JPH074477A - 変速装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】前後進切換機構の構成部材が変速機ケース外で
組付けられるようにして、組付作業の簡単化を図る。 【構成】トロイダル型無段変速機構３に前後進切換機構
２が変速機ケース４内で直列に配されている変速装置Ｔ
Ｍにおいて、上記変速機ケース４に、入力シャフト１１
を支持するための仕切壁９１ａを着脱自在に取付けると
ともに、上記入力シャフト１１上に、前進用クラッチ１
２、後進用ブレーキ１３および後進用プラネタリギヤ１
４を、変速機ケース４内より取外した仕切壁９１ａの前
後面に対してサブアッセンブリ状態で支持させつつ組付
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、変速装置に関し、詳し
くは、変速機ケース内に設けられる前後進切換機構の組
付作業性の改善対策に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、変速装置においては、例えば、
特開平２−２６１９５０号公報に開示されるように、エ
ンジン出力を変速する変速機構に、エンジン出力を前進
用出力または後進用出力に適宜切換える前後進切換機構
が変速機ケース内で直列に配されているものが知られて
いる。

【０００３】そして、上記変速機ケースには、その変速
機ケース内でエンジン出力を伝達する動力伝達軸が支持
されるよう，変速機ケース内を仕切る仕切壁が固設され
ており、上記動力伝達軸上には、上記前後進切換機構を
構成する遊星歯車機構、前進用摩擦要素および後進用摩
擦要素が、上記仕切壁に支持されつつ組付けられてい
る。この場合、前後進切換機構は、仕切壁に近い位置に
配される構成部材の順に１つずつ変速機ケース内の動力
伝達軸上に順次組付けられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
前後進切換機構では、仕切壁に支持する構成部材がある
ために、仕切壁に近い順で変速機ケース内の動力伝達軸
上に前後進切換機構の構成部材を１つずつ組付けなけれ
ばならず、その組付作業が煩わしいものであった。しか
も、前後進切換部材の構成部材の組付作業を変速機ケー
ス内で行うものでは、構成部材の組付け忘れや誤組付け
の判断がし難いものであった。

【０００５】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、前後進切換機構の構成部
材が変速機ケース外で組付けられるようにして、前後進
切換機構の構成部材の組付けを簡単に行えるようにする
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の解決手段は、エンジン出力を変速する変速
機構に、エンジン出力を前進用出力または後進用出力に
適宜切換える前後進切換機構が変速機ケース内で直列に
配されている変速装置を前提とする。そして、上記変速
機ケースに、その変速機ケース内でエンジン出力を伝達
する動力伝達軸が支持されるよう，変速機ケース内を節
状に仕切る仕切壁を着脱自在に取付けるとともに、上記
動力伝達軸上に、上記前後進切換機構を構成する遊星歯
車機構、前進用摩擦要素および後進用摩擦要素を、上記
仕切壁の表裏面を挟んでサブアッセンブリ状態に支持さ
せつつ組付ける構成としたものである。

【０００７】

【作用】上記の構成により、本発明では、前後進切換機
構の構成部材としての遊星歯車機構、前進用摩擦要素お
よび後進用摩擦要素は、変速機ケースに組付け前の仕切
壁に対してサブアッセンブリ状態で支持されつつ動力伝
達軸上に組付けることが可能となり、仕切壁に対して支
持する構成部材があるにも拘らず、変速機ケース内の動
力伝達軸上への煩わしい組付けを廃止でき、前後進切換
部材の構成部材の組付作業が簡単に行える。

