JP2009150525A - トロイダル式無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】両ディスクの外周側に設けられた油圧サーボによってパワーローラの傾斜角度を制御するためのサンギヤを回転制御することが可能でありながら、駆動ピストンにモーメント力が生じることを防ぐと共に、パワーローラの移動範囲に対する影響も少なくすることが可能なトロイダル式無段変速装置を提供する。
【解決手段】バリエータ1のローラ位置制御装置4は、油圧サーボ42のピストンロッド43cとサンギヤ25とにそれぞれ駆動連結されると共に、ミッションケース3に対して揺動自在に支持され、揺動の支点となる孔部41cを有するコントロールバー41を備えている。これにより、油圧サーボ42からサンギヤ25に駆動力を伝達する際に、サンギヤ25から油圧サーボ42へモーメントが伝達されることを防ぎ、また、パワーローラ14間におけるコントロールバー41の移動範囲を小さくする。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車や作業車輌等に搭載される走行用変速機に用いて好適なトロイダル式無段変速装置に係り、詳しくは、パワーローラを移動制御することにより両ディスクに対する該パワーローラの傾斜角度を制御し、両ディスクとパワーローラとの接触半径を変更して無段変速を可能にするトロイダル式無段変速装置に関する。
近年、自動車や作業車輌等に搭載される無段変速機に用いられるトロイダル式無段変速装置の開発が進められている。トロイダル式無段変速装置、特にフルトロイダル式無断変速装置は、入力ディスクと出力ディスクとそれら両ディスクに挟持されたパワーローラとによって構成されており、パワーローラの傾斜に基づく両ディスクとの接触位置(接触半径)により変速比が得られる。このようなトロイダル式無段変速装置としては、パワーローラの回転中心を油圧サーボに連結されたリンク機構等により両ディスクの面方向に対して移動制御することで、自律的にパワーローラの傾斜角度が変化し、これによって変速比の変更が行われるものが提案されている(特許文献1参照)。
ところで、上記特許文献1のトロイダル式無段変速装置は、入力ディスクと出力ディスクとの間において、例えば3つのパワーローラが配置されており、それら3つのパワーローラのそれぞれに、油圧サーボやパワーローラを連結するリンク機構等が必要であり、その構成が複雑となってしまうと共に、特に径方向に肥大化してしまうものであった。
そこで、パワーローラの位置の移動制御を可能とするものとして、パワーローラの内周側に配置されたサンギヤと、該パワーローラの外周側に配置されたリングギヤと、それらサンギヤとリングギヤとに噛合すると共に、該パワーローラを傾斜自在かつ回転自在に支持する回転軸を組合わせたプラネットギヤとによって構成されたローラ位置制御装置を備え、該サンギヤと該リングギヤとを回転駆動制御することによってパワーローラの位置の移動制御を可能にするトロイダル式無段変速装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開2006−292079号公報 国際公開公報WO 05/121602A1
上記特許文献2のトロイダル式無段変速装置においては、サンギヤ及びリングギヤが、パワーローラに作用するトラクション力の反力を受けつつプラネットギヤを回転駆動しており、大きな駆動力が必要となっていた。このため、サンギヤ及びリングギヤを回転駆動するための油圧サーボなどの制御装置は、大きな駆動力を発生させるために、該制御装置が肥大化し、コンパクト化を妨げてしまう虞があった。
そこで、本願出願人は、パワーローラを移動制御させる駆動力を低減するものとして、リングギヤを固定し、プラネットギヤに噛合するサンギヤを回転駆動制御することによってパワーローラ(プラネットギヤ)の位置の移動制御を可能にするトロイダル式無段変速装置を案出した(特願2007−095101号(出願時未公開)参照)。
上記リングギヤを固定したトロイダル式無段変速装置においては、上述のようにパワーローラに作用するトラクション力の反力を受けつつサンギヤを回転駆動することでプラネットギヤを回転駆動しなくてはならず、必要となる駆動力や制御性を考慮すると、油圧サーボを用いてサンギヤを回転駆動制御する必要がある。しかし、入力ディスクと出力ディスクとの間には、パワーローラ及びプラネットギヤが複数配置されており、両ディスクの間の空間に油圧サーボを配置することは難しい。このため、両ディスクの外周側に油圧サーボを配置し、該油圧サーボのピストン部材から延設した棒状部材を用いて、両ディスクの回転中心付近にあるサンギヤを回転駆動することが考えられる。
