JP2009143314A - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避する。
【解決手段】バッテリの状態が良好なときには触媒暖機運転が許可され(S330でYES)、エンジンを自立運転して触媒を暖機しながらモータから要求トルクTr*に応じたトルクを出力するようエンジンとモータとを制御して(S350〜S410)、走行に必要な動力を出力する。一方、バッテリの状態が良好でないときには触媒暖機運転が不許可とされ(S330でNO)、暖機要求に拘わらず触媒暖機モードを解除して(S340)、走行中の触媒暖機を中止する。したがって、触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避することができる。
【選択図】図4
【解決手段】バッテリの状態が良好なときには触媒暖機運転が許可され(S330でYES)、エンジンを自立運転して触媒を暖機しながらモータから要求トルクTr*に応じたトルクを出力するようエンジンとモータとを制御して(S350〜S410)、走行に必要な動力を出力する。一方、バッテリの状態が良好でないときには触媒暖機運転が不許可とされ(S330でNO)、暖機要求に拘わらず触媒暖機モードを解除して(S340)、走行中の触媒暖機を中止する。したがって、触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、このエンジンからの駆動力を分割して駆動軸に伝達可能な動力分割機構と、この動力分割機構により分割されたエンジンからの駆動力によって発電する発電機と、駆動軸に駆動力を出力する電動機と、発電機および電動機と電力のやり取りが可能なバッテリとを備える車載されたものとして構成され、要求によりエンジンの排気系に取り付けられた触媒を暖機する触媒暖機運転を実行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、触媒暖機運転は、エンジンを自立運転させることにより行われ、走行に要求される要求駆動力はバッテリからの電力を用いて電動機から出力される。
特開2006−291922号公報
しかしながら、上述の動力出力装置では、触媒暖機運転を実行している最中には、走行に必要なエネルギはバッテリの電力により賄われるから、バッテリの状態によってはバッテリに過大な負担がかかってしまう。バッテリの保護を目的にバッテリの出力制限を強化することも考えられるが、電動機から出力する駆動力が不足して要求駆動力に対応できない場合が生じる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避することを主目的とする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、少なくとも上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
排気系に浄化用触媒が取り付けられ、前記駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、
該検出された前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定する触媒暖機運転許否判定手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記設定された要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
排気系に浄化用触媒が取り付けられ、前記駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、
該検出された前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定する触媒暖機運転許否判定手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記設定された要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、検出された蓄電手段の状態に基づいて浄化用触媒を暖機するための内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定し、駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、触媒暖機運転が許可されているときには内燃機関の触媒暖機運転を伴って設定された要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御し、触媒暖機運転が許可されていないときには暖機要求に拘わらず設定された要求駆動力に応じた内燃機関の負荷運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御する。このように、蓄電手段の状態が良好なときには暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させることができ、蓄電手段の状態が良好でないときには暖機運転継続による不都合、例えば、蓄電手段に過大な負担がかかることや電動機から出力する駆動力が不足して要求駆動力に対応できないことを回避することができる。したがって、触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は、前記蓄電手段の電圧を検出する手段であり、前記触媒暖機運転許否判定手段は、該検出された前記蓄電手段の電圧が所定電圧未満のときに前記触媒暖機運転を不許可とする手段であるものとすることもできるし、前記状態検出手段は、前記蓄電手段の残容量を検出する手段であり、前記触媒暖機運転許否判定手段は、該検出された前記蓄電手段の残容量が所定残容量未満のときに前記触媒暖機運転を不許可とする手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の電圧が所定電圧未満のときや、蓄電手段の残容量が所定残容量未満のときの暖機運転継続による不都合を回避することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記触媒暖機運転として前記内燃機関を自立運転するよう該内燃機関を運転制御する手段であるものとすることもできる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記触媒暖機運転許否判定手段は、前記駆動軸の回転数が略値0のときには、前記検出された前記蓄電手段の状態に拘わらず前記触媒暖機運転を許可する手段であるものとすることもできる。ここで、駆動軸の回転数が略値0のときには、蓄電手段に過大な負担がかかることがないので、暖機運転を許可することができる。こうすれば、暖機運転を許可する機会を増やすことができる。
そして、本発明の動力出力装置において、前記触媒暖機運転許否判定手段は、前記触媒暖機運転を不許可としたときにはトリップ終了まで該不許可を継続する手段であるものとすることもできる。こうすれば、暖機運転を禁止して過大な負担がかかるのを抑制することにより回復させた蓄電手段の状態が再び悪化するのを防止することができる。ここで、「トリップ」とは、システムを起動してから終了するまでをいう。
また、本発明の動力出力装置において、前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸に対して独立して回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力すると共に前記蓄電手段と電力をやり取り可能な電力動力入出力手段とを備えるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、回転軸に動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段とを備える手段であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、
