JP2009145027A - インラインヒータ - Google Patents
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Abstract
【課題】急速な発熱が可能であって、かつ、コンパクトで、省エネ性およびクリーン化の要請についても満足することができるインラインヒータを提供する。
【解決手段】配管1と、発熱体2とを備え、配管1内を流通する熱媒体を、発熱体2により加熱するインラインヒータであって、発熱体2と配管1とが金属ブロック3に埋設され、発熱体2が棒状であり、かつ、配管1が、棒状発熱体2の外周に沿って螺旋状に配置されている。棒状発熱体2および配管1は、金属ブロック3内に鋳込まれていることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】配管1と、発熱体2とを備え、配管1内を流通する熱媒体を、発熱体2により加熱するインラインヒータであって、発熱体2と配管1とが金属ブロック3に埋設され、発熱体2が棒状であり、かつ、配管1が、棒状発熱体2の外周に沿って螺旋状に配置されている。棒状発熱体2および配管1は、金属ブロック3内に鋳込まれていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明はインラインヒータに関し、詳しくは、装置の近傍の配管途中に配置して使用することが可能なインラインヒータに関する。
近年、液体加熱や空気加熱に使用されるヒータとして、コンパクトで省エネルギーを実現できるヒータに対する要求が高まっている。従来のヒータは、加熱する場合も冷却する場合も大型装置にて全体を温調して供給するシステムが多く、配管長さによっては温度変化が大きくなって、必要な部位にて効率が悪いため、それを補うために大容量装置とならざるを得なかった。また、特に、半導体製造装置などにおけるプロセス上は、きわめてクリーンなシステムに対する要求もある。
従来の一般的な温水装置としては、図4に示すように、大きなバッファタンク11内を投げ込みヒータ12等にて加熱して、加熱された熱媒体をポンプ13にて装置内の必要な部位14,15に供給するものが挙げられる。この場合、上記したように、配管長さによっては、部位14から部位15に循環するまでの間に熱媒体の温度が低下してしまうという問題が生ずる。
これに対し、図5に示すように、必要な部位14,15の近傍にインラインでヒータ16を配置して、高温の熱媒体を必要な部位14,15に供給する技術が知られている。しかし、図示するように、インラインとして必要な部位の近くに設置して効率を上げるためには、急速な発熱が可能であって、コンパクトで省エネルギーかつクリーンなヒータを用いることが必要であり、でなければ分離化は、却って効率を低下させてしまうと考えられる。
クリーンを維持できるインラインヒータとしては、例えば、特許文献1に開示されているように、石英等のパイプを配管に利用して、外部から加熱する構造が考えられるが、この構造では、石英管内部の熱媒体は、輻射により加熱されることになる。輻射加熱では気体には熱が伝わらないため、熱媒体として液体を用いる場合はよいが、N2、H2、O2等の気体を用いる場合には、この構造は適用できなかった。これに対し、熱伝導によれば気体も加熱可能であることから、SUS等の金属材料に溝を形成して配管とし、これを外部から加熱する構造も考えられるが、この場合、熱媒体として気体を用いるとパーティクルが生ずるという問題があった。
さらに、最近ではIH(電磁誘導加熱)ヒータとして、配管の外から高周波により加熱する方式も提案されているが、このIHヒータは、構造が複雑であり、電源を含めて、コストやサイズ等の種々の課題が残っているのが現状である。
特開平10−339504号公報(特許請求の範囲等)
上記のように、インラインヒータについては、これまでに種々検討されてきているが、未だ十分なものではなく、上記要求性能を満足できるインラインヒータの実現が望まれていた。
