JP2009155487A - 含フッ素コーティング剤、コーティング体及びコーティング体の製造方法 - Google Patents

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連田 田代
Kuniaki Morishita
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基晴 野正
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Abstract

【課題】
優れた帯電防止性能(初期性能及び持続性能)を付与でき、低温硬化できる含フッ素コーティング剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
フルオロオレフィン(a1)及び水酸基含有ビニル単量体(a2)を必須構成単量体としてなるフッ素樹脂(A);
過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、パーフルオロアルカンスルホン酸塩、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド酸塩及びトリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機帯電防止剤(B);並びに
架橋剤(C)を含有してなることを特徴とする含フッ素コーティング剤を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、含フッ素コーティング剤及びコーティング体の製造方法に関する。
フッ素樹脂とSP値が22.6(J/m)より大きく、水酸基を含有する有機系親水性化合物からからなる帯電防止剤とを含むフッ素樹脂粉体塗料組成物が知られている(特許文献1)。
特開2003−96380号公報
従来の粉体塗料組成物を用いた場合、帯電防止性能が不十分であるという問題がある。さらに、従来の塗料組成物では高温焼付けが必要であるという問題もある。
本発明は、優れた帯電防止性能(初期性能及び持続性能)を付与でき、低温硬化できる含フッ素コーティング剤を提供することを目的とする。
本発明の含フッ素コーティング剤の特徴は、フルオロオレフィン(a1)及び水酸基含有ビニル単量体(a2)を必須構成単量体としてなるフッ素樹脂(A);
過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、パーフルオロアルカンスルホン酸塩、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド酸塩及びトリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機帯電防止剤(B);並びに
架橋剤(C)を含有してなる点を要旨とする。
本発明のコーティング体の特徴は、上記の含フッ素コーティング剤をプラスチックにコーティングしてなる点を要旨とする。
本発明の照明具の特徴は、上記のコーティング体を反射板として配する点を要旨とする。
本発明のコーティング体の製造方法の特徴は、上記の含フッ素コーティング剤を被コーティング体にコーティングして塗膜を形成するコーティング工程、及び被コーティング体に形成した塗膜を10〜120℃で硬化させてコーティング体を得る硬化工程を含む点を要旨とする。
本発明の含フッ素コーティング剤の特徴は、優れた帯電防止性性能(初期性能及び持続性能)を付与できる。さらに、低温度で硬化できるため、耐熱性の低いプラスチック等にもコーティングできる。
本発明のコーティング体は、優れた帯電防止性性能(初期性能及び持続性能)を発揮する。
本発明の照明具は、優れた帯電防止性性能(初期性能及び持続性能)を発揮する。
また、本発明のコーティング体の製造方法によれば、帯電防止性(初期性能及び持続性能)に優れたコーティング体を容易に得ることができる。さらに、塗膜を低い温度で硬化させるため、高温焼付け用の高価な装置等が不必要である上、たくさんの熱エネルギーを必要としない。また、耐熱性の低いプラスチック等にもコーティングできる。
フルオロオレフィン(a1)としては、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン及びペンタフルオロプロピレン等が含まれる。これらのうち、耐候性等の観点から、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン及びフッ化ビニリデンが好ましく、さらに好ましくはクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン及びトリフルオロエチレン、特に好ましくはクロロトリフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレンである。
水酸基含有ビニル単量体(a2)としては、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシカルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシカルボン酸アリルエステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種等が含まれる。なお、「(メタ)アクリ・・・」は「アクリ・・・」又は「メタクリ・・・」を意味する。
