JP2009151078A - 投影光学系および画像投影装置 - Google Patents

投影光学系および画像投影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009151078A
JP2009151078A JP2007328618A JP2007328618A JP2009151078A JP 2009151078 A JP2009151078 A JP 2009151078A JP 2007328618 A JP2007328618 A JP 2007328618A JP 2007328618 A JP2007328618 A JP 2007328618A JP 2009151078 A JP2009151078 A JP 2009151078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
projection
lens
light
optical system
concave surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007328618A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Konuma
修 小沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung Electronics Co Ltd
Original Assignee
Samsung Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung Electronics Co Ltd filed Critical Samsung Electronics Co Ltd
Priority to JP2007328618A priority Critical patent/JP2009151078A/ja
Publication of JP2009151078A publication Critical patent/JP2009151078A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】投影光学系および画像投影装置において、投影方向の側方に発生するフレア光を簡素な構成によって低減することができるようにする。
【解決手段】表示素子2上の画像を拡大投影する投影光学系1であbって、投影面側から順に、負の屈折力を有する前群Iと、正の屈折力を有する後群IIとを有し、前群Iには、表示素子2側に向けられた凹面10aを有する第1レンズ10が設けられ、凹面10aは、曲率半径rが次式(1)を満足し、かつ、凹面11aの光軸3近傍の入射角0°の入射光に対する反射率R(%)が、次式(2)、(3)を満足する反射防止膜が形成されているようにする。0.4<|r/f|<0.7・・・(1)、1.0≦R≦20 (400nm≦λ≦480nmにおいて)・・・(2)、0≦R≦0.5 (500nm≦λ≦700nmにおいて)・・・(3)
【選択図】図2

Description

本発明は投影光学系および画像投影装置に関する。
従来、光学系内で反射して、像面や投影面などに現れるフレア光やゴースト光は、画質を低下させるため、レンズ表面に反射防止膜を設けることが知られている。
例えば、特許文献1には、マルチコートの反射防止膜を施すことなく広波長域でゴーストが発生しないようにするため、ゴーストの原因となる2面以上の反射境界面にそれぞれ互いに相補する関係の反射特性を有する反射防止コートを施した広波長域ゴースト防止光学系を構成するレトロフォーカスタイプのズームレンズが記載されている。
また、特許文献2には、撮像装置および撮影装置に用いられるズームレンズにおいて、逆光状態で、絞りよりも物体側のレンズ面同士での反射によるゴースト像を除去するために、隣接するレンズ面の曲率半径の比が1〜5の範囲にあるレンズ面対に反射率低減処理を施したものが記載されている。
特許第2991554号公報 特開2007−114378号公報
しかしながら、上記の特許文献1、2に記載されたような従来の技術は、撮像光学系において、光学系内のレンズ面での反射によって像面に到達する光によるフレア光、ゴースト光を低減あるいは防止するものである。
一方、広画角が要求される投影光学系では、光学系の前群に曲率半径の小さい凹面を含むことが多く、この凹面の周辺部に入射する光が反射して、投影光学系から投影方向の側方に漏れ、投影面には到達しないフレア光(以下、側方フレア光と称する)が発生しやすくなっている。
投影光学系の側方フレア光は、特に据え置き型の画像投影装置では、画像投影中に据え置き面上に漏れ、据え置き面で反射され、画像投影装置近傍に広範囲にわたる不要光を形成する。この明部は赤色光成分が多くなるため、投影画像を鑑賞するために照明が落とされた室内では目立ちやすく、明部の近傍の鑑賞者は落ち着いて画像鑑賞に集中できなくなる場合がある。このため、投影光学系において側方フレア光を低減することが強く求められている。