しかしながら、上述のように油圧サーボとサンギヤとの間では大きな駆動力を伝達する必要があり、特にピストン部材から延設した棒状部材の付根部分には大きなモーメント力が加わり、その付根部分の強度を確保するためには、肥大化が避けられない。
また、上記棒状部材に作用するモーメント力はピストン部材にも作用するため、ピストン部材の駆動方向に対してねじれ方向の力が生じ、シリンダ部材とピストン部材との間に配設されるオイルシールにも作用して、該オイルシールがねじれ方向の力を受けつつ摺動することになるので、該オイルシールの耐久性に悪影響を与えてしまうという問題がある。
さらに、上記棒状部材は、油圧サーボのピストン部材と一体的に略々平行に移動駆動されるため、その移動範囲が大きく、上述のように両ディスク内にて移動制御されるパワーローラの可動領域と干渉しないようにするためには、例えばパワーローラの移動範囲(即ち変速比)を制限したり、両ディスクを大径化したりする必要が生じてしまう。
そこで本発明は、両ディスクの外周側に設けられた油圧サーボによってパワーローラの傾斜角度を制御するためのサンギヤを回転制御することが可能でありながら、駆動ピストンにモーメント力が生じることを防ぐと共に、パワーローラの移動範囲に対する影響も少なくすることが可能なトロイダル式無段変速装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図5参照)、入力ディスク(11)及び出力ディスク(12)からなる両ディスク(11,12)に挟持される複数のパワーローラ(14)と、
前記両ディスク間の内周側に配設されたサンギヤ(25)と、
前記両ディスク間の外周側に配設され、かつ回転がケース(3)に対して固定されたリングギヤ(26)と、
前記パワーローラ(14)の回転中心に設けられ、前記パワーローラを回転自在にかつ前記両ディスクに対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部(31)と、
前記回転傾斜支持部(31)を支持する支持軸を有し、かつ前記支持軸の一端側が前記サンギヤ(25)に噛合すると共に他端側が前記リングギヤ(26)に噛合するプラネットギヤ(33)と、を備え、
前記両ディスク間にて前記サンギヤ(25)を回転制御することにより前記プラネットギヤ(33)の支持軸の角度変更を行って、前記回転傾斜支持部(31)を移動制御することにより前記パワーローラ(14)の傾斜角度を制御し、前記両ディスクと前記パワーローラとの接触半径を変更して前記入力ディスクに対する前記出力ディスク(12)の変速比を制御することで、無段変速制御を可能にするトロイダル式無段変速装置(1)において、
駆動ピストン(43)を有し、前記両ディスク(11,12)の外周側に設けられた油圧サーボ(42)と、
一端部が前記駆動ピストン(43)に駆動連結されると共に前記パワーローラ(14)の間を通って他端部が前記サンギヤ(25)に駆動連結され、かつ前記ケース(3)に対して固定された固定部材(例えば26s)に揺動自在に支持された支点部(41c)を前記一端部と前記他端部との間に有する揺動伝達部材(41,141)と、を備えた、
ことを特徴とするトロイダル式無段変速装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図4,5参照)、前記サンギヤ(25)は、前記ケース(3)に回転自在に支持された中心軸(2)上に配設され、
前記リングギヤ(26)は、前記ケース(3)に回転係止される係止部(48)により回転が固定されると共に、前記パワーローラ(14)の間を通る支柱部(26s)を介して前記中心軸(2)に支持されてなり、
前記固定部材は、前記支柱部(26s)からなる、
ことを特徴とする請求項1記載のトロイダル式無段変速装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図4参照)、前記一端部と前記駆動ピストン(43)との駆動連結は、ラックアンドピニオン機構(51)からなり、
前記他端部と前記サンギヤ(25)との駆動連結は、回転歯車機構(52)からなる、
