JP2009150305A - 燃料の判定装置および判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】専用のセンサを用いずに、ガソリンとは異なる燃料が用いられているか否かを判定する。
【解決手段】ECT_ECU8200の加速度検出部8210の第1勾配判定部8212は、車両の加速度に応じて路面の第1勾配を判定する。第2勾配判定部8222は、車両の現在の位置に応じて、路面の第2勾配を判定する。燃料判定部8230は、第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、ガソリンとは異なる種類の燃料がエンジン1000の燃料として用いられているか否かを判定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料の判定装置および判定方法に関し、特に、車両に搭載された動力源に供給される燃料を判定する技術に関する。
従来より、エンジンの燃料には、ガソリンなど、石油を原料として生産される燃料が一般的に用いられる。しかしながら、地球温暖化および石油価格の上昇などを理由に、バイオエタノールなどのアルコールを混ぜた燃料もしくはアルコールのみからなる燃料(以下、これらをアルコール燃料とも記載する)への需要が高まっている。
ところが、アルコール燃料は、ガソリンとは異なる特性を有する。たとえば、アルコール燃料は、ガソリンに比べて発熱量が少ない。そのため、エンジンの燃料としてアルコール燃料を使用した場合、ガソリンを使用した場合に比べて出力が低下する。したがって、燃料の種類を考慮しないと、変速機の制御などにおいて用いるためにオートマチックトランスミッションへの入力トルクを推定する車両においては、推定された入力トルクと実際の入力トルクとが大きく異なり得る。推定された入力トルクと実際の入力トルクとの差が大きくなると、変速時に大きなショックが発生したりし得る。したがって、使用される燃料の種類に応じた制御を実行する必要がある。
特開平5−79556号公報(特許文献1)は、燃料中のアルコール濃度の変化に対応して、適正な変速制御およびロックアップ制御を行なう変速制御装置を開示する。特許文献1に記載の変速制御装置は、機関出力トルクをトルクコンバータを介して変速機構に伝達するように構成された車両用自動変速機の変速制御装置である。この変速制御装置は、設定した変速パターンに基づいて変速制御を行なう変速制御部と、機関に供給される燃料中の基準となる燃料の濃度を検出する基準燃料濃度検出部(アルコール濃度センサ)と、基準燃料の濃度に基づいて変速パターンを変化させる変速パターン可変部とを含む。
この公報に記載の変速制御装置によれば、機関に供給される燃料中の基準燃料(例えばアルコール)濃度の変化に対応して、変速パターンが変化される。これにより、基準燃料の濃度変化による機関出力トルク特性の変化に対応した適正な変速制御を行なわせることができる。そのため、基準燃料濃度が変化しても加速レベルを略一定とすることができる。また、熱効率の高い燃料が使用されたときに燃費を向上させる方向に制御させることが可能となる。
特開平5−79556号公報
しかしながら、特開平5−79556号公報に記載の変速制御装置においては、アルコール濃度を検出するための、専用のアルコール濃度センサが必要になる。そのため、アルコール濃度センサの分だけ部品点数が増加し得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、専用のセンサを設けることなく、用いられる燃料を判定することができる燃料の判定装置および判定方法を提供することである。
第1の発明に係る燃料の判定装置は、車両に搭載された動力源に供給される燃料の判定装置である。この判定装置は、車両の加速度を検出するための手段と、車両の加速度に応じて路面の第1の勾配を判定するための手段と、車両の位置を検出するための手段と、車両の位置に応じて路面の第2の勾配を判定するための手段と、第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられているか否かを判定するための手段とを備える。第6の発明に係る燃料の判定方法は、第1の発明に係る燃料の判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、車両の加速度が検出される。車両の加速度に応じて路面の第1の勾配が判定される。燃料の成分が異なると、車両の加速度が異なり得る。そのため、車両の加速度に応じた第1の勾配は、燃料の成分に応じて変化し得る。また、車両の位置が検出される。車両の位置に応じて路面の第2の勾配が判定される。車両の位置は、燃料の成分に依存しない。そのため、車両の位置に応じた第2の勾配は、燃料の成分に依存しない。これらの第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられているか否かが判定される。これにより、加速度を検出するために一般的に用いられるセンサおよび位置を検出するために一般的に用いられているGPS(Global Positioning System)などを利用して、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられているか否かを判定することができる。そのため、専用のセンサを設けることなく、用いられる燃料を判定することができる燃料の判定装置もしくは判定方法を提供することができる。
