JP2010119204A - 電気自動車の車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車において、コーナリング時のステア特性に応じて各車輪の最適な駆動力を制御する
【解決手段】電気自動四輪車10において車両制御装置100は、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を算出する駆動力演算部129を備える。実ヨーモーメントからステア特性を判定するステア特性判定部122を備える。ステア特性判定部122は、電気自動四輪車10のコーナリング時に、ヨーモーメント演算部125で演算された電気自動四輪車10のヨーモーメント、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のステア特性を判定する。駆動力演算部129は、ステア特性判定部122による判定結果に応じて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を変更する。
【選択図】図2
【解決手段】電気自動四輪車10において車両制御装置100は、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を算出する駆動力演算部129を備える。実ヨーモーメントからステア特性を判定するステア特性判定部122を備える。ステア特性判定部122は、電気自動四輪車10のコーナリング時に、ヨーモーメント演算部125で演算された電気自動四輪車10のヨーモーメント、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のステア特性を判定する。駆動力演算部129は、ステア特性判定部122による判定結果に応じて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を変更する。
【選択図】図2
Description
本発明は、各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車の車両制御装置に関する。
従来、各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車の挙動制御に関して、左右の車輪の駆動力または制動力の差を用いて直接ヨーモーメントを発生させる、いわゆる直接ヨーモーメント制御(以下、DYCと記す)が知られている(例えば、特許文献1)。一般的なDYCでは、各車輪の駆動力を制御する場合、各車輪の接地荷重(Fzi)に応じて、駆動力を発生する電気モータの出力が制御される。
特開2008−167640号公報(第6−17頁)
ところが、上述のDYCでは、以下の点が問題であった。すなわち、DYCが有効となる状況は、電気自動車が速度を上下させても、コーナリング時の旋回半径に変化がないステア特性(ニュートラルステア)に従う場合である。しかし、電気自動車がニュートラルステアに従わない速度でコーナリングしている状況下では、旋回限界速度を超えた場合に、DYCを行うと電気自動車の挙動が一層不安定になる場合があった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車において、コーナリング時のステア特性に応じて駆動力を制御することができる電気自動車の車両制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)を別個独立した電気モータ(インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RR)によって駆動する電気自動車(電気自動四輪車10)に生じさせているモーメントを制御することによって電気自動車を制御する車両制御装置(車両制御装置100)であって、前記電気自動車に生じさせている実ヨーモーメント(実ヨーモーメントM^ Z)を演算するヨーモーメント演算部(ヨーモーメント演算部125)と、前記各車輪に対して制御すべき制御前後力を演算する制御前後力演算部と、前記制御前後力演算部によって演算された前記制御前後力に基づいて、前記電気モータに供給する電流値(電流値i)を制御する電気モータ制御部(電気モータ制御部131)と、前記電気自動車のコーナリング時において前記実ヨーモーメントに基づいて、少なくとも前記電気自動車がオーバーステアまたはアンダーステアであることを判定するステア特性判定部(ステア特性判定部122)とを備え、制御前後力演算部(駆動力演算部129)は、前記ステア特性判定部による判定結果がアンダーステアのとき、前記制御前後力を低減することを要旨とする。
このような電気自動車の車両制御装置によれば、コーナリング時に、ステア特性がアンダーステアのときは、制御前後力(駆動力)を低減させる。すなわち、直接ヨーモーメント制御(DYC)を実行する代わりに、制御前後力を低減させる。従って、ニュートラルステアに従わない速度でコーナリングしている状況下にDYCが行われることによって電気自動車の挙動が一層不安定になる現象を抑制することができる。
