JP2002357259A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JP2002357259A
JP2002357259A JP2001246863A JP2001246863A JP2002357259A JP 2002357259 A JP2002357259 A JP 2002357259A JP 2001246863 A JP2001246863 A JP 2001246863A JP 2001246863 A JP2001246863 A JP 2001246863A JP 2002357259 A JP2002357259 A JP 2002357259A
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power
continuously variable
output
variable transmission
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Takashi Imanishi
尚 今西
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NSK Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H37/00Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00
    • F16H37/02Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings
    • F16H37/06Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts
    • F16H37/08Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing
    • F16H37/0833Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths
    • F16H37/084Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths at least one power path being a continuously variable transmission, i.e. CVT
    • F16H37/086CVT using two coaxial friction members cooperating with at least one intermediate friction member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/664Friction gearings
    • F16H61/6649Friction gearings characterised by the means for controlling the torque transmitting capability of the gearing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より大きな動力を伝達自在で、しかも十分な
耐久性を得られる構造を実現する。 【解決手段】 トロイダル型無段変速機30aと遊星歯
車機構31aとを組み合わせて、動力循環型の無段変速
装置を構成する。このうちのトロイダル型無段変速機3
0aは、各キャビティ内にパワーローラ9、9を3個ず
つ、合計6個設けたダブルキャビティ型のもので、油圧
式の押圧装置36aを有する。この押圧装置36aは、
上記トロイダル型無段変速装置30aを通過する動力の
大きさに応じた押圧力を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る無段変速装置は、
自動車用自動変速装置を構成する変速ユニットとして、
或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の
変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図4〜5に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れ、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速
機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示され
ている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持
し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に
出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変
速機を納めたケーシング5(後述する図7参照)の内側
には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置に
ある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7
を設けている。
【0003】これら各トラニオン7、7は、両端部外側
面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに
同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。
これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4
の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、
4の中心軸の方向に対しほぼ直角方向である、捻れの位
置に存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部に
は変位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中
心として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上
記変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。上
記各トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半
部周囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に
支持している。そして、各パワーローラ9、9を、上記
入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a同
士の間に挟持している。
【0004】上記入力側、出力側両ディスク2、4の互
いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い
曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなして
いる。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2と
の間には、ローディングカム装置10を設け、このロー
ディングカム装置10によって上記入力側ディスク2
を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転
駆動自在としている。
【0005】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記ローディン
グカム装置10が上記入力側ディスク2を、上記複数の
パワーローラ9、9に押圧しつつ回転させる。そして、
この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーロー
ラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出
力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン
7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、
9aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2a
の中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周
寄り部分とにそれぞれ当接する様に、上記各変位軸8、
8を傾斜させる。
