JP2009155553A - アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、それを用いた熱硬化性樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、それを用いた熱硬化性樹脂組成物及び硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、難燃性に優れる樹脂であり、また、エポキシ樹脂等と混合、硬化することにより、耐熱性、難燃性に優れた硬化物が得られるアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、それを用いた熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を提供する。
【解決手段】一置換フェノール類とモノアルコキシベンゼン類がメチレン結合を介して交互に繰り返した構造を80モル%以上有するアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、少なくとも前記アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、並びに、その熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物である。
【選択図】なし

Description

本発明はアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、それを用いた熱硬化性樹脂組成物及び硬化物に関し、特に、耐熱性、難燃性に優れる樹脂であり、また、エポキシ樹脂等と混合、硬化することにより、耐熱性、難燃性に優れた硬化物が得られるアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、それを用いた熱硬化性樹脂組成物及び硬化物に関する。
従来から、フェノール樹脂は、耐熱性があり様々な分野に使用されている。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として用い、耐熱性、密着性、電気絶縁性等に優れたプリント基板用樹脂組成物、プリント基板及び樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、電子部品の封止材用樹脂組成物、レジストインキ、導電ペースト(導電性充填剤含有)、塗料、接着剤、複合材料等を提供できることが知られている。
また、近年、フェノール樹脂を、エポキシ樹脂の硬化剤として用いる場合、フェノール樹脂に、さらなる耐熱性、耐湿性、難燃性等の向上が求められている。しかし、フェノール樹脂は一般的に耐熱性を有する樹脂であるが、熱により水酸基及びメチレン基が酸化され、耐熱性が低下してしまうという課題があった。
この課題を解決するために、例えば、特許文献1には、フェノール樹脂をアルコキシベンゼン類で変性し、耐湿性、耐衝撃性を向上する技術が開示されている。しかし、特許文献1に際のフェノール樹脂をエポキシ樹脂硬化剤として使用した場合、樹脂全体の水酸基が著しく減少し、結果として硬化性が劣り、耐熱性、電気特性等が充分ではなかった。
また、特許文献2にも、アルコキシベンゼン類で変性させたフェノール樹脂を用いて、硬化性、難燃性、誘電特性に優れた樹脂を提供することが記載されているが、この樹脂は、フェノール類、アルコキシベンゼン類及びアルデヒド類を同時に仕込む又は、アルコキシベンゼンとアルデヒド類を反応させた後、フェノール類を反応させたアルコキシ変性フェノール樹脂である。しかしながら、フェノール類、アルコキシベンゼン及びアルデヒド類を同時に仕込む方法では、アルコキシベンゼンはフェノール類に比べて反応性がかなり遅いため、樹脂中のアルコキシベンゼンの比率が少なくなり、充分な耐熱性が得られない。一方、アルコキシベンゼン類とアルデヒド類を一旦反応させた後にフェノール類を反応させる方法では、アルコキシベンゼン類の比率は上がるが、フェノール類とアルコキシベンゼン類が交互に結合した構造が少ないために、やはり耐熱性が充分ではなかった。
特開2004−10700号公報 特開2007−23213号公報
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、耐熱性、難燃性に優れる樹脂であり、また、エポキシ樹脂等と混合、硬化することにより、耐熱性、難燃性に優れた硬化物が得られるアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、それを用いた熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、一置換フェノール類とモノアルコキシベンゼン類がメチレン結合を介して交互に繰り返した構造を主体とするアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂と用いることにより、耐熱性、難燃性を発現することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一置換フェノール類とモノアルコキシベンゼン類がメチレン結合を介して交互に繰り返した構造を80モル%以上有するアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂、少なくとも前記アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、並びに、その熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物を提供するものである。