第2の発明に係る燃料の判定装置は、第1の発明の構成に加え、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料の濃度を判定するための手段をさらに備える。第7の発明に係る燃料の判定方法は、第2の発明に係る燃料の判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料の濃度が判定される。これにより、使用される燃料に関する詳細な情報を得ることができる。
第3の発明に係る燃料の判定装置においては、第1の発明の構成に加え、動力源の出力軸には、自動変速機が連結される。判定装置は、自動変速機の入力トルクを推定するための手段と、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、自動変速機の入力トルクを補正するための手段とをさらに備える。第8の発明に係る燃料の判定方法は、第3の発明に係る燃料の判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、自動変速機の推定入力トルクが補正される。これにより、自動変速機の入力トルクを精度よく得ることができる。
第4の発明に係る燃料の判定装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加え、予め定められた燃料は、ガソリンおよび軽油のうちのいずれかである。第9の発明に係る燃料の判定方法は、第4の発明に係る燃料の判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、ガソリンもしくは軽油とは異なる燃料が用いられているか否かを、専用のセンサを設けることなく判定することができる。
第5の発明に係る燃料の判定装置は、第1〜4のいずれかの発明の構成に加え、第1の勾配および第2勾配は、第1の勾配と第2勾配との比および差のうちの少なくともいずれか一方を用いて比較される。第10の発明に係る燃料の判定方法は、第5の発明に係る燃料の判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、第1の勾配と第2勾配との比および差のうちの少なくともいずれか一方を用いて、第1の勾配および第2勾配が比較される。これにより、車両の加速度に応じて判定された第1の勾配と車両の位置に応じて判定された第2の勾配との相違を明確に判定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る判定装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FR(Front engine Rear drive)車両である。なお、FR以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、トルクコンバータ2100と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、プロペラシャフト5000と、デファレンシャルギヤ6000と、後輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000と、ナビゲーションシステム9000とを含む。
エンジン1000は、供給される燃料をインジェクタ(図示せず)から噴射する内燃機関である。エンジン1000は、インジェクタされた燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。なお、エンジン1000の代わりにもしくは加えて、動力源にモータを用いるようにしてもよい。
オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ2100を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。
オートマチックトランスミッション2000から出力された駆動力は、プロペラシャフト5000およびデファレンシャルギヤ6000を介して、左右の後輪7000に伝達される。
ECU8000には、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、エアフローメータ8012と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024と、油温センサ8026とがハーネスなどを介して接続されている。
シフトレバー8004の位置(ポジション)は、ポジションスイッチ8006により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
エアフローメータ8012は、エンジン1000に吸入される空気量を検出する。スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量、すなわちエンジン1000の出力が調整される。
なお、電子スロットルバルブ8016の代わりにもしくは加えて、吸気バルブ(図示せず)や排気バルブ(図示せず)のリフト量や開閉する位相を変更することにより、エンジン1000に吸入される空気量を調整するようにしてもよい。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NI(トルクコンバータ2100のタービン回転数NT)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOを検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOに基づいて、車速を算出する。車速を微分することにより加速度が算出される。なお、車速および加速度を算出する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰り返さない。加速度センサにより加速度を検出するようにしてもよい。
