JP5635258B2 - 変性ノボラック樹脂および前記変性ノボラック樹脂を配合した熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として用いた場合、耐熱性、密着性および電気絶縁性などに優れ、プリント基板用樹脂組成物やプリント基板および樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、電子部品の封止材用樹脂組成物、レジストインキ、導電ペースト(導電性充填剤含有)、塗料、接着剤、複合材料などに用いられている。
更に、近年の技術革新に伴い、エポキシ樹脂組成物において、硬化剤として用いられるフェノール樹脂にも耐湿性、耐熱性、および難燃性などの向上が求められている。
フェノールは一般的に耐熱性を有する樹脂であるが、樹脂中の水酸基およびメチレン基は酸化の影響を受けやすいため、この点を改良することで更なる耐熱性の向上が期待できる。
そのため、芳香族アルデヒド類の使用や、アルコキシベンゼン類とフェノール類の共縮合などによる樹脂の耐熱性向上が検討されてきた(特許文献1および2を参照)。
こうして得られる樹脂は成型品のTg向上には有効であるが、溶融粘度が高く、成型の際の流動性が悪くなることから、例えば半導体封止材用など、樹脂の流動性が必要な用途には不向きであった。
更に、樹脂組成物の水酸基濃度が高くなるため、成型物の耐湿性が低下するといった問題があった。
一方、特許文献2には、特許文献1記載のフェノール類と芳香族アルデヒドの縮合により得られた変性ノボラック樹脂の溶融粘度を下げるため、架橋基としてメチレン基を一部導入する発明が記載されている。
こうして得られた樹脂は、溶融粘度は低くなるために流動性は改善されるものの、水酸基濃度は依然として高いため、成型品の耐湿性に課題が残った。
即ち、本発明は以下の構成からなる。
2.前記式(I)で表される化合物が、アニソール、パラキシリレングリコールジメチルエーテルおよびジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種である上記1に記載の変性ノボラック樹脂、
3.前記式(II)で表される化合物が、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ビスフェノールAおよびキシレノールから選ばれる少なくとも1種である上記1または2に記載の変性ノボラック樹脂、
4.前記式(III’)で表される化合物が、3−ヒドロキシベンズアルデヒドおよび3,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種であり、前記式(III’’)で表される化合物が、4−ヒドロキシベンズアルデヒドおよび3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種である上記1〜3のいずれかに記載の変性ノボラック樹脂、
5.下式(IV')で表される繰返し単位および/または下式(IV'')で表される繰返し単位と下式(V)で表される繰返し単位とを含む変性ノボラック樹脂、
6.エポキシ樹脂の硬化剤として、上記1〜5のいずれかに記載の変性ノボラック樹脂を配合した熱硬化性樹脂組成物、
7.前記変性ノボラック樹脂1.0当量に対し、前記エポキシ樹脂が0.8〜1.2当量配合した上記6に記載の熱硬化性樹脂組成物、
8.更に、充填剤を含む上記6または7に記載の熱硬化性樹脂組成物
本発明は、上記式(I)で表される化合物由来の繰返し単位と、必要により、上記式(II)で表される化合物由来の繰返し単位とを、ホルムアルデヒド類および上記式(III’)で表されるメタヒドロキシベンズアルデヒド類および/または上記式(III’’)で表されるパラヒドロキシベンズアルデヒド類によって架橋してなる変性ノボラック樹脂である。
式(I)中、Aは−OR1またはR2を示し、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、R2は炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を示す。
このうち、炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。
炭素数2〜10のアルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デセニル基などを挙げることができる。
炭素数2〜10のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、デセノイル基などを挙げることができる。
炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。
炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基などを挙げることができる。
炭素数1〜10のアルコキシル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などを挙げることができる。
また、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基は、メトキシメチル基、エトキシ基メチル、プロポキシエチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシプロピル基、イソブトキシブチル基、ヘキシルオキシブチル基、ヘプチルオキシエチル基、オクチルオキシエチル基、ノニルオキシメチル基などを挙げることができる。
ベンゼン環上の置換基R3の数を示すjは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1の整数である。
