JP2009149955A - 摺動部材の表面構造 - Google Patents

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秀昭 佐藤
Hiroo Nomura
博郎 野村
Shinsuke Kuniji
真輔 國次
Minoru Hino
実 日野
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MATSUYAMA GIKEN KK
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Abstract

【課題】アルミニウム合金に対する硬質炭素膜層の密着力を向上させることにより、耐摩耗性を保持することのできる摺動部材の表面構造を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金1の表面に形成されたニッケル−リン層2と、ニッケル−リン層2の表面に形成されたクロム層3と、クロム層3の表面に形成された硬質炭素膜層4とを備えたので、比較的軟質の部材であるアルミニウム合金1に対する硬質炭素膜層4の密着力を向上させることができ、摺動部材の耐摩耗性を保持することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば圧縮機を構成する部材など、他の部材に対して摺動する摺動部材の表面構造に関するものである。
従来、この種の摺動部材の表面構造としては、金属基材の表面にクロム層を形成し、クロム層の表面に硬質炭素膜層を形成することにより、金属基材の耐摩耗性を向上させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−45287号公報
近年、例えば圧縮機等の機器の運転効率を向上させる目的で、機器を構成する部材をアルミニウム合金から形成し、機器の軽量化を図っている。
しかし、アルミニウム合金は比較的軟質の部材であるため、アルミニウム合金製の部材の耐摩耗性を向上させるために表面にクロム層及び硬質炭素膜層を形成すると、アルミニウム合金に対するクロム層及び硬質炭素膜層の十分な密着力を確保することができず、機器の運転時にアルミニウム合金に対して硬質炭素膜層の剥離が生じるおそれがある。
本発明の目的とするところは、アルミニウム合金に対する硬質炭素膜層の密着力を向上させることにより、耐摩耗性を保持することのできる摺動部材の表面構造を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、アルミニウム合金からなる摺動部材の表面構造であって、アルミニウム合金の表面に形成されたニッケル−リン層と、ニッケル−リン層の表面に形成されたクロム層と、クロム層の表面に形成された硬質炭素膜層とを備えている。
これにより、アルミニウム合金とクロム層との間にニッケル−リン層が形成されることから、比較的軟質な部材であるアルミニウム合金に対する硬質炭素膜層の密着力が向上する。
本発明によれば、比較的軟質の部材であるアルミニウム合金に対する硬質炭素膜層の密着力を向上させることができるので、摺動部材の耐摩耗性を保持することが可能となる。
図1乃至図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1は摺動部材の要部断面図、図2はニッケル−リン層の厚さと剥離臨界荷重の関係を、リンの含有量毎に示すグラフ、図3はニッケル−リン層の質量に対するリンの含有量とニッケル−リン層の厚さをそれぞれ変更した複数種類の摺動部材に対してロックウェル硬さ試験を行ったときの硬質炭素膜の剥離の有無を示す表、図4はアルミニウム合金及び3μmの厚さのニッケル−リン層の要部断面図、図5はアルミニウム合金及び10μmの厚さのニッケル−リン層の要部断面図である。
この摺動部材は、例えば、スクロール圧縮機における、固定スクロールと、固定スクロールに対して接触しながら旋回する旋回スクロールなど、摺動する面を有する部材に用いられるようになっている。
摺動部材は、アルミニウム合金1によって形成され、アルミニウム合金1の表面に形成されたニッケル−リン(Ni−P)層2と、ニッケル−リン層2の表面に形成されたクロム(Cr)層3と、クロム層3の表面に形成された硬質炭素膜(DLC(ダイヤモンドライクカーボン))層4とを備えている。
ニッケル−リン層2は、硝フッ酸洗浄後にダブルシンジケート処理されたアルミニウム合金1の表面に無電解めっきによって形成されるようになっている。
クロム層3及び硬質炭素膜層4は、スパッタリングによって、ニッケル−リン層2の表面にクロム層3が形成され、クロム層3の表面に硬質炭素膜層4が形成されるようになっている。また、クロム層3及び硬質炭素膜層4の厚さは合わせて2μm以上に形成され、クロム層3のみ厚さは1μm以上に形成されるようになっている。
以上のように構成された摺動部材において、ニッケル−リン層2の質量に対するリンの含有量とニッケル−リン層2の厚さをそれぞれ変更した複数種類の摺動部材に対してスクラッチ試験を行った。このときの試験結果を、ニッケル−リン層2の質量に対するリンの含有量が異なる摺動部材(リン含有量:3%,10%,12%)毎に、ニッケル−リン層2の厚さ(横軸)と剥離臨界荷重(縦軸)の関係として図2に示す。ここで、剥離臨界荷重は、スクラッチ試験によって硬質炭素膜層4が剥離したときに計測される垂直荷重(N)である。
スクラッチ試験によれば、図2に示すように、リンの含有量に拘わらず、ニッケル−リン層2が3μmの摺動部材は、炭素工具鋼(SK)の表面に硬質炭素膜層を形成した部材の剥離臨界荷重とほぼ同一の剥離臨界荷重となった。また、ニッケル−リン層2の質量に対してリンの含有量が10%で、ニッケル−リン層2が20μmの摺動部材は、焼き入れした高速度工具鋼(SKH)の表面に硬質炭素膜層を形成した部材の剥離臨界荷重とほぼ同一の剥離臨界荷重となった。
また、ニッケル−リン層2の質量に対するリンの含有量とニッケル−リン層2の厚さをそれぞれ変更した複数種類の摺動部材に対してロックウェル硬さ試験を行い、圧痕部分における硬質炭素膜層4のクラックの有無を図3に示す。
ロックウェル硬さ試験によれば、ニッケル−リン層2の質量に対するリンの含有量が3%、且つニッケル−リン層2の厚さが1μm及び3μmの摺動部材は、硬質炭素膜層4が剥離することはなかったが、圧痕部分の周辺の硬質炭素膜層4に同心円状に延びる複数のクラックが生じた。また、ニッケル−リン層2の質量に対するリンの含有量が3%、且つニッケル−リン層2の厚さが10μm及び20μmの摺動部材は、硬質炭素膜層4が剥離することはなかったが、圧痕部分の硬質炭素膜層4に放射状に延びる複数のクラックが生じた。一方、ニッケル−リン層2の質量に対してリンの含有量が10%及び12%の摺動部材には、ニッケル−リン層2の厚さに拘わらず、硬質炭素膜層4が剥離することはなく、クラックも生じなかった。このことから、ニッケル−リン層2の質量に対するリンの含有量が3%の摺動部材は、リンの含有量が10%及び12%の摺動部材と比較して硬質炭素膜層4の密着力が低くなると考えられる。
また、ニッケル−リン層2を形成する前のアルミニウム合金1の表面には、硝フッ酸洗浄が施されるため、アルミニウム合金1に含まれるシリコン(Si)がアルミニウム合金1の表面から脱落して凹凸が生じる。凹凸が生じたアルミニウム合金1の表面に3μmの厚さのニッケル−リン層2を形成すると、図4に示すように、アルミニウム合金1の表面の凹凸に沿ってニッケル−リン層2が形成される。また、凹凸が生じたアルミニウム合金1の表面に10μm以上の厚さのニッケル−リン層2を形成すると、図5に示すように、アルミニウム合金1の表面の凹凸に沿ってニッケル−リン層2が形成されることなく、ニッケル−リン層2の表面に平滑な面が形成される。
前記スクラッチ試験の試験結果、ロックウェル硬さ試験の試験結果及びニッケル−リン層2の表面の仕上がり状態を考慮すると、ニッケル−リン層2は、厚さが10μm以上、且つ、ニッケル−リン層2の質量に対するリンの含有量が10%以上とすることが好ましい。また、ニッケル−リン層2の厚さの上限は、形成可能な厚さの限界厚さ及びコスト面などから30μm以下とすることが好ましい。
このように、本実施形態の摺動部材によれば、アルミニウム合金1の表面に形成されたニッケル−リン層2と、ニッケル−リン層2の表面に形成されたクロム層3と、クロム層3の表面に形成された硬質炭素膜層4とを備えたので、比較的軟質の部材であるアルミニウム合金1に対する硬質炭素膜層4の密着力を向上させることができ、摺動部材の耐摩耗性を保持することが可能となる。
また、ニッケル−リン層2を、10μm以上の厚さに形成し、ニッケル−リン層2のリンの含有量を、ニッケル−リン層2の質量に対して10%以上としたので、硬質炭素膜4の密着力を所定以上の強度とするとともに、ニッケル−リン層2の表面に平滑な面を形成することができ、摺動部材の耐摩耗性を更に向上させることが可能となる。
摺動部材の要部断面図 ニッケル−リン層の厚さと剥離臨界荷重の関係を、リンの含有量毎に示すグラフ ニッケル−リン層の質量に対するリンの含有量とニッケル−リン層の厚さをそれぞれ変更した複数種類の摺動部材に対してロックウェル硬さ試験を行ったときの硬質炭素膜のクラックの有無を示す表 アルミニウム合金及び3μmの厚さのニッケル−リン層の要部断面図 アルミニウム合金及び10μmの厚さのニッケル−リン層の要部断面図
符号の説明
1…アルミニウム合金、2…ニッケル−リン層、3…クロム層、4…硬質炭素膜層。