そこで本発明の目的は、コンパクトで、省エネルギー性およびクリーン化の要請についても満足することができ、急速な昇温にも対応可能なインラインヒータを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、実際のプロセスに用いる配管を金属ブロック内に埋設して、これを外部から加熱する構造とすることで、上記課題を解決しうるインラインヒータが得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のインラインヒータは、配管と、発熱体とを備え、該配管内を流通する熱媒体を、該発熱体により加熱するインラインヒータであって、前記発熱体と前記配管とが金属ブロックに埋設され、前記発熱体が棒状であり、かつ、前記配管が、該棒状発熱体の外周に沿って螺旋状に配置されていることを特徴とするものである。
本発明においては、前記棒状発熱体および配管が、前記金属ブロック内に鋳込まれていることが好ましく、この場合、前記金属ブロックとしては、好適にはアルミニウムからなるものを用いる。また、前記棒状発熱体としては、炭化ケイ素発熱体を好適に用いることができる。
本発明によれば、発熱体および配管を金属ブロック内に直接埋設した状態で、配管を発熱体にて加熱する構造としたことで、金属ブロックからの熱伝導の効率が高く、発熱体の熱効率を失うことの少ないインラインヒータとすることができる。また、発熱体を棒状とし、配管をその外周に沿って螺旋状に配置するものとしたことで、配管距離を長くして、熱媒体との接触面積を増大することができ、より多くの伝熱熱量(出力温度)を得ることが可能である。したがってこれにより、コンパクトで、省エネ性およびクリーン化の要請についても満足することができ、半導体製造等のプロセスに好適に対応可能なインラインヒータを実現することが可能となった。さらに、発熱体として炭化ケイ素発熱体を用いた場合には、急速な発熱による急速昇温が可能となるというメリットも得られるものである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の一好適例のインラインヒータの一部切欠き斜視図を示す。図示するように、本発明の好適例のインラインヒータ10は、配管1と炭化ケイ素発熱体(ヒータ本体)2とを備え、配管1内を流通する熱媒体を、炭化ケイ素発熱体2により加熱するものである。
図1に、本発明の一好適例のインラインヒータの一部切欠き斜視図を示す。図示するように、本発明の好適例のインラインヒータ10は、配管1と炭化ケイ素発熱体(ヒータ本体)2とを備え、配管1内を流通する熱媒体を、炭化ケイ素発熱体2により加熱するものである。
本発明においては、図示するように、炭化ケイ素発熱体2と配管1とが金属ブロック3に埋設されており、炭化ケイ素発熱体2が棒状であって、かつ、配管1が、その外周に沿って螺旋状に配置されている。通常半導体製造プロセスに用いられる配管1を金属ブロック3内に埋め込んだ状態で発熱体2により加熱する構造としたことで、配管が直接加熱されるために発熱効率を高めることができるとともに、熱媒体が気体である場合でも熱伝導により効率的に加熱を行うことができ、さらに、熱ロスについても低減することが可能となった。また、既存のプロセス用配管をそのまま埋め込むため、配管部分を別途作製する場合とは異なり、コスト性に優れるとともに、パーティクルや汚染の発生をなくすことができることから、クリーン化の要請についても満足できる。
さらに、配管1を、棒状発熱体2の周囲に螺旋状に配置したことで、インラインヒータ内に埋設される配管長さが長くなり、熱媒体との接触面積が増大するため、より多くの伝熱熱量(出力温度)を得ることができる。出力温度を上げる手段としては、ブロック温度(接触温度)を上げる方法があるが、熱媒体の種類によっては、比熱容量等の要因により温度が上がらない場合もある。そこで、棒状発熱体の外周全面を利用して、その外周に沿って配管を螺旋状に設置することで、配管距離を自由に調整して、出力温度を高めることが可能となるのである。
配管の曲げ半径の制限により、平面状で配置できる配管長さには限界があるが、図示するような螺旋状での配管であれば、長さ方向の効率をより増大することができる。例えば、配管の曲げ半径をRとした場合、図2(a)に示すように、面状発熱体の両側に平面状に配管1を配置する場合を考えると、発熱体により加熱される配管長さは、下記式のとおりとなる。
配管長さ(面状両側配置)=2πR(例えば、ブロック□50×40mmの場合、配管長さ=2×π×20=0.13m)
これに対し、図2(b)に示すように、棒状発熱体の外周に螺旋状に配管1を配置する場合を考えると、配管の螺旋状の周回数をLとした場合、発熱体により加熱される配管長さは、下記式のとおりとなる。
