JP2009044916A - 電気自動車の駆動システム及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】各車輪を個別独立した電気モータにより駆動する車両において、タイヤ交換した場合でも、各車輪の稼動状態に応じた最適な駆動力を制御することができるようにする。
【解決手段】タイヤ21のタイヤデータを、タイヤ内部に設けたデータモジュール40から車両制御装置100に送信し、車両制御装置内に記憶させる。車両制御装置100では、前記タイヤデータに基づいて演算した実前後力F^と目標車両前後力F との誤差FeX、実横力F^と目標車両横力F との横力誤差FeY、実ヨーモーメントM^と目標ヨーモーメントM との誤差MeZ、及び車輪の実前後力F^と実横力F^に対する各車輪の接地荷重FZiに基づいて定められる各車輪のタイヤ稼働率ηi を用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’を演算し、この制御前後力FXi’に基づいて、インホイールモータ30(FL〜RR)に供給する電流値iを制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、主に電気自動車の挙動を制御するための駆動システム、及びこの駆動システムを用いた電気自動車に装着されるタイヤに関する。
従来、自動車の挙動制御に関して、左右の車輪の駆動力または制動力の差を用いて、直接ヨーモーメントを発生させる、いわゆる直接ヨーモーメント制御(DYC)知られている。一般的なDYCでは、各車輪の駆動力を制御する場合に、各車輪の接地荷重(FZi )に応じて、駆動力を発生する内燃機関の出力を制御している。
一方、近年では、各車輪を各々独立した電気モータによって駆動する電気自動車の研究、開発が行われている。このような電気自動車に上述のようなDYCを適用した場合は、各車輪の稼動状態は考慮されずに制御が行われることになるため、必ずしも最適な駆動力に制御されるものではなかった。これを解決する技術として、各車輪に生じる実前後力、各車輪の目標前後力、及びタイヤ稼働率とに基づいて制御前後力を演算し、この制御前後力に基づいて各車輪を駆動する電気モータに供給する電流値を制御するようにした車両制御装置が知られている。
また、タイヤ内圧センサユニットで検出した内圧データを中央タイヤ管理装置に送信することにより、タイヤ交換に際して、圧力の異常判定に用いる閾値を設定する作業などを省力化した技術が知られている(特許文献1参照)。さらに、タイヤに関するデータを蓄積する記憶装置からの蓄積データをモニター装置に送信し、この蓄積データを更に離れた場所に再送信するようにした技術が知られている(特許文献2参照)。
特開2003−159918号公報 特開平11−254926号公報
上記特許文献1の車両制御装置では、実前後力の演算にタイヤデータ(タイヤ推定用パラメータ)を用いている。このタイヤデータはタイヤごとに異なるため、あらかじめ装着されているタイヤとは異なるタイヤデータをもつタイヤを装着すると、正確な制御前後力が演算できなくなる。これを解決するため、車両側にタイヤデータを複数記憶しておき、交換したタイヤに適合したタイヤデータを選択する手法も考えられるが、車載のコンピュータは記憶容量が小さいため多くのタイヤデータを記憶することは難しいのが現状である。また、多くのタイヤデータを記憶できたとしても、新たに生産されたタイヤについては、タイヤを装着するたびに作業者がタイヤデータを手作業で入力しなければならず、データ入力に手間と時間がかかることになる。しかも、入力ミス等により誤ったタイヤデータが記憶された場合には、正確な制御前後力が演算できなくなるため、駆動力の制御が適切に行われないことになる。このような課題は、上記特許文献2及び3に記載された技術においても解決されていない。
本発明の目的は、各車輪を個別独立した電気モータにより駆動する車両において、タイヤ交換した場合でも、各車輪の稼動状態に応じた最適な駆動力を制御することができる電気自動車の駆動システム及びタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係わる発明は、各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車を駆動するための駆動システムであって、各車輪を別個独立に駆動する電気モータと、前記車輪に装着されたタイヤに関するタイヤデータを記憶するデータモジュールと、前記電気自動車の挙動を制御する車両制御装置とを含み、前記車両制御装置は、前記車輪のスリップ率、及び前記車輪に生じる前後力と横力との関係を示すタイヤデータに基づいて、前記各車輪に生じさせている実前後力とその総和を演算する実前後力演算部と、前記タイヤデータに基づいて、前記各車輪に生じさせている実横力及びその総和を演算する実横力演算部と、前記実前後力演算部及び前記実横力演算部の各演算結果から、前記電気自動車に生じさせている実ヨーモーメントを演算するヨーモーメント演算部と、前記電気自動車の操舵角及び車速に基づいて、前記電気自動車が所望のステア特性となる前記電気自動車の目標車両前後力を演算する目標前後力演算部と、前記目標前後力演算部及び前記目標横力演算部の各演算結果から、前記電気自動車の目標ヨーモーメントを演算する目標ヨーモーメント演算部と、前記実前後力演算部によって演算された前記実前後力の総和と前記目標前後力演算部によって演算された前記目標車両前後力との差、前記実横力演算部によって演算された前記実横力の総和と前記目標横力演算部によって演算された前記目標車両横力との差、前記ヨーモーメント演算部によって演算された実ヨーモーメントと前記目標ヨーモーメント演算部によって演算された目標ヨーモーメントとの差、及び前記各車輪に生じさせている実前後力と実横力に対する前記各車輪の接地荷重に基づいて定められるタイヤ稼働率を用いて、前記各車輪に対して制御すべき制御前後力を演算する制御前後力演算部と、前記制御前後力演算部によって演算された前記制御前後力に基づいて、前記電気モータに供給する電流値を制御する電気モータ制御部と、前記データモジュールから送信されたタイヤデータを受信するデータ受信部と、前記データ受信部で受信したタイヤデータを記憶するデータ記憶部とを備え、前記データモジュールは、前記車輪に装着されたタイヤに関するタイヤデータを記憶する記憶部と、前記車両制御装置の前記データ受信部にタイヤデータを送信するアンテナと、前記記憶部に記憶されたタイヤデータを読み出し、当該タイヤデータを前記アンテナから前記車両制御装置の前記データ受信部に送信させる制御部とを備え、前記車輪に装着されたタイヤの内部に設けられることを特徴とする。
