JP2009150834A - タイヤ空気圧推定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車において、空気圧センサを用いず安価に各車輪の高精度なタイヤ空気圧を求めること。
【解決手段】コントローラ50が、操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115、及び、加速度センサ117の出力と、ROM52に記憶された電気自動四輪車の路面から重心点までの高さの値、電気自動四輪車の重心点によるホイールベースの内分比の値、及び、タイヤデータTDと、路面の所与の摩擦係数μとを用いて、電気自動四輪車のスリップ角β、車速V、各車輪のスリップ率Ki 、実横力FYi、コーナリングスティフネスKy(kf,kr)、接地荷重FZ 、及び、コーナリングパワーCpを演算し、このコーナリングパワーCpから、ROM52の相関データを用いて各車輪のタイヤ空気圧Tpを検出、推定する。
【選択図】図1
【解決手段】コントローラ50が、操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115、及び、加速度センサ117の出力と、ROM52に記憶された電気自動四輪車の路面から重心点までの高さの値、電気自動四輪車の重心点によるホイールベースの内分比の値、及び、タイヤデータTDと、路面の所与の摩擦係数μとを用いて、電気自動四輪車のスリップ角β、車速V、各車輪のスリップ率Ki 、実横力FYi、コーナリングスティフネスKy(kf,kr)、接地荷重FZ 、及び、コーナリングパワーCpを演算し、このコーナリングパワーCpから、ROM52の相関データを用いて各車輪のタイヤ空気圧Tpを検出、推定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気自動車等の各車輪を独立して駆動制御する車両に係り、特に、各車輪のタイヤ空気圧をタイヤ内の空気圧センサによらずに推定するタイヤ空気圧推定システムに関する。
車両において各車輪のタイヤ空気圧を監視することは、車両の安全走行を確保する上で極めて重要である。そこで、近年では、TPMS(直接式タイヤ空気圧監視システム)という、各車輪のタイヤ内に配設した空気圧センサを用いて各車輪のタイヤ空気圧を直接的に測定するシステムが提供されている、このシステムでは、測定したタイヤ空気圧をタイヤの外にある車両側のECU(電気制御ユニット)側に無線で送信するようにしている(例えば、特許文献1)。
特開2007−245982号公報
上述したTPMSシステムは、タイヤ内の空気圧センサによって直接タイヤ空気圧を測定するものであるから測定精度が高く、測定したタイヤ空気圧を用いて各種の監視や制御を行う上で、その精度を向上させることができるというメリットがある。
その反面、振動の影響が避けられないタイヤ内においてタイヤ空気圧を正確に測定するために高価な空気圧センサを用いる必要があり、また、測定結果をタイヤ外のECU側に伝送するための無線送受信手段が必要となる。これらの設備はいずれも、タイヤ空気圧の測定のみに用いられるものであり、そのことが、タイヤ空気圧の測定コストを高め、車掌の価格にまで影響を及ぼす結果を招いている。
また、各車輪のタイヤにそれぞれ加わる回転振動を基にしてタイヤ空気圧を推定する研究も一部進められているが、回転振動とタイヤ空気圧との相関性には誤差が多く、実用レベルで運用するまでには至っていない。
ところで、近年、車両の走行安定性をさらに向上させることを目的として、それぞれ独立して駆動される車輪を直接ヨーモーメント制御する車両の研究、開発が進められている。そのような車両においては、直接ヨーモーメント制御を行うために必要なパラメータの情報取得のために、従来の車両にはないセンサ類が新たに搭載されることになる。
これらのセンサ類は、既存のセンサ類にはない側面から見た車両の情報や、既存のセンサ類では把握できなかった車両の情報を含んでいる場合がある。そのため、これらのセンサ類によって取得される情報は、直接ヨーモーメント制御以外の目的にも多面的に積極活用することが好ましい。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、専用の高価なセンサ類を用いることなく各車輪のタイヤ空気圧を実用的な高レベルの精度で推定することができるタイヤ空気圧推定システムを提供することにある。
上述した課題を解決するため、請求項1に記載した本発明のタイヤ空気圧推定システムは、車両のそれぞれ独立して駆動制御される複数の車輪のタイヤ空気圧を各々推定するためのシステムであって、前記車両にかかる前後及び横の各加速度を検出する車両加速度検出手段と、前記車両加速度検出手段が検出する前記車両の横加速度と、前記車両のヨーレートセンサが検出する該車両のヨーレートと、前記車両の速度とから、前記車両のスリップ角を演算するスリップ角演算手段と、前記車両の速度と各車輪の速度とから、該各車輪のスリップ率をそれぞれ演算するスリップ率演算手段と、前記スリップ率演算手段が演算する前記各車輪のスリップ率と、前記車両の記憶手段に記憶された、前記各車輪に生じる前後力及び横力の関係をそれぞれ示すタイヤデータとから、前記各車輪にそれぞれ生じさせている実横力を演算する実横力演算手段と、前記スリップ角演算手段が演算する前記車両のスリップ角と、前記実横力演算手段が演算する前記各車輪の実横力とに基づいて、該各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーをそれぞれ演算するコーナリング系パラメータ演算手段と、前記車両加速度検出手段が検出する前記車両の前後及び横の各加速度と、前記記憶手段に記憶された、前記各車輪が転動する路面からの前記車両の重心の高さと、前記記憶手段に記憶された、前記車両の重心による該車両のホイールベースの内分比とから、前記各車輪の接地荷重をそれぞれ演算する接地荷重演算手段と、前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーと、前記各車輪の接地荷重との関係を、前記各車輪のタイヤ空気圧の複数に区分された各区分領域毎にそれぞれ定義する、前記記憶手段に記憶された複数の相関データのうち、前記コーナリング系パラメータ演算手段によって演算された前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値を、前記接地荷重演算手段によって演算された前記各車輪の接地荷重の値に対応する前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値として定義している特定の相関データを判別し、判別した前記特定の相関データに対応する前記区分領域を、前記各車輪のタイヤ空気圧としてそれぞれ推定する空気圧推定手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載した本発明のタイヤ空気圧推定システムによれば、空気圧推定手段が、各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーと各車輪の接地荷重との関係を各車輪のタイヤ空気圧の各区分領域毎にそれぞれ定義する複数の相関データを用いて、各車輪のタイヤ空気圧を推定するのに必要な入力は、コーナリング系パラメータ演算手段が演算する各車輪のコーナリングパワーと、接地荷重演算手段が演算する各車輪の接地荷重とである。
そして、コーナリング系パラメータ演算手段が各車輪のコーナリングパワーを演算する場合に必要な入力は、各車輪のコーナリングスティフネスと、接地荷重演算手段が演算する各車輪の接地荷重と、路面の所与の摩擦係数とである。
一方、コーナリング系パラメータ演算手段が各車輪のコーナリングスティフネスを演算するのに必要な入力は、スリップ角演算手段が演算する車両のスリップ角と、実横力演算手段が演算する各車輪の実横力とである。
また、接地荷重演算手段が、記憶手段に記憶された、各車輪が転動する路面からの車両の重心の高さと、車両の重心による該車両のホイールベースの内分比とを用いて、各車輪の接地荷重をそれぞれ演算するのに必要な入力は、車両加速度検出手段が検出する車両の前後及び横の各加速度である。
そして、車両のスリップ角をスリップ角演算手段が演算するのに必要な入力は、車両の速度と、車両加速度検出手段が検出する車両の横加速度と、ヨーレートセンサが検出する車両のヨーレートとである。
また、実横力演算手段が、記憶手段に記憶された、各車輪に生じる前後力及び横力の関係をそれぞれ示すタイヤデータを用いて、各車輪の実横力を演算するのに必要な入力は、スリップ率演算手段が演算する各車輪のスリップ率である。
ここで、スリップ率演算手段が各車輪のスリップ率を演算するのに必要な入力は、車両の速度と各車輪の速度とである。
即ち、以上を整理すると、各車輪のタイヤ空気圧の推定に必要とする要素は、車両加速度検出手段が検出する車両の前後及び横の各加速度、車両の速度、各車輪の速度、そして、記憶手段に記憶された、各車輪が転動する路面からの車両の重心の高さ、車両の重心による該車両のホイールベースの内分比、各車輪に生じる前後力及び横力の関係をそれぞれ示すタイヤデータ、及び、各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーと各車輪の接地荷重との関係を各車輪のタイヤ空気圧の複数に区分された各区分領域毎にそれぞれ定義する複数の相関データ、ということになる。
以上の要素は、タイヤ空気圧の各区分領域毎の複数の相関データを除いて全て、複数の車輪を独立して駆動する車両において、各車輪の駆動を直接ヨーモーメント制御するのに必要とされる要素である。したがって、各車輪の駆動を直接ヨーモーメント制御する車両であれば、それに必要な入力を取得する要素と、タイヤ空気圧の各区分領域毎の複数の相関データとを用いて、各車輪のタイヤ空気圧を推定できることになる。
