JP4937059B2 - 下水汚泥の処理方法および下水汚泥の処理設備 - Google Patents

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Description

本発明は、下水汚泥の処理方法および処理設備にかかり、特には処理汚泥を燃料などに利用する処理方法および処理設備に関する。
バイオマスは、通常埋立や焼却処分が行われているが、水分が高く、腐敗しやすいためにハンドリングに問題がある、処分費が高いという問題がある。また、地球温暖化問題が叫ばれる中、カーボンニュートラルな燃料としてバイオマスが注目され、エタノール、バイオディーゼル、炭化燃料等が注目を集めている。
そこで、バイオマスを水熱処理し、処理したバイオマスを固液分離し、固形分を乾燥させて、発電設備等で利用できるバイオマス燃料を製造し、化石燃料代替として使用する技術が開発されている。これら技術により、地球温暖化防止に貢献できると共に、バイオマスの安定的な有効利用先を確保することができ、リサイクル向上に繋がる。
一方、近年、バイオマス、特に下水汚泥を水熱処理し、その後の工程での負担を少なくする試みに注目されている。
ところが、下水汚泥などのバイオマスを水熱処理し、水熱処理されたバイオマスを固液分離した際には分離液が発生するが、水熱処理の際に発生する廃液は、有機物負荷が高く、着色している。このために、廃液を処理する必要があり、例えば、活性炭や凝集剤を添加して処理を行ったり、活性汚泥法やメタン発酵などの生物を処理を行った後に、放流したり、既設の水処理設備等へ返流していた(特許文献1)。
しかし、上記処理では、凝集剤や活性炭の使用によりランニングコストが増大する。また、活性汚泥法やメタン発酵などの生物処理は、水熱処理後の廃液の負荷が高いために希釈水を必要としたり、設備の設置スペースが大きくなるといった欠点がある。
特開2005−167545号公報
したがって、本発明の主たる課題は、水熱処理後の廃液及び固液分離(脱液)工程からの液分の着色成分の処理を改良して、ランニングコストや処理設備の小型化を図ることができる下水汚泥の処理方法および下水汚泥の処理設備を提供することにある。
かかる課題を解決した本発明は、次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
処理容器内に供給した下水汚泥を温度150〜220℃、かつ、圧力0.5〜2.3MPaでの高温高圧処理する高温高圧工程と、
高温高圧処理後の処理汚泥を固液分離手段にて固液分離する脱液工程と、
脱液汚泥に対して乾燥処理する乾燥工程と、
前記高温高圧処理後に処理容器から排出する廃液と前記脱液工程からの液分とを受けて、これを濃縮する濃縮工程と、
濃縮工程での濃縮液は前記脱液汚泥と共に前記乾燥工程へと送る工程と、
を有することを特徴とする下水汚泥の処理方法。
(作用効果)
下水汚泥を高温高圧下で一定時間保持し高温高圧処理する。ここで、高温高圧下としては、温度150〜220℃、かつ、圧力0.5〜2.3MPaの範囲であるのが望ましく、この高温高圧処理を行うことにより、厳密な意味で挙動のメカニズムは必ずしも明確ではないが、まず下水汚泥中の臭気成分の組成が変化する。この変化により臭気の質が変化して、不快感の低減されたものとなる。また、高温高圧処理によって水分の分離性(脱水性、乾燥性)が高まる。特に、下水汚泥中に含まれる動植物由来物質の細胞質中に含まれる水分が、高温高圧処理後の減圧にともない破壊されて細胞質内の水分が放出されることにより、下水汚泥の水分保持力が低下して脱水性が向上する。そして、脱液処理を行うことにより臭気成分を多く含む水分が分離されるため、得られる固形燃料の臭気が低減される。高温高圧処理工程としてオートクレープを用いた方法や後述する水蒸気を利用する方法を採用すれば良い。
高温高圧反応後の処理汚泥について固液分離(脱液処理)のみでは、脱液(脱水)率が十分に低くなく、その後のハンドリング、たとえば運搬や固形燃料化に支障をきたす。そこで乾燥処理を行う。
前述のように、下水汚泥の高温高圧処理の際に発生する廃液には、着色成分を含み、これをそのまま排水処理系または放流系に放出することはできない。また、凝集剤や活性炭を使用する場合にはコスト的に適さないなどの問題がある。
