JP2009145081A - 回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法および装置 - Google Patents

回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法および装置 Download PDF

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伸明 植木
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Abstract

【課題】被検レンズの回転非対称収差の発生要因となる誤差量を互いに分離しつつ高精度に測定することが可能な回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法および装置を得る。
【解決手段】被検レンズ1の面倒れおよび面ずれに対し線形の関係式が成立するザイデルの3次および5次のコマ収差を選択し、コンピュータシミュレーションにより、その線形の関係式における各係数の値を求める。ヌルミラー6を備えた干渉計により被検レンズ1に対する透過波面測定を行い、3次および5次のコマ収差の各発生量を求める。求められた各係数の値と3次および5次のコマ収差の各発生量の値を、上記線形の関係式に代入してなる連立方程式を解くことにより、被検レンズ1の面倒れおよび面ずれの各値を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラや光学センサ等の各種光学機器に用いられる被検レンズにおいて、コマ収差やアス収差(非点収差)等の回転非対称収差の発生要因となる、被検レンズの面倒れや面ずれあるいは干渉計の測定光軸と被検レンズの光軸との傾きずれや位置ずれといった各種の誤差量を測定する方法および装置に関し、特に、開口数(NA)の大きい非球面レンズの面倒れと面ずれを、互いに分離して測定するのに好適な回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法および装置に関する。
モールド成形により非球面レンズを作製する場合、成形用の金型同士の相対的な位置ずれによって、成形された非球面レンズに面ずれ(非球面レンズを構成する2つのレンズ面それぞれの軸同士の相対的な位置ずれ)や面倒れ(非球面レンズを構成する2つのレンズ面それぞれの軸同士の相対的な傾きずれ)が発生することがある。このような面ずれや面倒れは、金型の機構上、完全に無くすことは極めて困難であるが、成形された非球面レンズの収差(特に、コマ収差等の回転非対称収差)を増大させる要因となるので、減少させる方向で金型の修正を図ることが望ましく、そのために発生している面倒れ量や面ずれ量を把握しておくことは重要となる。
従来、非球面レンズの面ずれ(偏心)を測定するための偏心検査機が各種実用化されている。また、レンズの光軸に対し垂直に設置された鍔状の張出部を有している非球面レンズの面ずれや面倒れを、オートコリメータを用いて測定する手法も知られている(下記特許文献1参照)。
一方、非球面レンズの収差は、干渉計を用いた透過波面測定により求めることが可能である。例えば、透過波面測定により得られた波面収差を、ツェルニケ(ゼルニケ)多項式等により展開することにより、ザイデルの5収差を個別に数値化する手法が知られている(下記特許文献2参照)。
特許第3127003号公報 特許第2951366号公報
近年、開口数(NA)の大きい非球面レンズの需要が高まっている。このような高NAの非球面レンズにおいては、かつては問題とされなかった数μmオーダでの面ずれや数十秒オーダでの面倒れの発生が問題視されるようになっている。
また、発生している面ずれと面倒れを、互いに分離しつつ高精度に測定したいという要望もある。光学系の種類によっては、使用する非球面レンズの面ずれに対する感度は高いが、面倒れに対する感度は低いといった場合もあり、面ずれと面倒れを互いに分離して測定することができれば、それぞれの光学系で使用し得るか否かを判定したり、実際に使用する際に面ずれや面倒れに対する補正処置を講じたりすることが可能になる等の理由による。
しかしながら、これまでの偏心検査機では、面ずれと面倒れを分離することができず、また偏心の測定誤差も2μm程度と大きいのが実状である。また、上記特許文献1に記載された手法を用いた場合でも、近年要望されているレベルに応え得るような高精度な面ずれ量の測定を行うことは困難である。
さらに、上記特許文献1に記載された手法は、鍔状の張出部を有していない被検レンズの測定には適用することができないという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、被検レンズの回転非対称収差の発生要因となる誤差量を互いに分離しつつ高精度に測定することが可能であり、かつ被検レンズが鍔状の張出部を有していない場合にも測定可能な回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法および装置を提供することを目的とする。
本発明に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法は、被検レンズの回転非対称な収差の発生要因となる所定のN個の誤差量E〜E(Nは2以上の整数)を測定する方法であって、
前記N個の誤差量E〜Eに対し下式(1)の線形関係をそれぞれ有するとみなせる少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωを選択し、コンピュータシミュレーションにより、下式(1)における各係数ajkおよび各定数bjk(j、kは1〜Nまでの任意の整数)の値をそれぞれ求める係数算定ステップと、