配管長さ(螺旋状配置)=2πR×L(例えば、ブロックφ50×40mm、L=4回の場合、配管長さ=2×π×20×4=0.5m)
配管長さ(面状両側配置)=2πR(例えば、ブロック□50×40mmの場合、配管長さ=2×π×20=0.13m)
これに対し、図2(b)に示すように、棒状発熱体の外周に螺旋状に配管1を配置する場合を考えると、配管の螺旋状の周回数をLとした場合、発熱体により加熱される配管長さは、下記式のとおりとなる。
配管長さ(螺旋状配置)=2πR×L(例えば、ブロックφ50×40mm、L=4回の場合、配管長さ=2×π×20×4=0.5m)
なお、下記の対流熱伝達の計算式からも、熱伝達率が一定であれば接触面積を上げることで伝熱熱量が稼げることがわかる。
Q=h(θw−θf)A
(上記式中、Q:伝熱熱量、h:熱伝達率、θw−θf:温度差、A:接触面積である)図3に、配管を上記螺旋状配置(4周回)として、制御温度200℃にて、熱媒体としてのH2Oをそれぞれ1リットル/minおよび2リットル/minで流した際の、液体流量と出力温度との関係の一例を示す。
Q=h(θw−θf)A
(上記式中、Q:伝熱熱量、h:熱伝達率、θw−θf:温度差、A:接触面積である)図3に、配管を上記螺旋状配置(4周回)として、制御温度200℃にて、熱媒体としてのH2Oをそれぞれ1リットル/minおよび2リットル/minで流した際の、液体流量と出力温度との関係の一例を示す。
本発明のインラインヒータにおいては、棒状発熱体の周囲に配管を螺旋状に配置した状態で、これら棒状発熱態および配管を金属ブロック内に埋設したものであればよく、それ以外の装置構成の詳細については、所望に応じ、常法に従い適宜構成することができ、特に制限されるものではない。例えば、金属ブロック3の形状は、図示する例では、配管の螺旋形状に沿う円筒状に形成されているが、これには限られず、矩形状等であってもよい。
ここで、棒状発熱体2および配管1の金属ブロック3への埋設は、例えば、これら棒状発熱体2および配管1を金属ブロック3内に鋳込むことにより、好適に行うことができる。かかる観点からは、金属ブロック3の材質として、鋳込みが容易なアルミニウムを用いることが好ましい。
本発明において使用する発熱体は、棒状の形態を有するものであれば、炭化ケイ素発熱体には限定されず、一般にヒータに用いられるいかなる汎用の発熱体も用いることができる。好適には、発熱体として炭化ケイ素発熱体を用いる。炭化ケイ素発熱体2は、急速加熱が可能であるという利点を有し、また、パワー調整により温度をコントロール可能であるため、コンパクトかつクリーンで、熱効率の高いインラインヒータ10とすることができる。
本発明において、炭化ケイ素発熱体2は、従来公知の方法により製造することができるが、特に、炭化ケイ素焼結体により形成することが好ましい。炭化ケイ素焼結体は純度が高く、加熱した際に被加熱物を汚染する恐れが極めて低いためである。炭化ケイ素発熱体2は、具体的には例えば、炭化ケイ素を主成分とする原料粉末を焼結して得られた炭化ケイ素焼結体を加工、研磨する方法や、原料粉末を溶媒中に溶解してスラリーとし、型を用いて目的形状に成形した後、仮焼して金属ケイ素(シリコン)を溶融含浸させる方法等を用いて、容易に製造することができる。
このうち炭化ケイ素焼結体の製造方法について、以下に説明する。
(炭化ケイ素焼結体)
炭化ケイ素焼結体の原料として用いられる炭化ケイ素粉末としては、α型、β型、非晶質あるいはこれらの混合物等が挙げられるが、特に、焼結体の熱膨張率の点から、β型炭化ケイ素粉末が好適である。このβ型炭化ケイ素粉末のグレードには特に制限はなく、一般に市販されているβ型炭化ケイ素粉末を適宜用いることができる。炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度化の観点からは小さいことが好ましく、通常0.01〜10μm程度、特には0.05〜5μm程度が好適である。粒径が0.01μm未満であると、計量、混合などの処理工程における取扱いが困難となり、一方、5μmを超えると比表面積が小さくなり、すなわち隣接する粉体との接触面積が小さくなって、高密度化が困難となるため、いずれも好ましくない。
(炭化ケイ素焼結体)