従って、このような電気自動車の車両制御装置によれば、各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車において、コーナリング時のステア特性に応じて駆動力を制御することができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、操舵角速度を検出する操舵角速度検出部を有し、前記ステア特性判定部による判定結果がアンダーステア、且つ検出された前記操舵角速度が閾値以上のとき、前記制御前後力演算部は、前記モーメントの制御を中止して前記制御前後力を低減させることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記ステア特性判定部による判定結果がアンダーステア、且つ検出された前記操舵角速度が閾値よりも小さいとき、前記制御前後力演算部は、制御すべき前記制御前後力の演算を行わないことを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、操舵角を検出する操舵角検出部を有し、前記ステア特性判定部による判定結果がオーバーステア、且つ検出された前記操舵角が前記電気自動車のコーナリング時の旋回方向と異なるとき、前記制御前後力演算部は、前記モーメントの制御を中止して前記制御前後力を低減させることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記ステア特性判定部による判定結果がオーバーステア、且つ検出された前記操舵角が前記電気自動車のコーナリング時の旋回方向と同じとき、前記制御前後力演算部は、制御すべき前記制御前後力の演算を行わないことを要旨とする。
本発明の特徴によれば、各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車において、コーナリング時のステア特性に応じて駆動力を制御することができる電気自動車の車両制御装置を提供することができる。
次に、本発明に係る電気自動車の駆動システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(電気自動四輪車の全体概略構成)
図1は、本実施形態に係る電気自動四輪車10の概略斜視図である。電気自動四輪車10は、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの内側に電気モータ、いわゆるインホイールモータをそれぞれ備える。つまり、電気自動四輪車10は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)を別個独立したインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって駆動する。
図1は、本実施形態に係る電気自動四輪車10の概略斜視図である。電気自動四輪車10は、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの内側に電気モータ、いわゆるインホイールモータをそれぞれ備える。つまり、電気自動四輪車10は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)を別個独立したインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって駆動する。
また、電気自動四輪車10は、車両制御装置100を備える。車両制御装置100は、左右の車輪の駆動力または制動力(以下、駆動力と制動力とを総称して「制駆動力」又は「前後力」と呼ぶことがある。)の差を用いて直接ヨーモーメントを発生させる、いわゆる直接ヨーモーメント制御(DYC)によって、電気自動四輪車10の挙動を制御する。車両制御装置100には、電気自動四輪車10の各種状態(例えば、操舵角)を検出するセンサ部110が接続される。
本実施形態では、車両制御装置100と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
(電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック構成)
図2は、本実施形態に係る電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック構成図である。上述したように、車両制御装置100と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
図2は、本実施形態に係る電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック構成図である。上述したように、車両制御装置100と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
車両制御装置100は、フィードフォワードモーメント演算部121、目標ヨーモーメント演算部123、ヨーモーメント演算部125、PIDコントローラ127、駆動力演算部129、電気モータ制御部131、及びステア特性判定部122によって構成される。
本実施形態では、目標ヨーモーメント演算部123では、目標モデルに二輪モデルを用いている。また、駆動力演算部129における駆動力の演算では、いわゆる「最適制御」が取り入れられている。
