JP2009148650A - 活性余剰汚泥の処理方法、固形燃料の製造方法および固形燃料 - Google Patents

活性余剰汚泥の処理方法、固形燃料の製造方法および固形燃料 Download PDF

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Abstract

【課題】活性余剰汚泥中に存在する微生物細胞を破壊して細胞内部の水を外部に引き出すことにより、含水率を大幅に低下させることができる活性余剰汚泥の処理方法、並びにそれを用いた固形燃料の製造方法および固形燃料を提供する。
【解決手段】含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥の中に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行う。水蒸気の噴きこみにより活性余剰汚泥を対流させて活性余剰汚泥と蒸気とを接触させ、微生物細胞を破壊する。また、水蒸気による加熱により、微生物集団およびそれを構成する微生物細胞から流出したタンパク質や核酸などの生体高分子が熱変性し、それが凝集剤として機能する。
【選択図】図1

Description

本願発明は、下水処理場、し尿処理場、又は各種生産工場などから生物処理によって排出される活性余剰汚泥の処理方法、並びに、それを用いた固形燃料の製造方法および固形燃料に関する。
各種排水処理工程において排出される活性余剰汚泥は、生物処理により排出された有機性廃水に含まれる有機性の余剰汚泥であり、一般には、脱水により含水率を低下させて肥料として再資源化したり、又は焼却により減量化した後、産業廃棄物として埋立て処理がされている。
しかし、活性余剰汚泥は含水率が80重量%程度と高く、固形分の割合が小さいので、全体容量が嵩んでしまう。このため、処理地への輸送費、または焼却のための燃料費などが高額となっていた。よって、活性余剰汚泥の含水率を低下させることにより処理費用を削減し、又は減少しつつある廃棄用地を有効利用することが強く望まれていた。
活性余剰汚泥の減量化を目的とした技術としては、例えば、下記に示すものがある。
特許文献1は、生物酸化槽から余剰汚泥を抜き出して液化容器に移し、pHを8から14に調整すると共に、110℃から250℃で10秒から3時間加熱して微生物による分解が可能な状態に液化した後、処理した汚泥を中和装置でpHを5から8に調整して再び生物酸化槽に返送し、再び生物分解を行わせるものである。
特許文献2は、余剰汚泥を生物処理する前に、まず、汚泥に酸を添加して加熱処理により粘度を低下させ、次に、タンパク質分解酵素又は細胞壁分解酵素の何れか又は両方を加水分解処理酵素として添加して余剰汚泥を可溶化した後に、生物処理槽に返流し、生物処理するものである。
特許文献3は、廃水の生物処理で生じる活性余剰汚泥を、超音波処理槽で超音波処理することにより物理的に可溶化して分散性を高め、酸発酵し易くした後、汚泥を酸発酵槽で効率良く酸発酵させて生物反応的による可溶化を行ない、この可溶化された処理物を、酸発酵処理物返送ラインで活性余剰汚泥処理槽に返送するものである。
特開2003−245693号公報 特開2004−41925号公報 特開2004−321883号公報
しかしながら、これらに開示された技術は、減量化を目的とするものではあるが、実際には工程が煩雑であることに加え、処理の効率性に欠け、かつ、処理コストを低減することが難しかった。
例えば、特許文献1では、余剰汚泥を加熱して微生物による分解が可能な状態に液化させる工程を行った後、再び生物酸化槽に戻して微生物処理により減量を行うので、結局、減量化は活性汚泥の生物処理反応に依存する。よって、加熱処理のために余剰汚泥を一旦別容器に移すという工程が必要となり煩雑であると共に、微生物による活性処理に必要な時間は微生物の活性力に支配されるので、処理時間を直接制御することが難しいという問題があった。
特許文献2でも、前処理として、余剰汚泥に酸を添加して加熱処理を行い汚泥の粘度を低下させた後に、加水処理分解酵素を添加して可溶化しているので、特許文献1と同様に、余剰汚泥を移して処理しなければならず煩雑であるという問題があった。
特許文献3は、特許文献1,2とは超音波を用いている点で異なるが、やはり活性余剰汚泥を移して処理しなければならない点は同様であり、煩雑であるという問題があった。
また、特許文献1から3では、これらの工程の後に脱水により汚泥の減量化を図っており、脱水の一般的方法として加熱により水分を蒸発させている。しかし、生物処理後の活性余剰汚泥の中には大量の微生物が活性の状態で残っており、細胞内に大量の水分を含んでいるので、加熱エネルギーの大部分は細胞内の水分を除去するための潜熱として消費されてしまう。よって、活性余剰汚泥の温度が上昇しにくく、エネルギー効率が非常に悪い。