特許文献1、2に記載の技術を、投影光学系に適用すれば、光学系内のレンズ面での反射によって投影面に到達する光によるフレア光、ゴースト光を低減あるいは防止することはできるが、投影光学系の側方フレア光は、必ずしも良好に低減することができないという問題がある。また、仮に低減できるとしても、特許文献1、2に記載の技術では、複数のレンズ面に反射防止膜を形成する必要があるので、製造コストが増大してしまうという問題がある。
また、側方フレア光の出射口側にフードや絞りなどの遮光部材を配置することも考えられるが、部品点数が増え、焦点位置調整機構と両立させるため構成も複雑となってしまうおそれがある。また遮光部材が装置の表側に配置されると外観上も好ましくない。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、投影方向の側方に発生するフレア光を簡素な構成によって低減することができる投影光学系および画像投影装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の投影光学系は、表示素子上の画像を拡大投影する投影光学系であって、投影面側から順に、負の屈折力を有する前群と、正の屈折力を有する後群とを有し、前記前群には、前記表示素子側に向けられた凹面を有する負レンズが設けられ、前記凹面は、曲率半径rが次式(1)を満足し、かつ、前記凹面の光軸近傍の入射角0°の入射光に対する反射率R(%)が、次式(2)、(3)を満足する反射防止膜が形成されている構成とする。
0.4<|r/f|<0.7 ・・・(1)
1.0≦R≦20 (400nm≦λ≦480nmにおいて) ・・・(2)
0≦R≦0.5 (500nm≦λ≦700nmにおいて) ・・・(3)
ここで、fは、前記前群の焦点距離、λは、前記入射光の波長を表す。
この発明によれば、前群に含まれる負レンズにおいて、式(1)の関係を満足する曲率半径rの凹面に、反射防止膜が形成され、その反射率Rが、式(2)、(3)を満足する。そのため、この凹面で表示素子側に反射され、投影光学系の他のレンズ面によって投影面側に反射されて投影光学系から投影方向の側方に出射される光が減衰され、投影方向の側方に出射されるフレア光を低減することができる。
また、凹面の反射率Rが光軸近傍の入射角0°の入射光に対して、式(2)、(3)を満足するため、反射防止膜の低反射率領域が、可視域の長波長側にシフトしている。そのため、凹面の周辺に形成される反射防止膜の膜厚が低下して、凹面の周辺部に入射する光の反射率特性が短波長領域にシフトしても、可視域の長波長領域の反射率の増加を抑制することができる。したがって、凹面の周辺部に入射する光による赤色領域のフレア光を低減することができる。
なお、「光軸近傍」とは、反射率を精度よく測定するための入射光束の光束径の範囲を意味する。
また、本発明の画像投影装置は、画像を表示する表示素子と、本発明の投影光学系とを備えてなる構成とする。
この発明によれば、本発明の投影光学系を備えるので、本発明の投影光学系と同様の作用効果を備える。
本発明の投影光学系および画像投影装置によれば、前群に含まれる負レンズの凹面に反射防止膜を形成するため、投影方向の側方に発生するフレア光を簡素な構成によって低減することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る投影光学系および画像投影装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る投影光学系を用いた画像投影装置の概略構成を示す模式図である。図2は、本発明の実施形態に係る投影光学系の概略構成および側方フレア光の光路を示す光軸を含む断面における光線図である。図3は、本発明の実施形態に係る投影光学系の凹面に形成する反射防止膜の光軸近傍における反射率特性の一例および比較例の反射率特性を示すグラフである。図3において、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)を示す(以下の図4、5も同様)。
図1に示すように、本実施形態の画像投影装置100は、表示素子2上に表示された画像を、本実施形態の投影光学系1によって投影光110として拡大投影し、装置外部の投影面であるスクリーン160上に映写する据え置き型の画像投影装置である。
表示素子2および投影光学系1は不図示の光源などとともに投影ユニット102を構成し、装置本体101内に設けられている。そして、装置本体101は、下面側に設けられた固定脚101a、および高さ調整を行う調整脚101bによって、例えば、机などからなる載置台150上に投影方向の仰角を変えた状態で配置し、据え置くことができるようになっている。
表示素子2としては、2次元的に配列された空間変調素子が適宜の画像信号によって変調駆動される、透過型もしくは反射型の表示素子を採用することができる。
透過型の表示素子としては、例えば、個々の画素にカラーフィルタが設けられた1板式の液晶表示デバイス(LCD)や、光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する光源を備え、それぞれの光源に対して液晶変調素子が設けられ、3色の変調画像をダイクロイックプリズムなどで合成する3板式の液晶表示素子などを採用することができる。