具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最小にするように補正量δK を決定する。また、本実施形態では、車両ヨーモーメント(M)、車両横力(FY )、車両前後力(FX )、タイヤスリップ率(K)及びタイヤ稼働率(η)の配分誤差が用いられる。なお、車両制御装置100による駆動力の制御の詳細については、後述する。
センサ部110は、操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115及び加速度センサ117によって構成される。
操舵角センサ111は、電気自動四輪車10の前輪、具体的には、車輪20FL及び車輪20FRの操舵角を検出する。この操舵角は、ハンドル角を検知しこれをステアリングギヤ比で割って演算により検出することもできる。車速センサ113は、電気自動四輪車10の車速を検出する。
ヨーレートセンサ115は、電気自動四輪車10(図3参照)におけるヨーレートを検出する。加速度センサ117は、電気自動四輪車10に生じている前後方向(図3のx方向)の加速度(加速度aX )、及び横方向(図3のy方向)の加速度(加速度aY )を検出する。
次に、車両制御装置100を構成する各機能ブロックについて、図2〜図5を参照して説明する。
(1)フィードフォワードモーメント演算部121
フィードフォワードモーメント演算部121は、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。具体的には、フィードフォワードモーメント演算部121は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。
フィードフォワードモーメント演算部121は、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。具体的には、フィードフォワードモーメント演算部121は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。
まず、フィードフォワードモーメント演算部121における具体的な演算方法の説明に先立って、電気自動四輪車10のヨーレートγについて説明する。電気自動四輪車10では、ヨーレートγは、(1式)のように表すことができる。
また、図3は、電気自動四輪車10を3方向(x方向、y方向、及び回転方向)に自由度を有する四輪モデルとして模式的に示している(つまり、ローリングは考慮していない)。図3に示すように、(1式)におけるδは実操舵角である。本実施形態では、ハンドル角を検知しこれをステアリングギヤ比で割って演算により検出した実操舵角を用いている。また、l(lf+lr)はホイールベース、mは車両質量、kfは前輪のコーナリングパワー、krは後輪のコーナリングパワーである。
本実施形態では、車両制御装置100は、DYCを用い、電気自動四輪車10のステアリング特性がニュートラルステアとなるように各車輪の制駆動力(前後力)を制御する。
ここで、Δγは、電気自動四輪車10のステアリング特性をニュートラルステアにするために必要なヨーレートの増減量である。次に、電気自動四輪車10のスタビリティファクターK、及び車両制御装置100(DYC)への入力に対するヨーレートγ(0)は、
(3式)のように表すことができる。
(3式)のように表すことができる。
ここで、Gff(V)は、フィードフォワードゲインである。
(2)目標ヨーモーメント演算部123
目標ヨーモーメント演算部123は、目標ヨーモーメントMd を演算する。具体的には、目標ヨーモーメント演算部123は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、目標ヨーモーメントMd を演算する。目標ヨーモーメントMd は、(5式)及び(5’式)のように表すことができる。
目標ヨーモーメント演算部123は、目標ヨーモーメントMd を演算する。具体的には、目標ヨーモーメント演算部123は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、目標ヨーモーメントMd を演算する。目標ヨーモーメントMd は、(5式)及び(5’式)のように表すことができる。
ここで、横力Yfは、前輪(車輪20FL及び車輪20FR)に生じる横力(コーナリングフォース)である。また、横力Yrは、後輪(車輪20RL及び車輪20RR)に生じる横力(コーナリングフォース)である。また、ヨーレートγNS、ニュートラルステア時のすべり角βNS、及び操舵角δとの関係は、(6式)のように表すことができる。
ここで、Gd(V)は、目標ヨーモーメントゲインである。さらに、本実施形態では、kf=lr/lf・krを代入している。
(3)ヨーモーメント演算部125及びPIDコントローラ127
ヨーモーメント演算部125は、電気自動四輪車10の挙動を制御するために用いられる電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。具体的には、ヨーモーメント演算部125は、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。