そして、それらの要素を用いて推定した各車輪のタイヤ空気圧は、タイヤ空気圧の区分領域に応じて個別に存在する、各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーと各車輪の接地荷重との間の一定の相関性を利用し、タイヤデータを用いて演算した各車輪の実横力に基づいて演算される各車輪のコーナリングスティフネス、又は、そのコーナリングスティフネスと、接地荷重演算手段が演算する各車輪の接地荷重と、路面の所与の摩擦係数とに基づいて演算されるコーナリングパワーから求めたものである。
したがって、タイヤデータが反映された高い精度の各車輪のタイヤ空気圧を、タイヤの内部に高価なセンサを配置したり、タイヤ内部のセンサの出力をタイヤ外部の制御ユニット側に無線で送受信するための設備を用いることなく、安価に推定することができる。
また、請求項2に記載した本発明のタイヤ空気圧推定システムは、請求項1に記載した本発明のタイヤ空気圧推定システムにおいて、前記各相関データが、前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値、若しくは、その範囲と、前記各車輪の接地荷重の値、若しくは、その範囲とを関連付けて、前記各区分領域別にそれぞれ前記記憶手段に記憶されたテーブルで構成されており、前記空気圧推定手段は、前記コーナリング系パラメータ演算手段によって演算された前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値と前記接地荷重演算手段によって演算された前記各車輪の接地荷重の値とが関連付けられた特定のテーブルを、前記記憶手段に記憶された前記各区分領域別のテーブルから検索し、検索した前記特定のテーブルに対応する前記区分領域を、前記各車輪のタイヤ空気圧としてそれぞれ推定することを特徴とする。
請求項2に記載した本発明のタイヤ空気圧推定システムによれば、請求項1に記載した本発明のタイヤ空気圧推定システムにおいて、各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値、若しくは、その範囲と、各車輪の接地荷重の値、若しくは、その範囲とを関連付けて、各区分領域別にそれぞれ記憶手段に記憶されたテーブルのうち、コーナリング系パラメータ演算手段によって演算された各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値が、接地荷重演算手段によって演算された各車輪の接地荷重の値に対応する各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値として定義されている特定のテーブルを検索することで、空気圧推定手段による各車輪のタイヤ空気圧の推定が行われることになる。
したがって、現在の各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値と現在の各車輪の接地荷重の値とが関連付けられているテーブルを、記憶手段の各区分領域別のテーブルから検索するという軽便な構成乃至処理によって、空気圧推定手段による各車輪のタイヤ空気圧の推定動作を実行できるようにすることができる。
本発明のタイヤ空気圧推定システムによれば、例えば、各車輪を直接ヨーモーメント制御によって駆動制御する車両であれば、その制御に必要な要素のみを用いて求めた各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーを基にして、各車輪のタイヤ空気圧を推定できることになる。したがって、タイヤの内部に高価なセンサを配置したり、タイヤ内部のセンサの出力をタイヤ外部の制御ユニット側に無線で送受信するための設備を用いることなく、各車輪のタイヤ空気圧を実用に適した十分な精度で安価に推定することができる。
次に、本発明のタイヤ空気圧推定システムが適用される、本発明の背景としての電気自動車の駆動システムの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(電気自動四輪車の全体概略構成)
図4は、本発明のタイヤ空気圧推定システムが適用される電気自動四輪車10の一例の概略斜視図である。電気自動四輪車10は、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの内側に電気モータ、いわゆるインホイールモータをそれぞれ備える。つまり、電気自動四輪車10は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)を別個独立したインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって駆動する。
図4は、本発明のタイヤ空気圧推定システムが適用される電気自動四輪車10の一例の概略斜視図である。電気自動四輪車10は、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの内側に電気モータ、いわゆるインホイールモータをそれぞれ備える。つまり、電気自動四輪車10は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)を別個独立したインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって駆動する。
また、電気自動四輪車10は、車両制御装置100を備える。車両制御装置100は、左右の車輪の駆動力または制動力(以下、駆動力と制動力とを総称して「制駆動力」又は「前後力」と呼ぶことがある。)の差を用いて直接ヨーモーメントを発生させる、いわゆる直接ヨーモーメント制御(DYC)によって、電気自動四輪車10の挙動を制御する。車両制御装置100には、電気自動四輪車10の各種状態(例えば、操舵角)を検出するセンサ部110が接続される。
この例では、車両制御装置100と、センサ部110と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
(電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック構成)
図7は、本発明のタイヤ空気圧推定システムを実施するのに適した図4の電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック構成図である。上述したように、車両制御装置100と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
図7は、本発明のタイヤ空気圧推定システムを実施するのに適した図4の電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック構成図である。上述したように、車両制御装置100と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
車両制御装置100は、フィードフォワードモーメント演算部121、目標ヨーモーメント演算部123、ヨーモーメント演算部125、PIDコントローラ127、駆動力演算部129、及び電気モータ制御部131によって構成される。
この例では、目標ヨーモーメント演算部123が、目標モデルとして二輪モデルを用いている。また、駆動力演算部129における駆動力の演算では、いわゆる「最適制御」が取り入れられている。
具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最小にするように補正量δK を決定する。また、本実施形態では、車両ヨーモーメント(M)、車両横力(FY )、車両前後力(FX )、タイヤスリップ率(K)及びタイヤ稼働率(η)の配分誤差が用いられる。なお、車両制御装置100による駆動力の制御の詳細については、後述する。
センサ部110は、操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115及び加速度センサ117によって構成される。
操舵角センサ111は、電気自動四輪車10の前輪、具体的には、車輪20FL及び車輪20FRの操舵角を検出する。この操舵角は、ハンドル角を検知しこれをステアリングギヤ比で割って演算により検出することもできる。車速センサ113は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)の回転数に基づいて、それぞれの車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転速度を検出し、かつ、それに基づいて、電気自動四輪車10(図8参照)の車速Vを検出する。
ヨーレートセンサ115は、電気自動四輪車10(図8参照)におけるヨーレートを検出する。加速度センサ117は、電気自動四輪車10に生じている前後方向(図8のx方向)の加速度(加速度aX )、及び横方向(図8のy方向)の加速度(加速度aY )を検出する。
次に、車両制御装置100を構成する各機能ブロックについて、図7を参照して説明する。
(1)フィードフォワードモーメント演算部121
フィードフォワードモーメント演算部121は、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。具体的には、フィードフォワードモーメント演算部121は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。
フィードフォワードモーメント演算部121は、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。具体的には、フィードフォワードモーメント演算部121は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。