【0007】反対に、増速を行なう場合には、上記各ト
ラニオン7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周
面9a、9aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各
変位軸8、8を傾斜させる。これら各変位軸8、8の傾
斜角度を図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力
軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0008】更に、図6〜7は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に
支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側
ディスク2との間に、ローディングカム装置10を設け
ている。一方、上記出力側ディスク4には、出力歯車1
2を結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車12と
が同期して回転する様にしている。
【0009】1対のトラニオン7、7の両端部に互いに
同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板13、13に、
揺動並びに軸方向(図6の表裏方向、図7の左右方向)
の変位自在に支持している。そして、上記各トラニオン
7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持してい
る。これら各変位軸8、8は、基半部と先半部とを互い
に偏心させている。そして、このうちの基半部を上記各
トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、それぞ
れの先半部にパワーローラ9、9を回転自在に支持して
いる。
【0010】尚、上記1対の変位軸8、8は、上記入力
軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心してい
る方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転
方向に関して同方向(図7で左右逆方向)としている。
又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほ
ぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ
9、9は、上記入力軸11の配設方向に関する若干の変
位自在に支持される。
【0011】又、上記各パワーローラ9、9の外側面と
上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、1
5とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、1
4は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回
転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、
15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト
玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるス
ラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部
及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基
半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各
トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ17、1
7により、前記各枢軸6、6の軸方向の変位を自在とし
ている。
【0012】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合、入力軸11の回転はローディングカム装置
10を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、
この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ
9、9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの
出力側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出さ
れる。
【0013】入力軸11と出力歯車12との間の回転速
度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、1
7により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方
向に、例えば、図7の下側のパワーローラ9を同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、そ
れぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ
9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用す
る、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の
向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板
13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互い
に逆方向に揺動する。この結果、前述の図4〜5に示し
た様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと
上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入
力軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変化す
る。
【0014】トロイダル型無段変速機による動力伝達時
には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーロ
ーラ9、9が上記入力軸11の軸方向に変位する。そし
て、これら各パワーローラ9、9を支持した前記各変位
軸8、8が、それぞれの基半部を中心として僅かに回動
する。この回動の結果、上記各スラスト玉軸受14、1
4の外輪16、16の外側面と上記各トラニオン7、7
の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との
間には、前記各スラストニードル軸受15、15が存在
する為、この相対変位に要する力は小さい。
【0015】上述の様に構成され作用するトロイダル型
無段変速機の場合には、上記入力軸11と出力歯車12
との間での動力伝達を2個のパワーローラ9、9により
行なっている。従って、各パワーローラ9、9の周面9
a、9aと入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2
a、4aとの間で伝達される単位面積当たりの力が大き
くなり、伝達可能な動力に限界を生じる。この様な事情
に鑑みて、トロイダル型無段変速機により伝達可能な動
力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増やす事
も、従来から考えられている。
【0016】この様な目的でパワーローラ9、9の数を
増やす為の構造の第1例として、1組の入力側ディスク
2と出力側ディスク4との間に3個のパワーローラ9、
9を配置し、この3個のパワーローラ9、9によって動
力の伝達を行なう事が、例えば特開平3−74667号
公報に記載されている様に、従来から知られている。こ
の公報に記載された構造の場合には、図8に示す様に、
固定のフレーム18の円周方向等間隔の3個所位置に、
それぞれが120度に折れ曲がった支持片19、19の
中間部を枢支している。そして、隣り合う支持片19、
19同士の間にそれぞれトラニオン7、7を、揺動並び
に軸方向の変位を自在に支持している。
【0017】上記各トラニオン7、7は、それぞれ油圧
式のアクチュエータ17、17により、それぞれの両端
部に互いに同心に設けた枢軸6の軸方向の変位を自在と
している。上記各アクチュエータ17、17を構成する
各油圧シリンダ20、20は、制御弁21を介して、油
圧源であるポンプ22の吐出口に通じている。この制御
弁21は、それぞれが軸方向(図8の左右方向)に変位