ヨーモーメント演算部125は、電気自動四輪車10の挙動を制御するために用いられる電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。具体的には、ヨーモーメント演算部125は、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のヨーモーメントを演算する。
また、PIDコントローラ127は、目標ヨーモーメント演算部123によって演算された目標ヨーモーメントMd 及びヨーモーメント演算部125によって演算されたヨーモーメントをフィードバックさせるコントローラである。
PIDコントローラ127(フィードバック補償器)は、目標ヨーモーメント演算部123において用いられる目標モデルとの誤差がなくなるようにヨーモーメントをフィードバックさせる。具体的には、PIDコントローラ127は、(8式)に基づいて動作する。
ここで、MFBは、フィードバックヨーモーメント、Mは、制御対象である電気自動四輪車10に生じているヨーモーメントである。また、KP は比例ゲイン、KI は積分ゲイン、KD は微分ゲインである。さらに、(9式)が成立する。
ME は、ヨーモーメント誤差である。本実施形態では、ヨーモーメント誤差ME を、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなるために制御すべきヨーモーメントMDYC とする。
Fxfl ,Fxfr ,Fxrl 及びFxrr は、各車輪の前後力(前後力Fxi)である。Fyfl ,Fyfr ,Fyrl 及びFyrr は、各車輪の横力(横力Fyi)である。Iは、電気自動四輪車10のヨー方向の慣性モーメントである。dは、電気自動四輪車10のトレッド幅である。また、u,νは、x,y方向(図3参照)の速度成分である。
ここで、r(摩擦円半径)またはa,b(摩擦楕円の幅及び高さ)が分かれば、各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiを演算することができる。さらに、垂直方向も考慮すると、接地荷重FZ は、(12式)のように表すことができる。
(11式)及び(12式)から、(1)各車輪のrまたはa,b、(2)各車輪の前後力初期値FXOi ,横力初期値FYOi 、(3)各車輪の傾き係数α(摩擦係数μ対スリップ率λ特性を示す曲線の傾きに応じて定まる係数)が分かれば、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの前後力Fxi及び横力Fyiを演算することができる。
なお、本実施形態は、上述した各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiを求めるため、マジックフォーミュラ(MF)に基づくデータをタイヤデータTDとして使用する。
次に、電気自動四輪車10の走行に伴う垂直荷重(Wx,Wy)の変化について考える。図4は、電気自動四輪車10の加減速に伴う車両前後方向の垂直荷重が変化する様子を説明する説明図である。図5は、電気自動四輪車10のコーナリングに伴う車幅方向の垂直荷重が変化する様子を説明する説明図である。
ここで、Hは、路面から重心点CGまでの高さである。よって、前後方向の加速度aX 及び横方向の加速度aY を測定すれば、(14’式)によって、各車輪の垂直荷重、つまり、接地荷重FZ を求めることができる。
ここで、FZ0i は各車輪の1G(静的)状態における垂直荷重である。次に、前後力Fxiについて考えると、電気自動四輪車10は、電気モータ(インホイールモータ)を用いるため、前後力Fxiは、一般式で(15式)のように表すことができる。
ここで、τは時定数、Fx0は静トルクである。
なお、車輪20FL,20FR,20RL,20RR(具体的には、空気入りタイヤ)が転動する路面の摩擦係数μは、(17式)に基づいて推定される。また、摩擦係数μの前後方向成分、即ち、前後方向の摩擦係数μx や、摩擦係数μの横方向成分、即ち、横方向の摩擦係数μy は、(17’式)、(17’’式)、(17’’’式)によって推定される。
ここで、Fμは路面と空気入りタイヤとの摩擦力である。(17式)に示すように、前後力Fx 及び接地荷重FZ が分かれば、前後方向の摩擦係数μx が推定できる。横方向の摩擦係数μy は、タイヤデータから演算される各車輪の実横力Fyiを使用して、(17’’式)から演算できる。よって、摩擦係数μは、(17’’’式)から推定できる。つまり、加速については、電気モータ(インホイールモータ)のトルクを用いて検出できる。また、減速については、電気自動四輪車10の制動装置の油圧に基づいて演算した減速トルクを用いて検出できる。なお、本実施形態では、摩擦係数μを固定値とした。
(4)駆動力演算部129
駆動力演算部129は、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによる制駆動力(前後力)を演算する。具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最適制御することによって、制駆動力を演算する。
