体パラメータアナライザを用いてトランジスタの電気特性を評価した。図5のグラフは、残留溶媒量を制御して作製したデバイスのキャリア移動度の変化を示す。ここで、トランジスタのチャネル長50μm,チャネル幅100μmのデバイスを評価し、各デバイスのキャリア移動度は、ゲート電圧特性(ドレイン電圧−40V,ゲート電圧−40〜40V)としたときのドレイン電流の電気特性を取得し、飽和領域でのドレイン電流から算出した。
サンプル1では、有機半導体の結晶化が起こらずトランジスタ特性を示さなかったが、トランジスタ特性から算出したキャリア移動度は、残存溶媒量が大きいほど高い値を示し、サンプル2>サンプル3>サンプル4の順に高くなり、サンプル2では、キャリア移動度約1.3cm/Vsと算出された。これは、有機半導体の結晶化させる加熱を行う前に多少溶媒が残っていた方が、有機半導体膜の核発生密度が下がり、一個ずつの結晶が大きく成長することで、デバイス特性であるキャリア移動度が向上したことによるものと推測できる。
この結果から、印刷工法を用いた有機半導体膜の形成では、溶媒乾燥時のプロセス終点を制御することにより、結晶化加熱前の有機半導体膜中の残存溶媒量を制御することができ、これによりデバイスの電気特性を高精度に制御することが可能であり、電気特性のバラツキを抑えることができると判断できる。
また、通常、基板材料として0.7mmのガラス基板を用いたが、PET(ポリエチレンテレフタラート),PEN(ポリエチレンナフレタート)などの平坦性基板であれば、基板の厚さは問わない。
ゲート・ソース・ドレイン電極として、クロムや金材料を使用したが、低抵抗,耐溶剤性を示すものであれば、厚さは問わず、アルミ,銅,チタン,モリブデン,銀,銀系化合物などの金属材料でも同様の効果が得られる。
ゲート絶縁膜としては、シリコン酸化膜,シリコン窒素化膜のほかに、シリコン含有吐布膜やポリイミドをはじめとする有機系絶縁膜があるが、耐電圧1MV/cm以上であって、有機溶媒に対して耐溶媒性がある材料でも同様の効果を得ることができる。
バンク材料は絶縁性,有機溶剤耐性、およびプラズマ,エッチング,ベーク処理などのプロセス耐性よりアクリル系,ポリイミド系,ノボラック型フェノール樹脂などが上げられる。他の材料として、有機半導体膜の膜厚に比べ十分に薄い有機膜、例えば撥液性を示す単分子膜をフォトリソグラフィによりパターニングすることでも、親液領域と撥液領域を得ることが可能である。単分子膜としては、有機硫黄化合物や有機珪素化合物などの自己組織化膜(SAM膜:Self-Assembled Monolayers)が上げられる。SAM膜は金属表面上に有機分子が規則正しく並ぶ単分子膜であり、金属と反応しやすい置換基や酸化物表面と反応しやすい置換基を有する有機分子の溶液に金属を接触させ、不要な部分を現像により除去することで形成される。
有機半導体材料として、本例ではポルフィリン系の材料を使用したが、その他、可溶性ペンタセンやルブレンをはじめとするアセン類材料,フタロシアニン類材料やポリチオフェン系材料など有機溶媒に溶解するものが好適である。
有機溶媒としては、本例では安息香酸エチルを使用したが、トルエン,キシレン,アセトン,アニソール,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキシルベンゼン,メトキシトルエン,フェノキシトルエンなどの単独または混合溶媒が挙げられる。アニソール,キシレン,トルエンといった芳香族系有機溶剤の溶解性が良く好適であるが、インク滴下後の乾燥速度を抑制するため、インクには沸点が150℃以上の溶媒が10%以上含まれていることが望ましく、さらにはインクジェット塗布のためにはインクの粘度は1cPs以上20cPs以下であることが望ましい。また、インクジェット塗布を用いない場合のインク濃度は、10cPs以上100cPs以下であることが望ましい。
有機半導体膜の形成方法として、本例では、インクジェット法を用いて、パターニングを行ったが、凸版,凹版,平版,スクリーン印刷,ブレードなどの版を使用した印刷や、ディスペンサ,インクジェットなどの版を用いない印刷方法でもよい。
反射型赤外吸収分光法を用いて溶媒乾燥プロセスの終点の見極めとして、本例では、有機溶媒である安息香酸エチル内のエステル結合に由来する1720cm−1のピーク強度を、溶質の信号として、ポリフィリンの1150cm−1のピーク強度を参照したが、溶媒と溶質の赤外吸収スペクトルの溶媒に起因するピークと溶質に起因するピークが明らかに違う波数に表れ、お互いのピークが干渉しなければ、本溶媒乾燥プロセスの終点見極めに使用することが可能である。
