JP6519917B2 - エポキシ樹脂および熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
具体的には、半導体装置などの電子部品の封止材用樹脂組成物、プリント基板用樹脂組成物、プリント基板及び樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、導電性充填剤を含有する導電ペースト、塗料、接着剤及び複合材料などに用いられている。
また、特許文献2に記載のエポキシ樹脂組成物も、密着性には優れているものの、難燃性が不十分であった。
[1]環状尿素化合物のジメチロール体とフェノール類とを反応させて得られる尿素含有フェノール樹脂を、エポキシ化してなるエポキシ樹脂。
[2]前記環状尿素化合物のジメチロール体が、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールヒダントインから選ばれる1種以上である[1]に記載のエポキシ樹脂。
[3]前記尿素含有フェノール樹脂が、環状尿素化合物と前記フェノール類とがメチレン結合を介して交互に繰り返した構造である[1]または[2]に記載のエポキシ樹脂。
[9]前記硬化剤が、フェノール樹脂である[8]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[10]さらに充填剤を含む[8]または[9]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂を含むものであるため、これを硬化させることにより密着性および難燃性に優れる硬化物が得られる。
「エポキシ樹脂」
本実施形態のエポキシ樹脂は、尿素含有フェノール樹脂をエポキシ化してなる。エポキシ樹脂の原料として使用する尿素含有フェノール樹脂は、環状尿素化合物のジメチロール体とフェノール類とを反応させて得られる。
環状尿素化合物とは、尿素の有する二つの窒素原子が、アルキレン基で環状に結合している化合物である。環状尿素化合物のジメチロール体とは、2つのN原子にそれぞれ結合している水素原子が−CH2OHで置換されたものをいう。
環状尿素化合物のジメチロール体としては、特に限定されないが、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールヒダントイン、ジメチロールシアヌル酸、及びジメチロールビオルル酸などが挙げられる。これらの中でも、特に、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールヒダントインは、水および有機溶剤への溶解性が高いため、好ましい。尿素含有フェノール樹脂の原料として使用する環状尿素化合物のジメチロール体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ホルムアルデヒド系化合物としては、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン(メタホルムアルデヒド)などを使用できる。これらの中でも、特に、反応性および作業性に優れる観点から、ホルマリンを用いることが好ましい。
ホルムアルデヒド系化合物は、環状尿素化合物1.0モルに対して、2.0〜2.1モルの割合で使用することが好ましい。
環状尿素化合物のジメチロール体を生成させる反応に用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
環状尿素化合物のジメチロール体を生成させる反応に用いる水もしくは有機溶媒は、環状尿素化合物100質量部に対して、0〜1,000質量部、好ましくは10〜100質量部、必要に応じて使用できる。
本実施形態のエポキシ樹脂が、半導体装置の封止材など電気絶縁性を要する用途に用いられるものである場合などには、環状尿素化合物のジメチロール体を生成させる反応の終了後に、例えば、酸を用いて中和して水で洗浄する方法などにより、塩基性触媒を除去することが好ましい。
環状尿素化合物のジメチロール体を生成させる反応は、1時間〜10時間程度行うことが好ましい。
尿素含有フェノール樹脂の原料として使用するフェノール類は、一般的なフェノール樹脂の原料として使用されるものを用いることができる。具体的には、フェノール類として、フェノール、各種クレゾール、各種エチルフェノール、各種キシレノール、各種ブチルフェノール、各種オクチルフェノール、各種ノニルフェノール、各種フェニルフェノール、各種シクロヘキシルフェノール、各種ナフトール、各種ナフタレンジオール、カテコール、レゾシノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1’−ビス(ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(ジヒドロキシナフチル)メタン、テトラメチルビフェノール、ビフェノール、ヘキサメチルビフェノールなどが挙げられる。これらのフェノール類の中でも特に、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、ナフトール類、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6−キシレノール、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンを用いることが好ましい。尿素含有フェノール樹脂の原料として使用するフェノール類は、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用して使用してもよい。
尿素含有フェノール樹脂は、上述した環状尿素化合物のジメチロール体とフェノール類とを縮合反応させることにより得られる。