駆動力演算部129は、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによる制駆動力(前後力)を演算する。具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最適制御することによって、制駆動力を演算する。
本実施形態では、タイヤ稼働率ηを左右の前後2輪で平均化した。そのため、制御においては、左右それぞれの前後輪のタイヤ稼働率ηfl、ηfr、ηrl、ηrrをそれぞれ演算し、前2輪及び後2輪の各タイヤ稼働率の平均値と、各車輪のタイヤ稼働率ηfl、ηfr、ηrl、ηrrとから、各車輪のタイヤ稼働率誤差ηefl 、ηefr 、ηerl 、ηerr を、(19’式)のように定義した。
ここで、評価関数Lを最小にすることを考える。ここで、評価関数Lを表す(18式)の右辺におけるEは目標車両前後・横力、ヨーモーメント、及び、タイヤ稼働率と、配分した各車輪のタイヤから生じさせる実前後・横力、ヨーモーメント、及び、タイヤ稼働率との配分誤差であり、従来の制御と比較して、ヨーモーメント以外に実車両前後・横力を目標車両前後・横力に追従させ、さらに、タイヤ稼働率を左右の2輪で平均化するように制御することに特徴がある。この配分誤差Eは、(20式)のように表すことができる。
ここで、(20式)におけるF* Xは目標車両前後力、F* Yは目標車両横力、M* Zは目標ヨーモーメントである。また、F^ Xは各車輪に配分して生じさせている実前後力FXiの総和である車両の実前後力、F^ Yは各車輪に生じさせている実横力FYiの総和である車両の実横力、M^ Zは車両の実ヨーモーメントである。さらに、FeXは車両の前後力の配分誤差、FeYは車両の横力の配分誤差、MeZは車両のヨーモーメントの配分誤差である。なお、(18式)における補正量δK はスリップ率Kの補正量である。この補正量δK は、各車輪のスリップ率補正量δKfl 、δKfr 、δKrl 、δKrr によって、(21式)のように表すことができる。
さらに、各車輪に配分したタイヤ稼働率ηi (ηfl,ηfr,ηrl,ηrr)、車両の前後力FX 、横力FY 及びヨーモーメントMZ は、各車輪に生じさせている実前後力FXi(FXfl ,FXfr ,FXrl ,FXrr )、実横力FYi(FYfl ,FYfr ,FYrl ,FYrr )、実ヨーモーメントM^ Z、及び、実タイヤ稼働率η^ i(η^ fl ,η^ fr ,η^ rl ,η^ rr )と、(24式)に示すヤコビアンJとによって、(25式)のように表すことができる。
ここで、(27式)中のΔE は、各車輪のタイヤ稼働率の配分誤差ηefl ,ηefr ,ηerl ,ηerr と、車両の前後力の配分誤差FeX、車両の横力の配分誤差FeY、車両のヨーモーメントの配分誤差MeZによって、(28式)のように表すことができる。
駆動力演算部129は、(27式)及び(28式)を用いた演算結果に基づいて、車輪20FL,20FR,20RL,20RRに配分する制駆動力を決定する。具体的には、駆動力演算部129は、(27式)及び(28式)により算出される、各車輪についての評価関数Lを最小にするためのスリップ率Ki の補正量δK から、各車輪のタイヤデータTDに基づいて、各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)を算出し、トルク指令値として出力する。なお、F* Y及びFYeは、用いなくても構わない。
つまり、駆動力演算部129は、各車輪のスリップ率Ki 、及び各車輪に生じる前後力Fxiと横力Fyiとの関係を示すタイヤデータTDに基づいて、各車輪に生じさせている実前後力FXiの総和である車両の実前後力F^ Xと、各車輪に生じさせている実横力FYiの総和である車両の実横力F^ Yとを演算する。なお、駆動力演算部129は、車輪の回転速度と、電気自動四輪車10の車速Vとに基づいて、各車輪のスリップ率Ki を演算する。
さらに、駆動力演算部129は、電気自動四輪車10の操舵角δ及び車速Vに基づいて、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる電気自動四輪車10の目標車両前後力F* Xと目標車両横力F* Yとを演算する。本実施形態において、駆動力演算部129は、目標前後力演算部を構成する。
また、駆動力演算部129は、演算した車両の実前後力F^ Xと目標車両前後力F* Xとの前後力誤差FeX、演算した車両の実横力F^ Yと目標車両横力F* Yとの横力誤差FeY、車両の実ヨーモーメントM^ Zと目標ヨーモーメントM* Zとの誤差MeZ、及び、各車輪に生じている実前後力F^ Xと実横力F^ Yに対する各車輪の接地荷重FZiに基づいて定められる各車輪のタイヤ稼働率ηi を用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’(各車輪の駆動力)を演算する。本実施形態において、駆動力演算部129は、制御前後力演算部を構成する。