ヌル光学素子を備えた干渉計を用いて前記被検レンズに対する透過波面測定を行い、該透過波面測定により得られた干渉縞画像に基づき、前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量を求める回転非対称収差測定ステップと、
前記係数算定ステップにおいて求められた前記各係数ajkおよび各定数bjkの値と、前記回転非対称収差測定ステップにおいて求められた前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量の値とを、下式(1)に代入してなる連立方程式を解くことにより、前記N個の誤差量E〜Eの各値を求める誤差量算定ステップと、をこの順に行うことを特徴とする。
Figure 2009145081
本発明に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法において、前記被検レンズは、該被検レンズの2つのレンズ面のうち少なくとも一方が非球面で形成された非球面レンズであり、前記N個の誤差量E〜Eは、前記2つのレンズ面それぞれの軸同士の相対的な位置ずれである面ずれと、前記2つのレンズ面それぞれの軸同士の相対的な傾きずれである面倒れとを含むものである、とすることができる。
また、前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωは、ザイデルの3次のコマ収差と5次のコマ収差とを含むものである、とすることができる。
一方、本発明に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置は、被検レンズの回転非対称な収差の発生要因となる所定のN個の誤差量E〜E(Nは2以上の整数)を測定する装置であって、
ヌル光学素子を備えた干渉計と、解析装置とを備え、
該解析装置は、
被検レンズの回転非対称な収差の発生要因となる所定のN個の誤差量E〜E(Nは2以上の整数)を測定する装置であって、
ヌル光学素子を備えた干渉計と、解析装置とを備え、
該解析装置は、
前記N個の誤差量E〜Eに対し上式(1)の線形関係をそれぞれ有するとみなせるものとして選択された少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωに基づき、該少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各々に対応する値としてコンピュータシミュレーションにより求められた上式(1)における各係数ajkおよび各定数bjk(j、kは1〜Nまでの任意の整数)の値をそれぞれ出力する係数出力手段と、
前記ヌル光学素子を備えた干渉計による、前記被検レンズに対する透過波面測定により得られた干渉縞画像に基づき、前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量を求める回転非対称収差測定手段と、
前記係数出力手段から出力された前記各係数ajkおよび各定数bjkの値と、前記回転非対称収差測定手段において求められた前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量の値とを、上式(1)に代入してなる連立方程式を解くことにより、前記N個の誤差量E〜Eの各値を求める誤差量算定手段と、を備えてなることを特徴とする。
本発明に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置において、前記被検レンズと前記ヌル光学素子との相対的な傾き姿勢を変化させる傾き姿勢可変手段と、前記被検レンズと前記ヌル光学素子との、互いに直交する3軸方向の相対的な位置を変化させる3軸方向位置可変手段と、を備えることができる。
また、求められた前記N個の誤差量E〜Eの方向および/または大きさに係る識別情報を、前記被検レンズにマーキングするマーキング手段を備えることが好ましい。
また、前記ヌル光学素子は、反射型のヌル光学素子または透過型のヌル光学素子とすることができる。
なお、上記「式(1)の線形関係をそれぞれ有するとみなせる」とは、厳密には線形関係とはならないものの、相互間の関係を表すグラフに直線をフィッティングすることにより、上式(1)と同等の関係が得られるものを含む意である。
本発明に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法および装置によれば、上述の構成を備えたことにより得られる連立方程式を解くことにより、被検レンズの回転非対称収差の発生要因となるN個の誤差量E〜Eを互いに分離しつつ高精度に測定することが可能となる。
また、N個の誤差量E〜Eを求める際に必要となる上式(1)の各係数ajkおよび各定数bjkはコンピュータシミュレーションにより、またN個の誤差量E〜Eと上式(1)の線形関係を有する少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量は、ヌル光学素子を備えた干渉計による被検レンズ(詳細には、そのレンズ本体部分)に対する透過波面測定により、それぞれ得ることができるので、鍔状の張出部を有していない被検レンズに対しても適用することが可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置(以下、単に「誤差量測定装置」と称することがある)の主要部の概略構成図である。また、図2は図1に示す解析装置の概略構成を示すブロック図であり、図3は図2に示す係数テーブルの概略構成図である。また、図4は被検レンズの形状を示す図((A)は正面図、(B)は平面図)である。