油温センサ8026は、オートマチックトランスミッション2000の作動や潤滑に用いられるオイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)の温度(油温)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、エアフローメータ8012、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024、油温センサ8026などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)8002に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションであることにより、オートマチックトランスミッション2000のシフトレンジにD(ドライブ)レンジが選択された場合、前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は後輪7000に駆動力を伝達し得る。なおDレンジにおいて、8速ギヤ段よりも高速のギヤ段を形成可能であるようにしてもよい。形成するギヤ段は、車速とアクセル開度とをパラメータとして実験等により予め作成された変速線図に基づいて決定される。なお、オートマチックトランスミッション2000の代わりにCVT(Continuously Variable Transmission)、常時噛合式ギヤを有するオートマチックトランスミッションなどを用いるようにしてもよい。
図1に示すように、ECU8000は、エンジン1000を制御するエンジンECU8100と、オートマチックトランスミッション2000を制御するECT(Electronic Controlled Transmission)_ECU8200とを含む。
エンジンECU8100とECT_ECU8200とは、互いに信号を送受信可能であるように構成される。たとえば、エンジンECU8100からECT_ECU8200に、エンジン1000の出力トルクを表わす信号が送信される。ECT_ECU8200からエンジンECU8100には、エンジン1000が出力すべきトルクとして定められるトルク要求量を表わす信号が送信される。
ナビゲーションシステム9000は、GPSにより車両の現在位置を検出し、ハードディスク、ROM、メモリーカードもしくはDVD(Digital Versatile Disc)などに記録された地図情報に基づいて目的地までの経路を表示する。本実施の形態において、ナビゲーションシステム9000の地図情報には、路面の勾配が含まれる。よって、ナビゲーションシステム9000は、車両の現在位置から路面の勾配を判定する。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸2102を有するトルクコンバータ2100に接続されている。
プラネタリギヤユニット3000は、フロントプラネタリ3100と、リアプラネタリ3200と、C1クラッチ3301と、C2クラッチ3302と、C3クラッチ3303と、C4クラッチ3304と、B1ブレーキ3311と、B2ブレーキ3312と、ワンウェイクラッチ(F)3320とを含む。
フロントプラネタリ3100は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構である。フロントプラネタリ3100は、第1サンギヤ(S1)3102と、1対の第1ピニオンギヤ(P1)3104と、キャリア(CA)3106と、リングギヤ(R)3108とを含む。
第1ピニオンギヤ(P1)3104は、第1サンギヤ(S1)3102および第1リングギヤ(R)3108と噛合っている。第1キャリア(CA)3106は、第1ピニオンギヤ(P1)3104が公転および自転可能であるように支持している。
第1サンギヤ(S1)3102は、回転不能であるようにギヤケース3400に固定される。第1キャリア(CA)3106は、プラネタリギヤユニット3000の入力軸3002に連結される。
リアプラネタリ3200は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。リアプラネタリ3200は、第2サンギヤ(S2)3202と、第2ピニオンギヤ(P2)3204と、リアキャリア(RCA)3206と、リアリングギヤ(RR)3208と、第3サンギヤ(S3)3210と、第3ピニオンギヤ(P3)3212とを含む。
第2ピニオンギヤ(P2)3204は、第2サンギヤ(S2)3202、リアリングギヤ(RR)3208および第3ピニオンギヤ(P3)3212と噛合っている。第3ピニオンギヤ(P3)3212は、第2ピニオンギヤ(P2)3204に加えて、第3サンギヤ(S3)3210と噛合っている。
リアキャリア(RCA)3206は、第2ピニオンギヤ(P2)3204および第3ピニオンギヤ(P3)3212が公転および自転可能であるように支持している。リアキャリア(RCA)3206は、ワンウェイクラッチ(F)3320に連結される。リアキャリア(RCA)3206は、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。リアリングギヤ(RR)3208は、プラネタリギヤユニット3000の出力軸3004に連結される。