反射型の表示素子としては、例えば、可動保持された微小ミラーが配列されたデジタルマイクロミラーデバイス(DMD、Digital Micromirror Device)や反射型液晶パネル(LCOS、Liquid Crystal On Silicon)などの表示素子を採用することができる。
投影光学系1は、図2に示すように、投影面側(図示左側)から順に、負の屈折力を有する前群Iと、正の屈折力を有する後群IIとを備え、光軸3に対して偏心して配置された表示素子2の表示素子面2a上の画像を、表示素子2の偏心方向と反対側に拡大投影できるようになっている。また、後群IIと表示素子2との間には、表示素子2の保護カバーなどの平行平板18が配置されている。
本実施形態の前群Iは、投影面側から順に、投影面側に凸面を有する負メニスカスレンズからなる第1レンズ10、両凹レンズからなる第2レンズ11、および投影面側に凸面を有する正メニスカスレンズからなる第3レンズ12が配置され、屈折力は、投影面側から順に、負、負、正とされている。これにより全体として負の屈折力を有するように構成されている。
第1レンズ10の凹面10aの曲率半径rは、前群Iの焦点距離をfとしたときに、上記式(1)を満足しており、かつ、凹面10aには、光軸3近傍において入射角0°の入射光に対する凹面10aの反射率R(%)が、上記式(2)、(3)を満足するような反射防止膜が、例えば真空蒸着法などによって、凹面10aの全体に形成されている。
図3に、第1レンズ10の凹面10aに形成された反射防止膜の光軸3近傍における入射角0°の入射光に対する反射率特性の一例を曲線300として示す。また、比較例として、全可視領域光に対して略均等に反射率を低下させる場合の反射率特性の一例を曲線301で示す。
これら曲線300、301のような反射率特性は、いずれもレンズ面上で、高屈折率材料と低屈折率材料とを交互に積層した3層構造のマルチコーティングによって得られたものである。
本実施形態の反射防止膜の反射率R(%)は、曲線300に示すように、波長λが、400nmで、13%であり、400nmから480nmまでの間で略直線的に減少して、480nmで1%となり、480nmから500nmまでの間で、緩やかに減少して、500nmで0.4%となり、500nmから600nmの間で、約0.3%から約0.4%に推移し、600nmから700nmの範囲で、約0.4%から約0.1%に減少するものである。すなわち、可視波長域の境界の波長400nmで13%、440nmから480nmの青紫色および青色の可視波長域の短波長域において、1%〜5%の相対的に高い反射率を有し、緑色から赤色の波長域である500nmから700nmの範囲で、0%以上0.5%以下の相対的に低い反射率を有している。特に赤色の波長域である640nmから700nmの範囲では、約0.25%以下の低反射率となっている。
このため、R光、G光、B光に色分解された入射光に対しては、反射率が略同等の低反射率であるR光、G光に比べて、B光の反射率がやや高くなるようになっている。
これに対して、比較例の反射防止膜の反射率R(%)は、曲線301に示すように、波長λが、400nmで約1.8%であり、400nmから450nmまでの間で0%に減少し、450nmから700nmの間で、0%から0.4%の間で推移する変化を示している。すなわち、可視波長域において、紫色の短波長域を除いて、略均等に低反射率を有している。
このため、R光、G光、B光に色分解された入射光に対しては、それぞれ反射率が略同等の低反射率となっている。
層数が一定のマルチコート反射防止膜では、低反射率の値を最適化すると、各層の屈折率や膜厚を変えることによって低反射率を得る波長範囲は容易に変えることはできるが、低反射率を得る波長範囲の幅はあまり変えることができない。このため、本実施形態の反射防止膜は、比較例の反射率特性を、長波長側に約50nm〜約55nm程度シフトさせた場合に相当している。
本実施形態の後群IIは、投影面側から順に、投影面側に凸面を有するメニスカスレンズを形成する接合レンズ13、両凸レンズを形成する接合レンズ14、投影面側に凸面を有するメニスカスレンズを形成する接合レンズ16、および両凸レンズからなる正レンズ17が配置されてなる。これにより全体として正の屈折率を有するように構成されている。
接合レンズ13は、投影面側にそれぞれ凸面を有するメニスカスレンズである、正レンズ13Aおよび負レンズ13Bが、投影面側からこの順に接合されたものである。
接合レンズ14は、投影面側に凸面を有するメニスカスレンズである負レンズ14Aと両凸レンズからなる正レンズ14Bとが、投影面側からこの順に接合されたものである。
接合レンズ16は、両凸レンズからなる正レンズ16Aと両凹レンズからなる負レンズ16Bとが、投影面側からこの順に接合されたものである。
接合レンズ14と接合レンズ16との間には、絞り15が配置されている。
次に、本実施形態の画像投影装置100の動作について、投影光学系1のフレア光低減作用を中心に説明する。