まず、フィードフォワードモーメント演算部121における具体的な演算方法の説明に先立って、電気自動四輪車10のヨーレートγについて説明する。電気自動四輪車10では、ヨーレートγは、(1式)のように表すことができる。
また、図8は、電気自動四輪車10を3方向(x方向、y方向、及び回転方向)に自由度を有する四輪モデルとして模式的に示している(つまり、ローリングは考慮していない)。図8に示すように、(1式)におけるδは実操舵角である。この例では、ハンドル角を検知しこれをステアリングギヤ比で割って演算により検出した実操舵角を用いている。また、l(lf+lr)はホイールベースである。ここで、lf(前)及びlr(後)は、電気自動四輪車10の重心点CGによるホイールベースlの内分比である。また、mは車両質量、kfは前輪のコーナリングスティフネス、krは後輪のコーナリングスティフネスである。
この例では、車両制御装置100は、DYCを用い、電気自動四輪車10のステアリング特性がニュートラルステアとなるように各車輪の制駆動力(前後力)を制御する。(1式)より、ニュートラルステア時のヨーレートγNSは、(2式)のように表すことができる。
ここで、Δγは、電気自動四輪車10のステアリング特性をニュートラルステアにするために必要なヨーレートの増減量である。次に、電気自動四輪車10のスタビリティファクターK、及び車両制御装置100(DYC)への入力に対するヨーレートγ(0)は、(3式)のように表すことができる。
ここで、Gff(V)は、フィードフォワードゲインである。
(2)目標ヨーモーメント演算部123
図7に示す目標ヨーモーメント演算部123は、目標ヨーモーメントMd を演算する。具体的には、目標ヨーモーメント演算部123は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、目標ヨーモーメントMd を演算する。目標ヨーモーメントMd は、(5式)及び(5’式)のように表すことができる。
図7に示す目標ヨーモーメント演算部123は、目標ヨーモーメントMd を演算する。具体的には、目標ヨーモーメント演算部123は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、目標ヨーモーメントMd を演算する。目標ヨーモーメントMd は、(5式)及び(5’式)のように表すことができる。
ここで、横力Yfは、前輪(車輪20FL及び車輪20FR)に生じる横力(コーナリングフォース)である。また、横力Yrは、後輪(車輪20RL及び車輪20RR)に生じる横力(コーナリングフォース)である。また、ヨーレートγNS、ニュートラルステア時のすべり角βNS、及び操舵角δとの関係は、(6式)のように表すことができる。
ここで、Gd(V)は、目標ヨーモーメントゲインである。さらに、この例では、kf=lr/lf・krを代入している。
(3)ヨーモーメント演算部125及びPIDコントローラ127
ヨーモーメント演算部125は、電気自動四輪車10の挙動を制御するために用いられる電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。具体的には、ヨーモーメント演算部125は、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。
ヨーモーメント演算部125は、電気自動四輪車10の挙動を制御するために用いられる電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。具体的には、ヨーモーメント演算部125は、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。
また、PIDコントローラ127は、目標ヨーモーメント演算部123によって演算された目標ヨーモーメントMd 及びヨーモーメント演算部125によって演算されたヨーモーメントをフィードバックさせるコントローラである。
PIDコントローラ127(フィードバック補償器)は、目標ヨーモーメント演算部123において用いられる目標モデルとの誤差がなくなるようにヨーモーメントをフィードバックさせる。具体的には、PIDコントローラ127は、(8式)に基づいて動作する。
ここで、MFBは、フィードバックヨーモーメント、Mは、制御対象である電気自動四輪車10に生じているヨーモーメントである。また、KP は比例ゲイン、KI は積分ゲイン、KD は微分ゲインである。さらに、(9式)が成立する。
ME は、ヨーモーメント誤差である。この例では、ヨーモーメント誤差ME を、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなるために制御すべきヨーモーメントMDYC とする。
Fxfl ,Fxfr ,Fxrl 及びFxrr は、各車輪の前後力(前後力Fxi)である。Fyfl ,Fyfr ,Fyrl 及びFyrr は、各車輪の横力(横力Fyi)である。Iは、電気自動四輪車10のヨー方向の慣性モーメントである。dは、電気自動四輪車10のトレッド幅である。また、u,νは、x,y方向(図8参照)の速度成分である。
ここで、r(摩擦円半径)またはa,b(摩擦楕円の幅及び高さ)が分かれば、各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiを演算することができる。さらに、垂直方向も考慮すると、接地荷重FZ は、(12式)のように表すことができる。
(11式)及び(12式)から、(1)各車輪のrまたはa,b、(2)各車輪の前後力初期値FXOi ,横力初期値FYOi 、(3)各車輪の傾き係数α(摩擦係数μ対スリップ率λ特性を示す曲線の傾きに応じて定まる係数)が分かれば、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの前後力Fxi及び横力Fyiを演算することができる。
なお、この例では、上述した各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiを求めるため、マジックフォーミュラ(MF)に基づくデータをタイヤデータTDとして使用する。
次に、電気自動四輪車10の走行に伴う垂直荷重(Wx,Wy)の変化について考える。図9は、電気自動四輪車10の加減速に伴う車両前後方向の垂直荷重が変化する様子を説明する説明図である。図10は、電気自動四輪車10のコーナリングに伴う車幅方向の垂直荷重が変化する様子を説明する説明図である。
ここで、Hは、路面から重心点CGまでの高さである。よって、前後方向の加速度aX 及び横方向の加速度aY を測定すれば、(14’式)によって、各車輪の垂直荷重、つまり、接地荷重FZ を求めることができる。
ここで、FZ0i は各車輪の1G(静的)状態における垂直荷重である。次に、前後力Fxiについて考えると、電気自動四輪車10は、電気モータ(インホイールモータ)を用いるため、前後力Fxiは、一般式で(15式)のように表すことができる。
ここで、τは時定数、Fx0は静トルクである。
なお、車輪20FL,20FR,20RL,20RR(具体的には、空気入りタイヤ)が転動する路面の摩擦係数μは、(17式)に基づいて推定される。また、摩擦係数μの前後方向成分、即ち、前後方向の摩擦係数μx や、摩擦係数μの横方向成分、即ち、横方向の摩擦係数μy は、(17’式)、(17’’式)、(17’’’式)によって推定される。
ここで、Fμは路面と空気入りタイヤとの摩擦力である。(17式)に示すように、前後力Fx 及び接地荷重FZ が分かれば、前後方向の摩擦係数μx が推定できる。横方向の摩擦係数μy は、タイヤデータから演算される各車輪の実横力Fyiを使用して、(17’’式)から演算できる。よって、摩擦係数μは、(17’’’式)から推定できる。つまり、加速については、電気モータ(インホイールモータ)のトルクを用いて検出できる。また、減速については、電気自動四輪車10の制動装置の油圧に基づいて演算した減速トルクを用いて検出できる。なお、この例では、摩擦係数μを固定値とした。
(4)駆動力演算部129
図7に示す駆動力演算部129は、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによる制駆動力(前後力)を演算する。具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最適制御することによって、制駆動力を演算する。
図7に示す駆動力演算部129は、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによる制駆動力(前後力)を演算する。具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最適制御することによって、制駆動力を演算する。
この例では、タイヤ稼働率ηを左右の前後2輪で平均化した。そのため、制御においては、左右それぞれの前後輪のタイヤ稼働率ηfl、ηfr、ηrl、ηrrをそれぞれ演算し、前2輪及び後2輪の各タイヤ稼働率の平均値と、各車輪のタイヤ稼働率ηfl、ηfr、ηrl、ηrrとから、各車輪のタイヤ稼働率誤差ηefl 、ηefr 、ηerl 、ηerr を、(19’式)のように定義した。
ここで、評価関数Lを最小にすることを考える。ここで、評価関数Lを表す(18式)の右辺におけるEは目標車両前後・横力、ヨーモーメント、及び、タイヤ稼働率と、配分した各車輪のタイヤから生じさせる実前後・横力、ヨーモーメント、及び、タイヤ稼働率との配分誤差であり、従来の制御と比較して、ヨーモーメント以外に実車両前後・横力を目標車両前後・横力に追従させ、さらに、タイヤ稼働率を左右の2輪で平均化するように制御することに特徴がある。この配分誤差Eは、(20式)のように表すことができる。