ワンウェイクラッチ(F)3320は、B2ブレーキ3312と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチ(F)3320のアウターレースはギヤケース3400に固定され、インナーレースはリアキャリア(RCA)3206に連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、前進1速〜8速のギヤ段と、後進1速および2速のギヤ段が形成される。
図4を参照して、油圧回路4000の要部について説明する。なお、油圧回路4000は、以下に説明するものに限られない。
油圧回路4000は、オイルポンプ4004と、プライマリレギュレータバルブ4006と、マニュアルバルブ4100と、ソレノイドモジュレータバルブ4200と、SL1リニアソレノイドバルブ(以下、SL(1)と記載する)4210と、SL2リニアソレノイドバルブ(以下、SL(2)と記載する)4220と、SL3リニアソレノイドバルブ(以下、SL(3)と記載する)4230と、SL4リニアソレノイドバルブ(以下、SL(4)と記載する)4240と、SL5リニアソレノイドバルブ(以下、SL(5)と記載する)4250と、SLTリニアソレノイドバルブ(以下、SLTと記載する)4300と、B2コントロールバルブ4500とを含む。
オイルポンプ4004は、エンジン1000のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、オイルポンプ4004が駆動し、油圧を発生する。オイルポンプ4004で発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ4006により調圧され、ライン圧が生成される。
プライマリレギュレータバルブ4006は、SLT4300により調圧されたスロットル圧をパイロット圧として作動する。ライン圧は、ライン圧油路4010を介してマニュアルバルブ4100に供給される。
マニュアルバルブ4100は、ドレンポート4105を含む。ドレンポート4105から、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の油圧が排出される。マニュアルバルブ4100のスプールがDポジションにある場合、ライン圧油路4010とDレンジ圧油路4102とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102に油圧が供給される。このとき、Rレンジ圧油路4104とドレンポート4105とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがRポジションにある場合、ライン圧油路4010とRレンジ圧油路4104とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104に油圧が供給される。このとき、Dレンジ圧油路4102とドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがNポジションにある場合、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の両方と、ドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧およびRレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
Dレンジ圧油路4102に供給された油圧は、最終的には、C1クラッチ3301、C2クラッチ3302およびB1ブレーキ3311に供給される。Rレンジ圧油路4104に供給された油圧は、最終的には、B2ブレーキ3312に供給される。
ソレノイドモジュレータバルブ4200は、ライン圧を元圧とし、SLT4300に供給する油圧(ソレノイドモジュレータ圧)を一定の圧力に調圧する。
SL(1)4210は、C1クラッチ3301に供給される油圧を調圧する。SL(2)4220は、C2クラッチ3302に供給される油圧を調圧する。SL(3)4230は、C3クラッチ3303に供給される油圧を調圧する。SL(4)4240は、C4クラッチ3304に供給される油圧を調圧する。SL(5)4250は、B1ブレーキ3311に供給される油圧を調圧する。
SLT4300は、アクセル開度センサ8010により検出されたアクセル開度に基づいたECU8000からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧を調圧し、スロットル圧を生成する。スロットル圧は、SLT油路4302を介して、プライマリレギュレータバルブ4006に供給される。スロットル圧は、プライマリレギュレータバルブ4006のパイロット圧として利用される。
SL(1)4210、SL(2)4220、SL(3)4230、SL(4)4240、SL(4)4250およびSLT4300は、ECU8000から送信される制御信号により制御される。
B2コントロールバルブ4500は、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104のいずれか一方からの油圧を選択的に、B2ブレーキ3312に供給する。B2コントロールバルブ4500に、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104が接続されている。B2コントロールバルブ4500は、SLソレノイドバルブ(図示せず)およびSLUソレノイドバルブ(図示せず)から供給された油圧とスプリングの付勢力とにより制御される。
SLソレノイドバルブがオフで、SLUソレノイドバルブがオンの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において左側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、SLUソレノイドバルブから供給された油圧をパイロット圧として、Dレンジ圧を調圧した油圧が供給される。