そこで、本発明では、濃縮工程を設け、その濃縮工程において着色成分を含む濃縮液と清澄液とに分離し、清澄液については汚濁負荷が大幅に低減されているため、例えば高温高圧処理設備を設置した事業所内に廃水処理設備がある場合は、廃水処理設備に返送し容易に処理ができるので、経済的である。他方で、濃縮液については、脱液汚泥と共に前記乾燥工程へと送るので、着色成分は乾燥汚泥側に移行させることができる。そして、着色成分が乾燥汚泥側に移行するとしても、これはやがて例えば燃料化するので、着色成分の乾燥汚泥側への移行に問題を生じることにはならない。
以上のように、高温高圧処理の際に発生する廃液中の着色成分の処理に伴う問題は一挙に解決して合理的かつ経済的なシステムを構築できる。
<請求項2記載の発明>
前記高温高圧処理が、水蒸気を利用した水熱処理であることを特徴とする請求項1記載の下水汚泥の処理方法。
(作用効果)
下水汚泥に対して加圧高温の水蒸気を加えて水熱処理することで下水汚泥の性状に関わらず効率よく処理することが可能である。さらに水熱処理を行うことで、厳密な意味で挙動のメカニズムは必ずしも明確ではないものの、下水汚泥中の臭気成分の組成が変化する。この変化により臭気の質が変化して、不快感の低減されたものとなる。
<請求項3記載の発明>
前記脱液工程と乾燥工程との間に、脱液汚泥を造粒する造粒工程を有し、前記脱液汚泥に濃縮液を混入させた状態で脱水汚泥を造粒処理する請求項1または2記載の下水汚泥の処理方法。
(作用効果)
脱液汚泥を乾燥処理する場合、適宜の乾燥機、たとえば真空乾燥機やディスク型回転乾燥機を使用できるが、予め脱液処理しており乾燥機の負荷としては低いため簡易の通気乾燥機を使用するのが望ましい。
その際に、予め脱液汚泥を造粒する(たとえばペレット状に造粒する)造粒工程を設けることで、脱液汚泥の表面積が増加し効率的かつ均一な乾燥を行うことができる。
また、濃縮液を被乾燥物に混合することも可能であるが、予め造粒することが望ましいので、その造粒前に混合することが望ましい、すなわち脱液汚泥に濃縮液を混入させた状態で脱水汚泥を造粒処理するのである。
なお、脱液汚泥をペレット状に造粒する場合、水分70%以上であれば造粒した下水汚泥同士が接着してしまい、効率的な乾燥が期待できない。また、水分が45%以下の場合は水分が低すぎるために造粒しにくい。よって、濃縮液を水分調整液として利用でき、水分を45〜70%に調整することにより、良好なペレット状造粒物が得られる。更に乾燥工程においても、水分を一度汚泥から分離しているため、未処理の場合と比較して、乾燥効率が向上する。
<請求項4記載の発明>
前記濃縮工程は、多重効用缶により濃縮を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
(作用効果)
多重効用缶は、メタン発酵等の生物処理と比較して極めて省スペースであり、かつ機器点数が少なくシンプルな構成のため維持管理が容易であり、ランニングコストも安く、特に好適である。
<請求項5記載の発明>
前記濃縮工程は、蒸気圧縮法により濃縮を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
(作用効果)
蒸気圧縮法では、多重効用缶の場合と比較して、機器点数がより少なくなり経済的であるとともに、省スペースとなる。
<請求項6記載の発明>
前記乾燥工程は通気乾燥機を使用して行い、この通気乾燥機に送る空気に対して、前記水熱処理後に処理容器から排出する廃液及び前記脱液工程からの液分の持っている熱を与える請求項1〜5のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
(作用効果)
乾燥機として通気乾燥機が望ましいことは前述した。通気乾燥機の場合、ごく高温空気を通気させるのではなく、乾燥物がたとえば55℃程度になるまでの温度でよい。その代わりに、相当程度の空気量をもって通気させる必要がある。
この場合において、水熱処理後に処理容器から排出する廃液及び前脱液工程からの液分(濾液)の持っている熱は、80〜90℃程度の温度を有しているので、水熱処理後に処理容器から排出する廃液及び前記脱液工程からの液分の持っている熱を、通気乾燥機に送る空気に対して与えることで予熱が可能となり、乾燥用の加熱器の負担が軽減するとともに化石燃料も削減でき、省エネルギーのシステムとなる。
<請求項7記載の発明>
