JP2009144084A - ポリアミド膜形成用組成物及び透明ポリアミド膜 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明の組成物は、マトリックスとして強度の高いポリアミドからなり、これに酸性基を有する有機ケイ素化合物とアルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物との反応物を含むものであり、帯電防止性のような導電性と透明性と強度のバランスに優れている膜を提供することができる。
【選択図】なし
Description
更に、界面活性剤等の帯電防止剤は、導電性を上げようと添加量を増加させると、練り込んだ成形物の強度を大きく損なうという問題点もあった。
請求項1:
(i)窒素原子に結合する水素原子の一部がアルコキシメチル基で置換されたN−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂と、(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物と、(iii)アルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物と、(iv)有機溶剤とを含むことを特徴とするポリアミド膜形成用組成物。
請求項2:
(i)窒素原子に結合する水素原子の一部がアルコキシメチル基で置換されたN−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂と、(v)(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物と(iii)アルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物との反応物と、(iv)有機溶剤とを含むことを特徴とするポリアミド膜形成用組成物。
請求項3:
N−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するN−メトキシメチル化アミド樹脂である請求項1又は2記載のポリアミド膜形成用組成物。
(式中、R1、R2は非置換又は置換のアルキレン基を表し、m及びnはそれぞれ正の整数で、100×m/(m+n)=10〜90である。)
請求項4:
(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物が、硫黄原子含有基を酸化反応によりスルホン酸基に転換した有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリアミド膜形成用組成物。
請求項5:
(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物が、フィチン酸をエポキシ基を有するオルガノオキシシラン、シロキサン又はその(部分)加水分解縮合物と反応させて得られた有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリアミド膜形成用組成物。
請求項6:
(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物の含有量が、(i)〜(iii)成分の合計量の1〜30質量%である請求項1〜5のいずれか1項記載のポリアミド膜形成用組成物。
請求項7:
(iii)アルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物の含有量が、(i)〜(iii)成分の合計量の1〜30質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のポリアミド膜形成用組成物。
請求項8:
請求項1〜7のいずれか1項記載のポリアミド膜形成用組成物の硬化物からなることを特徴とする透明ポリアミド膜。
(i)窒素原子に結合する水素原子の一部がアルコキシメチル基で置換されたN−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂と、
(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物と、
(iii)アルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物と、
(iv)有機溶剤
を含むものである。この場合、(ii)成分と(iii)成分とは、これらを予め反応させた反応物(オルガノポリシロキサン)として配合することが好ましい。
(式中、R1、R2は非置換又は置換のアルキレン基を表し、m及びnはそれぞれ正の整数で、100×m/(m+n)=10〜90を満足する数である。)
フィチン酸基を有する有機ケイ素化合物は、フィチン酸とエポキシ基を有するオルガノオキシシラン、シロキサン又はその(部分)加水分解縮合物とを原料として反応させて得ることができる。なお、本発明において、(部分)加水分解縮合物とは、部分加水分解縮合物又は全加水分解縮合物であることを示す。
Y−SiXnR3-n (I)
(式中、Xはアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルケニロキシ基又はアリーロキシ基、Yはエポキシ基含有基、Rは1価の有機基、nは1〜3の整数を表す。)
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、アルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等が挙げられ、アルケニロキシ基としては、イソプロペノキシ基等が挙げられ、アリーロキシ基の具体例としては、フェノキシ基等が挙げられる。これらの中でもアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
最も好ましい具体例として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−403)や、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−402)が挙げられる。
スルホン酸基を有する有機ケイ素化合物は、酸化によりスルホン酸基に変換可能な硫黄原子含有基を有するオルガノシラン又はその(部分)加水分解縮合物と酸化剤とを溶媒存在下に接触させて、該硫黄原子含有基を酸化した後に、又は酸化と同時に、それを縮合させることによって得られる。
Z−(R’)−SiXnR”3-n (II)