その結果、乾燥した汚泥が有する熱量(一般に5,000kcal/kgから6,000kcal/kg)よりも、活性余剰汚泥から水分を蒸発させるのに必要な熱量の方が大きくなってしまう。従って、乾燥した汚泥の利用度は低く、僅かに、セメント原料に利用したり、焼却残さを土壌改良剤に利用したり、または溶融加工して土木あるいは建設資材として利用するのみであった。一方、焼却処分する場合も、焼却場への運搬費用が高額となり、また、焼却時の燃焼温度が低いとダイオキシンの発生により環境への影響が強く懸念されるので、燃焼温度を高くするために燃料費用が高額となっていた。
本願発明は、このような問題に基づきなされたものであり、活性余剰汚泥中に存在する微生物細胞を破壊して細胞内部の水を外部に引き出すことにより、含水率を大幅に低下させることができる活性余剰汚泥の処理方法、並びにそれを用いた固形燃料の製造方法および固形燃料を提供することを目的とする。
本発明の活性余剰汚泥の処理方法は、生物処理によって排出された有機性廃水に含まれる活性余剰汚泥を減量化するものであって、含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行う水蒸気噴きこみ工程を含むものである。
本発明の固形燃料の製造方法は、生物処理によって排出された有機性廃水に含まれる活性余剰汚泥を用いたものであって、含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行う水蒸気噴きこみ工程を含むものである。
本発明の固形燃料は、生物処理によって排出された有機性廃水に含まれる活性余剰汚泥を用いたものであって、含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行った後、水分を除去することにより得られたものである。
本発明の活性余剰汚泥の処理方法および固形燃料の製造方法によれば、含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行うようにしたので、水蒸気の噴きこみにより活性余剰汚泥を対流させて活性余剰汚泥と蒸気とをより多く接触させ、活性余剰汚泥に含まれる微生物細胞を破壊して、細胞内の水分を外部に取り出すことができる。また、水蒸気による加熱により、微生物集団およびそれを構成する微生物細胞から流出したタンパク質や核酸などの生体高分子が熱変性し、それが凝集剤として機能することによって、活性余剰汚泥を容易に固液分離することができる。よって、活性余剰汚泥の固形分を効率的に集めつつ、含水率を容易に低下させることができる。
従って、本発明の固形燃料によれば、本発明の固形燃料の製造方法により容易に得ることができるので、活性余剰汚泥を容易に燃料化することができ、産業廃棄物の再利用を図ることができる。
特に、水蒸気噴きこみ工程において、活性余剰汚泥の平均温度を芽胞形成微生物が芽胞を形成する芽胞形成温度よりも低くするようにすれば、芽胞の形成を防止することができ、微生物細胞をより効果的に破壊することができる。
また、水蒸気噴きこみ工程において、活性余剰汚泥1mに対して20kg以上の水蒸気を噴きこむようにすれば、または、活性余剰汚泥に噴きこむ水蒸気圧を9.8N/cm以上とするようにすれば、活性余剰汚泥と水蒸気とをより接触させて、微生物細胞をより効果的に破壊することができる。
更にまた、水蒸気噴きこみ工程において、活性余剰汚泥の平均温度を30℃以上85℃以下とするようにすれば、含水率をより低下させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る活性余剰汚泥の処理方法は固形燃料の製造方法としても用いることができるので、以下においてあわせて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る活性余剰汚泥の処理方法および固形燃料の製造方法の工程を表すものであり、図2は、本発明の一実施の形態に係る活性余剰汚泥の処理方法および固形燃料の製造方法に用いる装置の構成を表すものである。
この活性余剰汚泥の処理方法および固形燃料の製造方法では、まず、例えば、下水処理場、し尿処理場、化学工場または食品工場などの各種工場において微生物活性処理されて排出されて来た有機性廃水Wを生物処理槽1に一旦集積貯留させる(集積貯留工程;ステップS110)。生物処理槽1の内部では、なお生物処理が進行している状態にある。
次いで、必要に応じて、生物処理槽1から所定量の有機性廃水Wを沈殿槽2に移送し、所定時間の静置によって沈殿分離による固液分離を行う(固液分離工程;ステップS120)。これにより有機性廃水Wに含まれる活性余剰汚泥Sを沈殿させる。なお、ここでの沈殿は自然沈殿によっているが、必要により適宜の凝集剤を用いて沈殿を促進させるようにしても良い。
続いて、沈殿槽2の槽下部に沈殿した活性余剰汚泥Sを加熱処理槽3に移送する。このときの活性余剰汚泥Sの含水率は通常90重量%以上であり、かつ活性微生物が80重量%以上を占める。なお、本明細書における活性余剰汚泥Sの含水率は、乾燥減量法により求めたものである。具体的には、赤外線照射により試料を乾燥固化させて、含まれていた水分の蒸発による質量変化から水分率を求める水分率計により求めることができる。