(実施例2)
以下、本発明の実施形態を有機発光デバイスの作製において実施した実施例2について説明する。
図6は有機発光デバイスの発光特性の評価に使用した基板の構成を示す断面図、図7は陰極形成前の有機発光デバイスの平面図を示す。
図6,図7において、有機発光デバイス(試料)18を構成するガラス基板181上に、陽極191の材料として、銀系金属膜をスパッタ法により厚さ200nm以下堆積させた後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、ウェットエッチングにより陽極材料をパターニングした。銀系金属膜は、少なくとも可視光に対して80%以上の反射性を有し、比抵抗が10−4Ω・cm以下で電極として作用するに十分低抵抗である。その後、陽極191がパターニングされた基板上にバンク182をフォトリソグラフィにより、画素形状にパターニングする。
有機膜である発光層19は、発光特性および寿命を確保するため、厚さが100nmの有機材料からなる。発光層19の形成にはインクジェット法を使用した。
陰極193は厚さ300nm以下で、発光層192上にBa、ITOの順でスパッタし、2層構造にする。発光層19は、少なくとも陽極191と陰極193とで挟まれている。陰極であるBaやITOは、少なくとも可視光に対して80%以上の透過特性を有し、比抵抗が10−4Ω・cm以下であり、電極として作用するに十分低抵抗である。
陰極193は発光層19と同じ寸法か発光層19を完全に覆う形状であり、陽極191と陰極193は短絡しない構成をしている。バンク182には凹部(セル)がパターニング形成されており。凹部にはバンク182の層はなく、陽極192,発光層19が積層されている。凹部(セル)は縦200μm,横70μmであり、凹部(セル)1つにRGBのうち1色のインクを塗布する。本例の実験では、1つの凹部を画素として扱い、1色のインク塗布の場合について説明するが、実際には、RGBの3色のインクを3つの凹部に塗布することにより画素は形成される。図6には示していないが、バンク182と凹部を覆うように陰極193が形成され、断面構造としては図6に示した構造となる。
有機発光デバイスの発光特性(輝度,寿命)のバラツキ低減を行うため、実施例1で示した溶媒乾燥装置およびその乾燥方法を発光層19の形成に実施する。発光層19の塗布には、インクジェット装置を使用し、発光材料としてはフルオレン系材料を使用し、溶媒であるキシレンに質量比0.7%となるように溶かし、インクジェット用インクとした。
上記のように作製した発光特性評価用の基板にインクジェット法を用いて所望の場所に有機半導体材料を含んだインクを吐出した後、真空乾燥装置に導入して、溶媒の乾燥を行った。インクジェットで形成した発光層中の残存溶媒の影響を調べるために、真空乾燥、窒素雰囲気乾燥時間(1〜180分)、試料台11の温度(室温〜80℃)を制御してサンプルを作製した。
溶媒を乾燥させる際、リアルタイムで残存溶媒量をモニタリングした発光層19の膜中の残存溶媒量に関連する信号として、有機溶媒であるキシレンに由来する482cm−1のピーク強度を、溶質の信号として、フルオレン材料に起因する1730cm−1のピーク強度を参照した。本例のような有機発光デバイス構造では、有機膜である発光層の下部に反射陽極として金属膜を有するため、有機膜中の残存溶媒を計測するために照射した赤外線が効率よく反射するので、形成した発光層19中の溶媒や溶質の信号が高感度で計測することができる。
このように、印刷工法を用いた発光層の形成においても、実施例1と同様に溶媒乾燥時のプロセス終点を制御することにより、発光層の有機膜中の残存溶媒量を制御することができ、これによりデバイスの輝度、寿命などの発光特性を高精度に制御することが可能であり、電気特性のバラツキを抑えることができる。
反射型フーリエ赤外吸収分光法を用いて溶媒乾燥プロセスの終点の見極めとして、本例では、有機溶媒であるキシレン内に起因する482cm−1のピーク強度を、溶質の信号として、フルオレン材料の1730cm−1のピーク強度を参照したが、溶媒と溶質の赤外吸収スペクトルの溶媒に起因するピークと溶質に起因するピークが明らかに違う波数に表れ、お互いのピークが干渉しなければ、本溶媒乾燥プロセスの終点見極めに使用することが可能である。
