JP2009149309A - ストレッチフィルム包装機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フィルムの幅方向両側縁部を挟持して搬送する左右一対のフィルム搬送手段の始端側に設けたフィルム挟持部より上流側に、フィルムロールから引き出したフィルム先端部を係止保持するフィルム先端保持部を設け、そのフィルム先端保持部はフィルム搬送手段の始端部から離間する第1の位置と、係止保持したフィルム先端部を前記フィルム搬送手段の始端部に差し込む第2の位置と、に移動可能とし、且つフィルム先端保持部は、一方の面をフィルムとの密着性が高い面とし、他方の面は低密着性面であり、フィルムロールから延びるフィルムと対面する位置に前記フィルム先端保持部の低密着性面が配置されるように構成した。
【選択図】 図4
Description
前記フィルム先端保持部は、平板部材であり、その平板部材の両面のうち、一方の面をフィルムとの密着性が高い面とし、他方の面は低密着性面であり、フィルムロールから延びるフィルムと対面する位置に前記フィルム先端保持部の低密着性面が配置されるように構成した(請求項1)。
前記フィルムロールは、フィルム先端保持部の第2の位置に対し、下方位置或いは上方位置の何れの側に配置されていてもよく、フィルムロールが下方位置に位置する場合、前記低密着性面は平板部材の下側面であり、フィルムロールが上方位置に位置する場合、前記低密着性面は平板部材の上側面となる。
前記密着性が高い面とは、例えば、フィルム先端保持部を構成する金属平板を鏡面加工、或いは平板部材の表面にビニールテープ等が貼付されている、或いは合成樹脂材などフィルムが保持される程度の密着性を備えていることをいう。
又、低密着性面とは、フィルムと該面が接した場合でもフィルムが保持されず、例えばステンレスやアルミ等の金属平板の表面や、或いはそれらの金属にサンドブラスト等、密着性を下げるような処理が施されている面を言う。
上記フィルム先端保持部のズレ量は、少なくともフィルムロールに繋がるフィルムが上下のベルトで挟持されて引き出し搬送される際、該搬送されるフィルムがフィルム先端保持部により抵抗を受けない程度の量である。
上記手段によれば、フィルム先端保持部はフィルムとの密着性(粘着性)が高いベルト側にずれているので、フィルム先端をフィルム先端保持部に係止保持してフィルム搬送手段の始端部に差し込み、フィルム搬送手段の駆動でフィルムが始めて挟持搬送される際、フィルムは密着性の高いベルト側に押し当てられる力が作用するので、フィルム先端保持部に係止保持されたフィルムをより確実に挟持搬送することができる。
密着性を下げる処理としては、例えば、テフロン(登録商標)加工された部材を貼付する、或いはフィルム先端保持部が金属製である場合、該当箇所をサンドブラスト処理する等の方法が挙げられる。
又、請求項2記載の構成により、上下のベルトで挟持されて引き出し搬送されるフィルムは、フィルム先端保持部の低密着性面と非接触状態で搬送される。従って、フィルム搬送手段の駆動によるフィルム搬送時、フィルム搬送をスムーズに行うことができる。
また、請求項4記載の構成により、フィルムはフィルム先端保持部の低密着性面と対向するが、その低密着性面に密着性を下げる処理が施されていることで、より一層フィルム搬送不良が生じるのを解消することができる。
図1乃至図3は、被包装物aのインフィード手段を備えず、被包装物を載置する載置台をエレベータで構成したストレッチフィルム包装機の概略を示し、その包装機Aは略直方体形状をした機枠1内の略中央位置に、被包装物aを載承して上下するエレベータ2が配置され、そのエレベータ2の上限位置より僅か下方位置には包装に使用するフィルムを張架保持する包装部bが設けられ、その包装部bの側方には被包装物aを包装するフィルムを供給するロール配置部3が設けられ、そのロール配置部3にフィルムロール4がセットされている。
又、前記エレベータ2の下方位置には計量台10が配置され、被包装物aを載承したエレベータが下限位置に下降した時、前記被包装物aが計量台10で載承され、計量し得るように構成されている。