加熱処理槽3は、これに限定するものではないが、例えば容量100t程度を有する円筒形状であり、沈殿槽2からその処理能力に合わせて間欠的に又は連続的に移送された50tから60tの活性余剰汚泥Sを貯留している。この活性余剰汚泥Sの移送は、例えば、加熱処理槽3の上部よりバッチ式(回分式)で行う。加熱処理槽3の底部には、水蒸気Mを活性余剰汚泥Sの中に直接噴出すための噴出管路4が配設されている。
噴出管路4には、水蒸気Mを噴出すための多数の噴出口41が形成されている。また、噴出管路4には、図示しない貫流ボイラなどの外部の供給源から水蒸気Mを供給する蒸気供給管5が開閉弁51を介して連結されている。加熱処理槽3の内部には液温センサ31が配設されており、液温センサ31からの情報に基づいて開閉弁51を調節して供給する水蒸気Mを調整できるようになっていることが好ましい。また、必要に応じて、加熱処理槽3の内部に図示しない攪拌機を設け、活性余剰汚泥Sの対流を促進させるようにしてもよい。
このような加熱処理槽3を用い、加熱処理槽3の内部に貯留させた活性余剰汚泥Sの中に、噴出管路4の噴出口41を介して水蒸気Mを直接噴きこみ、活性余剰汚泥Sを加熱処理する(水蒸気噴きこみ工程;ステップS130)。その際、活性余剰汚泥Sの含水率を94重量%以上とする。例えば、加熱処理槽3に貯留させた活性余剰汚泥Sの含水率が94重量%以上である場合にはそのまま水蒸気Mを噴きこむ。活性余剰汚泥Sの含水率が94重量%よりも低い場合には、例えば、水を添加して含水率を94重量%以上とした後に水蒸気Mを噴きこむか、または、水蒸気Mを噴きこんで含水率を94重量%以上とすることが好ましい。水蒸気Mの噴きこみにより活性余剰汚泥Sを対流させて活性余剰汚泥Sを水蒸気Mとより多く接触させるためである。なお、活性余剰汚泥Sの含水率は高くてもよく、すなわち100重量%未満であればよい。
この水蒸気Mによる衝撃により、活性余剰汚泥Sに含まれる微生物細胞は破壊され、細胞内の水分は外部に流出する。また、水蒸気Mによる加熱により、微生物集団およびそれを構成する微生物細胞から流出したタンパク質や核酸などの生体高分子が熱変性し、凝集剤として機能して、活性余剰汚泥Sの固形分を凝集させる。
なお、活性余剰汚泥Sが芽胞を形成する芽胞形成微生物を含む場合には、芽胞形成微生物が芽胞を形成する芽胞形成温度よりも活性余剰汚泥Sの平均温度が低くなるように水蒸気Mの量を調整することが好ましい。芽胞が形成されると微生物細胞が破壊されにくくなるからである。芽胞形成微生物としては、例えば、バシラス(Bacillus)属細菌がある。
活性余剰汚泥Sに噴きこむ水蒸気量は、活性余剰汚泥1mに対して20kg以上とすることが好ましい。すなわち、活性余剰汚泥1mに対して20kgの水を水蒸気として噴きこむことが好ましい。活性余剰汚泥Sと水蒸気Mとをより接触させて、微生物細胞をより効果的に破壊することができるからである。水蒸気量は多くてもよいが、あまり多いと活性余剰汚泥Sの温度制御が難しくなり、また、時間もかかるので、活性余剰汚泥1mに対して90kg以下が好ましく、40kg以上50kg以下であればより好ましい。
活性余剰汚泥Sに噴きこむ水蒸気圧は、9.8N/cm(9.8×10Pa)以上とすることが好ましく、24.5N/cm(24.5×10Pa)以上とすればより好ましい。活性余剰汚泥Sと水蒸気Mとをより接触させて、微生物細胞をより効果的に破壊することができるからである。水蒸気圧は高くてもよいが、あまり高くすると活性余剰汚泥Sの温度が速く上昇してしまい、温度の制御が難しくなるので、例えば49N/cm(49×10Pa)以下とすることが好ましい。
活性余剰汚泥Sの平均温度は30℃以上85℃以下とすることが好ましい。微生物集団およびそれを構成する微生物細胞から流出したタンパク質や核酸などの生体高分子は、水蒸気Mとの接触により部分的に加熱され、熱変性するので、平均温度は高くする必要はないが、水蒸気Mと十分に接触させるには、この程度の温度上昇は見られるからである活性余剰汚泥Sの平均温度は30℃以上70℃以下、更には30℃以上60℃以下、更には30℃以上50℃未満となるようにすればより好ましい。含水率をより低下させることができるからである。
加えて、活性余剰汚泥Sに水蒸気Mを噴きこむ加熱処理時間は、例えば数秒から20時間程度とすることが好ましい。活性余剰汚泥Sに水蒸気Mを十分に接触させることができれば、短時間でも効果を得ることができ、また、長時間にわたって行っても特に問題はないからである。
この水蒸気噴きこみ工程を行った後、活性余剰汚泥Sから水分を除去し含水率を低下させる(水分除去工程;ステップS140)。例えば、まず、活性余剰汚泥Sを圧縮濾過手段を備えたベルトプレス式などの脱水装置6aに移送し、固液分離により脱水する(脱水工程;ステップS141)。活性余剰汚泥Sは、脱水装置6aにより圧縮濾過されるが、必要により無機または高分子の凝集剤を添加して固液分離の効率化を図るようにしても良い。また、必要に応じて、圧縮濾過した活性余剰汚泥Sを、対向当接型のローラ式などの脱水装置6bに移送し、更に脱水するようにしてもよい。