尿素含有フェノール樹脂は、上記の環状尿素化合物とフェノール類とがメチレン結合を介して交互に繰り返した構造(交互共重合体)であることが好ましい。このような構造を有する尿素含有フェノール樹脂は、これをエポキシ化してなるエポキシ樹脂において、環状尿素化合物由来の極性基による密着性、難燃性を効率良く付与できる。したがって、このような尿素含有フェノール樹脂をエポキシ化することで、より一層密着性および難燃性の優れる硬化物が得られるエポキシ樹脂となる。
上記一般式(1)中、Xは、CH2−CH2、CH2−CH2−CH2、CH2−COH、CO−NH−CO、CO−N(OH)−COから選ばれるいずれか1種である。これらの中でも特にXが、CH2−CH2、CH2−CH2−CH2、CH2−COHから選ばれるいずれか1種であることが好ましい。
上記一般式(1)中、nは1〜10である。nが上記範囲であると、エポキシ化を行う際に使用するエピハロヒドリンに対する溶解性に優れるため好ましい。
尿素含有フェノール樹脂は、溶剤溶解性を維持するために、数平均分子量300〜700程度の低分子量であることが好ましい。
尿素含有フェノール樹脂を生成させる反応に使用される有機溶媒としては、例えば、環状尿素化合物のジメチロール体を生成させる反応に使用できる上述した有機溶媒が挙げられる。
酸触媒の使用量は、環状尿素化合物のジメチロール体100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜8質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部とすることができる。
尿素含有フェノール樹脂を生成させる反応は、1時間〜10時間程度行うことが好ましい。
生成した尿素含有フェノール樹脂は、軟化点を有する固形の樹脂としても得られ、必要により有機溶媒に溶解して樹脂溶液とすることもできる。
本実施形態のエポキシ樹脂は、上述した尿素含有フェノール樹脂をエポキシ化してなるものである。
本実施形態のエポキシ樹脂は、上記一般式(2)で示されるエポキシ樹脂であることが好ましい。一般式(2)中のXおよびnは、一般式(1)中のXおよびnと同じである。
エポキシ化に用いるエピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。エピハロヒドリンは、尿素含有フェノール樹脂の水酸基に対して、当モル以上、好ましくは3倍モル以上の割合で用いることが好ましい。このことにより、エポキシ当量が200〜300であるエポキシ樹脂が容易に得られる。
塩基性触媒の使用量は、尿素含有フェノール樹脂の水酸基に対して当モル以上であることが好ましい。
尿素含有フェノール樹脂のエポキシ化を行う際の反応温度は、25〜100℃であることが好ましい。また、反応時間は特に制限はなく、尿素含有フェノール樹脂、エピハロヒドリンおよび塩基性触媒の量や、反応温度に応じて適宜調整すればよい。
エポキシ化を行った後は、未反応のエピハロヒドリンを蒸留によって除去し、さらに反応生成物の水洗を数回行って、副生した塩を除去しても良い。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の硬化剤とを含む。
本実施形態においては、熱硬化性樹脂組成物の性能に悪影響を及ぼさない範囲で、上記のエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂(以下、「他のエポキシ樹脂」と略すことがある。)を併用しても良い。
エポキシ樹脂の硬化剤として用いるフェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、カシューノボラック樹脂などが挙げられる。
充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機充填剤を用いることが好ましい。無機充填剤を含む熱硬化性樹脂組成物とすることで、硬化物の耐熱性を向上させることができ、好ましい。
例えば、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物が、半導体装置の封止材に用いられるものである場合には、充填剤の含有量が多い程、封止材と半導体装置との界面における線膨張係数の差が小さいものとなるとともに、優れた難燃性が得られるため好ましい。具体的には、半導体装置の封止材に用いられる熱硬化性樹脂組成物である場合、充填剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全体の質量に対して、65質量%以上が好ましく、特に好ましくは80〜90質量%である。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第2級アミン系化合物、第3級アミン系化合物、オクチル酸スズなどの有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩などが挙げられる。硬化促進剤は、一種のみ単独で用いてもよいし、二種以上を併用して使用してもよい。
マスク化剤としては、アクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジンイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレートなどが挙げられる。