なお、本例では有機層として発光層19を設けたが、層数は本例の層数に限ったものではなく、図示しないが、例えば有機発光デバイスの効率向上,寿命改善のためには、正孔注入層と電子輸送層を設けた構成としてもよいし、さらには正孔注入層,電子注入層などを付加して層数を増加させてもよい。発光層19を形成する高分子発光材料だけでなく、有機系の正孔注入層,電子輸送層を本塗布方法によって形成してもよい。
また、図6において、有機膜用インクの塗布前に、インクを塗布する陽極191上はインクに対して親液性を示す処理を施し、インクを塗布しないバンク182上には撥液性を示す処理を施してもよい。
詳細に説明すると、バンク182をパターン形成する際に、バンク182の上面にフッ素が析出し、凹部にはフッ素が残存しないバンク材料を用いてもよいし、他の方法として、発光層19の厚みに比べ十分に薄い有機膜、例えば撥液性を示す単分子膜をフォトリソグラフィによりパターニングすることでも親液領域と撥液領域を得ることが可能である。単分子膜としては、有機硫黄化合物の自己組織化膜(SAM膜:Self-Assembled Monolayers)などが上げられる。SAM膜は金属表面上に有機分子が規則正しく並ぶ単分子膜であり、金属と反応しやすい置換基あるいは酸化物表面と反応しやすい置換基を有する有機分子の溶液に金属を接触させ、不要な部分を現像により除去することで形成される。
また、基板181の基板材料として、本例では0.7mmのガラス板を用いたが、基板の厚さは問わない。また、同等の光透過性能を持つポリマー、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート),PEN(ポリエチレンナフレタート)などを用いても同様の効果が得られる。
陽極191の材料として厚さ200nmの銀系金属薄膜(APC)を用いたが、同等の光反射性能,低抵抗,耐溶剤性を示すものであれば、厚さは問わず、クロム,アルミなどの金属材料でも同様の効果が得られる。
陰極193の材料として厚さ200nmのITOを用いたが、同等の光透過性能,低抵抗,耐溶剤性を示すものであれば、厚さは問わず、IZO,酸化錫,酸化亜鉛,酸化インジウム,亜鉛アルミニウム複合酸化物などの透明材料でも同様の効果が得られる。なお、低抵抗,光透過性,加工性の点からITOが好適である。
発光層19の厚さは、発光効率,輝度が十分得られるためには、150nm以下である必要があり、有機発光デバイスとして発光効率,輝度が確保できる膜厚を自由に選択することが可能である。
バンク材料は、絶縁性,有機溶剤耐性、およびプラズマ,エッチング,ベーク処理などのプロセス耐性よりアクリル系,ポリイミド系,ノボラック型フェノール樹脂などが用いられる。
発光層材料は、ポリフルオレン系,ポリアリーレン系,ポリアリーレンビニレン系,アルコキシベンゼン,アルキルベンゼンなどの高分子材料が挙げられ、発光層材料を溶解する溶媒としては、トルエン,キシレン,アセトン,アニソール,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキシルベンゼン,メトキシトルエン,フェノキシトルエンなどの単独または混合溶媒が挙げられる。アニソール,キシレン,トルエンといった芳香族系有機溶剤の溶解性が良く好適であるが、インク滴下後の乾燥速度を抑制するため、インクには沸点が150℃以上の溶媒が10%以上含まれていることが望ましく、さらにはインクジェット塗布のためには、インクの粘度は1cPs以上20cPs以下であることが望ましい。
正孔注入層としては、インク塗布により形成するものとしてPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン),ポリアニリン誘導体,ポリチオフェン誘導体など、また蒸着やスパッタなどにより形成するものとして、酸化モリブデン,酸化タングステンなどの酸化物が挙げられる。
インク状の正孔輸送層形成材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、水,トルエン,キシレン,アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン,メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,酢酸エチル,酢酸ブチル,水などの単独またはこれらの混合溶媒を用いてもよく、電子輸送層として1,2,4−トリアゾール誘導体層を設けてもよい。