ヒドロキシアルキルビニルエーテルとしては、炭素数4〜10のヒドロキシアルキルビニルエーテル等が含まれ、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルエチル)ビニルエーテル及び2,3−ジヒドロキシプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアリルエーテルとしては、炭素数5〜11のヒドロキシアルキルアリルエーテル等が含まれ、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、ヒドロキシイソブチルアリルエーテル、ヒドロキシヘキシルアリルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルエチル)アリルエーテル及び2,3−ジヒドロキシプロピルアリルエーテル等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸ビニルエステルとしては、炭素数4〜10のヒドロキシカルボン酸ビニルエステル等が含まれ、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロパン酸ビニル、ヒドロキシブタン酸ビニル、ヒドロキシヘキサン酸ビニル及び4−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸ビニル等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸アリルエステルとしては、炭素数5〜11のヒドロキシカルボン酸アリルエステル等が含まれ、ヒドロキシ酢酸アリル、ヒドロキシプロパン酸アリル、ヒドロキシブタン酸アリル、ヒドロキシヘキサン酸アリル及び4−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸アリル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数5〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が含まれ、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、炭素数5〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクルアミド等が含まれ、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
フッ素樹脂(A)は、さらに他の単量体(a3)を構成単量体として含むことができる。
他の単量体(a3)としては、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステル、α−オレフィン及び(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種等が含まれる。
アルキルビニルエーテルとしては、炭素数4〜10のアルキルビニルエーテル等が含まれ、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルエチルビニルエーテル及び2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
アルキルアリルエーテルとしては、炭素数5〜11のアルキルアリルエーテル等が含まれ、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、シクロヘキシルエチルアリルエーテル及び2−エチルヘキシルアリルエーテル等が挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルとしては、炭素数4〜10のカルボン酸ビニルエステル等が含まれ、酢酸ビニル、プロパン酸ビニル、ブタン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル及びシクロヘキシル酢酸ビニル等が挙げられる。
カルボン酸アリルエステルとしては、炭素数5〜11のカルボン酸アリルエステル等が含まれ、酢酸アリル、プロパン酸アリル、ブタン酸アリル、ヘキサン酸アリル及びシクロヘキシル酢酸アリル等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、炭素数2〜8のオレフィン等が含まれ、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン1−ヘキセン及びスチレン等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数5〜8のアルキル(メタ)アクリレート等が含まれ、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N−アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、炭素数5〜8のアルキル(メタ)アクルアミド等が含まれ、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド及びN−ブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
フルオロオレフィン(a1)単位の含有量(モル%)は、フルオロオレフィン(a1)単位及び水酸基含有ビニル単量体(a2)単位のモル数に基づいて、40〜80が好ましく、さらに好ましくは45〜70である。
水酸基含有ビニル単量体(a2)単位の含有量(モル%)は、フルオロオレフィン(a1)単位及び水酸基含有ビニル単量体(a2)単位のモル数に基づいて、20〜60が好ましく、さらに好ましくは30〜55である。