請求項2に係わる発明は、請求項1の発明において、前記タイヤ稼働率が、前記各車輪の実前後力及び実横力の合計と、前記各車輪の接地荷重との比であることを特徴とする。
請求項3に係わる発明は、請求項1の発明において、前記各車輪の実前後力をFXi、前記各車輪の実横力をFYi、前記各車輪の接地荷重をFzi、及び前記各車輪が転動する路面の摩擦係数をμiとした場合、前記各車輪のタイヤ稼働率ηiは、
Figure 2009044916
であることを特徴とする。
請求項4に係わる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項の発明において、前記車両制御装置は、電気自動車が起動されたときに前記データモジュールにデータ要求信号を送信するデータ送信部を備え、前記データモジュールの前記制御部は、前記データ要求信号を受信したときに、前記記憶部に記憶されたタイヤデータを読み出し、当該タイヤデータを前記アンテナから前記車両制御装置の前記データ受信部に送信させることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項5に係わる発明は、電気自動車の各車輪を別個独立に駆動する電気モータと、前記電気自動車の挙動を制御する車両制御装置とを備えた電気自動車に装着されるタイヤであって、自タイヤに関するタイヤデータを記憶する記憶部と、前記車両制御装置にタイヤデータを送信するアンテナと、前記記憶部に記憶されたタイヤデータを読み出し、当該タイヤデータを前記アンテナから前記車両制御装置に送信させる制御部とを有するデータモジュールを備えることを特徴とする。
本発明に係わる電気自動車の駆動システム及びタイヤによれば、装着されたタイヤのタイヤデータが、タイヤの内部に設けられたデータモジュールから車両制御装置に送信され、車両制御装置内に記憶されるため、あらかじめ装着されているタイヤとは異なるタイヤデータのタイヤを装着した場合でも、各車輪に対して制御すべき前後力を正確に演算することができる。したがって、タイヤ交換した場合でも、各車輪の稼動状態に応じた最適な駆動力を制御することができる。
また、作業者がタイヤデータを手作業で入力する必要がなく、自動的にタイヤデータが記憶されるので、データ入力に伴う作業を省力化することができる。さらには、人為的な入力ミス等により誤ったタイヤデータが記憶される心配がなく、常に正確な制御前後力の演算が可能となる。
以下、本発明に係わる電気自動車の駆動システム及びタイヤの実施形態ついて説明する。
[電気自動四輪車の全体構成]
図1は、本実施形態に係る電気自動四輪車10の概略斜視図である。電気自動四輪車10は、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの内側に電気モータ、いわゆるインホイールモータをそれぞれ備える。つまり、電気自動四輪車10は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)を別個独立したインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって駆動される。そして、各車輪20FL〜20RRに装着された空気入りタイヤ(以下、タイヤという)21の内部には、後述するデータモジュール40が設けられている。
また、電気自動四輪車10は、車両制御装置100を備える。車両制御装置100は、左右の車輪の駆動力または制動力の差を用いて直接ヨーモーメントを発生させる、いわゆる直接ヨーモーメント制御(DYC)によって、電気自動四輪車10の挙動を制御するものである。この車両制御装置100には、電気自動四輪車10の各種状態(例えば、操舵角)を検出するセンサ部110が接続される。以下、駆動力と制動力とを総称して適宜に「制駆動力」又は「前後力」という。
本実施形態では、車両制御装置100と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RR、及びデータモジュール40によって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
[電気自動四輪車の駆動システムの構成]
図2は、本実施形態に係る電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック図である。上述したように、車両制御装置100と、各車輪の内側に備えられたインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって、電気自動四輪車の駆動システムが構成される。
車両制御装置100は、フィードフォワードモーメント演算部121、目標ヨーモーメント演算部123、ヨーモーメント演算部125、PIDコントローラ127、駆動力演算部129、電気モータ制御部131、及びデータ送受信部132によって構成される。
本実施形態において、目標ヨーモーメント演算部123では、目標モデルに二輪モデルを用いている。また、駆動力演算部129における駆動力の演算では、いわゆる「最適制御」が取り入れられている。