自在なスリーブ23とスプール24とを備える。
【0018】それぞれが上記各トラニオン7、7に、変
位軸8、8により枢支されたパワーローラ9、9の傾斜
角度を変える場合には、制御モータ25により上記スリ
ーブ23を軸方向(図8の左右方向)に変位させる。こ
の結果、上記ポンプ22から吐出された圧油が、油圧配
管を通じて上記各油圧シリンダ20、20に送り込まれ
る。そして、これら各油圧シリンダ20、20に嵌装さ
れた、上記各トラニオン7、7を枢軸の軸方向に変位さ
せる為の駆動ピストン26、26が、入力側ディスク2
及び出力側ディスク4(図4〜5参照)の回転方向に関
して同方向に変位する。又、上記各駆動ピストン26、
26の変位に伴って上記各油圧シリンダ20、20から
押し出された作動油は、やはり上記制御弁21を含む油
圧配管(一部図示せず)を通じて、油溜27に戻され
る。
【0019】一方、上記圧油の送り込みに伴う駆動ピス
トン26の変位は、プリセスカム28、リンク29を介
して上記スプール24に伝達され、このスプール24を
軸方向に変位させる。この結果、上記駆動ピストン26
が所定量変位した状態で、上記制御弁21の流路が閉じ
られ、上記各油圧シリンダ20、20への圧油の給排が
停止される。従って、上記各トラニオン7、7の軸方向
に関する変位量は、上記制御モータ25によるスリーブ
23の変位量に応じただけのものとなる。
【0020】更に、トロイダル型無段変速機により伝達
可能な動力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を
増やす為の構造の第2例として、図9に示す様に、入力
軸11aの周囲に入力側ディスク2A、2Bと出力側デ
ィスク4、4とを2個ずつ設け、これら2個ずつの入力
側ディスク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを動力
の伝達方向に関して互いに並列に配置する、所謂ダブル
キャビティ型の構造も、従来から知られている。この図
9に示した構造は、上記入力軸11aの中間部周囲に出
力歯車12aを、この入力軸11aに対する回転を自在
として支持し、この出力歯車12aの中心部に設けた円
筒部の両端部に上記各出力側ディスク4、4を、スプラ
イン係合させている。又、上記各入力側ディスク2A、
2Bは、上記入力軸11aの両端部に、この入力軸11
aと共に回転自在に支持している。この入力軸11a
は、駆動軸92により、ローディングカム式の押圧装置
10を介して回転駆動する。この様なダブルキャビティ
型のトロイダル型無段変速機の場合には、入力軸11a
から出力歯車12aへの動力の伝達を、一方の入力側デ
ィスク2Aと出力側ディスク4との間と、他方の入力側
ディスク2Bと出力側ディスク4との間との、2系統に
分けて行なうので、大きな動力の伝達を行なえる。
【0021】上述の様に構成され作用するトロイダル型
無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場
合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成す
る事が、特開平1−169169号公報、同1−312
266号公報、同10−196759号公報、同11−
63146号公報等に記載されている様に、従来から提
案されている。即ち、低速走行時にはエンジンの駆動力
をトロイダル型無段変速機のみで伝達し、高速走行時に
は上記駆動力を遊星歯車機構で伝達する事により、高速
走行時に上記トロイダル型無段変速機に加わるトルクの
低減を図る様にしている。この様に構成する事により、
上記トロイダル型無段変速機の構成各部材の耐久性を向
上させる事ができる。
【0022】図10は、上記各公報のうちの特開平11
−63146号公報に記載された無段変速装置を示して
いる。この無段変速装置は、ダブルキャビティ型のトロ
イダル型無段変速機30と遊星歯車機構31とを組み合
わせて成る。そして、低速走行時には動力をこのトロイ
ダル型無段変速機30のみで伝達し、高速走行時には動
力を、主として上記遊星歯車機構31により伝達すると
共に、この遊星歯車機構31による変速比を、上記トロ
イダル型無段変速機30の変速比を変える事により調節
自在としている。
【0023】この為に、上記トロイダル型無段変速機3
0の中心部を貫通し、両端部に1対の入力側ディスク2
A、2Bを支持した入力軸11aの基端部(図10の右
端部)と上記遊星歯車機構31を構成するリング歯車3
2を支持した支持板33の中心部に固定した伝達軸34
とを、高速用クラッチ35を介して結合している。尚、
上記1対の入力側ディスク2A、2Bのうち、先端側
(図10の右側)の入力側ディスク2Bは上記入力軸1
1aに対し、例えば前述の図9に示した従来構造の場合
と同様にして、この入力軸11aと同期した回転並びに
この入力軸11aの軸方向に関する実質的な移動を阻止
した状態で支持している。これに対して基端側(図10
の左側)の入力側ディスク2Aは上記入力軸11aに対
し、例えばやはり図9に示した従来構造の場合と同様に
して、この入力軸11aと同期した回転並びにこの入力
軸11aの軸方向に関する移動自在に支持している。何
れにしても、上記トロイダル型無段変速機30の構成
は、次述する押圧装置36の点を除き、前述の図9に示
した従来構造の場合と、実質的に同様である。
【0024】又、駆動源であるエンジン37のクランク
シャフト38の出力側端部(図10の右端部)と上記入
力軸11aの入力側端部(=基端部=図10の左端部)
との間に、発進クラッチ39と油圧式の押圧装置36と
を、動力の伝達方向に関して互いに直列に設けている。
この押圧装置36には、図示しない制御器の信号に基づ
き、上記クランクシャフト38から前記トロイダル型無
段変速機30に伝えられる動力の大きさ(トルク)に応
じた押圧力を発生できるだけの、所望の油圧を導入自在
としている。
【0025】又、上記入力軸11aの回転に基づく動力
を取り出す為の出力軸40を、この入力軸11aと同心
に配置している。そして、この出力軸40の周囲に前記
遊星歯車機構31を設けている。この遊星歯車機構31
を構成する太陽歯車41は、上記出力軸40の入力側端
部(図10の左端部)に固定している。従ってこの出力
軸40は、上記太陽歯車41の回転に伴って回転する。
この太陽歯車41の周囲には前記リング歯車32を、上
記太陽歯車41と同心に、且つ回転自在に支持してい
る。そして、このリング歯車32の内周面と上記太陽歯
車41の外周面との間に、それぞれが1対ずつの遊星歯
車42a、42bを組み合わせて成る、複数の遊星歯車
組43、43を設けている。これら1対ずつの遊星歯車
42a、42bは、互いに噛合すると共に、外径側に配
置した遊星歯車42aが上記リング歯車32に噛合し、
内径側に配置した遊星歯車42bが上記太陽歯車41に
噛合している。この様な遊星歯車組43、43は、キャ
リア44の片側面(図10の左側面)に回転自在に支持
している。又、このキャリア44は、上記出力軸40の
中間部に、回転自在に支持している。
【0026】又、上記キャリア44と、前記トロイダル
型無段変速機30を構成する1対の出力側ディスク4、
4とを、第一の動力伝達機構45により、回転力の伝達
を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機構
45は、上記入力軸11a及び上記出力軸40と平行な
伝達軸46と、この伝達軸46の一端部(図10の左端
部)に固定したスプロケット47aと、上記各出力側デ
ィスク4、4に固定したスプロケット47bと、これら
両スプロケット47a、47b同士の間に掛け渡したチ
ェン48と、上記伝達軸46の他端(図10の右端)と
上記キャリア44とにそれぞれ固定されて互いに噛合し
た第一、第二の歯車49、50とにより構成している。
従って上記キャリア44は、上記各出力側ディスク4、
4の回転に伴って、これら出力側ディスク4、4と反対
方向に、上記第一、第二の歯車49、50の歯数に応じ
た速度で回転する。尚、これは、上記1対のスプロケッ
ト47a、47bの歯数が互いに同じ場合である。
【0027】一方、上記入力軸11aと上記リング歯車
32とは、この入力軸11aと同心に配置された前記伝
達軸34を介して、回転力の伝達を可能な状態に接続自
在としている。この伝達軸34と上記入力軸11aとの
間には、前記高速用クラッチ35を、これら両軸34、
11aに対し直列に設けている。従って本例の場合に
は、請求項に記載した第二の動力伝達機構53は、上記
伝達軸34が構成する。そして、上記高速用クラッチ3
5の接続時にこの伝達軸34は、上記入力軸11aの回
転に伴って、この入力軸11aと同方向に同速で回転す
る。
【0028】又、無段変速装置は、請求項に記載したモ
ード切換手段を構成するクラッチ機構を備える。このク
ラッチ機構は、上記高速用クラッチ35と、上記キャリ