次いで、例えば、脱水した活性余剰汚泥Sを乾燥させる(乾燥工程;ステップS142)。乾燥工程では、例えば、活性余剰汚泥Sをそのまま積極的に加熱せずに常温で放置(自然放置)して乾燥させるようにしてもよい。その際、活性余剰汚泥Sを小粒状あるいは紐状などの種々の断面小口で細分化して、体積当たりの表面積が大きくなるようにしてもよい。細分化すれば空気との接触面積が増えてより自然放散の効率が高まるので好ましい。
また、活性余剰汚泥Sを単に放置するのではなく、空気を積極的に流通させながら乾燥させるようにしてもよい。空気を積極的に流通させるようにすれば、より効率的に乾燥させることができるので好ましい。
更に、含水率を限りなく“ゼロ”に近づけるために、活性余剰汚泥Sをドラム回転型乾燥機7などの乾燥機を用いて乾燥させるようにしてもよい。ドラム回転型乾燥機7のドラム内には空気を強制流通させても良く、その他にも乾燥空気や温風を用いるようにしても良い。加熱する場合には、10℃以上120℃以下の温度雰囲気とすることが好ましく、20℃以上40℃以下の温度雰囲気とすればより好ましい。これにより、本実施の形態に係る固形燃料が得られる。
このように本実施の形態によれば、含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥Sに、水蒸気Mを直接噴きこんで加熱処理を行うようにしたので、水蒸気Mの噴きこみにより活性余剰汚泥Sを対流させて活性余剰汚泥と水蒸気とをより多く接触させ、微生物細胞を破壊して、細胞内の水分を外部に取り出すことができる。また、水蒸気による加熱により、微生物集団およびそれを構成する微生物細胞から流出したタンパク質や核酸などの生体高分子が熱変性し、それが凝集剤として機能することによって、活性余剰汚泥Sを容易に固液分離することができる。よって、活性余剰汚泥Sの固形分を効率的に集めつつ、含水率を容易に低下させることができる。
従って、活性余剰汚泥Sを容易に燃料化することができ、固形燃料として産業廃棄物の再利用を図ることができる。
特に、水蒸気噴きこみ工程(ステップS130)において、活性余剰汚泥Sの平均温度を芽胞形成微生物が芽胞を形成する芽胞形成温度よりも低くするようにすれば、芽胞の形成を防止することができ、微生物細胞をより効果的に破壊することができる。
また、水蒸気噴きこみ工程(ステップS130)において、活性余剰汚泥1mに対して20kg以上の水蒸気を噴きこむようにすれば、または、活性余剰汚泥Sに噴きこむ水蒸気圧を9.8N/cm以上とするようにすれば、活性余剰汚泥Sと水蒸気Mとをより接触させて、微生物細胞をより効果的に破壊することができる。
更にまた、水蒸気噴きこみ工程(ステップS130)において、活性余剰汚泥Sの平均温度を30℃以上85℃以下、更には30℃以上70℃以下、更には30℃以上60℃以下、更には30℃以上50℃未満とするようにすれば、含水率をより低下させることができる。
さらに、実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
上記実施の形態において説明したようにして有機性廃水Wから沈殿により分離した含水率98重量%以上の活性余剰汚泥Sに、水蒸気Mを直接噴きこんで加熱処理を行った。その際、水蒸気Mは、設定ゲージ圧9.8N/cmで、蒸気量は余剰汚泥1t当たり50kgに設定し、活性余剰汚泥Sの平均温度は60℃程度となるようにした。
次いで、水蒸気噴きこみ工程を行った活性余剰汚泥Sをベルトプレス式の脱水装置6aにより脱水した。用いた脱水装置6aは、毎時7.5t、濾布幅1.5mで投入される活性余剰汚泥Sを、毎分0.45mのベルト速度で圧縮濾過する能力を有するものである。これにより活性余剰汚泥Sは、毎分50cmの速度で圧縮濾過されて厚さ約22mm厚の板状に成形された。脱水処理直後における活性余剰汚泥Sの含水率は、80重量%程度であった。続いて、脱水した活性余剰汚泥Sを板状のまま自然放置して乾燥させたところ、活性余剰汚泥Sの含水率は、約6時間後には63重量%から68重量%まで低下し、約40時間経過後には20重量%から25重量%まで低下していた。
また、脱水装置6aにより脱水した活性余剰汚泥Sを対向当接型のローラ式の脱水装置6bに移送し、周速度10m/分のローラで1mmから3mmの薄板状に加工した。そののち、約30分間程度自然放置をしたところ、活性余剰汚泥Sの含水率は15重量%以下まで低下していた。
更にまた、脱水装置6bにより脱水した活性余剰汚泥Sを回転ドラム型乾燥機7を用いて10分間乾燥させた。用いた回転ドラム型乾燥機7の仕様は、ドラム口径φ:0.38m、ドラム長さ:2.42m、回転ドラム回転数:10rpm、吹き込み空気温度:25℃、通気風量:30(m/分)である。乾燥後の活性余剰汚泥Sの含水率は5重量%以下であった。