上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、排気系に浄化用触媒が取り付けられ、前記駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、該検出された前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定する触媒暖機運転許否判定手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記設定された要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段とを備える動力出力装置を搭載し、前記駆動軸が車軸に接続されてなることを要旨とする。
上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、排気系に浄化用触媒が取り付けられ、前記駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、該検出された前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定する触媒暖機運転許否判定手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記設定された要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段とを備える動力出力装置を搭載し、前記駆動軸が車軸に接続されてなることを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述した各態様のいずれかの本発明の駆動装置を搭載するから、本発明の駆動装置が奏する効果と同様の効果、例えば、触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避することができる効果などを奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
排気系に浄化用触媒が取り付けられ駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定し、
(b)前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する
ことを要旨とする。
排気系に浄化用触媒が取り付けられ駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定し、
(b)前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車の制御方法では、検出された蓄電手段の状態に基づいて浄化用触媒を暖機するための内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定し、駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、触媒暖機運転が許可されているときには内燃機関の触媒暖機運転を伴って設定された要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御し、触媒暖機運転が許可されていないときには暖機要求に拘わらず設定された要求駆動力に応じた内燃機関の負荷運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御する。このように、蓄電手段の状態が良好なときには、暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させることができ、蓄電手段の状態が良好でないときには、暖機運転継続による不都合、例えば、蓄電手段に過大な負担がかかることや電動機から出力する駆動力が不足して要求駆動力に対応できないことを回避することができる。したがって、触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射することにより空気とガソリンとを混合し、これを吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させ、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号が入力ポートを介して入力されている。例えば、エンジンECU24には、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフロメータ148からのエアフロメータ信号,浄化装置134に取り付けられた温度センサ135からの触媒温度Tcなどが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。例えば、エンジンECU24からは、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51aからの電池温度Tb,バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51bからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の通常時の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。また、触媒を暖機するときの運転制御としては、エンジン22を自立運転しながらモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御する触媒暖機モードがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図3は、通常時にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4は、触媒暖機モードが設定されているときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される触媒暖機時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。ここで、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、エンジンECU24から触媒暖機要求が入力されたときに触媒暖機モードを設定する。触媒暖機要求は、エンジンECU24により実行される図示しない触媒暖機要求設定ルーチンにより設定されたものを通信により入力するものとした。この触媒暖機要求設定ルーチンでは、例えば、温度センサ135により検出される浄化装置134の触媒の温度Tcを入力し、入力した触媒温度Tcを触媒が活性化する温度範囲の下限近傍の温度として設定された閾値Trefと比較し、触媒温度Tcが閾値Tref未満のときに触媒暖機要求をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する処理を行い、触媒温度Tcが閾値Tref以上のときには触媒暖機要求がなされていれば要求を解除する処理を行う。まず、駆動制御ルーチンについて説明し、その後に、触媒暖機時駆動制御ルーチンについて説明する。
図3の駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクポジションセンサ140からの信号に基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51aにより検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定すると共に(ステップS110)、設定した要求トルクTr*に基づいてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する(ステップS120)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS130)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを計算する(ステップS140)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1tmp=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