図4は、図3に示す本実施形態の反射防止膜を設けた場合における凹面の周辺部での反射率特性をシミュレーションした結果を示すグラフである。図5は、図3に示す比較例の反射防止膜を設けた場合における凹面の周辺部での反射率特性をシミュレーションした結果を示すグラフである。図6は、本実施形態の画像投影装置における投影光と側方フレア光との関係を示す模式的な斜視図である。
例えば真空蒸着などで反射防止膜を形成する場合、蒸着材料は、蒸着源から気化されると被蒸着面に対して略一定方向に向かって進む。そのため、式(1)を満足するような曲率半径rが小さい凹面10aでは、光軸3から周辺部に向かうにつれて、蒸着材料が凹面10aの法線に対する入射角度が大きくなるため、この入射角度の増大に応じて、反射防止膜の膜厚が薄くなる傾向がある。
その結果、凹面10aの周辺部での反射率特性は、入射角0°の入射光であっても、図3とは異なる特性を示す。図4に示すのは、このような凹面10aの周辺部での反射率特性をシミュレーションした結果の一例である。
この場合、反射率R(%)は、曲線302に示すように、波長λが400nmで1.77%であり、430nmまでの間で略直線的に0.23%に減少し、さらに緩やかに減少して、450nmで略0%となり、550nmで極大値0.28%をとるまで増大して、650nmで極小値0.12%まで減少し、700nmで0.33%に増大する変化を示す。
すなわち、図3の曲線301と同様に、可視波長域において、紫色の短波長域を除いて、略均等な低反射率を有している。ただし、400nmは、可視波長域の短波長側の境界であり、視感度が略0となる波長である。
これに対して、図3に曲線301として示す比較例の反射防止膜を凹面10aに施した場合、周辺部での反射率特性は、図5の曲線303のようになる。
すなわち、反射率R(%)は、波長λが、400nmから600nmの範囲では、0%〜0.24%で推移するが、600nmから700nmで0.09%から1.43%まで増大している。
このため、R光、G光、B光に色分解された入射光に対しては、反射率が略同等の低反射率であるB光、G光に比べて、R光の反射率がやや高くなるようになっている。
次に、側方フレア光の発生原理について説明する。
側方フレア光は、投影光学系1から投影方向の側方に漏れ、スクリーン160には到達しないフレア光であり、図2に示すフレア光束111のように、絞り15より投影面側の曲率半径が比較的小さい凹レンズ面での反射光が、より表示素子面2a側のレンズ面によって投影面側に反射されて発生するものである。
画像投影装置100では、短い投影距離で大画面を得ることが商品仕様であるため、投影光学系1は、短焦点レンズとなり、投影画側から負、正の屈折力を有する前群I、後群IIが配置されたレトロフォーカス型とすることで、短焦点と短全長を達成している。
負の屈折力を有する前群Iには、投影面側において、例えば第1レンズ10のように、凹面10aを表示素子2側に向けたレンズが存在する。凹面10aは設計上、上記式(1)を満足するような、曲率半径が小さい面になることが多く、凹面10aに対する光線入射角も大きくなる傾向にある。
例えば、表示素子面2a上で光軸3に対して最も離れた位置の表示光、すなわち、表示素子2の偏心方向と反対側の最大画角位置に投影される表示光は、後群IIによって集光された後、表示素子2の偏心方向と逆側に進んで、前群Iの図示上半部を透過し、第1レンズ10のレンズ有効域の最外の周辺部に入射し、投影光110の一部として第1レンズ10から出射される。
一方、凹面10aで反射されるフレア光束111は、集光された後、第2レンズ11の投影面側の凹面11aで反射され、さらに拡散されて、第1レンズ10の図示下半部に入射し、光軸3および投影方向に対して、表示素子2の偏心方向と同方向の側方に出射される。
画像投影装置100は、据え置き型であるため、図1、6に示すように、第1レンズ10から出射されたフレア光束111は、載置台150上に漏れ、明部112を形成する光束となる。
表示素子2は、2次元画像を表示するため、フレア光束111は、図2の奥行き方向にも広がる。このため、明部112は、図6に示すように、ある程度の2次元的な広がりを持つことになる。また、表示画像の変化に応じて、光量や照射領域が変化する。なお、図6の明部112は、2次元的な広がりの一例として模式的に矩形状に描いている。
このため、明部112の近傍の鑑賞者は落ち着いて画像鑑賞に集中できなくなる場合がある。
本実施形態では、凹面10aに反射防止膜を形成しており、特に、周辺部において、R光、G光、B光のいずれに対しても低反射率となるため、フレア光束111の光量を、このような反射防止膜を設けない場合に比べて低減することができる。その結果、明部112を抑制することができ、近傍の鑑賞者が落ち着いて画像鑑賞に集中できるようになる。
また、本実施形態では、遮光部材などを設けることなく、反射防止膜の反射率特性を長波長側にシフトするだけで、側方フレア光の低減効果を得られるため、部品コストを増大させることなく、装置の外観も損なうおそれもない。
すなわち、投影方向の側方に発生するフレア光を簡素な構成によって低減することができる。
なお、表示素子面2a上の光軸3に近い側の表示光は、凹面10aの反射防止膜では、B光成分が増大するため、側方フレア光が発生するおそれがあるが、B光であるため目立ちにくくなっている。