jが2または3の場合には、R3は同一であっても異なっていてもよい。
このような式(I)で表される族化合物としては、具体的には、アニソール、パラキシリレングリコールジメチルエーテルおよびジフェニルエーテルなどが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
上記式(I)で表される化合物は、式(I)で表される化合物由来の繰返し単位が、重合後の変性ノボラック樹脂全体の5〜70モル%となるように添加する。
このうち、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアルコキシル基は、それぞれ、上記同様である。
フェノールのベンゼン環と一緒になっての縮合環としては、ナフタレンなどが挙げられる。
また、炭素数7〜10のヒドロキシアルアルキル基としては、ビスフェノールAなどが挙げられる。
ベンゼン環上の置換基R4の数を示すkは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1の整数である。
kが2または3の場合には、R4は同一であっても、異なっていてもよい。
このような式(II)で表される化合物としては、具体的には、フェノール、各種クレゾール、各種エチルフェノール、各種キシレノール、各種ブチルフェノール、各種オクチルフェノール、各種ノニルフェノール、各種フェニルフェノール、各種シクロヘキシルフェノール、各種トリメチルフェノール、各種レゾルシノール、各種ナフトール、ビスフェノールA、カテコール、各種メトキシフェノール、各種エトキシフェノール、各種アリルフェノールなどが挙げられ、これらを単独若しくは2種以上混合して使用することができる。
上記式(II)で表される化合物は、式(II)で表される化合物由来の繰返し単位が、重合後の変性ノボラック樹脂全体の0〜70モル%となるように添加する。
式(I)と式(II)で表される化合物由来の繰返し単位の含有量を上記のように制御することにより、流動性、耐熱性各種、および耐湿性に優れた変性ノボラック樹脂を得ることが出来る。
ここで、式(III’)および式(III’’)中、R5は水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシル基を示す。
このうち、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアルコキシル基は、それぞれ、上記と同様である。
ベンゼン環上の置換基R5の数を示すlは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1である。
lが2または3の場合には、R5は同一であっても、異なっていてもよい。
上記ホルムアルデヒド類の具体例としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
また、式(III’)で表される化合物の具体例としては、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドなどが挙げられ、式(III’’)で表される化合物の具体例としては、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。
上記ホルムアルデヒド類、メタヒドロキシベンズアルデヒド類およびパラヒドロキシベンズアルデヒド類は、それぞれから単独若しくは2種以上を混合して使用することができる。
ホルムアルデヒド類を使用することにより、メチレン基が形成され、また、メタヒドロキシベンズアルデヒド類および/またはパラヒドロキシベンズアルデヒド類を使用することにより、メタヒドロキシフェニルメチレン基、パラヒドロキシフェニルメチレン基またはこれらの混合基が形成される。
メタまたはパラヒドロキシフェニルメチレン基またはこれらの混合基は、オルソヒドロキシフェニルメチレン基と比較して、エポキシ基との反応性に優れることから、得られる硬化物の耐熱性が高いという利点を有する。
上記アルデヒド類の使用量は、式(I)と式(II)で表される化合物の合計量1モルに対して、0.3〜1.5モル、好ましくは0.4〜1.2モルの割合で用いるのがよい。
アルデヒド類の使用量を前記範囲とすることにより、得られる変性ノボラック樹脂の収率が良好で、かつ、反応に関与しないアルデヒド類の割合が少なくなるので経済的に好ましい。
これらの中で、特にホウ酸と他の強酸との併用が好ましい。
触媒の配合量は、式(I)と式(II)で表される化合物の合計量100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10重量部の割合で用いるのがよい。
反応時間も特に制限はなく、アルデヒド類および触媒の量、反応温度により調整すればよい。
反応の際、有機溶剤を使用することももちろん可能である。
反応に用いる有機溶媒としてはプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、1,4−ジオキサンなどのエーテル類などが単独で若しくは二種以上を併用して使用でき、式(I)と式(II)で表される化合物の合計100重量部に対して、0から1,000重量部、好ましくは10から100重量部程度を、必要に応じて使用することができる。
反応後は、蒸留により縮合水を除去したり、また必要に応じて水洗して残存触媒を除去してもよい。
更に、減圧蒸留或いは水蒸気蒸留を行って未反応芳香族化合物や未反応アルデヒド類を除去してもよい。
ここで、式(IV’)および/または式(IV’’)中のBは、Aまたは水酸基を示す。