(式中、Xは上記式(I)の定義と同様であり、Zは酸化によりスルホン酸基に変換可能な硫黄原子含有基、R’は2価の炭化水素基又は単結合、R”は1価の炭化水素基、nは1〜3の整数を表す。)
この硫黄原子の数は何個でもよいが、通常1個である。
nの数は1〜3であるが、nが小さいと、プロトン伝導体の強度が上がらない可能性があるので、より好ましくは2又は3である。nが複数の場合、加水分解性の置換基の種類は、同一であっても異なった種類のものであってもよい。
炭化水素基の種類としては、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基が挙げられ、これらの基は硫黄原子の酸化反応に影響を及ぼさない置換基を含んでいてもよい。アルキレン基としては炭素数4以下が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等が挙げられる。アリーレン基としては炭素数9以下が好ましく、フェニレン基、メチルフェニレン基及びジメチルフェニレン基等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはアルキレン基及びアリーレン基であり、アルキレン基が最も好ましい。
R”は1価の炭化水素基である。該炭化水素基の炭素数は、通常6以下、好ましくは3以下、特には1である。炭化水素基の種類としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基が挙げられ、メチル基が最も好ましい。
酸化剤として過酸化水素を、溶媒として水又はアルコールを含む溶媒を、そしてオルガノオキシシランとして上述のアルコキシシラン類を用いた場合は、アルコキシシラン中のメルカプト基等の硫黄原子含有基がスルホン酸基に酸化されると同時に、アルコキシシラン類の加水分解縮合反応も進行する。
エポキシ基を持つ式(I)の化合物とフィチン酸、あるいは硫黄原子含有基を持つ式(II)の化合物と過酸化水素を、有機溶媒存在下に十分混合して反応させて製造する。
R1 pSi(OR2)4-p
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、ビニル基、及びエポキシ官能性有機基よりなる群から選択された1価の有機基であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、そしてpは1〜3の値を有する整数である。)
とりわけ、テトラアルコキシシラン、あるいは、メチルトリメトキシシランであることが最も好ましい。
(1)アルコキシシランに対して、メルカプト基を有するシランを縮合させて、メルカプト基を有するシロキサンを得た後、該メルカプト基を酸化してスルホン酸基を有するシロキサンを製造する方法。
(2)メルカプト基を有するシランを酸化してスルホン酸基を有するシロキサンを得た後、これとアルコキシシランとを縮合させて、スルホン酸基を有するシロキサンを製造する方法。
(3)アルコキシシランに対して、エポキシ基を有するシランを縮合させて、エポキシ基を有するシロキサンを得た後、該エポキシ基をフィチン酸と反応させてフィチン酸基を有するシロキサンを製造する方法。
(4)エポキシ基を有するシランのエポキシ基とフィチン酸を反応させて、フィチン酸基を有するシランを得た後、これとアルコキシシランを縮合させてフィチン酸基を有するシロキサンを製造する方法。
このシロキサンは、通常酸性基を有する含ケイ素ポリマー又はオリゴマーである。
これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよいが、ポリアミド樹脂の溶解性が高く沸点が低いため、製膜し易いメタノールを最も好適に用いることができる。
膜は、本発明の組成物をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの湿式薄膜形成方法により塗布し、その後溶剤を気化・乾燥させることで形成される。ガラス、プラスチック、セラミックなどからなるフィルム、シートあるいはその他の成形体などの基材上に、該膜を該組成物から形成できる。また、基材としてPET(ポリエチレンテレフタレート)膜、ポリエチレン膜、含フッ素膜(例えば、ポリテトラフルオロエチレン板、フッ素系被覆膜としては、アフレックス(旭硝子(株)製))を選択したり、フッ素系離型材で被覆した膜基材上に塗布後、乾燥・架橋・不溶化して製膜した後、膜基材より剥離することにより、透明性の高い自立膜を形成することができる。
N−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂として、(株)鉛市製のファインレジンFR105(FR105と略記する場合がある。)を用いた。
アルコキシシランとして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランは、信越化学工業(株)製のKBM−403、KBM−13、KBE−04を用いた。
酸性基を有する有機ケイ素化合物として、合成実施例1によるフィチン酸をKBM−403等と反応させた有機ケイ素化合物及び合成実施例2,3によるKBE−04/KBM−13と共存させたメルカプト基含有シラン(KBM−803)の過酸化水素水による酸化により合成したスルホン酸基を有する有機ケイ素化合物を用いた。また、比較のため、アルコキシシランを全く用いないスルホン酸基を有する有機ケイ素化合物として、合成比較例1によるKBM−803の酸化により合成したスルホン酸基を有する有機ケイ素化合物を用いた。
また、有機溶剤としてメタノールを用いた。
(1)フィチン酸基含有オルガノポリシロキサンの合成
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:KBM−403)14.2g(0.06mol)とエタノール60gの混合溶液中に、激しく撹拌しながら褐色のフィチン酸50質量%水溶液66g(有効成分33g;0.05mol)を滴下すると、一時的に白濁したのち透明な溶液に変化し、反応液の温度は反応熱により21℃から29℃になった。オイルバスにより徐々に反応温度を70℃まで加温し、その状態で1時間撹拌した。この溶液を、25℃まで冷却した後、激しく撹拌しながらテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製:KBE−04)10.4g(0.05mol)とエタノール10gの混合溶液を滴下した。反応液の温度は反応熱により25℃から28℃になった。1時間撹拌した後、オイルバスにより徐々に反応温度を70℃まで加温し、その状態で4時間撹拌した。これにより、前記式(C−1)で示されるやや粘稠な微黄色透明な溶液157gを得た。