Tm1tmp=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
続いて、式(3)および式(4)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS150)、設定した仮トルクTm1tmpを式(5)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS160)。ここで、式(3)はモータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係であり、式(4)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を図8に示す。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域内のトルク指令Tm1*の最大値と最小値として求めることができる。
0≦−Tm1/ρ+Tm2・Gr≦Tr* (3)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (4)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (5)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (4)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (5)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(6)により計算すると共に(ステップS170)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算すると共に(ステップS180)、設定した仮トルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS190)。ここで、式(6)は、図7の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (6)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS200)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
次に、触媒暖機時駆動制御ルーチンについて説明する。図4の触媒暖機時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の残容量(SOC),バッテリ50の電圧Vb,暖機運転禁止継続フラグF,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力すると共に(ステップS300)、入力したアクセル開度Accと車速Vと図5の要求トルク設定用マップとにより駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定し(ステップS310)、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとロスLossとの和として車両要求パワーP*を設定する(ステップS320)。ここで、バッテリ50の電圧Vbは、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ52bからの端子間電圧をバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、暖機運転禁止継続フラグFについては後述する。
そして、暖機運転の実行の許可がなされているか否かを判定する(ステップS330)。ここで、暖機運転の実行の許否は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により触媒暖機時駆動制御ルーチンと同時に実行される図9に例示する暖機運転実行許否判定ルーチンを実行することにより判定される。ここで、触媒暖機時駆動制御ルーチンの説明を中断して、暖機運転実行許否判定ルーチンについて説明する。
暖機運転実行許否判定ルーチンでは、まず、アクセル開度Accが閾値Aref未満であるか否かを判定する(ステップS500)。ここで、閾値Arefは、モータMG2から出力可能な最大トルク近傍のトルクが要求される開度として設定されるものであり、例えば、50%や60%などを用いることができる。アクセル開度Accが閾値Aref以上であるときには、エンジン22を負荷運転すべきと判断し、暖機運転の実行を禁止する判定をして(ステップS560)、本ルーチンを終了する。アクセル開度Accが閾値Aref未満であるときには、車速Vに基づいて車両が停車しているか否かを判定し(ステップS510)、車両が停車しているときには、暖機運転の実行を許可する判定をして(ステップS570)、本ルーチンを終了する。車両が停車していないときには、暖機運転禁止継続フラグFが値0であるか否かを判定する(ステップS520)。ここで、暖機運転禁止継続フラグFは、システム起動に伴って図示しない初期化ルーチンにより値0に設定され、後述するステップS550で値1が設定されるものである。いま、初期状態を考えると、ステップS520で暖機運転禁止継続フラグFは値0と判定され、続いてバッテリ50の残容量(SOC)が閾値SOCref以上であるか否か(ステップS530)、バッテリ50の電圧Vbが閾値Vbref以上であるか否か(ステップS540)を判定する。ここで、閾値SOCrefや閾値Vbrefは、暖機運転を実行してもバッテリ50に過大な負担がかかることのない閾値として設定されており、例えば、閾値SOCrefは45%などを用いることができ、閾値Vbrefはバッテリの定格280Vに対して250Vなどを用いることができる。バッテリ50の残容量(SOC)が閾値SOCref以上でかつバッテリ50の電圧Vbが閾値Vbref以上であるときには、暖機運転の実行を許可する判定をして(ステップS570)、本ルーチンを終了する。一方、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値SOCref未満であるか、または、バッテリ50の電圧Vbが閾値Vbref未満であるときには、エンジン22を負荷運転すべきと判断して、暖機運転禁止継続フラグFに値1を設定し(ステップS550)、暖機運転の実行を禁止する判定をして(ステップS560)、本ルーチンを終了する。即ち、触媒暖機要求に拘わらず、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値SOCref未満のときや電圧Vbが閾値Vbref未満のときには暖機運転の実行を禁止するのである。また、ステップS550で暖機運転禁止継続フラグFに一旦値1が設定されると値1を保持するので、そのトリップ中にバッテリ50の残容量(SOC)が閾値SOCref以上や電圧Vbが閾値Vbref以上となったとしてもステップS520で否定判定して暖機運転の実行の禁止を継続する。これにより、暖機運転を禁止して過大な負担がかかるのを抑制することにより回復させたバッテリ50の状態が再び悪化するのを防止することができる。ただし、車両が停車している場合は(ステップS510でYES)、バッテリ50に過大な負担がかかることがないので、暖機運転禁止継続フラグFの値に拘わらず暖機運転の実行を許可する。これにより、暖機運転の実行を許可する機会を増やすことができる。
図4の触媒暖機時駆動制御ルーチンに戻って、暖機運転の実行を禁止する判定がされているときには、ステップS330で否定判定され、エンジン22を負荷運転すべきと判断し、触媒暖機モードを解除して(ステップS340)、本ルーチンを終了する。この場合、図3の駆動制御ルーチンが実行される。即ち、触媒暖機要求が入力されても暖機運転の実行が禁止されているときには、触媒暖機モードを解除して、エンジン22からPe*が出力されると共に要求トルクTr*に見合うトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される。これにより、暖機運転継続による不都合、例えば、バッテリ50に過大な負担がかかることやモータMG2から出力するトルクが不足して要求トルクTr*に対応できないことを回避することができる。