具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最小にするように補正量δを決定する。また、本実施形態では、車両ヨーモーメント(M)、車両横力(F)、車両前後力(F)、タイヤスリップ率(K)及びタイヤ稼働率(η)の配分誤差が用いられる。なお、車両制御装置100による駆動力の制御の詳細については、後述する。
センサ部110は、操舵角センサ111、車速センサ113、ヨーレートセンサ115及び加速度センサ117によって構成される。
操舵角センサ111は、電気自動四輪車10の前輪、具体的には、車輪20FL及び車輪20FRの操舵角を検出する。この操舵角は、ハンドル角を検知しこれをステアリングギヤ比で割って演算により検出することもできる。車速センサ113は、電気自動四輪車10の車速を検出する。
ヨーレートセンサ115は、電気自動四輪車10(図3参照)におけるヨーレートを検出する。加速度センサ117は、電気自動四輪車10に生じている前後方向(図3のx方向)の加速度(加速度a)、及び横方向(図3のy方向)の加速度(加速度a)を検出する。
次に、車両制御装置100を構成する各機能ブロックについて、図2〜図5を参照して説明する。
(1)フィードフォワードモーメント演算部121
フィードフォワードモーメント演算部121は、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。具体的には、フィードフォワードモーメント演算部121は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、フィードフォワード補償ヨーモーメントMFFを演算する。
まず、フィードフォワードモーメント演算部121における具体的な演算方法の説明に先立って、電気自動四輪車10のヨーレートγについて説明する。電気自動四輪車10では、ヨーレートγは(1式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
また、図3は、電気自動四輪車10を3方向(x方向、y方向、及び回転方向)に自由度を有する四輪モデルとして模式的に示している(つまり、ローリングは考慮していない)。図3に示すように、(1式)におけるδは実操舵角である。本実施形態では、ハンドル角を検知しこれをステアリングギヤ比で割って演算により検出した実操舵角を用いている。また、l(lf+lr)はホイールベース、mは車両質量、kfは前輪のコーナリングパワー、krは後輪のコーナリングパワーである。
本実施形態では、車両制御装置100は、DYCを用い、電気自動四輪車10のステアリング特性がニュートラルステアとなるように各車輪の制駆動力(前後力)を制御する。(1式)より、ニュートラルステア時のヨーレートγNSは、(2式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、Δγは、電気自動四輪車10のステアリング特性をニュートラルステアにするために必要なヨーレートの増減量である。次に、電気自動四輪車10のスタビリティファクターK、及び車両制御装置100(DYC)への入力に対するヨーレートγ(0)は、(3式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
また、(2式)及び(3式)より、電気自動四輪車10のステアリング特性をニュートラルステアにするために必要なフィードフォワード補償ヨーモーメントMFFは、(4式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、Gff(V)は、フィードフォワードゲインである。
(2)目標ヨーモーメント演算部123
目標ヨーモーメント演算部123は、目標ヨーモーメントMを演算する。具体的には、目標ヨーモーメント演算部123は、センサ部110から出力された操舵角δ及び車速Vに基づいて、目標ヨーモーメントMを演算する。目標ヨーモーメントMは、(5式)及び(5’式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
Figure 2009044916
ここで、横力Yfは、前輪(車輪20FL及び車輪20FR)に生じる横力(コーナリングフォース)である。また、横力Yは、後輪(車輪20RL及び車輪20RR)に生じる横力(コーナリングフォース)である。また、ヨーレートγNS、ニュートラルステア時のすべり角βNS、及び操舵角δとの関係は、(6式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
よって、(5’式)は、(7式)のように変形することができる。
Figure 2009044916
ここで、G(V)は、目標ヨーモーメントゲインである。さらに、本実施形態では、kf=lr/lf・krを代入している。
(3)ヨーモーメント演算部125及びPIDコントローラ127
ヨーモーメント演算部125は、電気自動四輪車10の挙動を制御するために用いられる電気自動四輪車のヨーモーメントを演算する。具体的には、ヨーモーメント演算部125は、センサ部110から出力された操舵角δ、車速V、ヨーレートγ、加速度a及び加速度aに基づいて、車両のヨーモーメントを演算する。また、ヨーモーメント演算部125は、後述のデータ送受信部132から送信されたタイヤデータTDを記憶するための図示しないデータ記憶部を備えている。
PIDコントローラ127は、目標ヨーモーメント演算部123によって演算された目標ヨーモーメントM及びヨーモーメント演算部125によって演算されたヨーモーメントをフィードバックさせるコントローラである。
PIDコントローラ127(フィードバック補償器)は、目標ヨーモーメント演算部123において用いられる目標モデルとの誤差がなくなるようにヨーモーメントをフィードバックさせる。具体的には、PIDコントローラ127は、(8式)に基づいて動作する。