【０００８】しかも、前後進切換部材の構成部材の組付
作業が変速機ケース外で行えることから、構成部材の組
付け忘れや誤組付けが確実に防止される。

【０００９】

【発明の効果】以上の如く、本発明における変速装置に
よれば、変速機ケース内より取外した仕切壁に対して前
後進切換機構の構成部材をサブアッセンブリ状態で支持
しつつ動力伝達軸上に組付けたので、前後進切換部材の
構成部材の組付作業の簡単化を図ることができるととも
に、構成部材の組付け忘れや誤組付けを確実に防止する
ことができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１１】図２および図３は本発明の実施例に係る自
動車の変速装置を示し、この変速装置ＴＭには、第１〜
第４気筒Ｃ１〜Ｃ４を備えたエンジン１からの出力（動
力）を前進用出力または後進用出力に適宜切換える前後
進切換機構２と、上記エンジン出力を変速する変速機構
としてのトロイダル型無段変速機構３とが設けられてい
る。そして、上記前後進切換機構２はトロイダル型無段
変速機構３に対して直列、つまり前後進切換機構２およ
びトロイダル型無段変速機構３が変速機ケース４内にお
いてエンジン出力軸５と同軸上に配されるようになって
いる。

【００１２】ここで、変速装置ＴＭの具体的な構成を説
明する。

【００１３】先ず、前後進切換機構２について説明する
が、この前後進切換機構２は、図１に示すように、実質
的に、エンジン出力伝達可能に配された動力伝達軸とし
ての入力シャフト１１と、前進用摩擦要素としての前進
用クラッチ１２と、後進用摩擦要素としての後進用ブレ
ーキ１３と、遊星歯車機構としての後進用プラネタリギ
ヤ１４と、後述するトロイダル型無段変速ユニット３
２，３３にカウンタシャフト１５を介してエンジン出力
を伝達する入力ギヤ１６とを備える。上記カウンタシャ
フト１５は、前後端に夫々カウンタギヤ１５ａ，１５ｂ
を有してなり、その前側のカウンタギヤ１５ａと入力ギ
ヤ１６（後述するギヤ部１６ｃ）との間には、カウンタ
シャフト１５の回転方向を入力ギヤ１６の回転方向と一
致させる中間ギヤ１７が介在される。また、上記入力シ
ャフト１１は、その前端がエンジン出力軸５の後端に固
着されていて、変速機ケース４内前側（図では左側）に
おいてエンジン出力軸５と同軸上に延びている。上記前
進用クラッチ１２は、入力シャフト１１にスプライン結
合された入力シャフト側部材１２ａと、入力ギヤ１６に
固定された入力ギヤ側部材１２ｂと、スプリング１２ｃ
により解放側に付勢され、このスプリング１２ｃに抗し
た反付勢方向への摺動により入力シャフト側部材１２ａ
と入力ギヤ側部材１２ｂとを締結する摺動部材１２ｄと
からなり、この締結時に入力シャフト１１を介したエン
ジン出力を前進用動力として入力ギヤ１６に伝達するよ
うにしている。さらに、上記入力ギヤ１６は、外周部に
ギヤ部１６ｃを有して径方向へ延びる径方向延設部１６
ａと、該径方向延設部１６ａの内周部より入力シャフト
１１外方を後方へ延びる略筒形状の軸方向延設部１６ｂ
とからなる。

【００１４】更に、上記後進用ブレーキ１３は、後述す
る仕切壁９１（変速機ケース４）にボルト７により締結
固定された仕切壁側部材１３ａと、上記後進用プラネタ
リギヤ１４のリングギヤ２１に固定されたリングギヤ側
部材１３ｂと、スプリング１３ｃにより解放側に付勢さ
れ、このスプリング１３ｃに抗した反付勢方向への摺動
により仕切壁側部材１３ａとリングギヤ側部材１３ｂと
を締結する摺動部材１３ｄとからなり、この締結時にリ
ングギヤ２１の回動を停止させて、後進用プラネタリギ
ヤ１４に入力シャフト１１を介して入力されたエンジン
出力をサンギヤ２２（後述する）より後進用動力として
入力ギヤ１６に伝達するようにしている。また、上記後
進用プラネタリギヤ１４は、上記リングギヤ２１と、入
力シャフト１１にスプライン結合されたサンギヤ２２
と、上記入力ギヤ１６の軸方向延設部１６ｂにスプライ
ン結合されたキャリア２３と、該キャリア２３に回動自
在に支持されたピニオンギヤ２４とからなる。