ア44の外周縁部と上記リング歯車32の軸方向一端部
(図10の右端部)との間に設けた低速用クラッチ51
と、このリング歯車32と無段変速装置のハウジング
(図示省略)等、固定の部分との間設けた後退用クラッ
チ52とから成る。各クラッチ35、51、52は、何
れか1個のクラッチが接続された場合には、残り2個の
クラッチの接続が断たれる。
【0029】上述の様に構成する無段変速装置は、先
ず、低速走行時には、上記低速用クラッチ51を接続す
ると共に、上記高速用クラッチ35及び後退用クラッチ
52の接続を断つ。この状態で上記発進クラッチ39を
接続し、前記入力軸11aを回転させると、トロイダル
型無段変速機30のみが、この入力軸11aから上記出
力軸40に動力を伝達する。この様な低速走行時には、
それぞれ1対ずつの入力側ディスク2A、2Bと、出力
側ディスク4、4との間の変速比を、前述の図9に示し
たトロイダル型無段変速機単独の場合と同様にして調節
する。
【0030】これに対して、高速走行時には、上記高速
用クラッチ35を接続すると共に、上記低速用クラッチ
51及び後退用クラッチ52の接続を断つ。この状態で
上記発進クラッチ39を接続し、上記入力軸11aを回
転させると、この入力軸11aから上記出力軸40に
は、前記伝達軸34と前記遊星歯車機構31とが、動力
を伝達する。即ち、上記高速走行時に上記入力軸11a
が回転すると、この回転は上記高速用クラッチ35及び
伝達軸34を介してリング歯車32に伝わる。そして、
このリング歯車32の回転が複数の遊星歯車組43、4
3を介して太陽歯車41に伝わり、この太陽歯車41を
固定した上記出力軸40を回転させる。この状態で、上
記トロイダル型無段変速機30の変速比を変える事によ
り上記各遊星歯車組43、43の公転速度を変化させれ
ば、上記無段変速装置全体としての変速比を調節でき
る。
【0031】即ち、上記高速走行時に上記各遊星歯車組
43、43が、上記リング歯車32と同方向に公転す
る。そして、これら各遊星歯車組43、43の公転速度
が遅い程、上記太陽歯車41を固定した出力軸40の回
転速度が速くなる。例えば、上記公転速度とリング歯車
32の回転速度(何れも角速度)が同じになれば、上記
リング歯車32と出力軸40の回転速度が同じになる。
これに対して、上記公転速度がリング歯車32の回転速
度よりも遅ければ、上記リング歯車32の回転速度より
も出力軸40の回転速度が速くなる。反対に、上記公転
速度がリング歯車32の回転速度よりも速ければ、上記
リング歯車32の回転速度よりも出力軸40の回転速度
が遅くなる。
【0032】従って、上記高速走行時には、前記トロイ
ダル型無段変速機30の変速比を減速側に変化させる
程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。こ
の様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変
速機30に、入力側ディスク2A、2Bからではなく、
出力側ディスク4からトルクが加わる(低速時に加わる
トルクをプラスのトルクとした場合にマイナスのトルク
が加わる)。即ち、前記高速用クラッチ35を接続した
状態では、前記エンジン37から入力軸11aに伝達さ
れたトルクは、前記伝達軸34を介して前記遊星歯車機
構31のリング歯車32に伝達される。従って、入力軸
11aの側から各入力側ディスク2A、2Bに伝達され
るトルクは殆どなくなる。
【0033】一方、前記第二の動力伝達装置53を介し
て前記遊星歯車機構31のリング歯車32に伝達された
トルクの一部は、前記各遊星歯車組43、43から、キ
ャリア44及び第一の動力伝達機構45を介して各出力
側ディスク4、4に伝わる。この様に各出力側ディスク
4、4からトロイダル型無段変速機30に加わるトルク
は、無段変速装置全体の変速比を増速側に変化させるべ
く、トロイダル型無段変速機30の変速比を減速側に変
化させる程小さくなる。この結果、高速走行時に上記ト
ロイダル型無段変速機30に入力されるトルクを小さく
して、このトロイダル型無段変速機30の構成部品の耐
久性向上を図れる。
【0034】更に、自動車を後退させるべく、前記出力
軸40を逆回転させる際には、前記低速用、高速用両ク
ラッチ51、35の接続を断つと共に、前記後退用クラ
ッチ52を接続する。この結果、上記リング歯車32が
固定され、上記各遊星歯車組43、43が、このリング
歯車32並びに前記太陽歯車41と噛合しつつ、この太
陽歯車41の周囲を公転する。そして、この太陽歯車4
1並びにこの太陽歯車41を固定した出力軸40が、前
述した低速走行時並びに上述した高速走行時とは逆方向
に回転する。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】前述した各従来技術の
うち、図10に示した無段変速装置が、耐久性を確保し
つつ大きなトルクの伝達を可能にする点からは優れてい
るが、十分な耐久性を確保しつつより大きなトルクを伝
達可能にする為には、次のの様な点を改良する事が
望まれる。 トロイダル型無段変速機30で伝達可能な動力をよ
り大きくする為に、パワーローラの数を多くする。 トロイダル型無段変速機30を通過する動力が小さ
い場合には、各入力側ディスク2A、2B及び各出力側
ディスク4、4の内側面2a、4aと各パワーローラの
周面との当接圧を小さくしてこれら各面の転がり疲れ寿
命を確保すべく、押圧装置36による押圧力を小さくす
る。
【0036】上記の改良としては、上記各入力側ディ
スク2A、2Bの内側面2a、2aと上記各出力側ディ
スク4、4の内側面4a、4aとの間に、それぞれ3個
ずつ、合計6個のパワーローラを配置する事が考えられ
る。但し、この様な構造は、従来は知られていなかっ
た。又、上記の改良としては、油圧式の押圧装置36
が発生する押圧力を、高速モード時の様に、上記トロイ
ダル型無段変速機30を通過する動力が小さい場合には
小さくする事が考えられる。但し、図10に示した従来
構造の場合には、エンジン37から出力軸40に向けて
送られる動力が総て上記押圧装置36を通過する構造と
している等、上記の点に関する考慮は見られない。
【0037】特開平6−63147号公報には、トロイ
ダル型無段変速機よりも前側部分で動力を分割し、トロ
イダル型無段変速機の中心部に配設した二重構造の回転
軸により、或はトロイダル型無段変速機の中心部に配設
した回転軸及びこの回転軸とは別の回転軸により、分割
された動力を遊星歯車機構に伝達する、無段変速装置の
構造が記載されている。但し、前者の場合には構造が複
雑になる他、各回転軸の断面積が小さくなる分、伝達可
能な動力が小さくなる。又、後者の場合には、独立した
回転軸をトロイダル型無段変速機の側方に設ける分、構
造が複雑となり、無段変速装置全体が大型化する事が避
けられない。本発明の無段変速装置は、この様な事情に
鑑みて発明したものである。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の無段変速装置
は、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、
遊星歯車機構と、第一の動力伝達機構と、第二の動力伝
達機構とを備える。このうちの入力軸は、駆動源につな
がって、この駆動源により回転駆動されるものである。
又、上記出力軸は、上記入力軸の回転に基づく動力を取
り出す為のものである。又、上記トロイダル型無段変速
機は、上記入力軸の回転に伴って回転する入力側ディス
クと、その内側面をこの入力側ディスクの内側面に対向
させた状態でこの入力側ディスクと同心に配置され、こ
の入力側ディスクとは独立した回転を自在とされた出力
側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側ディスク
との間に設けられ、これら両ディスクの中心軸に対し捻
れの位置にある枢軸を中心として揺動する、1対の入力
側ディスク及び出力側ディスク毎に3個ずつのトラニオ
ンと、これら各トラニオンの内側面から突出した、これ
ら各トラニオン毎に1本ずつの変位軸と、これら各変位
軸に回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスク
と出力側ディスクとの内側面同士の間に挟持された、上
記各トラニオン毎に1個ずつのパワーローラと、油圧に
基づいて上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとが
これら各パワーローラを挟持する力を、これら両ディス
ク同士の間で伝達する力の大きさに対応して付与する、
動力の伝達方向に関して上記入力軸に対し並列に、且つ
この入力軸の周囲に設けられた押圧装置とを備えたもの
である。又、上記遊星歯車機構は、太陽歯車とこの太陽
歯車の周囲に配置したリング歯車との間に設けられてこ
の太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持したキャリアに