ことを特徴とする請求項1または2記載のトロイダル式無段変速装置(1)にある。
請求項4に係る本発明は(例えば図5参照)、前記一端部と前記駆動ピストン(43)との駆動連結及び前記他端部と前記サンギヤ(25)との駆動連結は、一方の部材に形成された長孔(141a,141b)に、他方の部材に形成された突部(125p,143d)を摺動自在に係合した機構からなる、
ことを特徴とする請求項1または2記載のトロイダル式無段変速装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、駆動ピストンとサンギヤとにそれぞれ駆動連結されると共に、ケースに対して揺動自在に支持された支点部を有する揺動伝達部材を備えたので、サンギヤから駆動ピストンへモーメントが伝達されることを防ぐことができ、特に大きなモーメント力が生じる部分をなくすことによって肥大化する部分をなくすことができて、コンパクト化を図ることができる。
また、駆動ピストンにモーメントが作用することを防ぐことができるので、オイルシールに作用するモーメントも防ぐことができ、つまりオイルシールがねじれ方向の力を受けつつ摺動することを防止することができて、耐久性の向上を図ることができる。
さらに、揺動伝達部材は、一端部と他端部との間に設けられた支点部を中心として揺動するので、例えば平行移動される棒状部材に比して、その移動範囲を小さくすることができ、パワーローラの移動範囲に対する影響を少なくすることができる。
請求項2に係る本発明によると、リングギヤを支柱部を介してサンギヤを支持する中心軸上に支持させることができ、つまりリングギヤとサンギヤとが同心上に配置されて、回転傾斜支持部(即ちパワーローラ)の移動制御を高精度にすることができるものでありながら、その支柱部を揺動伝達部材の支点部を支持するための固定部材として共用することができ、部品点数の削減及びコンパクト化を図ることができる。
請求項3に係る本発明によると、揺動伝達部材の一端部と駆動ピストンとの駆動連結がラックアンドピニオン機構によるものであり、揺動伝達部材の他端部とサンギヤとの駆動連結が回転歯車機構によるものなので、簡単な構成により油圧サーボからサンギヤへ駆動力を伝達することができる。
請求項4に係る本発明によると、揺動伝達部材の一端部と駆動ピストンとの駆動連結及び揺動伝達部材の他端部とサンギヤとの駆動連結は、一方の部材に形成された長孔に、他方の部材に形成された突部を摺動自在に係合した機構によるものなので、さらに簡単な構成により油圧サーボからサンギヤへ駆動力を伝達することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。
本発明の実施の形態に係るトロイダル式無段変速装置(以下、単にバリエータとする)1は、図1に示すように、フルトロイダル式の無段変速装置であって、入力軸(中心軸)2上に連結された前後の入力ディスク11,11と、外周側において出力ギヤ16を有する出力ディスク12と、2個の入力ディスク11,11及び1個の出力ディスク12の間に挟持されるパワーローラ14,14を有する、後述するパワーローラユニット5,5と、を備えている。入力ディスク11,11及び出力ディスク12は、それぞれ対向するように円形の一部を形成する円弧状の凹溝を有しており、2列のパワーローラを挟んでダブルキャビティ13,13を構成して、入力ディスク同士のスラスト力を打消す構成からなる。
パワーローラ14,14は、環状のダブルキャビティ13,13における周方向の略々均等な位置に複数個(例えば1つのキャビティに3個)配置されており、ローラ位置制御装置4によって、パワーローラ14,14の回転軸が傾斜自在に、かつパワーローラ14,14の中心位置が上記両ディスク11,11,12と平行な面上において移動制御される。また、入力ディスク11,11の間は、油圧サーボ8により閉ループ的に押圧され、パワーローラ14,14を挟持すると共に、その挟持圧が油圧により制御される。そして、上記ローラ位置制御装置4による移動制御と入力ディスク11,11の挟持圧とにより、パワーローラ14,14が自律的に傾斜することで、入力ディスク11,11と出力ディスク12との接触半径が変更されて、無段に連続して変速する。なお、本バリエータ1にあっては、入力ディスク11,11に対して出力ディスク12が反転するので、速度比は−(マイナス)になる。