硬化促進剤として用いる第3級アミン系化合物としては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物の改質剤としては、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂が挙げられる。改質剤として用いる熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂としては、公知の熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂の全てが使用できる。具体的には、熱硬化性樹脂組成物の改質剤として、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを、本発明の効果を損なわない範囲で使用できる。
離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、およびカルナバワックスなどが挙げられる。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、エチレン尿素100部と25%水酸化ナトリウム水溶液8部とを仕込み、内温を50℃にして、37%ホルマリン水溶液188部を1時間かけて滴下した。その後、50℃で2時間反応させ、未反応のエチレン尿素の消失をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて確認した。
その後、反応溶液に燐酸6部を添加して中和し、反応生成物として302部のジメチロールエチレン尿素溶液を得た。反応生成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果を図1に示す。
得られた尿素含有フェノール樹脂Aの1H−NMRスペクトル(核磁気共鳴スペクトル)を測定した。その結果を図2に示す。図2より、尿素含有フェノール樹脂Aは、エチレン尿素とフェノール類とがメチレン結合を介して交互に繰り返した構造(交互共重合体)であることが確認できた。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、プロピレン尿素100部と25%水酸化ナトリウム水溶液8部とを仕込み、内温を50℃にして、37%ホルマリン水溶液162部を1時間かけて滴下した。その後、50℃で3時間反応させた。その後、反応溶液に燐酸6部を添加して中和し、反応生成物として276部のジメチロールプロピレン尿素溶液を得た。
次に、ジメチロールプロピレン尿素を含む反応溶液に、フェノール282部とシュウ酸2部とを仕込み、還流温度で5時間反応後、200℃、6.7kPaの減圧下で縮合水と未反応フェノールを除去し、ノボラック型の尿素含有フェノール樹脂Bを300部得た。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、ヒダントイン100部と25%水酸化ナトリウム水溶液8部とを仕込み、内温を50℃にして、37%ホルマリン水溶液162部を1時間かけて滴下した。その後、50℃で3時間反応させた。その後、反応溶液に燐酸6部を添加して中和し、反応生成物として276部のジメチロールヒダントイン溶液を得た。
次に、ジメチロールヒダントインを含む反応溶液に、フェノール282部とシュウ酸2部とを仕込み、還流温度で5時間反応後、200℃、6.7kPaの減圧下で縮合水と未反応フェノールを除去し、ノボラック型の尿素含有フェノール樹脂Cを255部得た。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、合成例1で合成した尿素含有フェノール樹脂Aを100g、エピクロロヒドリンを400g、塩化テトラメチルアンモニウムを0.1g仕込み、内温を60℃で1時間保持した後、同一温度で48%水酸化カリウム水溶液100gを3時間かけて滴下した。その際、反応系内を60℃で還流するように13.3kPaの減圧とし、溜出するエピクロロヒドリンと水の混合物のうち、水を反応系外に除去し、エピクロロヒドリンを反応系内に戻しながら反応を行った。
得られたエポキシ樹脂Aの1H−NMRスペクトルを測定した。その結果を図3に示す。図3より、エポキシ樹脂Aは、エチレン尿素のジメチロール体とフェノール類とを反応させて得られる尿素含有フェノール樹脂を、エポキシ化してなる構造であることが確認できた。
尿素含有フェノール樹脂として、合成例2で合成した尿素含有フェノール樹脂Bを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ当量228、150℃溶融粘度88mPa・sのエポキシ樹脂Bを得た。
尿素含有フェノール樹脂として、合成例3で合成した尿素含有フェノール樹脂Cを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ当量230、150℃溶融粘度166mPa・sのエポキシ樹脂Cを得た。
尿素含有フェノール樹脂に代えて、ショウノールBRG−553(フェノールノボラック樹脂)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ当量175、150℃粘度23mPa・sの液状エポキシ樹脂Dを得た。
尿素含有フェノール樹脂に代えて、ショウノールCRG−951(オルソクレゾールノボラック樹脂)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ当量205、150℃溶融粘度480mPa・sのエポキシ樹脂Eを得た。
(1)エポキシ当量
JIS K 7236に準拠
(2)溶融粘度(mPa・s)
リサーチ・イクウィップ社製のICI粘度計を用いて、エポキシ樹脂の150℃における溶融粘度を測定した。
使用したコーンプレート:24φ、0−5用
エポキシ樹脂に対して、表1に示す水酸基当量/エポキシ基当量でフェノール樹脂を混合し、表1に示す割合でトリフェニルホスフィン(硬化促進剤)を添加して、樹脂成分を得た。次に、上記樹脂成分に、熱硬化性樹脂組成物中の含有率が80質量%となるように、溶融シリカ(無機充填剤)を混合し、二本ロール(西村マシナリー社製、NS−155(S)型)にて100℃で5分間混練し、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