R6は水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基または炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を示す。
nは1〜10の整数を示し、rは、A=B、R3=R6およびj=mのとき、0を示し、前記以外のとき、1を示す。
一方、式(V)中のSは、A=B、R3=R6およびj=mのとき、0を示し、前記以外のとき、1を示す。
qは、1〜10の整数を示す。
このように、本発明は、式(I)で表される族化合物と、ホルムアルデヒド類および式(III’)で表されるメタヒドロキシベンズアルデヒド類および/または式(III’’)で表されるパラヒドロキシベンズアルデヒド類を必須成分とし、かつ、式(II)で表される化合物を任意成分として重合して得られる変性ノボラック樹脂である。
ここで、用いられるエポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく、公知のエポキシ樹脂を使用できる。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂などの二価のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール変性型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂などの三価以上のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、有機リン化合物で変性されたエポキシ樹脂などが挙げられる。
また、これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
この場合の変性ノボラック樹脂とエポキシ樹脂の混合割合は、変性ノボラック樹脂1.0当量に対し、エポキシ樹脂を0.8〜1.2当量、好ましくは0.9〜1.2当量の範囲とする。
そのような硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール、リン系化合物、第2、3級アミン、オクチル酸スズなどの有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩などが挙げられ、これらは単独で若しくは二種以上を併用して使用することができる。
上記のうち、イミダゾール系化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4、5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2、4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリンなどが挙げられる。
これらイミダゾール系化合物は、マスク剤によりマスクされていてもよい。
マスク化剤としては、アクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジンイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレートなどが挙げられる。
有機リン系化合物としては、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
第2級アミン系化合物としては、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−アルキルアリールアミン、ピペラジン、ジアリルアミン、チアゾリン、チオモルホリンなどが挙げられる。
第3級アミン系化合物としては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。
このうち、充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機充填材が挙げられる。
溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。
更に、球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。
その配合率は適用用途や所望特性によって、望ましい範囲が異なるが、例えば半導体封止材用途に使用する場合は、線膨張係数や難燃性を鑑みれば高い方が好ましく、組成物全体量に対して65重量%以上が好ましく、特に好ましくは85〜90重量%程度である。
また、導電ペーストや導電フィルムなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉などの導電性充填剤を用いることができる。
シランカップリング剤としては、アミノシラン系化合物、ビニルシラン系化合物、スチレン系シラン化合物、メタクリルシラン系化合物などのシランカップリング剤を挙げることができる。
また、離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、およびカルナバワックスなどを挙げることができる。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、アニソール30g、パラヒドロキシベンズアルデヒド13g、ホウ酸1gおよびパラトルエンスルホン酸1gを仕込み、100℃で8時間反応させた。
次いで、オルソクレゾール70g、パラホルムアルデヒド4gを仕込み、120℃で2時間反応させた。
次いで、純水100gで数回洗浄を行い触媒を除去した。
次いで、180℃、50mmHgの減圧下で溜出分を除去し、ノボラック樹脂A79gを得た。
ノボラック樹脂Aの1NMRチャートを図1に示す。
ここで得られた樹脂の分析方法について説明する。
(1)軟化点(℃)