本発明のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂は、耐熱性、難燃性に優れ、エポキシ樹脂等を併用した熱硬化性樹脂組成物を硬化することにより、難燃性、耐熱性に優れる硬化物が得られる。
本発明のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂は、一置換フェノール類とモノアルコキシベンゼン類がメチレン結合を介して交互に繰り返した構造を80モル%以上有し、85モル%以上有すると好ましく、90モル%以上有するとさらに好ましい。
また、本発明のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂の重量平均分子量としては、400〜1200が好ましく、600〜1200がさらに好ましい。
前記一置換フェノール類の置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)、炭素数4〜6のシクロアルキル基(シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数6〜10のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)などが挙げられる。
前記一置換フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール等のo−又はp−に置換基を持つ一置換フェノール類等が挙げられ、これらを単独で、若しくは二種以上を併用して使用することができる。
これらの中でも、クレゾール類、ブチルフェノール類が好ましく、これらのp置換フェノール類がさらに好ましい。
また、本発明で用いる一置換フェノール類ジメチロール体は、例えば、一置換フェノール類1モルに対して、ホルマリン2モルを加え過剰な苛性ソーダ触媒下において、60℃以下で5時間反応して得ることができる。
前記モノアルコキシベンゼン類としては、例えば、アニソール(メトキシベンゼン)、エトキシベンゼン、プロポキシベンゼン、ブトキシベンゼン等が挙げられ、これらを単独で、若しくは二種以上を併用して使用することができる。
これらの中でも、アニソール、エトキシベンゼンが好ましく、特にアニソールが好ましい。
本発明のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂は、一置換フェノール類ジメチロール体とアルコキシベンゼン類を反応させることにより得られる。一置換フェノール類ジメチロール体1モルに対し、モノアルコキシベンゼン類2.0〜6.0モルが縮合反応して得られた樹脂であると好ましい。
反応は無溶剤、もしくは有機溶媒中で、酸触媒の存在下で反応するのが良い。反応温度は70℃から150℃以下、好ましくは80℃から120℃以下で、1時間から10時間程度が良い。反応温度が70℃未満の場合には反応が遅く効率的ではない。また、反応温度が150℃を超えると、反応の制御が困難であり、また副反応が起きることもあり好ましくない。
反応に用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらは単独で、若しくは二種以上を併用して使用できる。
有機溶媒は、一置換フェノール類ジメチロール体100質量部に対して、0から1,000質量部、好ましくは10から100質量部程度、必要に応じて使用することができる。
酸触媒としては、蓚酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸を使用することができ、より好ましくは塩酸、硫酸、p−パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸の強酸を、一置換フェノール類ジメチロール体100質量部に対して、0.1質量部から5質量部を適宜使用することができる。
反応後は、脱水縮合水、及び未反応のアルコキシベンゼン類を除去し、必要に応じて水洗し、残存触媒を除去しさらに加熱減圧して未反応物を除去することができる。得られた樹脂は軟化点を有する固形の樹脂としても得られ、必要により有機溶媒に溶解して樹脂溶液とすることもできる。
本発明のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂は、それだけでも耐熱性、難燃性を有するが、ヘキサメチレンテトラミン、エポキシ樹脂等の他成分と混合して熱硬化性樹脂組成物とし、それを加熱硬化することで、さらに耐熱性、難燃性等に優れた硬化物が得られる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂とエポキシ樹脂とを含むと好ましく、アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂1.0当量に対し、エポキシ樹脂が0.8〜1.2当量であるとさらに好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等の二価のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール変性型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等の三価以上のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、有機リン化合物で変性されたエポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、二種以上を併用して使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、さらに、硬化反応を促進する目的で、硬化促進剤を適宜使用することもできる。硬化促進剤としては、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられ、これらは単独で、若しくは二種以上を併用して使用することができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、改質剤として使用される熱硬化性及び熱可塑性樹脂、顔料、シランカップリング剤、離型剤等の種々の配合剤を目的に応じて添加することができる。
