JP2009143939A - 治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 5−アミノレブリン酸は、H2NCH2COCH2CH2COOHで表されるアミノ酸であり、広く知られている化合物である。5−アミノレブリン酸は、ミトコンドリア障害脳疾患治療剤、頭皮外用剤、皮膚外用剤等としての用途が知られている。本発明の課題は、これら以外の疾病に有効である治療剤の提供にある。
【解決手段】 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤、コレステロール低下剤、血圧降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、抗疲労剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤、コレステロール低下剤、血圧降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、抗疲労剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする各種疾病に有用な治療剤に関する。
5−アミノレブリン酸は、ミトコンドリア障害脳疾患治療剤(特許文献1)、頭皮外用剤(特許文献2)、皮膚外用剤(特許文献3)等としての用途が知られている。
しかしながら、5−アミノレブリン酸またはその塩が、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、顕著な効果でもって有効であるとの見地はない。
しかしながら、5−アミノレブリン酸またはその塩が、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、顕著な効果でもって有効であるとの見地はない。
本発明の目的は、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗骨粗鬆症剤である。
請求項2に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗鬱・抗ストレス剤である。
請求項3に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とするコレステロール低下剤である。
請求項4に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする血圧降下剤である。
請求項5に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗糖尿病剤である。
請求項6に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗アレルギー剤である。
請求項7に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗疲労剤である。
請求項2に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗鬱・抗ストレス剤である。
請求項3に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とするコレステロール低下剤である。
請求項4に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする血圧降下剤である。
請求項5に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗糖尿病剤である。
請求項6に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗アレルギー剤である。
請求項7に記載の発明は、5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗疲労剤である。
本発明によれば、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤が提供される。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
5−アミノレブリン酸は、H2NCH2COCH2CH2COOHで表されるアミノ酸であり、広く知られている化合物である。
5−アミノレブリン酸の塩としては、特に制限されないが、薬学的に許容可能な無機酸または有機酸塩が好ましい。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、アスコルビン酸塩等が挙げられる。
5−アミノレブリン酸またはその塩は、公知の化学合成法、微生物や酵素を用いる方法等により製造可能である。
5−アミノレブリン酸の塩としては、特に制限されないが、薬学的に許容可能な無機酸または有機酸塩が好ましい。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、アスコルビン酸塩等が挙げられる。