そして、前記昇降部2aは、電動モータ205の回転が回転軸206、回転軸206に連結した作動杆207、および作動杆207に連結した縦杆208を介して上下方向に作動され、一定の範囲を上下昇降する。
又、エレベータ2における上下1サイクルの始動位置と終了位置は、被包装物aを載置したり、包装が行われる上限位置に設定されている。尚、エレベータ2は本発明の要旨と直接関係しないため詳細な説明は省略する(詳細な構成は特開2003−335306号公報参照)。
そのフィルム搬送手段5は、フィルムの幅方向の側端部を挟持する上下一対の無端状の弾性ベルト5a,5a’と、下側の弾性ベルト5a’を上側の弾性ベルト5a側へ圧接するクランプ板5bとで構成され、それらが包装部bを挟んで前後に配置されている。
そして、前記した前後一対の構成部材は、それぞれ取り付け枠5d,5d’に支持され、その取り付け枠5d,5d’は所定の間隔をおいて機枠1に固定されている。
又、前記フィルム挟持部12より上流側で、ミシン目刃18より下流側にはフィルムロール4から引き出したフィルム先端部を係止保持するフィルム先端保持部19が、機枠1の側部に設けた開閉自在なカバー20の内側に設けられている。そして、前記カバー20を開けることでフィルム先端保持部19はフィルム搬送手段5の始端部から離間する第1の位置に位置し、カバー20を閉じることでフィルム先端保持部19に係止保持したフィルム先端部をフィルム搬送手段5の始端部に差し込む第2の位置に移動する。
そして、フィルム保持部材19a,19bにおけるフィルム先端部が係止される面、即ち、切欠部22を切り欠いた水平片21aの上面にはフィルムの密着係止を確実にする係止面23が形成されている。その係止面23は、フィルムの密着性を高める鏡面仕上げ加工によって構成されているので、フィルムロールから伸びるフィルムが係止面23に密着して容易に第2の位置へ移動させることができる。即ち、フィルムをフィルム搬送手段5の始端部に差し込むフィルムセットの際、フィルムがフィルム先端保持部19から落ちることなく容易にフィルムセットが可能になる。
前記水平片21aの低密着性面24は、フィルムロール4から引き出されるフィルムと対向する位置に配置される面で、フィルムロール4をセットするロール配置部3がフィルム先端保持部の第2の位置(カバー20を閉じてフィルム先端保持部19の水平片21aをフィルム搬送手段5の始端部に差し込んだ位置)に対して下方に配置されている場合は図4に示すように水平片21aの下面が低密着性面24となる。
又、フィルムロール4をセットするロール配置部3がフィルム先端保持部の第2の位置に対して上方に配置されている場合は図9に示すように水平片21aの上面が低密着性面24となり、下面がフィルムとの密着性が高い係止面23となる。但し、その場合はフィルムロール4から引き出すフィルムに対してミシン目を形成するミシン目刃の配置等の関係でカバー20の取り付け位置、及びフィルム搬送手段5の始端部の向きは、フィルムロール4がフィルム先端保持部より下方に配置した実施の形態(図1、4参照)とは逆の位置に配置する。
即ち、フィルムロール4の配置位置がフィルム先端保持部の第2の位置に対して下方である場合、前記境界線(中央)C・Lより上側の弾性ベルト5a側へずらして配置する(図7及び図8参照)。
例えば、図7に示すようにフィルム先端保持部19を上側の弾性ベルト5a側にずらして配置した場合、左右のフィルム保持部材19a,19bの水平片21aに亘って巻き付けたフィルム4’の面は上下の弾性ベルト5a,5a’が接触する境界線(中央線)C・Lより上方に位置する。従って、フィルム4‘の搬送の際、フィルム4’と水平片21aとは接しなくなり、水平片21aによる抵抗を受けなくなる。また、弾性ベルト5a側にずれているのでフィルム先端保持部19が第2の位置へ移動された時、水平片21aの切欠部22を覆うフィルムは上側の弾性ベルト5aの幅方向の両角部で下方に押し付けられ、その結果フィルムに反作用が働き、フィルム4’は上側の弾性ベルト5aに押し付けられることになる。よって、フィルムの引き出し搬送が安定して行われる。