本実施形態に係る誤差量測定装置は、被検レンズ1に対する透過波面測定により求められるコマ収差等を含むN個の回転非対称収差Ω〜Ωの発生要因となる、被検レンズ1の面ずれや面倒れを含む所定のN個の誤差量E〜E(Nは2以上の整数)を測定するものであり、図1に示すように、干渉計本体部20と被検体ポジショニング部30とを備えてなる。なお、上記N個の回転非対称収差Ω〜Ωは、上記N個の誤差量E〜Eに対し上式(1)の線形関係を有するものとして選択されたものである。
上記干渉計本体部20は、レーザ光源等の可干渉距離の長い光源21を搭載したフィゾー型の干渉計装置であり、ビーム径拡大用レンズ22、ビームスプリッタ23、コリメータレンズ24、結像レンズ25、および光検出面を有する撮像手段26を備えている。また、この干渉計本体部20は、撮像手段26により撮像された画像についての画像処理、各種演算処理および各種調整部の駆動制御を行う、コンピュータ等からなる解析装置27と、干渉縞画像等を表示するモニタ装置28と、解析装置27に対する各種入力を行うための入力装置29とを備えている。なお、図1に示す透過型基準板4およびヌルミラー6は、通常、干渉計本体部20に含まれるが、本明細書では、説明の便宜上、被検体ポジショニング部30に含めて説明する。
一方、被検体ポジショニング部30は、干渉計本体部20からの測定用光束の進行方向(図1では上方向)に向かって、透過型基準板4、被検レンズ1、およびヌルミラー6を、この順に支持し、かつ位置調整するように構成されたものである。
すなわち、透過型基準板4は、手動2軸チルトステージ11によって支持され、かつX軸(図1の左右方向に延びる軸)およびY軸(図1の紙面に対し垂直に延びる軸)を中心とした回転角度(傾き)を、予備調整段階において調整されるようになっている。また、被検レンズ1は、レンズ搭載治具5を介してθステージ13および電動2軸チルトステージ14によって支持され、かつ測定光軸(図中一点鎖線で示す)を中心とした回転角度、およびX軸およびY軸を中心とした回転角度(傾き)を、各被検レンズ1の測定時において自動調整されるようになっている。また、ヌルミラー6は、手動2軸チルトステージ12により支持され、さらに電動X軸ステージ15、電動Y軸ステージ16および電動Z軸ステージ17により順次支持されている。また、電動2軸チルトステージ14には、マーキング手段としてのレーザマーカ18が設置されている。
本実施形態において被検レンズ1は、光センサ等のレンズとして搭載され、入力された平面波を所定の非球面波に変換して出力するように設計されたものであり、図4に示すように、レンズ部2および張出部3からなる。レンズ部2は、その第1レンズ面2aおよび第2レンズ面2bが共に非球面とされており、張出部3は鍔状に形成され、その上面3aおよび下面3bが共にレンズ部2の光軸に対し垂直となるように設計されている。
上記レンズ搭載治具5は、図1に示すように、被検レンズ1のレンズ部2に対する透過波面測定を行うための中央窓5aと、中央窓5aの外側に位置する張出部用窓5b、さらに、張出部用窓5bの外側に位置するヌルミラー反射平面部用窓5cとを備えてなり、被検レンズ1の張出部3を図中下側より支持するようになっている。
また、上記ヌルミラー6は、反射型のヌル光学素子を構成するものであり、被検レンズ1のレンズ部を透過した後、一旦収束して発散する光束を再帰反射させる反射非球面部6aと、該反射非球面部6aの中心軸に対し垂直に配された反射平面部6bとを備えてなり、手動2軸チルトステージ12によって、透過型基準板4の基準面4aに対し反射平面部6bが平行となるように、X軸およびY軸を中心とした回転角度(傾き)を、予備調整段階において調整されるとともに、電動X軸ステージ15、電動Y軸ステージ16および電動Z軸ステージ17により、X軸、Y軸、Z軸(図1の上下向に延びる軸)の各方向に平行に移動調整が可能とされ、これにより各被検レンズ1の測定時において自動的に位置調整されるようになっている。
なお、本実施形態においては、上記手動2軸チルトステージ12により、被検レンズ1とヌルミラー6との相対的な傾き姿勢を変化させる傾き姿勢可変手段が構成されており、上記電動X軸、Y軸、およびZ軸ステージ15,16,17により、被検レンズ1とヌルミラー6との3軸方向の相対的な位置を変化させる3軸方向位置可変手段が構成されている。
また、図2に示すように上記解析装置27は、該解析装置27内に搭載されるCPUやハードディスク等の記憶部および該記憶部に格納されたプログラム等により構成される係数出力手段31、回転非対称収差測定手段32および誤差量算定手段33と、上記記憶部に設定された係数テーブル34を備えてなる。
上記係数テーブル34は、上記N個の誤差量E〜Eと上記N個の回転非対称収差Ω〜Ωとの間に成立する線形関係をコンピュータシミュレーションにより予め特定することによって得られた上式(1)における各係数ajkおよび各定数bjk(j、kは1〜Nまでの任意の整数)の値を記憶するものであり、上記係数出力手段31は、上記N個の誤差量E〜Eを求める際に係数テーブル34を検索して、上記N個の回転非対称収差Ω〜Ωそれぞれに対応した上記各係数ajkおよび各定数bjkの値を出力するようになっている。
上記回転非対称収差測定手段32は、被検レンズ1に対する透過波面測定により得られた干渉縞画像に基づき、上記N個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量を求めるものであり、上記誤差量算定手段33は、上記係数出力手段31から出力された上記各係数ajkおよび各定数bjkの値と、上記回転非対称収差測定手段32において求められたN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量の値とを、上式(1)に代入してなる連立方程式を解くことにより、N個の誤差量E〜Eの各値を求めるようになっている。