Figure 2009044916
ここで、MFBは、フィードバックヨーモーメント、Mは、制御対象である電気自動四輪車10に生じているヨーモーメントである。また、Kは比例ゲイン、Kは積分ゲイン、Kは微分ゲインである。さらに、(9式)が成立する。
Figure 2009044916
は、ヨーモーメント誤差である。本実施形態では、ヨーモーメント誤差Mを、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなるために制御すべきヨーモーメントMDYCとする。
また、図3に示すように、電気自動四輪車10を3方向(x方向、y方向、及び回転方向)に自由度を有する四輪モデルとした場合、(10式)が成立する。
Figure 2009044916
xfl,Fxfr,Fxrl及びFxrrは、各車輪の前後力(前後力Fxi)である。Fyfl,Fyfr,Fyrl及びFyrrは、各車輪の横力(横力Fyi)である。ここで、fl,fr,ri,rrは、それぞれ車輪の左前、右前、左後、右後を表す。Iは、電気自動四輪車10のヨー方向の慣性モーメントである。dは、電気自動四輪車10のトレッド幅である。また、u,νは、x,y方向(図3参照)の速度成分である。
次に、車輪20FL,20FR,20RL,20RRに装着されたタイヤ21の摩擦円は、(11式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、r(摩擦円半径)またはa,b(摩擦楕円の幅及び高さ)が分かれば、各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiを演算することができる。さらに、垂直方向も考慮すると、接地荷重Fは、(12式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
(11式)及び(12式)から、(1)各車輪のrまたはa,b、(2)各車輪の前後力初期値FXOi,横力初期値FYOi、(3)各車輪の傾き係数(摩擦係数ミμ対スリップ率λ特性を示す曲線の傾きに応じて定まる係数)αが分かれば、車輪20FL,20FR,20RL,20RRの前後力Fxi及び横力Fyiを演算することができる。
なお、本実施形態は、上述した各車輪の前後力Fxi及び横力Fyiを求めるため、マジックフォーミュラ(MF)に基づくデータをタイヤデータTDとして使用する。
次に、電気自動四輪車10の走行に伴う垂直荷重(Wx,Wy)の変化について考える。図4は、電気自動四輪車10の加減速に伴う車両前後方向の垂直荷重が変化する様子を示す説明図である。図5は、電気自動四輪車10のコーナリングに伴う車幅方向の垂直荷重が変化する様子を示す説明図である。
電気自動四輪車10の加減速時における垂直荷重の変化は、(13式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
また、電気自動四輪車10のコーナリング時における垂直荷重の変化は、(14式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、Hは、路面から重心点CGまでの高さである。よって、前後方向の加速度a及び横方向の加速度aを測定すれば、(14’式)によって、各車輪の垂直荷重、つまり、接地荷重Fを求めることができる。
Figure 2009044916
ここで、Fzoi は各車輪の1G(静的)状態における垂直荷重である。次に、前後力Fxiについて考えると、電気自動四輪車10は、電気モータ(インホイールモータ)を用いるため、前後力Fxiは、一般式で(15式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、Kはトルク定数、iは電流値である。また、動特性を考慮し、電気モータを一次遅れ系とすると、(15’式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、τは時定数、Fx0は静トルクである。
なお、車輪20FL,20FR,20RL,20RR(具体的には、タイヤ21)が転動する路面の摩擦係数μは、(17式)に基づいて推定される。また、摩擦係数μの前後方向成分、すなわち、前後方向の摩擦係数μ や摩擦係数μの横方向成分、すなわち、横方向の摩擦係数μ は(17’式)、(17’’式)、(17’’’式)によって推定される。
Figure 2009044916
ここで、Fμは路面とタイヤ21との摩擦力である。(17式)に示すように、前後力F及び接地荷重Fが分かれば、前後方向の摩擦係数μが推定できる。横方向の摩擦係数μ は、タイヤデータから演算される各車輪の実横力Fyi を使用して、(17’’式)から演算できる。よって、摩擦係数μは、(17’’’式)から推定できる。つまり、加速については、電気モータ(インホイールモータ)のトルクを用いて検出できる。また、減速については、電気自動四輪車10の制動装置の油圧に基づいて演算した減速トルクを用いて検出できる。なお、本実施形態では、摩擦係数μを固定値とした。
(4)駆動力演算部129
駆動力演算部129は、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによる制駆動力(前後力)を演算する。具体的には、駆動力演算部129は、所定の評価関数を最適制御することによって、制駆動力を演算する。
本実施形態では、駆動力演算部129は、上述したように、最適制御のために評価関数Lを用いる。評価関数Lは、(18式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
本実施形態では、タイヤ稼働率ηを左右の2輪で平均化した。そのため、制御においては、左右それぞれの前後輪のタイヤ稼働率ηfl、ηfr、ηrl、ηrrをそれぞれ演算し、前2輪及び後2輪の各タイヤ稼働率の平均値と、各車輪のタイヤ稼働率ηfl、ηfr、ηrl、ηrrとから、各車輪のタイヤ稼働率誤差ηefl 、ηefr 、ηerl 、ηerr を、(19式)のように定義した。