これに対して、有機性廃水Wから沈殿により分離した活性余剰汚泥Sを水蒸気噴きこみ工程を行わずに脱水装置6aで脱水を行ったところ、活性余剰汚泥Sの含水率は82重量%であった。また、脱水装置6aにより脱水した活性余剰汚泥Sを脱水装置6bで脱水したのち回転ドラム型乾燥機7により乾燥させても、活性余剰汚泥Sの含水率は81.5重量%であった。
すなわち、水蒸気噴きこみ工程を行えば、活性余剰汚泥Sの含水率を大幅に低下させることができることがわかった。また、活性余剰汚泥Sを脱水したのちは自然乾燥により含水率を低下させることができることもわかった。
(実施例2−1,2−2)
底部近傍に水蒸気Mの噴出口を設けた加熱処理槽の中に活性余剰汚泥Sを入れ、水蒸気Mを活性余剰汚泥Sの中に直接噴きこんで加熱処理を行った。実施例2−1では、水蒸気Mを噴きこむ前の含水率が96.02重量%の活性余剰汚泥Sを用い、水蒸気圧は9.8N/cm、水蒸気Mの噴きこみ量は活性余剰汚泥1mに対して73kgとし、活性余剰汚泥Sの平均温度は50℃まで上昇した。また、実施例2−2では、水蒸気Mを噴きこむ前の含水率が98.52重量%の活性余剰汚泥Sを用い、水蒸気圧は24.5N/cm、水蒸気Mの噴きこみ量は活性余剰汚泥1mに対して86kgとし、活性余剰汚泥Sの平均温度は60℃まで上昇した。
次いで、水蒸気噴きこみ工程を行った活性余剰汚泥Sをスクリュープレス式の脱水装置により脱水した。脱水処理直後の活性余剰汚泥Sについて含水率をそれぞれ調べたところ、実施例2−1は81.17重量%であり、実施例2−2は80.91重量%であった。
続いて、実施例2−1について、脱水した活性余剰汚泥Sを気温30℃で3時間にわたって天日干しをしたところ、含水率は46.87重量%まで低下した。更に、実施例2−1について、天日干しした活性余剰汚泥Sを細かく砕いて粒状としたのち、気温30℃で3時間にわたって天日干しをしたところ、含水率は12.64重量%まで低下した。また、実施例2−2について、脱水した活性余剰汚泥Sを気温30℃で4時間にわたって天日干しをしたところ、含水率は63.00重量%まで低下した。次いで、実施例2−2について、天日干しした活性余剰汚泥Sを細かく砕いて粒状としたのち、気温30℃で3時間にわたって天日干しをしたところ、含水率は13.83重量%まで低下した。更に、実施例2−2について、脱水した活性余剰汚泥Sを気温28℃、湿度35%の室内において14時間放置して乾燥させたところ、含水率は33.30%まで低下した。得られた結果を表1に示す。なお、含水率を12.64重量%まで低下させた実施例2−1の活性余剰汚泥Sおよび含水率を13.83重量%まで低下させた実施例2−2の活性余剰汚泥Sについて、着火試験を行ったところ、容易に着火し燃焼することが確認された。
すなわち、水蒸気噴きこみ工程を行えば、自然乾燥により活性余剰汚泥Sの含水率を十分低下させることができると共に、乾燥させたものは燃料として利用できることがわかった。
また、水蒸気噴きこみ前後の活性余剰汚泥Sについて顕微鏡による観察を行った。図3Aは水蒸気噴きこみ前の活性余剰汚泥Sの顕微鏡写真であり、図3Bは水蒸気噴きこみ後の活性余剰汚泥Sの顕微鏡写真である。図3Aの水蒸気噴きこみ前には糸状性微生物および大型微生物などの微生物の塊が見られるのに対して、図3Bの水蒸気噴きこみ後には微生物の塊が概ね消失していた。すなわち、水蒸気噴きこみにより微生物細胞が破壊されることがわかった。また、図3Bの水蒸気噴きこみ後の活性余剰汚泥Sでは、破壊された微生物細胞が熱により変性したタンパク質と核酸に絡みとられて凝集している様子が見られた。すなわち、加熱により微生物細胞から流出した内容物が変性し、凝集剤として機能することがわかった。
(実施例3−1,3−2,4−1,4−2)
底部近傍に水蒸気Mの噴出口を設けた加熱処理槽の中に活性余剰汚泥Sを入れ、水蒸気Mを活性余剰汚泥Sの中に直接噴きこんで加熱処理を行った。実施例3−1,3−2では、水蒸気Mを噴きこむ前の含水率が99.62重量%の活性余剰汚泥Sを用い、実施例4−1,4−2では、水蒸気Mを噴きこむ前の含水率が99重量%以上の活性余剰汚泥Sを用いた。水蒸気圧はいずれも9.8N/cmとし、水蒸気の噴きこみは活性余剰汚泥Sの平均温度が実施例3−1では40℃、実施例3−2では50℃、実施例4−1では60℃、実施例4−2では70℃となるまで行った。
次いで、水蒸気噴きこみ工程を行った活性余剰汚泥Sを静置したのち、ろ布で重力ろ過した。実施例3−1,3−2では静置時間を60分、ろ過時間を40分とし、実施例4−1,4−2では静置時間を18時間、ろ過時間を30分とした。ろ過直後に、ろ布の上に分離された活性余剰汚泥Sの含水率を調べたところ、実施例3−1は95.52重量%、実施例3−2は95.87重量%、実施例4−1は94.80重量%、実施例4−2は95.31重量%であった。