さらに、図示されていないが本実施形態の誤差量測定装置は、被検レンズ1のロード/アンロード操作を自動的に行うためのサンプルステージ移動機構を備えている。このサンプルステージ移動機構は、本願出願人による特願2005−269217号明細書(特開2007−78593号公報参照。以下「先願明細書1」と称する)および特願2006−223668号明細書(以下「先願明細書2」と称する)に記載されたものと同様のものであり、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の一実施形態に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法(以下、単に「誤差量測定方法」と称することがある)について説明する。なお、本実施形態の誤差量測定方法は、上述した誤差量測定装置を用いて行われる。また、上記N個の誤差量E〜Eの例として、被検レンズ1の面倒れおよび面ずれを取り上げ、かつこれら面倒れおよび面ずれに対し上式(1)の線形関係を有する上記N個の回転非対称収差Ω〜Ωの例として、ザイデルの3次のコマ収差および5次のコマ収差を取り上げて説明する。
ここで、本実施形態における面倒れと面ずれの定義を示す。図5は面倒れと面ずれについての説明図であり、同図(A)は面倒れのみが生じている状態を示し、同図(B)は面ずれのみが生じている状態を示している。また、同図(C)は面倒れと面ずれが共に生じている状態を示している。なお、図5に示す非球面レンズ50は上記被検レンズ1とは異なるものであるが、上記被検レンズ1や下述するシミュレーション用被検レンズの面倒れと面ずれについても同様に定義される。また、図5では簡略化のため、非球面レンズ50の2つレンズ面(第1レンズ面51および第2レンズ面52)が互いに分離しているように示してある。
図5(A)に示すように、本実施形態においては、第1レンズ面51の中心軸C(第1レンズ面51の非球面式によって決定される)と、第2レンズ面52の中心軸C(第2レンズ面52の非球面式によって決定される)との相対的な傾き角α(2つの中心軸C,Cのなす角;2つの中心軸C,Cが互いに交わらない場合は、それぞれの方向ベクトルのなす角)を、非球面レンズ50の面倒れ(傾き角αの大きさを面倒れ量、中心軸Cに対する中心軸Cの傾き方向を面倒れ方向)と定義する。また、第1レンズ面51およびその中心軸Cは、第1レンズ面51の中心点P(中心軸Cと第1レンズ面51との交点)を回転中心として傾き、第2レンズ面52およびその中心軸Cは、第2レンズ面52の中心点P(中心軸Cと第2レンズ面52との交点)を回転中心として傾くと仮定する。
図5(B)に示すように、本実施形態においては、第1レンズ面51の中心軸Cと第2レンズ面52の中心軸Cとの相対的な位置ずれ(中心軸C,Cは互いに平行)を、非球面レンズ50の面ずれ(2つの中心軸C,Cの間の距離βを面ずれ量、中心軸Cに対して中心軸Cの位置する方向を面ずれ方向)と定義する。
なお、2つの中心軸C,Cを面倒れの回転中心とする上述の仮定を考慮すれば、この面ずれの定義は、第2レンズ面52の中心軸Cに対する第1レンズ面51の中心点Pの位置ずれ(中心軸Cと中心点Pとの距離を面ずれ量、中心軸Cを中心として中心点Pの位置する方向を面ずれ方向)を面ずれと定義した場合と同じ内容を表す。すなわち、図5(C)に示すように、非球面レンズ50に面倒れと面ずれが共に生じている場合には、図5(C)に示す状態から面倒れを取り除いた状態(第1レンズ面51および中心軸Cを、中心点Pを回転中心として回転させて、2つの中心軸C,Cが互いに平行となるようにした状態)において残存する、2つの中心軸C,C同士の相対的な位置ずれを、非球面レンズ50の面ずれと定義するが、これは、図5(C)に示す状態において、中心軸Cに対する中心点Pの位置ずれと同じことを表している。
以下、本実施形態の誤差量測定方法の手順を説明する。
〈1〉まず、コンピュータシミュレーションにより、上記被検レンズ1の面ずれと、該面ずれに起因して被検レンズ1に発生するザイデルの3次および5次のコマ収差との関係(具体的には、後述する下式(4)、(5)における係数a3Z,a5Zの各値)を求める。
このコンピュータシミュレーションでは、被検レンズ1を模したシミュレーション用被検レンズ(以下、「模擬レンズ」と称する)と、上記ヌルミラー6を模したシミュレーション用ヌル光学素子(以下、「模擬ヌルミラー」と称する)とを設定してコンピュータシミュレーションを行うが、模擬レンズと模擬ヌルミラーの中心軸との相対位置の設定方法に関して、次のような2つの手法(手法Aと手法B)が考えられる。そこで以下においては、手法Aによる場合と手法Bによる場合とに分けて、コンピュータシミュレーションの手順について説明する。
手法A
(a)模擬レンズをコンピュータ上に設定されたXY平面の原点位置にセットする(模擬レンズの第2レンズ面(下面)の中心軸が、XY平面の原点位置においてXY平面と垂直となるようにする)。
(b)模擬レンズに所定の面ずれ量(面ずれ方向は、例えばX方向とする)を入力する(第2レンズ面は固定したまま、第1レンズ面(上面)を、その中心軸が第2レンズ面の中心軸と平行な状態を維持したままずらす)。
(c)模擬ヌルミラーの中心軸の位置を入力する。このとき、模擬ヌルミラーの中心軸と、模擬レンズの第2レンズ面の中心軸とが互いに所定量ずれるようにする(ずらす方向については、模擬レンズの第1レンズ面のずれ方向がX方向の場合は、同じくX方向とする)。
(d)上述の設定条件において、模擬レンズの透過波面測定のシミュレーションを行い、模擬レンズの透過波面収差Φ(x,y)を求める。
(e)求められた透過波面収差Φ(x,y)に対し、下式(2)で示される2次のべき級数関数F(x,y)により最小2乗フィッティングを行い、下記の係数A、B、Cの値を求める。