この溶液の不揮発分を105℃,3時間乾燥機中で保持することによって定量したところ、不揮発分36.4%であった。この溶液1gを塩化ナトリウム飽和水25gに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として0.1N NaOH水溶液(f=1.004)で滴定によりホスホン酸基の含有量を求めると、9.67mmol/gであった。
(2)スルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1の合成
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:KBM−803)156.8g(0.8mol)とテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製:KBE−04)166.4g(0.8mol)に対して、エタノール260g、蒸留水40gを室温で加えて溶解させた。これに、30%過酸化水素水溶液288g(2.54mol)を3時間かけて撹拌しながら滴下すると、徐々に温度が65℃まで上昇すると同時に粘度が上昇し、メルカプト基の酸化とアルコキシシリル基の加水分解が同時に進行し、ゲル状物になった。ゲル状物は、オイルバスを用いて80℃で加熱を続けると再溶解が起こり、80℃で3時間加熱撹拌を行ったところ、低粘度の均一な透明溶液が得られた。この溶液を更に80℃で3時間加熱撹拌を行って無色透明の均一溶液840gを得た。
溶液の不揮発分を105℃,3時間乾燥機中で保持することによって定量したところ、25.9%であった。この溶液1gを塩化ナトリウム飽和水25gに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として0.1N NaOH水溶液(f=1.004)で滴定によりスルホン酸基の含有量を求めると、4.83mmol/gであった。この均一な溶液を、スルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1と表記する。
(3)スルホン酸基含有オルガノポリシロキサン2の合成
合成実施例2のテトラエトキシシラン166.4g(0.8mol)の替わりに、メチルトリメトキシシラン108.8g(0.8mol)を用いる以外は同様に操作して、無色透明の均一溶液790gを得た。この均一な溶液を、スルホン酸基含有オルガノポリシロキサン2と表記する。
(4)スルホン酸基含有有機ケイ素化合物3の合成
合成実施例2のテトラエトキシシランを全く使用しない以外は同様に操作して、無色透明の均一溶液340gを得た。この均一な溶液を、スルホン酸基含有有機ケイ素化合物3と表記する。
(1)〜(4)の溶液は、不揮発分(105℃,3時間)、屈折率、pH、酸基H+の含有量を測定した。また、これらの溶液にガラス板を浸漬し、引き上げ、乾燥機中で保持することによって製膜し、水接触角、水跡、膜鉛筆硬度、表面抵抗率を測定した。表面抵抗率は、三菱化学(株)製:表面抵抗器(Hiresta−UP MCP−HT450)にて、印加電圧10Vで定量した。また、水跡については、水接触角測定時の水滴を膜表面で風乾し、その時にできた膜表面の観察により判断した。
結果は、表1にまとめた。
N−メトキシメチル化ポリアミド樹脂であるファインレジンFR105 10gをメタノール90gに加え、撹拌しながら70℃に加熱して溶解させ、10%メタノール溶液を得た。このメタノール溶液100g(N−メトキシメチル化ポリアミド樹脂成分として10g)に、撹拌下に合成実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサンのメタノール溶液5.5g(不揮発分:36.3%;2g)を添加し、十分撹拌した後、PETフィルム上に塗布し、室温で1時間風乾してメタノールを除いた。これを50℃のオーブン中に1時間入れ、フィルム化した後、PETフィルムから剥離して自立膜を作製した。これは、膜厚が58μmの透明で柔軟性のある膜であった。
この膜は、10×30mmに切り出し、電気抵抗測定用の試料片とした。電気抵抗は、電気抵抗計(SolartronSI1260/SI1287東陽テクニカ(株)製:インピーダンスアナライザー:Sweep1−100KHz,DCPotential3V)を用いて、25℃の環境下で、交流インピーダンス法で測定した。白金線を各0.3cm離して等間隔に貼り付けた25×40mmのガラス板上に、導電性膜の試料片を圧着させ、うち2本の白金間に交流を加えて電気抵抗を測定し、電極間距離と比抵抗の関係から、膜の面方向の導電率を評価したところ、導電率は1.2×10-7S/cmであった。
また、この溶液にガラス板を浸漬し、引き上げ、乾燥機中で保持することによって製膜した膜の表面抵抗率は、三菱化学(株)製:表面抵抗器(Hiresta−UP MCP−HT450)にて印加電圧10Vで定量したところ、表面抵抗率は7.1×107Ω/□であった。
更に、この膜の強度を引っ張り試験機で測定したところ、125kgf/cm2であった。また、80℃のオーブン中に2時間入れたフィルムは、引っ張り強度は299kgf/cm2と大きく向上した。
比較のために、フィチン酸基含有オルガノポリシロキサンを全く用いずに、実施例1と同様の操作を行ったところ、得られた膜の導電率は非常に低く、表面抵抗率は高い値を示していた。
実施例1との比較において、KBM−403/KBE−04を使用しない系を検討するため、実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液の替わりにフィチン酸水溶液を用いて同一質量のフィチン酸を混合した。それ以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、白色の不均一な膜しか得られなかった。これからは、引っ張り試験機で測定できるだけの強度のある均一な膜は得られなかった。
実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液をスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1,2に替え、種々の量でポリアミド溶液と混合させた。これ以外は全く実施例1と同様にして操作を行った。オーブン架橋した後、PETフィルムから剥離して自立膜を作製したところ、いずれも透明で柔軟性のある均一な膜が得られた。詳細は以下に記載し、結果を表2に示した。