続いて、各実施例について、ろ過により分離した活性余剰汚泥Sを室内でそのまま放置して自然乾燥させ、含水率の変化を調べた。実施例3−1では、24時間後には60.22重量%、48時間後には59.58重量%まで低下し、実施例3−2では、24時間後には75.69重量%、48時間後には62.06重量%まで低下した。実施例4−1では、2時間後には87.24重量%まで低下し、実施例4−2では、2時間後には87.80重量%まで低下した。得られた結果を表2および表3に示す。
また、実施例3−1,3−2に対する比較例3−1として、加熱処理を行わないことを除き、他は実施例3−1,3−2と同様にして実験を行い、活性余剰汚泥Sの含水率を調べた。比較例3−2,3−3として、水蒸気噴きこみに変えて熱交換により活性余剰汚泥Sを加熱したことを除き、他は実施例3−1,3−2と同様にして実験を行い、活性余剰汚泥Sの含水率を調べた。その際、比較例3−2では活性余剰汚泥Sの平均温度が40℃になるまで加熱を行い、比較例3−3では活性余剰汚泥Sの平均温度が50℃になるまで加熱を行った。得られた結果を表2に合わせて示す。
更に、実施例4−1,4−2に対する比較例4−1として、加熱処理を行わないことを除き、他は実施例4−1,4−2と同様にして実験を行い、活性余剰汚泥Sの含水率を調べた。比較例4−2として、水蒸気噴きこみに変えて熱交換により活性余剰汚泥Sの平均温度が60℃になるまで加熱したことを除き、他は実施例4−1,4−2と同様にして実験を行い、活性余剰汚泥Sの含水率を調べた。得られた結果を表3に合わせて示す。
表2および表3に示したように、水蒸気噴きこみを行った実施例3−1,3−2,4−1,4−2によれば、加熱処理を行わない比較例3−1,4−1に比べて、自然乾燥により大幅に含水率が低下することがわかった。これに対して、熱交換により加熱した比較例3−2,4−2では、加熱処理を行わない比較例3−1,4−1に比べて含水率は低下したものの、本実施例に比べるとその程度は小さかった。また、熱交換により加熱した比較例3−2では、加熱処理を行わない比較例3−1よりも、24時間後の含水率は低かったものの、48時間後は高かった。
すなわち、水蒸気噴きこみによる加熱処理を行うようにすれば、微生物細胞を破壊して細胞内の水分を取り出すことができ、含水率をより低下させることができることがわかった。
(実施例5)
含水率94.10重量%の活性余剰汚泥Sを底部近傍に水蒸気Mの噴出口を設けた加熱処理槽の中に入れ、水蒸気Mを活性余剰汚泥Sの中に直接噴きこんで加熱処理を行った。水蒸気圧は9.8N/cmとし、水蒸気の噴きこみは活性余剰汚泥Sの平均温度が50℃となるまで行った。そののち、そのまま室内で放置して自然乾燥させ、含水率の変化を調べた。
実施例5に対する比較例5−1として、実施例5と同一の活性余剰汚泥Sについて、水蒸気噴きこみによる加熱処理を行わずに実施例5と同様にして自然乾燥させ、含水率の変化を調べた。
比較例5−2として、含水率が87.17重量%の活性余剰汚泥Sについて、水蒸気噴きこみによる加熱処理を行わずに実施例5と同様にして自然乾燥させ、含水率の変化を調べた。
比較例5−3として、比較例5−2と同一の活性余剰汚泥Sについて、実施例5と同様にして活性余剰汚泥Sの中に水蒸気Mを直接噴きこんで加熱処理を行った後、同様にして自然乾燥させ、含水率の変化を調べた。比較例5−4として、比較例5−2と同一の活性余剰汚泥Sについて、表面に水蒸気Mを直接吹きかけて加熱処理を行った後、実施例5と同様にして自然乾燥させ、含水率の変化を調べた。比較例5−3,5−4において、水蒸気圧は9.8N/cmとし、活性余剰汚泥Sの平均温度は50℃となるように加熱した。
また、比較例5−5として、比較例5−3よりも水蒸気Mの噴きこみを長時間行ったことを除き、比較例5−3と同様にして実験を行い、含水率の変化を調べた。比較例5−6として、比較例5−4よりも水蒸気Mの表面への吹きかけを長時間行ったことを除き、比較例5−4と同様にして実験を行い、含水率の変化を調べた。比較例5−5,5−6において、水蒸気圧は9.8N/cmとし、活性余剰汚泥Sの平均温度は60℃となるように加熱した。得られた結果を表4に示す。なお、表4において、処理直後の欄に記載した数値は、実施例5および比較例5−3〜5−6は加熱処理直後、自然乾燥前の含水率であり、比較例5−1,5−2は自然乾燥前の含水率である。
表4に示したように、含水率が94重量%以上の活性余剰汚泥Sに水蒸気Mの噴きこみを行った実施例5によれば、加熱処理を行わない比較例5−1に比べて、自然乾燥により大幅に含水率が低下することがわかった。これに対して、含水率が94重量パーセント未満の活性余剰汚泥Sに水蒸気Mの噴きこみを行った比較例5−3,5−5では、含水率の低下が小さく、加熱処理を行わない比較例5−2と比べても、水蒸気Mの噴きこみによる効果は見られなかった。また、含水率が94重量パーセント未満の活性余剰汚泥Sに水蒸気Mの吹きかけを行った比較例5−4,5−6でも、同様に含水率の低下は小さかった。