ここで、(20式)におけるF* Xは目標車両前後力、F* Yは目標車両横力、M* Zは目標ヨーモーメントである。また、F^ Xは各車輪に配分して生じさせている実前後力FXiの総和である車両の実前後力、F^ Yは各車輪に生じさせている実横力FYiの総和である車両の実横力、M^ Zは車両の実ヨーモーメントである。さらに、FeXは車両の前後力の配分誤差、FeYは車両の横力の配分誤差、MeZは車両のヨーモーメントの配分誤差である。なお、(18式)における補正量δK はスリップ率Kの補正量である。この補正量δK は、各車輪のスリップ率補正量δKfl 、δKfr 、δKrl 、δKrr の床関数によって、(21式)のように表すことができる。
さらに、各車輪に配分したタイヤ稼働率ηi (ηfl,ηfr,ηrl,ηrr)、車両の前後力FX 、横力FY 及びヨーモーメントMZ は、各車輪に生じさせている実前後力FXi(FXfl ,FXfr ,FXrl ,FXrr )、実横力FYi(FYfl ,FYfr ,FYrl ,FYrr )、実ヨーモーメントM^ Z、及び、実タイヤ稼働率η^ i(η^ fl ,η^ fr ,η^ rl ,η^ rr )と、(24式)に示すヤコビアンJとによって、(25式)のように表すことができる。
ここで、(27式)中のΔE は、各車輪のタイヤ稼働率の配分誤差ηefl ,ηefr ,ηerl ,ηerr と、車両の前後力の配分誤差FeX、車両の横力の配分誤差FeY、車両のヨーモーメントの配分誤差MeZとの床関数によって、(28式)のように表すことができる。
駆動力演算部129は、(27式)及び(28式)を用いた演算結果に基づいて、車輪20FL,20FR,20RL,20RRに配分する制駆動力を決定する。具体的には、駆動力演算部129は、(27式)及び(28式)により算出される、各車輪についての評価関数Lを最小にするためのスリップ率Ki の補正量δK から、各車輪のタイヤデータTDに基づいて、各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)を算出し、トルク指令値として出力する。なお、F* Y及びFYeは、用いなくても構わない。
つまり、駆動力演算部129は、各車輪のスリップ率Ki 、及び各車輪に生じる前後力Fxiと横力Fyiとの関係を示すタイヤデータTDに基づいて、各車輪に生じさせている実前後力FXiの総和である車両の実前後力F^ Xと、各車輪に生じさせている実横力FYiの総和である車両の実横力F^ Yとを演算する。なお、駆動力演算部129は、車輪の回転速度と、電気自動四輪車10の車速Vとに基づいて、各車輪のスリップ率Ki を演算する。
さらに、駆動力演算部129は、電気自動四輪車10の操舵角δ及び車速Vに基づいて、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる電気自動四輪車10の目標車両前後力F* Xと目標車両横力F* Yとを演算する。
また、駆動力演算部129は、演算した車両の実前後力F^ Xと目標車両前後力F* Xとの前後力誤差FeX、演算した車両の実横力F^ Yと目標車両横力F* Yとの横力誤差FeY、車両の実ヨーモーメントM^ Zと目標ヨーモーメントM* Zとの誤差MeZ、及び、各車輪に生じている実前後力F^ Xと実横力F^ Yに対する各車輪の接地荷重FZiに基づいて定められる各車輪のタイヤ稼働率ηi を用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’(各車輪の駆動力)を演算する。
電気モータ制御部131は、駆動力演算部129によって演算された各車輪の制御前後力FXi’(駆動力)に基づいて、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRに供給する電流値iを制御する。
(電気自動四輪車の駆動システムの動作概要)
次に、上述した車両制御装置100の動作概要について説明する。図11は、車両制御装置100による制駆動力(前後力)の制御動作フローである。
次に、上述した車両制御装置100の動作概要について説明する。図11は、車両制御装置100による制駆動力(前後力)の制御動作フローである。
図11に示すように、ステップS100において、車両制御装置100は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)に生じさせている実前後力FXiの総和である車両の実前後力F^ Xと、各車輪に生じさせている実横力FYiの総和である車両の実横力F^ Yとを演算する。具体的には、車両制御装置100は、各車輪のスリップ率Ki と、各車輪に生じる前後力Fxiと横力Fyiとの関係を示すタイヤデータTDとに基づいて、各車輪に生じさせている実前後力FXi及びその総和である車両の実前後力F^ Xと、各車輪に生じさせている実横力FYi及びその総和である車両の実横力F^ Yとを演算する。
ステップS200において、車両制御装置100は、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる電気自動四輪車10の目標車両前後力F* Xと目標車両横力F* Yとを演算する。具体的には、車両制御装置100は、上述した(10式)や(27式)及び(28式)を用いて、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる目標車両前後力F* Xと目標車両横力F* Yとを演算する。
ステップS300において、車両制御装置100は、ステップS100において演算した車両の実前後力F^ X及び実横力F^ Yと、ステップS200において演算した目標車両前後力F* X及び目標車両横力F* Yと、各車輪のタイヤ稼働率ηi とを用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力Fxi’(各車輪の駆動力)を演算する。
具体的には、車両制御装置100は、車両の実前後力F^ X、実横力F^ Y、実ヨーモーメントM^ Zと、目標車両前後力F* X、目標車両横力F* Y、目標ヨーモーメントM* Zとの配分誤差FeXi 、FeY、MeZ、及び、各車輪のタイヤ稼働率ηi を用い、上述した(27式)及び(28式)などを用いて、各車輪についての評価関数Lを最小にするためのスリップ率Ki の補正量δK を求める。さらに、求めたスリップ率Ki の補正量δK と各車輪のタイヤデータTDとに基づいて、各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)を算出する。
ステップS400において、車両制御装置100は、演算した各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)に基づいて、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRに供給する電流値iを制御する。
(車両制御装置の作用・効果)
以上説明した車両制御装置100によれば、各車輪の実前後力FXiの総和である車両の実前後力F^ X、各車輪の実横力FYiの総和である車両の実横力F^ Y、実ヨーモーメントM^ Zと、目標車両前後力F* X、目標車両横力F* Y、目標ヨーモーメントM* Zとの配分誤差FeXi 、FeY、MeZ、及び、各車輪の実前後力FXiと実横力FYiに対する各車輪の接地荷重FZiに基づいて定められる各車輪のタイヤ稼働率ηi を用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’(各車輪の駆動力)が演算される。
以上説明した車両制御装置100によれば、各車輪の実前後力FXiの総和である車両の実前後力F^ X、各車輪の実横力FYiの総和である車両の実横力F^ Y、実ヨーモーメントM^ Zと、目標車両前後力F* X、目標車両横力F* Y、目標ヨーモーメントM* Zとの配分誤差FeXi 、FeY、MeZ、及び、各車輪の実前後力FXiと実横力FYiに対する各車輪の接地荷重FZiに基づいて定められる各車輪のタイヤ稼働率ηi を用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’(各車輪の駆動力)が演算される。
各車輪のタイヤ稼働率ηi は、各車輪の実前後力FXi と各車輪の実横力FYi との合力によって求めることができる摩擦円に基づいて定められる。つまり、このような車両制御装置100によれば、車輪(空気入りタイヤ)のグリップ力を考慮した現実的な車両制御を実現することができる。従来の車両制御装置では、タイヤ稼働率ηi は何ら考慮されずに制御すべき制御前後力FXi’が決定されるため、実際には摩擦円の外になるような制御前後力FXi’が決定され、有効な車両制御が実行できないといった問題があった。
すなわち、このような車両制御装置100によれば、各車輪を別個独立したインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって駆動する電気自動四輪車10において、各車輪の稼動状態に応じた最適な駆動力を制御することができる。
また、車両制御装置100によれば、車輪(空気入りタイヤ)が有しているグリップ力などの性能を十分に引き出しつつ、空気入りタイヤの摩耗限界までの寿命を延ばすことができる。つまり、車両制御装置100によれば、摩擦円の外になるような制御前後力FXi’が決定されることがないため、車輪(空気入りタイヤ)のスリップ量が抑制されるのである。
(タイヤ空気圧推定システムの概略構成)
以上に説明した電気自動四輪車10に、本発明のタイヤ空気圧推定システムを適用することができる。具体的には、本実施形態では、図1のブロック図に示すように、図7の駆動システムにおける操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115、及び、加速度センサ117を有するセンサ部110と、これらのセンサからの信号を処理するコントローラ50と、コントローラ50に接続された外部入力端末60とによって、タイヤ空気圧推定システムを構成している。