回転自在に支持された遊星歯車を、上記太陽歯車とリン
グ歯車とに噛合させて成るものである。又、前記第一の
動力伝達機構は、上記入力軸に入力された動力を、前記
トロイダル型無段変速機を介して伝達するものである。
更に、前記第二の動力伝達機構は、上記入力軸に入力さ
れた動力を、上記トロイダル型無段変速機を介する事な
く伝達するものである。そして、上記第一の動力伝達機
構を通じて送られる動力と上記第二の動力伝達機構を通
じて送られる動力とを、上記遊星歯車機構を構成する太
陽歯車と上記リング歯車と上記キャリアとのうちの2個
の部材に伝達自在とすると共に、これら太陽歯車とリン
グ歯車とキャリアとのうちの残りの1個の部材に上記出
力軸を結合している。
【0039】又、自動車用自動変速装置を構成する変速
ユニットとして利用する場合等、低速時に大きなトルク
を必要としたり、回転方向を逆転する必要がある場合に
は、上記入力軸に入力された動力が上記第一の動力伝達
機構と上記第二の動力伝達機構とを通じて上記遊星歯車
機構に送られる状態を切り換えるモード切換手段を設け
る。そして、このモード切換手段は、上記第一の動力伝
達機構のみで動力の伝達を行なう第一のモードと、この
第一の動力伝達機構と上記第二の動力伝達機構との双方
で動力の伝達を行なう第二のモードと、この第一の動力
伝達機構のみで動力の伝達を行なうと共に上記出力軸の
回転方向を上記第一、第二のモードの場合とは逆にする
第三のモードとの切換を行なう。
【0040】
【作用】上述の様に構成する本発明の無段変速装置が、
入力軸と出力軸との間で動力を伝達すると共に、これら
両軸同士の間の変速比を変化させる場合に於ける基本的
な作用は、前述の図10に示した、従来から知られてい
る無段変速装置の場合と同様である。特に、本発明の無
段変速装置の場合には、1対の入力側ディスク及び出力
側ディスク毎に3個ずつのトラニオンを設け、各トラニ
オンに支持した3個ずつのパワーローラを上記両ディス
クの内側面同士の間に挟持している為、従来から知られ
ている無段変速装置の様に、2個ずつのトラニオン及び
パワーローラを設けた構造に比べて、より大きな動力の
伝達が可能になる。
【0041】又、上記入力側ディスクと上記出力側ディ
スクとがこれら各パワーローラを挟持する力を付与する
押圧装置として油圧式のものを使用し、上記入力側ディ
スクと上記出力側ディスクとがこれら各パワーローラを
挟持する力を、これら両ディスク同士の間で伝達する力
の大きさに対応して付与する構造としている為、上記力
が不必要に大きくならない。この為、互いに転がり接触
する、上記各ディスクの内側面及び上記各パワーローラ
の周面の転がり疲れ寿命の向上を図れる。この場合に、
上記押圧装置を、動力の伝達方向に関して上記入力軸に
対し並列に、且つこの入力軸の周囲に設けている為、こ
の入力軸を介して伝わる動力の大きさに関係なく、上記
力の大きさを調節できる構造を、簡単に構成できる。こ
の為、小型且つ軽量な無段変速装置を実現できる。
【0042】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本発明の無段変速装置は、入力軸
11bと、出力軸40aと、トロイダル型無段変速機3
0aと、遊星歯車機構31aと、第一の動力伝達機構4
5aと、第二の動力伝達機構53とを備える。このうち
の入力軸11bは、エンジン37(図10参照)等の駆
動源につながって、この駆動源により回転駆動される。
又、上記出力軸40aは、上記入力軸11bの回転に基
づく動力を取り出す為のもので、図示しないデファレン
シャルギヤ等を介して、やはり図示しない車輪駆動軸に
接続される。
【0043】又、上記トロイダル型無段変速機30a
は、前述の図9〜10に示した様なダブルキャビティ型
で、且つ、各キャビティ内にトラニオン7、7及びパワ
ーローラ9、9を3個ずつ、合計6個ずつ設けたもので
ある。この様なトロイダル型無段変速機30aを構成す
る為に、上記入力軸11bの両端部に1対の入力側ディ
スク2A、2Bを、互いの内側面2a、2a同士を対向
させた状態で、上記入力軸11bと同期した回転自在に
支持している。このうち、基端側(駆動源側で、図1の
左側)の入力側ディスク2Aは上記入力軸11bに、ボ
ールスプライン72を介して、軸方向の変位自在に支持
している。これに対して、先端側(駆動源から遠い側
で、図1の右側)の入力側ディスク2Bは、上記入力軸
11bの先端部にスプライン係合させた状態でその背面
をローディングナット73により抑える事により、上記
入力軸11bに固定している。
【0044】そして、この入力軸11bの中間部周囲で
上記1対の入力側ディスク2A、2B同士の間部分に1
対の出力側ディスク4、4を、それぞれの内側面4a、
4aを上記各入力側ディスク2A、2Bの内側面2a、
2aに対向させた状態で、互いに同期した回転自在に支
持している。そして、上記各入力側ディスク2A、2B
と上記各出力側ディスク4、4との内側面2a、4a同
士の間に、それぞれがトラニオン7、7の内側面に回転
自在に支持されたパワーローラ9、9を挟持している。
【0045】これら各トラニオン7、7を支持する為
に、ケーシング5aの内面に設けた取付部54にフレー
ム55を、このフレーム55の外径側端部3個所位置の
取付孔56、56に挿通したスタッド57、57と、こ
れら各スタッド57、57に螺合したナット58、58
とにより結合固定している。図示の例では、これら各ス
タッド57、57及びナット58、58により、上記取
付部54とフレーム55との間に、ギヤハウジング59
を固定している。このギヤハウジング59の内径側に
は、上記1対の出力側ディスク4、4をその両端部にス
プライン係合させた出力スリーブ60を、1対の転がり
軸受61、61により回転自在に支持すると共に、この
出力スリーブ60の中間部外周面に設けた出力歯車12
bを、上記ギヤハウジング59の内部に収納している。
【0046】又、上記フレーム55は全体を星形に形成
すると共に、その径方向中間部乃至は外径側部分を二股
に形成して、3個所の保持部62、62を、円周方向等
間隔に形成している。そして、これら各保持部62、6
2の径方向中間部に、それぞれ支持片19a、19aの
中間部を、第二の枢軸64、64により枢支している。
これら各支持片19a、19aは、これら第二の枢軸6
4、64の周囲に配置される円筒状の取付部65と、こ
の取付部65の外周面から径方向外方に突出した1対の
支持板部66、66とから成る。これら1対の支持板部
66、66同士の交差角度は120度である。従って、
円周方向に隣り合う支持片19a、19aの支持板部6
6、66同士は、互いに平行である。
【0047】この様な各支持板部66、66には、それ
ぞれ円孔67、67を形成している。上記各支持片19
a、19aが中立状態にある場合、円周方向に隣り合う
支持片19a、19aの支持板部66、66に形成した
円孔67、67同士は互いに同心である。そして、これ
ら各円孔67、67内に、各トラニオン7、7の両端部
に設けた枢軸6、6を、ラジアルニードル軸受68、6
8により支持している。これら各ラジアルニードル軸受
68、68を構成する外輪69、69の外周面は、球状
凸面としている。この様な外輪69、69は上記各円孔
67、67内に、がたつきなく、且つ揺動変位自在に内
嵌している。又、上記各支持板部66、66の一部に
は、上記各円孔67、67と同心で円弧状の長孔70、
70を形成し、これら各長孔70、70に、上記各トラ
ニオン7、7の端面(肩部)に突設したスタッド71、
71を緩く係合させて、上記各枢軸6、6を中心とする
上記各トラニオン7、7の傾斜角度を制限する為のスト
ッパ機構を構成している。
【0048】この様にして前記ケーシング5a内に支持
した上記各トラニオン7、7の内側面には、前述した従
来構造と同様に、変位軸8を介してパワーローラ9、9
を支持している。そして、これら各パワーローラ9、9
の周面9a、9aと、前記各ディスク2A、2B、4の
内側面2a、4aとを当接させている。又、基端側の入
力側ディスク2Aと前記入力軸11bとの間に、油圧式
の押圧装置36aを組み付けて、上記各面9a、2a、
4a同士の当接部(トラクション部)の面圧を確保し、
前記トロイダル型無段変速機30aによる動力の伝達を
効率良く行なえる様にしている。
【0049】上記押圧装置36aを構成する為に、上記
入力軸11bの外周面の基端寄り部分に、外向フランジ
状の係止鍔部74を固設すると共に、上記基端側の入力
側ディスク2Aにシリンダ筒75を、この入力側ディス
ク2Aの背面(図1の左面)から軸方向に突出する状態
で外嵌支持している。上記シリンダ筒75の内径は、軸
方向中間部で小さく、両端部で大きくなっており、上記
入力側ディスク2Aは、このうちの先端側の大径部分
に、油密に且つ軸方向の変位自在に内嵌されている。
又、上記シリンダ筒75の内周面と上記入力軸11bの