SLソレノイドバルブがオンで、SLUソレノイドバルブがオフの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において右側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、Rレンジ圧が供給される。
図5を参照して、ECU8000についてさらに説明する。なお、以下に説明するECU8000の機能は、ハードウエアにより実現するようにしてもよく、ソフトウエアにより実現するようにしてもよい。
ECU8000のエンジンECU8100は、出力トルク推定部8110を含む。出力トルク推定部8110は、エンジン回転数NE、エンジン1000に吸入される空気量、スロットル開度などをパラメータに有するマップに従って、エンジン1000の出力トルクを推定する。なお、出力トルクを推定する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいためここではその詳細な説明は繰り返さない。
ECU8000のECT_ECU8200は、加速度検出部8210と、第1勾配判定部8212と、位置検出部8220と、第2勾配判定部8222と、燃料判定部8230と、濃度判定部8240と、入力トルク推定部8250と、入力トルク補正部8252とを備える。
加速度検出部8210は、車両の加速度を検出(算出)する。第1勾配判定部8212は、車両の加速度に応じて路面の第1勾配を判定する。第1勾配は、エンジン1000の燃料としてガソリン(たとえばプレミアムガソリン)を用いた場合に実際の勾配を略一致するように判定される。エンジン1000の燃料にガソリンを使用した場合の平地(勾配が零の路面)での加速度として予め設定された基準加速度と、検出された加速度とを比較することにより、路面の第1勾配が判定される。その他、エンジン1000の燃料にガソリンを使用した場合の車両の駆動力、車両の重量および検出された加速度から路面の勾配を算出したり、少なくとも加速度をパラメータに有するマップに従って路面の勾配を判定したりするようにしてもよい。加速度に応じて路面の勾配を判定する技術については周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではそれらの詳細な説明は繰り返さない。
位置検出部8220は、ナビゲーションシステム9000を用いて、車両の現在の位置を検出する。第2勾配判定部8222は、車両の現在の位置と、ナビゲーションシステム9000が記憶している路面の勾配情報とに応じて、路面の第2勾配を判定する。
燃料判定部8230は、第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、ガソリン(たとえばプレミアムガソリン)とは異なる種類の燃料がエンジン1000の燃料として用いられているか否かを判定する。より具体的には、第1勾配と第2勾配との比k(k=第1勾配/第2勾配)の絶対値が、予め定められたしきい値kdif以上であると、ガソリンとは異なる燃料が用いられていると判定される。
たとえば、オクタン価が低いガソリンが用いられると、第1勾配と第2勾配との比kが「1」より小さくなり得る。ディーゼル燃料(軽油)もしくはアルコール燃料(エタノール)が用いられると、第1勾配と第2勾配との比kが「1」より大きくなり得る。
なお、ガソリンの代わりにアルコール燃料もしくはディーゼル燃料を基準となる燃料として用いるようにしてもよい。すなわち、アルコール燃料もしくはディーゼル燃料とは異なる燃料(たとえばバイオディーゼル燃料もしくは粗悪燃料)が用いられているか否かを判定するようにしてもよい。また、第1勾配と第2勾配との比kの代わりに、第1勾配と第2勾配との差(第1勾配−第2勾配)を用いるようにしてもよい。
濃度判定部8240は、ガソリンとは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、第1の勾配および第2の勾配の比kに応じて、ガソリンとは異なる種類の燃料の濃度(たとえばアルコールの濃度)を判定する。たとえば、図6に示すように、第1の勾配および第2の勾配の比kをパラメータに有するマップにしたがって、濃度が判定される。なお、濃度を判定する方法はこれに限らない。
入力トルク推定部8250は、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する。たとえば、エンジン1000の出力トルク、トルクコンバータ2100のトルク比およびトルクコンバータ2100の速度比などに応じて、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクが推定される。なお、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する方法には周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
入力トルク補正部8252は、ガソリンとは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、第1の勾配および第2の勾配の比kに応じて、オートマチックトランスミッション2000の推定入力トルクを補正する。