5−アミノレブリン酸またはその塩は、公知の化学合成法、微生物や酵素を用いる方法等により製造可能である。
5−アミノレブリン酸またはその塩の投与量は、患者の年令、体重、適応症状などによって異なるが、例えば、成人1日1〜数回、1日あたり0.001mg〜1g、好ましくは0.1mg〜500mg程度投与するのがよい。
本発明の治療剤は、錠剤、ピル、カプセル、顆粒、粉末、散剤、液剤等の固形または溶液の形態(以下、製剤ともいう)に公知の方法により適宜調製することができる。即ち、本発明に有用な固形製剤または液状製剤は、従来充分に確立された公知の製剤製法を用いることにより製造される。添加剤としては、例えば賦形剤、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、希釈剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤または香料などが挙げられる。
また本発明の治療剤は、各種健康食品および機能性食品として摂取可能である。これらの例としては、各種のものをあげることができるが、健康食品および機能性食品の製造に関しては、通常用いられる、食品素材、食品添加物に加え、賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、分散剤、保存剤、湿潤化剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化材、カプセル基剤等の補助剤を用いた飲食品製剤形態で利用することができる。該補助剤の具体的な例示をすれば、乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはその塩、アラビアガム、ポリエチレングルコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム、プルラン、カラギーナン、デキストリン、還元パラチノース、ソルビトール、キシリトール、ステビア、合成甘味料、クエン酸、アスコルビン酸、酸味料、重曹、ショ糖エステル、植物硬化油脂、塩化カリウム、サフラワー油、ミツロウ、大豆レシチン、香料等が配合できる。このような健康食品、機能性食品の製造に関しては、医薬品製剤の参考書、例えば「日本薬局方解説書(製剤総則)」(廣川書店)等を参考にすることができる。
上記以外にも本発明の治療剤は飲食品として摂取することができる。具体的には、納豆、厚揚げ、豆腐、こんにゃく、団子、漬物、佃煮、コロッケ、サンドイッチ、ピザ、ハンバーガー、餃子、シューマイ、サラダ等の各種総菜や、各種粉末(ビーフ、ポーク、チキン等畜産物、海老、帆立、蜆、昆布等水産物、野菜・果実類、植物、酵母、藻類等)や、プリン、クッキー、クラッカー、パン、ケーキ、チョコレート、ポテトチップス、ビスケット、ドーナツ、ゼリーなどの洋菓子、煎餅、羊羹、大福、おはぎ、その他の饅頭、カステラなどの和菓子、冷菓(飴等)、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば、きしめん等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、コーンビーフ等の畜肉製品や、塩、胡椒、みそ、しょう油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、甘味料、辛味料等の調味類や、明石焼き、たこ焼き、もんじゃ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼きうどん等の鉄板焼き食品や、チーズ、ハードタイプのヨーグルト等の乳製品や、油脂類・香料類(バニラ、柑橘類、かつお等)を粉末固形化したものや、粉末飲食品(インスタントコーヒー、インスタント紅茶、インスタントミルク、インスタントスープ、味噌汁等)等の各種食品が挙げることができるが、これらに特に制限されない。
さらに本発明においては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等)、セレン、レシチン、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、サポニン(ギムネマ酸、大豆サポニン、人参サポニン等)、脂肪酸、タンパク質(コラーゲン、エラスチン等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、リン脂質及びその誘導体(フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、セラミド等)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、糖アルコール、リグナン類(セサミン等)、これらを含有する動植物抽出物、根菜類(ウコン、ショウガ等)、などを併用することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の治療剤は、抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤、コレステロール低下剤、血圧降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、抗疲労剤としてきわめて有用である。以下、上記各種薬効について実施例でもって説明する。