また、駆動力演算部129は、ステア特性判定部122による判定結果に応じて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を変更する。
電気モータ制御部131は、駆動力演算部129によって演算された各車輪の制御前後力FXi’(駆動力)に基づいて、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRに供給する電流値iを制御する。
(5)ステア特性判定部122
ステア特性判定部122は、電気自動四輪車10のコーナリング時に、ヨーモーメント演算部125で演算された電気自動四輪車10のヨーモーメント(実ヨーモーメント)と、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のステア特性を判定する。
ステア特性判定部122は、電気自動四輪車10のコーナリング時に、ヨーモーメント演算部125で演算された電気自動四輪車10のヨーモーメント(実ヨーモーメント)と、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度aX 及び加速度aY に基づいて、電気自動四輪車10のステア特性を判定する。
ヨーモーメントからステア特性(アンダーステア(US)、オーバステア(OS)、ニュートラルステア(NS))を算出する方法の一例を以下に示す。センサ部110から出力された操舵角δと、車速Vからニュートラルステア(NS)時のヨーモーメントMNSを予め演算しておく。このヨーモーメントMNSを基準値として、コーナリング時に、ヨーモーメント演算部125で演算された電気自動四輪車10のヨーモーメント(実ヨーモーメント)と、MNSとを比較する。
比較の結果、M−MNS>0のとき、オーバステア(OS)である。M−MNS=0のとき、ニュートラルステアである。M−MNS>0のとき、アンダーステア(US)である。なお、ニュートラルステア時のヨーモーメントMNS、及びコーナリング時の実ヨーモーメントは、(5式)、(5’式)、(6式)、(7式)に基づいて算出することができる。
ステア特性判定部122は、判定結果を駆動力演算部129に送る。具体的に、ステア特性がアンダーステアのとき、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を低減する。詳細は、(ステア特性による駆動力の制御の動作概要)において説明する。
(電気自動四輪車の駆動システムの動作概要)
次に、上述した車両制御装置100の動作概要について説明する。図6は、車両制御装置100による制駆動力(前後力)の制御動作フローである。
次に、上述した車両制御装置100の動作概要について説明する。図6は、車両制御装置100による制駆動力(前後力)の制御動作フローである。
図6に示すように、ステップS10において、車両制御装置100は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)に生じさせている実前後力FXiの総和である車両の実前後力F^ Xと、各車輪に生じさせている実横力FYiの総和である車両の実横力F^ Yとを演算する。具体的には、車両制御装置100は、各車輪のスリップ率Ki と、各車輪に生じる前後力Fxiと横力Fyiとの関係を示すタイヤデータTDとに基づいて、各車輪に生じさせている実前後力FXi及びその総和である車両の実前後力F^ Xと、各車輪に生じさせている実横力FYi及びその総和である車両の実横力F^ Yとを演算する。
ステップS20において、車両制御装置100は、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる電気自動四輪車10の目標車両前後力F* Xと目標車両横力F* Yとを演算する。具体的には、車両制御装置100は、上述した(10式)や(27式)及び(28式)を用いて、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる目標車両前後力F* Xと目標車両横力F* Yとを演算する。
ステップS30において、車両制御装置100は、ステップS10において演算した車両の実前後力F^ X及び実横力F^ Yと、ステップS20において演算した目標車両前後力F* X及び目標車両横力F* Yと、各車輪のタイヤ稼働率ηi とを用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力Fxi’(各車輪の駆動力)を演算する。
具体的には、車両制御装置100は、車両の実前後力F^ X、実横力F^ Y、実ヨーモーメントM^ Zと、目標車両前後力F* X、目標車両横力F* Y、目標ヨーモーメントM* Zとの配分誤差FeXi 、FeY、MeZ、及び、各車輪のタイヤ稼働率ηi を用い、上述した(27式)及び(28式)などを用いて、各車輪についての評価関数Lを最小にするためのスリップ率Ki の補正量δK を求める。さらに、求めたスリップ率Ki の補正量δK と各車輪のタイヤデータTDとに基づいて、各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)を算出する。