また、特に図示しないが、光軸3に近い光路を通る表示光による側方フレア光の出射方向は、図2のフレア光束111に比べて光軸3に対して浅い角度を有するため、フレア光束111に比べて載置台150に対する入射角は大きくなるため、照度が低くなり、光軸3に対して深い角度の側方に向かうフレア光束111に比べて目立ちにくくなっている。
像面や投影面に発生するフレア光、ゴースト光を低減するために、反射防止膜を設けることはよく知られているが、このようなフレア光、ゴースト光は、レンズの周辺部の反射光が原因ではないため、上述した比較例のように、光軸上を進む光の可視領域光の反射率を略均等に低減する反射防止膜を設けていたものである。
このような比較例の反射防止膜の場合には、凹面10aの周辺部で反射される際に、B光、G光の成分は低反射率となるが、本実施形態に比べてR光の反射率が高くなるため、明部112は目立ちやすいR光の成分が強くなり、低光量であっても鑑賞者の目にとまりやすくなってしまう。
なお、本実施形態では、波長400nmの反射率Rが13%の例で説明したが、波長500nmの反射率Rが0.5%以下となるような反射防止膜であれば、0.5%から数十nmの範囲で徐々に反射率が増大してから直線的に増大する変化を示す。そのため、400nm≦λ≦480nmの反射率Rの最大値は、実質的に波長400nmにおける反射率Rから決まる。視感度が略0となる波長400nmの反射率Rは、13%より大きくても何ら問題はない。側方フレア光が目立つほどB光の反射率が大きくならない範囲としては、20%以下であればよい。
次に、本実施形態の変形例に係る投影光学系1Aについて説明する。
図7は、本発明の実施形態の変形例に係る投影光学系の概略構成および側方フレア光の光路を示す光軸を含む断面における光線図である。
本変形例の投影光学系1Aは、図7に示すように、上記実施形態の投影光学系1とほぼ同様の光学性能を有する他のレンズ構成で、凹面がより大きな曲率半径を有する場合の例である。
投影光学系1は、投影面側から順に、負の屈折力を有する前群Iと、正の屈折力を有する後群IIとを備え、光軸3に対して偏心して配置された表示素子2の表示素子面2a上の画像を、表示素子2の偏心方向と反対側に拡大投影できるようになっている。また、後群IIと表示素子2との間には、上記実施形態と同様の平行平板18が配置されている。
投影光学系1Aの前群Iは、投影面側から順に配置された、投影面側に凸面を有する負メニスカスレンズからなる第1レンズ20、投影面側に凸面を有するメニスカスレンズを形成する接合レンズ21、および両凹レンズからなる第3レンズ22からなる。
接合レンズ21は、それぞれ投影面側に凸面を有するメニスカスレンズである、正レンズ21Aおよび負レンズ21Bが、投影面側からこの順に接合されたものである。
これにより、屈折力が、投影面側から、負、負、負となり、全体として負の屈折力を有するように構成される。
第1レンズ20の凹面20aの曲率半径rは、前群Iの焦点距離をfとしたときに、上記式(1)を満足しており、かつ、凹面20aには、光軸3近傍において入射角0°の入射光に対する凹面20aの反射率R(%)が、上記式(2)、(3)を満足するような反射防止膜が、例えば真空蒸着法などによって、凹面20aの全体に形成されている。
本変形例の後群IIは、投影面側から順に配置された、両凸レンズからなる正レンズ23、投影面側に凹面を有するメニスカスレンズを形成する接合レンズ24、両凸レンズからなる正レンズ26、投影面側に凸面を有するメニスカスレンズを形成する接合レンズ27、および両凸レンズからなる正レンズ28からなり、全体として正の屈折率を有するように構成される。
接合レンズ24は、両凹レンズからなる負レンズ24Aと両凸レンズからなる正レンズ24Bとが、投影面側からこの順に接合されたものである。
接合レンズ27は、両凸レンズからなる正レンズ27Aと両凹レンズからなる負レンズ27Bとが、投影面側からこの順に接合されたものである。
接合レンズ24と正レンズ26との間には、絞り25が配置されている。
投影光学系1Aによれば、例えば、表示素子面2a上で光軸3に対して最も離れた位置の表示光、すなわち、表示素子2の偏心方向と反対側の最大画角位置に投影される表示光は、後群IIによって集光された後、表示素子2の偏心方向と逆側に進んで、前群Iの図示上半部を透過し、第1レンズ10のレンズ有効域の最外の周辺部に入射、投影光110の一部として第1レンズ20から出射される。
そして、凹面20aで反射されるフレア光束113は、集光されつつ、接合レンズ21の凸面21a、接合面21bを透過し、凹面21cで内部反射され、拡散されながら、接合面21b、凸面21aを透過し、第1レンズ20の図示下側の中間部に入射し、光軸3および投影方向に対して、表示素子2の偏心方向と同方向の側方に出射される。
このフレア光束113は、上記実施形態と同様に載置台150上に漏れ、明部112を形成する光束となる。
ただし、本変形例では、凹面20aに反射防止膜を形成しており、上記実施形態と同様に、周辺部において、R光、G光、B光のいずれに対しても低反射率となるため、フレア光束113の光量を、このような反射防止膜を設けない場合に比べて低減することができる。その結果、明部112を抑制することができ、近傍の鑑賞者が落ち着いて画像鑑賞に集中できるようになる。