実施例1(抗骨粗鬆症効果)
骨粗鬆症改善効果試験
SD系ラット(22週齢)メスの卵巣を外科的に取り除き、骨粗鬆症のモデルラットを作成した。卵巣摘出ラットを7匹ずつ6群に分け、35日間の試験期間中、1日置きに(計17回)、5−アミノレブリン酸塩酸塩が10mg/kgとなるように、生理食塩水溶解した液体を経口投与した。飼料はオリエンタル酵母株式会社のマウス・ラット・ハムスター用固形飼料CRF−1を用い、給餌および給水方法は自由摂取とした。試験期間中、各群間で、餌の摂取量に差は認められなかった。試験開始後35日目にラットの体重を測定した後、大腿骨を取り出した。大腿骨は、接着組織および筋肉を取り除いて分析に使用した。大腿骨の体積を測定した後、エタノールで3回洗浄し、次にアセトンで3回洗浄したのち、一晩乾燥し、その後、重量を測定して大腿骨の乾燥重量を求めた。体積および乾燥重量から、骨密度(乾燥重量g/体積mm3 )を測定した。なお対照実験として、5−アミノレブリン酸塩酸塩を含まない生理食塩水をラットに投与したこと以外は、上記実験を繰り返した例(比較例)も併せて、その結果を表1に示す。
骨粗鬆症改善効果試験
SD系ラット(22週齢)メスの卵巣を外科的に取り除き、骨粗鬆症のモデルラットを作成した。卵巣摘出ラットを7匹ずつ6群に分け、35日間の試験期間中、1日置きに(計17回)、5−アミノレブリン酸塩酸塩が10mg/kgとなるように、生理食塩水溶解した液体を経口投与した。飼料はオリエンタル酵母株式会社のマウス・ラット・ハムスター用固形飼料CRF−1を用い、給餌および給水方法は自由摂取とした。試験期間中、各群間で、餌の摂取量に差は認められなかった。試験開始後35日目にラットの体重を測定した後、大腿骨を取り出した。大腿骨は、接着組織および筋肉を取り除いて分析に使用した。大腿骨の体積を測定した後、エタノールで3回洗浄し、次にアセトンで3回洗浄したのち、一晩乾燥し、その後、重量を測定して大腿骨の乾燥重量を求めた。体積および乾燥重量から、骨密度(乾燥重量g/体積mm3 )を測定した。なお対照実験として、5−アミノレブリン酸塩酸塩を含まない生理食塩水をラットに投与したこと以外は、上記実験を繰り返した例(比較例)も併せて、その結果を表1に示す。
実施例2(抗鬱・抗ストレス効果)
5−アミノレブリン酸の治療効果を調べた。
マウス強制水泳試験による精神安定作用の評価
本発明の治療剤の評価は、1977年にPorsoltにより開発されたマウス強制水泳試験を採用した。本試験は鬱病の動物モデル実験として最も多用される方法のひとつである。本試験では、マウスをある限られたスペースの中で強制的に泳がせて「無動状態」を惹起させる。この無動状態は、ストレスを負荷された動物が水からの逃避を放棄した一種の「絶望状態」を反映するものと考えられ、ヒトにおける鬱状態、ストレス状態と関連づけられている。事実、抗鬱薬は特異的にこの状況下における無動状態の持続時間を短縮させることがわかっており、この短縮作用は臨床力価との間に有意な相関を有することが認められている。
5−アミノレブリン酸の治療効果を調べた。
マウス強制水泳試験による精神安定作用の評価
本発明の治療剤の評価は、1977年にPorsoltにより開発されたマウス強制水泳試験を採用した。本試験は鬱病の動物モデル実験として最も多用される方法のひとつである。本試験では、マウスをある限られたスペースの中で強制的に泳がせて「無動状態」を惹起させる。この無動状態は、ストレスを負荷された動物が水からの逃避を放棄した一種の「絶望状態」を反映するものと考えられ、ヒトにおける鬱状態、ストレス状態と関連づけられている。事実、抗鬱薬は特異的にこの状況下における無動状態の持続時間を短縮させることがわかっており、この短縮作用は臨床力価との間に有意な相関を有することが認められている。
本試験方法は次のとおりである。
25℃の水を深さ15cmまで入れたプラスチック円筒中でマウスを強制水泳させる。5分間の強制水泳後、30℃の乾燥機中で15分間乾燥し、ホームケージに戻す。翌日マウスに試験試料を腹腔内投与して、その1時間後に再び5分間の強制水泳を課し、現れた無動状態の持続時間をストップウォッチを用いて測定する。マウスが水に浮かんで静止している状態を無動状態と判定する。無動状態持続時間については有意差検定を行い、統計学的に有意差を検定する。実験には雄のddYマウスを使用し、1群6匹とする。なお、試験は全て午後1時から午後6時の間に行う。また、ポジティブコントロールとして抗鬱薬であるイミプラミンを用いた試験も行う。
25℃の水を深さ15cmまで入れたプラスチック円筒中でマウスを強制水泳させる。5分間の強制水泳後、30℃の乾燥機中で15分間乾燥し、ホームケージに戻す。翌日マウスに試験試料を腹腔内投与して、その1時間後に再び5分間の強制水泳を課し、現れた無動状態の持続時間をストップウォッチを用いて測定する。マウスが水に浮かんで静止している状態を無動状態と判定する。無動状態持続時間については有意差検定を行い、統計学的に有意差を検定する。実験には雄のddYマウスを使用し、1群6匹とする。なお、試験は全て午後1時から午後6時の間に行う。また、ポジティブコントロールとして抗鬱薬であるイミプラミンを用いた試験も行う。