上記ローラ位置制御装置4は、パワーローラ14,14のそれぞれ内周側にあって入力軸2に回転自在に支持されると共に、互いがスリーブ部材25aによって回転連結されて配置されたサンギヤ25,25と、該パワーローラ14,14のそれぞれ外周側に配置され、ミッションケース3(図4参照)に対して固定されたリングギヤ26,26と、上記パワーローラユニット5,5と、詳しくは後述するコントロールバー(揺動伝達部材)41及び油圧サーボ42とによって構成されている。
該パワーローラユニット5,5は同様な構成からなり、図2に示すように、該パワーローラユニット5は、パワーローラ14を回転中心qを中心としてω1方向に回転自在かつω2方向に傾斜自在に支持する回転傾斜支持部31と、支持軸32上において回転傾斜支持部31を支持すると共に、内周側(例えば図中下方側)がサンギヤ25に噛合し、かつ外周側(例えば図中上方側)がリングギヤ26に噛合するプラネットギヤ33とによって構成されている。
該プラネットギヤ33は、環状ギヤから、上記パワーローラ14の可動範囲を切欠いた側面視扇状に形成されており、中心部分に回転傾斜支持部31を固定支持している。また、該プラネットギヤ33の支持軸32は、パワーローラ14の回転中心q(即ち回転傾斜支持部31の中心)に対してオフセットされた位置にあり、これにより、キャスター角を存するように構成されている。
ついで、バリエータ1の作用について図3に沿って説明する。
車輌に搭載されたバリエータ1においては、エンジン出力軸に連結されている入力軸2の回転が、バリエータ1の入力ディスク11,11に伝達される。上記パワーローラ14,14は、上記入力ディスク11,11の回転に基づき回転し、この回転に基づいて図3(a)に示すように出力ディスク12がω3方向に回転される。すると、キャビティ13内において、パワーローラ14には、入力ディスク11から出力ディスク12にトルク伝達される際に生じるトラクション力F1が作用し、このトラクション力F1はサンギヤ25及びリングギヤ26によって受けるリアクション力F2,F3とつりあっている。上述したようにリングギヤ26はミッションケース3(図4参照)に対して固定されており、トラクション力の反力F2は、該ミッションケース3が受けている。
この状態から、例えば上記サンギヤ25をリアクション力F3に逆らう方向となるω4方向に回転駆動すると、図3(b)に示すように、パワーローラユニット5は、プラネットギヤ33と共にサンギヤ25とは逆向きの回転(自転)をしながら、つまりプラネットギヤ33の支持軸32の角度を変更しながら、該サンギヤ25の回転方向側に移動する。すると、出力ディスク12とパワーローラ14との接触部17において、パワーローラ14の速度ベクトルVrは出力ディスク12の接線方向よりも内周側を向き、出力ディスク12の速度ベクトルVdは該出力ディスク12の接線方向となるので、該出力ディスク12の速度ベクトルVdとパワーローラ14の速度ベクトルVrとは平行ではなくなる。さらに、接触部17においては、速度ベクトルVdと速度ベクトルVrとの差の方向と同じ方向のトラクション力F4が生じ、該トラクション力F4がパワーローラ14に作用する。
一方、パワーローラ14と入力ディスク11との間にも同様の作用が生じ、トラクション力F4とは逆向きのトラクション力がパワーローラ14に対して作用する。これらパワーローラ14と入力ディスク11との間に生じるトラクション力及びトラクション力F4の作用により、図3(c)に示すように、パワーローラ14の回転軸は回転傾斜支持部31においてチルトされ、つまり入力ディスク11に対する出力ディスク12の変速比(接触半径)が自律的に変化する。
なお、以上の説明においては、キャビティ13内における1つのパワーローラ14を例として説明したが、これらの作用が2つのキャビティ13内において、6つのパワーローラ14に同時に働くことにより、変速動作が行われる。そして、このように無段に変速された回転は、出力ディスク12の出力ギヤ16より出力される。
つづいて、本発明の要部となるローラ位置制御装置4のサンギヤ25を回転駆動する構成について図4に沿って説明する。
ローラ位置制御装置4は、上記油圧サーボ42を駆動制御することにより、コントロールバー41を介してサンギヤ25を回転駆動制御するように構成されている。
油圧サーボ42は、図4に示すように、ミッションケース3内においてバリエータ1の下方側に配置されており、対向して配置された2つのシリンダ部材42s,42tと、該シリンダ部材42s,42tのそれぞれに摺動自在に内包されるピストン43a,43b、及び該ピストン43a,43bにそれぞれ接続されたピストンロッド43cを有する駆動ピストン43とからなる。