なお、上記の説明では、反射防止膜を、前群の負レンズにおける表示素子側に向いた凹面のうち最も投影面側に位置する面に形成した場合の例で説明したが、例えば、表示素子側のレンズ構成などに応じて、より効率的に側小フレア光を低減できるような上記式(1)を満足する負レンズの凹面があれば、この凹面に反射防止膜を設けてもよい。
また、上記の説明では、本発明の投影光学系を用いる画像投影装置が、側方フレア光が載置台などに漏れると目立ちやすい据え置き型の画像投影装置の例で説明したが、画像投影装置は、据え置き型に限定されない。例えば、天井や壁部に設けられる画像投影装置であっても、側方フレア光が漏れることで、近傍の天井や壁部、あるいは鑑賞者に到達して、鑑賞の妨げとなる可能性があり、本発明によれば同様にして、これらの側方フレア光を低減することができる。
ここで、上記各実施形態の用語と特許請求の範囲の用語との対応関係について名称が異なる場合について説明する。
固定脚101a、調整脚101bは、それぞれ支持脚部の一実施形態である。スクリーン160は、投影面を構成する。
次に、上記に説明した実施形態の投影光学系1に係る実施例1について図2を参照して説明する。
下記に実施例1の投影光学系1の構成パラメータを示す。ただし、光学設計の便宜上、スクリーン160から表示素子2へ、光線が逆に向かうとした場合の構成パラメータである。また、スクリーン160からレンズの第1面までの距離は1800mmである(以下の第2実施例2も同様)。
焦点距離Fは、19.8mm、Fナンバーは、2.0、半画角ωは、28.9度である。また、前群Iの焦点距離fは、−30.7mmである。したがって、上記式(1)の値は、レンズ面2に対して、|r/f|=0.41である。
図2に表記されたr、d(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのr、dに対応する。長さの単位は、(mm)である。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。
面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数
1 r1 = 20.138 d1 = 1.900 n1 = 1.6970 ν1 = 48.5
2 r2 = 12.487 d2 = 8.000
3 r3 = -96.300 d3 = 1.500 n2 = 1.8061 ν2 = 40.7
4 r4 = 24.900 d4 = 1.432
5 r5 = 31.858 d5 = 3.800 n3 = 1.8467 ν3 = 23.8
6 r6 =-924.720 d6 = 4.755
7 r7 = 17.394 d7 = 5.600 n4 = 1.8160 ν4 = 46.6
8 r8 = 75.280 d8 = 1.500 n5 = 1.6200 ν5 = 36.3
9 r9 = 13.012 d9 = 4.360
10 r10= 36.153 d10= 1.500 n6 = 1.8467 ν6 = 23.8
11 r11= 19.550 d11= 4.600 n7 = 1.6910 ν7 = 54.7
12 r12= -27.286 d12= 0.450
13 r13= ∞(絞り) d13= 0.000
14 r14= 14.594 d14= 5.900 n8 = 1.7995 ν8 = 42.3
15 r15= 433.310 d15= 1.600 n9 = 1.7283 ν9 = 28.3
16 r16= 10.259 d16=14.435
17 r17= 34.320 d17= 7.800 n10= 1.7725 ν10= 49.6
18 r18= -89.770 d18= 2.280
19 r19= ∞ d19= 3.000 n11= 1.4874 ν11= 64.8
20 r20= ∞ d20= 0.550
21 ∞(表示素子面)
次に、上記に説明した実施形態の変形例の投影光学系1Aに係る実施例2について図7を参照して説明する。
焦点距離Fは、19.6mm、Fナンバーは、2.0、半画角ωは、29.8度である。また、前群Iの焦点距離fは、−24.2mmである。したがって、上記式(1)の値は、レンズ面2に対して、|r/f|=0.70である。
図7に表記されたr、d(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのr、dに対応する。長さの単位は、(mm)である。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。
非球面形状は、面の頂点を原点とし、hを光軸からの高さとしたとき、光軸方向の変位量Z(h)として、次式で与えられる。
Figure 2009151078
ここで、Rは曲率半径、Kは円錐係数、A、B、C、D、Eは非球面係数を表す。
下記に実施例2の投影光学系の構成パラメータを示す。
面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数
1 r1 = 30.425 d1 = 1.800 n1 = 1.5163 ν1 = 64.1