以上に説明した電気自動四輪車10に、本発明のタイヤ空気圧推定システムを適用することができる。具体的には、本実施形態では、図1のブロック図に示すように、図7の駆動システムにおける操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115、及び、加速度センサ117を有するセンサ部110と、これらのセンサからの信号を処理するコントローラ50と、コントローラ50に接続された外部入力端末60とによって、タイヤ空気圧推定システムを構成している。
前記コントローラ50は、予め設定されたプログラムにしたがって演算処理やデータの入出力等を実行するコンピュータ装置である。このコントローラ50は、例えば、中央処理装置(CPU)51、ROM52、RAM53、入出力インターフェース等のハードウェア構成を備えたマイクロコンピュータによって構成することができる。したがって、コントローラ50は、車両制御装置100の一部又は全部と共通に構成することもできる。
これらハードウェア構成のうち、RAM53は、作業領域として使用される。ROM52は、CPU51に実行させるプログラムを記憶する他、以下の値又はデータを記憶している。
第1には、車両制御装置100のヨーモーメント演算部125が、電気自動四輪車10の加減速時における垂直荷重の変化やコーナリング時における垂直荷重の変化を、先に説明した(13式)や(14式)を用いて求める際に使用する、路面から重心点CGまでの高さHの値を記憶している。
第2には、車両制御装置100の目標ヨーモーメント演算部123が目標ヨーモーメントMd を、先に説明した(5式)や(5’式)を用いて演算する際に使用する、ホイールベースl、電気自動四輪車10の重心点CGによるホイールベースlの内分比lf(前)及びlr(後)の各値を記憶している。
第3には、車両制御装置100のヨーモーメント演算部125や駆動力演算部129が、各車輪の前後力Fxi及び横力Fyi等の各種の値を求める際に用いる、マジックフォーミュラ(MF)に基づくデータをタイヤデータTDを記憶している。
第4には、コーナリングパワーCpと接地荷重FZ との相関を示す相関データを記憶している。この相関データは、コーナリングパワーCpの値又はその範囲と接地荷重FZ の値又はその範囲とを対応付けたテーブル(マップ)によって構成することができる。
なお、本実施形態では、タイヤ空気圧Tpの取り得る値の幅の全体を複数の区分に分割し、それぞれの空気圧区分の特性に合わせて内容を異ならせた各区分別のテーブル(マップ)を、ROM52に記憶させている。以下、各区分別のテーブルの内容を説明する上で、その背景となる、コーナリングパワーCpと接地荷重FZ との相関関係について、図2のグラフを参照して説明する。
図2はコーナリングパワーCpと接地荷重FZ との相関関係を示すグラフであり、タイヤ空気圧Tpの値が2.4kgf/cm2 である場合と、タイヤ空気圧Tpの値が2.0kgf/cm2 である場合と、タイヤ空気圧Tpの値が1.7kgf/cm2 である場合との、3つのタイヤ空気圧Tpの状態における、コーナリングパワーCpと接地荷重FZ との相関関係を示している。
図2にあるように、タイヤ空気圧Tpが変化すると、各車輪の接地荷重FZ に対応するコーナリングパワーCpの値が変動する。したがって、本実施形態では、コーナリングパワーCpの値と接地荷重FZ の値とからタイヤ空気圧Tpを推定するために、タイヤ空気圧Tpの予想し得る変動範囲(例えば、設定空気圧の±20%の範囲)を、推定するタイヤ空気圧Tpの必要な分解能に応じた数に区分し、各区分のタイヤ空気圧TpにおけるコーナリングパワーCpの値と接地荷重FZ の値とを関連付けた、区分毎の複数のテーブルを、ROM52に記憶させている。これらのテーブルの内容は、例えば実験やシミュレーションによって得たデータに基づいて決定することができる。
このような内容でROM52に記憶された各テーブルは、図4のフローチャートを用いて後述するタイヤ空気圧推定システムの動作において、コーナリングパワーCpの値と接地荷重FZ の値とからタイヤ空気圧Tpを推定する際に検索される。
なお、或るコーナリングパワーCpの値と接地荷重FZ の値との組み合わせでROM52の各テーブルを検索したときに、これらの組み合わせが存在するテーブルが2つ以上見つかると、どちらのテーブルに対応するタイヤ空気圧Tpが現在のタイヤ空気圧Tpであるのか区別できず、実用上不便である。そのため、タイヤ空気圧Tpが異なる2つ以上のテーブルにおいて、内容が全く同じコーナリングパワーCpの値と接地荷重FZ の値との組み合わせが関連付けられることの無いように、ROM52のテーブルの内容を設定することが望ましい。
以上の説明からも明らかなように、ROM52は、各車輪が転動する路面からの車両の重心の高さ、車両の重心による該車両のホイールベースの内分比、及び、各車輪に生じる前後力及び横力の関係をそれぞれ示すマジックフォーミュラ(MF)に基づくデータをタイヤデータTDをそれぞれ記憶する記憶手段を構成している。また、ROM52は、コーナリングパワーの値に対応する接地荷重の値を関連付けた相関データをタイヤ空気圧の区分領域別に複数記憶する記憶手段を構成している。
コントローラ50のCPU51は、ROM52に記憶されたプログラムをRAM53に展開して逐次実行することにより、コントローラ50の果たすべき機能を実現している。
操舵角センサ111は、先に説明したとおり、電気自動四輪車10の前輪、具体的には、車輪20FL及び車輪20FRの操舵角を検出する。したがって、操舵角センサ111は、車両の操舵方向を検出する操舵センサを構成している。
車速センサ113は、先に説明したとおり、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって別個独立して駆動される各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)の回転数に基づいて、それぞれの車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転速度を検出する。つまり、車速センサ113は、図4の駆動システムにおける駆動力演算部129が各車輪のスリップ率Ki を演算する際に、電気自動四輪車10の車速Vと共に用いる車輪の回転速度を検出する。また、電気自動四輪車10の車両速度、つまり、車速Vを検出する。
ヨーレートセンサ115は、電気自動四輪車10におけるヨーレートを検出する。したがって、ヨーレートセンサ115は、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサを構成している。
加速度センサ117は、先に説明したとおり、電気自動四輪車10に生じている前後方向(図8のx方向)の加速度(加速度aX )、及び横方向(図8のy方向)の加速度(加速度aY )を検出する。したがって、加速度センサ117は、車両にかかる前後及び横の各加速度を検出する車両加速度検出手段を構成している。
車速センサ113は、電気自動四輪車10の車両速度、つまり、車速Vを検出する。この車速Vとは、走行路面に対する電気自動四輪車10の相対移動速度を言う。車速センサ113としては、例えば、GPS(全地球測位システム)を利用して上記相対移動速度を検出するものや、走行路面に光波や超音波等を照射して上記相対移動速度を検出するものが考えられる。また、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転速度のうち最も速い速度を車速Vとみなす形式の車速センサ113も考えられる。
さらに、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転速度のうち最も速い速度と、ヨーレートセンサ115によって検出される電気自動四輪車10におけるヨーレートと、加速度センサ117によって検出される電気自動四輪車10の前後方向(図8のx方向)の加速度(加速度aX )、及び横方向(図8のy方向)の加速度(加速度aY )とにより、従来公知の方式で電気自動四輪車10の車速Vを演算するものを、車速センサ113とすることもできる。なお、この車速Vは、図4の駆動システムにおけるセンサ部110からの出力により車両制御装置100が検出する車速Vと同じである。
コントローラ50は、上述したように演算した電気自動四輪車10の車速Vと、加速度センサ117によって検出される電気自動四輪車10の横方向(図8のy方向)の加速度(加速度aY )と、ヨーレートセンサ115によって検出される電気自動四輪車10におけるヨーレートとから、電気自動四輪車10のスリップ角βを演算する。このスリップ角βの演算に用いる一般式は、
スリップ角β=∫〔(加速度aY /車速V)−ヨーレートγ〕dt
によって表すことができる。
スリップ角β=∫〔(加速度aY /車速V)−ヨーレートγ〕dt
によって表すことができる。
したがって、コントローラ50は、車両加速度検出手段が検出する車両の横加速度と、車両のヨーレートセンサが検出する車両のヨーレートと、車両の速度Vとから、車両のスリップ角を演算するスリップ角演算手段を構成している。
また、コントローラ50は、上述したように演算した電気自動四輪車10自身の速度、つまり、車速センサ113が検出する車速Vと、電気自動四輪車10の各車輪20FL,20FR,20RL,20RRの速度、つまり、各車輪の回転速度とから、図4の駆動システムにおける駆動力演算部129と同じく、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのスリップ率Ki を演算する。このスリップ率Ki の演算に用いる一般式は、