他の単量体を構成単位として含む場合、他の単量体(a3)単位の含有量(モル%)は、フルオロオレフィン(a1)単位及び水酸基含有ビニル単量体(a2)単位のモル数に基づいて、30〜70が好ましく、さらに好ましくは40〜60である。
フッ素樹脂(A)の水酸基価(mg/KOH/g)は、10〜70が好ましく、さらに好ましくは15〜60、特に好ましくは20〜50、最も好ましくは25〜35である。この範囲であると、帯電防止性がさらに良好となる。
なお、水酸基価は、JIS K0070−1992に準拠して、キシレンを溶媒として用いて測定される。
フッ素樹脂(A)としては、公知の樹脂{たとえば、特開昭55−25411号公報、特開昭57−34107号公報、特開昭57−34108号公報、特開昭61−57609、特開昭61−113607号公報、特開平5−105840号公報、特開平5−25422号公報、特開平4−275379号公報及び特許文献1}を使用できる。
フッ素樹脂(A)としては、市場から容易に入手でき、たとえば、ルミフロンシリーズ{LF200(水酸基価28〜34mgKOH/g、60重量%キシレン溶液)、LF100(水酸基価26mg/KOH、50重量%キシレン溶液)、LF302(水酸基価24mgKOH/g、50重量%キシレン溶液)、LF400(水酸基価24、50重量%キシレン溶液)、LF554(水酸基価21、40重量%ソルベッソ150/アノン=8/2溶液)、LF600(水酸基価31mgKOH/g、50重量%キシレン/トルエン=1/1溶液)等、旭硝子株式会社、「ルミフロン」は同社の登録商標である。};ゼッフルGKシリーズ{GK510等、ダイキン工業株式会社、「ゼッフル」は同社の登録商標である。};フルオネートシリーズ{K704等、大日本インキ化学工業株式会社、「フルオネート」は同社の登録商標である。}等が挙げられる。
無機帯電防止剤(B)としては、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、パーフルオロアルカンスルホン酸塩{トリフルオロメタンスルホン酸塩等}、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド酸塩{ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩等}及びトリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド酸塩{トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド酸塩等}からなる群より選ばれる少なくとも1種が含まれる。
塩としては、アルカリ金属{リチウム、ナトリウム及びカリウム等}塩、アルカリ土類金属{カルシウム及びマグネシウム等}塩及び第4級アンモニウム{ピリジニウム、N−ブチル−3−メチルピリジニウム及びN−ブチル−N’−メチルイミダゾリウム等}塩が含まれる。
過塩素酸塩としては、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸カリウム等が挙げられる。
テトラフルオロホウ酸塩としては、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム及びテトラフルオロホウ酸N−ブチル−N’−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
ヘキサフルオロリン酸塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム及びヘキサフルオロリン酸N−ブチル−N’−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸塩としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸N−ブチル−3−メチルピリジニウム等が挙げられる。
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド酸塩としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸N−ブチル−N’−メチルイミダゾリウム及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸N−ブチル−3−メチルピリジニウム等が挙げられる。
トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド酸塩としては、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド酸リチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド酸ナトリウム及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド酸N−ブチル−3−メチルピリジニウム等が挙げられる。
架橋剤(C)としては、イソシアナト架橋剤、メラミン架橋剤、尿素樹脂架橋剤、多塩基酸架橋剤及びエポキシ架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が含まれる。
イソシアナト架橋剤としては、多価イソシアナートが含まれ、ヘキサメチレンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナート、並びにこれらのイソシアヌレート変性体、ウレトジオン変性体及びビウレット変性体等が挙げられる。