前記高温高圧工程と前記脱液工程の間に高温高圧処理後の処理汚泥を破砕処理する請求項1〜6記載のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
(作用効果)
前記処理汚泥を破砕処理することで、脱液工程における脱水効率をさらに向上させることが可能となるほか、汚泥がより細分化されるため、脱液工程において閉塞等の不具合を防止することが可能となる。
<請求項8記載の発明>
処理容器内に供給した下水汚泥に対して温度150〜220℃、かつ、圧力0.5〜2.3MPaでの高温高圧処理する高温高圧処理装置と、
高温高圧処理後の処理汚泥を固液分離手段にて固液分離する脱液装置と、
脱液汚泥に対して乾燥処理する乾燥装置と、
前記高温高圧処理後に処理容器からの廃液と前記脱液装置からの液分とを受けて、これを濃縮する濃縮装置と、
濃縮装置での濃縮液は前記脱液汚泥と共に前記乾燥装置へと送る装置と、
を有することを特徴とする下水汚泥の処理設備。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
以上、要すれるに本発明によれば、熱処理後の廃液及び固液分離(脱液)工程からの液分の着色成分の処理を改良して、ランニングコスト低減や処理設備の小型化を図ることができる。
以下、本発明に係る下水処理方法の好適な一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の処理方法にかかる設備を示す模式図である。
本発明の処理設備は、少なくともと次記の装置を構成要素とする。
処理容器1内に供給した下水汚泥Sに対して、高温高圧処理装置たとえば加圧及び高温下で水蒸気を加えて水熱処理する水熱処理装置と、水熱処理後の処理汚泥を固液分離手段にて固液分離する脱液装置3と、脱液汚泥に対して乾燥処理する乾燥装置5と、前記水熱処理後に処理容器1からの廃液と前記脱液装置3からの液分とを受けて、これを濃縮する濃縮装置10と、濃縮装置10での濃縮液は前記脱液汚泥と共に前記乾燥装置5へと送る装置とを要素とする。
具体的に、本実施形態の処理設備は、下水汚泥を収容して処理するための水熱処理容器1と、この処理容器1内に水蒸気を供給するたとえばボイラユニットからなる水蒸気供給手段2と、処理された汚泥を脱液処理する脱液処理手段3と、脱液処理された脱液(脱水)汚泥を造粒処理する造粒処理手段4と、造粒処理された下水汚泥造粒物を乾燥処理する乾燥処理手段5と、を備える。
処理容器1は、例えば、耐圧性を備えた第一種圧力容器により構成され、その内部で下水汚泥を、加圧及び高温下で水蒸気を加えて水熱処理するようになっている。処理容器1の上部には下水汚泥の投入口が設けられるとともに、下部には排出口が設けられている。投入口および排出口は、下水汚泥を処理する際に処理容器内の温度、圧力に耐えられるようにパッキンが使用された密閉構造となっている。
一方、処理容器1内には、内部に投入された下水汚泥を攪拌するための攪拌手段1Aが設けられている。この攪拌手段は、容器内で長手方向に延在する水平回動軸と、この水平回動軸から張り出す撹拌羽根とにより構成される。攪拌手段は、水平回動軸に連結する駆動モータにより駆動され、この攪拌手段によって、処理容器内において下水汚泥が攪拌され、水熱処理物(処理汚泥)は排出口から処理物槽1Bに排出されるよう構成されている。
処理対象のたとえば水分80%程度の下水汚泥Sは、これを一時的に貯留する貯留タンク10から計量装置を備えた定量フィーダ10Aおよびポンプにより処理容器1内に投入される。
処理容器1内へ水蒸気を供給する水蒸気供給手段2は、ボイラユニットにより構成され、処理容器1内の圧力は、水蒸気の注入量で調節するようになっている。この高圧水蒸気の圧力に付随して温度が定まるので処理容器1内は所定温度に保持される。
ここで、本発明にかかる下水汚泥Sの水熱処理に際しては、水蒸気供給手段2からの水蒸気注入によって、たとえば次記の処理条件が望ましく採用される。すなわち、処理容器1内の圧力を1.5〜2.0MPa、温度を185〜215℃に調整する。かかる状態で15分〜40分間、好適には20〜30分間保持し下水汚泥の水熱処理を行う。15分未満であると水熱が不十分の場合があり、40分以上行っても水熱効果に対する処理コストが高くなるだけである。