【００１５】次いで、トロイダル型無段変速機構３を説
明するが、このトロイダル型無段変速機構３は、図４に
も示すように、前後進切換機構２の入力シャフト１１
（エンジン出力軸５）に対しその後方にて同軸上に配さ
れ、変速機ケース４内後側（図２では右側）を延びる変
速機出力軸３１と、該変速機出力軸３１上に配設された
第１のトロイダル型無段変速ユニット３２と、該第１の
トロイダル型無段変速ユニット３２の図２の右方に配設
された第２のトロイダル型無段変速ユニット３３とを備
えている。

【００１６】上記第１の無段変速ユニット３２は、変速
機出力軸３１に回転自在に挿通された入力ディスク３４
と、該入力ディスク２４の図２左方に対向配置された出
力ディスク３５とを備え、該出力ディスク３５は、変速
機出力軸３１にスプライン結合されている。上記両ディ
スク３４，３５間には、該両ディスク３４，３５が各々
形成するトロイダル面３４ａ，３５ａに跨がって接する
パワーローラ３６が配置される。

【００１７】同様に、第２の無段変速ユニット３３は、
上記と同様の入力ディスク３７と、該入力ディスク３７
の図２右方に配置された出力ディスク３８と、該両ディ
スク３７，３８のトロイダル面３７ａ，３８ａに跨がっ
て接するパワーローラ３９とを備える。該入力ディスク
３７は、その背面が上記第１の無段変速ユニット３２の
入力ディスク３４の背面と対向して配置されている。上
記一対の入力ディスク３４，３７の背面同士の間に形成
された空間には、中間ディスク４０が配置される。該中
間ディスク４０と、各入力ディスク３４，３７とには、
これらが対向する側面に複数のカム溝（図示せず）が形
成され、該各カム溝には各々ローディングカム４１，…
が配設される。また、上記中間ディスク４０の外周に
は、入力ギヤ１６から中間ギヤ１７およびカウンタシャ
フト１５を介して伝達されたエンジンの動力を上記一対
の入力ディスク３４，３７に伝達するヘリカルギヤより
なる動力伝達ギヤ４２が一体形成され、該動力伝達ギヤ
４２には、上記後側のカウンタギヤ１５ｂとの噛み合い
によってエンジン出力軸５からの動力が伝達される。上
記各カム溝は、中間ディスク４０と各入力ディスク３
４，３７とが相対回転した時、相対変位量が多いほど各
カム４１を入力ディスク３４，３７側に押付ける押付力
を増大させる形状に形成される。従って、エンジン動力
は、中間ディスク４０から順次カム４１，…、入力ディ
スク３４，３７、パワーローラ３６，３９を経て出力デ
ィスク３５，３８に伝達された後、変速機出力軸３１に
伝達される。

【００１８】上記各トロイダル無段変速ユニット３２，
３３の各パワーローラ３６，３９は、各々、偏心軸４
４，４４を経て上下方向に配置した一対のトラニオン４
５，４５に回転自在に取付けられている。該各トラニオ
ン４５の下端部には、上下方向に配置した軸部材４６が
固定配置され、該軸部材４６を上下方向に変位させるこ
とにより、トラニオン４５を上下方向に変位させて、変
速比を無段階に変更するように構成している。尚、パワ
ーローラ３６，３９の傾動に伴う各トラニオン４５の軸
回りの回動を許容すべく、各トラニオン４５の上端部
は、変速機ケース４にリンクポスト４８で取付けた支持
部材４９により球面軸受５０で軸方向に回動自在に支持
されると共に、下端部は、後述する油圧シリンダ５９の
バルブボディ６１にリンクポスト５２で取付けた支持部
材５３により球面軸受５４で回動自在に支持される。