実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液をスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1に替え、ポリアミド樹脂とスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1の量比を(不揮発分換算で)10/2w/w%から10/1w/w%に変えた量を用いて、これ以外は全く実施例1と同様の操作を行ったところ、透明で均一な膜が得られた。結果を表2に示した。
実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液をスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1に替えた以外は全く実施例1と同様の操作を行ったところ、透明で均一な膜が得られた。結果を表2に示した。
実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液をスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1に替え、ポリアミド樹脂とスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1の量比を(不揮発分換算で)10/2w/w%から10/4w/w%に変えた量を用いて、これ以外は全く実施例1と同様の操作を行ったところ、透明で均一な膜が得られた。結果を表2に示した。
実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液をスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン2に替え、ポリアミド樹脂とスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン2の量比を(不揮発分換算で)10/2w/w%から10/1w/w%に変えた量を用いて、これ以外は全く実施例1と同様の操作を行ったところ、透明で均一な膜が得られた。結果を表2に示した。
実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液をスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン2に替えた以外は全く実施例1と同様の操作を行ったところ、透明で均一な膜が得られた。結果を表2に示した。
実施例1のフィチン酸基含有オルガノポリシロキサン溶液をスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン2に替え、ポリアミド樹脂とスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン2の量比を(不揮発分換算で)10/2w/w%から10/4w/w%に変えた量を用いて、これ以外は全く実施例1と同様の操作を行ったところ、透明で均一な膜が得られた。結果を表2に示した。
実施例2との比較において、アルコキシシランを全く使用しない系を検討するため、実施例2のスルホン酸基含有オルガノポリシロキサン1の替わりにスルホン酸基含有有機ケイ素化合物3を用いて、それ以外は、実施例2と同様の操作を行ったところ、得られた膜の導電率は高いものの、硬く脆くなるため、引っ張り試験機で測定できる均一な膜は得られなかった。
こうした比較例1〜3については、表3に結果をまとめた。
とりわけ、ポリアミド樹脂と酸性基含有オルガノポリシロキサンの組成比が、膜の物性に大きく影響を与えており、酸性基含有オルガノポリシロキサンを多量に用いた系の場合では、導電率が大きく向上するものの、膜強度が低下する傾向にあり、酸性基含有オルガノポリシロキサンの少ない系の場合では、膜強度が大きく向上するものの、導電率がやや低下する傾向にあることがわかった。
このように、表2の実施例と表3の比較例を対比することにより、本発明の膜組成物から、透明性と帯電防止性と膜強度に優れたポリアミド膜が得られることがわかる。
Claims (8)
- (i)窒素原子に結合する水素原子の一部がアルコキシメチル基で置換されたN−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂と、(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物と、(iii)アルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物と、(iv)有機溶剤とを含むことを特徴とするポリアミド膜形成用組成物。
- (i)窒素原子に結合する水素原子の一部がアルコキシメチル基で置換されたN−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂と、(v)(ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物と(iii)アルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物との反応物と、(iv)有機溶剤とを含むことを特徴とするポリアミド膜形成用組成物。
- (ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物が、硫黄原子含有基を酸化反応によりスルホン酸基に転換した有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリアミド膜形成用組成物。
- (ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物が、フィチン酸をエポキシ基を有するオルガノオキシシラン、シロキサン又はその(部分)加水分解縮合物と反応させて得られた有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリアミド膜形成用組成物。
- (ii)酸性基を有する有機ケイ素化合物の含有量が、(i)〜(iii)成分の合計量の1〜30質量%である請求項1〜5のいずれか1項記載のポリアミド膜形成用組成物。
- (iii)アルコキシシラン及び/又はその(部分)加水分解縮合物の含有量が、(i)〜(iii)成分の合計量の1〜30質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のポリアミド膜形成用組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のポリアミド膜形成用組成物の硬化物からなることを特徴とする透明ポリアミド膜。
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