上記諸条件の水熱処理を終了した後には、圧力調整バルブを開放して処理容器1内の水蒸気を排気管から排気して処理容器1内を減圧する。
水熱処理により下水汚泥は結合分子の分離と分解が起こり、燃焼させずに初期炭化と微細化という性状変化が生じる。この初期炭化の状態では、下水汚泥が元来保有する熱量がそれほど消滅することなく残留し固形燃料として利用可能な状態で水熱処理が行われる。また、下水汚泥の水分率は概ね80%程度であるが、水蒸気を加えて処理しても減圧に伴って凝縮して排出されるため、水熱処理後の汚泥の水分率は水熱処理前と同程度かあるいは若干増加する程度に留まる。さらに、水熱処理汚泥は、下水汚泥中のフロック分散、加水分解等の分子レベルで分解処理がなされるほか、水熱処理終了後の減圧時に下水汚泥中に含まれる動植物由来の細胞壁や細胞膜が破壊されて細胞中の水分が放出されることにより下水汚泥の水分保持力が低下するため脱水性に優れる性状に変化する。
このように処理容器1内で水蒸気の注入により水熱処理された汚泥(以下、処理汚泥ともいう。)は、排出口から排出され、処理物槽1Bに一時貯留後に、前記脱水手段3へと移送される。このとき、処理汚泥の水分率は、水熱処理前の下水汚泥の水分率と同等かあるいは若干増加する程度であるため、脱水手段への移送は、下水汚泥の移送に用いられる既知のポンプ手段等を用いることが可能である。
脱水手段への移送途中には、汚泥を破砕する破砕手段50を設けるとよい。破砕手段50として、1軸または2軸剪断式やボールミル、ローラーミルなど公知の破砕手段より適宜選択できる。特に1軸または2軸剪断式が好適である。
脱液処理を行う脱液処理手段3としては適宜選択できるが、圧搾脱液処理を行ういわゆるスクリュープレスであるのが望ましい。このスクリュープレスは、基端側上部に処理汚泥の投入口を備え、末端側下部に脱水汚泥の排出口を備える横型濾過筒内に、水平に延在するスクリュー羽根を配したものである。スクリュー羽根の回転軸は駆動手段に連結されており、駆動手段によるスクリュー羽根の回転により、供給口から供給された処理汚泥が、排出口に向かう過程で、せん断力が加えられて圧搾脱水される。ここで、スクリュープレスは、処理汚泥にせん断力を加えつつ、保持する水分を絞りだすようにして固液分離するため、処理汚泥の水分率および性状を考慮すると、処理汚泥の脱液処理に特に有効な脱液処理手段である。脱液処理は、水分率が40〜60%、好適には45〜60%となるように行う。水分率40%未満にまで、あるいは70%超に脱液処理を行うと後段の造粒処理がし難くなる。
なお、脱液処理は、好適には本形態の圧搾脱液処理であり、用いる脱液処理手段はスクリュープレスであるが、その他、既知の脱液処理方法、脱液処理装置を採用することも可能である。また、スクリュープレスの形態も上記の形態に限定されるわけではない。
脱液処理された脱液汚泥を造粒手段4により造粒処理する。脱液汚泥の水分率が50〜60%程度であることを考慮して、連続式の単軸または二軸の押し出し造粒装置が好適に用いられる。この押し出し造粒装置は、脱水汚泥をスクリューケース内で回転するスクリューにより加圧、圧縮しながらエクストラクタまで輸送し、摺動作用と押出圧力によってスクリーンから押し出して造粒する。なお、スクリーンのダイス孔径、ダイス長は、適宜定めることができるが、固形燃料の一般的使用を考慮して、造粒物の大きさが6〜8mmΦ×高さ10〜15mmの大きさに造粒されるようにするのがよい。
次いで、造粒処理された汚泥粒状物を乾燥手段5により乾燥処理する。既知の乾燥装置を用いることができるが、通気乾燥機が望ましい。本形態の通気乾燥機は、造粒物を載せる網状の平台と、この網状台に載置された汚泥造粒物に対して乾燥用空気を供給する乾燥用空気供給手段を備える。
空気供給手段は、ファンと、網状の台の下部に設置された多数の空気噴射口と、ファンで発生させた空気を前記空気噴射口に送る送気管とを備え、送気管の途中には空気を加温する加温装置52が設けられている。
乾燥手段5からの蒸発ベーパを含む排気は、脱臭設備6、たとえば下水処理水を利用したスクラバー、生物脱臭装置、活性炭脱臭装置等を組み合わせたものでよく、脱臭後に大気に放散される。
乾燥手段5からの造粒乾燥汚泥は、ホッパー7に一時貯留され、たとえば固形燃料として仕向け先に搬出される。
さて、本発明においては、水熱処理後に処理容器1から排出する廃液X又は必要により加熱して後の廃液Xと、脱液処理手段からの液分Yとを受けて、これを濃縮する濃縮設備10が設けられる。また、濃縮設備10の前段に貯留槽11が設けられる。