一方、暖機運転の実行を許可する判定がされているときには、ステップS330で肯定判定され、エンジン22の目標回転数Ne*にアイドル回転数Nidl(例えば、800rpmや1000rpmなど)を設定すると共に目標トルクTe*に値0を設定し(ステップS350)、エンジン22の点火時期として通常時より遅くなるよう点火遅角を指示する制御信号をエンジンECU24に送信する(ステップS360)。点火遅角するのは、エンジン22の燃焼エネルギの多くを熱として後段の浄化装置134に供給するためである。即ち、エンジン22の燃焼エネルギの多くを浄化装置134の触媒の暖機に用いるのである。
続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS370)、上述の式(6)〜式(8)のトルク指令Tm1*に値0を代入した式を用いてモータMG2の仮トルクTm2tmp,トルク制限Tm2min,Tm2maxを設定し(ステップS380、S390)、式(9)により仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxにより制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS400)。そして、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS410)、触媒暖機時駆動制御ルーチンを終了する。アイドル回転数Nidlが設定された目標回転数Ne*と値0が設定された目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、ステップS360で受信した点火遅角の制御信号に基づいて点火遅角した状態でアイドル回転数Nidlで自立運転(無負荷運転)するよう吸入空気量制御や燃料噴射量制御,点火制御を行なう。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、値0のトルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。即ち、触媒暖機要求が入力され暖機運転の実行が許可されているときには、エンジン22を自立運転しながら要求トルクTr*に見合うトルクがモータMG2から出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される。これにより、触媒の浄化性能を向上させることができる。なお、触媒暖機モードで走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図10に示す。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、残容量(SOC)や電圧Vbなどバッテリ50の状態に基づいてエンジン22の暖機運転の実行の許否を判定し、実行が許可されているときにはエンジン22を自立運転して触媒を暖機しながら要求トルクTr*に見合うトルクがモータMG2から出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御し、実行が許可されていないときには触媒暖機モードを解除してエンジン22からPe*が出力されると共に要求トルクTr*に見合うトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するので、、バッテリ50の状態が良好なときには暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させることができ、バッテリ50の状態が良好でないときには暖機運転継続による不都合、例えば、バッテリ50に過大な負担がかかることやモータMG2から出力するトルクが不足して要求トルクTr*に対応できないことを回避することができる。したがって、触媒の暖機要求がなされたときに暖機運転を実行して触媒の浄化性能を向上させると共に暖機運転継続による不都合を回避することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、触媒暖機時駆動制御として、点火遅角した状態でアイドル回転数Nidlで自立運転(無負荷運転)するようエンジン22を制御するものとしたが、点火遅角しない状態でアイドル回転数Nidlで自立運転(無負荷運転)するようエンジン22を制御するものとしてもよい。また、エンジン22の回転数としてはアイドル回転数Nidlに限定されるものではなく、如何なる回転数としても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50の残容量(SOC)と電圧Vbとに基づいて暖機運転実行の許否を判定するものとしたが、さらにバッテリ50の電池温度を考慮に加えてもよい。また、残容量(SOC)や電圧Vb,電池温度のうち、いずれか一つだけに基づいて判定するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、車両が停車しているときには暖機運転禁止継続フラグFが値1であっても暖機運転の実行を許可するものとしたが、車両が停車していても禁止を継続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、暖機運転禁止継続フラグFを用いて一旦バッテリ50の残容量(SOC)が閾値SOCref未満となったり電圧Vbが閾値Vbref未満となったりしたときにはトリップ終了まで暖機運転の禁止を継続するものとしたが、残容量(SOC)が閾値SOCref以上となったり電圧Vbが閾値Vbref以上となったりしたときに暖機運転の禁止を解除するものとしてもよい。この場合、図9の暖機運転実行許否判定ルーチンにおいて、ステップS520,S550の処理は必要ない。
実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
また、ハイブリッド自動車のタイプとしては、上述したパラレルハイブリッドに限定されるものではなく、シリーズハイブリッドするなど、排気を浄化する触媒を有する排気浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンと、エンジンからの動力を用いて発電する発電機と、走行用の動力を出力可能な電動機と、発電機や電動機と電力のやり取りを行なうバッテリとを搭載するものであれば、如何なる構成としても構わない。さらに、自動車の制御方法の形態としてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、排気を浄化する触媒を有する浄化装置134が排気系に取り付けられたエンジン22が「内燃機関」に相当し、駆動輪63a,63bにリングギヤ62およびリングギヤ軸32aを介して接続されたモータMG2が「電動機」に相当し、モータMG2と電力のやり取りを行なうバッテリ50が「蓄電手段」に相当し、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51bや電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算するバッテリECU52が「状態検出手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図3の駆動制御ルーチンのステップS110の処理や図4の暖機時駆動制御ルーチンのステップS310の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、図9の暖機運転実行許否判定ルーチンの処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「触媒暖機運転許否判定手段」に相当し、触媒暖機要求がなされていないときや触媒暖機要求はなされたが暖機運転が禁止されているときに、要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図3の駆動制御ルーチンのステップS120〜S200の処理を実行し、触媒暖機要求がなされておりかつ暖機運転が許可されているときに、エンジン22が点火遅角された状態でアイドル回転数Nidlで自立運転(無負荷運転)すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS320〜S410の処理を実行を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と、目標回転数Ne*や目標トルクTe*,点火遅角の制御信号を受信してエンジン22を制御するエンジンECU24と、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信してモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。