その結果、5−アミノレブリン酸を30mg/kg投与したマウスの無動状態持続時間は、175.8±3.9秒であった。コントロール(生理食塩水のみ)は209.0±3.2秒であった。ポジティブコントロール(30mg/kg投与)のマウスの無動状態持続時間は、181.2±4.6秒であった。本実施例およびポジティブコントロールの無動状態持続時間は、危険率1%で有意差を有する。
実施例3(コレステロール低下作用)
体重20g前後のICR系雄性マウス(1群5匹)に、高コレステロール−コール酸食餌(71.9%標準餌、15%ショ糖、2%食塩、10%ココナッツオイル、0.6%コレステロール、0.2%コール酸、0.3%塩化コリン)を試験第1日目から第7日目まで給餌(自由摂取)した。試験第6日目と第7日目に、上記5−アミノレブリン酸塩酸塩の3mgを蒸留水に溶解し、経口投与した。その後、24時間の絶食を行い、試験第8日目にマウスから血液を採取し、血清を分離した。
体重20g前後のICR系雄性マウス(1群5匹)に、高コレステロール−コール酸食餌(71.9%標準餌、15%ショ糖、2%食塩、10%ココナッツオイル、0.6%コレステロール、0.2%コール酸、0.3%塩化コリン)を試験第1日目から第7日目まで給餌(自由摂取)した。試験第6日目と第7日目に、上記5−アミノレブリン酸塩酸塩の3mgを蒸留水に溶解し、経口投与した。その後、24時間の絶食を行い、試験第8日目にマウスから血液を採取し、血清を分離した。
また、採取した血清の一部にヘパリンを添加し沈降させ、低比重リポタンパク(LDL)としてヘパリン沈降リポタンパクを得た。血清中の総コレステロール値及びLDL中のコレステロール値を、シー・シー・アライン(C.C.Allain et al.)らの報告(クリニカル ケミストリイ(Clinical Chemistry)、1974年、20巻、470−475頁)に従って、測定した。
血清中の総コレステロール値からLDLコレステロール値を引いた値を、高比重リポタンパク(HDL)コレステロール値として算出した。なお対照群は、上記5−アミノレブリン酸塩酸塩を投与していない群である。
その結果を表2に示した。表2から明らかなように、血清中総コレステロールを低下させる明らかな作用が認められた。
実施例4(血圧降下効果)
5−アミノレブリン酸塩酸塩を一般市販飼料(船橋農場製、船橋SP)に添加し、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHR−SP)を用いて最高血圧値、体重の変化を比較した。対照区は、5−アミノレブリン酸塩酸塩を添加しない一般試料を用いた。A区を対照区、B区を本発明区とし、それぞれの飼料で5週齢の雄性SHR−SPを各区6匹ずつ7週間飼育し、12週齢に達した時の血圧値と体重の変化について調べた。表3に示すように血圧の変化においては、本発明区に有意な血圧上昇の抑制が認められた。なお、本発明区においては、5−アミノレブリン酸塩酸塩の1日あたりの摂取量が、50mg/kg体重となるように飼料中の5−アミノレブリン酸塩酸塩の濃度を調整した。
5−アミノレブリン酸塩酸塩を一般市販飼料(船橋農場製、船橋SP)に添加し、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHR−SP)を用いて最高血圧値、体重の変化を比較した。対照区は、5−アミノレブリン酸塩酸塩を添加しない一般試料を用いた。A区を対照区、B区を本発明区とし、それぞれの飼料で5週齢の雄性SHR−SPを各区6匹ずつ7週間飼育し、12週齢に達した時の血圧値と体重の変化について調べた。表3に示すように血圧の変化においては、本発明区に有意な血圧上昇の抑制が認められた。なお、本発明区においては、5−アミノレブリン酸塩酸塩の1日あたりの摂取量が、50mg/kg体重となるように飼料中の5−アミノレブリン酸塩酸塩の濃度を調整した。
実施例5(抗糖尿病効果)
6週齢の雄性SD系ラット(1群6匹)の尾静脈にストレプトゾトシンを1回投与することにより糖尿病を惹起した。
5−アミノレブリン酸の投与量を10mg/kgとし、ストレプトゾトシン(STZ)投与の1時間前に経口投与し、その翌日より1日1回13日間連続経口投与した。最終投与の翌日に50%グルコース水溶液(10ml/kg)を経口投与し、経時的に血糖値(mg/dl)を測定(o−トルイジン・ホウ酸)した。
6週齢の雄性SD系ラット(1群6匹)の尾静脈にストレプトゾトシンを1回投与することにより糖尿病を惹起した。
5−アミノレブリン酸の投与量を10mg/kgとし、ストレプトゾトシン(STZ)投与の1時間前に経口投与し、その翌日より1日1回13日間連続経口投与した。最終投与の翌日に50%グルコース水溶液(10ml/kg)を経口投与し、経時的に血糖値(mg/dl)を測定(o−トルイジン・ホウ酸)した。