【００１９】上記軸部材４６は、その下端部が図４に示
すように、バルブボディ６１の下方に配置したアッパお
よびロアハウジング５５，５６の凹所５７に回転および
上下移動自在に軸受５８で支持されていると共に、該軸
部材４６の略中間位置には、該軸部材４６を上下移動さ
せる油圧シリンダ５９が接続されている。該油圧シリン
ダ５９は、変速機ケース４にボルト６０で取付固定した
バルブボディ６１と、該バルブボディ６１に形成した内
方に突出する突出部６１ａを上下に挟んだ状態で中芯部
が軸部材４６に嵌挿されて固定されたピストン６２とを
備えている。上記ピストン６２とバルブボディ６１の突
出部６１ａとにより上下に一対の油圧室６３，６４が形
成され、上側の油圧室６３への油圧の供給により軸部材
４６を図４上方に移動させる一方、逆に下側の油圧室６
４への油圧の供給により軸部材４６を図４下方に移動さ
せる構成である。

【００２０】上記アッパおよびロアハウジング５５，５
６には、上記各油圧シリンダ５９の油圧室６３，６４へ
の作動油の供給を制限して変速を行う変速制御装置６５
が配置される。すなわち、アッパハウジング５５には、
油圧源（図示せず）からの油圧が供給される供給油路６
６と、上記各油圧シリンダ５９の油圧室６３，６４に各
々連通する第１油路６７および第２油路６８が形成され
ている。また、ロアハウジング５６には、油圧コントロ
ールバルブ６９が配置されている。該バルブ６９は、ロ
アハウジング５９の中央部を水平方向に穿設した中空部
の外壁をバルブボディ７０とし、該バルブボディ７０内
に摺動自在に配置したスリーブ７１と、該スリーブ７１
内に摺動自在に配置したスプール７２とを備える。上記
スリーブ７１には、上記供給油路６６並びに第１および
第２油路６７，６８に対応する第１〜第３のポート７１
ａ〜７１ｃが形成され、スリーブ７１の移動に応じて供
給油路６６の油を第１ポート７１ａからスプール７２お
よび第２ポート７１ｂを経て第１油路６７に、又はスプ
ール７２および第３ポート７１ｃを経て第２油路６８に
連通する構成である。

【００２１】上記スリーブ７１の図４左端部近傍には、
ピン部材７３が連結され、該ピン部材７３にはスリーブ
７１内に配置した駆動部材７４を経て変速機ケース４下
部に配置したオイルパン７５の縦壁部に取付けたステッ
ピングモータ７６の回転軸７６ａが連結されていて、該
モータ７６の回転に応じてスリーブ７１を図４左右方向
に摺動させる構成である。

【００２２】更に、上記スプール７２の図４右端には、
パワーローラ３６，３９の傾動をフィードバックするフ
ィードバック機構７７が配置される。該フィードバック
機構７７は、第２無段変速ユニット３３のトラニオン４
５の軸部材４６に固定配置したプリセスカム７８と、該
プリセスカム７８に形成した傾斜面７８ａに先端が係合
する第１アーム７９と、該第１アーム７９が回転自在に
支持された回転軸８０と、該回転軸８０に回転自在に支
持されて上記油圧コントロールバルブ６９のスプール７
２の図４右端に係合する第２アーム８１と、上記スプー
ル７２の図４左方とピン部材７３との間に縮装された圧
縮コイルスプリング８２とからなり、スリーブ７１の移
動に応じた油圧シリンダ５９への油供給により軸部材４
６が上下方向に移動してパワーローラ３６，３９が傾動
すると、上記軸部材４６の上下移動に応じてフィードバ
ック機構７７の第１および第２アーム７９，８１が時計
方向又は反時計方向に回動して、スプール７２がスリー
ブ７１と同方向に移動することにより、供給油路６６と
これに連通した第１又は第２油路６７，６８との連通を
遮断して、パワーローラ３９の傾動位置が目標位置に達
した状態で油圧シリンダ５９への供給源を停止するよう
に構成している。