2 r2 = 16.974 d2 = 2.704
3 r3 = 22.659 d3 = 5.336 n2 = 1.8467 ν2 = 23.8
4 r4 = 63.595 d4 = 1.500 n3 = 1.4970 ν3 = 81.6
5 r5 = 12.008 d5 = 6.555
6 r6 = -39.327 d6 = 1.500 n4 = 1.7863 ν4 = 25.8
7 r7 = 370.532 d7 = 3.372
8 r8 = 126.829 d8 = 3.614 n5 = 1.7292 ν5 = 54.7
9 r9 = -24.877 d9 = 4.598
10 r10= -13.320 d10= 1.500 n6 = 1.7532 ν6 = 27.2
11 r11= 17.475 d11= 4.965 n7 = 1.8350 ν7 = 43.0
12 r12= -20.256 d12= 0.200
13 r13= ∞(絞り) d13= 0.000
14 非球面[1] d14= 4.036 n8 = 1.8061 ν8 = 40.9
15 非球面[2] d15= 0.200
16 r16= 0.000 d16= -0.000
17 r17= 188.265 d17= 3.363 n9 = 1.8052 ν9 = 25.4
18 r18= -27.041 d18= 1.500 n10= 1.8010 ν10= 35.0
19 r19= 11.927 d19=14.710
20 r20= 25.305 d20= 8.350 n11= 1.6031 ν11= 60.7
21 r21=-120.000 d21= 1.710
22 r22= ∞ d22= 3.000 n12= 1.4874 ν12= 64.8
23 r23= ∞ d23= 0.468
24 ∞(表示素子面)
非球面[1]
R 18.201
K -0.430
A -1.337x10-5 B 3.383x10-7 C -1.275x10-8
D 2.306x10-10 E -1.883x10-12
非球面[2]
R -28.885
K -3.961
A 3.131x10-5 B 2.236x10-7 C -1.154x10-8
D 1.960x10-10 E -1.608x10-12
本発明の実施形態に係る投影光学系を用いた画像投影装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る投影光学系の概略構成および側方フレア光の光路を示す光軸を含む断面における光線図である。 本発明の実施形態に係る投影光学系の凹面に形成する反射防止膜の光軸近傍における反射率特性の一例および比較例の反射率特性を示すグラフである。 図3に示す本実施形態の反射防止膜を設けた場合における凹面の周辺部での反射率特性をシミュレーションした結果を示すグラフである。 図3に示す比較例の反射防止膜を設けた場合における凹面の周辺部での反射率特性をシミュレーションした結果を示すグラフである。 本実施形態の画像投影装置における投影光と側方フレア光との関係を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態の変形例に係る投影光学系の概略構成および側方フレア光の光路を示す光軸を含む断面における光線図である。
符号の説明
1、1A 投影光学系
2 表示素子
2a 表示素子面
3 光軸
10、20 第1レンズ
11 第2レンズ
10a、20a 凹面
11a、21c 凹面
21 接合レンズ
21a 凸面
21b 接合面
100 画像投影装置
101a 固定脚(支持脚部)
101b 調整脚(支持脚部)
102 投影ユニット
110 投影光
111、113 フレア光束(側方フレア光)
112 明部
150 載置台
160 スクリーン(投影面)
I 前群
II 後群

Claims (2)

  1. 表示素子上の画像を拡大投影する投影光学系であって、
    投影面側から順に、負の屈折力を有する前群と、正の屈折力を有する後群とを有し、
    前記前群には、
    前記表示素子側に向けられた凹面を有する負レンズが設けられ、
    前記凹面は、
    曲率半径rが次式(1)を満足し、かつ、前記凹面の光軸近傍の入射角0°の入射光に対する反射率R(%)が、次式(2)、(3)を満足する反射防止膜が形成されていることを特徴とする投影光学系。
    0.4<|r/f|<0.7 ・・・(1)
    1.0≦R≦20 (400nm≦λ≦480nmにおいて) ・・・(2)
    0≦R≦0.5 (500nm≦λ≦700nmにおいて) ・・・(3)
    ここで、fは、前記前群の焦点距離、λは、前記入射光の波長を表す。
  2. 画像を表示する表示素子と、
    請求項1に記載の投影光学系とを備えてなる画像投影装置。