メラミン架橋剤としては、ブチル化メラミン、メチル化メラミン、エポキシ変性メラミン及びアルキルエーテル化メラミン等が挙げられる。
尿素樹脂架橋剤としては、メチル化尿素樹脂及びブチル化尿素樹脂等が挙げられる。
多塩基酸架橋剤としては、ヘキサンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸及びトリメリット酸等が挙げられる。
エポキシ架橋剤としては、ジシクロペンタジエンジオキシド等が挙げられる。
なお、以上の他に、金属アルコラート{アルミニウムアルコラート(アルミニウムトリブチラート及びアルミニウムトリヘキシラート等)及びチタニウムアルコラート(チタンテトラブチラート及びチタンテトラヘキシラート等)等}等も架橋剤として使用することができる。
無機帯電防止剤(B)の含有量(重量%)は、フッ素樹脂(A)の重量に基づいて、1〜5が好ましく、さらに好ましくは1.5〜4、特に好ましくは1.7〜3.3である。この範囲であると、帯電防止性がさらに良好となる。
架橋剤(C)の含有量(重量%)は、フッ素樹脂(A)の重量に基づいて、15〜49が好ましく、さらに好ましくは18〜43、特に好ましくは21〜39である。この範囲であると、帯電防止性がさらに良好となる。
本発明の含フッ素コーティング剤には、フッ素樹脂(A)と、架橋剤(C)との反応を促進させるために、公知の反応触媒を含有してもよい。
反応触媒としては、イソシアナト架橋剤用反応触媒{ジブチル錫ジラウレート及びトリエチルアミン等}及びメラミン架橋剤/尿素樹脂架橋剤用反応触媒{酸性触媒等}が挙げられる。
反応触媒を含有する場合、反応触媒の含有量(重量%)は、通常の触媒量でよく、たとえば、フッ素樹脂(A)及び架橋剤(D)の重量に基づいて、0.1〜2が好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.1である。
本発明の含フッ素コーティング剤には、さらに、ポリエーテルポリオール(D)を含有してもよい。ポリエーテルポリオール(D)を含有すると、フッ素樹脂(A)、架橋剤(C)及びポリエーテルポリオール(D)が反応することにより一体化して硬化塗膜を形成する。そして、硬化塗膜のマトリックスに化学結合したポリエーテルポリオール(D)と無機帯電防止剤(B)のカチオンとが配位結合により強固に化学結合されているため、硬化塗膜から、無機帯電防止剤がブリードアウトしにくくなる。したがって、本発明の含フッ素コーティング剤は優れた帯電防止性能(初期性能及び持続性能)を塗膜に付与できる(特に塗膜の帯電防止性能のうち、持続性能が飛躍的に向上する。)。
ポリエーテルポリオール(D)としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレン−ポリオキシエチレングリコールグラフトポリマー、多価アルコールエチレンオキシド付加体、多価アルコールプロピレンオキシド付加体及び多価アルコールエチレンオキシドプロピレンオキシド付加体からなる群より選ばれる少なくとも1種が含まれる。
ポリエーテルポリオール(D)としては、市場から容易に入手でき、たとえば、PEGシリーズ{200、300、400、600、1000、1500、2000及び4000N等、三洋化成工業株式会社、ポリオキシエチレングリコール};PEG#シリーズ{200、300、400、600、1000、1500及び4000等、日本油脂株式会社、ポリオキシエチレングリコール};ニューポールPPシリーズ{200、400、1000、2000及び4000等、三洋化成工業株式会社、ポリオキシプロピレングリコール、「ニューポール」は同社の登録商標である。};ユニオールDシリーズ{700、1000及び2000等、日本油脂株式会社、ポリオキシプロピレングリコール、「ユニオール」は同社の登録商標である。};ニューポールPEシリーズ{61、62、64、71及び74等、三洋化成工業株式会社、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール};プロノン#シリーズ{105、201、202及び204等日本油脂株式会社、「プロノン」は同社の登録商標である。};スミエートシリーズ{300G等、住友化学工業株式会社、ポリエチレン−ポリオキシエチレングリコールグラフトポリマー、「スミエート」は同社の登録商標である。};サンニックスGLシリーズ{3000等、三洋化成工業株式会社、多価アルコールエチレンオキシド付加体、「サンニックス」は同社の登録商標である。};ニューポールGPシリーズ{400、600、1000及び4000、三洋化成工業株式会社、多価アルコールプロピレンオキシド付加体};サンニックスGPシリーズ{3000、3030及び3700M、三洋化成工業株式会社、多価アルコールプロピレンオキシド付加体};ニューポールシリーズ{TL4500N(三洋化成工業株式会社、トリメチロールプロパンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加体)、GEP2800(グリセリンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加体)}等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(D)を含む場合、ポリエーテルポリオール(D)の含有量(重量%)は、フッ素樹脂(A)の重量に基づいて、5〜25が好ましく、さらに好ましくは7〜22、特に好ましくは9〜19である。この範囲であると、帯電防止性がさらに良好となる。