実施例4〜9および比較例3、4の熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ金型に入れて、温度150℃、圧力30kg/cm2の条件で、30分間加圧成形した。その後、180℃で5時間加熱して、熱硬化性樹脂組成物を硬化し、硬化物のテストピースを作製した。
得られたテストピースについて、ガラス転移温度、曲げ強度、難燃性を、次の方法により評価した。
SII社製のSSC/5200(商品名)を使用して、TMA法(Thermo Mechanical Analysis法)によりガラス転移温度を測定した。昇温速度は10℃/分とした。
JIS K−6911に準拠した方法で測定した。テストピースの形状は、長さ90mm×高さ4mm×幅10mmとし、支点間距離64mmで測定した。
下記形状のテストピースを用いて、難燃性評価を行った。試験はUL規格(Underwriters Laboratories;アメリカ保険業者安全試験所)に準じたJIS K6911B法で行った。
テストピースの形状:長さ130mm×幅13mm×高さ2mm
試験回数:n=5
試験方法:メタンガスボンベを用いて、バーナーの炎の高さを19mmの青色炎に調節し、クランプで長さ方向を鉛直に保持したテストピースの下端中央部に、10秒間接炎した(バーナーとテストピースの下端との間の間隔を9.5mmとした)。接炎後、バーナーをテストピースから離し、フレーミング時間を測定した。フレーミングが止まったら直ちに炎を再度、テストピースの同じ箇所に当てて、10秒後に離し、フレーミング時間を測定した。
二つの観点で評価した結果のうち劣る方の結果を、難燃性の評価結果として表記した。例えば、評価1において、計10回のフレーミング時間のそれぞれが全て10秒以内「V−0級」であり、かつ、評価2において、計10回のフレーミング時間の合計が50秒以内「V−0級」であったとき、表1に「V−0」と示した。また、評価1と評価2の少なくとも一方の結果が「自消性」であったものは、表1に「自消性」と示した。
なお、テストピースの難燃性は、各テストピースで2回接炎し、これを5個のテストピースに対してそれぞれ行った(試験回数n=5)。
・フレーミング時間が全て10秒以内:V−0級
・フレーミング時間(全10回分の各々)が10秒を超え、30秒以内のものがある:V−1級
・フレーミング時間(全10回分の各々)が30秒超えのものがある:自消性
(評価2)
・計10回分のフレーミング時間合計が50秒以内:V−0級
・計10回分のフレーミング時間合計が50秒を超え、250秒以内:V−1級
・計10回分のフレーミング時間合計が250秒を超える:自消性
表1に示すように、本発明のエポキシ樹脂を含む実施例4〜9の熱硬化性樹脂組成物は、全て難燃性の結果が「V−0」であり、高い難燃性を有する硬化物が得られることが確認できた。また、実施例4〜9の硬化物は、充填剤の使用量が同等であって、尿素含有フェノール樹脂のエポキシ化物に代えて尿素を含まないフェノール樹脂のエポキシ化物を用いた比較例3、4の熱硬化性樹脂組成物の硬化物と比較して、高い難燃性を有するものであった。
また、エポキシ樹脂Aを含む表1に示す実施例4、7〜9の結果から、水酸基当量/エポキシ基当量が低い(エポキシ基が多い)熱硬化性樹脂組成物の硬化物であるほど、硬化物の曲げ強度が高くなることが分かった。
(6)密着性
縦10mm×横26mm×高さ8mmの銅製のブロックの上面に、熱硬化性樹脂組成物0.5gを縦10mm×横14mmの面積で塗布した。このブロックの未塗布部が露出し、塗布部が覆われるように、同じ寸法の銅製のブロックを重ね、温度180℃、圧力30kg/cm2で60分間加圧して熱硬化性樹脂組成物を硬化し、銅製の試験片を得た。
銅製のブロックと同じ形状を有する銀製のブロックとニッケル製のブロックとを用意し、銅製の試験片と同様にして、銀製の試験片とニッケル製の試験片を得た。
Claims (10)
- 環状尿素化合物のジメチロール体とフェノール類とを反応させて得られる尿素含有フェノール樹脂を、エポキシ化してなる、車載用の半導体装置の封止材に用いられるエポキシ樹脂。
- 前記環状尿素化合物のジメチロール体が、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールヒダントインから選ばれる1種以上である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
- 前記尿素含有フェノール樹脂が、環状尿素化合物と前記フェノール類とがメチレン結合を介して交互に繰り返した構造である請求項1または請求項2に記載のエポキシ樹脂。
- 前記尿素含有フェノール樹脂が、ノボラック型の尿素含有フェノール樹脂である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
- エポキシ当量が200〜300である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂の硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化剤が、フェノール樹脂である請求項8に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに充填剤を含む請求項8または請求項9に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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