外周面との間に、第一ピストン部材76を設けている。
【0050】この第一ピストン部材76は、上記入力軸
11bに外嵌自在な支持筒部77の中間部外周面に、外
向フランジ状の隔壁板78を形成したもので、この隔壁
板78の外周縁を上記シリンダ筒75の内周面中間部の
小径部分に、油密に且つ軸方向の変位自在に摺接させて
いる。又、上記支持筒部77の基端部外周面と上記シリ
ンダ筒75の基端部内周面との間には、円輪状の端板7
9を設けている。この端板79は、その基端側側面を上
記係止鍔部74に当接させる事により軸方向の変位を阻
止すると共に、内外両周縁と上記支持筒部77の基端部
外周面及び上記シリンダ筒75の基端部内周面との間の
油密を保持している。そして、上記端板79と上記シリ
ンダ筒75の中間部の小径部分との間に、円輪状の第二
ピストン部材80を設けている。この第二ピストン部材
80の外周縁は上記シリンダ筒75に油密に内嵌固定し
ており、内周縁は上記支持筒部77の中間部外周面に、
油密且つ軸方向の変位自在に摺接させている。
【0051】又、上述の様な第二ピストン部材80は上
記端板79との間に設けた、皿板ばね81等の予圧ばね
により、上記入力側ディスク2Aに向け押圧している。
従ってこの入力側ディスク2Aは、少なくとも(前記押
圧装置36a内に圧油を導入していない状態でも)上記
皿板ばね81の弾力に見合う押圧力により押圧され、前
記各面9a、2a、4a同士の当接部に、この弾力に見
合う面圧を付与する。従って、この弾力は、前記トロイ
ダル型無段変速機30aにより極く小さな動力の伝達を
行なう際に、上記各面9a、2a、4a同士の各当接部
で(不可避であるスピンを除く)滑りが生じない程度に
規制する。
【0052】又、上記端板79と上記第二ピストン80
との間、並びに前記隔壁板78と上記入力側ディスク2
Aとの間にそれぞれ存在する油圧室内に、前記入力軸1
1bの中心孔82を介して、油圧を導入自在としてい
る。この中心孔82は、図示しない油圧調整弁を介し
て、やはり図示しない、加圧ポンプ等の油圧源に通じて
いる。上記トロイダル型無段変速機30aを含む無段変
速装置の運転時には、伝達すべき動力の大きさに応じて
上記油圧調整弁により調整された油圧を、上記各油圧室
内に導入し、上記入力側ディスク2Aを押圧して、上記
各面9a、2a、4a同士の各当接部に、上記動力の大
きさに見合う面圧を付与する。
【0053】この際に各当接部に付与される面圧は、油
圧に基づくものと上記皿板ばね81に基づくものとの合
計となる。従って、動力伝達時に上記各当接部での滑り
防止を図る為に必要とする油圧は、上記皿板ばね81の
弾力分だけ低くて済み、この皿板ばね81を設けた分だ
け、上記油圧源の駆動に基づく損失(ポンプロス)を低
く抑えられる。又、図示の例では、前記押圧装置36a
をダブルピストン型として、直径を大きくする事なく受
圧面積を確保し、必要とする押圧力を確保する為の油圧
を低く抑えている為、この面からもポンプロスを低く抑
える事ができる。尚、上記油圧を調整する際に考慮する
要素は、伝達すべき動力の大きさに加えて、変速比、ト
ラクションオイルの温度等、上記トロイダル型無段変速
機30aの運転に影響を及ぼす、各種要素を取り入れる
事ができる。
【0054】更に、前記各トラニオン7、7に油圧式の
アクチュエータ17a、17bを設けて、これら各トラ
ニオン7、7を、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6
の軸方向に変位駆動自在としている。このうち、図2の
下側中央部のトラニオン7は、それぞれが(押し出し方
向の力のみ得られる)単動型であり押圧方向を互いに反
対方向とした1対のアクチュエータ17a、17aによ
り、それぞれ梃子腕83、83を介して、両端部に設け
た枢軸6、6の軸方向に変位駆動自在としている。上記
トラニオン7を変位させる場合には、何れか一方のアク
チュエータ17aの油圧室にのみ圧油を送り込み、他方
のアクチュエータ17aの油圧室は解放状態とする。こ
れに対して、図2の両側のトラニオン7、7は、それぞ
れ(圧油の給排方向の切換に基づいて押し出し方向又は
引き込み方向の力を得られる)複動型のアクチュエータ
17b、17bにより、それぞれの両端部に設けた枢軸
6、6の軸方向に変位駆動自在としている。
【0055】前記トロイダル型無段変速機30aに設け
た、合計6個のトラニオン7、7の変位は、制御弁21
(図8参照)により上記各アクチュエータ17a、17
bに等量の圧油を給排する事により、互いに同期して、
同じ長さずつ行なう。この為に、何れか(図示の例では
図2の上部左側)のトラニオン7と共に変位するロッド
84の端部にプリセスカム28を固定し、このトラニオ
ン7の姿勢を、リンク29を介して、上記制御弁21の
スプール24に伝達自在としている。
【0056】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機30a単独での作用は、次の通りである。運転時には
前記押圧装置36aにより基端側の入力側ディスク2A
を押圧しつつ、前記入力軸11bを回転させる。この結
果、この入力軸11bの両端部に設けられた1対の入力
側ディスク2A、2Bが、前記各出力側ディスク4、4
に向け押圧されつつ回転する。この回転は、前記各パワ
ーローラ9、9を介して上記各出力側ディスク4、4に
伝わり、これら両出力側ディスク4、4の回転が、前記
出力スリーブ60と出力歯車12bとを通じて取り出さ
れる。
【0057】上記各入力側ディスク2A、2Bと上記各
出力側ディスク4、4との間の変速比を変えるべく、上
記各パワーローラ9、9を支持した上記各トラニオン
7、7を揺動変位させる際には、前記各アクチュエータ
17a、17bにより上記各トラニオン7、7を、それ
その両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に、上記各入力
側ディスク2A、2B及び上記各出力側ディスク4、4
の円周方向に関して、同方向に同じストローク分だけ変
位させる。この様に上記各トラニオン7、7を変位させ
る事に伴って、前述した従来構造の場合と同様に、これ
ら各トラニオン7、7に支持されたパワーローラ9、9
の周面9a、9aと、入力側、出力側各ディスク2A、
2B、4の内側面2a、4aとの当接部に作用する接線
方向の力の向きが変化し、前述の図4〜5に示した様
に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記
各内側面2a、4aとの当接位置が変化して、変速比が
変化する。
【0058】一方、上記各アクチュエータ17a、17
bへの圧油の給排に伴う、前記図2の上部左側のトラニ
オン7の変位は、プリセスカム28とリンク29とを介
して前記スプール24に伝達され、このスプール24を
軸方向に変位させる。この結果、上記各アクチュエータ
17a、17bが所定量ストロークした状態で、前記制
御弁21の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ17
a、17bへの圧油の給排が停止される。従って、上記
各トラニオン7、7の、枢軸6、6の軸方向の変位量
は、制御モータ25によるスリーブ23(図8参照)の
変位量に応じただけのものとなる。
【0059】本発明の無段変速装置を構成する、トロイ
ダル型無段変速装置30aの構造及び作用は、上述の通
りであるが、このトロイダル型無段変速機30aと組み
合わされる、前記遊星歯車機構31aは、太陽歯車41
と、リング歯車32と、遊星歯車組43、43とを備え
る。このうちの太陽歯車41は、前記出力軸40aの入
力側端部(図1、3の左端部)に固定している。従って
この出力軸40aは、上記太陽歯車41の回転に伴って
回転する。この太陽歯車41の周囲には上記リング歯車
32を、上記太陽歯車41と同心に、且つ回転自在に支
持している。そして、このリング歯車32の内周面と上
記太陽歯車41の外周面との間に、それぞれが1対ずつ
の遊星歯車42a、42bを組み合わせて成る、複数個
の遊星歯車組43、43を設けている。そして、これら
1対ずつの遊星歯車42a、42bは、互いに噛合する
と共に、外径側に配置した遊星歯車42aを上記リング
歯車32に噛合させ、内径側に配置した遊星歯車42b
を上記太陽歯車41に噛合させている。この様な遊星歯
車組43、43は、キャリア44の片側面(図1、3の
左側面)に回転自在に支持している。又、このキャリア
44は、上記出力軸40aの中間部周囲に、回転自在に
支持している。
【0060】又、上記キャリア44と前記トロイダル型
無段変速機30aを構成する1対の出力側ディスク4、
4とを、前記第一の動力伝達機構45aにより、回転力
の伝達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝
達機構45aを構成する為に、前記入力軸11b及び上
記出力軸40aと平行な伝達軸46aを設け、この伝達