ステップS40において、車両制御装置100は、演算した各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)に基づいて、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRに供給する電流値iを制御する。
(ステア特性による駆動力の制御の動作概要)
本実施形態では、ステア特性による駆動力の制御を行う。図7は、ステップS40の処理を具体的に説明するフローチャートである。
本実施形態では、ステア特性による駆動力の制御を行う。図7は、ステップS40の処理を具体的に説明するフローチャートである。
ステップS41において、ステア特性判定部122は、ヨーモーメント演算部125で求められた電気自動四輪車10の実ヨーモーメントを受け取る。また、ニュートラルステア(NS)時のヨーモーメントMNS(基準値)を受け取る。
ステップS42において、ステア特性判定部122は、電気自動四輪車10のコーナリング時に、ヨーモーメント演算部125で演算された電気自動四輪車10の実ヨーモーメントと、基準値MNSとに基づいて、ステア特性を判定する。
ステップS42において、ステア特性がアンダーステア(USと記す)のとき、ステップS43に進む。ステア特性判定部122は、ステップS43において、操舵角速度が閾値以上か否かを判定する。
ステップS43において、操舵角速度が閾値以上のとき、駆動力演算部129は、ステップS44において、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を低減させる。
ステップS43において、操舵角速度が閾値よりも小さいとき、駆動力演算部129は、ステップS45において、制御すべき制御前後力の演算を行わない。
ステップS42において、ステア特性がオーバーステア(OSと記す)のとき、ステップS46に進む。ステア特性判定部122は、ステップS46において、操舵角が電気自動四輪車10のコーナリング時の旋回方向と異なるか否かを判定する。
ステップS46において、操舵角が電気自動四輪車10のコーナリング時の旋回方向と異なるとき、駆動力演算部129は、ステップS47において、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を低減させる。
ステップS46において、操舵角が電気自動四輪車10のコーナリング時の旋回方向と同じとき、駆動力演算部129は、ステップS47において、制御すべき制御前後力の演算を行わない。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態に係る車両制御装置100によれば、コーナリング時のステア特性がアンダーステアのときは、制御前後力(駆動力)を低減させる。すなわち、直接ヨーモーメント制御(DYC)を実行する代わりに、制御前後力を低減させる。従って、ニュートラルステアに従わない速度でコーナリングしている状況下にDYCが行われることによって電気自動四輪車10の挙動が一層不安定になる現象を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両制御装置100によれば、コーナリング時のステア特性がアンダーステアのときは、制御前後力(駆動力)を低減させる。すなわち、直接ヨーモーメント制御(DYC)を実行する代わりに、制御前後力を低減させる。従って、ニュートラルステアに従わない速度でコーナリングしている状況下にDYCが行われることによって電気自動四輪車10の挙動が一層不安定になる現象を抑制することができる。
従って、電気自動四輪車10の車両制御装置100によれば、各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動四輪車10において、コーナリング時のステア特性に応じて各車輪の最適な駆動力を制御することができる。
ステア特性判定部122による判定結果がアンダーステアであって、且つセンサ部110の加速度センサ117において検出された操舵角速度が閾値以上の場合は、電気自動四輪車10がオーバースピードでコーナリングしているが、電気自動四輪車10が旋回方向に向かおうとしている状態である。
この場合、電気自動四輪車10の車両制御装置100によれば、駆動力演算部129は、DYCから制御前後力の制御に切り替える。駆動力演算部129は、制御前後力を低減させる。これにより、電気自動四輪車10のステア特性をニュートラルステアに修正することができる。従って、コーナリング時における電気自動四輪車10の不安定な挙動を回復させることができる。
また、ステア特性判定部122による判定結果がアンダーステアであって、且つセンサ部110の加速度センサ117において検出された操舵角速度が閾値よりも小さい場合は、電気自動四輪車10がオーバースピードでコーナリングしていて、電気自動四輪車10が旋回方向に向かっていない状態である。すなわち、電気自動四輪車10の挙動を制御することが既に困難になっている状態を示す。
この場合、電気自動四輪車10の車両制御装置100によれば、駆動力演算部129は、制御すべき制御前後力の演算を行わない。これにより、コーナリング時に電気自動四輪車10が制御困難な状態において、電気自動四輪車10の挙動が一層不安定になる現象を抑制することができる。