該油圧サーボ42は、該シリンダ部材42s,42tとピストン43a,43bとの間に、シールリング46,46が配置されており、これらシールリング46,46によってシールされることにより、該ピストン43a,43b及びピストンロッド43cを介して対向した油室42a,42dが形成されている。また、シリンダ部材42s,42tとピストンロッド43cとの間には、シールリング45,45が配置されており、これらシールリング45,45,46,46によってシールされることにより、ピストン43a,43bに対して油室42a,42dと反対側(つまりピストンロッド43cが接続されている側)にも、油室42b,42cが形成されている。
該ピストンロッド43cは、両端部が上記ピストン43a,43bにそれぞれ接続された棒状の部材であり、中央部分の上面には、ラック状に形成されたラック部43dが設けられている。
上記コントロールバー41は、キャビティ13内の内周側からパワーローラ14の間を通って入力ディスク11及び出力ディスク12(図1参照)の外周側(図中下方側)に延びて配置された棒状の部材である。該コントロールバー41は、両ディスク11,12の外周側(下方側)の端部に歯車状のギヤ部41bが一体に形成され、上記ピストンロッド43cのラック部43dに噛合しており、内周側(上方側)の端部に歯車状のギヤ部41aが一体に形成され、上記サンギヤ25に噛合している。即ち、ピストンロッド43cとコントロールバー41とは、ラック部43dとギヤ部41bとの噛合によるラックアンドピニオン機構51によって駆動連結されており、またコントロールバー41とサンギヤ25とは、ギヤ部41aとサンギヤ25との噛合による回転歯車機構52によって駆動連結されている。さらに、該コントロールバー41の中央部分においては、入力軸2の軸方向(図4中手前から奥に向かう方向)に貫通した孔部(支点部)41cを有しており、該孔部41cにはピン47が貫通配置されている。
一方、リングギヤ26は、パワーローラ14の間を通り、入力軸2に向かって延設された複数(例えば1つのキャビティに3個のパワーローラが配置されている場合は3本)の支柱部26sが設けられており、該支柱部26sによって該入力軸2に対して支持されている。つまりリングギヤ26及びサンギヤ25は、共に入力軸2に対して支持されている。また、該リングギヤ26には、外周面に凸部が設けられ、該凸部とミッションケース3の内面に設けられた凹部とが嵌合することで係止部48を構成しており、該係止部48によってリングギヤ26が回転不能に、即ちミッションケース3に対して固定されている。なお、もう一方のキャビティ側にも略々同様な構成からなるリングギヤ26が配置されており、支柱部26t(図1参照)によって入力軸2に対して支持されると共に不図示の係止部によって回転不能にされている。
また、上記複数(3本)の支柱部26sのうち1本は、入力軸2から下方側へ延びて、つまりコントロールバー41に沿うように配置されており、この支柱部26sとコントロールバー41とが軸方向視で重なる部分で、上記コントロールバー41の孔部41cに貫通配置されたピン47が固着されている。
以上の構成により、ローラ位置制御装置4は、油圧サーボ42の油室42a及び油室42cに供給される油圧と、油室42b及び油室42dに供給される油圧とに基づいて作動される。即ち、油圧サーボ42の油室42a及び油室42cに供給される油圧が油室42b及び油室42dに供給される油圧よりも大きく調圧されると、ピストン43a,43b及びピストンロッド43cが図中左方側に押圧駆動され、ラックアンドピニオン機構51を介して、コントロールバー41をω5方向に回転駆動し、回転歯車機構52を介してサンギヤ25をω7方向に回転駆動する。
また反対に、油室42b及び油室42dに供給される油圧が油圧サーボ42の油室42a及び油室42cに供給される油圧よりも大きく調圧されると、ピストン43a,43b及びピストンロッド43cが図中右方側に押圧駆動され、ラックアンドピニオン機構51を介して、コントロールバー41をω6方向に回転駆動し、回転歯車機構52サンギヤ25をω8方向に回転駆動する。