Figure 2009044916
ここで、評価関数Lを最小にすることを考える。ここで、評価関数Lを表す(18式)の右辺におけるEは目標車両前後・横力、ヨーモーメント及びタイヤ稼働率と配分した各車輪のタイヤから生じさせる実前後・横力、ヨーモーメント、及び、タイヤ稼働率の配分誤差であり、従来の制御と比較して、ヨーモーメント以外に実車両前後・横力を目標車両前後・横力に追従させ、さらに、タイヤ稼働率を左右の2輪で平均化するように制御することに特徴がある。この配分誤差Eは、(20式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、(20式)におけるF は目標車両前後力、F は目標車両横力、M は目標ヨーモーメントである。また、F^は各車輪に配分して生じさせている実前後力FXiの総和である車両の実前後力、F^は各車輪に生じさせている実横力FYi 総和である車両の実横力、M^は車両の実ヨーモーメントである。さらに、FeXは車両の前後力の配分誤差、FeYは車両の横力の配分誤差、MeZは車両のヨーモーメントの配分誤差である。なお、(18式)における補正量δはスリップ率Kの補正量である。この補正量δは、各車輪のスリップ率補正量δKfl 、δKfr 、δKrl 、δKrr の床関数によって、(21式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
また、W、WδKは、配分誤差E及びスリップ率補正量δに対する重み関数であり、それぞれ(22式)、(23式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
Figure 2009044916
さらに、各車輪に配分したタイヤ稼働率ηi (ηfl,ηfr,ηrl,ηrr)、車両の前後力F、横力F及びヨーモーメントMは、各車輪に生じさせている実前後力FXi(FXfl ,FXfr ,FXrl ,FXrr )、実横力FYi(FYfl ,FYfr ,FYrl ,FYrr )、実ヨーモーメントM^、及び、実タイヤ稼働率η^i(η^fl ,η^fr ,η^rl ,η^rr )と、(24式)に示すヤコビアンJとによって、(25式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
Figure 2009044916
ここで、MdYc は車両制御によるヨーモーメントである。以上から、評価関数Lを最小にするためのスリップ率補正量δは、(26式)を満たすことにより与えられる。
Figure 2009044916
よって、スリップ率補正量δは、(27式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
ここで、(27式)中のΔは、各車輪のタイヤ稼働率の配分誤差ηefl ,ηefr ,ηerl ,ηerr と、車両の前後力の配分誤差FeX、車両の横力の配分誤差FeY、車両のヨーモーメントの配分誤差MeZとの床関数によって、(28式)のように表すことができる。
Figure 2009044916
駆動力演算部129は、(27式)及び(28式)を用いた演算結果に基づいて、車輪20FL,20FR,20RL,20RRに配分する制駆動力を決定する。具体的には、駆動力演算部129は、(27式)及び(28式)により算出される、各車輪についての評価関数Lを最小にするためのスリップ率Ki の補正量δから、各車輪のタイヤデータTDに基づいて、各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)を算出し、トルク指令値として出力する。なお、F 及びFYeは、用いなくても構わない。
つまり、駆動力演算部129は、各車輪のスリップ率Ki、及び各車輪に生じる前後力Fxiと横力Fyiとの関係を示すタイヤデータTDに基づいて、各車輪に生じさせている実前後力Fxi の総和である車両の実前後力F^と、各車輪に生じさせている実横力FYi の総和である車両の実横力F^ とを演算する。なお、駆動力演算部129は、車輪の回転速度と、電気自動四輪車10の車速Vとに基づいて、各車輪のスリップ率Kiを演算する。本実施形態において、駆動力演算部129は、実前後力演算部を構成する。
さらに、駆動力演算部129は、電気自動四輪車10の操舵角δ及び車速Vに基づいて、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる電気自動四輪車10の目標車両前後力F* と目標車両横力F* とを演算する。本実施形態において、駆動力演算部129は、目標前後力演算部を構成する。
また、駆動力演算部129は、演算した車両の実前後力F^と目標車両前後力F との前後力誤差FeX、演算した車両の実横力F^と目標車両横力F との横力誤差FeY、車両の実ヨーモーメントM^と目標ヨーモーメントM との誤差MeZ、及び、各車輪に生じている実前後力F^と実横力F^に対する各車輪の接地荷重FZiに基づいて定められる各車輪のタイヤ稼働率ηi を用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’(各車輪の駆動力)を演算する。本実施形態において、駆動力演算部129は、制御前後力演算部を構成する。
なお、駆動力演算部129は、後述のデータ送受信部132から送信されたタイヤデータTDを記憶するための図示しないデータ記憶部を備えている。
電気モータ制御部131は、駆動力演算部129によって演算された各車輪の制御前後力FXi’(駆動力)に基づいて、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRに供給する電流値iを制御する。