これは、活性余剰汚泥Sの含水率が低いと、水蒸気Mを活性余剰汚泥Sの中に噴きこんでも、水蒸気Mの噴きこみによる撹拌および対流が十分に起こらず、微生物細胞を十分に破壊できなかったためであると思われる。すなわち、水蒸気Mの噴きこみ時における活性余剰汚泥Sの含水率は、94重量%以上とすることが好ましいことがわかった。
(実施例6−1〜6−4)
実施例6−1として、含水率98.61重量%の活性余剰汚泥Sを底部近傍に水蒸気Mの噴出口を設けた加熱処理槽の中に入れ、水蒸気Mを活性余剰汚泥Sの中に直接噴きこんで加熱処理を行った。水蒸気圧は24.5N/cm、水蒸気Mの噴きこみ量は活性余剰汚泥1mに対して21kgとし、活性余剰汚泥Sの平均温度は30℃まで上昇した。
次いで、水蒸気噴きこみ工程を行った活性余剰汚泥Sをベルトプレス式の脱水装置により脱水し、厚み約8mmの脱水ケーキ状とした。脱水処理直後の活性余剰汚泥Sについて含水率を調べたところ、78.20重量%であった。脱水処理直後における活性余剰汚泥Sの総重量は1400kg、活性余剰汚泥1m当たりの重量は18.7kgであった。続いて、脱水した活性余剰汚泥Sを気温18.6℃から23.5℃、湿度38%から64%の風通しのよい環境において5時間にわたって天日干しをしたところ、含水率は59.01重量%まで低下した。更に、天日干しした活性余剰汚泥Sを室内において自然乾燥したところ、室内乾燥を開始してから24時間後には52.04重量%まで低下し、72時間後には15.89重量%まで低下した。得られた結果を表5に示す。
実施例6−1に対する比較例6−1として、水蒸気噴きこみを行わないことを除き、他は実施例6−1と同様にして実験を行った。脱水処理直後における活性余剰汚泥Sの含水率は80.30重量%であり、脱水処理直後における活性余剰汚泥Sの総重量は3000kg、活性余剰汚泥1m当たりの重量は40kgであった。天日干し後の含水率は68.64重量%、室内乾燥を開始してから24時間後の含水率は68.99重量%、72時間後の含水率は36.67重量%であった。得られた結果を表5に合わせて示す。
表5に示したように、水蒸気噴きこみによる加熱処理を行うようにすれば、活性余剰汚泥Sの平均温度が30℃と高くなくても、含水率を低下させることができることがわかった。
また、実施例6−2として、実施例6−1と同様にして水蒸気噴きこみ工程を行った活性余剰汚泥Sを手で絞って脱水し、厚み約2mmから3mmの脱水ケーキ状としたのち、室内において24時間放置して乾燥させた。脱水直後における活性余剰汚泥Sの含水率は72.50重量%であり、24時間後の含水率は16.86重量%であった。
実施例6−3として、水蒸気Mを噴きこむ時間を短くして水蒸気Mの噴きこみ量を活性余剰汚泥1mに対して19kgとしたことを除き、他は実施例6−1と同様にして実験を行った。活性余剰汚泥Sの平均温度は29℃まで上昇した。脱水直後における活性余剰汚泥Sの含水率は77.61重量%であり、24時間後の含水率は55.31重量%であった。
実施例6−4として、水蒸気Mを噴きこむ時間を短くして水蒸気Mの噴きこみ量を活性余剰汚泥1mに対して9.5kgとしたことを除き、他は実施例6−1と同様にして実験を行った。活性余剰汚泥Sの平均温度は25℃まで上昇した。脱水直後における活性余剰汚泥Sの含水率は80.58重量%であり、24時間後の含水率は60.87重量%であった。得られた結果を表6に示す。
表6に示したように、実施例6−2では、実施例6−3,6−4に比べて、含水率の著しい低下が見られた。また、実施例6−2および実施例6−3について、水蒸気噴きこみ後の活性余剰汚泥Sを顕微鏡により観察した。図4Aは実施例6−2の活性余剰汚泥Sの顕微鏡写真であり、図4Bは実施例6−3の活性余剰汚泥Sの顕微鏡写真である。図4Bでは、糸状性微生物および大型微生物などの微生物の塊がまだ見られるのに対して、図4Aでは、概ね消失していることが分かる。すなわち、水蒸気Mの噴きこみ量を活性余剰汚泥1mに対して20kg以上とするようにすれば、より高い効果を得られることが分かった。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、本発明の活性余剰汚泥の処理方法および固形燃料の製造方法は、上記実施の形態において説明した全ての工程を備えていなくてもよく、また、他の工程を備えていてもよい。例えば、水分除去工程においては、脱水工程または乾燥工程のいずれか一方のみを行うようにしてもよい。また、脱水工程は上述した脱水装置を用いずに、ろ過などにより行うようにしてもよい。
各種工場から排出される活性余剰汚泥の処理に用いることができる。また、本発明の固形燃料はカーボンニュートラルなボイラ燃料として使用できる。従って、重油や都市ガスなどの化石燃料と異なり、地球温暖化ガスの排出を懸念することのない新燃料になる。