スリップ率K={(車速V−車輪速度)/車速V}×100%
によって表すことができる。
スリップ率K={(車速V−車輪速度)/車速V}×100%
によって表すことができる。
したがって、コントローラ50は、車両の速度と各車輪の速度とから各車輪のスリップ率をそれぞれ演算するスリップ率演算手段を構成している。
さらに、コントローラ50は、上述したように演算した電気自動四輪車10の各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのスリップ率Ki と、ROM52に記憶されたタイヤデータTDとから、図4の駆動システムにおける駆動力演算部129と同じく、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRに生じさせている実横力FYi及びその総和である車両の実横力F^ Yとを演算する。
したがって、コントローラ50は、スリップ率演算手段が演算する各車輪のスリップ率と、車両の記憶手段に記憶された各車輪に生じる前後力及び横力の関係をそれぞれ示すタイヤデータとから、各車輪にそれぞれ生じさせている実横力を演算する実横力演算手段を構成している。
また、コントローラ50は、上述したように演算した電気自動四輪車10の各車輪FL,20FR,20RL,20RRに生じさせている実横力FYiを、上述したように演算した電気自動四輪車10のスリップ角βによって微分して、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのコーナリングスティフネスkyを演算する。
したがって、コントローラ50は、コーナリング系パラメータ演算手段の一部としての、スリップ角演算手段が演算する車両のスリップ角と、実横力演算手段が演算する各車輪の実横力とから、各車輪のコーナリングスティフネスをそれぞれ演算するコーナリングスティフネス演算手段を構成している。
なお、先に説明した車両制御装置100におけるDYCでは、コーナリングスティフネスkyを、前輪のコーナリングスティフネスkfと後輪のコーナリングスティフネスkrとに分けて使用している。
本実施形態のコントローラ50が、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのコーナリングスティフネスkyを演算する際にもまた、前輪のコーナリングスティフネスkfと後輪のコーナリングスティフネスkrとを使い分けることができる。
さらに、コントローラ50は、加速度センサ117によって検出される電気自動四輪車10の前後方向(図8のx方向)の加速度(加速度aX )、及び横方向(図8のy方向)の加速度(加速度aY )と、ROM52に記憶された、電気自動四輪車10の路面から重心点CGまでの高さHの値、及び、電気自動四輪車10の重心点CGによるホイールベースlの内分比lf(前)及びlr(後)の値とから、図4の駆動システムにおけるヨーモーメント演算部125と同じく、上述した(14’式)によって、各車輪の垂直荷重、つまり、接地荷重FZ を演算する。
したがって、コントローラ50は、車両加速度検出手段が検出する車両の前後及び横の各加速度と、記憶手段に記憶された、各車輪が転動する路面からの車両の重心の高さと、記憶手段に記憶された、車両の重心による車両のホイールベースの内分比とから、各車輪の接地荷重をそれぞれ演算する接地荷重演算手段を構成している。
また、コントローラ50は、上述したように演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのコーナリングスティフネスky(または、前輪のコーナリングスティフネスkfと後輪のコーナリングスティフネスkr)と、各車輪の接地荷重FZ と、路面の所与の摩擦係数μとから、各車輪のコーナリングパワーCpを演算する。このコーナリングパワーCpの演算に用いる一般式は、
Cp=Ky{1−〔0.0166×Ky/(μ×FZ )〕}
によって表すことができる。
Cp=Ky{1−〔0.0166×Ky/(μ×FZ )〕}
によって表すことができる。
したがって、コントローラ50は、コーナリング系パラメータ演算手段の残りの一部としての、コーナリングスティフネス演算手段が演算する各車輪のコーナリングスティフネスと、接地荷重演算手段が演算する各車輪の接地荷重と、路面の所与の摩擦係数とから、各車輪のコーナリングパワーを演算するコーナリングパワー演算手段を構成している。
なお、路面の所与の摩擦係数μは、予めROM52に記憶させておくこともできる。また、図4の駆動システムにおけるヨーモーメント演算部125と同じく、車輪20FL,20FR,20RL,20RR(具体的には、空気入りタイヤ)が転動する路面の摩擦係数μを、上述した(17式)に基づいて推定することもできる。
上述したコーナリングパワーCpの演算に用いる一般式からも明らかなように、コーナリングパワーCpはコーナリングスティフネスKyの関数である。そのため、コーナリングスティフネスKyの値は、コーナリングパワーCpの値と同様に、タイヤ空気Tpの変動に応じて変化する。
そこで、本実施形態では、センサ部110の各センサ111〜117の出力を用いてコントローラ50により各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのコーナリングスティフネスky(または、前輪のコーナリングスティフネスkfと後輪のコーナリングスティフネスkr)を演算し、さらに、コーナリングパワーCpを演算して、このコーナリングパワーCpを用いて下記のように各車輪のタイヤ空気圧を推定する。
つまり、コントローラ50は、ROM52に記憶されたコーナリングパワーCp及び接地荷重FZ の相関を示すタイヤ空気圧の区分領域毎の相関データ(テーブル)を検索して、その中から、上述したように演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのコーナリングパワーCpが、上述したように演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRの接地荷重FZ と関連付けられている相関データ(テーブル)を判別し、判別した相関データ(テーブル)に対応するタイヤ空気圧の区分領域を、各車輪のタイヤ空気圧として推定する。
したがって、コントローラ50は、各車輪のコーナリングパワーと各車輪の接地荷重との関係を、各車輪のタイヤ空気圧の複数に区分された各区分領域毎にそれぞれ定義する、記憶手段に記憶された複数の相関データのうち、コーナリングパワー演算手段によって演算された各車輪のコーナリングパワーの値を、接地荷重演算手段によって演算された各車輪の接地荷重の値に対応する各車輪のコーナリングパワーの値として定義している特定の相関データを判別し、判別した特定の相関データに対応する区分領域を、各車輪のタイヤ空気圧としてそれぞれ推定するタイヤ空気圧検出手段を構成している。
以上のような構成を有する本実施形態のタイヤ空気圧推定システムは、コントローラ50のCPU51がROM52に格納されたプログラムにしたがって処理を実行することで、図5のフローチャートに示すような動作を行う。
まず、操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115、及び、加速度センサ117のそれぞれの出力をセンサ部110から取り込む(ステップS1)。次に、ステップS1で取り込んだ操舵角センサ111以外の出力を用いて、電気自動四輪車10のスリップ角βを演算する(ステップS3)。
ステップS3におけるスリップ角βの演算は、先に説明したように、車速センサ113の出力から検出される電気自動四輪車10の車速Vと、加速度センサ117によって検出される電気自動四輪車10の横方向(図8のy方向)の加速度(加速度aY )と、ヨーレートセンサ115によって検出される電気自動四輪車10におけるヨーレートとを用いた式を積分することによって行われる。
続いて、ステップS1で取り込んだ車速センサ113の出力が示す電気自動四輪車10の車速Vと、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転数、ひいては、回転速度とから、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのスリップ率Ki を演算する(ステップS5)。
ステップS5におけるスリップ率Ki の演算は、先に説明したように、電気自動四輪車10の車速Vと各車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転速度とを、下記一般式
スリップ率K={(車両速度−車輪速度)/車体速度}×100%
にそれぞれ代入することによって行われる。ここで、車速センサ113が車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転数を基に車速Vを検出するものである場合は、その回転数から車輪速度を取得することができる。
スリップ率K={(車両速度−車輪速度)/車体速度}×100%
にそれぞれ代入することによって行われる。ここで、車速センサ113が車輪20FL,20FR,20RL,20RRの回転数を基に車速Vを検出するものである場合は、その回転数から車輪速度を取得することができる。
次に、ステップS5で演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのスリップ率Ki と、ROM52に記憶されたタイヤデータTDとから、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRに生じさせている実横力FYiを演算する(ステップS7)。続いて、ステップS3で演算した電気自動四輪車10のスリップ角βと、ステップS7で演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRに生じさせている実横力FYiとから、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのコーナリングスティフネスKy(kf,kr)を演算する(ステップS9)。