データ送受信部132は、後述するデータモジュール40との間で信号やデータを送受信するためのアンテナ133を備えている。そして、タイヤ21の内部に設けられたデータモジュール40から送信されたタイヤデータを受信したときは、受信したタイヤデータを図示しない車内LANを通じてヨーモーメント演算部125、駆動力演算部129に送信する。また、データ送受信部132は、電気自動四輪車10が起動されたとき、例えば運転者によりイグニッションキーが操作されたときに、データモジュール40に対してデータ要求信号を送信する。電気自動四輪車10の起動は、起動時に図示しない駆動コントローラから出力されるモータ起動信号により判定することができる。本実施形態において、データ送受信部132は、データ受信部及びデータ送信部を構成する。
[データモジュールの構成]
次に、データモジュール40の構成について説明する。図6は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)の部分断面図である。ここでは、車輪20FLを例として説明するが、他の車輪についても構造は同じである。
図6に示すように、タイヤ21は金属製リム22に装着されており、そのビードパッケージ23に近くに隣接する内壁24にデータモジュール40が取り付けられている。このデータモジュール40は、タイヤ製造時にタイヤと一緒に組み立ててもよく、或いは溶剤や熱によって作用する接着剤を用いてタイヤに固定してもよい。
図7は、データモジュール40の内部構成を示すブロック図である。図7に示すように、データモジュール40は、車両制御装置100のデータ送受信部132との間で信号やデータを送受信するアンテナ41と、信号やデータを送受信に適した形式に変調・復調する送受信部42と、制御部43とを備える。データモジュール40としては、基板上に上記各部の回路機能を実現するための素子が集積されたICチップを用いることができる。
制御部43は、あらかじめ設定されたコンピュータプログラムに従って演算処理やデータの入出力等を実行するコンピュータ装置であり、例えば中央演算ユニット(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、および入出力インターフェース(I/Oインターフェース)を備えたマイクロコンピュータにより構成することができる。図7では、中央演算ユニットをCPU44、RAM及びROMをメモリ45、として図示している。本実施形態において、メモリ45は、記憶部を構成する。
制御部43のメモリ45には、データモジュール40が取り付けられるタイヤ21に固有のタイヤデータが記憶されている。CPU44では、車両制御装置100のデータ送受信部132からデータ要求信号を受信したときに、メモリ45に記憶されているタイヤデータを読み出して、送受信部42に出力する。これにより、タイヤデータは送受信部42で変調され、アンテナ41を介して車両制御装置100のデータ送受信部132に送信される。
[電気自動四輪車の駆動システムの動作概要]
次に、上述した車両制御装置100の動作概要について説明する。図8は、車両制御装置100による制駆動力(前後力)の制御動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップS10において、車両制御装置100は、各車輪(車輪20FL,20FR,20RL,20RR)に生じさせている実前後力Fxi の総和である車両の実前後力F^と、各車輪に生じさせている実横力FYi の総和である車両の実横力F^とを演算する。具体的には、車両制御装置100は、各車輪のスリップ率Kiと、各車輪に生じる前後力Fxiと横力Fyiとの関係を示すタイヤデータTDとに基づいて、各車輪に生じさせている実前後力Fxi 及びその総和である車両の実前後力F^と、各車輪に生じさせている実横力FYi 及びその総和である車両の実横力F^とを演算する。
ステップS11において、車両制御装置100は、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる電気自動四輪車10の目標車両前後力F と目標車両横力F とを演算する。具体的には、車両制御装置100は、上述した(10式)や(27式)及び(28式)を用いて、電気自動四輪車10がニュートラルステアとなる目標車両前後力F と目標車両横力F とを演算する。
ステップS12において、車両制御装置100は、ステップS10において演算した車両の実前後力F^及び実横力F^と、ステップS11において演算した目標車両前後力F 及び目標車両横力F と、各車輪のタイヤ稼働率ηi とを用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力Fxi’(各車輪の駆動力)を演算する。
具体的には、車両制御装置100は、車両の実前後力F^、実横力F^、実ヨーモーメントM^と、目標車両前後力F 、目標車両横力F 、目標ヨーモーメントM との配分誤差FeXi 、FeY、MeZ、及び、各車輪のタイヤ稼働率ηi を用い、上述した(27式)及び(28式)などを用いて、各車輪についての評価関数Lを最小にするためのスリップ率Ki の補正量δを求める。さらに、求めたスリップ率Ki の補正量δと各車輪のタイヤデータTDとに基づいて、各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)を算出する。
ステップS13において、車両制御装置100は、演算した各車輪の制御すべき制御前後力Fxi’(駆動力)に基づいて、インホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRに供給する電流値iを制御する。
[タイヤデータ送信の動作概要]
次に、データモジュール40から車両制御装置100へタイヤデータを送信する場合の動作について説明する。図9は、データモジュール40とデータ送受信部132によるタイヤデータ送信の制御動作を示すフローチャートである。