エレックス科学製気相軟化点測定装置EX−719PDを用いて昇温速度2.5℃/分で測定した。
(2)溶融粘度(mPa・s)
リサーチ・イクウィップ社製ICI粘度計を用い、150℃で測定した。
パラヒドロキシベンズアルデヒドの代わりにメタヒドロキシベンズアルデヒドを使用した以外は実施例1と同様に反応を行い、ノボラック樹脂B91gを得た。
触媒としてホウ酸およびパラトルエンスルホン酸の代わりに硫酸2gを使用した以外は実施例1と同様に反応を行い、ノボラック樹脂C83gを得た。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、オルソクレゾール100g、パラヒドロキシベンズアルデヒド45g、ホウ酸1gおよびパラトルエンスルホン酸1gを仕込み、100℃で8時間反応させた。
次いで、純水100gで数回洗浄を行い触媒を除去した。
次いで、180℃、50mmHgの減圧下で溜出分を除去し、ノボラック樹脂D92gを得た。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、オルソクレゾール100g、パラヒドロキシベンズアルデヒド13g、ホウ酸1gおよびパラトルエンスルホン酸1gを仕込み、100℃で8時間反応させた。
次いで、パラホルムアルデヒド4gを仕込み、120℃で2時間反応させた。
次いで、純水100gで数回洗浄を行い触媒を除去した。
次いで、180℃、50mmHgの減圧下で溜出分を除去し、ノボラック樹脂E95gを得た。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、オルソクレゾール100g、37%ホルマリン50g、シュウ酸1gを仕込み、還流温度で5時間反応後、180℃、50mmHgの減圧下で未反応フェノールを除去し、ノボラック樹脂F70gを得た。
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた変性ノボラック樹脂の分析値を表1に示す。
得られた樹脂組成物のガラス転移温度、線膨張係数および吸水率を次の方法により評価した。
評価結果を表2に示す。
(3)ガラス転移温度(℃)と線膨張係数(ppm)
SII社製SSC/5200を使用してTMA法にてガラス転移温度および線膨張係数を測定した。
昇温速度は10℃/分で行った。
(4)吸水率(質量%)
楠本化成社製プレッシャークッカーを使用して、121℃で20時間保持した後の質量増加率を測定した。
以上、本発明により、耐湿性および耐熱性が良好で溶融粘度の低い変性ノボラック樹脂、および熱硬化性樹脂組成物を提供することが可能になった。
このため、具体的には電子部品の封止材用樹脂組成物、プリント基板用樹脂組成物、プリント基板および樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、導電ペースト(導電性充填剤含有)、塗料、接着剤および複合材料などに好適に用いることができる。
Claims (8)
- 下式(I)で表される化合物由来の繰返し単位と、下式(II)で表される化合物由来の繰返し単位とを、ホルムアルデヒド類および下式(III’)で表されるメタヒドロキシベンズアルデヒド類および/または下式(III’’)で表されるパラヒドロキシベンズアルデヒド類によって架橋してなる変性ノボラック樹脂であって、下式(I)で表される化合物由来の繰返し単位が前記変性ノボラック樹脂全体の5〜70モル%、下式(II)で表される化合物由来の繰返し単位が前記変性ノボラック樹脂全体の0〜70モル%、およびホルムアルデヒド類ならびに下式(III’)で表されるメタヒドロキシベンズアルデヒド類および/または下式(III’’)で表されるパラヒドロキシベンズアルデヒド類が前記変性ノボラック樹脂全体の30〜50モル%である変性ノボラック樹脂。
- 前記式(I)で表される化合物が、アニソール、パラキシリレングリコールジメチルエーテルおよびジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の変性ノボラック樹脂。
- 前記式(II)で表される化合物が、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ビスフェノールAおよびキシレノールから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の変性ノボラック樹脂。
- 前記式(III’)で表される化合物が、3−ヒドロキシベンズアルデヒドおよび3,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種であり、前記式(III’’)で表される化合物が、4−ヒドロキシベンズアルデヒドおよび3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の変性ノボラック樹脂。
- 下式(IV')で表される繰返し単位および/または下式(IV'')で表される繰返し単位と下式(V)で表される繰返し単位とを含む請求項1〜4のいずれかに記載の変性ノボラック樹脂。
- エポキシ樹脂の硬化剤として、請求項1〜5のいずれかに記載の変性ノボラック樹脂を配合した熱硬化性樹脂組成物。
- 前記変性ノボラック樹脂1.0当量に対し、前記エポキシ樹脂が0.8〜1.2当量配合した請求項6に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 更に、充填剤を含む請求項6または7に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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