以上のように、本発明の実施の形態に係るバリエータ1は、駆動ピストン43とサンギヤ25とにそれぞれ駆動連結されると共に、ミッションケース3に対して揺動自在に支持され、ピン47が貫通配置された孔部41cを有するコントロールバー41を備えたので、サンギヤ25から駆動ピストン43へモーメントが伝達されることを防ぐことができ、特に大きなモーメント力が生じる部分をなくすことによって肥大化する部分をなくすことができて、コンパクト化を図ることができる。
また、駆動ピストン43にモーメントが作用することを防ぐことができるので、シールリング45及びシールリング46に作用するモーメントも防ぐことができ、つまりシールリング45及びシールリング46がねじれ方向の力を受けつつ摺動することを防止することができて、耐久性の向上を図ることができる。
さらに、コントロールバー41は、ギヤ部41aとギヤ部41bとの間に設けられた孔部41cを中心として揺動するので、例えば平行移動される棒状部材に比して、その移動範囲を小さくすることができ、パワーローラ14の移動範囲に対する影響を少なくすることができる。
また、リングギヤ26を支柱部26sを介してサンギヤ25を支持する入力軸2上に支持させることができ、つまりリングギヤ26とサンギヤ25とが同心上に配置されて、回転傾斜支持部31(即ちパワーローラ14)の移動制御を高精度にすることができるものでありながら、その支柱部26sをコントロールバー41の孔部41cを支持するための固定部材として共用することができ、部品点数の削減及びコンパクト化を図ることができる。
さらに、コントロールバー41の外周側端部と駆動ピストン43との駆動連結がラックアンドピニオン機構51によるものであり、コントロールバー41の内周側端部とサンギヤ25との駆動連結が回転歯車機構52によるものなので、簡単な構成により油圧サーボ42からサンギヤ25へ駆動力を伝達することができる。
なお、本実施の形態に係るバリエータ1は、図5に示すように、ローラ位置制御装置104の駆動ピストン43とコントロールバー141との駆動連結、及びコントロールバー141とサンギヤ25との駆動連結の構成を変更したものとしてもよい。
詳しくは、該コントロールバー141は、図中下方側端部に長孔を一部切り欠いた形状の長孔部141bを有しており、該長孔部141bに、ピストンロッド43cに一体に設けられた円柱形状の突部143dが嵌合することで駆動ピストン43に駆動連結している。また、コントロールバー141は、図中上方側端部に長孔を一部切り欠いた形状の長孔部141aを有しており、該長孔部141aに、サンギヤ25に一体に設けられた円柱形状の突部125pが嵌合することで該サンギヤ25に駆動連結している。
これにより、ローラ位置制御装置104は、油圧サーボ42の油室42a及び油室42cに供給される油圧が油室42b及び油室42dに供給される油圧よりも大きく調圧されると、ピストン43a,43b及びピストンロッド43cが図中左方側に押圧駆動され、嵌合している突部143d及び長孔部141bを介して、ピン47が貫通配置された孔部41cを支点に揺動するコントロールバー141をω5方向に回転駆動し、嵌合している長孔部141a及び突部125pを介してサンギヤ25をω7方向に回転駆動する。
また反対に、油室42b及び油室42dに供給される油圧が油圧サーボ42の油室42a及び油室42cに供給される油圧よりも大きく調圧されると、ピストン43a,43b及びピストンロッド43cが図中右方側に押圧駆動され、嵌合している突部143d及び長孔部141bを介して、ピン47が貫通配置された孔部41cを支点に揺動するコントロールバー141をω6方向に回転駆動し、嵌合している長孔部141a及び突部125pを介してサンギヤ25をω8方向に回転駆動する。
以上のように、コントロールバー141とサンギヤ25との駆動連結の構成を変更したバリエータ1は、コントロールバー141の外周側端部と駆動ピストン43との駆動連結及びコントロールバー141の内周側端部とサンギヤ25との駆動連結が、一方の部材に形成された長孔に、他方の部材に形成された突部を摺動自在に係合した機構によるものなので、さらに簡単な構成により油圧サーボ42からサンギヤ25へ駆動力を伝達することができる。
なお、以上説明した実施の形態に係るバリエータは、駆動連結の構成を、ギヤの噛合によるものと、長孔部と該長孔部に嵌合する突部によるものとを説明したが、例えばピストンロッドとコントロールバーとの駆動連結を長孔部と該長孔部に嵌合する突部とによるものとし、コントロールバーとサンギヤとの駆動連結を回転歯車機構によるものとしてもよく、これらのどのような駆動連結の組み合わせによっても本発明を適用することができる。