本発明の含フッ素コーティング剤には、さらに、溶媒、フィラー及びコーティング添加剤等を含有してもよい。
溶媒としては、公知の溶媒が含まれ、芳香族炭化水素{ベンゼン、トルエン及びキシレン等}、脂肪族炭化水素{ヘキサン及びシクロヘキサン等}、ケトン{アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びジメチルスルホキシド等}及びアミド{ジメチルホルミアミド、N−メチルピロリドン}等が挙げられる。これらの他に、ソルベッソ100(芳香族炭化水素溶媒)、ソルベッソ150(芳香族炭化水素溶媒)及びアノン(シクロヘキサノン)等も使用できる{「SOLVESSO」はエクソン モービル コーポレーションの登録商標である。}。
溶媒を含有する場合、溶媒の含有量(重量%)は、溶媒の含有量(重量%)は、フッ素樹脂(A)の重量に基づいて、30〜200が好ましく、さらに好ましくは60〜150、特に好ましくは65〜100である。
フィラーとしては、公知のフィラーが含まれ、シリカ、酸化チタン、タルク、グラファイト及びプラスチックフィラー等が挙げられる。
コーティング添加剤としては、公知のコーテイング用添加剤等が含まれ、染料、顔料、消泡剤、増粘剤、減粘剤、レベリング剤、分散剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、防腐剤及び防かび剤等が挙げられる。
本発明の含フッ素コーティング剤はフッ素樹脂(A)、無機帯電防止剤(B)及び架橋剤(C)、並びに必要により、ポリエーテルポリオール(D)、反応触媒、溶媒、フィラー及び/又はコーティング添加剤を均一混合することにより容易に製造できる。なお、ポリエーテルポリオール(D)を含有する場合、ポリエーテルポリオール(D)及び無機帯電防止剤(B)を均一混合して混合体(1)を得る工程;フッ素樹脂(A)及び架橋剤(C)、並びに必要により、溶媒、フィラー及び/又はコーティング添加剤を均一混合して混合物(2)を得る工程;混合物(1)及び混合物(2)、並びに必要により反応触媒を均一混合して含フッ素コーティング剤を得る工程を含むことが好ましい。
本発明の含フッ素コーティング剤は導電性の高い無機帯電防止剤を含有するため、優れた帯電防止性能を発揮する。一方、本発明の含フッ素コーティング剤には、フッ素樹脂(A)を含有するため、フッ素樹脂本来の耐水性、耐油性を塗膜に付与できる。
本発明の含フッ素コーティング剤は、塗料、インキ及びその他のコーティング剤として使用できる。
本発明の含フッ素コーティング剤は被コーティング体{本発明の含フッ素コーティング剤がコーティングされる対象}を選ばないが、本発明の含フッ素コーティング剤が低温度で硬化することができるため、プラスチックコーティング用として適しており、さらに、ポリアルキレンテレフタレート{ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリ(エチレンテレフタレート・ブチレンテレフタレート)等}、ポリオレフィン{ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン・プロピレン)及びポリブチレン等}及びポリアミド{ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T及びナイロン612等}へコーティングするためのコーティング剤として好適である。
なお、ポリカーボネートやポリ乳酸等へコーティングするためのコーティング剤としても好ましく適用できる。
また、プラスチックは、密着性等の観点から、微細発泡プラスチックであることが好ましい。微細発泡プラスチックの気泡の平均気泡径(μm)は、0.5〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜30、特に好ましくは2〜10である。この範囲であると、塗膜表面の平滑性がさらに良好となる。
なお、平均気泡径は、ASTM−D3576−77に準拠して、微細発泡プラスチックをレーザーでスライスしてプロジェクターで拡大した後、目視で気泡径を測定し、少なくとも20個の気泡径の算術平均値を算出することにより得られる。
微細発泡プラスチックとしては、公知のもの{たとえば、特開平8-258096号公報、特開平9−085788号公報、特開平9−324066号公報、特開平9−277298号公報、特開平10−036547号公報、特開2001−030333号公報、特開2001−150473号公報、特開2001−150520号公報、特開201-150521号公報、特開2001−340071号公報、特開2002-114093号公報、特開2002−363329号公報、特開2003-36722号公報、特開2003−165861号公報、特開2003−191274号公報、特開2003−206369号公報、特開2003−313351号公報、特開2005−194832号公報、特開2006−024540号公報、特開2006−095728号公報、特開2006−212945号公報、特開2006−216540号公報、特開2006−315261号公報、特開2007−045992号公報、特開2007−083717号公報、特開2007−217446号公報及び特開2007−231192号公報}等が含まれる。