【００２３】そして、本発明の特徴部分として、上記変
速機ケース４内には、変速機出力軸３１の軸方向所定位
置で仕切る仕切壁９１ａ，９１ｂ，９１ｃが設けられ、
その前側の仕切壁９１ａは、変速機ケース４に対して着
脱自在に設けられている。この仕切壁９１ａは、変速機
ケース４の前端と、その変速機ケース４の前方に配され
る前側カバー９０との間に外端部が挟まれた状態で周方
向８箇所に挿通される長尺ボルトＢ（図では一箇所のみ
示す）により変速機ケース４に対して締結固定されるよ
うになっている。また、上記前側の仕切壁９１ａの内周
部９７には、上記入力ギヤ１６の軸方向延設部１６ｂ外
周面がローラベアリング９２を介して回動自在に支持さ
れていると共に、その入力ギヤ１６の軸方向延設部１６
ｂ内周面前後位置に前後のローラ９３ａ，９３ｂを介し
て入力シャフト１１が回動自在に支持されている。さら
に、上記前側の仕切壁９１ａの表面としての前面には、
入力ギヤ１６の径方向延設部１６ａの後面がスラストベ
アリング９４ａを介して回動自在に支持されていると共
に、その入力ギヤ１６の径方向延設部１６ａ前面には、
前進用クラッチ１２の入力シャフト側部材１２ａがスラ
ストベアリング９４ｂを介して回動自在に支持されてい
る。該入力シャフト側部材１２ａは、略Ｃ字状のサーク
リップ９５ａにより、入力シャフト１１上に固定されて
いると共に、入力ギヤ１６の径方向延設部１６ａを伴う
前側の仕切壁９１ａ前面側への支持がなされるようにし
ている。尚、中央および後側の仕切壁９１ｂ，９１ｃ
は、第１のトロイダル型無段変速ユニット３２および第
２のトロイダル型無段変速ユニット３３の側方にて変速
機出力軸３１を回動自在に支持する軸受として構成され
ている。

【００２４】一方、上記前側の仕切壁９１ａの裏面とし
ての後面には、後進用プラネタリギヤ１４のリングギヤ
２１および後進用ブレーキ１３のリングギヤ側部材１３
ｂを固着して径方向内方へ延びる支持部材２１ａがスラ
ストベアリング９４ｃを介して回動自在に支持されてい
ると共に、その支持部材２１ａの後面には、後進用プラ
ネタリギヤ１４のキャリア２３がスラストベアリング９
４ｄを介して回動自在に支持され、さらに、キャリア２
３の後面には、サンギヤ２２がスラストベアリング９４
ｅを介して回動自在に支持されている。該サンギヤ２２
は、略Ｃ字状のサークリップ９５ｂにより、入力シャフ
ト１１上に固定されていると共に、キャリア２３および
支持部材２１ａを伴う前側の仕切壁９１ａ後面側への支
持がなされるようにしている。

【００２５】また、上記前側の仕切壁９１ａには、上記
カウンタシャフト１５および中間ギヤ１７の軸がそれぞ
れ回動自在に支持され、該仕切壁９１ａは、カウンタシ
ャフト１５および中間ギヤ１７の軸受としての機能も有
している。

【００２６】したがって、上記実施例では、前後進切換
機構２の構成部材としての前進用クラッチ１２、後進用
ブレーキ１３および後進用プラネタリギヤ１４を入力シ
ャフト１１上に組付ける場合、先ず、前進用クラッチ１
２と入力ギヤ１６とを組付けておき、その入力ギヤ１６
の軸方向延設部１６ｂに入力シャフト１１を挿入させ
る。しかる後、入力シャフト１１の後方から変速機ケー
ス４に組付け前の仕切壁９１ａを入力ギヤ１６の軸方向
延設部１６ｂ外周面上に嵌合させ、サークリップ９５ａ
により入力シャフト１１上に固定した入力シャフト側部
材１２ａにより、前進用クラッチ１２および入力ギヤ１
６のサブアッセンブリ状態での仕切壁９１ａ前面側への
支持を完了する。