発光層の形成方法として、本例ではインクジェット法を用いて、パターニングを行ったが、凸版,凹版,平版,スクリーン印刷,ブレードなどの版を使用した印刷や、ディスペンサ,インクジェットなどの版を用いない印刷方法でもよい。
以上説明してきたように、有機半導体作製において、有機半導体を結晶化ベークさせる前の残存溶媒量により生じたデバイスの特性は大きく異なる。本発明の溶媒乾燥装置および溶媒乾燥方法によれば、赤外吸収分光法により、印刷後に形成した膜中の溶媒量をモニタリングすることによって、溶媒乾燥後の膜中の溶媒量を制御することが可能であり、有機薄膜トランジスタなどのデバイス特性を安定化させることができる。また、同様に有機ELディスプレイ作製工程の有機EL層の印刷後の乾燥にも適用可能である。
本実施の形態において用いられる真空乾燥装置の断面図 本実施の形態において用いられる試料の拡大図 実施例1において有機半導体の電気特性評価に使用した基板の概略図 実施例1にて作製したサンプルの一覧を示す図 実施例1において溶媒乾燥時の残存溶媒量を変化させたサンプルにおけるキャリア移動度の変化を示す図 実施例2において有機発光デバイスの発光特性の評価に使用した基板の構成を示す断面図 実施例2における陰極形成前の有機発光デバイスの平面図 従来の溶媒モニタ付き乾燥装置の構成図
符号の説明
10 真空容器
11 試料台
12 窓
13 真空度調整弁
14 真空ポンプ
15 赤外線
16 照射部
17 ディテクタ
18 試料(ゲート電極,有機発光デバイス)
19 有機膜(有機半導体膜,発光層)
20 演算処理部
21 制御部

Claims (10)

  1. 温度制御する機構を有する試料台と、該試料台の上方に設けられ赤外線を透過させる窓を有する真空容器と、真空度を調整しながら容器を真空状態にする真空処理部と、前記赤外線を前記試料台に載置された試料に照射する照射部と、前記赤外線の反射を受けて信号に変換する信号変換部と、前記信号に対して演算処理を行う演算処理部とを備え、
    前記演算処理部は、試料上に形成された膜中の溶媒量を前記赤外線の変化に基づいて計測処理し、該計測結果に基づき溶媒乾燥時間の終点を判断処理することを特徴とする溶媒乾燥装置。
  2. 前記溶媒量の検知結果に基づき、前記試料台の温度制御と前記真空容器内の真空度とを制御し、乾燥速度を所望の値に制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の溶媒乾燥装置。
  3. 前記溶媒乾燥時間の終点と判断したとき、前記試料を次の処理工程に移動させる制御を行う制御部を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の溶媒乾燥装置。
  4. 試料上に印刷により形成された膜中の溶媒を真空乾燥する溶媒乾燥方法であって、
    赤外線を試料台に載置された試料に照射し、該照射後の前記赤外線に対してフーリエ変換赤外吸収分光法を用いて、前記膜中の溶媒量を計測し、該計測結果から溶媒乾燥時間の終点を決定することを特徴とする溶媒乾燥方法。
  5. 前記膜中の溶媒量を計測し、該計測結果から試料台の温度と真空乾燥炉の真空度を制御し、溶媒の乾燥速度を所望の速度に制御することを特徴とする請求項4記載の溶媒乾燥方法。
  6. 前記試料が有機発光デバイス用基板あるいは印刷型トランジスタ作製用基板であることを特徴とする請求項4または5記載の溶媒乾燥方法。
  7. 前記試料が内部に金属薄膜層が形成されているものであることを特徴とする請求項4または5記載の溶媒乾燥方法。
  8. 乾燥させる前記溶媒が有機溶媒であることを特徴とする請求項4または5記載の溶媒乾燥方法。
  9. フーリエ変換赤外吸収分光法を用いて、前記膜中の溶媒と溶質との量を測定し、各測定量のピークの比を演算し、該演算結果に基づき乾燥工程の終点処理を行うことを特徴とする請求項4または5記載の溶媒乾燥方法。
  10. 前記溶媒乾燥の終点と判断されたとき、前記試料を次の処理工程に移動させることを特徴とする請求項4〜9いずれか1項記載の溶媒乾燥方法。
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