さらに、ステップS1で取り込んだ加速度センサ117の出力が示す電気自動四輪車10の前後方向及び横方向(図8のx方向、y方向)の加速度aX ,aY と、ROM52に記憶された、電気自動四輪車10の路面から重心点CGまでの高さHの値、及び、電気自動四輪車10の重心点CGによるホイールベースlの内分比lf(前)及びlr(後)の値とから、上述した(14’式)によって、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについての接地荷重FZ を演算する(ステップS11)。
そして、ステップS9で演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのコーナリングスティフネスKy(kf,kr)と、ステップS11で演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについての接地荷重FZ と、ROM52に記憶された路面の摩擦係数μ、又は、電気自動四輪車10の前後力及び接地荷重から(17式)を用いて推定した路面の所与の摩擦係数μとを用いて、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのコーナリングパワーCpを演算する(ステップS13)。
さらに、ROM52に記憶された高圧区分、中圧区分、低圧区分の3つのテーブル(マップ)を検索して、ステップS11で演算した接地荷重FZ に対応するコーナリングパワーCpの値として、ステップS13で演算したコーナリングパワーCpの値が定義されているテーブル(マップ)を判別する(ステップS15)。
最後に、ステップS15で判別したテーブル(マップ)が、どのタイヤ空気圧Tpについてのテーブル(マップ)であるかによって、そのタイヤ空気圧Tpの値(又はその範囲)を、現在のタイヤ空気圧Tpであると推定する(ステップS17)。
以上が一連の動作となり、これが終了したならば、再びステップS1からステップS17までの動作が繰り返して行われる。
このように本実施形態のタイヤ空気圧推定システムによれば、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのタイヤ内に空気圧検出用の高価なセンサや無線送信手段を設けなくても、タイヤ外に配置される操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115、及び、加速度センサ117の各出力を入力として、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのタイヤ空気圧Tpを推定、検出することができる。
したがって、実施形態の冒頭に説明したような、直接ヨーモーメント制御(DYC)を行う図7の駆動システムが搭載された電気自動四輪車10であれば、既存のセンサの出力のみを入力として、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのタイヤ空気圧Tpを、安価に推定、検出することができる。
しかも、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのタイヤデータを用いて演算した車輪の実横力からコーナリングスティフネスKy(kf,kr)を求め、このコーナリングスティフネスKy(kf,kr)と接地荷重FZ とを用いてコーナリングパワーCpを求めて、このコーナリングパワーCpと接地荷重FZ との間に、タイヤ空気圧の区分領域別にそれぞれ存在する一定の相関性を利用して、タイヤ空気圧Tpを推定することから、タイヤデータを反映した正確なタイヤ空気圧Tpを推定することができる。
また、本実施形態では、タイヤ空気圧Tpの取り得る値の幅の全体を複数に区分し、それぞれの空気圧区分の特性に合わせて内容を異ならせた各区分別のテーブル(マップ)をROM52に複数記憶させる構成とした。そして、コントローラ50によって演算されたコーナリングパワーCpの値が、コントローラ50によって演算された接地荷重FZ に対応するコーナリングパワーCpの値として定義されたテーブル(マップ)の区分領域に、現在のタイヤ空気圧Tpが属していると推定するようにした。
このため、コントローラ50によって演算された現在のコーナリングパワーCpの値と現在の接地荷重FZ の値とが関連付けられているテーブル(マップ)を、ROM52に複数記憶させたタイヤ空気圧Tpの区分別のテーブル(マップ)から検索するという軽便な構成乃至処理によって、コントローラ50による各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのタイヤ空気圧Tpの推定動作を実行できるようにすることができる。
なお、コントローラ50がコーナリングパワーCpの値と接地荷重FZ の値とからタイヤ空気圧Tpを推定するためにROM52に記憶させる、相関データとしてのテーブル(マップ)は、コーナリングパワーCpのピンポイントの値と接地荷重FZ のピンポイントの値との相関をタイヤ空気圧Tpの区分毎にテーブル化(マップ化)したものでなく、コーナリングパワーCpの値の範囲と接地荷重FZ の値の範囲との相関をタイヤ空気圧Tpの区分毎にテーブル化(マップ化)したものであっても良い。あるいは、コーナリングパワーCpの値と接地荷重FZ の値との関係を示す、タイヤ空気圧Tpの区分毎の関係式であっても良い。
また、コントローラ50がコーナリングパワーCpからタイヤ空気圧Tpを検出するためにROM52に記憶させる相関データ(テーブルや関係式等)の区分数は、推定するタイヤ空気圧Tpの分解能や、演算によって求められるコーナリングパワーCpや接地荷重FZ の値の分解能に合わせて、任意の数とすることができる。
さらに、本実施形態では、各車輪のコーナリングパワーCpと接地荷重FZ との間に、タイヤ空気圧の区分領域別にそれぞれ存在する一定の相関性を利用して、タイヤ空気圧Tpを推定する構成について説明した。
しかし、コーナリングパワーCpがコーナリングスティフネスKyの関数であり、コーナリングスティフネスKyの値もタイヤ空気Tpの変動に応じて変化することから、コーナリングパワーCpに代えて、コーナリングスティフネスKyと接地荷重FZ との間に、タイヤ空気圧の区分領域別にそれぞれ存在する一定の相関性を利用して、タイヤ空気圧Tpを推定する構成としてもよい。
そのように構成する場合には、コントローラ50のROM52に、コーナリングパワーCpと接地荷重FZ との相関を示す相関データに代えて、コーナリングスティフネスKyと接地荷重FZ との相関を示す相関データが記憶される。この相関データは、コーナリングスティフネスKyの値又はその範囲と接地荷重FZ の値又はその範囲とを対応付けたテーブル(マップ)によって構成することができる。
なお、コーナリングスティフネスKyと接地荷重FZ との相関関係においても、コーナリングパワーCpと接地荷重FZ との相関関係の場合と同様に、タイヤ空気圧Tpが変化すると、各車輪の接地荷重FZ に対応するコーナリングスティフネスKyの値が変動する。具体的には、図3のグラフに示すように、タイヤ空気圧Tpの値が2.4kgf/cm2 である場合と、タイヤ空気圧Tpの値が2.0kgf/cm2 である場合と、タイヤ空気圧Tpの値が1.7kgf/cm2 である場合とでは、コーナリングスティフネスKyと接地荷重FZ との相関関係が異なる。したがって、本実施形態では、コーナリングスティフネスKyの値と接地荷重FZ の値とからタイヤ空気圧Tpを推定するために、タイヤ空気圧Tpの予想し得る変動範囲(例えば、設定空気圧の±20%の範囲)を、推定するタイヤ空気圧Tpの必要な分解能に応じた数に区分し、各区分のタイヤ空気圧TpにおけるコーナリングスティフネスKyの値と接地荷重FZ の値とを関連付けた、区分毎の複数のテーブルを、ROM52に記憶させている。これらのテーブルの内容は、例えば実験やシミュレーションによって得たデータに基づいて決定することができる。
このような内容でROM52に記憶された各テーブルは、図5のフローチャートを用いて後述するタイヤ空気圧推定システムの動作において、コーナリングスティフネスKyの値と接地荷重FZ の値とからタイヤ空気圧Tpを推定する際に検索される。
なお、或るコーナリングスティフネスKyの値と接地荷重FZ の値との組み合わせでROM52の各テーブルを検索したときに、これらの組み合わせが存在するテーブルが2つ以上見つかると、どちらのテーブルに対応するタイヤ空気圧Tpが現在のタイヤ空気圧Tpであるのか区別できず、実用上不便である。そのため、タイヤ空気圧Tpが異なる2つ以上のテーブルにおいて、内容が全く同じコーナリングスティフネスKyの値と接地荷重FZ の値との組み合わせが関連付けられることの無いように、ROM52のテーブルの内容を設定することが望ましい。
このように、ROM52は、コーナリングスティフネスの値に対応する接地荷重の値を関連付けた相関データをタイヤ空気圧の区分領域別に複数記憶する記憶手段を構成している。
そして、コーナリングスティフネスKyの値と接地荷重FZ の値とからタイヤ空気圧Tpを推定する場合には、図6のフローチャートに示すように、図5のフローチャートのステップS1乃至ステップS11までの動作を行った後、ROM52に記憶された高圧区分、中圧区分、低圧区分の3つのテーブル(マップ)を検索して、ステップS11で演算した接地荷重FZ に対応するコーナリングスティフネスKyの値として、ステップS9で演算した各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのコーナリングスティフネスKy(kf,kr)の値が定義されているテーブル(マップ)を判別する(ステップS15a)。