また、ステア特性判定部122による判定結果がオーバーステアであって、且つセンサ部110の操舵角センサ111において検出された操舵角が電気自動四輪車10のコーナリング時の旋回方向と異なる場合は、いわゆる逆ハン状態である。
この場合、電気自動四輪車10の車両制御装置100によれば、駆動力演算部129は、制御前後力を低減させる。これにより、電気自動四輪車10のステア特性をニュートラルステアに修正することができる。従って、コーナリング時における電気自動四輪車10の不安定な挙動を回復させることができる。
また、ステア特性判定部122による判定結果がオーバーステアであって、且つセンサ部110の操舵角センサ111において検出された操舵角が電気自動四輪車10のコーナリング時の旋回方向と同じ場合は、スピンに陥る直前の状態である。
この場合には、駆動力演算部129は、制御すべき制御前後力の演算を行わない。これにより、コーナリング時に電気自動四輪車10が制御困難な状態において、電気自動四輪車10の挙動が一層不安定になる現象を抑制することができる。
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は、電気自動車でなくても適用可能である。駆動力として内燃機関を使用した四輪車であってもよい。また、各車輪の駆動を別個に制御可能な車両であれば、例えば、六輪車両等であってもよい。
例えば、上述した実施形態で用いたタイヤ稼働率ηi は、各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiの合計と、各車輪の接地荷重との比としてもよい。
また、上述した実施形態では、マジックフォーミュラによるタイヤデータTDが用いられていたが、タイヤデータTDは、タイヤモデル(例えば、ブラッシュモデル)に基づいたものでもよい。或いは、タイヤデータTDは、実験値に基づいたものでもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。例えば、本実施形態では四輪の電気自動車を例に取って説明したが、本発明は例えば六輪等、四輪以外の車輪を有する自動車にも適用可能である。
10…電気自動四輪車、20FL,20FR,20RL,20RR…車輪、30FL,30FR,30RL,30RR…インホイールモータ、100…車両制御装置、110…センサ部、111…操舵角センサ、113…車速センサ、115…ヨーレートセンサ、117…加速度センサ、121…フィードフォワードモーメント演算部、122…ステア特性判定部、123…目標ヨーモーメント演算部、125…ヨーモーメント演算部、127…PIDコントローラ、129…駆動力演算部、131…電気モータ制御部、CG…重心点、d…トレッド幅、aX ,aY …加速度、Fxi…電気自動四輪車の前後力、Fyi…電気自動四輪車の横力、TD…タイヤデータ、β…すべり角、γ…ヨーレート、δ…操舵角
Claims (5)
- 各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車に生じさせているモーメントを制御することによって電気自動車を制御する車両制御装置であって、
前記電気自動車に生じさせている実ヨーモーメントを演算するヨーモーメント演算部と、
前記各車輪に対して制御すべき制御前後力を演算する制御前後力演算部と、
前記制御前後力演算部によって演算された前記制御前後力に基づいて、前記電気モータに供給する電流値を制御する電気モータ制御部と、
前記電気自動車のコーナリング時において前記実ヨーモーメントに基づいて、少なくとも前記電気自動車がオーバーステアまたはアンダーステアであることを判定するステア特性判定部とを備え、
前記制御前後力演算部は、前記ステア特性判定部による判定結果がアンダーステアのとき、前記制御前後力を低減する電気自動車の車両制御装置。 - 操舵角速度を検出する操舵角速度検出部を有し、
前記ステア特性判定部による判定結果がアンダーステア、且つ検出された前記操舵角速度が閾値以上のとき、前記制御前後力演算部は、前記モーメントの制御を中止して前記制御前後力を低減させる請求項1に記載の電気自動車の車両制御装置。 - 前記ステア特性判定部による判定結果がアンダーステア、且つ検出された前記操舵角速度が閾値よりも小さいとき、前記制御前後力演算部は、制御すべき前記制御前後力の演算を行わない請求項2に記載の電気自動車の車両制御装置。
- 操舵角を検出する操舵角検出部を有し、
前記ステア特性判定部による判定結果がオーバーステア、且つ検出された前記操舵角が前記電気自動車のコーナリング時の旋回方向と異なるとき、前記制御前後力演算部は、前記モーメントの制御を中止して前記制御前後力を低減させる請求項1に記載の電気自動車の車両制御装置。 - 前記ステア特性判定部による判定結果がオーバーステア、且つ検出された前記操舵角が前記電気自動車のコーナリング時の旋回方向と同じとき、前記制御前後力演算部は、制御すべき前記制御前後力の演算を行わない請求項4に記載の電気自動車の車両制御装置。
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