Figure 2009145081
(f)上記手順(c)で入力された値とは異なるように、模擬ヌルミラーの中心軸の位置をずらして入力し、この条件下において、上記手順(d)、(e)と同様にして、係数A、B、Cの値を求める。
(g)上記手順(e)、(f)で得られた結果より、上式(2)においてチルト成分を示す係数(X方向にずらした場合は係数B)と、模擬ヌルミラーの中心軸の位置(X方向にずらした場合は座標x)との対応関係を示すグラフ(1次関数)を求める。
(h)求められたグラフから、係数Bが0となるときの模擬ヌルミラーの中心軸の位置を算定する。
(i)上記手順(h)で算定された模擬ヌルミラーの中心軸位置を入力するとともに、上記手順(b)において面ずれ量が設定された模擬レンズの透過波面測定のシミュレーションを行って模擬レンズの透過波面収差を求め、そこから模擬レンズの3次および5次のコマ収差(またはコマ収差RMS)をそれぞれ求める。
(j)上記手順(b)で入力された値とは異なるように模擬レンズに別の面ずれ量を入力した後、上記手順(c)〜(i)を行って、上記別の面ずれ量が与えられたときの模擬レンズの3次および5次のコマ収差をそれぞれ求める。
(k)上記手順(i)と上記手順(j)(複数回行ってもよい)との結果により、上記係数Bが0となる条件においての、模擬レンズの面ずれと該面ずれに起因する3次および5次のコマ収差との関係を求める。
手法B
(a´)模擬レンズをコンピュータ上に設定されたXY平面の原点位置にセットする(模擬レンズの第2レンズ面(下面)の中心軸が、XY平面の原点位置においてXY平面と垂直となるようにする)。
(b´)模擬レンズに所定の面ずれ量を入力する(第2レンズ面は固定したまま、第1レンズ面(上面)を、その中心軸が第2レンズ面の中心軸と平行な状態を維持したままずらす)。
(c´)模擬ヌルミラーの中心軸の位置を入力する。このとき、模擬ヌルミラーの中心軸と、模擬レンズの第2レンズ面の中心軸とが互いに所定量ずれるようにする。
(d´)上述の設定条件において、模擬レンズの透過波面測定のシミュレーションを行い、模擬レンズの透過波面収差Φ´(x,y)を求める。
(e´)求められた透過波面収差Φ´(x,y)を、所定のべき級数(例えば、ツェルニケ多項式)を用いて展開する。
(f´)上記手順(e´)により得られた展開式から、ザイデルの3次収差のチルト係数とコマ係数の各値を求める。
(g´)上記手順(c´)で入力された値とは異なるように、模擬ヌルミラーの中心軸の位置をずらして入力するとともに、この条件において、上記手順(d´)〜(f´)を行い、新たにチルト係数の値を求める。
(h´)上記手順(f´)、(g´)でそれぞれ得られた結果より、チルト係数の値と模擬ヌルミラーの中心軸の位置との対応関係を示すグラフ(1次関数)を求める。
(i´)上記手順(f´)で求められたチルト係数の値とコマ係数の値との差の2分の1の値を、下式(3)により求める。
Figure 2009145081
(j´)上式(3)で求められた値をシフト係数として、模擬ヌルミラーの中心軸の位置をずらして入力するとともに、この条件において、上記手順(d´)〜(f´)を行い、上記手順(g´)で求めたチルト係数の値を更新する。
(k´)更新されたチルト係数の値と、上記手順(f´)で求められたコマ係数の値との差の2分の1の値を、上式(3)により求める。
(l´)上記手順(j´)、(k´)を複数回繰り返して行い、チルト係数の値とコマ係数の値とが互いに略等しくなるときの模擬ヌルミラーの中心軸の位置を、上記手順(h´)で得られたグラフから求める。
(m´)チルト係数の値とコマ係数の値とが互いに略等しくなるときの模擬ヌルミラーの中心軸の位置を入力するとともに、上記手順(b´)において面ずれ量が設定された模擬レンズの透過波面測定のシミュレーションを行って模擬レンズの透過波面収差を求め、これより模擬レンズの3次および5次のコマ収差(またはコマ収差RMS)をそれぞれ求める。
(n´)上記手順(b´)で入力された値とは異なるように模擬レンズに別の面ずれ量を入力した後、上記手順(c´)〜(m´)を行って、上記別の面ずれ量が与えられたときの模擬レンズの3次および5次のコマ収差をそれぞれ求める。
(o´)上記手順(m´)と上記手順(n´)(複数回行ってもよい)との結果により、チルト係数の値とコマ係数の値とが互いに略等しくなるときの条件においての、模擬レンズの面ずれと該面ずれに起因する3次および5次のコマ収差との関係を求める。
〈2〉続いて、同様のコンピュータシミュレーションにより、上記被検レンズ1の面倒れと、該面倒れに起因して被検レンズ1に発生するザイデルの3次および5次のコマ収差との関係(具体的には、後述する下式(4)、(5)における係数a3T,a5Tの各値)を求める。
このコンピュータシミュレーションにおいても、模擬レンズと模擬ヌルミラーの中心軸との相対位置の設定方法に関して、上記手法A,Bにそれぞれ準じた2つの手法が考えられる。詳細な手順については、上記手法A,Bの各手順に記載された「面ずれ」、「面ずれ量」および「面ずれ方向」を、「面倒れ」、「面倒れ量」および「面倒れ方向」にそれぞれ読み替えればよい。また、模擬レンズに面倒れ量を入力する場合、第2レンズ面は固定したまま、第1レンズ面を、その中心軸が第1レンズ面の中心点を回転中心として傾動するように傾けるようにすればよい。
なお、上記手法A,Bを用いて、それぞれ複数のケースについてシミュレーションした結果、被検レンズ1の面倒れ(Eと表記する)および面ずれ(Eと表記する)と、ザイデルの3次のコマ収差(Ω3Cと表記する)および5次のコマ収差(Ω5Cと表記する)(いずれも大きさおよび方向を有するベクトルとして扱う)との間には、下式(4)、(5)の線形関係が成立することが確かめられた。そこで、上述のコンピュータシミュレーションの結果に基づき、下式(4)、(5)における各係数a3T,a3Z,a5T,a5Zの値をそれぞれ求める(係数算定ステップ)。