また、以上説明した実施の形態に係るバリエータは、コントロールバーに孔部を設け、該孔部に貫通配置されたピンをリングギヤの支柱部に固着することにより、揺動自在に支持された支点部を有するように構成する説明をしたが、例えばコントロールバーに円柱形状の凸部を一体に形成し、リングギヤの支柱部にこの円柱形状の凸部が嵌合し得る凹部を形成して、これら凸部及び凹部を嵌合させるように構成してもよく、つまりコントロールバーが揺動自在に支持される支点部を有するものであれば、どのような構成であっても本発明を適用することができる。
本発明に係るトロイダル式無段変速装置を示すスケルトン図。 パワーローラユニットを示す斜視図。 トロイダル式無段変速装置の一部を示す模式図で、(a)は力がつりあった状態の図、(b)はパワーローラを移動させた状態の図、(c)はパワーローラが傾斜した状態の図。 本実施の形態に係る図1のA−A矢視断面図。 別の実施の形態に係るトロイダル式無段変速装置の断面図。
符号の説明
1 トロイダル式無段変速装置(バリエータ)
2 中心軸(入力軸)
3 ケース
11 入力ディスク
12 出力ディスク
14 パワーローラ
25 サンギヤ
26 リングギヤ
26s 固定部材、支柱部
31 回転傾斜支持部
32 支持軸
33 プラネットギヤ
41,141 揺動伝達部材(コントロールバー)
41c 支点部(孔部)
42 油圧サーボ
43 駆動ピストン
48 係止部
51 ラックアンドピニオン機構
52 回転歯車機構
125p,143d 突部
141a,141b 長孔

Claims (4)

  1. 入力ディスク及び出力ディスクからなる両ディスクに挟持される複数のパワーローラと、
    前記両ディスク間の内周側に配設されたサンギヤと、
    前記両ディスク間の外周側に配設され、かつ回転がケースに対して固定されたリングギヤと、
    前記パワーローラの回転中心に設けられ、前記パワーローラを回転自在にかつ前記両ディスクに対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部と、
    前記回転傾斜支持部を支持する支持軸を有し、かつ前記支持軸の一端側が前記サンギヤに噛合すると共に他端側が前記リングギヤに噛合するプラネットギヤと、を備え、
    前記両ディスク間にて前記サンギヤを回転制御することにより前記プラネットギヤの支持軸の角度変更を行って、前記回転傾斜支持部を移動制御することにより前記パワーローラの傾斜角度を制御し、前記両ディスクと前記パワーローラとの接触半径を変更して前記入力ディスクに対する前記出力ディスクの変速比を制御することで、無段変速制御を可能にするトロイダル式無段変速装置において、
    駆動ピストンを有し、前記両ディスクの外周側に設けられた油圧サーボと、
    一端部が前記駆動ピストンに駆動連結されると共に前記パワーローラの間を通って他端部が前記サンギヤに駆動連結され、かつ前記ケースに対して固定された固定部材に揺動自在に支持された支点部を前記一端部と前記他端部との間に有する揺動伝達部材と、を備えた、
    ことを特徴とするトロイダル式無段変速装置。
  2. 前記サンギヤは、前記ケースに回転自在に支持された中心軸上に配設され、
    前記リングギヤは、前記ケースに回転係止される係止部により回転が固定されると共に、前記パワーローラの間を通る支柱部を介して前記中心軸に支持されてなり、
    前記固定部材は、前記支柱部からなる、
    ことを特徴とする請求項1記載のトロイダル式無段変速装置。
  3. 前記一端部と前記駆動ピストンとの駆動連結は、ラックアンドピニオン機構からなり、
    前記他端部と前記サンギヤとの駆動連結は、回転歯車機構からなる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のトロイダル式無段変速装置。
  4. 前記一端部と前記駆動ピストンとの駆動連結及び前記他端部と前記サンギヤとの駆動連結は、一方の部材に形成された長孔に、他方の部材に形成された突部を摺動自在に係合した機構からなる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のトロイダル式無段変速装置。
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