微細発泡プラスチックは、市場から容易に入手でき、商品シリーズ名として、たとえば、フォームエース{古河電工株式会社、化学架橋発泡ポリエチレン、「フォームエース」は同社の登録商標である。}、フネンエース{古河電工株式会社、無機質高充填プラスチックフォーム、「フネンエース」は同社の登録商標である。}、エフセル{古河電工株式会社、無架橋低発泡ポリプロピレンシート、「エフセル」は同社の登録商標である。}、スリムエース{古河電工株式会社、電子線架橋発泡ポリエチレン、「スリムエース」は同社の登録商標である。}、バイオエース{古河電工株式会社、生分解性プラスチック発泡体、「バイオエース」は同社の登録商標である。}、MCPET{古河電工株式会社、超微細発泡ポリエチレンテレフタレート、「MCPET」は同社の登録商標である。}
セルマイクPE{三協化成株式会社、}、エペランPP{株式会社カネカ、ビーズ法発泡ポリプロピレン、「エペラン」は同社の登録商標である。}、エペラン{株式会社カネカ、ビーズ法発泡ポリエチレン}、カネパール{株式会社カネカ、ビーズ発泡法発泡ポリエチレン、「カネパール」は同社の登録商標である。}、カネパールPLA{株式会社カネカ、トウモロコシ等の澱粉から得られるポリ乳酸を原料とするビーズ法発泡樹脂}、カネファイン{株式会社カネカ、発泡スチレンペーパー、「カネファイン」は同社の登録商標である。}、ディナードシート{株式会社カネカ、発泡スチレンペーパー「ディナードシート」は同社の登録商標である。}、カネライトフォーム{株式会社カネカ、押出発泡スチレンボード、「カネライト・フォーム・インサー」は同社の登録商標である。}、カネライトスーパー{株式会社カネカ、ノンフロン・ノンハロゲン発泡タイプ}、サンテックフォーム{旭化成ケミカルズ株式会社、低密度ポリエチレン(LDPE)を主原料とする無架橋押出高発泡ポリエチレン、「サンテックフォーム」は同社の登録商標である。}及びセルペット{積水化成品工業株式会社、ポリエチレンテレフタレート発泡体、「セルペット」は同社の登録商標である。}等が挙げられる。
本発明の含フッ素コーティング剤のコーティング方法に制限はなく公知のコーティング方法{スクリーン印刷、エアドクタ塗装、ブレード塗装、ロッド塗装、ナイフ塗装、パッド塗装、スクイズ塗装、含浸塗装、リバースロール塗装、トランスファーロール塗装、グラビア印刷、キスロール塗装、キャスト塗装、スプレー塗装、カーテン塗装及びカレンダ塗装等}が適用できる。すなわち、公知のコーティング方法により、本発明の含フッ素コーティング剤を被コーティング体の全面又は特定箇所にコーティングして塗膜を形成することができる(コーティング工程)。
そして、被コーティング体に形成した塗膜を10〜120℃(好ましくは15〜100℃、さらに好ましくは20〜95℃、特に好ましくは25〜80℃)で硬化させることにより、コーティング体を得ることができる(硬化工程)。
本発明のコーティング体の表面拡散反射率(%)は、85〜120が好ましく、さらに好ましくは90〜110、特に好ましくは95〜105である。
なお、表面拡散反射率は、硫酸バリウム白色板を100%として、自記分光光度計{たとえば、島津製作所株式会社UV−3101PC}で測定される波長550nmにおける拡散反射率を意味する。
本発明のコーティング体は、帯電防止性能が要求される用途に広く適用でき、たとえば、照明具の反射板、自転車用反射板、反射テープ、看板、交通標識、時計文字盤、電光掲示板、建築物の外壁、乗物の外装、乗物の内装及び家電製品の筐体(きょうたい)等として適用できる。これらのうち、光を反射する機能を主機能としてもつコーテイング体{たとえば、照明具の反射板、自転車用反射板、反射テープ、看板、交通標識、時計文字盤及び電光掲示板等}に好適であり、照明具の反射板として最適である。
照明具のうち、特開平5−20975号公報、特開平5−286025号公報、特開平11−327474号公報、特開2000−10509号公報、特開2000−56715号公報、特開2001−184914号公報、特開2003−22701号公報、特開2003−29673号公報、特開2004−44132号公報、特開2004−44133号公報、特開2005−71733号公報、特開2005−190965号公報、特開2006−196352号公報、特開2006−202725号公報、特開2006−202729号公報又は特開2006−339136号公報に記載された照明具等に好ましく適用できる。
以下、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<実施例1>
フッ素樹脂(A1){ルミフロンLF200、旭硝子株式会社、水酸基価28〜34mgKOH/g、60%キシレン溶液}125部、ポリエーテルポリオール及び無機帯電防止剤の混合物(BD1){PEL−25、日本カーリット株式会社、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量約1300)85%/過塩素酸リチウム10%/トリフルオロメタンスルホン酸リチウム5%}8.8部及び架橋剤(C1){コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会社、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシヌアレート変性ポリイソシアネート、イソシアネート含量21.3%、25℃粘度2500mPa・s、遊離ヘキサメチレンジイソシアネート含有量0.5%}16.2部を25〜30℃で均一混合し混合物を得た後、この混合物とトリエチルアミン0.2部とを均一混合して、本発明の含フッ素コーティング剤(1)を得た。
<実施例2>
「フッ素樹脂(A1)125部」を「フッ素樹脂(A1)109部」に変更したこと、「混合物(BD1)8.8部」を「混合物(BD1)14部」に変更したこと、「架橋剤(C1)16.2部」を「架橋剤(C1)20.6部」に変更したこと、及び「トリエチルアミン0.5部」を「トリエチルアミン0.9部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の含フッ素コーティング剤(2)を得た。