炭化ケイ素焼結体の原料として用いられる炭化ケイ素粉末としては、α型、β型、非晶質あるいはこれらの混合物等が挙げられるが、特に、焼結体の熱膨張率の点から、β型炭化ケイ素粉末が好適である。このβ型炭化ケイ素粉末のグレードには特に制限はなく、一般に市販されているβ型炭化ケイ素粉末を適宜用いることができる。炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度化の観点からは小さいことが好ましく、通常0.01〜10μm程度、特には0.05〜5μm程度が好適である。粒径が0.01μm未満であると、計量、混合などの処理工程における取扱いが困難となり、一方、5μmを超えると比表面積が小さくなり、すなわち隣接する粉体との接触面積が小さくなって、高密度化が困難となるため、いずれも好ましくない。
特に好適に用いることができる炭化ケイ素粉末は、粒径0.05〜1μm、比表面積5m2/g以上、遊離炭素1%以下、酸素含有量1%以下のものである。また、その粒度分布については特に制限されず、炭化ケイ素焼結体の製造時において、粉体の充填密度を向上させること、および、炭化ケイ素の反応性の観点から、2つ以上の極大値を有するものも使用し得る。
本発明のインラインヒータは半導体製造装置用途に好適に使用されるものであるため、その素材となる炭化ケイ素焼結体は高純度であることが好ましい。したがって、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るために、原料の炭化ケイ素粉末についても高純度の炭化ケイ素粉体を用いることが好ましい。
高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、少なくとも1種以上のケイ素化合物を含むケイ素源と、少なくとも1種以上の加熱により炭素を生成する有機化合物を含む炭素源と、重合または架橋触媒とを均質に混合して得られた固形物を、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程を含む製造方法により得ることができる。
炭化ケイ素焼結体を製造するにあたっては、原料となる炭化ケイ素粉末とともに、非金属系焼結助剤を均質に混合する。その混合に際しては、フェノール樹脂等の非金属系焼結助剤をエチルアルコールなどの溶媒に溶解し、炭化ケイ素粉末と十分に混合する。混合は、公知の混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボールミルなどによって行うことができる。混合は、10〜30時間、特には16〜24時間にわたって行うことが好ましい。十分に混合した後は、溶媒の物性に適合する温度、例えば、先に挙げたエチルアルコールの場合には50〜60℃の温度で、溶媒を除去し、混合物を蒸発乾固させたのち、篩にかけて混合物の原料粉末を得る。なお、高純度化の観点からは、ボールミル容器やボール等の混合手段の材質を、金属をなるべく含まない合成樹脂とする必要がある。また、乾燥にあたっては、スプレードライヤーなどの造粒装置を用いてもよい。
この混合物の原料粉末の焼結工程は、温度2000〜2400℃、圧力300〜700kgf/cm2、非酸化性雰囲気下で成形金型中に配置して、ホットプレスすることにより行うことができる。なお、焼結を行う前に、後述するようにこの原料粉末を成形して、成形体とすることもできる。
焼結工程に使用する成形金型としては、得られる焼結体の純度の観点から、成形体と金型の金属部とが直接接触しないように、型の一部または全部に黒鉛製等の材料を使用するか、金型内にポリテトラフルオロエチレンシート(「テフロン(登録商標)シート」)等を介在させることが好ましい。
ホットプレスの圧力は、300〜700kgf/cm2とすることができるが、特に、400kgf/cm2以上に加圧する場合には、使用するホットプレス部品、例えば、ダイス、パンチ等として、耐圧性の良好なものを選択する必要がある。
次に、炭化ケイ素成形体の製造方法について、以下に説明する。
(炭化ケイ素成形体)
炭化ケイ素成形体を製造するにあたっては、まず、原料となる炭化ケイ素粉末と、炭素源と、所望により有機バインダーや消泡剤等とを溶媒中に溶解または分散することによりスラリー状の混合粉体を製造する。このスラリー状の混合粉体を、溶解、分散時に十分に攪拌混合することにより、成形後に得られるグリーン体中に、均一に気孔を分散させることができる。
(炭化ケイ素成形体)