又、上側の弾性ベルトに対するフィルムの押し当てる力を更に高める場合は、図7に示すようにフィルム先端保持部19の水平片21aの上面にフィルムを押し上げる部材、例えばクッション性部材25を貼り付けてもよい。但し、その場合クッション性部材25の表面はフィルムとの密着性を高める処理を施すようにする。
フィルムロール4の配置位置がフィルム先端保持部の第2の位置に対して上方である包装機にあっては、前記境界線(中央)C・Lより下側の弾性ベルト5a’側へずらして配置する(図9乃至図11参照)。
更に、前記フィルム先端保持部19における水平片21aの低密着性面24は、上記したように該低密着性面24にフィルムとの密着性を下げる処理を施してもよい。
更に、前記フィルム先端保持部19の水平片21aがずれている側の弾性ベルトは、他方の弾性ベルトよりフィルムとの密着性が高い為、より確実にフィルムの引き出し搬送を行うことができる。特に、フィルム先端をフィルム先端保持部の水平片21aに巻き付けて行う1回目のフィルム引き出しは、水平片21aにフィルムが重ねて巻き付けられるため、より強い搬送力が要求されるが、前記構成により充分対応することが可能となる。
最初のフィルムは、空の包装動作で取り除かれるが、1回目に所定長さ引き出されて切断されたフィルムロール側の端部、即ちフィルムロールに繋がるフィルム先端は図12に示すようにフィルム挟持部12を通過した下流側位置で次のフィルムフィードを待機する。そして、2回目以降の正規の包装動作に必要なフィルムはフィルム搬送手段5の駆動で引き出され、所定長さ引き出された位置でミシン目刃18が作動してフィルム4にミシン目が形成され、そのミシン目部分がフィルム挟持部12を通過する位置まで搬送され、ミシン目がフィルム挟持部12を通過した時該フィルム挟持部12が作動してフィルムの移動を止める。それにより、フィルム挟持部12より下流側に位置するフィルムはフィルム搬送手段5の駆動で下流側に引っ張られるため、ミシン目部分で引き裂かれ、切断された所定長さのフィルム4’は包装部bに張架保持され、フィルムロールに繋がるフィルム先端はフィルム挟持部12を通過した下流側位置で待機する。そして、2回目以降のフィルム引き出しに際し、第2の位置に位置するフィルム先端保持部19の水平片21aはフィルム搬送手段5の上下の弾性ベルト5a,5a’が接触する境界線(中央線)C・Lより上方又は下方に位置してギャップがあるため、フィルム搬送手段5の駆動でフィルムロールから引き出されるフィルムは水平片21aに接することなく引き出される。
尚、図面ではフィルム搬送手段5の上側の弾性ベルト5aと下側の弾性ベルト5a’は、フィルム先端保持部との関係を理解し易くする為に間隔をあけて表示してあるが、実際は上下の弾性ベルト5a,5a’は接触しており、フィルム先端も上記したフィルム挟持部を通過した下流側位置に挟持されて待機する。
この2回目以降のフィルムの引き出し搬送(フィルムフィード)において、上記した本発明の構成が顕著に作用して、包装に必要なフィルムの引き出し搬送においてフィルム搬送不良の発生を防止できる。
即ち、
(1)フィルム先端保持部の水平片21aにおけるフィルムとの密着性を高める処理が施されていない/又はフィルムとの密着性を下げる処理を施した面(低密着性面)が、フィルムロールに繋がるフィルムと対向するように配置されていることで、フィルムロールから引き出し搬送されるフィルムは低密着性面と接触し、フィルムの引き出しが阻害されることがない。
(2)前記フィルム先端保持部の水平片21aを、側面視で上下の弾性ベルト5a,5a’が接触する境界線(中央線)C・Lより該先端保持部の密着性を高める処理が施された面と対向するベルト側へずらして配置したことにより、フィルム搬送手段の駆動でフィルムを引き出し搬送した場合、フィルムはフィルム先端保持部の水平片に接触することなく引き出し搬送される。従って、より一層フィルムの引き出しが阻害されることがない。
(3)そして、上記フィルム先端保持部の水平片がずれている側の弾性ベルトを、他方の弾性ベルトよりフィルムとの密着性を高くした場合は、フィルムの引き出し搬送をより確実に行うことができる。
尚、フィルムのセットに関する詳細な説明は特開2003−335306号公報を参照のこと。