<実施例3>
「フッ素樹脂(A1)125部」を「フッ素樹脂(A1)109部」に変更したこと、「混合物(BD1)8.8部」を「混合物(BD1)9.6部」に変更したこと、及び「架橋剤(C1)16.2部」を「架橋剤(C1)25部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の含フッ素コーティング剤(3)を得た。
<実施例4>
「フッ素樹脂(A1)125部」を「フッ素樹脂(A2){ルミフロンLF100、旭硝子株式会社、水酸基価26mg/KOH、50%キシレン溶液}150部」に変更したこと、「混合物(BD1)8.8部」を「ポリエーテルポリオール(D1){ニューポールPE−62、三洋化成工業株式会社、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール}7.5部」及び「無機帯電防止剤(B1){トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、森田化学工業株式会社}1.5部」の混合物(BD2)に変更したこと、及び「架橋剤(C1)16.2部」を「架橋剤(C1)16部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の含フッ素コーティング剤(4)を得た。
<実施例5>
「フッ素樹脂(A1)125部」を「フッ素樹脂(A1)115部」に変更したこと、「混合物(BD1)8.8部」を「ポリエーテルポリオール(D1)12部」及び「無機帯電防止剤(B1)2.1部」の混合物(BD3)に変更したこと、及び「架橋剤(C1)16.2部」を「架橋剤(C1)16.9部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の含フッ素コーティング剤(5)を得た。
<実施例6>
「フッ素樹脂(A1)125部」を「フッ素樹脂(A1)120部」に変更したこと、「混合物(BD1)8.8部」を「ポリエーテルポリオール(D1)8部」及び「無機帯電防止剤(B2){ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸リチウム、東京化成工業株式会社}1.3部」の混合物(BD4)に変更したこと、及び「架橋剤(C1)16.2部」を「架橋剤(C1)18.7部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の含フッ素コーティング剤(6)を得た。
<実施例7>
「混合物(BD1)8.8部」を「無機帯電防止剤(B3){CIL−312、日本カーリット株式会社、N−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビストリフルオロメタンスルホニルイミド}1.3部」に変更したこと、及び「トリエチルアミン0.2部」を使用しなかったこと以外、実施例1と同様にして、本発明の含フッ素コーティング剤(7)を得た。
<実施例8>
「混合物(BD1)8.8部」を「無機帯電防止剤(B3)2.4部」に変更したこと、及び「トリエチルアミン0.2部」を使用しなかったこと以外、実施例1と同様にして、本発明の含フッ素コーティング剤(8)を得た。
<比較例1>
メタノール512部、グリセリンモノメタクリレート120部、アクリルアミド120部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤)16.2部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、重合開始剤)2.4部を均一混合し、窒素雰囲気下で撹拌しながら、60℃で18時間重合させた後、メタノールを留去して、有機帯電防止剤(HB1)を得た。有機帯電防止剤(HB1)の重量平均分子量は約3000であった。
フッ素樹脂(A1)からキシレンを減圧粒去して得たフッ素樹脂100部、有機帯電防止剤(HB1)10部及び架橋剤(C1)70部を均一混合した後、約100℃で溶融混練し、冷却・微粉砕し、106μmのふるい(JIS Z8801−1:2006)を通過した微粉を集めて、比較用の含フッ素コーティング剤(H1)を得た。
<比較例2>
「混合物(BD1)8.8部」を「有機帯電防止剤(HB1)8.8部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の含フッ素コーティング剤(H2)を得た。
<比較例3>
「混合物(BD1)8.8部」を「有機帯電防止剤(HB1)12部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の含フッ素コーティング剤(H3)を得た。
<比較例4>
「混合物(BD1)8.8部」を使用しなかったこと以外、実施例1と同様にして、比較用の含フッ素コーティング剤(H4)を得た。
実施例及び比較例で得た含フッ素コーティング剤(1)〜(6)及び(H1)〜(H4)について、次のようにコーティング・硬化させた後、帯電防止性性能(初期性能、持続性能)を評価し、結果を表1に示した。
測定試料(含フッ素コーティング剤)をポリエチレンテレフタレート微細発泡フィルム(MCPET、古河電工株式会社、厚さ30μm、100mm×100mm)に硬化後の厚みが5μmとなるようにスクリーン印刷した後、80℃で30分間加熱して、塗装板を得た。