軸46aの一端部(図1の左端部)に固定した歯車85
を、前記出力歯車12bと噛合させている。又、上記出
力軸40aの中間部周囲にスリーブ86を回転自在に配
置し、このスリーブ86の外周面に支持した歯車87
と、上記伝達軸46aの他端部(図1の右端部)に固設
した歯車88とを、図示しないアイドラ歯車を介して噛
合させている。更に、上記スリーブ86の周囲に上記キ
ャリア44を、円環状の結合ブラケット89を介して、
このスリーブ86と同期した回転自在に支持している。
従って上記キャリア44は、上記各出力側ディスク4、
4の回転に伴って、これら出力側ディスク4、4と反対
方向に、上記各歯車12b、85、87、88の歯数に
応じた速度で回転する。又、上記キャリア44と上記出
力軸40aとの間に、低速用クラッチ51aを設けてい
る。
【0061】一方、上記入力軸11bと前記リング歯車
32とは、この入力軸11bと同心に配置された伝達軸
34aを介して、回転力の伝達を可能な状態に接続自在
としている。この伝達軸34aの基端部(図1、3の左
端部)と上記入力軸11bの先端部とはスプライン係合
させて、これら両軸34a、11b同士の間での回転力
の伝達を自在としている。又、上記伝達軸34aの先端
部(図1、3の右端部)は、前記太陽歯車41の中心部
に、回転自在に支持している。更に、上記伝達軸34a
の中間部周囲に上記リング歯車32を、円環状の結合ブ
ラケット90と後述する高速用クラッチ35aとを介し
て、上記伝達軸34aと同期した回転自在に支持してい
る。従って上記リング歯車32は、上記高速用クラッチ
35aの接続時には、上記入力軸11bの回転に伴っ
て、この入力軸11bと同方向に同速で回転する。
【0062】又、無段変速装置は、請求項に記載したモ
ード切換手段を構成するクラッチ機構を備える。このク
ラッチ機構は、上記高速用クラッチ35aと、前記低速
用クラッチ51aと、上記リング歯車32と無段変速装
置のハウジング内に設けた固定壁91等、固定の部分と
の間に設けた後退用クラッチ52aとから成る。各クラ
ッチ35a、51a、52aは、何れも湿式多板クラッ
チであって、それぞれに付属した油圧シリンダ内への圧
油の給排に基づいて断接させられる。又、何れか1個の
クラッチが接続された場合には、残り2個のクラッチの
接続が断たれる。
【0063】上述の様に構成する無段変速装置は、先
ず、低速走行時には、上記低速用クラッチ51aを接続
すると共に、上記高速用クラッチ35a及び後退用クラ
ッチ52aの接続を断つ。この状態で前記入力軸11b
を回転させると、トロイダル型無段変速機30aのみ
が、この入力軸11bから前記出力軸40aに動力を伝
達する。即ち、この状態では、上記トロイダル型無段変
速機30aの出力歯車12bの回転が、前記第一の動力
伝達機構45aを介して前記キャリア44に伝わる。上
記低速用クラッチ51aが接続される事により、このキ
ャリア44の回転は、そのまま上記出力軸40aに伝わ
り、太陽歯車41を固設したこの出力軸40aが回転す
る。この様な低速走行時には、それぞれ1対ずつの入力
側ディスク2A、2Bと、出力側ディスク4、4との間
の変速比を、前述の図9に示した様な、トロイダル型無
段変速機単独の場合と同様にして調節する。尚、低速用
クラッチは、前記遊星歯車機構31aを構成する各歯車
32、41、42a、42b同士の相対変位を不能にす
るものであれば良く、必ずしも上記キャリア44と上記
出力軸40aとの間に設ける必要はない。
【0064】但し、本発明の無段変速装置の場合には、
上記1対ずつの入力側ディスク2A、2Bと出力側ディ
スク4、4との間に、それぞれ3個ずつ、合計6個のパ
ワーローラ9、9を設けている為、これら各パワーロー
ラ9、9毎に伝達する動力を低く抑える事ができる。こ
の為、上記各ディスク2A、2B、4の内側面2a、4
aと上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aとの当
接部の面圧を低くしても、当接部に滑りを生じさせる事
なく、動力の伝達を行なえる。尚、上記各当接部の面圧
の調整は、前記油圧式の押圧装置36a内に導入する油
圧を調整する事により、容易且つ確実に行なえる。そし
て、上記各当接部の面圧を低く抑えられる事により、上
記各面2a、4a、9aの転がり疲れ寿命を向上させる
事ができる。逆に、転がり疲れ寿命を同じとした場合に
は、より大きな動力の伝達が可能になる。
【0065】これに対して、高速走行時には、前記高速
用クラッチ35aを接続すると共に、前記低速用クラッ
チ51a及び後退用クラッチ52aの接続を断つ。この
状態で前記入力軸11bを回転させると、この入力軸1
1bから前記出力軸40aには、前記伝達軸34aを含
む前記第二の動力伝達機構53と、前記遊星歯車機構3
1aとが、動力を伝達する。即ち、上記高速走行時に上
記入力軸11aが回転すると、この回転は上記伝達軸3
4aと前記結合ブラケット90と上記高速用クラッチ3
5aを介して、前記リング歯車32に伝わる。そして、
このリング歯車32の回転が複数の遊星歯車組43、4
3を介して太陽歯車41に伝わり、この太陽歯車41を
固定した上記出力軸40aを回転させる。この状態で、
上記トロイダル型無段変速機30aの変速比を変える事
により上記各遊星歯車組43、43の公転速度を変化さ
せれば、上記無段変速装置全体としての変速比を調節で
きる。
【0066】即ち、上記高速走行時に上記各遊星歯車組
43、43が、上記リング歯車32と同方向に公転す
る。そして、これら各遊星歯車組43、43の公転速度
が遅い程、上記太陽歯車41を固定した出力軸40aの
回転速度が速くなる。例えば、上記公転速度とリング歯
車32の回転速度(何れも角速度)が同じになれば、上
記リング歯車32と出力軸40aの回転速度が同じにな
る。これに対して、上記公転速度がリング歯車32の回
転速度よりも遅ければ、上記リング歯車32の回転速度
よりも出力軸40の回転速度が速くなる。反対に、上記
公転速度がリング歯車32の回転速度よりも速ければ、
上記リング歯車32の回転速度よりも出力軸40の回転
速度が遅くなる。
【0067】従って、上記高速走行時には、前記トロイ
ダル型無段変速機30aの変速比を減速側に変化させる
程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。こ
の様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変
速機30aに、入力側ディスク2からではなく、出力側
ディスク4からトルクが加わる(低速時に加わるトルク
をプラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わ
る)。即ち、前記高速用クラッチ35aを接続した状態
では、前記入力軸11bに伝達されたトルクは、前記伝
達軸34aを介して前記遊星歯車機構31aのリング歯
車32に伝達される。従って、入力軸11bの側から各
入力側ディスク2A、2Bに伝達されるトルクは殆どな
くなる。
【0068】一方、前記第二の動力伝達機構53を介し
て上記遊星歯車機構31aのリング歯車32に伝達され
たトルクの一部は、前記各遊星歯車組43、43から、
キャリア44及び前記第一の動力伝達機構45aを介し
て各出力側ディスク4、4に伝わる。この様に各出力側
ディスク4、4からトロイダル型無段変速機30aに加
わるトルクは、無段変速装置全体の変速比を増速側に変
化させるべく、トロイダル型無段変速機30aの変速比
を減速側に変化させる程小さくなる。この結果、高速走
行時に上記トロイダル型無段変速機30aに入力される
トルクを小さくして、このトロイダル型無段変速機30
aの構成部品の耐久性向上を図れる。又、この様な高速
走行時にも、このトロイダル型無段変速機30aを通過
する動力の大きさが変化するが、前記押圧装置36a内
に導入する油圧を調整する事により、前記各面2a、4
a、9a同士の当接部の面圧を適正値にする。
【0069】更に、自動車を後退させるべく、前記出力
軸40aを逆回転させる際には、前記低速用、高速用両
クラッチ51a、35aの接続を断つと共に、前記後退
用クラッチ52aを接続する。この結果、上記リング歯
車32が固定され、上記各遊星歯車組43、43が、こ
のリング歯車32並びに前記太陽歯車41と噛合しつ
つ、この太陽歯車41の周囲を公転する。そして、この
太陽歯車41並びにこの太陽歯車41を固定した上記出
力軸40aが、前述した低速走行時並びに上述した高速
走行時とは逆方向に回転する。
【0070】尚、本発明の無段変速装置を自動車用の自
動変速機として使用する場合には、駆動源であるエンジ
ンと前記入力軸11bとの間に、トルクコンバータ或は
電磁クラッチ等の発進クラッチを設ける。但し、前記低
速用クラッチ51aに発進クラッチとしての機構を持た
せ、独立した発進クラッチを省略する事もできる。この
場合には、自動車の停止状態では、上記低速用クラッチ