前記充填材としては、特に限定されず公知のものを使用すれば良く、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム等が挙げられる。溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は適用用途や所望特性によって、望ましい範囲が異なるが、例えば半導体封止材用途に使用する場合は、線膨張係数や難燃性を鑑みれば高い方が好ましく、組成物全体量に対して65質量%以上が好ましく、特に好ましくは85質量%以上である。また導電ペーストや導電フィルムなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
改質剤として使用される熱硬化性及び熱可塑性樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用すれば良く、例えば、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で使用できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて配合されるその他の配合剤を均一に混合するため、若しくは作業性を向上させる等の目的や、用途や加熱硬化条件に応じて、粘度調整を行っても良い。この時使用できる溶剤としては、特に限定されないがメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられ、これらを単独で若しくは二種以上を併用して使用しても良い。
以下、実施例によって本発明をさらに記述するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。以下、部及び%は質量基準である。
合成例1(アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂の合成)
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、p−クレゾールジメチロール体100部、アニソール193部を仕込み、内温を50℃にして、p−トルエンスルホン酸1.5部を加え、100℃5時間反応後、200℃で50mmHgの減圧下で未反応アニソールを除去し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量620、軟化点80℃のアニソール変性p−クレゾール樹脂154部を得た。
図1の13C−NMRスペクトルより、δ=29.7ppm(o,o’アニソール−CH2−p−クレゾール),30.5ppm(o,o’p−クレゾール−CH2−p−クレゾール),34.8ppm(o,p p−クレゾール−CH2−アニソール),55.3ppm(−OCH3)のオリゴマーが得られた。得られた樹脂のp−クレゾールとアニソールがメチレン結合を介して交互に繰り返した構造(繰り返し構造)は90モル%であった。
交互に繰り返した構造は、13C−NMRのメチレン結合の積分値より算出した。
{(o,o’アニソール−CH2−p−クレゾール)+(o,p p−クレゾール−CH2−アニソール)}/{(o,o’アニソール−CH2−p−クレゾール)+(o,o’p−クレゾール−CH2−p−クレゾール)+(o,p p−クレゾール−CH2−アニソール)]×100モル%
合成例2(アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂の合成)
合成例1において、アニソールを161部とした以外は同様にして、GPCによる重量平均分子量830、軟化点86℃のアニソール変性p−クレゾール樹脂148部を得た。この樹脂の繰り返し構造は87モル%であった。また、重量平均分子量は830であった。
合成例3(アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂の合成)
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、p−フェニルフェノールジメチロール体100部、アニソール141部を仕込み、内温を50℃にして、p−トルエンスルホン酸1.5部を加え、100℃で5時間反応後、200℃、50mmHgの減圧下で未反応アニソールを除去し、GPCによる重量平均分子量590、軟化点85℃のアニソール変性p−フェニルフェノール樹脂160部を得た。この樹脂の繰り返し構造は92モル%であった。また、重量平均分子量は700であった。
比較合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、p−クレゾール100部、アニソール300部、37%ホルマリン150部を仕込み、内温を50℃にして、p−トルエンスルホン酸1.5部を加え、100℃5時間反応後、200℃、50mmHgの減圧下で未反応アニソールを除去し、GPCによる重量平均分子量640、軟化点83℃のアニソール変性p−クレゾール樹脂240部を得た。