【００２７】次いで、後進用ブレーキ１３を後進用プラ
ネタリギヤ１４のリングギヤ２１と共に入力シャフト１
１の後方から挿通させ、仕切壁側部材１３ａをボルト７
二より仕切壁９１ａの後面に締結固定すると同時に、支
持部材２１ａの前面を仕切壁９１ａの後面にスラストベ
アリング９４ｃを介して当接させる。その後、ピニオン
ギヤ２４を伴うキャリア２３を支持部材２１ａの後面に
スラストベアリング９４ｄを介して当接させた後、サン
ギヤ２２を入力シャフト１１上にスプライン結合させつ
つキャリア２３の後面にスラストベアリング９４ｅを介
して当接させ、この状態で、サークリップ９５ｂにより
入力シャフト１１上に固定したサンギヤ２２により、後
進用ブレーキおよび後進用プラネタリギヤ１４のサブア
ッセンブリ状態での仕切壁９１ａ後面側への支持を完了
する。

【００２８】このように、前進用クラッチ１２、後進用
ブレーキ１３および後進用プラネタリギヤ１４は、変速
機ケース４に組付け前の仕切壁９１ａの前後面に対して
サブアッセンブリ状態で支持されつつ入力シャフト１１
上に組付けることが可能となるので、仕切壁９１ａに対
して支持する構成部材があるにも拘らず、変速機ケース
４内の入力シャフト１１上への前後進切換機構２の煩わ
しい組付けを廃止でき、前後進切換機構２の各構成部材
１２，１３，１４，１６の組付作業の簡単化を図ること
ができる。

【００２９】しかも、前後進切換部材２の各構成部材１
２，１３，１４，１５の組付作業が変速機ケース４外で
行えることから、各構成部材１２，１３，１４，１５の
組付け忘れや誤組付けを確実に防止することができる。

【００３０】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、変速機構をトロイダル型無段
変速機構３により構成したが、歯車式の変速機構であっ
ても良いのは勿論である。

【００３１】また、上記実施例では、エンジン出力軸５
の出力を前後進切換機構２からトロイダル型無段変速機
構３を介して変速機出力軸３１に出力するように構成し
たが、エンジン出力軸５の出力が、トルクコンバータか
ら前後進切換機構を介して変速機出力軸に出力される第
１の変速部と、切換クラッチからトロイダル型無段変速
機構を介して変速機出力軸に出力される第２の変速部と
に適宜切換可能な変速装置であっても良く、要するに、
変速機構に前後進切換機構が変速機ケース内で直列に配
されている変速装置であれば全てに適用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】前後進切換機構の縦断側面図である。

【図２】変速装置の縦断側面図である。

【図３】発進装置を含んだ状態で変速装置を模式的に示
すスケルトン図である。

【図４】図２のＡ−Ａ線における断面図である。

【符号の説明】

２ 前後進切換機構 ３ トロイダル型無段変速機構（変速機構） ４ 変速機ケース １１ 入力シャフト（動力伝達軸） １２ 前進用クラッチ（前進用摩擦要素） １３ 後進用ブレーキ（後進用摩擦要素） １４ 後進用プラネタリギヤ（遊星歯車機構） ９１ａ 仕切壁 ＴＭ 変速装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジン出力を変速する変速機構に、エ
   ンジン出力を前進用出力または後進用出力に適宜切換え
   る前後進切換機構が変速機ケース内で直列に配されてい
   る変速装置において、 上記変速機ケースには、その変速機ケース内でエンジン
   出力を伝達する動力伝達軸が支持されるよう，変速機ケ
   ース内を仕切る仕切壁が着脱自在に取付けられており、
   上記動力伝達軸上には、上記前後進切換機構を構成する
   遊星歯車機構、前進用摩擦要素および後進用摩擦要素
   が、上記仕切壁の表裏面を挟んでサブアッセンブリ状態
   に支持されつつ組付けられていることを特徴とする変速
   装置。