51aの他、前記高速用クラッチ35a及び上記後退用
クラッチ52aの接続を何れも断っておく。この状態で
は、前記トロイダル型無段変速機30a及び前記第一、
第二の動力伝達機構45a、53が空回りし、上記出力
軸40aには動力が伝達されない。この状態から、上記
低速用クラッチ51aを徐々に接続すれば、停止状態に
ある自動車を円滑に発進させる事ができる。
【0071】又、図示の例は、本発明の無段変速装置を
自動車用の自動変速機として使用する事を前提としてい
る為、上記高速用、低速用、後退用の各クラッチ35
a、51a、52aを設けている。これに対して、本発
明の無段変速装置を、例えばポンプ等の各種産業機械の
運転速度を、駆動源の運転速度を一定とした状態のまま
調節する為の変速機として使用する場合には、上記無段
変速装置を、上述した説明の高速走行時の状態でのみ運
転すれば足りる。従って、本発明の無段変速装置をこの
様な用途に使用する場合には、図1に示した伝達軸34
aとリング歯車32とを、(上記高速用クラッチ35a
を介する事なく)同期した回転自在に結合固定する。
又、遊星歯車機構31aのロック状態を実現する為の上
記低速用クラッチ51a、及び、上記リング歯車32を
ケーシング5aに対し固定する為の後退用クラッチ52
aを省略する。
【0072】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、より大きな動力の伝達が可能でしかもより
優れた耐久性を有し、しかも小型且つ軽量な無段変速装
置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す要部断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】同B部拡大図。
【図4】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図6】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図7】図6のC−C断面図。
【図8】従来から知られた、伝達可能な動力を大きくす
る構造の第1例を、一部を切断した状態で示す要部正面
図。
【図9】同第2例を示す部分断面図。
【図10】トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを
組み合わせた無段変速装置の1例を示す略断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2、2A、2B 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5、5a ケーシング 6 枢軸 7 トラニオン 8 変位軸 9 パワーローラ 9a 周面 10 ローディングカム装置 11、11a、11b 入力軸 12、12a、12b 出力歯車 13 支持板 14 スラスト玉軸受 15 スラストニードル軸受 16 外輪 17、17a、17b アクチュエータ 18 フレーム 19、19a 支持片 20 油圧シリンダ 21 制御弁 22 ポンプ 23 スリーブ 24 スプール 25 制御モータ 26 駆動ピストン 27 油溜 28 プリセスカム 29 リンク 30、30a トロイダル型無段変速機 31、31a 遊星歯車機構 32 リング歯車 33 支持板 34、34a 伝達軸 35、35a 高速用クラッチ 36、36a 押圧装置 37 エンジン 38 クランクシャフト 39 発進クラッチ 40、40a 出力軸 41 太陽歯車 42a、42b 遊星歯車 43 遊星歯車組 44 キャリア 45、45a 第一の動力伝達機構 46、46a 伝達軸 47a、47b スプロケット 48 チェン 49 第一の歯車 50 第二の歯車 51、51a 低速用クラッチ 52、52a 後退用クラッチ 53 第二の動力伝達機構 54 取付部 55 フレーム 56 取付孔 57 スタッド 58 ナット 59 ギヤハウジング 60 出力スリーブ 61 転がり軸受 62 保持部 64 第二の枢軸 65 取付部 66 支持板部 67 円孔 68 ラジアルニードル軸受 69 外輪 70 長孔 71 スタッド 72 ボールスプライン 73 ローディングナット 74 係止鍔部 75 シリンダ筒 76 第一ピストン部材 77 支持筒部 78 隔壁板 79 端板 80 第二ピストン部材 81 皿板ばね 82 中心孔 83 挺子腕 84 ロッド 85 歯車 86 スリーブ 87 歯車 88 歯車 89 結合ブラケット 90 結合ブラケット 91 固定壁 92 駆動軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J051 AA03 AA08 BA03 BB02 BD01 BE09 CA05 CB07 EC03 ED15 FA02 FA10 3J062 AA02 AA18 AB01 AB06 AB12 AB35 AC03 BA12 BA16 CG03 CG13 CG32 CG52 CG82

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源につながってこの駆動源により回
    転駆動される入力軸と、この入力軸の回転に基づく動力
    を取り出す為の出力軸と、トロイダル型無段変速機と、
    遊星歯車機構と、上記入力軸に入力された動力をこのト
    ロイダル型無段変速機を介して伝達する第一の動力伝達
    機構と、上記入力軸に入力された動力を上記トロイダル
    型無段変速機を介する事なく伝達する第二の動力伝達機
    構とを備え、上記トロイダル型無段変速機は、上記入力
    軸の回転に伴って回転する入力側ディスクと、その内側
    面をこの入力側ディスクの内側面に対向させた状態でこ
    の入力側ディスクと同心に配置され、この入力側ディス
    クとは独立した回転を自在とされた出力側ディスクと、
    これら入力側ディスクと出力側ディスクとの間に設けら
    れ、これら両ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある
    枢軸を中心として揺動する、1対の入力側ディスク及び
    出力側ディスク毎に3個ずつのトラニオンと、これら各
    トラニオンの内側面から突出した、これら各トラニオン
    毎に1本ずつの変位軸と、これら各変位軸に回転自在に
    支持された状態で、上記入力側ディスクと出力側ディス
    クとの内側面同士の間に挟持された、上記各トラニオン
    毎に1個ずつのパワーローラと、油圧に基づいて上記入
    力側ディスクと上記出力側ディスクとがこれら各パワー
    ローラを挟持する力を、これら両ディスク同士の間で伝
    達する力の大きさに対応して付与する、動力の伝達方向
    に関して上記入力軸に対し並列に、且つこの入力軸の周
    囲に設けられた押圧装置とを備えたものであり、上記遊
    星歯車機構は、太陽歯車とこの太陽歯車の周囲に配置し
    たリング歯車との間に設けられてこの太陽歯車と同心に
    且つ回転自在に支持したキャリアに回転自在に支持され
    た遊星歯車を、上記太陽歯車とリング歯車とに噛合させ
    て成るものであり、上記第一の動力伝達機構を通じて送
    られる動力と上記第二の動力伝達機構を通じて送られる
    動力とを、上記太陽歯車と上記リング歯車と上記キャリ
    アとのうちの2個の部材に伝達自在とすると共に、これ
    ら太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの残りの1
    個の部材に上記出力軸を結合している無段変速装置。
  2. 【請求項2】 入力軸に入力された動力が第一の動力伝
    達機構と第二の動力伝達機構とを通じて遊星歯車機構に
    送られる状態を切り換えるモード切換手段を設けてお
    り、このモード切換手段は、上記第一の動力伝達機構の
    みで動力の伝達を行なう第一のモードと、この第一の動
    力伝達機構と上記第二の動力伝達機構との双方で動力の
    伝達を行なう第二のモードと、この第一の動力伝達機構
    のみで動力の伝達を行なうと共に出力軸の回転方向を上
    記第一、第二のモードの場合とは逆にする第三のモード
    との切換を行なうものである、請求項1に記載した無段
    変速装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005045284A3 (de) * 2003-11-05 2005-08-18 Daimler Chrysler Ag Toroidgetriebe mit einer hydraulischen anpressvorrichtung

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