Claims (4)

  1. アルミニウム合金からなる摺動部材の表面構造であって、
    アルミニウム合金の表面に形成されたニッケル−リン層と、
    ニッケル−リン層の表面に形成されたクロム層と、
    クロム層の表面に形成された硬質炭素膜層とを備えた
    ことを特徴とする摺動部材の表面構造。
  2. 前記ニッケル−リン層を、10μm以上の厚さに形成し、
    ニッケル−リン層のリンの含有量を、ニッケル−リン層の質量に対して10%以上とした
    ことを特徴とする請求項1記載の摺動部材の表面構造。
  3. 前記クロム層と硬質炭素膜層を合わせた厚さを、2μm以上に形成した
    ことを特徴とする請求項1または2記載の摺動部材の表面構造。
  4. 前記クロム層の厚さを、1μm以上に形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の摺動部材の表面構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011105392A1 (ja) * 2010-02-23 2011-09-01 太陽化学工業株式会社 アルミニウム又はアルミニウム合金を基板とする多層膜積層体及びその積層方法
US20150132604A1 (en) * 2013-11-14 2015-05-14 National Oilwell DHT, L.P. Multilayered Coating for Downhole Tools with Enhanced Wear Resistance and Acidic Corrosion Resistance
JP2016112895A (ja) * 2011-06-17 2016-06-23 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社 硬質膜によって被覆された硬質膜被覆部材及びその製造方法

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