図9に示すように、車両制御装置100のデータ送受信部132は、ステップS21において、図示しない駆動コントローラから出力されたモータ起動信号を検出して、データモジュール40に対してデータ要求信号を送信する。モータ起動信号は、上述したように、運転者によりイグニッションキーが操作されたときに出力される信号である。
一方、データモジュール40の制御部43は、ステップS31において、車両制御装置100側から送られてきたデータ要求信号を受信することにより、メモリ45からタイヤデータを読み出す。続くステップS32において、制御部43は、読み出したタイヤデータを送受信部42へ出力して、アンテナ41から車両制御装置100のデータ送受信部132へ送信させる。
また、車両制御装置100のデータ送受信部132は、ステップS22において、データモジュール40から送られてきたタイヤデータを受信する。そして、ステップS23において、受信したタイヤデータを駆動力演算部129、ヨーモーメント演算部125に送信する。送信されたタイヤデータは、各演算部の図示しないデータ記憶部に記憶される。
[作用・効果]
本実施形態に係る車両制御装置100によれば、各車輪の実前後力FXiの総和である車両の実前後力F^、各車輪の実横力FYiの総和である車両の実横力F^、実ヨーモーメントM^と、目標車両前後力F 、目標車両横力F 、目標ヨーモーメントM との配分誤差FeXi 、FeY、MeZ、及び、各車輪の実前後力FXiと実横力FYiに対する各車輪の接地荷重FZiに基づいて定められる各車輪のタイヤ稼働率ηi を用いて、各車輪に対して制御すべき制御前後力FXi’(各車輪の駆動力)が演算される。
各車輪のタイヤ稼働率ηi は、各車輪の実前後力FXi と各車輪の実横力FYi との合力によって求めることができる摩擦円に基づいて定められる。つまり、このような車両制御装置100によれば、車輪(空気入りタイヤ)のグリップ力を考慮した現実的な車両制御を実現することができる。従来の車両制御装置では、タイヤ稼働率ηi は何ら考慮されずに制御すべき制御前後力FXi’が決定されるため、実際には摩擦円の外になるような制御前後力FXi’が決定され、有効な車両制御が実行できないといった問題があった。
すなわち、このような車両制御装置100によれば、各車輪を別個独立したインホイールモータ30FL,30FR,30RL,30RRによって駆動する電気自動四輪車10において、各車輪の稼動状態に応じた最適な駆動力を制御することができる。
また、車両制御装置100によれば、車輪(空気入りタイヤ)が有しているグリップ力などの性能を十分に引き出しつつ、空気入りタイヤの摩耗限界までの寿命を延ばすことができる。つまり、車両制御装置100によれば、摩擦円の外になるような制御前後力FXi’が決定されることがないため、車輪(空気入りタイヤ)のスリップ量が抑制されるのである。
さらに、本実施形態に係わる駆動システムによれば、装着されたタイヤ21のタイヤデータが、タイヤ21の内部に設けられたデータモジュール40から車両制御装置100に送信され、車両制御装置100内に記憶されるため、あらかじめ装着されているタイヤとは異なるタイヤデータのタイヤを装着した場合でも、各車輪に対して制御すべき制御前後力Fxi’を正確に演算することができる。したがって、タイヤ交換した場合でも、各車輪の稼動状態に応じた最適な駆動力を制御することができる。また、作業者がタイヤデータを手作業で入力する必要がなく、自動的にタイヤデータが記憶されるので、データ入力に伴う作業を省力化することができる。さらに、人為的な入力ミス等により誤ったタイヤデータが記憶される心配がないので、常に正確な制御前後力の演算が可能となる。
とくに、本実施形態によれば、電気自動四輪車10の起動時に車両制御装置100からデータ要求信号を送信することにより、データモジュール40からタイヤデータを送信するようにしているため、タイヤ交換後に作業者がタイヤデータの入力を忘れても、タイヤデータを確実に車両制御装置100に記憶させることができる。
[その他の実施形態]
以上の説明において、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態で用いたタイヤ稼働率ηi は、各車輪の前後力Fxi 及び横力Fyi の合計と、各車輪の接地荷重との比としてもよい。
また、上述した実施形態では、マジックフォーミュラによるタイヤデータTDが用いられていたが、タイヤデータTDは、タイヤモデル(例えば、ブラッシュモデル)に基づいたものでもよい。或いは、タイヤデータTDは、実験値に基づいたものでもよい。
さらに、上述した実施形態では、電気自動四輪車10が起動されたときに、データモジュール40からタイヤデータを送信するようにしているが、作業者の操作により任意のタイミングでタイヤデータを送信させるようにしてもよい。例えば、車両制御装置100のデータ送受信部132に、電気自動四輪車10の起動の有無にかかわらず、作業者からの指示入力に応じてデータ要求信号を送信できるような機能を持たせておいてもよいし、車両制御装置100のデータ送受信部132にパソコン等の通信機能を備えた機器を接続することにより、このパソコンの通信機能を用いてデータ要求信号を送信できるようにしてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。例えば、本実施形態では四輪の電気自動車を例として説明したが、本発明は、例えば六輪等、四輪以外の車輪を有する自動車にも適用可能である。