濃縮設備10としては、膜濃縮のほか、望ましくは多重効用缶又は蒸気圧縮法により構成される。濃縮工程での濃縮液21は流路を介して脱液汚泥と共に、好ましくは造粒手段4を介して乾燥装置5へと送る。
濃縮設備10として多重効用缶を使用する場合の構成、たとえば3缶による多重効用缶の構成は当業者が直ちに判ることなので、図示による説明は省略する。
蒸気圧縮法を採用する場合、図2に示すように、貯留槽11からの液を、濃縮缶10Aに導き、ここで加熱による発生した排蒸気はルーツブロワなどの圧縮機10Bにより断熱圧縮し、これを熱交換器10Cに送り、濃縮液分の循環ポンプ10Dを備えた循環路22を通り再度濃縮缶10Aに送る液分の加熱を行う構成である。循環路22から下流に送る濃縮液21は、図1の場合と同様に、流路を介して脱液汚泥と共に、好ましくは造粒手段4を介して乾燥装置5へと送る。熱交換器10Cでの凝縮液は排水処理系統に送る。
貯留槽11に受け入れた処理容器1から排出する廃液Xと脱液処理手段からの液分(濾液)Yの持っている熱は、加温装置52の前に設けた熱回収用熱交換器53を介して空気の予熱に利用することができる。
濃縮設備10での清澄液22は排水処理設備7に送られて処理される。清澄液22は、脱色されているが、有機物負荷がごく僅かに残るために、直接放流する場合は活性汚泥処理等を行うか、下水処理場等の水処理設備がある場所に水熱処理設備を設置する場合は、そこへ返送する。特に清澄液22は下水処理場の沈砂池もしくはエアレーションタンクに送るのが望ましい。
上記例において、必要により、水熱処理容器1と脱液処理手段3との間に破砕機50を設置することがきる。水熱処理により、下水汚泥はスラリー状になるが、さらに破砕機50を通すことで均質になり、濃縮廃水との混合性が良くなる。また、造粒工程においても、造粒し易くなり、均一な造粒物が容易に得られる。
<臭気試験>
本発明の水熱処理による下水汚泥中の臭気成分の変化について試験した。試験方法は、処理容器内に下水汚泥2000gを供給した後、水蒸気を供給して圧力1.8MPa、200℃の条件で30分間の水熱処理を行って得た処理汚泥と、未処理の下水汚泥とについて、それぞれ化学的分析および官能評価を行い、両汚泥の臭気について比較考察した。
水熱処理前の下水汚泥と水熱後の処理汚泥の臭気について、試験官による官能評価を行ったところ、水熱処理前の汚泥は極めて不快に感じる下水汚泥臭であったが、処理汚泥は不快感の少ない焦臭に変化しているとともに臭気そのものも低減している、という知見が得られた。
次いで、処理汚泥および下水汚泥中の悪臭防止法で定められている臭気物質の量を測定した。結果、下記表1の通りである。
Figure 0004937059
表1からみてとれるように、未処理の下水汚泥については硫黄成分含む悪臭物質が含まれていたが、水熱処理された処理汚泥ではこの硫黄成分が低下している。ガス化等によって水蒸気とともに排出されたと推測される。
他方、処理汚泥では、一部の有機酸量が増加している。たんぱく質の加水分解により生成されたと推測される。また、増加した有機酸を見てみると硫黄成分と比較して不快臭の少ないものも含まれる。
この汚泥中の成分変化により臭気の質が変化したと考えられる。生成された有機酸成分によって他の臭気成分のマスキング効果も寄与しているとも考えられる。また、増加した有機酸成分は水溶性のものが多く脱液処理により効果的に除去可能であるとも推測できる。
以上より、水熱処理を行うことにより臭気の質が不快感が低減される方向で変化するとともに、脱液処理によって臭気物質が除去されやすくなることが知見された。
<脱水(乾燥)性試験>
次いで、本発明にかかる処理汚泥の脱水(乾燥)性について試験した。試験方法は、処理容器内に下水汚泥2000gを供給した後、水蒸気を供給して圧力1.8MPa、200℃の条件で30分間の水熱処理を行って得た処理汚泥と、未処理の下水汚泥とについて、それぞれ経時的な水分量の変化を測定することにより、行った。また、脱水性に影響を与えると考えられる、水熱処理前と水熱後における下水汚泥の性状変化について目視観察をも行った。