なお、下式(4)、(5)は、上式(1)に対応するものであり、上式(1)における定数bjkに相当する各定数の値は、本実施形態ではいずれも0(面倒れEと3次のコマ収差Ω3C、面倒れEと5次のコマ収差Ω5C、面ずれEと3次のコマ収差Ω3C、および面ずれEと5次のコマ収差Ω5Cは、いずれも比例関係)となっている。また、下式(4)、(5)では、ザイデルの3次のコマ収差Ω3Cおよび5次のコマ収差Ω5Cと、被検レンズ1の面倒れEおよび面ずれEとの間に成立する線形関係を、X方向およびY方向の各方向成分に分解して表している。また、求められた各係数a3T,a3Z,a5T,a5Zの値は、上記係数テーブル34に格納される。
Figure 2009145081
ここで、Ω3Cx,Ω3Cyはザイデルの3次のコマ収差Ω3CのX、Yの各方向成分を示し、Ω5Cx,Ω5Cyはザイデルの5次のコマ収差量Ω5CのX、Yの各方向成分を示し、ETx,ETyは被検レンズ1の面倒れEのX、Yの各方向成分を示し、EZx,EZyは被検レンズ1の面ずれEのX、Yの各方向成分を示している。
なお、上述のザイデルの3次のコマ収差Ω3Cの大きさ(3次のコマ収差量|Ω3C|)および方向(3次のコマ角度θ3C)と、ザイデルの5次のコマ収差Ω5Cの大きさ(5次のコマ収差量|Ω5C|)および方向(5次のコマ角度θ5C)は、透過波面測定により得られる透過波面収差を、例えば10次のツェルニケ多項式により展開したときの係数A,A,A13,A14を用いて、それぞれ下式(6)〜(9)により求められる。
Figure 2009145081
ここで、図6に、10次のツェルニケ多項式の係数A,Aに対応した波面形状の一例を示す。同図(a)は係数Aに対応した波面形状を示し、同図(b)は係数Aに対応した波面形状を示している。また、同図(c)は同図(a)の波面のX方向(図中左右方向)に沿った断面形状を示すグラフ(縦軸は任意単位、横軸は画素を単位とする。このことは、以下の図7(c)、図8(c)、図9(c)についても同様)である。
また、図7に、10次のツェルニケ多項式の係数A13,A14に対応した波面形状の一例を示す。同図(a)は係数A13に対応した波面を示し、同図(b)は係数A14に対応した波面を示している。また、同図(c)は同図(a)に対応した波面のX方向(図中左右方向)に沿った断面形状を示すグラフである。
〈3〉上述のコンピュータシミュレーションにより、被検レンズ1の面倒れEおよび面ずれEとザイデルの3次および5次のコマ収差Ω3C,Ω5Cとの関係を求めた後(上記各係数a3T,a3Z,a5T,a5Zの値を求めた後)、被検レンズ1の透過波面測定に移るが、この透過波面測定に先立って、上記誤差量測定装置の予備調整を行う。例えば、図1に示す透過型基準板4の基準面4aと測定用光束の軸とが、互いに垂直となるように設定する基準面傾き調整や、レンズ搭載治具5のレンズ搭載面(図中上面)と基準面4aとが互いに平行となるように設定するレンズ搭載治具5の傾き調整を行う。これら調整の具体的手順については、上記先願明細書2に記載されており、詳細な説明は省略する。
〈4〉上記予備調整完了後、レンズ搭載治具5に被検レンズ1をセットし、被検レンズ1のレンズ部2に対する透過波面測定を行い、該測定により得られた干渉縞画像に基づき、被検レンズ1の3次および5次のコマ収差Ω3C,Ω5Cの各発生量を求める(回転非対称収差測定ステップ)。このコマ収差の測定は、以下の手順で行われる。
まず、手動2軸チルトステージ12により、ヌルミラー6の中心軸と透過型基準板4の基準面4aとが互いに垂直となるように、ヌルミラー6の傾きを調整する。この傾き調整は、透過型基準板4を透過してヌルミラー6の反射平面部6bに照射された光束の戻り光と、透過型基準板4の基準面4aからの戻り光との干渉により得られる干渉縞が、ヌル縞となるように行われる。
次いで、電動X軸ステージ15および電動Y軸ステージ16により、被検レンズ1に対するヌルミラー6の中心軸の相対位置を決定する。この相対位置の決定は、被検レンズ1とヌルミラー6の中心軸との相対位置を複数回ずらしながら、被検レンズ1のレンズ部2に関する波面収差測定を行うとともに、各波面収差測定の結果から、被検レンズ1に対するヌルミラー6の中心軸の位置と被検レンズ1の波面収差との関係を求め、この求められた関係に基づき行われる。より具体的には、上記手順〈1〉、〈2〉で行うコンピュータシミュレーションで用いられる手法A,Bを適用して、ヌルミラー6の中心軸の位置を決定することができる。
決定された位置にヌルミラー6を設置して、被検レンズ1のレンズ部2に対する透過波面測定を行う。すなわち、透過型基準板4およびレンズ部2を透過してヌルミラー6の反射非球面部6aに照射された光束の戻り光(反射非球面部6aで反射された後、再びレンズ部2を透過する)と、透過型基準板4の基準面4aからの戻り光との干渉により得られる干渉縞を解析して、被検レンズ1に実際に生じているザイデルの3次および5次のコマ収差Ω3C,Ω5Cの各発生量を求める。
〈5〉上記手順〈2〉で求められた各係数a3T,a3Z,a5T,a5Zの値と、上記手順〈4〉で求められた3次および5次のコマ収差Ω3C,Ω5Cの各発生量の値とを、上式(4)、(5)に代入してなる連立方程式を解くことにより、被検レンズ1の面倒れEおよび面ずれEの各値(面倒れEの方向と大きさ、および面ずれEの方向と大きさ)を求める(誤差量算定ステップ)。