炭化ケイ素成形体を製造するにあたっては、まず、原料となる炭化ケイ素粉末と、炭素源と、所望により有機バインダーや消泡剤等とを溶媒中に溶解または分散することによりスラリー状の混合粉体を製造する。このスラリー状の混合粉体を、溶解、分散時に十分に攪拌混合することにより、成形後に得られるグリーン体中に、均一に気孔を分散させることができる。
原料として用いる炭化ケイ素粉末および炭素源等については、原則として前述の炭化ケイ素焼結体の場合と同様のものを用いることができる。
さらに、以下の工程を用いて得られる多孔質の炭化ケイ素焼結体も、ヒータ用途に好適である。
(1)混合粉体を得る工程
まず、炭化ケイ素粉末と消泡剤とを溶媒中に分散させてスラリー状の混合粉体を製造する。次に、ミキサー、遊星ボールミルなどの攪拌混合手段を用いて、6時間〜48時間、特には12時間〜24時間にわたって攪拌混合を行う。攪拌混合が十分でないと、グリーン体中に気孔が均一分散されなくなる。
(1)混合粉体を得る工程
まず、炭化ケイ素粉末と消泡剤とを溶媒中に分散させてスラリー状の混合粉体を製造する。次に、ミキサー、遊星ボールミルなどの攪拌混合手段を用いて、6時間〜48時間、特には12時間〜24時間にわたって攪拌混合を行う。攪拌混合が十分でないと、グリーン体中に気孔が均一分散されなくなる。
(2)グリーン体を得る工程
得られたスラリー状の混合粉体を鋳込み成形用型に流し込む。その後、放置、脱型した後、40℃〜60℃の温度条件下で加熱乾燥または自然乾燥して溶媒を除去する。このようにして規定寸法のグリーン体、すなわち、スラリー状の混合粉体から溶媒を除去して得られる多くの気孔を含む炭化ケイ素成形体が得られる。
得られたスラリー状の混合粉体を鋳込み成形用型に流し込む。その後、放置、脱型した後、40℃〜60℃の温度条件下で加熱乾燥または自然乾燥して溶媒を除去する。このようにして規定寸法のグリーン体、すなわち、スラリー状の混合粉体から溶媒を除去して得られる多くの気孔を含む炭化ケイ素成形体が得られる。
(3)第1の加熱工程
得られたグリーン体を、真空雰囲気下550℃〜650℃まで約2時間程度かけて昇温する。加熱温度が550℃未満であると脱脂が不十分となり、また、脱脂は650℃前後で終了する。そのため、上記温度範囲内の一定の温度で加熱することが好ましい。昇温速度は、混合物中のバインダーの急激な熱分解による爆裂を防止するため、300℃/1時間以下とする。一定の温度に達した後、真空雰囲気下、その温度条件で30分間保持することにより、仮焼体が得られる。
得られたグリーン体を、真空雰囲気下550℃〜650℃まで約2時間程度かけて昇温する。加熱温度が550℃未満であると脱脂が不十分となり、また、脱脂は650℃前後で終了する。そのため、上記温度範囲内の一定の温度で加熱することが好ましい。昇温速度は、混合物中のバインダーの急激な熱分解による爆裂を防止するため、300℃/1時間以下とする。一定の温度に達した後、真空雰囲気下、その温度条件で30分間保持することにより、仮焼体が得られる。
(4)第2の加熱工程
次に、得られた仮焼体を、窒素ガス雰囲気下で1500℃以上の温度まで昇温する。好適には、温度1500℃〜2000℃、特には温度1500℃〜1950℃の範囲内である。加熱温度の上限を2000℃としたのは、窒素雰囲気においてドープされる窒素量は2000℃程度で平衡状態に達するため、それ以上の温度で加熱すると不経済だからである。また、加熱温度が1500℃〜2000℃の範囲から外れると、強度が低下してしまうため、この温度範囲内の一定の温度で加熱することが好ましい。特に、強度を高める観点からは、加熱温度を1700℃〜2000℃の範囲内とすることが好適である。一定の温度に達した後は、窒素ガス含有雰囲気下その温度条件で0.5〜8時間保持する。同じ加熱温度であれば、(a)保持時間を長くするか、または(b)圧力を高くすることで、炭化ケイ素焼結体中の窒素量が増加する。窒素ガス雰囲気下における圧力は、−0.5kg/m2〜0.2kg/m2が好適である。
次に、得られた仮焼体を、窒素ガス雰囲気下で1500℃以上の温度まで昇温する。好適には、温度1500℃〜2000℃、特には温度1500℃〜1950℃の範囲内である。加熱温度の上限を2000℃としたのは、窒素雰囲気においてドープされる窒素量は2000℃程度で平衡状態に達するため、それ以上の温度で加熱すると不経済だからである。また、加熱温度が1500℃〜2000℃の範囲から外れると、強度が低下してしまうため、この温度範囲内の一定の温度で加熱することが好ましい。特に、強度を高める観点からは、加熱温度を1700℃〜2000℃の範囲内とすることが好適である。一定の温度に達した後は、窒素ガス含有雰囲気下その温度条件で0.5〜8時間保持する。同じ加熱温度であれば、(a)保持時間を長くするか、または(b)圧力を高くすることで、炭化ケイ素焼結体中の窒素量が増加する。窒素ガス雰囲気下における圧力は、−0.5kg/m2〜0.2kg/m2が好適である。