なお、比較例1で得た含フッ素コーティング剤は、厚さ0.8mmのリン酸亜鉛処理を施した鉄板上に、静電粉体塗装ガンを用いて、電圧70kV、粉体吐出量100g/分、20℃、60%RHの条件で静電塗装した後、190℃で20分間焼付けて、厚み30μmの塗装板を得た。
<帯電防止性性能>
<1>初期性能
塗装板を得た後、塗装板を直ちに23℃、40%RHの恒温恒湿室内に静置して、24時間後に、JIS K6911−1995に準拠して、2重リングプローブ法により表面抵抗率を測定した{23℃、40%RH、100V、30秒値、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社ダイアインスツルメンツ、「ハイレスタ」は三菱化学株式会社の登録商標である。)}。
<2>持続性能
塗装板をイオン交換水(40〜50℃)に1週間浸漬させた後、塗装板を23℃、40%RHの恒温恒湿室内に静置して、上記と同様にして、表面抵抗率を測定した。
Figure 2009155487
本発明の含フッ素コーティング剤を用いた塗装板の表面抵抗率は、比較用の含フッ素コーティング剤を用いた場合に比較して、著しく低く(初期性能)、持続性能にも著しく優れていた。

Claims (17)

  1. フルオロオレフィン(a1)及び水酸基含有ビニル単量体(a2)を必須構成単量体としてなるフッ素樹脂(A);
    過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、パーフルオロアルカンスルホン酸塩、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド酸塩及びトリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機帯電防止剤(B);並びに
    架橋剤(C)を含有してなることを特徴とする含フッ素コーティング剤。
  2. フルオロエチレン(a1)がクロロトリフルオロエチレン及び/又はテトラフルオロエチレンである請求項1に記載の含フッ素コーティング剤。
  3. 水酸基含有ビニル単量体(a2)がヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシカルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシカルボン酸アリルエステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の含フッ素コーティング剤。
  4. フッ素樹脂(A)がアルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステル、α−オレフィン及び(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種の他の単量体(a3)を構成単量体として含む請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素コーティング剤。
  5. さらに、ポリエーテルポリオール(D)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素コーティング剤。
  6. ポリエーテルポリオール(D)がポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレン−ポリオキシエチレングリコールグラフトポリマー、多価アルコールエチレンオキシド付加体、多価アルコールプロピレンオキシド付加体及び多価アルコールエチレンオキシドプロピレンオキシド付加体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の含フッ素コーティング剤。
  7. 架橋剤(D)がイソシアナト架橋剤、メラミン架橋剤、尿素樹脂架橋剤、多塩基酸架橋剤及びエポキシ架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素コーティング剤。
  8. プラスチックコーティング用である請求項1〜7のいずれかに記載の含フッ素コーティング剤。
  9. プラスチックがポリアルキレンテレフタレート、ポリオレフィン又はポリアミドである請求項8に記載の含フッ素コーティング剤。
  10. プラスチックが微細発泡プラスチックである請求項8又は9に記載の含フッ素コーティング剤。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の含フッ素コーティング剤をプラスチックにコーティングしてなることを特徴とするコーティング体。
  12. プラスチックがポリアルキレンテレフタレート、ポリオレフィン又はポリアミドである請求項11に記載のコーティング体。
  13. プラスチックが微細発泡プラスチックである請求項11又は12に記載のコーティング体。
  14. 微細発泡プラスチックの気泡の平均気泡径が0.5〜50μmである請求項13に記載のコーティング体。
  15. 表面拡散反射率が85〜120%である請求項11〜14のいずれかに記載のコーティング体。
  16. 請求項11〜15のいずれかに記載のコーティング体を反射板として配することを特徴とする照明具。
  17. 請求項1〜10のいずれかに記載の含フッ素コーティング剤を被コーティング体にコーティングして塗膜を形成するコーティング工程、及び被コーティング体に形成した塗膜を10〜120℃で硬化させてコーティング体を得る硬化工程を含むことを特徴とするコーティング体の製造方法。
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