JP2009154787A - スライドドアの干渉防止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】押圧動作を受けるごとに突出維持状態と引き込み維持状態とを交互に繰り返すプッシュリフタ15を設ける。プッシュリフタ15に係合凸部35を設け、プッシュリフタ15を車体側に取り付ける。フューエルリッド10に係合凸部35と係合する係合凹部36を設ける。プッシュリフタ15が引き込み維持状態にされたときに係合凸部35と係合凹部36を係合させ、プッシュリフタ15が突出維持状態とされたときに係合凸部35と係合凹部36の係合を解除する。プッシュリフタ15が突出維持状態となったときにスライドドアのスライド開放をロックするドア開放規制装置25を設ける。
【選択図】図11
Description
このスライドドアの干渉防止構造は、車体側の燃料給油部の縁部に、突出方向にばね付勢されてフューエルリッドを微小開き状態にする付勢ロッドを設けるとともに、スライドドアにドア開放規制機構を設け、付勢ロッドが突出したときに、ドア開放規制機構が作動するように付勢ロッドとドア開放規制機構を連動させたものである。したがって、この干渉防止機構を採用した場合、フューエルリッドが閉じられて付勢ロッドが後退している間はスライドドアの自由な開放が許容され、フューエルリッドが開いて付勢ロッドが突出したときには、ドア開放規制機構が作動することでスライドドアの開放作動が禁止される。
これにより、フューエルリッドが閉じられてプッシュリフタが引き込み維持状態となると、フューエルリッドとプッシュリフタはリッド係止手段によって係止され、フューエルリッドを指先で強引に押し上げようとしても、フューエルリッドの開作動が規制される。また、この状態からプッシュリフタが押圧されて突出維持状態とされると、リッド係止手段によるフューエルリッドとプッシュリフタの係合は解除されるようになる。
図1は、この発明にかかるスライドドア11の干渉防止構造を採用した車両1の側面を示すものである。
この車両1は、後部座席横の車体側部にスライドドア11を備えたミニバンタイプの車両であり、車体側面のスライドドア11の後方側のスライド軌道上に燃料給油部12が設けられ、この燃料給油部12がフューエルリッド10によって開閉されるようになっている。
プッシュリフタ15は、図3に示すように、フューエルリッド10を操作するための操作ロッド16がハウジング17に進退自在に保持され、操作ロッド16の先端部がフューエルリッド10の裏面に対して当接可能となっている。操作ロッド16は、図4に示すように、ハウジング17内に収容される付根部側に制御カム部18とワイヤ連結部19が設けられている。制御カム部18とワイヤ連結部19は並列配置の状態で一体に結合され、ワイヤ連結部19には後述する連動ワイヤ20が連結されている。また、ハウジング17の基端側はキャップ部材24によって閉塞されており、このキャップ部材24とワイヤ連結部19の間には、操作ロッド16を常時突出方向に付勢する付勢スプリング21が収容されている。さらに、キャップ部材24には棒状ばねから成るガイドロッド22が固定されている。ガイドロッド22は先端側が制御カム部18方向に延出し、その延出端に屈曲部22aが形成されている。
制御カム部18は、平坦面49に環状の溝23が形成されたものであって、この溝23は、略ハート形状を呈している。そして、溝23は、それぞれ深さの異なる第1溝部23a、第2溝部23b、第3溝部23c、および第4溝部23dとから構成されている。第1溝部23aは平坦面24よりも深く、第2溝部23bは第1溝部23aよりも深く、第3溝部23cは第2溝部23bよりも深く、第4溝部23dは第3溝部23cよりも深くなっている。なお、第4溝部23dと第1溝部23aの間にはスロープ23eが形成されている。
そして、ガイドロッド22の屈曲部22aが第1基準位置P1に配置されているときには、操作ロッド16は最大に突出して突出維持状態となり、第2基準位置P2に配置されているときには、操作ロッド16は最大に後退して引き込み維持状態となる。したがって、このプッシュリフタ15においては、操作ロッド16に対する押圧操作(押し込み操作)が繰り返されることにより、突出維持状態と引き込み維持状態が交互に切り換わる。