本発明における炭化ケイ素発熱体2は、上記により得られる炭化ケイ素素材を適宜形状に加工することにより得られる。炭化ケイ素素材の加工方法としては、素材からの部材の切り出しについては、ワイヤー放電加工機やダイヤモンドブレードのカッターによる直線切り出し、ワイヤー放電加工機による曲線切り出しが挙げられる。穴あけには、型彫放電加工機やダイヤモンド砥石研削加工機による丸穴開け、研削加工機や型彫放電加工機による底付穴・段付穴開け、ワイヤー放電加工機や型彫放電加工機による異形穴開け、型彫放電加工機やダイヤモンドタップ機によるネジ穴加工、円筒研削盤やダイヤモンド電着チップ使用旋盤によるオスネジ加工、ダイヤモンド砥石平面研削盤やラップ盤による平面加工、型彫放電加工機や形状研削盤による溝付け加工等が挙げられる。
放電加工機、例えば、型彫放電加工機、ワイヤー放電加工機等としては、一般の金属加工用放電加工機が使用できるが、電源が高出力であるほうが加工が行い易く、加工時間も短縮できる。電源回路は安定回路内蔵型、瞬間最大加工電流50アンペア以上、最大ワイヤー送り速度15m/min.以上、使用ワイヤー径0.3mm程度のコンピードワイヤー使用を目安とすることができる。また、吹き付け型ではなく、加工液浸漬型とする。
また、素材を所望の形状にするための加工は、部品の切り出し、穴あけ、ネジたて、ボルト、ナットなどの固定具の製造および鏡面加工など、公知の機械加工の手順で行うことができる。
本発明のインラインヒータ10は、簡易な構成で小型化が可能であり、図2に示すように、必要な部位の近傍にインラインで直接設置して使用することが可能である。また、金属ブロック3にバイメタル等を用いたサーモスイッチ6を設置すれば、より簡易に制御可能で、コンパクトなインラインヒータとすることができる。
本発明のインラインヒータ10により加熱される熱媒体は液体および気体であり、液体としては、例えば、水、フッ素系溶剤としてのガルデン、パーフルオロカーボン、フロリナート等を挙げることができ、気体としては、例えば、N2,H2,O2等を挙げることができる。インラインヒータの小型化の観点からは、熱媒体として気体を用いることが有利であり、本発明のインラインヒータにおいては、特に、熱媒体として気体を用いた場合にもパーティクル発生等の問題を生ずることなく加熱が可能であるというメリットがある。
1 配管
2 炭化ケイ素発熱体(棒状発熱体)
3 金属ブロック
10 インラインヒータ
11 バッファタンク
12 投げ込みヒータ
13 ポンプ
14,15 必要な部位
16 ヒータ
2 炭化ケイ素発熱体(棒状発熱体)
3 金属ブロック
10 インラインヒータ
11 バッファタンク
12 投げ込みヒータ
13 ポンプ
14,15 必要な部位
16 ヒータ
Claims (4)
- 配管と、発熱体とを備え、該配管内を流通する熱媒体を、該発熱体により加熱するインラインヒータであって、前記発熱体と前記配管とが金属ブロックに埋設され、前記発熱体が棒状であり、かつ、前記配管が、該棒状発熱体の外周に沿って螺旋状に配置されていることを特徴とするインラインヒータ。
- 前記棒状発熱体および配管が、前記金属ブロック内に鋳込まれている請求項1記載のインラインヒータ。
- 前記金属ブロックがアルミニウムからなる請求項1または2記載のインラインヒータ。
- 前記棒状発熱体が炭化ケイ素発熱体である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のインラインヒータ。
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2007
- 2007-12-18 JP JP2007325932A patent/JP2009145027A/ja active Pending
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