たとえば、図7に示すように、第1の勾配および第2の勾配の比kをパラメータとして有するマップに従って補正値pを決定し、決定された補正値pを推定入力トルクに乗ずることにより、推定入力トルクが補正される。なお、補正値pを推定入力トルクに加算もしくは推定入力トルクから減算することにより、推定入力トルクを補正するようにしてもよい。図7に示すマップにおいては、第1の勾配および第2の勾配の比kの絶対値が大きいほど、補正値pの絶対値がより大きくなる。
図8を参照して、本実施の形態においてECT_ECU8200が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で繰り返し実行される。ECT_ECU8200により実行されるプログラムをCD(Compact Disc)、DVDなどの記録媒体に記録して市場に流通させてもよい。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECT_ECU8200は、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する。
S102にて、ECT_ECU8200は、車両の加速度を検出する。S104にて、ECT_ECU8200は、車両の加速度に応じて路面の第1勾配を判定する。
S106にて、ECT_ECU8200は、車両の現在の位置を検出する。S108にて、ECT_ECU8200は、車両の現在の位置と、ナビゲーションシステム9000が記憶している路面の勾配情報とに応じて、路面の第2勾配を判定する。
S110にて、ECT_ECU8200は、車両の加速度に応じて判定された第1勾配が、予め定められた勾配以上の値であり、かつ予め定められた時間以上継続して一定であったか否かを判定する。
車両の加速度に応じて判定された第1勾配が、予め定められた勾配以上の値であり、かつ予め定められた時間以上継続して一定であると(S110にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS100に戻される。
S120にて、ECT_ECU8200は、第1勾配と第2勾配との比kを算出する。S122にて、ECT_ECU8200は、第1勾配と第2勾配との比kの絶対値がしきい値kdif以上であるか否かを判定する。第1勾配と第2勾配との比kの絶対値がしきい値kdif以上であると(S122にてYES)、処理はS124に移される。もしそうでないと(S122にてNO)、この処理は終了する。
S124にて、ECT_ECU8200は、ガソリンとは異なる種類の燃料が用いられていると判定する。S130にて、ECT_ECU8200は、第1の勾配および第2の勾配の比kに応じて、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料の濃度を判定する。
S140にて、ECT_ECU8200は、第1の勾配および第2の勾配の比kに応じて、オートマチックトランスミッション2000の推定入力トルクを補正する。その後、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態におけるECT_ECU8200の動作について説明する。
車両の走行中、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクが推定される(S100)。推定された入力トルクは、オートマチックトランスミッション2000の変速時において、摩擦係合要素であるクラッチおよびブレーキに供給する油圧を制御するため、ロックアップクラッチの係合力を制御するためなどに用いられる。
また、車両の加速度が検出される(S102)。車両の加速度に応じて路面の第1勾配が判定される(S104)。燃料の成分が異なると、エンジン1000の出力が異なり得る。よって、車両の加速度は、燃料の成分に依存し得る。したがって、車両の加速度に応じて判定される第1勾配は、燃料の成分に応じて変化し得る。
第1勾配の他、第2勾配を判定するために、車両の現在の位置が検出される(S106)。車両の現在の位置と、ナビゲーションシステム9000が記憶している路面の勾配情報とに応じて、路面の第2勾配が判定される(S108)。車両の位置は、燃料の成分に依存しない。そのため、車両の位置に応じて判定される第2勾配は、燃料の成分に依存しない。よって、燃料の成分に応じて変化し得る第1勾配と、燃料の成分に依存しない第2勾配とを比較することにより、燃料の種類を判定することが可能である。
車両の加速度に応じて判定された第1勾配が、予め定められた勾配以上の値であり、かつ予め定められた時間以上継続して一定であると(S110にてYES)、第1勾配と第2勾配との比kが算出される(S120)。
第1勾配と第2勾配との比kの絶対値がしきい値kdif以上であると(S122にてYES)、すなわち、車両の加速度に応じて判定される第1勾配と車両の位置に応じて判定される第2勾配とが異なると、ガソリンとは異なる燃料が用いられていると判定される(S124)。ガソリンとは異なる燃料が用いられていると判定されると、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料の濃度が判定される(S130)。
また、ガソリンとは異なる燃料が用いられていると判定されると、第1の勾配および第2の勾配の比kに応じて、オートマチックトランスミッション2000の推定入力トルクが補正される(S140)。
以上のように、本実施の形態に係る判定装置によれば、車両の加速度に応じて路面の第1勾配が判定される。車両の位置に応じて路面の第2勾配が判定される。第1の勾配および第2の勾配を比較した結果に応じて、ガソリンとは異なる種類の燃料が用いられているか否かが判定される。これにより、加速度を検出するために一般的に用いられるセンサおよび車両の位置を検出するために一般的に用いられるGPSなどを利用して、ガソリンとは異なる種類の燃料が用いられているか否かを判定することができる。そのため、専用のセンサを設けることなく、用いられる燃料を判定することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