JP2007328618A 2007-12-20 2007-12-20 投影光学系および画像投影装置 Pending JP2009151078A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328618A JP2009151078A (ja) 2007-12-20 2007-12-20 投影光学系および画像投影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328618A JP2009151078A (ja) 2007-12-20 2007-12-20 投影光学系および画像投影装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009151078A true JP2009151078A (ja) 2009-07-09

Family

ID=40920283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007328618A Pending JP2009151078A (ja) 2007-12-20 2007-12-20 投影光学系および画像投影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009151078A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015212822A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 株式会社ニコン 光学系、該光学系を備えた撮像装置、光学系の製造方法
JP2015212821A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 株式会社ニコン 光学系、該光学系を備えた撮像装置、光学系の製造方法
WO2017204364A1 (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 日立マクセル株式会社 撮像レンズ系及び撮像装置
CN112912689A (zh) * 2019-09-19 2021-06-04 纬哲纽咨信息咨询有限公司 能见度推断装置、能见度推断方法以及记录介质

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015212822A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 株式会社ニコン 光学系、該光学系を備えた撮像装置、光学系の製造方法
JP2015212821A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 株式会社ニコン 光学系、該光学系を備えた撮像装置、光学系の製造方法
WO2017204364A1 (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 日立マクセル株式会社 撮像レンズ系及び撮像装置
CN112912689A (zh) * 2019-09-19 2021-06-04 纬哲纽咨信息咨询有限公司 能见度推断装置、能见度推断方法以及记录介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5365155B2 (ja) 投射型画像表示装置および投射光学系
JP6270128B2 (ja) 投射光学系および画像投射装置
KR20050091064A (ko) 픽셀라이즈된 패널들에 사용하기 위한 포개진 텔레센트릭프로젝션렌즈
JP2006504120A (ja) リアプロジェクション表示装置
JP2008090200A (ja) ズームレンズおよび投射型画像表示装置
US20110075108A1 (en) Projection display device
US11003061B2 (en) Image display apparatus and projection optical system
JP2010122574A (ja) 投射型画像表示装置および投射光学系
JP2005181993A (ja) 投影レンズ
JP2009058583A (ja) 投写光学系および画像投写装置
JP2010237605A (ja) 投写用広角ズームレンズおよび投写型表示装置
JP2013125168A (ja) 光学ユニット及びプロジェクタ
JP2005202346A (ja) 投写光学装置及びそれを用いた画像表示装置
JP2010054693A (ja) 投影レンズおよびこれを用いた投写型表示装置
JP2011081072A (ja) 小型プロジェクタ用投射レンズ
JP2009151078A (ja) 投影光学系および画像投影装置
JP2011138086A (ja) 投写光学系およびプロジェクター
JP6072720B2 (ja) 投写レンズ及び投写型表示装置
JP2006184723A (ja) ズームレンズおよび光学機器
JP2017219630A (ja) 投射用ズームレンズおよび投射型画像表示装置
JP6784564B2 (ja) 投射用ズームレンズおよび投射型画像表示装置
JP6784563B2 (ja) 投射用ズームレンズおよび投射型画像表示装置
KR20180088249A (ko) 초단초점 프로젝터 장치
JP6167492B2 (ja) 画像表示装置
JPH05150158A (ja) 投写レンズおよび投写型表示装置