本発明の一実施の形態に係る活性余剰汚泥の処理方法および固形燃料の製造方法の工程を表す流れ図である。 本発明の一実施の形態に係る活性余剰汚泥の処理方法および固形燃料の製造方法において用いる装置の構成図である。 水蒸気噴きこみ前における活性余剰汚泥の状態を表す顕微鏡写真である。 水蒸気噴きこみ後における活性余剰汚泥の状態を表す顕微鏡写真である。 活性余剰汚泥1mに対して21kgの水蒸気を噴きこんだ活性余剰汚泥の状態を表す顕微鏡写真である。 活性余剰汚泥1mに対して19kgの水蒸気を噴きこんだ活性余剰汚泥の状態を表す顕微鏡写真である。
符号の説明
1…生物処理槽、2…沈殿槽、3…加熱処理槽、31…液温センサ、4…噴出管路、41…噴出口、5…蒸気供給管、51…開閉弁、6a,6b…脱水装置、7…ドラム回転型乾燥機、W…有機性廃水、S…活性余剰汚泥、M…水蒸気

Claims (13)

  1. 生物処理によって排出された有機性廃水に含まれる活性余剰汚泥を減量化する活性余剰汚泥の処理方法であって、
    含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行う水蒸気噴きこみ工程を含む
    ことを特徴とする活性余剰汚泥の処理方法。
  2. 前記活性余剰汚泥は、芽胞を形成する芽胞形成微生物を含み、
    前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥の平均温度を芽胞形成微生物が芽胞を形成する芽胞形成温度よりも低くする
    ことを特徴とする請求項1記載の活性余剰汚泥の処理方法。
  3. 前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥1mに対して20kg以上の水蒸気を噴きこむ
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の活性余剰汚泥の処理方法。
  4. 前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥に噴きこむ水蒸気圧を9.8N/cm以上とする
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の活性余剰汚泥の処理方法。
  5. 前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥の平均温度を30℃以上85℃以下とする
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載の活性余剰汚泥の処理方法。
  6. 前記水蒸気噴きこみ工程を行った後、水分を除去する水分除去工程を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の活性余剰汚泥の処理方法。
  7. 生物処理によって排出された有機性廃水に含まれる活性余剰汚泥を用いた固形燃料の製造方法であって、
    含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行う水蒸気噴きこみ工程を含む
    ことを特徴とする固形燃料の製造方法。
  8. 前記活性余剰汚泥は、芽胞を形成する芽胞形成微生物を含み、
    前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥の平均温度を芽胞形成微生物が芽胞を形成する芽胞形成温度よりも低くする
    ことを特徴とする請求項7記載の固形燃料の製造方法。
  9. 前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥1mに対して20kg以上の水蒸気を噴きこむ
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の固形燃料の製造方法。
  10. 前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥に噴きこむ水蒸気圧を9.8N/cm以上とする
    ことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1に記載の固形燃料の製造方法。
  11. 前記水蒸気噴きこみ工程では、活性余剰汚泥の平均温度を30℃以上85℃以下とする
    ことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1に記載の固形燃料の製造方法。
  12. 前記水蒸気噴きこみ工程を行った後、水分を除去する水分除去工程を含む
    ことを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1に記載の固形燃料の製造方法。
  13. 生物処理によって排出された有機性廃水に含まれる活性余剰汚泥を用いた固形燃料であって、
    含水率が94重量%以上の状態の活性余剰汚泥に、水蒸気を直接噴きこんで加熱処理を行った後、水分を除去することにより得られた
    ことを特徴とする固形燃料。
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