実施形態に係る電気自動四輪車の概略斜視図である。 実施形態に係る電気自動四輪車の駆動システムの機能ブロック図である。 実施形態に係わる電気自動四輪車を3方向(x方向、y方向、及び回転方向)に自由度を有する四輪モデルとして模式的に示した図である。 実施形態に係わる電気自動四輪車の加減速に伴う車両前後方向の垂直荷重が変化する様子を示す説明図である。 実施形態に係わる電気自動四輪車のコーナリングに伴う車幅方向の垂直荷重が変化する様子を示す説明図である。 実施形態に係わる電気自動四輪車に装着された各車輪の部分断面図である。 データモジュールの内部構成を示すブロック図である。 車両制御装置による制駆動力(前後力)の制御動作を示すフローチャートである。 データモジュールとデータ送受信部によるタイヤデータ送信の制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10…電気自動四輪車
20FL,20FR,20RL,20RR…車輪
21…タイヤ
30FL,30FR,30RL,30RR…インホイールモータ
40…データモジュール
41…アンテナ
42…送受信部
43…制御部
44…CPU
45…メモリ
100…車両制御装置
110…センサ部
111…操舵角センサ
113…車速センサ
115…ヨーレートセンサ
117…加速度センサ
121…フィードフォワードモーメント演算部
123…目標ヨーモーメント演算部
125…ヨーモーメント演算部
127…PIDコントローラ
129…駆動力演算部
131…電気モータ制御部
132…データ送受信部
133…アンテナ

Claims (5)

  1. 各車輪を別個独立した電気モータによって駆動する電気自動車を駆動するための駆動システムであって、
    各車輪を別個独立に駆動する電気モータと、前記車輪に装着されたタイヤに関するタイヤデータを記憶するデータモジュールと、前記電気自動車の挙動を制御する車両制御装置とを含み、
    前記車両制御装置は、
    前記車輪のスリップ率、及び前記車輪に生じる前後力と横力との関係を示すタイヤデータに基づいて、前記各車輪に生じさせている実前後力とその総和を演算する実前後力演算部と、
    前記タイヤデータに基づいて、前記各車輪に生じさせている実横力及びその総和を演算する実横力演算部と、
    前記実前後力演算部及び前記実横力演算部の各演算結果から、前記電気自動車に生じさせている実ヨーモーメントを演算するヨーモーメント演算部と、
    前記電気自動車の操舵角及び車速に基づいて、前記電気自動車が所望のステア特性となる前記電気自動車の目標車両前後力を演算する目標前後力演算部と、
    前記目標前後力演算部及び前記目標横力演算部の各演算結果から、前記電気自動車の目標ヨーモーメントを演算する目標ヨーモーメント演算部と、
    前記実前後力演算部によって演算された前記実前後力の総和と前記目標前後力演算部によって演算された前記目標車両前後力との差、前記実横力演算部によって演算された前記実横力の総和と前記目標横力演算部によって演算された前記目標車両横力との差、前記ヨーモーメント演算部によって演算された実ヨーモーメントと前記目標ヨーモーメント演算部によって演算された目標ヨーモーメントとの差、及び前記各車輪に生じさせている実前後力と実横力に対する前記各車輪の接地荷重に基づいて定められるタイヤ稼働率を用いて、前記各車輪に対して制御すべき制御前後力を演算する制御前後力演算部と、
    前記制御前後力演算部によって演算された前記制御前後力に基づいて、前記電気モータに供給する電流値を制御する電気モータ制御部と、
    前記データモジュールから送信されたタイヤデータを受信するデータ受信部と、
    前記データ受信部で受信したタイヤデータを記憶するデータ記憶部と、
    を備え、
    前記データモジュールは、
    前記車輪に装着されたタイヤに関するタイヤデータを記憶する記憶部と、
    前記車両制御装置の前記データ受信部にタイヤデータを送信するアンテナと、
    前記記憶部に記憶されたタイヤデータを読み出し、当該タイヤデータを前記アンテナから前記車両制御装置の前記データ受信部に送信させる制御部と、
    を備え、前記車輪に装着されたタイヤの内部に設けられること、
    を特徴とする電気自動車の駆動システム。
  2. 前記タイヤ稼働率は、前記各車輪の実前後力及び実横力の合計と、前記各車輪の接地荷重との比であることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の駆動システム。
  3. 前記各車輪の実前後力をFXi、前記各車輪の実横力をFYi、前記各車輪の接地荷重をFzi、及び前記各車輪が転動する路面の摩擦係数をμiとした場合、前記各車輪のタイヤ稼働率ηiは、
    Figure 2009044916
    であることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の駆動システム。
  4. 前記車両制御装置は、電気自動車が起動されたときに前記データモジュールにデータ要求信号を送信するデータ送信部を備え、
    前記データモジュールの前記制御部は、前記データ要求信号を受信したときに、前記記憶部に記憶されたタイヤデータを読み出し、当該タイヤデータを前記アンテナから前記車両制御装置の前記データ受信部に送信させること、
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気自動車の駆動システム。
  5. 電気自動車の各車輪を別個独立に駆動する電気モータと、前記電気自動車の挙動を制御する車両制御装置とを備えた電気自動車に装着されるタイヤであって、
    自タイヤに関するタイヤデータを記憶する記憶部と、
    前記車両制御装置にタイヤデータを送信するアンテナと、
    前記記憶部に記憶されたタイヤデータを読み出し、当該タイヤデータを前記アンテナから前記車両制御装置に送信させる制御部と、
    を有するデータモジュールを備えることを特徴とするタイヤ。
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