最後に、ステップS15aで判別したテーブル(マップ)が、どのタイヤ空気圧Tpについてのテーブル(マップ)であるかによって、そのタイヤ空気圧Tpの値(又はその範囲)を、現在のタイヤ空気圧Tpであると推定する(ステップS17)。
以上が一連の動作となり、これが終了したならば、再びステップS1からステップS17までの動作が繰り返して行われる。
このように構成したタイヤ空気圧推定システムによっても、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのタイヤ内に空気圧検出用の高価なセンサや無線送信手段を設けることなく、タイヤ外に配置される操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115、及び、加速度センサ117の各出力を入力として、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのタイヤ空気圧Tpを推定、検出することができる。
したがって、直接ヨーモーメント制御(DYC)を行う図7の駆動システムが搭載された電気自動四輪車10であれば、既存のセンサの出力のみを入力として、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRについてのタイヤ空気圧Tpを、安価に推定、検出することができる。
しかも、各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのタイヤデータを用いて演算した車輪の実横力からコーナリングスティフネスKy(kf,kr)を求め、このコーナリングスティフネスKy(kf,kr)と接地荷重FZ との間に、タイヤ空気圧の区分領域別にそれぞれ存在する一定の相関性を利用して、タイヤ空気圧Tpを推定することから、タイヤデータを反映した正確なタイヤ空気圧Tpを推定することができる。
また、タイヤ空気圧Tpの取り得る値の幅の全体を複数に区分し、それぞれの空気圧区分の特性に合わせて内容を異ならせた各区分別のテーブル(マップ)をROM52に複数記憶させる構成とした。そして、コントローラ50によって演算されたコーナリングスティフネスKy(kf,kr)の値が、コントローラ50によって演算された接地荷重FZ に対応するコーナリングスティフネスKy(kf,kr)の値として定義されたテーブル(マップ)の区分領域に、現在のタイヤ空気圧Tpが属していると推定するようにした。
このため、コントローラ50によって演算された現在のコーナリングスティフネスKy(kf,kr)の値と現在の接地荷重FZ の値とが関連付けられているテーブル(マップ)を、ROM52に複数記憶させたタイヤ空気圧Tpの区分別のテーブル(マップ)から検索するという軽便な構成乃至処理によって、コントローラ50による各車輪20FL,20FR,20RL,20RRのタイヤ空気圧Tpの推定動作を実行できるようにすることができる。
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の適用対象として上述した車両制御装置100で用いたタイヤ稼働率ηi は、各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiの合計と、各車輪の接地荷重との比としてもよい。
また、上述した実施形態では、マジックフォーミュラによるタイヤデータTDが用いられていたが、タイヤデータTDは、タイヤモデル(例えば、ブラッシュモデル)に基づいたものでもよい。或いは、タイヤデータTDは、実験値に基づいたものでもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。例えば、本実施形態では四輪の電気自動車を例に取って説明したが、本発明は例えば六輪等、四輪以外の車輪を有する自動車にも適用可能である。
10…電気自動四輪車、20FL,20FR,20RL,20RR…車輪、30FL,30FR,30RL,30RR…インホイールモータ、50…コントローラ、51…中央処理装置(CPU)、52…ROM、53…RAM、100…車両制御装置、110…センサ部、111…操舵角センサ、113…車速センサ、115…ヨーレートセンサ、117…加速度センサ、121…フィードフォワードモーメント演算部、123…目標ヨーモーメント演算部、125…ヨーモーメント演算部、127…PIDコントローラ、129…駆動力演算部、131…電気モータ制御部、aX ,aY …加速度、CG…重心点、Cp…コーナリングパワー、d…トレッド幅、Fxi…電気自動四輪車の前後力、Fyi…電気自動四輪車の横力、FZ …接地荷重、H…車両重心点路面高さ、Ki …スリップ率、Ky(kf,kr)…コーナリングスティフネス、l…ホイールベース、lf…ホイールベース内分比(前)、lr…ホイールベース内分比(後)、TD…タイヤデータ、Tp…タイヤ空気圧、V…車速、β…すべり角、γ…ヨーレート、δ…操舵角、μ…路面摩擦係数
Claims (2)
- 車両のそれぞれ独立して駆動制御される複数の車輪のタイヤ空気圧を各々推定するためのシステムであって、
前記車両にかかる前後及び横の各加速度を検出する車両加速度検出手段と、
前記車両加速度検出手段が検出する前記車両の横加速度と、前記車両のヨーレートセンサが検出する該車両のヨーレートと、前記車両の速度とから、前記車両のスリップ角を演算するスリップ角演算手段と、
前記車両の速度と前記各車輪の速度とから、該各車輪のスリップ率をそれぞれ演算するスリップ率演算手段と、
前記スリップ率演算手段が演算する前記各車輪のスリップ率と、前記車両の記憶手段に記憶された、前記各車輪に生じる前後力及び横力の関係をそれぞれ示すタイヤデータとから、前記各車輪にそれぞれ生じさせている実横力を演算する実横力演算手段と、
前記スリップ角演算手段が演算する前記車両のスリップ角と、前記実横力演算手段が演算する前記各車輪の実横力とに基づいて、該各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーをそれぞれ演算するコーナリング系パラメータ演算手段と、
前記車両加速度検出手段が検出する前記車両の前後及び横の各加速度と、前記記憶手段に記憶された、前記各車輪が転動する路面からの前記車両の重心の高さと、前記記憶手段に記憶された、前記車両の重心による該車両のホイールベースの内分比とから、前記各車輪の接地荷重をそれぞれ演算する接地荷重演算手段と、
前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーと、前記各車輪の接地荷重との関係を、前記各車輪のタイヤ空気圧の複数に区分された各区分領域毎にそれぞれ定義する、前記記憶手段に記憶された複数の相関データのうち、前記コーナリング系パラメータ演算手段によって演算された前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値を、前記接地荷重演算手段によって演算された前記各車輪の接地荷重の値に対応する前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値として定義している特定の相関データを判別し、判別した前記特定の相関データに対応する前記区分領域を、前記各車輪のタイヤ空気圧としてそれぞれ推定する空気圧推定手段と、
を備えることを特徴とするタイヤ空気圧推定システム。 - 前記各相関データは、前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値、若しくは、その範囲と、前記各車輪の接地荷重の値、若しくは、その範囲とを関連付けて、前記各区分領域別にそれぞれ前記記憶手段に記憶されたテーブルで構成されており、前記空気圧推定手段は、前記コーナリング系パラメータ演算手段によって演算された前記各車輪のコーナリングスティフネス又はコーナリングパワーの値と前記接地荷重演算手段によって演算された前記各車輪の接地荷重の値とが関連付けられた特定のテーブルを、前記記憶手段に記憶された前記各区分領域別のテーブルから検索し、検索した前記特定のテーブルに対応する前記区分領域を、前記各車輪のタイヤ空気圧としてそれぞれ推定することを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧推定システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007330596A JP2009150834A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | タイヤ空気圧推定システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007330596A JP2009150834A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | タイヤ空気圧推定システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=40920102
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JP (1) | JP2009150834A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-12-21 JP JP2007330596A patent/JP2009150834A/ja active Pending
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