また、動力分配統合機構30とモータMG1との組み合わせが「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。また、対ロータ電動機230も「電力動力入出力手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンとするなど、排気を浄化する排気浄化用触媒を有する排気浄化装置が排気系に取り付けられたものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「蓄電手段」としては、ニッケル水素電池としたり鉛蓄電池としたりするなど、発電機や電動機と電力のやり取りを行なうものであれば如何なるものとしても構わない。「状態検出手段」としては、蓄電手段の電圧や残容量を検出するものに限定されるものではなく、温度などその他蓄電手段の状態に関するものであれば如何なるものを検出しても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、走行に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。「電力動力入出力手段」は、モータMG1と動力分配統合機構30との組み合わせや対ロータ電動機230に限られず、車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、駆動軸と出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれかに軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業に利用可能である。
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 温度センサ、51b 電圧センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135 温度センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、150 可変バルブタイミング機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。
Claims (10)
- 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
排気系に浄化用触媒が取り付けられ、前記駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、
該検出された前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定する触媒暖機運転許否判定手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記設定された要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と
を備える動力出力装置。 - 請求項1記載の動力出力装置であって、
前記状態検出手段は、前記蓄電手段の電圧を検出する手段であり、
前記触媒暖機運転許否判定手段は、該検出された前記蓄電手段の電圧が所定電圧未満のときに前記触媒暖機運転を不許可とする手段である
動力出力装置。 - 請求項1または2記載の動力出力装置であって、
前記状態検出手段は、前記蓄電手段の残容量を検出する手段であり、
前記触媒暖機運転許否判定手段は、該検出された前記蓄電手段の残容量が所定残容量未満のときに前記触媒暖機運転を不許可とする手段である
動力出力装置。 - 前記制御手段は、前記触媒暖機運転として前記内燃機関を自立運転するよう該内燃機関を運転制御する手段である請求項1ないし3いずれか1項に記載の動力出力装置。
- 前記触媒暖機運転許否判定手段は、前記駆動軸の回転数が略値0のときには、前記検出された前記蓄電手段の状態に拘わらず前記触媒暖機運転を許可する手段である請求項1ないし4いずれか1項に記載の動力出力装置。
- 前記触媒暖機運転許否判定手段は、前記触媒暖機運転を不許可としたときにはトリップ終了まで該不許可を継続する手段である請求項1ないし5いずれか1項に記載の動力出力装置。
- 前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸に対して独立して回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力すると共に前記蓄電手段と電力をやり取り可能な電力動力入出力手段とを備える請求項1ないし6いずれか1項に記載の動力出力装置。
- 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段とを備える手段である請求項7記載の動力出力装置。
- 請求項1ないし8いずれか1項に記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸が車軸に接続されてなる自動車。
- 排気系に浄化用触媒が取り付けられ駆動軸に対して独立して運転状態を変更可能に該駆動軸に接続された内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記蓄電手段の状態に基づいて前記浄化用触媒を暖機するための前記内燃機関の触媒暖機運転の許否を判定し、
(b)前記浄化用触媒の暖機要求がなされたとき、前記触媒暖機運転が許可されているときには前記内燃機関の触媒暖機運転を伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒暖機運転が許可されていないときには前記暖機要求に拘わらず前記要求駆動力に応じた前記内燃機関の負荷運転を伴って該要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該内燃機関と前記電動機とを制御する
動力出力装置の制御方法。
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JP2007321084A JP2009143314A (ja) | 2007-12-12 | 2007-12-12 | 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 |
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JP (1) | JP2009143314A (ja) |
Cited By (1)
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WO2019150854A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
-
2007
- 2007-12-12 JP JP2007321084A patent/JP2009143314A/ja active Pending
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WO2019150854A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
JP2019131005A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
US11472398B2 (en) | 2018-01-30 | 2022-10-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Hybrid vehicle |
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