(1)フィルム先端保持部は金属材に限らず、合成樹脂材でもよい。また、密着性を高める処理を施す例にて説明したが、該処理を施さず、元来密着性が高い素材、例えばプラスチック等を用いてもよい。
(2)フィルム先端保持部の配置位置は、図示のカバーに限定されない。フィルムセット時に、フィルム先端保持部に係止したフィルムを、フィルム挟持部へ移送できればよい。
例えば、特開2000−72105号公報に開示されている二つの保持板の間にフィルムを介在させて、該保持板をモータ駆動により上昇させて、フィルムをフィルム搬送機構端部に挟入させるようなフィルムセット機構で本発明を利用してもよい。
つまり、フィルムロールから伸びるフィルムを両保持板の間に通してセットする場合、フィルムロールから伸びるフィルムと接する保持板の内側の面は低密着性面で、フィルムロールから伸びる余分なフィルム先端を保持板の外側に垂らして、該垂れるフィルムが接触する該保持板の外側の例えば上端部に密着性の高い領域を設けるようにしてもよい。
これにより、フィルムをセットし、フィルムロールから伸びる余分なフィルムをカットする場合でも、前記密着する部分にフィルムの先端部を密着させてからフィルムをカットすることができるので、フィルム先端部が遊ぶことなくフィルムのカットが可能なので容易にフィルムセットができ、又、フィルム搬送の為、フィルムが保持板間を搬送されるときは低密着性面と接するようになるので、フィルム搬送時に余計な抵抗が無くなり安定したフィルム搬送が可能となる。従って、本発明で言うフィルムセット時とは、上記実施形態で説明したようにフィルムをフィルム搬送手段の始端部へ挟入させる場合の他、上記のように保持板間にフィルムを保持させる場合の両方を意味する。
(3)図示の実施の形態は被包装物をエレベータ上に直接載置する、所謂インフィードコンベヤを備えない包装機であるが、インフィードコンベヤを備えたタイプの包装機にも適用できるものである。
b…包装部 4…フィルムロール
4’…フィルム 5…フィルム搬送手段
12…フィルム挟持部 19…フィルム先端保持部
23…係止面(密着処理面) 24…低密着性面(非密着処理面)
Claims (4)
- フィルムの幅方向両側縁部を挟持して搬送する左右一対のフィルム搬送手段の始端側に設けたフィルム挟持部より上流側に、フィルムロールから引き出したフィルム先端部を係止保持するフィルム先端保持部を設け、そのフィルム先端保持部はフィルム搬送手段の始端部から離間する第1の位置と、係止保持したフィルム先端部を前記フィルム搬送手段の始端部に差し込む第2の位置と、に移動可能とし、フィルムロールから引き出したフィルム先端部をフィルム先端保持部に係止して第1の位置から第2の位置へ移動させることで、フィルム先端部をフィルム搬送手段の始端部に挟入させて、フィルムを前記フィルム搬送手段にて搬送し包装するストレッチフィルム包装機において、
前記フィルム先端保持部は、平板部材であり、その平板部材の両面のうち、一方の面をフィルムとの密着性が高い面とし、他方の面は低密着性面であり、フィルムロールから延びるフィルムと対面する位置に前記フィルム先端保持部の低密着性面が配置されることを特徴とするストレッチフィルム包装機。 - 前記フィルム搬送手段は、フィルムを上下の駆動するベルトで挟持して搬送する搬送手段で、前記フィルム先端保持部は前記上下のベルトに挟まれる位置に切欠部を備え、該フィルム先端保持部が第2の位置に位置した時、該先端保持部の位置が、側面視上下ベルト間の中央より該先端保持部の密着性が高い面と対面するベルト側へずれていることを特徴とする請求項1記載のストレッチフィルム包装機。
- 前記フィルム先端保持部がずれている方向に位置するベルトは、他方のベルトよりもフィルムとの密着性が高いことを特徴とする請求項2記載のストレッチフィルム包装機。
- 前記フィルム先端保持部における低密着性面に、フィルムとの密着性を下げる処理がされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のストレッチフィルム包装機。
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