車両のパワートレーンを示す概略構成図である。 オートマチックトランスミッションのプラネタリギヤユニットを示す図である。 オートマチックトランスミッションの作動表を示す図である。 オートマチックトランスミッションの油圧回路を示す図である。 ECUの機能ブロック図である。 ガソリンとは異なる燃料の濃度を判定するために用いられるマップを示す図である。 推定入力トルクの補正値pを決定するために用いられるマップを示す図である。 ECT_ECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
1000 エンジン、2000 オートマチックトランスミッション、2100 トルクコンバータ、3000 プラネタリギヤユニット、4000 油圧回路、8000 ECU、8002 ROM、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセル開度センサ、8012 エアフローメータ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転数センサ、8022 入力軸回転数センサ、8024 出力軸回転数センサ、8026 油温センサ、8100 エンジンECU、8110 出力トルク推定部、8200 ECT_ECU、8210 加速度検出部、8212 勾配判定部、8220 位置検出部、8222 勾配判定部、8230 燃料判定部、8240 濃度判定部、8250 入力トルク推定部、8252 入力トルク補正部、9000 ナビゲーションシステム。

Claims (10)

  1. 車両に搭載された動力源に供給される燃料の判定装置であって、
    前記車両の加速度を検出するための手段と、
    前記車両の加速度に応じて路面の第1の勾配を判定するための手段と、
    前記車両の位置を検出するための手段と、
    前記車両の位置に応じて路面の第2の勾配を判定するための手段と、
    前記第1の勾配および前記第2の勾配を比較した結果に応じて、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられているか否かを判定するための手段とを備える、燃料の判定装置。
  2. 前記予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、前記第1の勾配および前記第2の勾配を比較した結果に応じて、前記予め定められた燃料とは異なる種類の燃料の濃度を判定するための手段をさらに備える、請求項1に記載の燃料の判定装置。
  3. 前記動力源の出力軸には、自動変速機が連結され、
    前記自動変速機の入力トルクを推定するための手段と、
    前記予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、前記第1の勾配および前記第2の勾配を比較した結果に応じて、前記自動変速機の入力トルクを補正するための手段とをさらに備える、請求項1に記載の燃料の判定装置。
  4. 前記予め定められた燃料は、ガソリンおよび軽油のうちのいずれかである、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料の判定装置。
  5. 前記第1の勾配および前記第2勾配は、前記第1の勾配と前記第2勾配との比および差のうちの少なくともいずれか一方を用いて比較される、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料の判定装置。
  6. 車両に搭載された動力源に供給される燃料の判定方法であって、
    前記車両の加速度を検出するステップと、
    前記車両の加速度に応じて路面の第1の勾配を判定するステップと、
    前記車両の位置を検出するステップと、
    前記車両の位置に応じて路面の第2の勾配を判定するステップと、
    前記第1の勾配および前記第2の勾配を比較した結果に応じて、予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられているか否かを判定するステップとを備える、燃料の判定方法。
  7. 前記予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、前記第1の勾配および前記第2の勾配を比較した結果に応じて、前記予め定められた燃料とは異なる種類の燃料の濃度を判定するステップをさらに備える、請求項6に記載の燃料の判定方法。
  8. 前記動力源の出力軸には、自動変速機が連結され、
    前記自動変速機の入力トルクを推定するステップと、
    前記予め定められた燃料とは異なる種類の燃料が用いられていると判定された場合、前記第1の勾配および前記第2の勾配を比較した結果に応じて、前記自動変速機の入力トルクを補正するステップとをさらに備える、請求項6に記載の燃料の判定方法。
  9. 前記予め定められた燃料は、ガソリンおよび軽油のうちのいずれかである、請求項6〜8のいずれかに記載の燃料の判定方法。
  10. 前記第1の勾配および前記第2勾配は、前記第1の勾配と前記第2勾配との比および差のうちの少なくともいずれか一方を用いて比較される、請求項6〜9のいずれかに記載の燃料の判定方法。
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