同図に示すように、ドア開放規制装置25は、ガイドレール27(図1参照)の下方に固定設置された支持ブラケット28と、この支持ブラケット28に回動自在に軸支された係止爪29と、この係止爪29を前方に倒す方向Dに付勢する図示しない付勢スプリングと、係止爪29に突設された支持突起29aに係合する長孔30aを有する係合部材30と、を備え、係合部材30には、プッシュリフタ15から延びる連動ワイヤ20の他端側が接続されている。係止爪29は、連動ワイヤ20から張力が入力されない間は付勢スプリング21の力よって前方に倒れており、連動ワイヤ20が引き込まれたときには、係合部材30を介して上方に引き起こされることで、スライドドア11の開放作動を規制する。連動ワイヤ20は、プッシュリフタ15の操作ロッド16と係止爪29とを連動させ、操作ロッド16が突出作動したときに、係止爪29でスライドドア11の開放作動を規制するようになっている。
フューエルアダプタ14の開口14aの縁部のうちの、フューエルリッド10の閉時に同リッド10の自由端側が位置される部位には上述のプッシュリフタ15が設置され、フューエルアダプタ14に形成された設置孔14b(図2参照)を通してプッシュリフタ15の操作ロッド16が車外側に突出するようになっている。なお、プッシュリフタ15は、操作ロッド16の先端側が、フューエルリッド10のヒンジ軸10aと略直交する平面内において、ヒンジ軸10a方向に向かって設定角度傾斜するように設置されている。
係合凹部36は、フューエルリッド10の自由端側からヒンジ軸10a方向に向かって隆起する第1の傾斜壁37と、第1の傾斜壁37の頂部からヒンジ軸10a方向に向かって逆に傾斜する第2の傾斜壁38と、第1の傾斜壁37と第2の傾斜壁38の鉛直上方側の面を閉塞する端部閉塞壁39と、を備え、第1の傾斜壁37と第2の傾斜壁38とに跨って係脱制御孔40が形成されている。なお、この実施形態の場合、フューエルリッド10はヒンジ軸10aを中心として略水平方向に回動する。
係脱制御孔40は、幅の狭い係止孔部41と、この係止孔部41よりも幅の広い解除孔部42とを備え、両孔部41,42がヒンジ軸10aと直交する方向に沿って連続して形成されている。係止孔部41は第1の傾斜壁37に形成され、解除孔部42は第1の傾斜壁37の頂部付近から第2の傾斜壁38にかけて形成されている。また、解除孔部42と係止孔部41の間は幅が徐々に縮小するようにテーパ部43によって接続されている。
また、この状態で車室内からロックノブ(図示せず)の操作が行われると、ロック装置の爪がフューエルリッド10のロック係合部45に係合してフューエルリッド10がロックされる。なお、この状態においては、図11(A)に示すように、ドア開放規制装置25の係止爪29は前方に倒れ、スライドドア11に対するロックを解除している。
よって、この干渉防止構造においては、フューエルリッド10の開閉部にプッシュリフタ15を採用しつつも、スライドドア11とフューエルリッド10の干渉を確実に防止することができる。
11…スライドドア
14…フューエルアダプタ(車体側部材)
15…プッシュリフタ
25…ドア開放規制装置(ドア開放規制手段)
35…係合凸部(リッド係止手段)
36…係合凹部(リッド係止手段)
Claims (3)
- スライドドアとフューエルリッドの同時開放を防止するスライドドアの干渉防止構造において、
前記フューエルリッドを介して押圧動作を受けるごとに突出維持状態と引き込み維持状態とを交互に繰り返し、前記フューエルリッドが閉状態では前記引き込み維持状態となり、前記突出維持状態となることで前記フューエルリッドを微小開き状態とするプッシュリフタと、
前記フューエルリッドが閉じられて前記プッシュリフタが引き込み維持状態にされたときに前記フューエルリッドをプッシュリフタに係止し、前記プッシュリフタが突出維持状態とされて前記フューエルリッドが微小開き状態となったときに同フューエルリッドと前記プッシュリフタの係止を解除するリッド係止手段と、
前記プッシュリフタが前記突出維持状態となったときに前記スライドドアのスライド開放をロックするドア開放規制手段と、
を備えていることを特徴とするスライドドアの干渉防止構造。 - 前記プッシュリフタは、前記フューエルリッドを開閉可能に支持する車体側部材に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のスライドドアの干渉防止構造。
- 前記プッシュリフタが突出維持状態となったときにおける前記フューエルリッドの微小開き状態では、前記フューエルリッドが前記スライドドアのスライド軌道に入り込まない角度で回動規制されることを特徴とする請求項1または2に記載のスライドドアの干渉防止構造。
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