〈6〉上記手順〈5〉で求められた面倒れEの方向と大きさ、および面ずれEの方向と大きさに係る識別情報を、上記レーザマーカ18により被検レンズ1にマーキングする。具体的には、例えば、面倒れEについては、面倒れEの方向線上に位置する被検レンズ1の張出部3の外周面の部位に所定のマーク(例えば縦線「|」)を刻印し、その脇に面倒れEの大きさを示す数値や大きさの程度を示すマーク(例えば「○」、「△」、「□」)等を刻印する。面ずれEについても同様に、面ずれEの方向線上に位置する被検レンズ1の張出部3の外周面の部位に、面倒れEの方向とは区別し得る所定のマーク(例えば矢印「↑」)を刻印し、その脇に面倒れEの大きさを示す数値や大きさの程度を示すマーク(例えば「◎」、「▽」、「◇」)等を刻印する。なお、マーキングすべき位置とレーザマーカ18との位置調整は、上記θステージ13等を用いて行うことができる。
以上の手順により、被検レンズ1の面倒れEおよび面ずれEを、互いに分離して高精度に測定することが可能となる。また、面倒れEおよび面ずれEの方向および大きさを識別可能なマーク等を被検レンズ1に刻印しておくことにより、被検レンズ1を鏡胴等に組み込む際の作業が容易となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、種々の態様のものを実施形態とすることができる。
例えば、上記実施形態では、所定のN個の誤差量E〜Eの例として、被検レンズ1の面倒れEおよび面ずれEを挙げているが、この他の例として、被検レンズ1の干渉計本体部20の光軸に対する位置ずれや傾きずれ、ヌルミラー6の干渉計本体部20の光軸に対する位置ずれや傾きずれ等の誤差量を挙げることができる。
また、上記実施形態では、所定のN個の誤差量E〜Eと上式(1)の線形関係を有する少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの例として、被検レンズ1の面倒れEおよび面ずれEと上式(4)、(5)の線形関係を有するザイデルの3次および5次のコマ収差Ω3C,Ω5Cを挙げているが、この他の例として、ザイデルの7次および9次のコマ収差や、3次、5次、7次および9次のアス収差を挙げることができる。
なお、上述のザイデルの7次のコマ収差(Ω7Cと表記する)の大きさ(7次のコマ収差量|Ω7C|)と、ザイデルの9次のコマ収差(Ω9Cと表記する)の大きさ(9次のコマ収差量|Ω9C|)は、10次のツェルニケ多項式の係数A22,A23,A33,A34を用いて、それぞれ下式(10)、(11)により求められる。
Figure 2009145081
ここで、図8に、10次のツェルニケ多項式の係数A22,A23に対応した波面形状の一例を示す。同図(a)は係数A22に対応した波面形状を示し、同図(b)は係数A23に対応した波面形状を示している。また、同図(c)は同図(a)の波面のX方向(図中左右方向)に沿った断面形状を示すグラフである。
また、図9に、10次のツェルニケ多項式の係数A33,A34に対応した波面形状の一例を示す。同図(a)は係数A33に対応した波面形状を示し、同図(b)は係数A34に対応した波面形状を示している。また、同図(c)は同図(a)の波面のX方向(図中左右方向)に沿った断面形状を示すグラフである。
また、上記実施形態では、求めたい誤差量(面倒れおよび面ずれ)と、これらと線形関係にある回転非対称収差(3次および5次のコマ収差)との数が一致し、このため連立方程式の解を一意的に求められる好ましい態様を示しているが、求めたい誤差量の数よりも回転非対称収差の数が多くても構わない。この場合、得られる方程式の数が未知数(誤差量)の数を上回ることになるが、例えば、全体の方程式の中から解(誤差量の値)を得るのに必要な方程式の組を複数選択し、各組における連立方程式の各々の解の平均値を求める誤差量の値とすることができる。
また、上記実施形態では、張出部3を備えた被検レンズ1を測定する場合について説明しているが、本発明は、前掲の特許文献1に記載されている手法とは異なり、被検レンズ1がこのような張出部3を備えていることを必要としない。このため、このような張出部3を備えていない被検レンズ(例えば、両凹形状のレンズやメニスカス形状のレンズ)を測定することも可能である。
また、上記実施形態では、両面が共に非球面で構成された非球面レンズを測定対象として例示しているが、本発明は、一方のレンズ面が非球面、他方のレンズ面が球面で構成された非球面レンズを測定対象とすることも可能である。
また、本発明は、本願出願人による特願2006−268745号明細書において開示されているような透過型のヌル光学素子(ヌルレンズ)を用いた測定に対しても適用することが可能である。
一実施形態に係る回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置の概略構成図 図1に示す解析装置の概略構成図 図2に示す係数テーブルの概略構成図 被検レンズの形状を示す概略図 面倒れと面ずれの説明図 10次のツェルニケ多項式の係数A,Aに対応した波面形状を示す図 10次のツェルニケ多項式の係数A13,A14に対応した波面形状を示す図 10次のツェルニケ多項式の係数A22,A23に対応した波面形状を示す図 10次のツェルニケ多項式の係数A33,A34に対応した波面形状を示す図
符号の説明
1 被検レンズ
2 レンズ部
2a (被検レンズの)第1レンズ面
2b (被検レンズの)第2レンズ面
3 張出部
3a (張出部の)上面
3b (張出部の)下面
4 透過型基準板
4a (透過型基準板の)基準面
5 レンズ搭載治具
5a 中央窓
5b 張出部用窓
5c 反射平面部用窓
6 ヌルミラー(反射型のヌル光学素子)
11 手動2軸チルトステージ(透過型基準板調整用)
12 手動2軸チルトステージ(ヌルミラー調整用)
13 θステージ
14 電動2軸チルトステージ
15 電動X軸ステージ
16 電動Y軸ステージ
17 電動Z軸ステージ
18 レーザマーカ
20 干渉計本体部
21 光源