13C−NMRスペクトルよりδ=29.7ppm(o,o’アニソール−CH2−p−クレゾール),30.5ppm(o,o’p−クレゾール−CH2−p−クレゾール),34.8ppm(o,p p−クレゾール−CH2−アニソール),55.3(−OCH3)のオリゴマーが得られた。この樹脂の繰り返し構造は65モル%であった。また、重量平均分子量は1080であった。
比較合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、フェノール100部、アニソールを58部、92%パラホルムアルデヒド27部を仕込み、内温を60℃にして、p−トルエンスルホン酸1.5部を加え、100℃で5時間反応後、200℃、50mmHgの減圧下で未反応アニソールを除去し、GPCによる重量平均分子量2500、軟化点95℃のアニソール変性フェノール樹脂230部を得た。この樹脂の繰り返し構造は25モル%であった。また、重量平均分子量は920であった。
比較合成例3
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、フェノール100部、37%ホルマリン50部、蓚酸0.5部を仕込み、還流温度で5時間反応後、200℃、50mmHgの減圧下で未反応フェノールを除去し、ノボラック樹脂を得た。また、重量平均分子量は800であった。
実施例1〜3及び比較例1〜3(熱硬化性樹脂組成物の調製)
合成例1〜3で得られたアニソール変性樹脂、比較合成例1〜3で得られた樹脂のそれぞれにオルソクレゾール型エポキシ樹脂(エポキシ当量205)をフェノール性水酸基と等量になるように配合し、硬化促進剤のトリフェニルフォスフィンをエポキシ樹脂100部に対して1部添加して120℃にて溶融混合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性樹脂組成物30部と溶融シリカ70部を粉末混合して、金型にて樹脂配合物を170℃で15分、圧力30kg/cm2で加圧成形した。その後、170℃で3.5時間後硬化して、テストピースを作成した。これらを前記の順に対応させて実施例1〜3、比較例1〜3とした。得られたテストピースについて、下記方法で、加熱減量、ガラス転移点、熱膨張係数、難燃性の測定結果を表1に示す。
(1)加熱減量
合成例1〜3、比較合成例1〜3得られた樹脂単独の400℃加熱減量を測定した。昇温速度:10℃/分。
(2)耐熱性と熱膨張係数の評価
実施例1〜3、比較例1〜3得られたテストピースを用いて、耐熱性の評価としてTMA法にてガラス転移温度及び線膨張係数を測定した。昇温速度:10℃/分。
(3)難燃性の評価
実施例1〜3、比較例1〜3得られた耐熱性評価で得られたテストピースを用いて、難燃性評価を行った。試験方法はUL規格に準じたJIS K6911B法で難燃性を測定した。
テストピース:130×13×2mm
試験方法:メタンガスボンベを用いて、バーナーの炎の高さを19mmの青色炎に調節し、クランプで長さ方向を鉛直に保持した試験片の下端中央部に10秒間接炎する。(バーナーと試験片下端は、9.5mm間隔をとる。)接炎後、バーナーを試験片から離し、フレーミング時間を測定する。フレーミングが止まったら直ちに炎を再度、試験片の同じ箇所に10秒間当てた後、離し、フレーミング時間を測定する。
(1)炎を取り去った後のフレーミング時間:10秒以内がV−0級、30秒以内がV−1級、焼失したものを自焼性とした。
(2)5個1組の試験片に計10回接炎した後のフレーミング時間の合計:50秒以内がV−0級、250秒以内がV−1級、焼失したものを自焼性とした。
Figure 2009155553
本発明により得られたアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂はフェノール類とアルコキシベンゼン類が交互に結合された構造を主体とすることにより耐熱性、難燃性に優れ、この樹脂単独もしくはエポキシ樹脂等とを併用した熱硬化性樹脂組成物は、難燃性、耐熱性に優れる硬化物が得られ、プリント基板用樹脂組成物、プリント基板及び樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、電子部品の封止材用樹脂組成物、レジストインキ、導電ペースト、塗料、接着剤、複合材料等に好適に用いることができる。
合成例1におけるアニソール変性p−クレゾール樹脂の13C−NMRスペクトルを示す図である。

Claims (7)

  1. 一置換フェノール類とモノアルコキシベンゼン類がメチレン結合を介して交互に繰り返した構造を80モル%以上有するアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂。
  2. 一置換フェノール類ジメチロール体とモノアルコキシベンゼン類とが反応して得られた樹脂である請求項1に記載のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂。
  3. 少なくとも請求項1又は2に記載のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1又は2に記載のアルコキシベンゼン変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を含む請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. アルコキシベンゼン変性フェノール樹脂1.0当量に対し、エポキシ樹脂が0.8〜1.2当量である請求項4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 充填剤を含む請求項3〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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