結果、目視観察では、未処理の下水汚泥は流動性が無いが、処理汚泥(処理直後の処理汚泥)はさらさらとして粘度が低くなっているように観察された。また、処理汚泥は粒子が細かくなっているように観察された。水熱処理により下水汚泥中のフロック等が壊れて分散するとともに、水分保持力の高い細胞質などの破壊がなされたものと推測される。
水分率の経過時間的な測定は、測定容器内に試料を入れたのち、測定容器内に乾燥空気(相対湿度0%、温度15℃)を供給して排気する過程で乾燥処理を行い、経時的に測定容器内の試料の水分率を測定した。なお、測定容器内に溜まる汚泥由来の水分は排水できるように構成した。結果は、図3に示すとおり、未処理汚泥は水分率の低下速度が遅く48時間経過後であっても水分率が60%を超えていたのに対して、処理汚泥は測定開始後に急速に水分率が低下して48時間経過後には4%程度にまで低下するという結果が得られた。
処理汚泥は、水分保持力が低下して水離れがよくなっており、脱水(乾燥性)性に優れることが知見されている。これにより、処理汚泥は、上述の水溶性の臭気成分の除去性に優れることも示されたといえる。
以上の臭気試験、脱水(乾燥)性試験の結果から、本発明の下水汚泥の処理方法では、処理過程で臭気成分の低減が図られることが知見された。従って、本発明によれば、臭気の低減された固形燃料を得ることが可能である。
本発明に係る処理フローを示す模式図である。 本発明に係る他の処理フローを示す模式図である。 脱水(乾燥)性試験の結果を示す図である。
1…処理容器、2…水蒸気供給手段、3…脱液装置、4…造粒処理手段、5…乾燥処理手段、6…脱臭設備、7…ホッパー、10…濃縮設備、10A…濃縮缶、10B…圧縮機、10C…熱交換器、10D…循環ポンプ、11…貯留槽、21…濃縮液、22…清澄液、52…加温装置、53…熱回収用熱交換器。

Claims (8)

  1. 処理容器内に供給した下水汚泥を温度150〜220℃、かつ、圧力0.5〜2.3MPaでの高温高圧処理する高温高圧工程と、
    高温高圧処理後の処理汚泥を固液分離手段にて固液分離する脱液工程と、
    脱液汚泥に対して乾燥処理する乾燥工程と、
    前記高温高圧処理後に処理容器から排出する廃液と前記脱液工程からの液分とを受けて、これを濃縮する濃縮工程と、
    濃縮工程での濃縮液は前記脱液汚泥と共に前記乾燥工程へと送る工程と、
    を有することを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  2. 前記高温高圧処理が、水蒸気を利用した水熱処理であることを特徴とする請求項1記載の下水汚泥の処理方法。
  3. 前記脱液工程と乾燥工程との間に、脱液汚泥を造粒する造粒工程を有し、前記脱液汚泥に濃縮液を混入させた状態で脱水汚泥を造粒処理する請求項1または2記載の下水汚泥の処理方法。
  4. 前記濃縮工程は、多重効用缶により濃縮を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  5. 前記濃縮工程は、蒸気圧縮法により濃縮を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  6. 前記乾燥工程は通気乾燥機を使用して行い、この通気乾燥機に送る空気に対して、前記水熱処理後に処理容器から排出する廃液及び前記脱液工程からの液分の持っている熱を与える請求項1〜5のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  7. 前記高温高圧工程と前記脱液工程の間に高温高圧処理後の処理汚泥を破砕処理する請求項1〜6記載のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  8. 処理容器内に供給した下水汚泥に対して温度150〜220℃、かつ、圧力0.5〜2.3MPaでの高温高圧処理する高温高圧処理装置と、
    高温高圧処理後の処理汚泥を固液分離手段にて固液分離する脱液装置と、
    脱液汚泥に対して乾燥処理する乾燥装置と、
    前記高温高圧処理後に処理容器からの廃液と前記脱液装置からの液分とを受けて、これを濃縮する濃縮装置と、
    濃縮装置での濃縮液は前記脱液汚泥と共に前記乾燥装置へと送る装置と、
    を有することを特徴とする下水汚泥の処理設備。
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