22 ビーム径拡大用レンズ
23 ビームスプリッタ
24 コリメータレンズ
25 結像レンズ
26 撮像手段
27 解析装置
28 モニタ装置
29 入力装置
30 被検体ポジショニング部
31 係数出力手段
32 回転非対称収差測定手段
33 誤差量算定手段
34 係数テーブル
50 非球面レンズ
51 (非球面レンズの)第1レンズ面
52 (非球面レンズの)第2レンズ面
(第1レンズ面の)中心軸
(第2レンズ面の)中心軸
(第1レンズ面の)中心点
(第2レンズ面の)中心点

Claims (8)

  1. 被検レンズの回転非対称な収差の発生要因となる所定のN個の誤差量E〜E(Nは2以上の整数)を測定する方法であって、
    前記N個の誤差量E〜Eに対し下式(1)の線形関係をそれぞれ有するとみなせる少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωを選択し、コンピュータシミュレーションにより、下式(1)における各係数ajkおよび各定数bjk(j、kは1〜Nまでの任意の整数)の値をそれぞれ求める係数算定ステップと、
    ヌル光学素子を備えた干渉計を用いて前記被検レンズに対する透過波面測定を行い、該透過波面測定により得られた干渉縞画像に基づき、前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量を求める回転非対称収差測定ステップと、
    前記係数算定ステップにおいて求められた前記各係数ajkおよび各定数bjkの値と、前記回転非対称収差測定ステップにおいて求められた前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量の値とを、下式(1)に代入してなる連立方程式を解くことにより、前記N個の誤差量E〜Eの各値を求める誤差量算定ステップと、
    をこの順に行うことを特徴とする回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法。
    Figure 2009145081
  2. 前記被検レンズは、該被検レンズの2つのレンズ面のうち少なくとも一方が非球面で形成された非球面レンズであり、
    前記N個の誤差量E〜Eは、前記2つのレンズ面それぞれの軸同士の相対的な位置ずれである面ずれと、前記2つのレンズ面それぞれの軸同士の相対的な傾きずれである面倒れとを含むものである、ことを特徴とする請求項1記載の回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法。
  3. 前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωは、ザイデルの3次のコマ収差と5次のコマ収差とを含むものである、ことを特徴とする請求項1または2記載の回転非対称収差の発生要因誤差量測定方法。
  4. 被検レンズの回転非対称な収差の発生要因となる所定のN個の誤差量E〜E(Nは2以上の整数)を測定する装置であって、
    ヌル光学素子を備えた干渉計と、解析装置とを備え、
    該解析装置は、
    前記N個の誤差量E〜Eに対し下式(1)の線形関係をそれぞれ有するとみなせるものとして選択された少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωに基づき、該少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各々に対応する値としてコンピュータシミュレーションにより求められた下式(1)における各係数ajkおよび各定数bjk(j、kは1〜Nまでの任意の整数)の値をそれぞれ出力する係数出力手段と、
    前記ヌル光学素子を備えた干渉計による、前記被検レンズに対する透過波面測定により得られた干渉縞画像に基づき、前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量を求める回転非対称収差測定手段と、
    前記係数出力手段から出力された前記各係数ajkおよび各定数bjkの値と、前記回転非対称収差測定手段において求められた前記少なくともN個の回転非対称収差Ω〜Ωの各発生量の値とを、下式(1)に代入してなる連立方程式を解くことにより、前記N個の誤差量E〜Eの各値を求める誤差量算定手段と、
    を備えてなることを特徴とする回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置。
    Figure 2009145081
  5. 前記被検レンズと前記ヌル光学素子との相対的な傾き姿勢を変化させる傾き姿勢可変手段と、
    前記被検レンズと前記ヌル光学素子との、互いに直交する3軸方向の相対的な位置を変化させる3軸方向位置可変手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置。
  6. 求められた前記N個の誤差量E〜Eの方向および/または大きさに係る識別情報を、前記被検レンズにマーキングするマーキング手段を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置。
  7. 前記ヌル光学素子は、反射型のヌル光学素子であることを特徴とする請求項4〜6までのうちいずれか1項記載の回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置。
  8. 前記ヌル光学素子は、透過型のヌル光学素子であることを特徴とする請求項4〜6までのうちいずれか1項記載の回転非対称収差の発生要因誤差量測定装置。
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