なお、正常対照群としてSTZを投与せずに滅菌水のみを投与した群、病態対照群としてSTZを投与して滅菌水を投与した群、および陽性対照群としてSTZを投与してニコチン酸アミド(50mg/kg)を投与した群を設けた。ニコチン酸アミドはSTZ糖尿病モデルに対して有効であることが報告されている(新薬開発のための動物利用集成,419−422頁,R&Dプランニング,1985年)。
糖尿病は糖代謝能力が低下し高血糖を呈する疾患である。本実施例においてはグルコース投与1時間後に血糖値のピークを認めるが、病態対照群では最高血糖値が345mg/dlであり、正常対照群では最高血糖値は168mg/dlであった。病態対照群の最高血糖値は正常対照群のそれと比較して約2倍を示し、病態対照群では糖代謝能力の低下が認められた。
5−アミノレブリン酸の活性は、式1により病態対照群の血糖値に対する抑制率(%)を算出した。
(式1)
抑制率(%)=〔1−(5−アミノレブリン酸投与群または陽性対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)/(病態対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)〕×100
抑制率(%)=〔1−(5−アミノレブリン酸投与群または陽性対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)/(病態対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)〕×100
その結果、5−アミノレブリン酸投与群の抑制率は60.8%であった。陽性対照群の抑制率は43.0%であった。したがって、5−アミノレブリン酸投与群は、病態対照群に比較して、優れた血糖値の低下が認められ、糖代謝能力が改善されていた。
実施例6(抗アレルギー効果)
RAST法による食物アレルゲン陽性の慢性じんま疹の患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に5−アミノレブリン酸塩酸塩を300mg、1カ月投与した。結果を以下の表4に示す。
RAST法による食物アレルゲン陽性の慢性じんま疹の患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に5−アミノレブリン酸塩酸塩を300mg、1カ月投与した。結果を以下の表4に示す。
実施例7
RAST法によるアトピー性皮膚炎患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に5−アミノレブリン酸を300mg、1カ月投与した。結果を以下の表5に示す。
RAST法によるアトピー性皮膚炎患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に5−アミノレブリン酸を300mg、1カ月投与した。結果を以下の表5に示す。
実施例8(抗疲労効果)
STD DDY 雄性マウス(5週齢:各群n=3〜4)に対し、5−アミノレブリン酸塩酸塩を経口摂取させた。摂取量は、30mg/kg体重である。摂取は、純水に5−アミノレブリン酸塩酸塩を溶解させた溶液を用いて行なった。なお、コントロール群のマウスには、純水のみを摂取させて試験を行った。
STD DDY 雄性マウス(5週齢:各群n=3〜4)に対し、5−アミノレブリン酸塩酸塩を経口摂取させた。摂取量は、30mg/kg体重である。摂取は、純水に5−アミノレブリン酸塩酸塩を溶解させた溶液を用いて行なった。なお、コントロール群のマウスには、純水のみを摂取させて試験を行った。
摂取から30分後に、マウスを深さ80センチの水槽に入れて、無動に至るまでの時間を計測した。各試験群のマウス(各群n=3〜4)の無動に至るまでの時間の平均値として、コントロール群は約109秒であったのに対し、5−アミノレブリン酸塩酸塩投与群は、約280秒であった。
以上から、5−アミノレブリン酸塩酸塩に高い抗疲労効果が確認された。
以上から、5−アミノレブリン酸塩酸塩に高い抗疲労効果が確認された。
Claims (7)
- 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗骨粗鬆症剤
- 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗鬱・抗ストレス剤。
- 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とするコレステロール低下剤。
- 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする血圧降下剤。
- 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗糖尿病剤。
- 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗アレルギー剤。
- 5−アミノレブリン酸またはその塩を有効成分とする抗疲労剤。
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